JP4362598B2 - 臭気ガス処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭気ガス処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般農家では、家畜が排泄した畜糞を発酵処理することによって肥料として用いている。この発酵処理過程において発生する臭気ガスには最大数1000ppmのアンモニアと、数ppmのメチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等が含まれている。このような成分を含む臭気ガスを大気中に放出すると、近隣に対して悪臭を放つこととなり、近隣に住む住民と農家とのトラブルの原因となる。
このような臭気ガスの脱臭処理の方法としては、水(あるいは薬液)洗浄法、オガ粉吸着法、微生物分解法等が知られている。しかしながら、上記脱臭処理の方法は、水(薬液)処理を伴ったり、比較的広い敷地面積を必要としたりするために、一般農家が利用することは難しい。また、近年、臭気ガスを炉(脱臭炉)内で燃焼させて臭気ガスの臭気成分を高温で熱分解して排気ガスとして排出する燃焼脱臭法が検討されている。ところが、上述の燃焼脱臭法は大幅に臭気ガスを脱臭できるものの、完全ではなく、燃焼によって生成される排気ガス中にも若干ながらアンモニア等の臭気成分が含まれている。また、この燃焼脱臭法では臭気成分を高温で熱分解するために大量の燃料が必要となるために、畜産農家等の経済的負担が増加するという問題が生じる。
【0003】
【非特許文献1】
高原 康光,「直燃式燃焼脱臭装置による縦型密閉発酵器臭気の脱臭」,畜産コンサルタント,2001年3月,p.58〜63
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)臭気ガスをより確実に脱臭する。
(2)臭気ガスをより確実に脱臭すると共に、効率的に燃焼排気ガスを処理する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る臭気ガス処理方法は、畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、上記臭気ガスを脱臭処理する方法であって、上記燃焼によって生成される排気ガスを所定の温度以上に保たれた触媒を介して外部に排出することによって脱臭及び/あるいは脱硝処理するという構成を採用する。
【0006】
また、本発明に係る臭気ガス処理装置は畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、上記臭気ガスを脱臭処理する装置であって、上記畜糞を発酵させる畜糞発酵器と、上記畜糞発酵器において発生した上記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって脱臭処理する燃焼機関と、所定温度以上に保たれ、上記燃焼機関から排出された排気ガスを脱臭及び/あるいは脱硝処理する触媒とを有するという構成を採用する。
【0007】
このような構成を採用することによって、排気ガス中に含まれるアンモニア等の臭気成分が所定温度以上に保たれた触媒によって処理される。
触媒としては、エンジン用の三元触媒を用いることが好ましい。この三元触媒は、通常300℃以上で安定してアンモニアを除去することができる。しかしながら、燃焼によって生成される排気ガスの温度は、常に300℃以上であるわけではなく、特に冬場においては、300℃以下である場合が多い。そこで、触媒として三元触媒を用いる場合には、何らかの手段を用いて触媒の温度を300℃以上に保つことが好ましい。
【0008】
触媒の温度を300℃以上に保つ具体的な手段としては、排気ガスに燃料を混合させて触媒に流入させることによって触媒燃焼させ、この触媒燃焼によって発生するエネルギによって触媒の温度を300℃以上に保つという手段が挙げられる。
【0009】
また、燃焼機関に供給する燃料の量を増加させることによって燃焼機関の負荷を増し、これによって排気ガスの温度を上昇させ、さらにこの排気ガスを上記触媒に流入させることによって、触媒の温度を300℃以上に保つという手段も挙げられる。
また、ヒータ等によって、触媒の温度を300℃以上に保つという手段も挙げられる。
【0010】
また、上記燃焼によって生成される排気ガスには、若干ながら窒素酸化物が含まれているが、上述のように排気ガスを触媒を介して外部に排出することによって、排気ガス中に含まれる窒素酸化物も上記アンモニアと同時に除去される。
【0011】
これに加え、本発明に係る臭気ガス処理方法は、畜糞を発酵させることによって処理する過程において発生する臭気ガスの処理方法であって、
