JP4362246B2 - Diversity reception sneak cancel device and relay system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式によるデジタル放送やデジタル伝送における中継システムに係り、特に、SFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)において放送波中継を行う中継局で、複数のブランチ数の受信系統を用いてダイバーシティ受信を行うとともに送信アンテナから各受信アンテナへの電波の回り込み(以下、単に回り込みと言う)を除去するための回り込みキャンセル装置及び中継システムに関する。
【0002】
[発明の概要]
本発明は、OFDM方式によるデジタル放送やデジタル伝送において、放送波中継によるSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)を実現する際に問題となる中継放送所の送受アンテナ間での電波の回り込みを回路的に打ち消すための回り込みキャンセル装置ならびに回り込みキャンセル機能を有する中継システムに関するもので、特に、親局からの信号を複数の(ブランチ数の)受信系統にて受信し各受信信号をダイバーシティ合成する中継局において使用する回り込みキャンセル装置及び中継システムである。
【0003】
【従来の技術】
従来のOFDM信号を中継する中継システムでは、一般的な構成として1式の中継システムに対して1式の受信アンテナを使用していた。この様な構成における回り込みキャンセル装置としては、本発明者らの発明に係る回り込みキャンセル装置の特許出願(特開平11−355160「回り込みキャンセラ」)や学会発表論文「地上デジタル方向SFNにおける放送波中継用回り込みキャンセラの基礎検討」,映像情報メディア学会誌Vol.54,No.11,pp.1568-1575(2000)などがある。
【0004】
また、ダイバーシティ受信を行う中継システムとしては、本発明者らの発明に係る特許出願(特願2000−353245、特願2001−67267いずれも「OFDM信号中継装置」)や学会発表技術報告「スペースダイバシティを用いた地上デジタル放送の放送波中継の検討」,映像情報メディア学会技術報告Vol.25,No.31,pp.7-12,BCS2001-11(Mar.2001)があるが、回り込みに関しては考慮していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の回り込みキャンセル装置は、1式の中継装置に対して1式の受信アンテナと1式の送信アンテナを用いて構成を前提としたアルゴリズムとなっているため、1式の中継装置に対して複数のブランチ数の受信系統を用いてダイバーシティ受信を行う中継装置に適応したアルゴリズムとはなっていない。
【0006】
また、単にダイバーシティ受信装置と回り込みキャンセル装置とを縦続接続した場合では、ダイバーシティ合成のための各ブランチの特性を変更することによって回り込み特性も変化するため、ダイバーシティ合成機能と回り込みキャンセル機能が両立できなかった。
【0007】
本発明の目的は、同一周波数で放送波中継する中継局においてダイバーシティ受信を行いかつ回り込みをキャンセルすることを可能とする回り込みキャンセル装置及び中継システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、周波数及び変調内容が同一の信号を受信するブランチ数が2以上の受信系統の各ブランチからの出力が被減算端子にそれぞれ実質的に入力されるよう構成され、減算端子には回り込みの複製信号がそれぞれ入力されるよう構成された受信系統のブランチ数と同数の回り込みキャンセル用の減算部と、
該減算部の各出力が入力されており、ダイバーシティ合成のためのフィルタ係数が与えられる受信系統のブランチ数と同数のダイバーシティ合成用の適応フィルタ部と、
該ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部の各出力が入力されており、その出力が実質的に中継局の送信信号として出力されているダイバーシティ合成のための加算部と、
該加算部の出力が入力されており、回り込み複製信号を生成するためのフィルタ係数が与えられ、その出力が前記各減算部の減算端子に入力された受信系統のブランチ数と同数の回り込みキャンセル用の適応フィルタ部と、
を備えたことを特徴とするダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置において、
前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部は、中継システムのOFDM信号が通過する系において最も狭帯域となる帯域通過フィルタ特性をも兼ね備えたフィルタ係数を与えるものであり、
前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部による遅延を含む既知の中継システムの遅延時間から、該遅延時間以上となる回り込みと、該遅延時間以下であってダイバーシティ合成によって等化する親局からの信号に含まれる遅延波とを分離して検出し、
信号の観測点を前記減算部の出力の位置に設定することで、前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部の特性と、前記回り込みキャンセル用の適応フィルタ部の特性とを合わせて検出する、構成としたことを特徴としている。
【0009】
請求項2では、請求項1記載のダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置において、
各ブランチにおいて観測した信号が著しく劣化していると判定された場合に、そのブランチから前記加算部への出力を停止するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項3では、中継システムにおいて請求項1または2記載のダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置を備えたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明における信号や伝達関数の表示については、大文字が複素数を示すベクトル、小文字が実数をそれぞれ表すものとする。また、ωは角周波数を表すものとする。
【0015】
図1は、本発明による中継システムの一実施形態を示すブロック図である。 図1に示す中継システムは、ブランチ数Lのダイバーシティアンテナ1と、受信装置2と、ダイバーシティ受信・回り込みキャンセル装置3と、送信装置4と、送信アンテナ5で構成される。
【0016】
ダイバーシティアンテナ1は、ブランチ数L(ブランチ#1、#2、…#L)の受信アンテナ11(11−1,11−2,・・・,11−L)から構成される。
【0017】
受信装置2は、ダイバーシティアンテナ1の各ブランチの受信アンテナ11からの信号を受信周波数から特定周波数のIF(中間周波数)に周波数変換し、バンドパスフィルタ処理、利得調整を行って出力する受信変換部21(21−1,21−2,・・・,21−L)で構成される。
【0018】
ダイバーシティ受信・回り込みキャンセル装置3は、各ブランチの受信アンテナ11の出力に対応して信号処理が容易な周波数に変換するダウンコンバータ31(31−1,31−2,・・・,31−L)と、ダウンコンバータ31の出力信号を複素の等価ベースバンド信号に変換する直交復調部32(32−1,32−2,・・・,32−L)と、回り込みをキャンセルする減算部33(33−1,33−2,・・・,33−L)と、ダイバーシティ合成のために各ブランチの受信アンテナ11からの信号に対してキャリア毎に最適な重み付けを行うための適応フィルタであるFIRフィルタ34(34−1,34−2,・・・,34−L)と、FIRフィルタ34の出力をダイバーシティ合成する加算部35と、加算部35の出力信号が入力され書き込まれているフィルタ係数から回り込み信号の複製信号を生成して出力する適応フィルタであるFIRフィルタ36(36−1,36−2,・・・,36−L)と、等価ベースバンド信号を直交変調する直交変調部37と、直交変調部37の出力信号をIF信号に周波数変換するアップコンバータ38とで構成される。
【0019】
送信装置4は、ダイバーシティ受信・回り込みキャンセル装置3から出力されるIF信号を送信周波数の送信信号に変換する送信変換部41と、送信変換部41の出力信号を増幅して送信アンテナ5に供給する増幅部42とで構成される。
【0020】
本発明は同一周波数の再送信を行う中継システムに関するものであり、ダイバーシティアンテナ1で受信する受信信号の周波数と送信アンテナ5から送信する送信信号の周波数とは同一であるため、受信変換部21と送信変換部41とで周波数変換に用いる局部発振(局発)は、同一の局発出力をそれぞれに分配して入力するか、または、それぞれに用いる局発を完全同期させる。同様に、ダウンコンバータ31とアップコンバータ38に用いる局発についても、同一の局発出力をそれぞれに分配して入力するか、または、それぞれに用いる局発を完全同期させる。
