JP4362639B2 - 画像処理方法、画像処理システム、及び、撮像装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理システム、及び、撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法、画像処理システム、及び、撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IT(Information Technology)技術の進歩に伴い、例えば、通信と画像処理とを融合した新しいサービスが提供されている。
図10は、新しいサービスの一つとして実施されているインターネット・テレビ・サービスの概念図を示すものである。
このサービスでは、サービス会社1は、スタジオカメラ等で撮影した商品画像(オブジェクト)とその商品画像に対応する情報とをユーザ端末2に配信し、ユーザー端末2では、ユーザによるマウス等のポインティングデバイス3の操作選択により、選択された商品画像に対応する情報をサービス会社1に返信する。
その後、サービス会社1は、当該商品画像により特定される商品を販売する販売会社4に発注手続きを行い、販売会社4は、この手続きを受けて発注元のユーザ宛に商品を配送する。
【0003】
ところで、このようなサービスに適用される画像処理、及び画像符号化技術は、次第にMPEG−4やMPEG−7の規格記述等に代表される、より高度なマルチメディア規格によるオブジェクトベース符号化処理、及び記述情報(作者はだれか、何についての情報かなど)の付加記述情報表示処理へとシフトしている。
【0004】
このような画像処理技術の進歩に対し、従来より知られている特殊効果に適用される画像処理方法として、特定色の背景(ブルーバック)を必要とする「クロマキー分離法」等があるが、この方法では撮影後の画像合成処理(特定の被写体画像を背景から切り出す等)で、撮影画像に”抜くべき領域”を認識させるため、予め撮影時において、特殊な撮影空間を用意したり、被写体に対し特定色(黒)の衣服を着用させる等、特別な処理を施す必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、画像処理を前提とした撮影を行う場合、事前に処理内容に沿った撮影環境や被写体に特殊な処理が必要であるために、民生機器への転用が難しく今後撮影機器の使い勝手や付加機能を考えてゆく上で大きな障害となっていた。
本発明はこのような問題に際し、上記画像処理を前提とした撮影に際し、処理対象となる部分画像の抽出を即時に、且つ簡単に行うことができ、また後段の画像処理でも、上記付加記述情報の取得等が簡単に行える技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、点灯制御された発光部を備えた被写体、又は、点灯制御された発光部による光が照射された範囲の被写体を含む画角を撮像部に連続的に撮像させ、この画角から前記被写体を抽出する抽出ステップと、この抽出ステップにて抽出された被写体の画像を符号化する符号化ステップと、前記抽出ステップにて連続的に撮像された被写体に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、前記発光部から送信された付加記述情報を、前記符号化ステップにて符号化された被写体の画像と対応付けて出力部に出力させる出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、点灯制御された光を発光する発光手段と、この発光手段を備える被写体、又は、この発光手段の光が照射された範囲の被写体を含む画角を連続的に撮像する撮像手段と、この撮像手段によって連続的に撮像されている画角から、前記被写体の画像を抽出する抽出手段と、この抽出手段によって抽出された被写体の画像を符号化する符号化手段と、前記撮像手段によって連続的に撮像された被写体の画像に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、前記発光手段から送信された付加記述情報を前記符号化手段によって符号化された被写体の画像と対応付けて出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記点灯制御とは時分割で点灯タイミングを制御することであり、この点灯タイミングに同期するように、前記撮像手段における蓄光時間を制御する蓄光時間制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項記載の発明は、上記請求項2又は3に記載の発明において、前記光は収束された光ビームであるとともに、この光ビームの収束半径を調整する調整手段を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、上記請求項2乃至4の何れかに記載の発明において、前記抽出手段によって抽出されている前記被写体の前記画角における位置を取得する位置取得手段を更に備え、