上記畜糞を発酵させた際に発生する上記臭気ガス及び畜糞置場において発生する上記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって上記臭気ガスを脱臭処理して外部に排気ガスとして排出するという構成を採用する。
【0012】
また、本発明に係る臭気ガス処理装置は、畜糞から発生する臭気ガスの処理装置であって、上記畜糞を貯蔵する畜糞置場と、上記畜糞を発酵させる畜糞発酵器と、上記畜糞置場において発生した上記臭気ガス及び上記発酵器において発生した上記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させる燃焼機関とを備えるという構成を採用する。
【0013】
このような構成を採用することによって、畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガス及び畜糞置場において発生する臭気ガスが燃料と共に燃焼される。これによって、本臭気ガス処理方法及び装置において発生した全ての臭気ガスは、外部に漏れ出すことなく、燃料と共に燃焼される。
【0014】
また、上記排気ガスの有する熱量を用いて畜糞の発酵を促進させることが好ましい。これによって、畜糞の発酵を行う畜糞発酵器に別途にヒータ等の加温手段を設けなくとも、効率的に畜糞の発酵が行われる。
【0015】
また、上述の燃焼によって得られるエネルギによって発電することが好ましい。これによって、本臭気ガス処理方法及び装置において必要とされる電力が得られるので、より低コストで臭気ガスを処理することが可能となる。
【0016】
また、畜糞を発酵させる際に発生する臭気ガスには、発酵過程で排出される二酸化炭素、水分及びアンモニアが含有されているので、酸素濃度が18〜20%程度と低くなっている。このため、上記酸素濃度が大気と比較して低い上記臭気ガスを燃焼させると、酸素不足燃焼となり、大気を空気源として上記臭気ガスを燃焼させた場合と比較して排煙微粒子が増えると予想される。
このため、上記燃料は灯油であることが好ましい。
上記燃料として灯油を用いることによって、臭気ガスを燃焼させることによって生成される排煙微粒子の発生量が抑制されると共に、軽油等を使用する場合と比較して燃費が軽減される。
【0017】
また、上記臭気ガスのアンモニアの濃度は300〜3000ppmであり、上記臭気ガスの酸素濃度は18〜21%であり、上記臭気ガスには水分が5〜15%含有されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る臭気ガス処理方法及び装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、鶏糞(畜糞)から発生する臭気ガスを処理する場合について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本臭気ガス処理方法を用いて臭気ガスを処理する本臭気ガス処理装置のブロック図である。この図において、符号1は鶏糞置場(畜糞置場)、2は鶏糞発酵器(畜糞発酵器)、3は第1ブロワ、4はサイクロン、5は水槽、6(6a,6b)はエアフィルタ、7は燃焼機関、8は発電機、9(9a,9b)は三元触媒(触媒)、10は第1熱交換器、11は第2ブロワ、12a〜12dは三方弁、13は第2熱交換器(熱交換器)、またWは燃料、Xは鶏糞(畜糞)、Yは臭気ガス、Zは排気ガスである。
【0020】
鶏糞置場1は、家畜として飼われている鶏等が排泄した鶏糞Xを一時的に貯蔵する場所であり、鶏糞置場1に貯蔵された鶏糞Xから発生する臭気ガスYaが外部に漏出しないような構造を有している。この鶏糞置場1は、鶏糞Xの搬送の簡便さを考慮して鶏糞発酵器2の近傍に設置されていることが好ましい。
【0021】
鶏糞発酵器2は、鶏糞Xを発酵させて肥料とするものであり、例えば、鶏糞Xを連続的に好気性発酵させる連続式発酵器を用いることができる。
第1ブロワ3は、上記鶏糞発酵器2において発生した臭気ガスYを後段のサイクロン4に送風するものである。
【0022】
サイクロン4は、臭気ガスYの流れに乗って運ばれてくる鶏糞ダスト(固形異物)の内、比較的大きな鶏糞ダストを除去するものである。
なお、サイクロンとは、遠心力を利用して粒子の沈降速度を増大させた集塵装置であり、気体に回転運動を与えそれとともに回転する含塵粒子の遠心力を利用して分離する装置である。重力沈降に比べて重力の数百倍に及ぶ遠心力が分離作用をするため、小さい設備で高性能が得られる。円筒上部から接線方向に入った含塵ガスが円筒内壁に沿って旋回しながら下降し、下部の円錐部に入り、反転して旋回しながら上昇して内筒から排出される。気流が円筒および、円錐部の内壁にそって旋回下降する間に、気流中の粒子は遠心力によって壁方向に移動し、壁面に到達した粒子は重力により壁面に沿って滑り落ち、円錐部に接続する集塵箱にたまる。