【0021】
なお、本実施形態では、ダイバーシティ合成ならびに回り込みのキャンセルを等価ベースバンドにて行っているが、IFや送受信周波数など何れの周波数において行っても原理的には同じことであり、実現は可能である。
【0022】
また、本実施形態をディジタル信号処理にて行う場合、通常、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器は各ダウンコンバータ31と各直交復調部32との間に挿入し、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器は直交変調37とアップコンバータ38との間に挿入するが、ダイバーシティ合成ならびに回り込みのキャンセルはアナログ信号とデジタル信号の何れの信号において行っても原理的に同じであり、本実施形態はA/D変換器およびD/A変換器の挿入位置を特定するものではない。ただし、各ブランチでA/D変換器を用いる場合、それぞれのA/D変換器およびD/A変換器は同一のサンプリングクロックで動作させるものとする。
【0023】
以下に本発明の原理を動作原理図を用いて説明する。図2は、本発明の動作原理を示すブロック図である。ここで、図2における信号や伝達関数の表示については、大文字が複素数を示すベクトル、小文字が実数をそれぞれ表すものとする。また、ωは角周波数を表すものとする。また、図2においては、ブランチ#1とブランチ#2の2系統の受信系統を用いる場合を例にとって説明する。
【0024】
図2において、101はブランチ#1の受信アンテナ11−1と親局間の伝搬路特性を示す伝達関数M1(ω)、102はブランチ#2の受信アンテナ11−2と親局間の伝搬路特性を示す伝達関数M2(ω)、103はブランチ#1に対する回り込み伝搬路特性を示す伝達関数C1(ω)、104はブランチ#2に対する回り込み伝搬路特性を示す伝達関数C2(ω)である。
【0025】
また、図2において、S(ω)は親局送信信号のスペクトル、T(ω)は中継局の送信信号スペクトル、O1(ω)はダイバーシティ合成用加算部入力におけるブランチ#1の出力信号、O2(ω)はダイバーシティ合成用加算部入力におけるブランチ#2の出力信号、O(ω)はダイバーシティ合成用加算部35の出力信号、αは増幅部42の増幅度をそれぞれ示している。
【0026】
図2に示すように、本発明による中継システムの構成上の特徴は、回り込みキャンセルのためのフィードバックループを各ブランチ#1,#2,・・・ごとに個々に配置し、さらにダイバーシティ合成のための適応フィルタ(FIRフィルタ)34−1,34−2を、それぞれ回り込みのループとキャンセルのためのフィードバックループで共通する部分に配置していることである。
【0027】
このような回路構成を用いることの利点は次のとおりである。
【0028】
《第1の利点》
ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34−1,34−2の特性を変更しても、回り込みのキャンセル状態を乱すことがない、すなわち、回り込みのキャンセル条件に適応フィルタ34−1,34−2の特性が関係しないことになる。
【0029】
《第2の利点》
装置の遅延量を小さくできることにある。回り込み波の受信電力が親局波の受信電力より大きい場合には、回り込みキャンセル装置の出力においてOFDM信号帯域外の雑音レベルが上昇し、この上昇した雑音によりループ発振を引き起こし、回り込み波のキャンセル動作が破綻してしまう。
【0030】
このような不具合を解消するために、すなわち負の回り込みDU比(Desired to Undesired Ratio)の状態で安定な回り込みのキャンセルを実現するために、本願発明者は、回り込みのループとキャンセルのためのフィードバックループの共通する部分に中継局の系で最も通過帯域幅の狭いBPF(band-pass filter)を配置する提案をした(特願2000−219277号参照)。
【0031】
図2に示すような構成では、ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34−1,34−2に狭帯域BPF特性を兼ね備えさせることが可能であり、新たに遅延量の大きい狭帯域BPFを追加する必要がないため、装置の遅延量の増加を防ぐことができるのである。
【0032】
《第3の利点》
ダイバーシティ合成用の適応フィルタ34の特性と、回り込みキャンセル用の適応フィルタ36の特性とを作成する基準となる信号の観測点の数がブランチ数分で済むという点である。例えば、単にダイバーシティ受信装置と回り込みキャンセル装置とを縦続接続した場合では、親局からの信号に含まれるマルチパスによる遅延波と回り込み波との分離ができた場合においても回り込みキャンセル装置の前後に信号観測点が必要となり、信号処理も複雑になる。図2に示すような構成では、信号の観測点が減らせるとともに、観測した信号からダイバーシティ合成用の適応フィルタ34の特性と回り込みキャンセル用の適応フィルタ36の特性とを作成する信号処理も簡便化することができる。
【0033】
<本発明の動作原理>
以下に数式を使って本発明の動作原理について説明する。
【0034】
ダイバーシティ合成用加算部35の入力信号であるブランチ#1の出力信号O1(ω)とブランチ#2の出力信号O2(ω)は(1)式および(2)式で表される。
【0035】
【数1】
O1(ω)=D1(ω)・{S(ω)・M1(ω)+C1(ω)・T(ω)-O(ω)・L1(ω)} (1)
O2(ω)=D2(ω)・{S(ω)・M2(ω)+C2(ω)・T(ω)-O(ω)・L2(ω)} (2)
【0036】
ダイバーシティ合成用加算部の出力信号O(ω)は(1)式と(2)式を用いて(3)式で表される。
【0037】
【数2】
ここで、中継局送信信号T(ω)と加算部出力信号O(ω)は(4)式の関係にあり、(4)式を(3)式に代入して(5)式を得る。
【0038】
【数3】
(5)式の各項を親局送信信号S(ω)と加算部出力信号O(ω)について整理して(6)式を得る。
【0039】
【数4】
(6)を加算部出力信号O(ω)について解くと(7)式が得られる。
【0040】
【数5】
系全体の伝達関数をH(ω)とすれば、H(ω)は(8)式で表される。
【0041】
【数6】
ここで、まずダイバーシティ受信における等価条件として(9)式が成立すると仮定する。
【0042】
【数7】
D1(ω)・M1(ω)+D2(ω)・M2(ω)=D(ω) (9)
ここでD(ω)は周波数振幅特性が周波数によらず一定で信号の遅延だけが存在する伝達関数である。
【0043】
さらに、ブランチ#1およびブランチ#2における回り込みのキャンセル条件として(10)式、および(11)式を仮定する。
【0044】
【数8】
α・C1(ω)-L1(ω)=0 (10)
α・C2(ω)-L2(ω)=0 (11)
(9)式、(10)式、(11)式を(8)式に代入すると(12)式が得られる。
【0045】
【数9】
すなわち、(9)式に表すダイバーシティ受信における等化条件と(10)式、(11)式に示す回り込みキャンセル条件が満足されれば、系の伝達関数は単なる増幅率αと遅延のみで表すことが可能で、無歪み伝送となる。
【0046】
次に適応フィルタの制御方法について説明する。
【0047】
図2に示すように、各ブランチの回り込みキャンセルのための減算部33−1,33−2の出力を観測点とし、ブランチ#1およびブランチ#2における観測点をそれぞれ観測点P1、観測点P2とする。観測点P1と観測点P2における信号のスペクトルをX1(ω)、X2(ω)とするとX1(ω)、X2(ω)は(13)式、(14)式で表すことができる。
【0048】
【数10】
X1(ω)=S(ω)・M1(ω)+C1(ω)・T(ω)-O(ω)・L1(ω) (13)
X2(ω)=S(ω)・M2(ω)+C2(ω)・T(ω)-O(ω)・L2(ω) (14)
(13)式、(14)式に(4)式を代入して整理すると(15)式、(16)式が得られる。
【0049】
【数11】
X1(ω)=S(ω)・M1(ω)+O(ω)・{α・C1(ω)-L1(ω)} (15)
X2(ω)=S(ω)・M2(ω)+O(ω)・{α・C2(ω)-L2(ω)} (16)
ここで、ブランチ#1のキャンセル残差信号のスペクトルをE1(ω)、ブランチ#2のキャンセル残差信号のスペクトルをE2(ω)とするとE1(ω)、E2(ω)は(17)式、(18)式で表される。
【0050】
【数12】
E1(ω)=α・C1(ω)-L1(ω) (17)
E2(ω)=α・C2(ω)-L2(ω) (18)
(17)式、(18)式を(15)式(16)式に代入すると(19)式、(20)式が得られる。
【0051】