前記出力手段は、前記発光手段から送信された付加記述情報として前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、点灯制御された光を含む被写体、又は、この光が照射された範囲の被写体を含む画角を撮像部に連続的に撮像する撮像手段と、この撮像手段によって連続的に撮像されている画角から、前記光を含む被写体、又は、前記範囲の被写体を抽出する抽出手段と、この抽出手段によって抽出された被写体の画像を符号化する符号化手段と、前記撮像手段によって連続的に撮像された被写体の画像に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、送信された付加記述情報を前記符号化手段によって符号化された被写体の画像と対応付けて出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、前記点灯制御とは時分割で点灯タイミングを制御することであり、この点灯タイミングに同期するように、前記撮像手段における蓄光時間を制御する蓄光時間制御手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、上記請求項6又は7に記載の発明において、前記抽出手段によって抽出されている前記被写体の前記画角における位置を取得する位置取得手段を更に備え、前記出力手段は、前記付加記述情報として前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を出力することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
1.本実施の形態の概念
図1は、本実施形態の概念を例示したものである。同図において、撮影対象範囲10には便宜的に示す4つの被写体11〜14が置かれており、この撮影対象範囲10を臨むようにして、第1のカメラシステム15、第2のカメラシステム16および第3のカメラシステム17が配置されている。
第1のカメラシステム15は図面上方から下方に向かって撮影対象範囲10を臨む画角を形成し、第2のカメラシステム16は図面左下から右上に向かって撮影対象範囲10を臨む画角を形成し、第3のカメラシステム17は図面右下から左上に向かって撮影対象範囲10を臨む画角を形成するように配置されている。
ここで、第1のカメラシステム15は画角α1に収まる4つの被写体11〜14を撮影し、第2のカメラシステム16は画角α2に収まる2つの被写体11、12を撮影し、そして、第3のカメラシステム17は画角α3に収まる2つ被写体12、14を撮影する。
【0018】
このような図1の撮影方法において、各カメラシステムが撮影したそれぞれ画像から部分画像として被写体画像をするパターンとして、以下の2つ考えられる。
<第1のパターン>
撮影範囲10内に時系列的に点灯制御される赤外光を発射する発射手段を備える。そして、各カメラシステムは、当該被写体が発信する赤外光を検出してその座標を抽出する。
例えば、第1のカメラシステム15の画角α1内に存在する被写体12には、任意の位置に赤外光を発射する発射手段が設置されているものとする。
第1のカメラシステム15は被写体12を連続的に撮影することにより、この赤外光を検出し、その赤外光の位置座標を取得するとともに、その点灯制御された赤外光から、付加記述情報を生成する。
【0019】
<第2のパターン>
各被写体11〜14は上記発射手段を備えない。その代わり、時系列的に点灯制御され、任意に且つ変更可能に被写体に赤外光を照射する発射手段が撮影対象範囲10の外、若しくは各カメラシステムに設けられており、カメラシステムは赤外光が照射された被写体を抽出対象とすべき被写体として抽出する。
例えば、第2のカメラシステム16の画角α2内に存在する被写体11は、発射手段を備えない。その代わり、撮影対象範囲10の外(少なくとも第2のカメラシステムの画角α2の範囲外)には被写体11に赤外光を照射する発射手段が備えられ、この図では被写体11を選択して赤外光を照射している。そして、第2のカメラシステム16が画角α2の撮影範囲10を連続的に撮影すると、照射により被写体11から反射される赤外光(反射光)を連続的に受信して、撮影画像より被写体11の画像を抽出する。
なお、一端矢印付破線18a、18bは上記第1のパターンにおける赤外光を表し、また、一端矢印付破線19a、19bは第2のパターンにおける赤外光を表している。
【0020】
図2は、上述の第1のカメラシステム15、第2のカメラシステム16および第3のカメラシステム17(以下、カメラシステム15〜17と称する)に共通する、赤外光が照射された被写体を抽出するためのブロック構成図である。
このブロック図において、撮像部21は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )型やCMOS(Complementary Mental-Oxide Semiconductor)型のイメージセンサを備えて画角範囲内にある被写体11〜13を撮影し、信号化して処理装置23に出力する。