また、鶏糞ダストとは、臭気ガスYの流れに乗って運ばれてくる異物であり、例えば、鶏の羽等が挙げられる。この鶏糞ダストは、鶏糞発酵器2から排出される臭気ガスY中に0.05〜0.45g/Nm3含まれている。
【0023】
水槽5は上記サイクロン4の後段に設けられており、上記サイクロン4において除去しきれなかった比較的小さな鶏糞ダストを除去すると共に、臭気ガスYに含有される水分を除去するものである。
具体的には、臭気ガスYを水槽5内に貯留された水に入れ、この水を加温することによって水中に溶解したアンモニア等を気化させて排出するものである。
【0024】
第2熱交換器13は、水槽5の後段に設けられており、後述する燃焼機関7の排気ガスZと臭気ガスYとを熱交換することによって、臭気ガスYを加温するものである。
【0025】
エアフィルタ6は、サイクロン4及び水槽5においても除去されなかった鶏糞ダストを除去するものであり、エアフィルタ6aとエアフィルタ6bの2つが設けられている。そして、エアフィルタ6の前段には三方弁12aが設けられており、エアフィルタ6の後段には三方弁12bが設けられている。
この三方弁12aによって、第2熱交換器13から排出された臭気ガスYは選択的にエアフィルタ6aあるいはエアフィルタ6bに流入される。
なお、三方弁12bは、上記三方弁12aに対応して調整される。
このように、三方弁12a,12bが設けられているために、エアフィルタ6a,6bのどちらか一方を清掃等する場合においても、本臭気ガス処理装置の運転を止めることなく行うことが可能となる。
【0026】
燃焼機関7は上記三方弁12bの後段に設けられており、灯油Wを燃料、臭気ガスYを空気源とする小型のディーゼルエンジンである。この燃焼機関7は、臭気ガスYを灯油Wと共に燃焼させることによって脱臭処理する。このような灯油を燃料として使用する小型のディーゼルエンジンとしては、石川島芝浦機械(株)製のN88Lが挙げられる。
【0027】
発電機8は、上記燃焼機関7を駆動源として発電するものであり、燃焼機関7に接した状態で設置されている。
なお、この発電機8によって発電された電力は、第1ブロワ3及び第2ブロワ11に供給される。
【0028】
三元触媒9は、上記燃焼機関7から排出された排気ガスZを脱臭及び脱硝することによって排気ガスZ中に残存したアンモニアや窒素酸化物を除去するものであり、三元触媒9aと三元触媒9bの2つが設けられている。
この触媒9の前段には三方弁12cが設けられており、触媒9の後段には三方弁12dが設けられている。
この三方弁12cによって、排気ガスZは選択的に触媒9aあるいは触媒9bに流入される。
なお、三方弁12dは、上記三方弁12cに対応して調整される。
このように、三方弁12c,12dが設けられているために、触媒9a,9bどちらか一方を交換等する場合においても、本臭気ガス処理装置の運転を止めることなく行うことが可能となる。
また、三方弁12cの前段には、三元触媒9において触媒燃焼させるための燃料混合口が設けられており、臭気ガスYは、燃料が混合された状態で三元触媒9aあるいは三元触媒9bに流入される。なお、燃料混合口から臭気ガスYに混合される燃料は、燃焼機関7に用いた灯油Wを用いることができる。
【0029】
第1熱交換器10は、図示するように、上記触媒9の後段に設けられており、上記排気ガスZと鶏糞置場1において発生した臭気ガスYaとを熱交換することによって、上記臭気ガスYaを加温するものである。この第1熱交換器10によって、排気ガスZの熱量が間接的に畜糞発酵器2に伝達される。
そして、第2のブロワは、上記臭気ガスYaを上述の鶏糞発酵器2の内部に流入させるものである。
なお、排気ガスZの通過経路は、図示するように、水槽5内を通っており、水槽5に貯留された水は、上記排気ガスZによって加温される。
したがって、鶏糞発酵器2及び水槽4に貯留された水を加温するための加温手段を備える必要がないので、製造コスト及び運転コストが削減される。
【0030】
次に、このように構成された本臭気ガス処理装置による本臭気ガス処理方法について説明する。
【0031】
鶏から排泄された鶏糞Xは、一時的に鶏糞置場1において貯蔵された後、鶏糞発酵器2に搬送される。また、鶏糞置場1において発生した臭気ガスYaは、第2ブロワ11によって第1熱交換器10に送風され、第1熱交換器10において上述の排気ガスZと熱交換されることによって加温された後、鶏糞発酵器2に流入する。
【0032】
鶏糞Xは、臭気ガスYaによって好適(例えば、70℃)に加温された鶏糞発酵器2内において、好気性発酵され、その結果、肥料と臭気ガスYが生成される。この鶏糞発酵器2において生成された臭気ガスYは、第1ブロワ3によってサイクロン4に送風される。この臭気ガスYは、アンモニアの濃度が300〜3000ppmであり、酸素濃度が18〜21%であり、また5〜15%の水分が含有されている。これに加え、臭気ガスYには鶏糞ダストが0.05〜0.45g/Nm3含まれている。また、鶏糞発酵器2から排出された臭気ガスYの温度は、35〜60℃である。なお、肥料は、鶏糞発酵器2の外部に搬出されて畑等に再利用される。