【数13】
X1(ω)=S(ω)・M1(ω)+O(ω)・E1(ω) (19)
X2(ω)=S(ω)・M2(ω)+O(ω)・E2(ω) (20)
ここでO(ω)はX1(ω)、X2(ω)、D1(ω)、D2(ω)を用いて(21)式で表すことができる。
【0052】
【数14】
O(ω)=X1(ω)・D1(ω)+X2(ω)・D2(ω) (21)
(21)式を(19)式、(20)式に代入し、E1(ω)、E2(ω)について解くと(22)式、(23)式が得られる。
【0053】
【数15】
さらに、(24)式、(25)式に示すように観測点P1における信号のスペクトルX1(ω)を親局送信信号S(ω)で除算した結果をH1(ω)、観測点P2における信号のスペクトルX2(ω)を親局送信信号S(ω)で除算した結果をH2(ω)とする。
【0054】
【数16】
ここで、H1(ω)およびH2(ω)は、それぞれ観測点P1および観測点P2で観測した各ブランチにおける伝搬路の伝達関数に相当しており、観測点P1および観測点P2で取得したOFDM信号の有効シンボル期間をFFT(高速フーリエ変換)してX1(ω)およびX2(ω)を示すキャリアデータを求め、さらに親局波送信信号のスペクトルS(ω)のうち既知のキャリアデータで除算することなどで求められる。各ブランチにおける伝搬路の伝達関数の算出法については、本発明者らの発明に係る学会発表論文「地上デジタル放送SFNにおける放送波中継用回り込みキャンセラの基礎検討」,映像情報メディア学会誌vol.54,No.11,pp.1568-1575(2000)などを参照されたい。
【0055】
また、(24)式、(25)式を(22)式、(23)式に代入して整理すると(26)式、(27)式が得られる。
【0056】
【数17】
ここで、伝達関数D1(ω)、D2(ω)は装置自身が設定するため既知であるから、受信アンテナ11と親局間の伝搬路特性を示す伝達関数M1(ω),M2(ω)が求められればブランチ#1とブランチ#2の回り込みキャンセル用の適応フィルタ34−1,34−2の伝達関数L1(ω),L2(ω)の補正量であるキャンセル残差信号のスペクトルE1(ω),E2(ω)を算出することが可能であり、E1(ω)、E2(ω)を逆フーリエ変換(IFFT)することで、回り込みキャンセル用の適応フィルタ36−1,36−2のフィルタ係数補正量を求めることができる。
【0057】
次に、受信アンテナ11と親局間の伝搬路特性を示す伝達関数M1(ω),M2(ω)を算出する手段について説明する。
【0058】
まず、(19)式、(20)式に(21)式を代入すると(28)式、(29)式を得る。
【0059】
【数18】
X1(ω)=S(ω)・M1(ω)+X1(ω)・D1(ω)・E1(ω)+X2(ω)・D2(ω)・E1(ω) (28)
X2(ω)=S(ω)・M2(ω)+X1(ω)・D1(ω)・E2(ω)+X2(ω)・D2(ω)・E2(ω) (29)
(28)式、(29)式をX1(ω)、X2(ω)について整理すると(30)式、(31)式が得られる。
【0060】
【数19】
X1(ω)・{1-D1(ω)・E1(ω)}-X2(ω)・D2(ω)・E1(ω)=S(ω)・M1(ω) (30)
X2(ω)・{1-D2(ω)・E2(ω)}-X1(ω)・D1(ω)・E2(ω)=S(ω)・M2(ω) (31)
(30)式、(31)式は(32)式に示すようにX1(ω)、X2(ω)についての連立一次方程式となっている。
【0061】
【数20】
ここで(32)式を解くと(33)式、(34)式が得られる。
【0062】
【数21】
(33)式、(34)式を、さらに整理すると(35)式、(36)式が得られる。
【0063】
【数22】
さらに、(24)式、(25)式に(35)式、(36)式を代入すると(37)、(38)式が得られる。
【0064】
【数23】
さらに(37)式、(38)式は(39)式(40)式のように書き換えられる。
【0065】
【数24】
ここでA(ω)とB(ω)は、それぞれ(41)式、(42)式で表される。
【0066】
【数25】
A(ω)=D1(ω)・E1(ω)+D2(ω)・E2(ω) (41)
B(ω)=M1(ω)・E2(ω)-M2(ω)・E1(ω) (42)
次に、(39)式、(40)式をA(ω)のべき乗級数に展開すると(43)式、(44)式が得られる。
【0067】
【数26】
ここで、(43)式について考察する。中継局の親局受信に使用される受信アンテナ11は、一般的に高利得であると同時に鋭い指向性を有しているため、親局受信に含まれるレベルの大きい遅延波(マルチパス)の遅延時間は比較的短いのが普通である。言い換えれば、伝達関数M1(ω)から求めた遅延プロファイル上の応答は遅延時間の短い領域に集まっている。次に、ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34の特性D1(ω)およびD2(ω)は、ダイバーシティ合成のための特性を生成すると同時に、先にも述べたように中継局系で最も狭帯域のBPFの特性も合せて実現するため、伝達関数M1(ω)およびM2(ω)に含まれる遅延波の遅延時間に比べ、比較的大きな遅延時間を有する。また、A(ω)は、D1(ω)、D2(ω)の項で成り立っているため、その遅延時間は、D1(ω)、D2(ω)と同等もしくはそれ以上となる。
【0068】
したがって(43)式の第1項以外は、すべてD1(ω)、D2(ω)以上の遅延時間を有することになり、H1(ω)の遅延プロファイル上において遅延時間の短い成分のみを取り出すことで、M1(ω)を分離取得することができる。この処理は周波数軸上ではLPF(low-pass filter)処理で実現できる。M2(ω)についても、H2(ω)に同様の処理を施すことで分離抽出することが可能である。この際、親局波に含まれる遅延波の遅延時間と装置の遅延時間の両方を考慮して、ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34−1,34−2の遅延時間を最適に選ぶことが重要である。
【0069】
<周波数特性D1(ω)、D2(ω)について>
ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34−1の周波数特性D1(ω)と適応フィルタ34−2の周波数特性D2(ω)は、観測点P1および観測点P2で観測した信号の周波数特性から抽出した伝搬路特性M1(ω)、M2(ω)を用いて、求めることができる。これは、本発明者らの発明に係る特許出願の明細書(特願2000−353245号「OFDMデジタル信号中継装置」)や学会発表技術報告「スペースダイバシティを用いた地上デジタル放送の放送波中継の検討」,映像情報メディア学会技術報告Vol.25,No.31,pp.7-12,BCS2001-11(Mar.2001)に記述されているアルゴリズムに基いて決定すればよい。
【0070】
なお、実際のD1(ω)およびD2(ω)は、M1(ω)およびM2(ω)を使用し特願2000−353245号に記述されているアルゴリズムに基いて算出した特性に狭帯域BPFの特性を合成することで、親局信号の受信電力よりも回り込みの受信電力が大きい場合でも安定的な回り込みキャンセル動作が可能となる。
【0071】
<周波数特性L1(ω)、L2(ω)について>
また、回り込みキャンセル用の適応フィルタ36−1の周波数特性L1(ω)および適応フィルタ36−2の周波数特性L2(ω)は、D1(ω)とD2(ω)とM1(ω)とM2(ω)を算出した後に、(26)式と(27)式を用いて各ブランチにおけるキャンセル残差信号のスペクトルE1(ω)およびE2(ω)を求め、本発明者らの発明に係る特許出願の明細書(特開2001−94528号「回り込みキャンセラ」)に記述されているアルゴリズムに基いて決定すればよい。
【0072】
さらに、観測点P1または観測点P2で観測した信号が著しく劣化している場合に、観測信号が著しく劣化しているブランチの出力を停止することで、中継装置としてより安定的に動作させることが可能となる。例えば、観測した信号が著しく劣化していることを判定する方法として、本発明者らの発明に係る特許出願の明細書(特開2001−160794号「回り込みキャンセラ」)に記述されているアルゴリズムに基いて回り込みのキャンセル残差による信号の劣化を検知し、一定の閾値を超える場合に、そのブランチのダイバーシティ合成のための適応フィルタ34および回り込みキャンセル用の適応フィルタ36の出力を停止し、その後ダイバーシティ合成のための適応フィルタ34および回り込みキャンセル用の適応フィルタ36の特性を再度作成することで実現できる。
【0073】