付加記述情報指定部24は、赤外光検出用イメージセンサ241を備え、上記<第1のパターン>にあっては、被写体11〜13自ら発射する赤外光を通信媒体とした付加記述発信情報を受信し、その受信座標を含めて付加記述情報取得部25に出力し、受信した赤外光に基づく付加記述情報を取得する。また、上記<第2のパターン>にあっては、付加記述情報指定部24は、撮影時において任意に選択されて赤外光が照射された被写体から反射された赤外光を抽出し、付加記述情報取得部25に出力し、受信した赤外光に基づく付加記述情報を取得する。
なお、付加記述情報指定部24と付加記述情報取得部25とは同期して動作するようになっている。処理装置23は、撮像部21からの撮影画像に基づく信号と、付加記述情報取得部25からの付加記述情報を構成する信号とを組み合わせ、「画像+付加情報」の形に合成してストリームを生成し、例えば、伝送、蓄積、変換または表示のため後段の処理部に出力する。
【0021】
ここで、複数のカメラシステムを用いる場合、赤外光による干渉を防止する工夫、すなわち、抽出対象とすべき被写体を効率良く弁別する工夫が必要になる。
図3は、抽出対象とする被写体を検出、弁別するための処理方法を説明するためのタイミングチャートである。この例では上記<第1のパターン>おける、赤外光の点灯制御に時分割点灯タイミングを適用している。図において、スロットA、B、及びCはそれぞれ1/60秒(便宜上フィールドと称する。)割り当てられており、スロットAは第1のカメラシステム15用に割り当てたもの、スロットBは第2のカメラシステム16用に割り当てたもの、スロットCは第3のカメラシステム17用に割り当てたものである。
【0022】
各カメラシステム15〜17のシャッタータイミングと、赤外線を発射する発射手段(光源)は、予め同期が確立されており、第1のカメラシステム15に設けられた赤外光検出用イメージセンサ241は、撮影画像のサンプリングに際し、蓄光時間(シャッター時間)がスロットAの最初の1/180秒以上にはならないように設定されている(最大値1/180秒の範囲で取得データの輝度設定等が行われる)。
【0023】
通常の撮影による画像データの取得は、通常の1フィールド内でのシャッタースピード制御が行われる。発射手段は、第1のカメラシステム15を被抽出対象とする場合、この1フィールドの最初の0〜1/180秒間ごとに赤外光点灯すれば、第1のカメラシステム15の付加情報取得部25で第1のカメラシステム15を被抽出対象とする赤外光の点灯のみを検出することができる。同様に、第2のカメラシステム16は1フィールド内の2/180〜3/180秒間に点灯する赤外光のみを検出し、第3のカメラシステム17は1フィールド内の3/180〜4/180秒間赤外光のみを検出するようにすれば、カメラシステム15〜17同士影響を受けないことになり、互いの干渉を防止できる。
【0024】
なお、カメラシステム15〜17全てにおいて赤外光点灯を検出させる場合は、1フィールド間全てを点灯すればよい。もちろん、第1のカメラシステム15と第3のカメラシステム17との組み合わせ検出や、第2のカメラシステム16と第3のカメラシステム17との組み合わせも可能である。また、上記<第1のパターン>に適用した場合について詳述したが、上記<第2のパターン>のように、抽出対象となる被写体に対して赤外光を照射する場合でも、適用可能である。
【0025】
2.応用例(基本的モデル)
図4は、上記概念に基づいた応用例であり、上記<第1のパターン>、<第2のパターン>を併用したモデルを例示したものである。
同図において、被写体群は、1人の人物34、2つの静止物35、36、及び光ビーム発射手段33とからなり、カメラシステム30とカメラシステム31はこれらの被写体群を囲うように配置されている。またカメラシステム30、31は制御手段32に接続され制御信号321、322が入力される。
【0026】
カメラシステム30は、所定のタイムスロットにて時系列的に点灯する赤外光を人物34の顔部分に向けてスポット照射する第1の照射手段301と、画角α5の範囲を撮影するカメラ302とが接続され、このうち第1の照射手段301点灯や照射位置・範囲は、制御手段32から出力される制御信号321によって制御される。
カメラシステム31は、第1の照射手段301とは異なる所定のタイムスロットにて時系列的に点灯する赤外光を静止物36にスポット照射する第2の照射手段311と、画角α6の範囲を撮影するカメラ312とが接続され、このうち第2の照射手段311による赤外光の点灯や照射位置・範囲は、制御手段32から出力される制御信号322によって制御される。
【0027】
また、光ビーム発射手段33は、赤外光を収束して生成した光ビームを発射する。そして、その点灯(点滅)タイミングは制御手段32から出力される制御信号323によって制御されている。
【0028】
