(第1基本形態)
図1は第1基本形態の携帯無線端末の構成図、図2は同携帯無線端末による緊急通報通常モード時の動作説明図、図3は同携帯無線端末による緊急通報静観モード時の動作説明図である。
第1基本形態の携帯無線端末1は、予め設定された例えば通報センタまたは自宅などの緊急通報先に無線で緊急通報を行うためのものであり、図1に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15と、制御部10とを備えている。
無線送受信部11は、アンテナ111を含み、例えばデータ通信が可能なPHSなどと同様に構成され、公衆移動通信により信号を送受信するものである。
マイク部12は、例えば、マイクと、このマイクで入力された周囲の音や携帯無線端末1の携行者の声などの音声信号を増幅する増幅器と、この増幅器で増幅された音声信号を音声データにA/D変換するA/D変換器とにより構成され、無線送受信部11によって送信される送話信号を入力するものである。
スピーカ部13は、例えば、無線送受信部11からの音声データをアナログの音声信号にD/A変換するD/A変換器と、このD/A変換器によって変換された音声信号を増幅する増幅器と、この増幅器で増幅された音声信号を出力するスピーカとにより構成され、無線送受信部11によって受信される受話信号を出力するものである。
発光部14は、例えばLEDなどにより構成され、その発光表示により携帯無線端末1の動作状況を示すものである。例えば、通信状態、緊急通報通常モードが選択されている状態などが発光表示によって示される。
操作入力部15は、通常モード用スイッチ151と、静観モード用スイッチ152とにより構成され、緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードのいずれかを選択するためのものである。図1の例では、プッシュスイッチにより構成されている。
制御部10は、CPU、RAMおよびROMなどにより構成され、携帯無線端末1全般の制御などの処理を実行するものであり、モード切換制御機能100などを有している。
モード切換制御機能100は、操作入力部15で通常モード用スイッチ151が押下され、緊急通報通常モードを選択する操作が行われると、その緊急通報通常モードに移行して、マイク部12、スピーカ部13および発光部14を動作状態に切り換えるとともに、無線送受信部11を通じて、予め設定された緊急通報先への通信を開始する処理を実行する。また、操作入力部15で静観モード用スイッチ152が押下され、緊急通報静観モードを選択する操作が行われると、その緊急通報静観モードに移行して、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とをそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換えるとともに、無線送受信部11を通じて、予め設定された緊急通報先への通信を開始する制御が実行される。
次に携帯無線端末1の動作について説明する。図2に示すように、通常モード用スイッチ151が押下されると、緊急通報通常モードM1に移行し、マイク部12、スピーカ部13および発光部14が動作状態に切り換わり、無線送受信部11を通じて、予め設定された緊急通報先(図2では通報センタ2)への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1に割り当てられているIDとともに緊急通報通常モードM1であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1と通報センタ2との間で双方向のデータ通信/音声通話が実行される。
図3に示すように、静観モード用スイッチ152が押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1に割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1と通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。このとき、データ通信は双方向であるが、音声通話は、実質的に携帯無線端末1から通報センタ2への片方向となる。
このように、緊急通報静観モードに移行して、無線送受信部11を通じて、予め設定された緊急通報先への通信を開始するとき、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とをそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換えることにより、携帯無線端末1の携行者の状況を緊急通報することができるとともに、携帯無線端末1が緊急通報していることを周囲の人に悟られないようにすることができる。これにより、緊急通報を行うことが困難である状況下でも、その困難な状況下にあることを緊急通報することができる。そして、その携行者の状況の緊急通報を受けた緊急通報先において、携行者に対し適切な処置を行うことができるようになる。
なお、第1基本形態では、無線送受信部11に対するマイク部12およびスピーカ部13による入出力信号は、デジタル信号になっているが、これに限らず、アナログ信号であってもよい。この場合、例えば、無線送受信部11に対してマイク部12およびスピーカ部13の各アナログ端子を接続し、それらの各ライン上に制御部10によってオン,オフされるスイッチを介設すればよい。