特開2001−160794号のアルゴリズムを簡単に記述すると、このアルゴリズムでは、ループ発振が検出されると、適応フィルタの出力を停止するとともに、中継装置の出力を減力または停止させるように制御する。この制御においては、受信変換部21を構成するAGC回路の制御情報および/または送信変換部41を構成するAGC回路の制御情報から、それらAGC回路がその利得を各々に規定された閾値よりも小さくしようと制御していることが判明された場合には、中継装置がループ発振していると判定する。あるいは、入力された回り込み観測信号の周波数振幅特性における振幅の最大値を回り込み観測信号の周波数振幅特性における振幅の最小値で除算した値が第1の閾値を超えたとき中継装置がループ発振していると判定する。さらに、入力された回り込み観測信号の周波数振幅特性における振幅の最大値を回り込み観測信号の周波数振幅特性における振幅の最小値で除算した値が第2の閾値を超えたとき中継装置がループ発振し得る危険性があると判定し、中継装置の出力を減力させて、ループ発振を未然に防止している。
【0074】
以上、図2はダイバーシティ受信用の受信系統を2式用いたブランチ数2の構成における本発明の動作原理図を示す図であるが、当然ブランチ数Lの受信系統を用いた場合においても本発明は有効で、その変形は容易であり、ここでの説明は省略する。
【0075】
また、ここで説明したダイバーシティのブランチ構成法に関しては、空間ダイバーシティ、偏波ダイバーシティ、角度ダイバーシティなど何れのブランチ構成法においても実現可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、SFNにおいて放送波中継を行う中継局で、複数の受信系統を用いてダイバーシティ受信を行う中継局においても、送信アンテナから各受信系統への電波の回り込みを除去すると共に、各受信系統からの信号をダイバーシティ合成して中継局から再送信することが可能で、さらに、親局信号の受信電力よりも回り込みの受信電力が大きい場合でも安定的な回り込みキャンセル動作を可能とし、ダイバーシティ合成用の適応フィルタの特性と、回り込みキャンセル用の適応フィルタの特性を作成する信号処理も簡便化することが可能な回り込みキャンセル装置及び中継装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置及び中継装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明によるダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置及び中継システムの動作原理をブランチ数2の受信系統を用いた場合を例にブロック図にて示している。
【符号の説明】
1,11−1,11−2,・・・,11−L ダイバーシティアンテナ 2 受信装置
3 ダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置
4 送信装置
5 送信アンテナ
21−1,21−2,・・・,21−L 受信変換部
31−1,31−2,・・・,31−L ダウンコンバータ
32−1,32−2,・・・,32−L 直交復調部
33−1,33−2,・・・,33−L 減算部
34−1,34−2,・・・,34−L ダイバーシティ合成用の適応フィルタ(FIRフィルタ)
35 加算部
36−1,36−2,・・・,36−L 回り込みキャンセル用の適応フィルタ(FIRフィルタ)
37 直交変調部
38 アップコンバータ
41 送信変換部
42 増幅部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a relay system in digital broadcasting and digital transmission based on an OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) system, and in particular, a relay station that performs broadcast wave relay in an SFN (Single Frequency Network). Thus, the present invention relates to a wraparound canceling apparatus and a relay system for performing diversity reception using a reception system having a plurality of branches and removing wraparound of radio waves from a transmission antenna to each reception antenna (hereinafter simply referred to as wraparound).
[0002]
[Summary of Invention]
The present invention relates to the wraparound of radio waves between transmitting and receiving antennas of a relay broadcast station, which is a problem when realizing SFN (Single Frequency Network) by broadcast wave relay in digital broadcasting and digital transmission by OFDM. The present invention relates to a sneak cancel device for canceling out in a circuit and a relay system having a sneak cancel function, and in particular, a relay that receives signals from a master station by a plurality of (the number of branches) receiving systems and combines the received signals with diversity. A wraparound canceling apparatus and a relay system used in a station.
[0003]
[Prior art]
In a conventional relay system that relays OFDM signals, one set of receiving antennas is used for one set of relay systems as a general configuration. As a sneak cancel device having such a configuration, a patent application for a sneak cancel device according to the present invention (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-355160 “wraparound canceller”) and a conference paper “For broadcast wave relay in terrestrial digital direction SFN” "Basic study of wraparound canceller", Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers Vol.54, No.11, pp.1568-1575 (2000).
[0004]
In addition, as a relay system for performing diversity reception, patent applications relating to the inventors' invention (Japanese Patent Application Nos. 2000-353245 and 2001-67267 are both “OFDM signal relay devices”) and a conference report “Space Diversity” are disclosed. ”Research on broadcast wave relay of terrestrial digital broadcasting using”, Technical Report Vol.25, No.31, pp.7-12, BCS2001-11 (Mar.2001) of the Institute of Image Information and Television Engineers. Not done.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Since these conventional sneak cancel devices are algorithms based on the premise that a set of receiving antennas and a set of transmitting antennas are used for a set of relay devices, The algorithm is not adapted to a relay apparatus that performs diversity reception using a reception system having a plurality of branches.