カメラシステム30は、撮影した画像304、305から人物34の上半身部分(図5の符号34a参照)を抽出してオブジェクト符号化処理を行う。カメラシステム31は、撮影した画像304、305から静止物36を抽出してオブジェクト符号化処理を行う。なお、カメラシステム30、31、及び光ビーム発射手段は制御部32を仲介して互いにリンクしており、カメラシステム30、31は上記処理において、互いに影響を及ぼさないようになっている。
【0029】
図5は、図4におけるカメラシステム30で撮影された被写体群の画像の抽出概念図である。
画像304は上記赤外光検出用センサによるものであり、上記<第2のパターン>に相当する方法で撮影された人物34の上半身部分の画像34aと、上記<第1のパターン>に相当する方法で撮影された光ビーム発射手段33による光点の画像33aとが含まれている。画像305には撮像された各被写体の画像が含まれている。画像304に含まれる33aからは、上記図2において詳述した内容に基づいて座標情報(図5では便宜的に(X,Y)=(450,500))が付加記述情報として生成され、34aについては34bの画像の上半身部分(34a)が付加記述情報を関連付けさせる領域として判別させるための情報が生成される。
【0030】
そして、合成画像306と、付加記述情報307とから統合データストリーム308が生成される。
この処理は、カメラシステム31でも同様に行われ、カメラシステム31では、静止物36の画像について抽出、座標情報の取得、そして統合ストリームが生成される。
【0031】
図6(a)〜(d)は、図4における、第1の照射手段301、第2の照射手段302、及び光ビーム発射手段33の詳細な構造に関する幾つかの構成を例示するものである。
【0032】
図6(a)は、光ビーム発射手段33に関する具体例であり、赤外光を発光する光源を備える発光体33a、発射角度の調整が可能な反射板33b、及び固定部材33cを有している。
図6(b)は、第1の照射手段301、第2の照射手段302、及び光ビーム発射手段33のいずれかにおいて、発射する赤外光の収束半径の調整機構に係わるもので、光ビーム発射手段33として使用する場合は、からの収束半径αxを絞り込み、第1の照射手段301、及び、第2の照射手段302として使用する場合は、収束半径を拡大する。
図6(c)は、制御部33をカメラシステムの外部に備えないケースであり、第1の照射手段301、第2の照射手段302、及び光ビーム発射手段33のいずれかにおいて、光源強度・光束制御部33d、発光体33a、同期・タイミング制御部33eおよびメカニカルな機構を備える照射対象選択部33fとによって構成したものである。
図6(d)は、第1の照射手段301において、人物34の画像の抽出例を図示したものである。まず、人物34に対し第1の照射手段301より赤外光303を照射する。円錐状に拡散する赤外光303が背景37に対して距離、拡散角度、信号強度において一定の条件を満していれば、背景37の反射光37aの反射強度に対して人物34の反射光95aの反射強度が強くなるから、人物34からの反射光95aの反射強度に対応するスレッシュを抽出に適用することにより、人物34の照射部分(上半身部分)の画像34aだけを抽出することができる。
【0033】
3.応用例(MPEG4エンコードシステム適用モデル)
図7は、上述の図2を更に具現化し、MPEG4エンコードシステムへの適用を考慮した場合のカメラシステムの構成例であり、撮影範囲にある背景70は被写体71〜73よりも十分距離が離れた位置にあるものであり、74は赤外光を発光する光源である。そして、本発明を具体的に説明する例として、撮影時に、この撮影範囲に有る被写体71〜73の形状画像の抽出と、光源74の位置座標抽出をリアルタイムで行い、抽出された形状画像は各々をオブジェクトベース符号化処理し、一方、光源74に対応する位置座標にはクリックイベント等のホットスポットデータを関連付ける処理を行うものとする。
【0034】
この図において、カメラシステム40は、赤外光を波長領域とした光41を照射する照射部42(入光手段)と、この照射部42の各種動作を制御する照射制御部43と、画角α7内に存在する被写体群71〜74及び背景70とを撮影する第1の撮像部44および第2の撮像部45と、第1の撮像部44の前面に設けられた赤外光透過フィルタ46と、第2の撮像部44で撮影され、赤外光透過フィルタ46によって透過された光源74の座標、及び、被写体71〜73からの反射赤外光領域を認識する領域・座標認識部47(検出手段)と、第1の撮像部45で撮影された画像を取り込んでディジタルの画像信号に変換する画像ディタイズ処理部48と、上記領域・座標認識部47の認識結果を記憶するメモリ部49(抽出座標リストメモリ49aと抽出形状リストメモリ49bを含む)と、後述する形状切り出し手段501(抽出手段)、MPEG4ビジュアル符号化手段502、ホットスポットデータ生成手段503、情報入力手段504、及びMPEGシステム符号化手段505とを備え、メモリ部49に記憶された情報と画像ディジタイズ処理部48からの信号とを組み合わせて「画像+付加記述情報」形式のデータ(例えば、MPEGデータストリームや画像効果映像等)を出力する処理装置50と、領域・座標認識部47の動作状態を管理したり、各回路部の動作設定等を行う検出状態モニター/検出設定変更部51とを備える。