(第2基本形態)
図4は第2基本形態の携帯無線端末の構成図、図5は同携帯無線端末による緊急通報通常モード時の動作説明図、図6は同携帯無線端末による緊急通報静観モード時の動作説明図である。
第2基本形態の携帯無線端末1Aは、図4に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14とを第1基本形態と同様に備えているほか、第1基本形態との相違点として、2つの通常モード用スイッチ151a,152bにより構成される操作入力部15aと、制御部10aとを備えている。なお、図4の例では、2つの通常モード用スイッチ151a,152bが設けられる構成になっているが、3つ以上の通常モード用スイッチが設けられる構成でもよい。
制御部10aは、モード切換制御機能100に代えてモード切換制御機能100aを有する以外は第1基本形態の制御部10と同様に構成される。モード切換制御機能100aは、通常モード用スイッチ151a,152bのうち一のスイッチが操作されると、緊急通報通常モードに移行して第1基本形態の緊急通報通常モードの制御と同様の制御を実行する一方、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に操作されると、緊急通報静観モードに移行して第1基本形態の緊急通報静観モードの制御と同様の制御を実行する。
次に携帯無線端末1Aの動作について説明する。図5に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bのうち一のスイッチが押下されると、緊急通報通常モードM1に移行し、マイク部12、スピーカ部13および発光部14が動作状態に切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Aに割り当てられているIDとともに緊急通報通常モードM1であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Aと通報センタ2との間で双方向のデータ通信/音声通話が実行される。
図6に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Aに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Aと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。このとき、データ通信は双方向であるが、音声通話は、実質的に携帯無線端末1Aから通報センタ2への片方向となる。
このように、複数の通常モード用スイッチが一斉に操作されたときに緊急通報静観モードに移行することにより、操作ミスで緊急通報静観モードに移行することがないようにすることができる。また、静観モード用スイッチを別途設ける必要がなくなる。
(第1参考例)
図7は第1参考例の携帯無線端末の構成図、図8は同携帯無線端末による緊急通報通常モード時の動作説明図、図9は同携帯無線端末による緊急通報静観モード時の動作説明図である。
第1参考例の携帯無線端末1Bは、図7に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14とを第1基本形態と同様に備えているほか、第1基本形態との相違点として、通常モード用スイッチ151および2つの静観モード用スイッチ152a,152bにより構成される操作入力部15bと、制御部10bとを備えている。
制御部10bは、モード切換制御機能100に代えてモード切換制御機能100bを有する以外は第1基本形態の制御部10と同様に構成される。モード切換制御機能100bは、通常モード用スイッチ151が操作されると、緊急通報通常モードに移行して第1基本形態の緊急通報通常モードの制御と同様の制御を実行する一方、静観モード用スイッチ152a,152bが一斉に操作されると、緊急通報静観モードに移行して第1基本形態の緊急通報静観モードの制御と同様の制御を実行する。
次に携帯無線端末1Bの動作について説明する。図8に示すように、通常モード用スイッチ151が押下されると、緊急通報通常モードM1に移行し、マイク部12、スピーカ部13および発光部14が動作状態に切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Bに割り当てられているIDとともに緊急通報通常モードM1であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Bと通報センタ2との間で双方向のデータ通信/音声通話が実行される。
図9に示すように、静観モード用スイッチ152a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Bに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Bと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。このとき、データ通信は双方向であるが、音声通話は、実質的に携帯無線端末1Bから通報センタ2への片方向となる。
このように、複数の静観モード用スイッチが一斉に操作されたときに緊急通報静観モードに移行することにより、操作ミスで緊急通報静観モードに移行することがないようにすることができる。
(第2参考例)