[0006]
In addition, when the diversity receiver and the wraparound cancel device are simply connected in cascade, the wraparound characteristics change by changing the characteristics of each branch for diversity combining, so the diversity combining function and the wraparound cancel function cannot be compatible. It was.
[0007]
An object of the present invention is to provide a wraparound canceling apparatus and a relay system that can perform diversity reception and cancel wraparound at a relay station that relays broadcast waves at the same frequency.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the present invention, in claim 1, the output from each branch of a receiving system having two or more branches receiving a signal having the same frequency and modulation content is substantially supplied to each subtracted terminal. And a subtraction unit for wraparound cancellation of the same number as the number of branches of the receiving system configured to be input to the subtraction terminal, respectively,
Each of the outputs of the subtracting unit is input, and an adaptive filter unit for diversity synthesis equal to the number of branches of the receiving system to which filter coefficients for diversity synthesis are given,
Each output of the adaptive filter unit for diversity combining is input, and an adder for diversity combining whose output is substantially output as a transmission signal of the relay station;
The output of the adder is input, a filter coefficient for generating a wraparound duplicate signal is given, and the output is for the wraparound cancellation of the same number as the number of branches of the receiving system input to the subtraction terminal of each subtractor The adaptive filter section of
Diversity reception sneak cancel device characterized by comprisingIn
The adaptive filter unit for diversity combining provides a filter coefficient that also has a band pass filter characteristic that is the narrowest band in a system through which the OFDM signal of the relay system passes,
Included in the signal from the master station that is equal to or greater than the delay time from the delay time of the known relay system including the delay by the adaptive filter unit for diversity synthesis and equal to the delay time and less than the delay time by diversity synthesis To detect the separated delayed wave,
By setting the observation point of the signal to the output position of the subtraction unit, the characteristics of the adaptive filter unit for diversity synthesis and the characteristics of the adaptive filter unit for wraparound cancellation are detected together.It is characterized by that.
[0009]
In
When it is determined that the signal observed in each branch is significantly deteriorated, the output from the branch to the adder is stopped.It is characterized by the construction.
[0010]
In
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below in detail based on embodiments of the invention with reference to the accompanying drawings. In addition, regarding the display of signals and transfer functions in the following description, it is assumed that uppercase letters represent vectors representing complex numbers, and lowercase letters represent real numbers. Also, ω represents an angular frequency.
[0015]
FIG. 1 is a block diagram showing an embodiment of a relay system according to the present invention. The relay system shown in FIG. 1 includes a diversity antenna 1 having L branches, a
[0016]
Diversity antenna 1 has a number of branches L (branches # 1, # 2,... #L) receiving antennas 11 (11-1, 11-2, ..., 11-L).
