JP4361126B1 - 防災装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本実施例の防災装置は天井15や壁16の上部に設置され、地震発生時にエアバッグ1がカバー17を突き破って膨張するものであり、一部に蛇腹部2aを有するとともに,コントロールボックス5によって開閉状態を制御される電磁弁4が設置されたチューブ2と、このチューブ2を介してエアバッグ1に接続されるガスボンベ3と、救命信号発信部21とを備え、エアバッグ1は、膨張した際に居室内にいる人々(以下、人体7という。)を座った状態で少なくとも4人程度、内部に収容可能な凹部1aを形成する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された発明である「建物倒壊時の人身保護方法」は、予め膨張させたエアバッグを建物内の適当な場所に設置したり、倒壊に伴う建物の変形を検出してエアバッグを膨張させたりするなどして建物を内部から支えることを特徴としている。
このような方法によれば、建物の倒壊による人身被害を少なくすることができる。
特許文献2に開示された発明は、震度5以上の揺れを感知して膨張するエアスプリングと、このエアスプリングの膨張によって放出可能に格納箱内に収納されるエアバッグと、このエアバッグを縦横にそれぞれ広げる縦厚布スプリング及び横厚布スプリングと、膨張したエアスプリングと連動してエアバッグを放出する横蓋設置板スプリングと、エアバッグに高圧エアを充填する高圧エアタンクとを備えるものである。
このような構造においては、震度5以上の地震が発生した場合、エアバッグが身体を覆うため、家財道具等の転倒落下による被災が軽減される。
特許文献3に開示された考案は、外箱内にスライド自在に収納され,外箱が傾斜した場合に少なくとも一部が突出する内箱と、この内箱の内部に収納されるエアバッグと、このエアバッグにエアを供給可能にチューブ及び電磁弁を介して接続されるとともに,外箱内に設置されるエアーボンベと、外箱内に設置されて地震を感知したときに電磁弁を開弁させる感震器とを備えるものである。
このような構造によれば、ある一定以上の強い地震が発生した場合に、外箱から内箱が突出するとともに、エアバッグが膨張するという作用を有する。これにより、家具類やOA機器の転倒が防止され、あるいは転倒時の衝撃が吸収される。
このような構造の防災装置においては、エアバッグの膨張時に形成される凹部は、凹部内の人にエアバッグを直接、接触させないように作用する。また、落下物等との接触により第一室が破裂等した場合でも逆止弁が設けられた隔壁によって、第二室からのガスの漏出が防止される。従って、エアバッグが膨張した際に第一室が第二室の上部に形成される場合には、落下物等との接触により破裂することがないように第二室が第一室によって保護されるという作用を有する。
このような構造の防災装置においては、初期微動(P波)を検知してエアバッグを膨張させることにより、屋内にいる人に対して地震の発生を視覚的に知らせるという作用を有する。また、第一の検知信号を受け取った後、所定の時間が経過するまで、エアバッグの膨張が中断されるため、その間に避難をしようとしている人に対してエアバッグが邪魔になり難いという作用を有する。
このような構造の防災装置においては、初期微動(P波)の後、主要動(S波)が短時間で到達するような震源の近い地震に対しても請求項2に記載された発明の作用が同様に発揮される。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施例の防災装置は天井15近傍の壁16の上部に設置されるものであり、地震発生時にはエアバッグ1がカバー17を突き破って膨張する構造となっている。そして、エアバッグ1の他に、一部に蛇腹部2aが設けられたチューブ2と、このチューブ2を介してエアバッグ1に接続されるガスボンベ3とを備えており、チューブ2には電磁弁4が設置され、電磁弁4にはコントロールボックス5が配線6aを介して接続されている。すなわち、ガスボンベ3はチューブ2を通してエアバッグ1にガスを供給するためのガス供給部として機能し、ガスの供給量は電磁弁4によって調節されている。また、電磁弁4の開閉状態はコントロールボックス5によって制御されている。さらに、コントロールボックス5には、ランプ21aとスピーカー21bを備えた救命信号発信部21が配線6bを介して接続されている。なお、エアバッグ1は、膨張した際に凹部1aが形成されるように構成されており、この凹部1aは居室内にいる人々(以下、人体7という。)を座った状態で少なくとも4人程度、内部に収容できる大きさを有している。また、エアバッグ1の素材はポリエステル系の合成繊維であり、エアバッグ1に供給されるガスは高圧の空気である。