【0033】
そして、臭気ガスYは、サイクロン4によって、比較的大きな鶏糞ダストを除去された後、水槽5に貯留された水中に流入される。臭気ガスYは、水槽5に貯留された水中に流入されることによって、比較的小さな鶏糞ダストを除去された後、第2熱交換器13に向かって流れる。
なお、臭気ガスYが水槽5に貯留された水中に流入した際に、臭気ガスYに含有されるアンモニアは上記水中に一時的に溶解するが、水が排気ガスZによって加温されているため、水中に溶解したアンモニアは気化される。
なお、水槽5内に貯留された水は、使用後外部に排水される。
【0034】
続いて、臭気ガスYは、第2熱交換器13によって約70℃以上になるまで、加温される。鶏糞発酵器2が上述のように70℃程度にまで加温された状態となっているので、第2熱交換器13によって、臭気ガスYを70℃以上に加温すると、臭気ガスYに含まれる水分が臭気ガスY中に溶解される。このため、臭気ガスYが後段のエアフィルタ6を通過する際に臭気ガスYに含まれる水分が結露することを防止することができるので、結果、エアフィルタ6の目詰まりを防止することができる。
【0035】
その後、臭気ガスYは、三方弁12aによって選択的にエアフィルタ6aあるいはエアフィルタ6bを通過されることによって、上記サイクロン4及び水槽5によっても除去されなかった鶏糞ダストを除去された後、燃焼機関7に空気源として流入する。
【0036】
そして、臭気ガスYは、灯油Wと共に燃焼機関7によって燃焼されることによって脱臭処理された後、排気ガスZとして排出される。なお、この排気ガスZの温度は、250〜350℃程度の温度である。
なお、下式(1)に示すように、燃焼機関7内では、臭気ガスYに含有されるアンモニアが酸化することによって窒素酸化物が生成される。しかしながら、この窒素酸化物は、燃焼機関7内に新たに供給される臭気ガスYに含有されるアンモニアと下式(2)に示すように、還元反応するので、排気ガスZの窒素酸化物の濃度は、大気中に放出しても可能な水準に低下する。
NH3+O2=NOx+・・・…(1)
NOx+NH3=N2+・・・…(2)
【0037】
そして、燃焼機関7から排出された排気ガスZは、燃料混合口のおいて、灯油Wを混合された後、三方弁12cによって選択的に三元触媒9aあるいは三元触媒9bに送風される。そして、排気ガスZは、三元触媒9において脱硝されると同時にアンモニアや灯油W等の未燃分が完全燃焼される。これによって、排気ガスZ中に残存したアンモニアや窒素酸化物等はさらに除去される。
また、これと同時に、排気ガスZに混合された灯油Wによって、三元触媒9aあるいは三元触媒9bにおいて触媒燃焼が生じる。この触媒燃焼が連続的に生じることによって三元触媒9aあるいは三元触媒9bは、300℃以上に保たれる。結果、300℃以上に保たれた三元触媒9aあるいは三元触媒9bは、安定して排気ガスZ中に残存したアンモニアや窒素酸化物を除去する。
【0038】
その後、排気ガスZは、水槽5において水を加温し、第1熱交換器10において臭気ガスYaを加温し、第2熱交換器において臭気ガスYを加温した後、外部に排出される。また、燃焼機関7を駆動源とする発電機8によって発電された電力は、第1ブロワ3及び第2ブロワ11に送電されることによって、第1ブロワ3及び第2ブロワ11を駆動する。
【0039】
このように、本臭気ガス処理方法及び装置によれば、触媒燃焼によって三元触媒9が300℃以上に保たれるため、安定して排気ガスZ中に残存するアンモニア及び窒素酸化物を除去することが可能となり、結果、より確実に臭気ガスYを処理することが可能となる。
また、排気ガスZによって水槽5内の水、臭気ガスYa及び臭気ガスYを加温し、さらに、燃焼機関7を駆動源とする発電機7によって発電した電力で第1ブロワ3及び第2ブロワ11を駆動するので、低コストで臭気ガスYを処理することが可能となる。
また、燃焼機関7の燃料として灯油Wを用いるために、燃料として軽油を用いる場合と比較して排煙微粒子の発生を抑制すると共に、燃費を良くすることが可能となる。
【0040】
(実施例)
上記実施形態と同様の構成を有する臭気ガス処理装置において、燃焼機関7を8.6kWで運転して測定を行ったところ、燃焼機関7に流入する前の臭気ガスYはアンモニア濃度が2700ppm、メチルメルカプタン濃度が2.41ppm、硫化メチル濃度が0.078ppm、二硫化メチル濃度が0.79ppm、酸素濃度が18.8%、臭気濃度が550000であったのに対し、燃焼機関7から排出された排気ガスZはアンモニア濃度が170ppm、メチルメルカプタン濃度が0.014ppm、硫化メチル濃度が0ppm、二硫化メチル濃度が0.001ppm、酸素濃度が9.8%、臭気濃度が41000、またNOx(窒素酸化物)濃度が392ppm、一酸化炭素濃度が0.09%であった。この排気ガスZを300℃以上に保たれた三元触媒9に流入させたところ、三元触媒9から排出された排気ガスZはアンモニア濃度、メチルメルカプタン濃度及び二硫化メチル濃度が0ppm、臭気濃度が5500、またNOx濃度が228ppm、一酸化炭素濃度が0.017%となった。