[0017]
The
[0018]
The diversity reception /
[0019]
The transmission device 4 converts the IF signal output from the diversity reception /
[0020]
The present invention relates to a relay system that performs retransmission at the same frequency. Since the frequency of the reception signal received by the diversity antenna 1 and the frequency of the transmission signal transmitted from the transmission antenna 5 are the same, The local oscillation (local oscillation) used for frequency conversion by the
[0021]
In this embodiment, diversity combining and wraparound cancellation are performed in the equivalent baseband. However, in principle, the same can be realized regardless of the frequency such as IF or transmission / reception frequency. .
[0022]
When this embodiment is performed by digital signal processing, an A / D converter that converts an analog signal into a digital signal is usually inserted between each down-
[0023]
The principle of the present invention will be described below with reference to the operation principle diagram. FIG. 2 is a block diagram showing the operation principle of the present invention. Here, regarding the display of signals and transfer functions in FIG. 2, it is assumed that uppercase letters represent vectors representing complex numbers, and lowercase letters represent real numbers. Also, ω represents an angular frequency. In FIG. 2, a case where two reception systems of branch # 1 and
[0024]
In FIG. 2,
[0025]
In FIG. 2, S (ω) is the spectrum of the master station transmission signal, T (ω) is the transmission signal spectrum of the relay station, O1 (ω) is the output signal of branch # 1 at the diversity combining adder input, and O2 (Ω) indicates the output signal of
[0026]
As shown in FIG. 2, the structural feature of the relay system according to the present invention is that a feedback loop for wraparound cancellation is individually arranged for each branch # 1, # 2,. Adaptive filter (FIR filter) 34-1, 34-2Are arranged in a common part between the wraparound loop and the feedback loop for cancellation.
[0027]
The advantages of using such a circuit configuration are as follows.
[0028]
<< First advantage >>
Adaptive filter 34 for diversity combining-1, 34-2Is not disturbed, that is, the adaptive filter 34 satisfies the wraparound cancellation condition.-1, 34-2The characteristics of are not related.
[0029]
<< Second advantage >>
The object is to reduce the delay amount of the apparatus. When the reception power of the sneak wave is larger than the reception power of the base station wave, the noise level outside the OFDM signal band rises at the output of the sneak cancel device, and this increased noise causes a loop oscillation and cancels the sneak wave. Will collapse.
[0030]
In order to solve such a problem, that is, in order to realize a stable wraparound cancellation in a negative DU ratio (Desired to Undesired Ratio) state, the present inventor has made a wraparound loop and feedback for cancellation. A proposal was made to arrange a BPF (band-pass filter) having the narrowest pass bandwidth in the relay station system in a common part of the loop (see Japanese Patent Application No. 2000-219277).
[0031]
In the configuration shown in FIG. 2, the adaptive filter 34 for diversity synthesis is used.-1, 34-2In addition, it is possible to provide a narrow band BPF characteristic, and it is not necessary to newly add a narrow band BPF having a large delay amount, so that an increase in the delay amount of the apparatus can be prevented.
[0032]
《Third advantage》
The number of observation points of the signal serving as a reference for creating the characteristics of the adaptive filter 34 for diversity synthesis and the characteristics of the
[0033]
<Operation Principle of the Present Invention>
The operation principle of the present invention will be described below using mathematical expressions.
[0034]
Diversity synthesis adder35The output signal O1 (ω) of the branch # 1 and the output signal O2 (ω) of the
[0035]
[Expression 1]
O1 (ω) = D1 (ω) ・ {S (ω) ・ M1 (ω) + C1 (ω) ・ T (ω) -O (ω) ・ L1 (ω)} (1)
O2 (ω) = D2 (ω) ・ {S (ω) ・ M2 (ω) + C2 (ω) ・ T (ω) -O (ω) ・ L2 (ω)} (2)
[0036]
The output signal O (ω) of the diversity combining adder is expressed by equation (3) using equations (1) and (2).
[0037]
[Expression 2]
Here, the relay station transmission signal T (ω) and the adder output signal O (ω) are in the relationship of Equation (4), and Equation (5) is obtained by substituting Equation (4) into Equation (3).
[0038]
[Equation 3]
Each term of the equation (5) is arranged for the master station transmission signal S (ω) and the adder output signal O (ω) to obtain the equation (6).
[0039]
[Expression 4]
When (6) is solved for the adder output signal O (ω), equation (7) is obtained.
[0040]
[Equation 5]
Assuming that the transfer function of the entire system is H (ω), H (ω) is expressed by equation (8).
[0041]
[Formula 6]
Here, first, it is assumed that equation (9) is established as an equivalent condition in diversity reception.
[0042]
[Expression 7]
D1 (ω) ・ M1 (ω) + D2 (ω) ・ M2 (ω) = D (ω) (9)
Here, D (ω) is a transfer function in which the frequency amplitude characteristic is constant regardless of the frequency and only a signal delay exists.
[0043]
Furthermore, Equations (10) and (11) are assumed as wraparound cancellation conditions in branch # 1 and
[0044]
[Equation 8]
α ・ C1 (ω) -L1 (ω) = 0 (10)
α ・ C2 (ω) -L2 (ω) = 0 (11)
Substituting Equations (9), (10), and (11) into Equation (8) yields Equation (12).
[0045]
[Equation 9]
That is, if the equalization condition in diversity reception expressed by equation (9) and the wraparound cancellation condition expressed by equations (10) and (11) are satisfied, the transfer function of the system should be expressed only by the amplification factor α and the delay. Can be transmitted without distortion.
[0046]
Next, an adaptive filter control method will be described.
[0047]
As shown in FIG. 2, a subtractor 33 for canceling the wraparound of each branch-1, 33-2And the observation points in branch # 1 and
[0048]
[Expression 10]
X1 (ω) = S (ω) ・ M1 (ω) + C1 (ω) ・ T (ω) -O (ω) ・ L1 (ω) (13)
X2 (ω) = S (ω) ・ M2 (ω) + C2 (ω) ・ T (ω) -O (ω) ・ L2 (ω) (14)
By substituting (4) into (13) and (14) and rearranging, (15) and (16) are obtained.