図10は第2参考例の携帯無線端末の構成図である。
第2参考例の携帯無線端末1Cは、図10に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15とを第1基本形態と同様に備えているほか、第1基本形態との相違点として、外部入力装置(図では押釦スイッチ)16と、この外部入力装置16を接続するためのインターフェース17と、制御部10cとを備えている。
制御部10cは、モード切換制御機能100に代えてモード切換制御機能100cを有する以外は第1基本形態の制御部10と同様に構成される。モード切換制御機能100cは、第1基本形態のモード切換制御機能100との相違点として、インターフェース17を介して外部入力装置16が接続された状態で、外部入力装置16が操作されると、緊急通報静観モードに移行して第1基本形態の緊急通報静観モードの制御と同様の制御をさらに実行する。
次に、携帯無線端末1Cの第1基本形態とは相違する動作について説明する。外部入力装置16が押下されると、緊急通報静観モードに移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタへの通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタから認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Cに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードであることを示す状態情報が通報センタに送信される。そして、通報センタで適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Cと通報センタとの間でデータ通信/音声通話が実行される。このとき、データ通信は双方向であるが、音声通話は、実質的に携帯無線端末1Cから通報センタ2への片方向となる。
このように、外部入力装置16と、インターフェース17とを備えることにより、外部入力装置16でも緊急通報静観モードへの移行が可能となるので、例えば、周囲の人に悟られずに外部入力装置16を隠しながら操作するなどすれば、緊急通報静観モードで緊急通報を行うことができる。
なお、第2参考例では、外部入力装置16として押釦スイッチを備える構成になっているが、これに限らず、図11の例に示すように、複数種類のセンサ161a,162a,163a,…と、これら各種センサの検出結果を監視し、単独のセンサの検出結果または各種センサの検出結果の組合せに応じて、上記外部入力装置16の押下時と同様の信号を出力する演算部160aとによりなる外部入力装置16aを備える構成でもよい。この構成によれば、例えば図12に示すように、センサ161aが作動して演算部160aが外部入力装置16の押下時と同様の信号を出力すれば、緊急通報静観モードに移行してその制御が実行されるようになり、第2参考例よりも好適に周囲の人に悟られずに緊急通報静観モードで緊急通報を行うことができる。
(第3参考例)
図13は第3参考例の携帯無線端末の構成図である。
第3参考例の携帯無線端末1Dは、図13に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15aとを第2基本形態と同様に備えているほか、第2基本形態との相違点として、外部入力装置(図では押釦スイッチ)16と、この外部入力装置16を接続するためのインターフェース17と、制御部10dとを備えている。
制御部10dは、モード切換制御機能100aに代えてモード切換制御機能100dを有する以外は第2基本形態の制御部10aと同様に構成される。モード切換制御機能100dは、第2基本形態のモード切換制御機能100aとの相違点として、インターフェース17を介して外部入力装置16が接続された状態で、外部入力装置16が操作されると、緊急通報静観モードに移行して第2基本形態の緊急通報静観モードの制御と同様の制御をさらに実行する。
次に、携帯無線端末1Dの第2基本形態とは相違する動作について説明する。外部入力装置16が押下されると、緊急通報静観モードに移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタへの通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタから認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Dに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードであることを示す状態情報が通報センタに送信される。そして、通報センタで適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Dと通報センタとの間でデータ通信/音声通話が実行される。このとき、データ通信は双方向であるが、音声通話は、実質的に携帯無線端末1Dから通報センタ2への片方向となる。
このように、外部入力装置16と、インターフェース17とを備えることにより、外部入力装置16でも緊急通報静観モードへの移行が可能となるので、例えば、周囲の人に悟られずに外部入力装置16を隠しながら操作するなどすれば、緊急通報静観モードで緊急通報を行うことができる。