この結果から分かるように、臭気ガスYをより確実に脱臭処理できることが確認された。
【0041】
また、鶏糞発酵器2から排出された臭気ガスYには、鶏糞ダストが0.05〜0.45g/Nm3含まれていたが、燃料として灯油Wを用いることによって、燃焼機関7から排出された排気ガスZの排煙微粒子濃度を0.0018〜0.0033g/Nm3に抑制することができた。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本臭気ガス処理方法及び装置の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、触媒燃焼によって三元触媒9の温度を300℃以上に保ったのに対し、本実施形態においては燃焼によって生成された排気ガスZの温度を上昇させることによって、三元触媒9の温度を300℃以上に保つようになっている。なお、本実施形態においては第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0043】
本実施形態において、燃料Wは、上述の第1実施形態と比較して多量に燃焼機関7に供給される。これによって、燃焼機関7の負荷が上がり排気ガスZの温度が上述の第1実施形態における排気ガスZと比較して上昇する。この排気ガスZの温度が常に300℃以上となるように燃料Wの量を調整することによって、排気ガスZが流入する三元触媒9の温度は、常に300℃以上に保たれる。すなわち、排気ガスZの熱量によって、三元触媒9は常に300℃以上に保たれる。
このように構成された臭気ガス処理方法及び装置は、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0044】
(第3実施形態)
次に、本臭気ガス処理方法及び装置の第3実施形態について説明する。第1実施形態においては触媒燃焼によって三元触媒9の温度を300℃以上に保ち、第2実施形態においては排気ガスZの温度を上昇させ、この排気ガスZの熱量を用いて三元触媒9の温度を300℃以上に保ったのに対し、本実施形態においては電気加熱によって三元触媒9の温度を300℃以上に保つようになっている。なお、本実施形態においては第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分について説明する。
【0045】
本実施形態においては、電気加熱によって三元触媒9を300℃以上に加温するヒータが三元触媒9に直接設置されている。これによって、三元触媒9の温度は、常に300℃以上に保たれる。なお、発電機8によって発電された電力を用いてヒータを加熱することができる。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、本発明は、畜糞として鶏糞に限らず、他の動物の畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスの処理にも適用できる。
また、電気加熱によって排気ガスを300℃以上に加温することで間接的に触媒を300℃以上に保っても良い。
また、触媒9の温度を計測し、自動的に触媒9の温度を300℃以上に保つ制御装置を備えても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、上記臭気ガスを脱臭処理する方法であって、上記燃焼によって生成される排気ガスを所定の温度以上に保たれた触媒を介して外部に排出することで、燃焼により生成される排気ガスを処理することによって、より確実に臭気ガスを処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る臭気ガス処理方法を用いて臭気ガスを処理する臭気ガス処理装置のブロック図である。
【符号の説明】
1……鶏糞置場(畜糞置場)
2……鶏糞発酵器(畜糞発酵器)
3……第1ブロワ
4……サイクロン
5……水槽
6(6a,6b)……エアフィルタ
7……燃焼機関
8……発電機
9(9a,9b)……触媒
10……第1熱交換器
11……第2ブロワ
12a〜12d……三方弁
13……第2熱交換器(熱交換器)
W……燃料
X……鶏糞(畜糞)
Y,Ya……臭気ガス
Z……排気ガス
Claims (19)
- 畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、前記臭気ガスを脱臭処理する方法であって、