【0035】
図8は、図7の構成における動作概念図である。
第1の撮像部44により撮影された赤外光画像80aは、光源74、被写体71〜73の二値画像71a〜74a(例えば、ハッチング部分は論理“1”、それ以外の部分は論理“0”)を含む画像(70は、被写体71〜73に比べ十分遠い位置にあるため、赤外光照射による反射強度が弱く、無視される)、一方、第2の撮像部45により撮像された赤外光画像80bは、光源74、被写体71〜73に対応する画像71b〜74bを含む。第1の撮像部44により撮像された赤外光画像80aに含まれる光源74の二値画像74aの座標情報は、抽出座標リストメモリ49aに記憶され、また、赤外光画像80aに含まれる各被写体の二値画像71a〜73aの形状は抽出形状リストメモリ41bに記憶される。
【0036】
一方、第2の撮像部45により撮影された画像80bは、ディジタイズ処理されて処理装置42に送られる。処理装置50内の形状抽出手段501は、ディジタイズ処理された画像80bから、上記抽出形状リストメモリ49bの記憶内容(二値画像71a〜73aの形状)に基づいて802b〜804bに図示されるように、各被写体画像71b〜73bを画像80bから抽出する。画像802b〜804bには抽出された各被写体画像71b〜73bが含まれ、各被写体画像71b〜73bはオブジェクトベース符号化される。
【0037】
一方、抽出座標リストメモリ41aの記憶内容(光源74の座標情報)、及び、汎用的な情報入力デバイス(キーボード等)を含む情報入力手段504からの情報に基づいて、ホットスポットデータ生成手段503がこの光源74に対応する座標情報に関連するホットスポットデータ(付加記述情報)を生成する。そして、MPEG4システム符号化手段505が、ホットスポットデータ生成手段503からの出力内容とMPEG4ビジュアル符号化手段502からの出力内容とを合成してをMPEG4のデータストリームを生成する。
【0038】
図9は、上記図7において領域・座標認識部47、メモリ49、形状抽出手段501、MPEG4ビジュアル符号化手段502、及び、MPEG4システム符号化手段505において行われる一連の処理動作を示すフローチャートを示すものである。
まず、初期設定時に検出のためのタイムスロットを設定し(ステップS10)、検出フィールドにおいて所定のスレッシュ値以上の領域について領域ラベリング処理を行う(ステップS11)。次に、検出フィールドにおいて、未処理領域有り/無しを判定し(ステップS12)、有りであれば、未処理領域における1つの領域データを取り出し(ステップS13)、その領域データの面積が一定値以下であるか否かを判定する(ステップS14)。そして、一定値以下であれば、抽出座標リストメモリ49aに座標情報を登録し、一定値以上、すなわち、ある程度の領域を検出したならば、抽出形状リストメモリ49bの形状データリストにその領域の形状を登録するという動作を未処理領域がなくなるまで(ステップS12の判定結果が“NO”になるまで)繰り返す。
【0039】
一方、未処理領域がない場合(ステップS12の判定結果が“NO”になった場合)は、まず、抽出形状リストメモリ41aに領域の形状がリスト化され、形状データリストとして登録されているか否かを判定する(ステップS17)。そして、登録されていればそれを取り出し、形状データリストに基づいて、画像80bから対応する被写体の画像領域を切り出してプレーン化する(ステップS18)。
そして形状切り出し手段501は、この処理を形状データリストに登録された全ての情報について繰り返し、完了すると、MPEG4ビジュアル符号化手段502において切り出された画像のオブジェクトベース符号化処理を行い(ステップS19)、MPEG4システム符号化手段505が、この処理結果と、抽出座標リストメモリ49aに登録された登録内容(光源74の座標情報)と、それに対応して生成されたホットスポットデータとを用いてデータストリームを生成(ステップS20)し、ステップS11以降の処理を未処理領域が検出されなくなるまで繰り返し実行する。
なお、この場合において、形状抽出手段501、MPEG4ビジュアル符号化手段502、ホットスポット生成手段503、及び、MPEG4システム符号化手段505は、オブジェクト指向言語で記述されたアルゴリズムであることが望ましい。
切り出された画像の規格は、MPEG4の「MPEG4ビジュアル符号化」に準拠するものであり、シーン記述についても上記MPEG4のにおいて公然と知られた技術であるので詳細説明は省略する。
【0040】
この場合、第1の撮像部44による出力画像の精細度(赤外光画像80aの精細度)は必ずしも第2の撮像部45による出力画像の精細度(画像80bの精細度)と必ずしも同等である必要はなく、特に赤外光画像80aの精細度については後段の処理において要求される程度で十分である。
【0041】