なお、第3参考例では、外部入力装置16として押釦スイッチを備える構成になっているが、これに限らず、図14の例に示すように、複数種類のセンサ161a,162a,163a,…と、これら各種センサの検出結果を監視し、単独のセンサの検出結果または各種センサの検出結果の組合せに応じて、上記外部入力装置16の押下時と同様の信号を出力する演算部160aとによりなる外部入力装置16aを備える構成でもよい。この構成によれば、例えば図15に示すように、センサ161aが作動して演算部160aが外部入力装置16の押下時と同様の信号を出力すれば、緊急通報静観モードに移行してその制御が実行されるようになり、第3参考例よりも好適に周囲の人に悟られずに緊急通報静観モードで緊急通報を行うことができる。
(第1実施形態)
図16は本発明に係る第1実施形態の携帯無線端末の構成図である。
第1実施形態の携帯無線端末1Eは、図16に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15とを第1基本形態と同様に備えているほか、第1基本形態との相違点として制御部10eを備えている。
この制御部10eは、設定記憶部101さらに備えるとともに、モード切換制御機能100に代えてモード切換制御機能100eを有する以外は第1基本形態の制御部10と同様に構成される。
設定記憶部101は、例えばRAM、またはEEPROMなどの不揮発性メモリにより構成され、設定情報を記憶するためのものである。
モード切換制御機能100eは、所定の通報センタから無線送受信部11を通じて、緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードを選択するために操作入力部15に対して行うべき操作手順を割り付けるための設定情報を受信すると、その設定情報を設定記憶部101に記憶するとともに、緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードを選択するための操作手順が変更設定された旨をスピーカ部13および発光部14の少なくとも一方により報知する処理を実行する。また、操作入力部15で操作が行われると、設定記憶部101に記憶した設定情報を基に、その操作が緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードのいずれを選択する操作であるかを判別し、その判別したモードに応じて制御を実行する処理が行われる。なお、設定記憶部101に記憶されている設定情報が初期情報である場合には、第1基本形態のモード切換制御機能100と同様の制御が実行されるようになっている。
次に、携帯無線端末1Eの第1基本形態とは相違する動作について説明する。図17に示すように、携帯無線端末1Eおよび通報センタ2の通信中において、通報センタ2が、携帯無線端末1Eの上記設定情報について、例えば、緊急通報静観モードに移行するには通常モード用スイッチ151および静観モード用スイッチ152を一斉に押下しなければならないという変更を行うとき、その設定情報(パラメータ)を作成して携帯無線端末1Eに送信する。
この後、携帯無線端末1Eが上記設定情報を正常に受信すると、その設定情報を正常に受信したことを示すACKを通報センタ2に返信し、その設定情報を設定記憶部101に記憶することにより設定変更を行う。そして、変更結果報知が図略のタイマの計時により所定時間(「変更結果終了」まで)行われる。図17の例では、マイク部12が設定変更のあった旨を示す報知音を出力し、発光部14が変更のあった旨を示すために点滅(点灯)するようになっている。なお、タイマに代えて、上記報知を終了するためのスイッチ(図示せず)を設け、携帯無線端末1Eの携行者がそのスイッチを操作するまで上記報知を継続するようにしてもよい。
(第4参考例)
図18は第4参考例の携帯無線端末の構成図である。
第4参考例の携帯無線端末1Fは、図18に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15とを第1基本形態と同様に備えているほか、第1基本形態との相違点として、パソコンまたは専用の設定器からなる外部設定器18と、この外部設定器18を接続するためのインターフェース17と、制御部10fとを備えている。
この制御部10fは、設定記憶部101さらに備えるとともに、モード切換制御機能100に代えてモード切換制御機能100fを有する以外は第1基本形態の制御部10と同様に構成される。モード切換制御機能100fは、外部設定器18からインターフェース17を介して、緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードを選択するために操作入力部15に対して行うべき操作手順を割り付けるための設定情報を受信すると、その設定情報を設定記憶部101に記憶する一方、操作入力部15で操作が行われると、設定記憶部101に記憶した設定情報を基に、その操作が緊急通報通常モードおよび緊急通報静観モードのいずれを選択する操作であるかを判別し、その判別したモードに応じて制御を実行する。
この構成の場合、外部設定器18を携帯無線端末1Fのインターフェース17に接続し、外部設定器18を操作することにより携帯無線端末1Fの設定記憶部101に記憶されている設定情報を変更(パラメータ設定変更)すれば、携帯無線端末1Fをその携行者の操作しやすいようにカスタマイズすることができる。
(第2実施形態)