前記燃焼によって生成される排気ガスを所定温度である300℃以上に保たれた三元触媒である触媒を介して外部に排出することによって脱臭及び/あるいは脱硝処理することを特徴とする臭気ガス処理方法。 - 触媒燃焼によって、前記触媒を所定温度以上に保つことを特徴とする請求項1記載の臭気ガス処理方法。
- 前記燃焼において用いられる燃料の量を増加させることによって、前記排気ガスの温度を上昇させ、この排気ガスの有する熱量を用いて前記触媒を所定の温度以上に保つことを特徴とする請求項1記載の臭気ガス処理方法。
- 電気加熱によって、前記触媒を所定温度以上に保つことを特徴とする請求項1記載の臭気ガス処理方法。
- 前記畜糞を発酵させた際に発生する前記臭気ガス及び畜糞置場において発生する前記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって前記排気ガスを生成することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の臭気ガス処理方法。
- 前記排気ガスの有する熱量を用いて前記畜糞の発酵を促進させることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の臭気ガス処理方法。
- 前記畜糞置場において発生する前記臭気ガスと前記排気ガスとを熱交換し、その後前記畜糞置場において発生する前記臭気ガスを畜糞の発酵場所に流入させることによって前記畜糞の発酵を促進させることを特徴とする請求項5または6記載の臭気ガス処理方法。
- 前記燃焼によって得られるエネルギによって発電することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の臭気ガス処理方法。
- 前記燃料は、灯油であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の臭気ガス処理方法。
- 前記臭気ガスのアンモニアの濃度は300〜3000ppmであり、前記臭気ガスの酸素濃度は18〜21%であり、前記臭気ガスには水分が5〜15%含有されていることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の臭気ガス処理方法。
- 畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、前記臭気ガスを脱臭処理する装置であって、
前記畜糞を発酵させる畜糞発酵器と、
前記畜糞発酵器において発生した前記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって脱臭処理する燃焼機関と、
所定温度である300℃以上に保たれ、前記燃焼機関から排出された排気ガスを脱臭及び/あるいは脱硝処理する三元触媒である触媒と
を有することを特徴とする臭気ガス処理装置。 - 畜糞を発酵させた際に発生する臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって、前記臭気ガスを脱臭処理する装置であって、
前記畜糞を発酵させる畜糞発酵器と、
前記畜糞発酵器において発生した前記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることによって脱臭処理する燃焼機関と、
所定温度以上に保たれ、前記燃焼機関から排出された排気ガスを脱臭及び/あるいは脱硝処理する三元触媒である触媒と
を有することを特徴とする臭気ガス処理装置。 - 前記触媒は、燃料を供給されることによって、所定温度以上に保たれることを特徴とする請求項11または12記載の臭気ガス処理装置。
- 前記燃焼機関の負荷を増すことによって前記排気ガスの温度を上昇させ、この排気ガスによって前記触媒を所定温度以上にたもつことを特徴とする請求項11または12記載の臭気ガス処理装置。
- 前記触媒を所定温度以上に保つヒータを備えることを特徴とする請求項11または12記載の臭気ガス処理装置。
- さらに前記畜糞を貯蔵する畜糞置場を備え、前記燃焼機関が前記畜糞置場において発生した前記臭気ガス及び前記畜糞発酵器において発生した前記臭気ガスを空気源として燃料と共に燃焼させることを特徴とする請求項11〜15いずれかに記載の臭気ガス処理装置。
- 前記排気ガスの熱量を前記畜糞発酵器に伝達するための熱交換器を備えることを特徴とする請求項11〜16いずれかに記載の臭気ガス処理装置。
- 前記燃焼機関を駆動源として発電する発電機を備えることを特徴とする請求項11〜17いずれかに記載の臭気ガス処理装置。
- 前記燃焼機関は、灯油を前記燃料として用いることを特徴とする請求項11〜18いずれかに記載の臭気ガス処理装置。
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