[0049]
## EQU11 ##
X1 (ω) = S (ω) ・ M1 (ω) + O (ω) ・ {α ・ C1 (ω) -L1 (ω)} (15)
X2 (ω) = S (ω) ・ M2 (ω) + O (ω) ・ {α ・ C2 (ω) -L2 (ω)} (16)
Here, assuming that the spectrum of the cancellation residual signal of branch # 1 is E1 (ω) and the spectrum of the cancellation residual signal of
[0050]
[Expression 12]
E1 (ω) = α ・ C1 (ω) -L1 (ω) (17)
E2 (ω) = α ・ C2 (ω) -L2 (ω) (18)
When the equations (17) and (18) are substituted into the equations (15) and (16), the equations (19) and (20) are obtained.
[0051]
[Formula 13]
X1 (ω) = S (ω) ・ M1 (ω) + O (ω) ・ E1 (ω) (19)
X2 (ω) = S (ω) ・ M2 (ω) + O (ω) ・ E2 (ω) (20)
Here, O (ω) can be expressed by equation (21) using X1 (ω), X2 (ω), D1 (ω), and D2 (ω).
[0052]
[Expression 14]
O (ω) = X1 (ω) ・ D1 (ω) + X2 (ω) ・ D2 (ω) (21)
Substituting equation (21) into equations (19) and (20) and solving for E1 (ω) and E2 (ω), equations (22) and (23) are obtained.
[0053]
[Expression 15]
Further, as shown in the equations (24) and (25), the result obtained by dividing the spectrum X1 (ω) of the signal at the observation point P1 by the master station transmission signal S (ω) is H1 (ω), and the signal at the observation point P2 H2 (ω) is the result of dividing the spectrum X2 (ω) by the master station transmission signal S (ω).
[0054]
[Expression 16]
Here, H1 (ω) and H2 (ω) correspond to the transfer function of the propagation path in each branch observed at the observation point P1 and the observation point P2, respectively, and OFDM acquired at the observation point P1 and the observation point P2. The effective symbol period of the signal is subjected to FFT (Fast Fourier Transform) to obtain carrier data indicating X1 (ω) and X2 (ω), and further divided by the known carrier data in the spectrum S (ω) of the base station wave transmission signal It is required by doing. As for the calculation method of the transfer function of the propagation path in each branch, a paper published in the academic society related to the inventors' invention “basic examination of wraparound canceller for broadcast wave relay in digital terrestrial broadcasting SFN”, Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers vol.54 No. 11, pp. 1568-1575 (2000).
[0055]
Further, when formulas (24) and (25) are substituted into formulas (22) and (23) and rearranged, formulas (26) and (27) are obtained.
[0056]
[Expression 17]
Here, since the transfer functions D1 (ω) and D2 (ω) are known because they are set by the apparatus itself, transfer functions M1 (ω) and M2 (ω) indicating propagation path characteristics between the receiving
[0057]
Next, means for calculating transfer functions M1 (ω) and M2 (ω) indicating propagation path characteristics between the receiving
[0058]
First, by substituting equation (21) into equations (19) and (20), equations (28) and (29) are obtained.
[0059]
[Formula 18]
X1 (ω) = S (ω) ・ M1 (ω) + X1 (ω) ・ D1 (ω) ・ E1 (ω) + X2 (ω) ・ D2 (ω) ・ E1 (ω) (28)
X2 (ω) = S (ω) ・ M2 (ω) + X1 (ω) ・ D1 (ω) ・ E2 (ω) + X2 (ω) ・ D2 (ω) ・ E2 (ω) (29)
When formulas (28) and (29) are arranged with respect to X1 (ω) and X2 (ω), formulas (30) and (31) are obtained.
[0060]
[Equation 19]
X1 (ω) ・ {1-D1 (ω) ・ E1 (ω)}-X2 (ω) ・ D2 (ω) ・ E1 (ω) = S (ω) ・ M1 (ω) (30)
X2 (ω) ・ {1-D2 (ω) ・ E2 (ω)}-X1 (ω) ・ D1 (ω) ・ E2 (ω) = S (ω) ・ M2 (ω) (31)
Equations (30) and (31) are simultaneous linear equations for X1 (ω) and X2 (ω) as shown in equation (32).
[0061]
[Expression 20]
If equation (32) is solved here, equations (33) and (34) are obtained.
[0062]
[Expression 21]
When the equations (33) and (34) are further arranged, equations (35) and (36) are obtained.
[0063]
[Expression 22]
Furthermore, when the expressions (35) and (36) are substituted into the expressions (24) and (25), the expressions (37) and (38) are obtained.
[0064]
[Expression 23]
Furthermore, Expressions (37) and (38) can be rewritten as Expressions (39) and (40).
[0065]
[Expression 24]
Here, A (ω) and B (ω) are expressed by equations (41) and (42), respectively.
[0066]
[Expression 25]
A (ω) = D1 (ω) ・ E1 (ω) + D2 (ω) ・ E2 (ω) (41)
B (ω) = M1 (ω) ・ E2 (ω) -M2 (ω) ・ E1 (ω) (42)
Next, when Expressions (39) and (40) are expanded to a power series of A (ω), Expressions (43) and (44) are obtained.
[0067]
[Equation 26]
Here, the equation (43) will be considered. Since the receiving
[0068]
Therefore, except for the first term of the equation (43), all have delay times equal to or greater than D1 (ω) and D2 (ω), and only the component having a short delay time is extracted on the delay profile of H1 (ω). Thus, M1 (ω) can be obtained separately. This processing can be realized by LPF (low-pass filter) processing on the frequency axis. M2 (ω) can also be separated and extracted by applying the same processing to H2 (ω). At this time, considering both the delay time of the delay wave included in the master station wave and the delay time of the apparatus, the adaptive filter 34 for diversity synthesis is used.-1, 34-2It is important to select the optimal delay time.
[0069]
<Regarding Frequency Characteristics D1 (ω) and D2 (ω)>
Adaptive filter 34 for diversity combining-1Frequency characteristic D1 (ω) and adaptive filter 34-2Can be obtained using the propagation path characteristics M1 (ω) and M2 (ω) extracted from the frequency characteristics of the signals observed at the observation point P1 and the observation point P2. This is because the specification of the patent application relating to the inventors' invention (Japanese Patent Application No. 2000-353245 “OFDM digital signal relay device”) and the technical report “Distribution of broadcast waves of terrestrial digital broadcasting using space diversity”. It should be determined based on the algorithm described in “Review”, ITE Technical Report Vol.25, No.31, pp.7-12, BCS2001-11 (Mar.2001).