図19は本発明に係る第2実施形態の携帯無線端末の構成図、図20は同携帯無線端末による緊急通報静観モード時の動作説明図である。
第2実施形態の携帯無線端末1Gは、図19に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15aとを第2基本形態と同様に備えているほか、第2基本形態との相違点として、アンテナ191を含みGPS信号を受信するGPS受信部19と、制御部10gとを備えている。
制御部10gは、現在位置取得機能102をさらに有するとともに、モード切換制御機能100aに代えてモード切換制御機能100gを有する以外は第2基本形態の制御部10aと同様に構成される。
現在位置取得機能102は、GPS受信部19で受信されたGPS信号から現在位置を演算により求める処理を行う。モード切換制御機能100gは、第2基本形態のモード切換制御機能100aとの相違点として、緊急通報静観モードの場合、現在位置取得機能102によって求められた現在位置の情報を、無線送受信部11を通じて予め設定された緊急通報先に送信する処理をさらに実行する。
次に、携帯無線端末1Gの第2基本形態とは相違する動作について説明する。図20に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。このとき、現在位置取得機能102において、GPS受信部19で受信されたGPS信号から現在位置が求められる。
この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Gに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報並びに現在位置取得機能102によって求められた現在位置の情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Gと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。
このように、携帯無線端末1Gの現在位置の情報を通報センタ2に送信することにより、携帯無線端末1Gからの音声情報に加え、通報センタ2が携帯無線端末1Gの現在位置を知ることができるため、警察に通報するなどの適切な処置を行うことができる。
(第3実施形態)
図21は本発明に係る第3実施形態の携帯無線端末の構成図、図22は同携帯無線端末による緊急通報静観モード時の動作説明図である。
第3実施形態の携帯無線端末1Hは、図21に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15aと、GPS受信部19とを第2実施形態と同様に備えているほか、第2実施形態との相違点として制御部10hを備えている。
制御部10hは、モード切換制御機能100gに代えてモード切換制御機能100hを有する以外は第2実施形態の制御部10gと同様に構成される。モード切換制御機能100hは、モード切換制御機能100gとの相違点として、無線送受信部11を通じて、通報センタから所定の要求コマンドを受信した後に、現在位置取得機能102によって求められた現在位置の情報を通報センタに送信する処理を行う。
次に、携帯無線端末1Hの特徴となる動作について説明する。図22に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Gに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Hと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から必要時に送信される、現在位置の情報を要求する要求コマンドを受けると、GPS受信部19で受信されたGPS信号から現在位置が求められ、その現在位置の情報が通報センタ2に送信される。
このように、携帯無線端末1Hの現在位置の情報を通報センタ2に送信することにより、携帯無線端末1Hからの音声情報に加え、通報センタ2が携帯無線端末1Hの現在位置を知ることができるため、警察に通報するなどの適切な処置を行うことができる。また、通報センタ2が必要なときに携帯無線端末1Hの新しい現在位置の情報を得ることができる。
(第4実施形態)
図23は本発明に係る第4実施形態の携帯無線端末を含むシステム構成例を示す図、図24は同システム中の携帯無線端末の構成図、図25,図26は同携帯無線端末の第1判定モード時の動作例を示す図、図27,図28は同携帯無線端末の第2判定モード時の動作例を示す図、図29,図30は同携帯無線端末の第3判定モード時の動作例を示す図である。
第4実施形態では、図23に示すように、携帯無線端末1Jと、通報センタ2と、警察署3と、複数のGPS衛星4と、無線公衆回線基地局5と、公衆回線網6とにより一のシステムが構築される。
このシステム中の携帯無線端末1Jは、図24に示すように、無線送受信部11と、マイク部12と、スピーカ部13と、発光部14と、操作入力部15aとを第2基本形態と同様に備えているほか、第2基本形態との相違点として制御部10jを備え、第1判定モード、第2判定モードおよび第3判定モードのいずれかで動作するようになっている。
制御部10jは、登録記憶部103と、判定機能104とをさらに有し、モード切換制御機能100aに代えてモード切換制御機能100jを有する以外は第2基本形態の制御部10aと同様に構成される。