なお、初期微動(P波)及び主要動(S波)に相当する加速度は、予め定められた閾値によって識別される。また、タイマー13からは制御部14に対して、所定の時間が経過したことを知らせるため、後述の時間信号b1〜b4が送られる。そして、制御部14は検知信号a1,a2や時間信号b1〜b4に従って電磁弁4に対して指令信号c1,c2を送り、その開閉状態を制御するとともに、救命信号発信部21に対して指令信号c3を送って、その動作を制御する。
前述したように、センサ12は初期微動(P波)に相当する加速度を検知した場合、検知信号a1を発する。そして、制御部14は、ステップS1で検知信号a1を受け取ったと判断すると、ステップS2において指令信号c1を送って電磁弁4を開く。その結果、ガスボンベ3からチューブ2を介してエアバッグ1の内部にガスが供給され、エアバッグ1が膨張する。タイマー13はセンサ12から検知信号a1を受け取った後、所定の時間t1が経過すると、制御部14に対して時間信号b1を送る。制御部14は、ステップS3において時間信号b1を受け取ったと判断して、ステップS4において指令信号c2を送って電磁弁4を閉じる。これにより、ガスボンベ3からエアバッグ1へのガスの供給が遮断される。
なお、時間t1はエアバッグ1が完全に膨張するために要する時間よりも短く設定されている。従って、ステップS4において、エアバッグ1は図5(a)に示すように一部のみが膨張した状態となる。
さらに、制御部14はステップS8において救命信号発信部21に対して指令信号c3を送る。その結果、救命信号発信部21が作動し、ランプ21a及びスピーカー21bがそれぞれ音と光を発する。なお、図5には示されていないが、本実施例では、救命信号発信部21がコントロールボックス5とともに、天井15近傍の壁16の上部に設置される構成となっている。ただし、救命信号発信部21の設置場所は、これに限らず適宜変更可能である。例えば、屋外から常時視認可能な場所に設置しても良い。また、救命信号発信部21をコントロールボックス5に配線6bを介して接続する代わりに、両者を無線接続とすることもできる。
さらに、エアバッグ1が膨張した際に、第二室10の上部に形成される第一室9は、落下物等に接触して第二室10が破裂等しないように保護するという作用を有する。そして、落下物等との接触により第一室9が破裂等した場合であっても、逆止弁11が設けられた隔壁8によって第二室10からのガスの漏出が防止される。また、初期微動(P波)を検知して膨張するエアバッグ1は、居室にいる人に対して地震が発生したことを視覚的に知らせるという作用を有する。さらに、センサ12によって初期微動(P波)が検知された後、所定の時間が経過するまで、エアバッグ1の膨張が中断されるため、避難をしようとしている人に対してエアバッグ1は邪魔になり難い。
そして、本実施例の防災装置においては、初期微動(P波)が検知された後、所定の時間が経過する前であっても主要動(S波)が検知された場合には、エアバッグ1が完全に膨張する構造となっている。従って、初期微動(P波)の後、主要動(S波)が短時間で到達するような震源の近い地震に対しても上述の作用が同様に発揮される。また、救命信号発信部21は、エアバッグ1に保護された状態で救助を待っている人の存在を、他の部屋あるいは屋外に居る人に知らせるという作用を有する。
さらに、凹部1aが設けられている分だけ、第二室10を膨張させるために要するガスが低減される。また、地震時に発生する揺れの程度に応じてエアバッグ1を段階的に膨張させる構造となっているため、初期微動(P波)が発生した後、所定の時間が経過するまでの間に、居室にいる人は他の場所に移動するべきか、そこに留まるべきかを選択することが可能である。