このような本実施の形態によれば、複数の被写体を含む画像撮影に際し、所定以上の領域を持つのであればをその赤外光画像の各被写体画像の形状情報を抽出形状リストメモリ49bに登録すると共に、その抽出形状リストメモリ49bに登録された内容に基づいて、対応する被写体画像を別個に抽出し、オブジェクトベース符号化することができる。
さらに、領域を持たない点光源の場合は、その画像の座標情報とホットスポットデータとを関連付けすることができる。したがって、合成してMPEG4システム符号化する際には、当該MPEG4で規定される画像抽出を自動化することができ、MPEG4システムを応用した様々なマルチメディア情報、及び対応機器の使い勝手や利便性向上を図ることができる。
【0042】
例えば、マルチメディア情報に応用すると、オブジェクトの座標クリック時のイベント動作(例えばヘルプ画面表示や、詳細情報画面へのリンク先指定等)を予め当該装置にプリセットしておくことにより、撮影しながら直ちにシーン記述データを生成することが可能になり、イベント動作を予め選択可能にしておけば、撮影動作中にイベント内容を時間帯に応じて変更させることもできる(例えばイベント動作がリンク先指定であって、撮影動作中のある時刻(t0)からある時刻(t1)まではリンク先は所定の説明画面、時刻(t1)からある時刻(t2)まではリンク先は他の説明画面等)。
また、対応機器に応用すると、インタラクティブな情報指定のためのシーン記述を行う機器(装置)にも転用することにより使い勝手が向上する。
【0043】
4.その他の変形例
なお、本発明の実施形態は以上のものに限定されない。本発明の意図する範囲においては多種多様な形態に適用可能である。
例えば、図3では、フィールド内タイムスロットの3分割によって行う場合を例示したが、複数のフィールドを1単位としてこのフィールドブロックでサンプリングのおよび赤外光の点灯タイミングを同期させる、すなわち5フィールドを5つのタイムスロットとしてみなすことで、第1のカメラシステム15はフィールド0、5、10、・・・・のタイミングだけに着目して識別させることもできる。(スロットA、B、Cをそのままフィールド0、1、2とし、自フィールド時間の赤外光検出を前回検出結果に基づくものとすることによって実現することが可能)。
【0044】
また、例えば図7において、通常撮影による画像信号の中に付加記述情報を重畳させ、赤外光感度の高い汎用の撮像デバイスを使用すれば撮像部を1つにすることも可能である。このようにすれば、回路の簡素化、生産コストの面で向上を図ることができる(つまり、本来赤外光は人間に知覚されにくいため、撮影画像に与える影響を最小限にすることができる)。
【0045】
この場合の適用範囲としては、画像の精細度がそれほど要求されない、例えば、CG画像の重ね位置や形状指定などに用いて好適である。但し、本来の画像に与える影響をより少なくするためには、以下の工夫をすることが望ましい。
(イ)撮像部に赤外光感度カメラを使用する。
(ロ)赤外光点灯光源の点灯パターンに、例えばスペクトラム拡散符号方式のような、自然光による擾乱に対し比較的強い拡散符号系を用いる。
(ハ)赤外光領域抽出に上記赤外光光源の点灯パターンを利用した相関フィルタ処理を適用する。
【0046】
また、データストリーム化する際には、ベースバンドデータ構成を採用し、データパケットの先頭に識別符号をのせて記述情報の詳細も伝送できるようにしてもよい。
このような本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(a)従来の画像処理に比べシステムへの負担を軽くでき、ハード面およびソフト面の改良が容易である。
(b)異なるタイムスロットに属する照明が重ねて照射された場合でも、各カメラシステムの互いの干渉を防止することができ、複数のカメラシステムで共通の被写体を撮影することができる(特に図1〜図3)。
(c)任意に赤外光照射によって抽出すべき被写体を選択・指定することができるので、被写体が移動体であっても、良好に追尾し切り出しができる(動き検出にともなう煩雑な操作を必要としない)(特に図6)。
(d)照射光源の強度、拡散角度などを調整可能としたので、複雑な形状の被写体の切り出し処理を非常に簡便に行うことができる(特に図6、図7)。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、処理対象となる部分画像の抽出と、付加記述情報の受信とを、簡単に行うことができ、例えば、MPEG4応用システムに用いて好適な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の概念図である。
【図2】カメラシステム15〜17のブロック構成図である。
【図3】抽出対象とする被写体を検出、弁別するための処理方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の応用例(基本モデル)を示す図である。
【図5】図4における画像の抽出概念図である。