登録記憶部103は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリA1により構成され、予め登録された各種データを記憶する。第1判定モードでは、図25に示すように、メモリA1の登録記憶部103内には予め登録された携行者の音声特性情報が格納される。第2判定モードでは、図27に示すように、メモリA1の登録記憶部103内には、予め登録された携行者について、恐怖時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(恐怖時特性α)と、緊張時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(緊張時特性β)と、怒り時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(怒り時特性γ)と、安堵時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(安堵時特性δ)とが格納される。第3判定モードでは、図29に示すように、メモリA1の登録記憶部103内には、予め登録された携行者による各種キーワードの発音時の音声特性情報(キーワードK1,K2,K3,…)と、これら各種キーワードにそれぞれ対応付けられた各種情報(「痛い」,「苦しい」,「誘拐されている」,…)とが格納される。
判定機能104は、第1〜第3判定モードでそれぞれ以下の異なる判定処理を行う。第1判定モードでは、マイク部12から得られる音声情報が登録記憶部103に記憶された音声特性情報の携行者のものであるか否かを判定する処理が行われる。第2判定モードでは、マイク部12から得られる音声情報が登録記憶部103に記憶された各種情報のうちどの情報の心理状態に近いかを判定する処理が行われる。第3判定モードでは、マイク部12から得られる音声情報に、登録記憶部103に記憶された音声特性情報が含まれているか否かを判定する処理が行われる。
モード切換制御機能100jは、第2基本形態のモード切換制御機能100aと同様の処理に加えて、第1〜第3判定モードでそれぞれ以下の異なる処理をさらに行う。第1判定モードでは、緊急通報静観モードの場合、判定機能104によって携行者の存在が確認されれば、その旨を通報センタ2に送信する処理が行われる。第2判定モードでは、緊急通報静観モードの場合、判定機能104によって判定された心理状態の情報を通報センタ2に送信する処理が行われる。第3判定モードでは、緊急通報静観モードの場合、判定機能104によって音声特性情報が含まれていると判定されたとき、その音声特性情報のキーワードに対応する情報を登録記憶部103から読み出して通報センタ2に送信する処理が行われる。なお、第4実施形態では、通報センタ2は、緊急通報静観モードの場合、モード切換制御機能100jから携行者の存在を示す情報、心理状態の情報またはキーワードに対応する情報を受けると、自動的に警察に緊急通報を行うようになっている。
次に上記第1〜第3判定モードでの各動作について説明する。第1判定モードにおいて、図26の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Jに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Jと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、マイク部12から得られる音声情報が登録記憶部103に記憶された音声特性情報の携行者のものであるか否かを判定する処理が行われる。具体的には、いわゆる音声認識処理機能により、マイク部12から得られる音声情報(取得周囲音)に、登録記憶部103に記憶された音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。そして、含まれていると判定され携行者の存在が確認されれば、その旨を示す生存情報が作成されて通報センタ2に送信される。この後、通報センタ2がその生存情報を受信すれば、自動的に警察に緊急通報を行う。
第2判定モードにおいて、図28の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Jに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Jと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、マイク部12から得られる音声情報が登録記憶部103に記憶された各種情報のうちどの情報の心理状態に近いかを判定する処理が行われる。具体的には、音声認識処理機能により、恐怖時特性α、緊張時特性β、怒り時特性γ、安堵時特性δをウィンドウデータやマスクデータなど比較基準データとして用いて分析し、マイク部12から得られる音声情報(取得周囲音)から、登録記憶部103に記憶された音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。例えば恐怖時特性αと類似する情報が含まれていれば、生存が確認されるとともに、恐怖の心理状態になっていると分析される。そして、判定機能104によって判定された心理状態と生存を示す情報が作成されて通報センタ2に送信される。この後、通報センタ2がその情報を受信すれば、自動的に警察に緊急通報を行う。