そして、この段階ではエアバッグ1がまだ完全に膨張していないため、その部屋から移動しようとした人はエアバッグ1に邪魔されずに避難することが可能である。さらに、震源が近い地震のように初期微動(P波)から主要動(S波)までの間隔が短い場合であっても、本実施例の防災装置では、主要動(S波)が検知されると、エアバッグ1が完全に膨張する構造となっているため、上述の効果が同様に発揮される。また、万一、建物が倒壊したような場合でも、救命信号を手掛かりにエアバッグ1及びその内部に居る人を速やかに発見することが可能である。
また、図7(a)に示すように、就寝中の人(以下、就寝者20という。)を保護する場合には、ベッド19の周囲の床21の上、特に、就寝者20の足元に防災装置を設置することが望ましい。なお、この場合には図5に示したエアバッグ1の代わりに、図7(b)に示すように、扁平形状のエアバッグ18bを用いることができる。
さらに、本実施例では初期微動(P波)の検知後の電磁弁4の開弁時間を短く設定することで、エアバッグ1の一部のみを膨張させる構造となっているが、電磁弁4の開弁時間を短くする代わりに、電磁弁4の開度(開き具合)を小さく設定することもできる。すなわち、制御部14が開弁時間や開度のうち少なくともいずれかを調整することにより電磁弁4の開閉状態を制御する構造としても良い。
また、エアバッグ1の素材やエアバッグ1に供給するガスは、本実施例に示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。ただし、エアバッグ1に供給するガスは、エアバッグ1の破損等によって漏出する可能性もあるため、毒性がないか、若しくはできるだけ毒性が低いことが望ましい。
加えて、救命信号発信部21はランプ21aとスピーカー21bのいずれか一方を備えたものであっても良い。また、光や音からなる救命信号を発するタイミングも本実施例に示した場合に限定されない。例えば、初期微動(P波)が検知された後、エアバッグ1が膨張することを予め警告する目的で、エアバッグ1が膨張し始める(図4のステップS2)前に救命信号を発するような構成としても良い。また、主要動(S波)が検知された後、エアバッグ1が膨張し始める(図4のステップS7)前に行うこともできる。さらに、エアバッグ1が完全に膨張し終わった(図4のステップS10)後に救命信号を発するようにしても良い。
Claims (3)
- 屋内に設置され,地震発生時にエアバッグを膨張させて人体を保護する防災装置であって、
前記エアバッグにガスを供給するガス供給部と、
このガス供給部と前記エアバッグの間に介設される電磁弁と、
地震を検知して検知信号を発するセンサと、
この検知信号に従って前記電磁弁の開閉状態を制御する制御部と、
を備え、
前記エアバッグは、隔壁によって仕切られる,前記ガス供給部が接続される第一室と,膨張時に人体を収容可能な凹部を形成する第二室とからなり、
前記隔壁には前記第一室側から前記第二室側へのみ前記ガスを供給可能に逆止弁が設けられることを特徴とする防災装置。 - 前記制御部に経過時間を知らせるタイマーを備え、
前記センサは地震の初期微動(P波)を検知して第一の検知信号を発し、
前記制御部は、この第一の検知信号に従って前記エアバッグの一部を膨張させるように前記電磁弁の開度や開閉時間を調節し、
前記タイマーは、前記第一の検知信号を受け取った後、所定の時間が経過したことを知らせる時間信号を前記制御部に送り、
前記制御部は、この時間信号に従って前記エアバッグを完全に膨張させるように、前記電磁弁の開度や開閉時間を調節することを特徴とする請求項1記載の防災装置。 - 前記センサは、地震の主要動(S波)を検知して第二の検知信号を発し、
前記制御部は前記時間信号を受け取っていない場合に、この第二の検知信号に従って前記エアバッグを完全に膨張させるように前記電磁弁の開度や開閉時間を調節することを特徴とする請求項2記載の防災装置。
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