[0070]
Note that the actual D1 (ω) and D2 (ω) have characteristics calculated based on the algorithm described in Japanese Patent Application No. 2000-353245 using M1 (ω) and M2 (ω). By combining the characteristics, a stable wraparound cancel operation can be performed even when the wraparound received power is larger than the received power of the master station signal.
[0071]
<Regarding the frequency characteristics L1 (ω) and L2 (ω)>
Further, the
[0072]
Further, when the signal observed at the observation point P1 or the observation point P2 is significantly deteriorated, the output of the branch where the observation signal is significantly deteriorated is stopped, so that the relay device can be operated more stably. It becomes possible. For example, as a method for determining that the observed signal is remarkably deteriorated, an algorithm described in the specification of a patent application related to the inventors' invention (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-160794 “wraparound canceller”) is used. Based on this, the signal degradation due to the wraparound cancellation residual is detected, and when a certain threshold value is exceeded, the outputs of the adaptive filter 34 for diversity synthesis and the
[0073]
Briefly describing the algorithm disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2001-160794, in this algorithm, when loop oscillation is detected, the output of the adaptive filter is stopped and the output of the relay device is controlled to be reduced or stopped. In this control, from the control information of the AGC circuit that constitutes the
[0074]
As described above, FIG. 2 is a diagram showing an operation principle diagram of the present invention in a configuration with two branches using two reception systems for diversity reception. Of course, the present invention is also applied when a reception system with L branches is used. Is effective and easy to modify, and will not be described here.
[0075]
Further, the diversity branch configuration method described here can be realized by any of the branch configuration methods such as space diversity, polarization diversity, and angle diversity.
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in a relay station that performs broadcast wave relay in SFN, even in a relay station that performs diversity reception using a plurality of reception systems, the wraparound of radio waves from the transmission antenna to each reception system is performed. In addition to removing, diversity combining of signals from each receiving system and re-transmission from the relay stationIn addition, even if the received power of the wraparound is larger than the received power of the master station signal, stable wraparound cancellation is possible, and the characteristics of the adaptive filter for diversity synthesis and the characteristics of the adaptive filter for wraparound cancellation are created. Simplified signal processingTherefore, it is possible to provide a wraparound cancel device and a relay device that can perform the above.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an embodiment of a diversity reception sneak cancel device and a relay device according to the present invention;
FIG. 2 is a block diagram illustrating an operating principle of a diversity reception sneak cancel device and a relay system according to the present invention, using a reception system with two branches as an example.
[Explanation of symbols]
1, 11-1, 11-2,..., 11-
3 DiversityFor receivingRounding cancellation device
4 Transmitter
5 Transmitting antenna
21-1, 21-2, ..., 21-L reception conversion unit
31-1, 31-2, ..., 31-L Downconverter
32-1, 32-2, ..., 32-L Quadrature demodulation unit
33-1, 33-2, ..., 33-L Subtraction unit
34-1, 34-2, ..., 34-L Adaptive filter for diversity synthesis (FIR filter)
35 Adder
36-1, 36-2, ..., 36-L Adaptive filter (FIR filter) for wraparound cancellation
37 Quadrature modulator
38 Upconverter
41 Transmission converter
42 Amplifier
Claims (3)
該減算部の各出力が入力されており、ダイバーシティ合成のためのフィルタ係数が与えられる受信系統のブランチ数と同数のダイバーシティ合成用の適応フィルタ部と、
該ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部の各出力が入力されており、その出力が実質的に中継局の送信信号として出力されているダイバーシティ合成のための加算部と、
該加算部の出力が入力されており、回り込み複製信号を生成するためのフィルタ係数が与えられ、その出力が前記各減算部の減算端子に入力された受信系統のブランチ数と同数の回り込みキャンセル用の適応フィルタ部と、
を備えたことを特徴とするダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置において、
前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部は、中継システムのOFDM信号が通過する系において最も狭帯域となる帯域通過フィルタ特性をも兼ね備えたフィルタ係数を与えるものであり、
前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部による遅延を含む既知の中継システムの遅延時間から、該遅延時間以上となる回り込みと、該遅延時間以下であってダイバーシティ合成によって等化する親局からの信号に含まれる遅延波とを分離して検出し、
信号の観測点を前記減算部の出力の位置に設定することで、前記ダイバーシティ合成用の適応フィルタ部の特性と、前記回り込みキャンセル用の適応フィルタ部の特性とを合わせて検出する、構成としたことを特徴とするダイバーシティ受信用回りこみキャンセル装置。An output from each branch of a receiving system having two or more branches that receive a signal having the same frequency and modulation content is substantially input to the subtracted terminal. A number of subtraction units for wraparound cancellation, which are the same as the number of branches of the receiving system configured to be input respectively;
Each of the outputs of the subtracting unit is input, and an adaptive filter unit for diversity synthesis equal to the number of branches of the receiving system to which filter coefficients for diversity synthesis are given,
Each output of the adaptive filter unit for diversity combining is input, and an adder for diversity combining whose output is substantially output as a transmission signal of the relay station;
The output of the adder is input, a filter coefficient for generating a wraparound duplicate signal is given, and the output is for the wraparound cancellation of the same number as the number of branches of the receiving system input to the subtraction terminal of each subtractor The adaptive filter section of
In the diversity reception sneak cancel device characterized by comprising :
The adaptive filter unit for diversity combining provides a filter coefficient that also has a band pass filter characteristic that is the narrowest band in a system through which the OFDM signal of the relay system passes,
Included in the signal from the master station that is equal to or greater than the delay time from the delay time of the known relay system including the delay by the adaptive filter unit for diversity synthesis and equal to the delay time and less than the delay time by diversity synthesis To detect the separated delayed wave,
By setting the observation point of the signal to the output position of the subtraction unit, the characteristics of the adaptive filter unit for diversity synthesis and the characteristics of the adaptive filter unit for wraparound cancellation are detected together. Diversity canceling device for diversity reception characterized by the above.
各ブランチにおいて観測した信号が著しく劣化していると判定された場合に、そのブランチから前記加算部への出力を停止するように構成したことを特徴とするダイバーシティ受信用回り込みキャンセル装置。In the diversity reception sneak cancel device according to claim 1,
A diversity reception sneak cancel device configured to stop output from the branch to the adder when it is determined that the signal observed in each branch is significantly deteriorated .
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