第3判定モードにおいて、図30の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2への通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2から認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Jに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2に送信される。そして、通報センタ2で適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Jと通報センタ2との間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、マイク部12から得られる音声情報に、登録記憶部103に記憶された音声特性情報が含まれているか否かを判定する処理が行われる。具体的には、音声認識処理機能により、マイク部12から得られる音声情報(取得周囲音)から、登録記憶部103に記憶された音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。例えばキーワードK1と類似する情報が含まれていれば、生存が確認されるとともに、キーワードK1が含まれていると判定される。そして、その音声特性情報のキーワードに対応する情報が登録記憶部103から読み出されて通報センタ2に送信される。キーワードK1の場合には、「痛い」という携行者の状況と生存を示す情報が送信される。この後、通報センタ2がその情報を受信すれば、自動的に警察に緊急通報を行う。
このように携行者のより詳しい状況を自動的に送信することにより、適切な処置をとることができる。また、通報センタにオペレータがいなくても、携行者の状況を警察などの所定の通報先に自動的に通報することができる。第2判定モードの場合、心理状況を推測できるので、携行者の置かれた状況を把握しやすい。第3判定モードの場合、携行者の状況を推測できるので、携行者の置かれた状況を把握しやすい。
(第5実施形態)
図31は上記第2基本形態の携帯無線端末を含むシステム構成例を示す図、図32,図33は同システムの第1判定モード時の動作例を示す図、図34,図35は同システムの第2判定モード時の動作例を示す図、図36,図37は同システムの第3判定モード時の動作例を示す図である。
第5実施形態では、図31に示すように、第2基本形態の携帯無線端末1Aと、通報センタ2Aと、警察署3と、複数のGPS衛星4と、無線公衆回線基地局5と、公衆回線網6とにより一のシステムが構築される。
通報センタ(装置)2Aは、公衆回線網6を介した公衆通信により信号を送受信する送受信部21と、登録記憶部22と、制御部23とを備え、第1判定モード、第2判定モードおよび第3判定モードのいずれかで動作するようになっている。
登録記憶部22は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリA2により構成され、予め登録された各種データを記憶する。第1判定モードでは、図32に示すように、メモリA2の登録記憶部22内には予め登録された各携行者の音声特性情報が格納される。第2判定モードでは、図34に示すように、メモリA2の登録記憶部22内には、予め登録された各携行者について、恐怖時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(恐怖時特性α)と、緊張時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(緊張時特性β)と、怒り時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(怒り時特性γ)と、安堵時の発音に特有の音声周波数帯域および音声波形特性情報(安堵時特性δ)とが格納される。第3判定モードでは、図36に示すように、メモリA2の登録記憶部22内には、予め登録された各携行者による各種キーワードの発音時の音声特性情報(キーワードK1,K2,K3,…)と、これら各種キーワードにそれぞれ対応付けられた各種情報(「痛い」,「苦しい」,「誘拐されている」,…)とが格納される。
制御部23は、CPU、RAMおよびROMなどにより構成され、通報センタ2A全般の制御などの処理を実行するものであり、判定機能204などを有している。
判定機能204は、第1〜第3判定モードでそれぞれ以下の異なる判定処理を行う。第1判定モードでは、携帯無線端末1Aから得られる音声情報が登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報の携行者のものであるか否かを判定する処理が行われる。第2判定モードでは、携帯無線端末1Aから得られる音声情報が登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の各種情報のうちどの情報の心理状態に近いかを判定する処理が行われる。第3判定モードでは、携帯無線端末1Aから得られる音声情報に、登録記憶部103に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報が含まれているか否かを判定する処理が行われる。
また、制御部23は、緊急通報静観モードの場合、判定機能204で、携行者の存在を示す情報、心理状態の情報またはキーワードに対応する情報を得ると、自動的に警察に緊急通報を行う。