【図6】図4における第1の照射手段301、第2の照射手段311、光ビーム発射手段33の詳細な構造に関する具体例を示す図である。
【図7】MPEG4エンコードシステムへの適用を考慮したカメラシステムの構成例である。
【図8】図7の構成における動作概念図である。
【図9】上記図7において領域・座標認識部47、メモリ49、形状抽出手段501、MPEG4ビジュアル符号化手段502、及び、MPEG4システム符号化手段505において行われる一連の処理動作を示すフローチャートである。
【図10】インターネット・テレビ・サービスの概念図である。
【符号の説明】
11〜14、33〜36、71〜74 被写体
15〜17、30、31、40 カメラシステム(画像抽出システム、撮像装置)
23、50 処理装置(画像抽出システム)
33 光ビーム発射手段(入光手段)
34b〜36b、71b〜73b 被写体画像
80b、撮影画像
501 形状抽出手段

Claims (8)

  1. 点灯制御された発光部を備えた被写体、又は、点灯制御された発光部による光が照射された範囲の被写体を含む画角を撮像部に連続的に撮像させ、この画角から前記被写体を抽出する抽出ステップと、
    この抽出ステップにて抽出された被写体の画像を符号化する符号化ステップと、
    前記抽出ステップにて連続的に撮像された被写体に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、前記発光部から送信された付加記述情報を、前記符号化ステップにて符号化された被写体の画像と対応付けて出力部に出力させる出力ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  2. 点灯制御された光を発光する発光手段と、
    この発光手段を備える被写体、又は、この発光手段の光が照射された範囲の被写体を含む画角を連続的に撮像する撮像手段と、
    この撮像手段によって連続的に撮像されている画角から、前記被写体の画像を抽出する抽出手段と、
    この抽出手段によって抽出された被写体の画像を符号化する符号化手段と、
    前記撮像手段によって連続的に撮像された被写体の画像に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、前記発光手段から送信された付加記述情報を前記符号化手段によって符号化された被写体の画像と対応付けて出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする画像処理システム。
  3. 前記点灯制御とは時分割で点灯タイミングを制御することであり、
    この点灯タイミングに同期するように、前記撮像手段における蓄光時間を制御する蓄光時間制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
  4. 前記光は収束された光ビームであるとともに、この光ビームの収束半径を調整する調整手段を更に備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理システム。
  5. 前記抽出手段によって抽出されている前記被写体の前記画角における位置を取得する位置取得手段を更に備え、
    前記出力手段は、前記発光手段から送信された付加記述情報として前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を出力することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の画像処理システム。
  6. 点灯制御された光を含む被写体、又は、この光が照射された範囲の被写体を含む画角を撮像部に連続的に撮像する撮像手段と、
    この撮像手段によって連続的に撮像されている画角から、前記光を含む被写体、又は、前記範囲の被写体を抽出する抽出手段と、
    この抽出手段によって抽出された被写体の画像を符号化する符号化手段と、
    前記撮像手段によって連続的に撮像された被写体の画像に含まれる前記点灯制御された光を通信媒体として受信することにより、送信された付加記述情報を前記符号化手段によって符号化された被写体の画像と対応付けて出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  7. 前記点灯制御とは時分割で点灯タイミングを制御することであり、
    この点灯タイミングに同期するように、前記撮像手段における蓄光時間を制御する蓄光時間制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記抽出手段によって抽出されている前記被写体の前記画角における位置を取得する位置取得手段を更に備え、
    前記出力手段は、前記付加記述情報として前記位置情報取得手段によって取得された位置情報を出力することを特徴とする請求項6又は7に記載の撮像装置。
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