次に上記第1〜第3判定モードでの各動作について説明する。第1判定モードにおいて、図33の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aへの通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aから認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Aに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2Aに送信される。そして、通報センタ2Aで適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Aと通報センタ2Aとの間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、通報センタ2Aにおいて、携帯無線端末1Aから得られる音声情報が登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報の携行者のものであるか否かを判定する処理が行われる。具体的には、音声認識処理機能により、携帯無線端末1Aから得られる音声情報(取得周囲音)に、登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。そして、含まれていると判定され携行者の存在が確認されれば、警察への緊急通報が自動的に行われる。なお、この場合、携行者の生存情報を警察に送信するようにしてもよい。
第2判定モードにおいて、図35の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aへの通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aから認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Aに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2Aに送信される。そして、通報センタ2Aで適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Aと通報センタ2Aとの間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、携帯無線端末1Aから得られる音声情報が登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の各種情報のうちどの情報の心理状態に近いかを判定する処理が行われる。具体的には、音声認識処理機能により、携帯無線端末1Aから得られる音声情報(取得周囲音)から、登録記憶部22に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。例えば現在通信中の相手が携行者Aで、その携行者Aの恐怖時特性αと類似する情報が含まれていれば、携行者Aの生存が確認されるとともに、恐怖の心理状態になっていると分析される。そして、その心理状態と生存を示す情報が作成されて所定の記憶部に保存された後、警察への緊急通報が自動的に行われる。なお、この場合、携行者の生存情報および心理状況を警察に送信するようにしてもよい。
第3判定モードにおいて、図37の例に示すように、通常モード用スイッチ151a,152bが一斉に押下されると、緊急通報静観モードM2に移行し、マイク部12とスピーカ部13および発光部14とがそれぞれ動作状態と動作禁止状態とに切り換わり、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aへの通信が開始する。この後、無線送受信部11を通じて、通報センタ2Aから認証用のID要求を受けると、携帯無線端末1Aに割り当てられているIDとともに緊急通報静観モードM2であることを示す状態情報が通報センタ2Aに送信される。そして、通報センタ2Aで適正な認証結果が得られると、携帯無線端末1Aと通報センタ2Aとの間でデータ通信/音声通話が実行される。
この後、携帯無線端末1Aから得られる音声情報に、登録記憶部103に記憶されたその携帯無線端末1A用の音声特性情報が含まれているか否かを判定する処理が行われる。具体的には、音声認識処理機能により、携帯無線端末1Aから得られる音声情報(取得周囲音)から、登録記憶部22に記憶された音声特性情報と類似する情報が含まれているか否かを判定することにより行われる。例えばキーワードK1と類似する情報が含まれていれば、生存が確認されるとともに、キーワードK1が含まれていると判定される。そして、その音声特性情報のキーワードに対応する情報が登録記憶部22から読み出されて所定の記憶部に保存される。キーワードK1の場合には、「痛い」という携行者の状況と生存を示す情報が保存される。この後、警察への緊急通報が自動的に行われる。なお、この場合、携行者の生存情報を警察に送信するようにしてもよい。
このように、通報センタ2Aにおいて、携行者のより詳しい状況を自動的に分析することにより、適切な処置をとることができる。また、通報センタにオペレータがいなくても、警察などの所定の通報先に自動的に通報することができる。第2判定モードの場合、心理状況を推測できるので、携行者の置かれた状況を把握しやすい。第3判定モードの場合、携行者の状況を推測できるので、携行者の置かれた状況を把握しやすい。