JP4360206B2 - 液体クロマトグラフ用ミキサ - Google Patents

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Description

本発明は、液体クロマトグラフ用ミキサに係り、特にグラジエント溶離法に好適に利用できるものである。
液体クロマトグラフィーにおけるグラジエント溶離法は溶離液の溶出力を変化させながら試料中の成分を展開溶離する方法である。溶出力を変化させるためには、溶離液の種類、塩濃度、pH等の特性を時間の経過とともに直線的、指数関数的または段階的に変化させる。通常、早く溶出する成分の分離を確保するために、はじめに溶出力の弱い溶離液を用いる一方、遅く溶出する成分のピークの広がりを抑えるために、順次溶出力の強い溶離液に変えていく。
このクラジエント溶離法において、溶離液の組成を時間の経過とともに変化させるために、濃度の異なる複数の溶離液の送液量をそれぞれ変化させて混合する必要があり、グラジエント用ミキサは複数の溶離液を混合するためのものである。
このグラジエント用ミキサには2種類あり、第1のものは、ミキサ内部に障害物を設置し複数の溶離液の流れが障害物に当たって引き起こされる乱流を利用して混合を促すスタティックミキサである。第2のものは、ミキサ内部に攪拌子を設置し、ミキサ外部の駆動源に直結した磁石付回転装置により攪拌子を回転させることで複数の溶離液を混合するダイナミックミキサである。
第1のスタティックミキサにおいては、十分な混合効率を得るためには、混合する液体の種類や流量などの分析条件に応じてミキサ内部の障害物の形やミキサ本体の長さを注意深く設計しなければならないものの、混合効率はさておき、横置き、ななめ置きなどと、自由な設置姿勢をとることができるという利点を有する。
一方、第2のダイナミックミキサにおいては、スタティックミキサとは異なり、混合する液体を強制的に撹拌するので、分析条件に依存しない動作制御が可能で、ミキサ本体の小型化も比較的容易であるが、攪拌子を内蔵したダイナミックミキサを傾けた状態で使用しようとすると、攪拌子と回転駆動磁石との距離が離れるため、攪拌子が駆動磁石の回転に追随できず使用できなくなることが多い。何とか回転できたとしても、回転を停止すると攪拌子が磁石の磁力の届かないところにころがって行き、再び回転させることができなくなる。このミキサの設置姿勢を自由に選択できるということは、送液ポンプ、流路切り替えバルブ、配管そしてミキサからなるグラジエント装置の設計の自由度を確保し、装置の小型化、ユーザーの作業効率を向上させる装置デザインの実現において極めて有用な条件である。
以上のように、スタティックミキサの利点である自由な設置姿勢をとることと、ダイナミックミキサの利点である分析条件に依存しない動作制御及びミキサ本体の小型化を併せ持つグラジエント用ミキサが望まれていた。
そこで、スタティックミキサの利点の有したまま、ダイナミックミキサの利点を活用できる試みがなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、円筒形のミキサ室のなかに、磁力に応じて回転する攪拌子を入れ、ミキサ室の外側側面の周囲にコイルをドーナツ状に配して回転磁界を発生させる機構を有した液体クロマトグラフ用ダイナミックミキサを開示している。このミキサの特徴は強力な回転磁界により攪拌子を浮かして回転させることができることにある。よって攪拌子の摩耗をなくし、攪拌子が駆動モーターの回転に追従できなくなることもなくなった。しかしながら、この方法では攪拌子を浮かして回転させるため、回転子の両側から強力な磁力をかける必要があるため、さらに装置を簡素化し、簡便な操作で攪拌できる装置が望まれていた。
また、特許文献2には、液体流通式の攪拌槽内に導体円板を有する攪拌子を入れ、攪拌槽の外側から回転磁界を作用させる密閉系攪拌装置を開示している。導体円板には外側からの回転磁界によりうず電流が生じ、回転磁界に引きずれられて攪拌子が回転する。実施例によれば、攪拌子に回転シャフトを設けて回転動作を安定させるという記載がある。この文献には液体クロマトグラフ用ミキサとしての用途は記載されていない。
また、以上の特許文献1及び特許文献2には記載がないが、種々の液体を攪拌して使用する場合、異なる組成の液体を同じ装置に導入することとなり、その洗浄が必要となることがある。その場合、単に液体が通液されるラインに水等の洗浄液を通液させるだけではなく、液体が滞留しやすい個所あるいは通液ラインの外側も確実に洗浄することがあり、攪拌装置を本体装置から容易に着脱できることが望ましい。
特開2001−9254号公報(図1)
特開平1−262936号公報(第1図)
本発明は、上記したような従来のダイナミックミキサに存する課題を解決し、自由な設置姿勢をとることとともにスタティックミキサよりも優れた十分な混合効率を有する液体クロマトグラフ用ダイナミックミキサを提供することを目的とする。また、簡易な装置構成であり、操作性にも優れた液体クロマトグラフ用ダイナミックミキサを提供することもその目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明に係る液体クロマトグラフ用ミキサは、第1及び第2のハウジング部材からなりかつそれぞれの部材の一方の側に軸受けを有するミキサハウジングと、前記ミキサハウジングの内部に前記軸受けにより回転自在に保持されている磁気攪拌子と、前記ミキサハウジングの外部に前記磁気攪拌子を回転させるための回転駆動手段と、を備え、ミキサハウジングは第1のハウジング部材の軸受け側と第2のハウジング部材の軸受け側とで向かい合わせに密着されており、この第1及び第2のハウジング部材にはそれぞれの軸受け部分よりミキサ外部へと通ずる貫通口が設けられたものである。
また、本発明に係る液体クロマトグラフ用ミキサの回転駆動手段は、回転駆動モータに直結した回転柱であって、複数の永久磁石片を回転柱の先端面上の回転中心から異なる半径方向に分散して配設したものである。
さらに、磁気攪拌子は、回転駆動手段の回転軸と同軸方向で回転する回転軸部と、回転軸部の軸方向から直角方向等の一定方向に突出した複数の攪拌翼部とからなり、また、磁気攪拌子の回転軸部の両端は攪拌翼部より突出した突起部を有し、当該突起部が前記軸受けに支えられて回転するとき、突起部と軸受けとの間に、液体が流通できる空間が設けられている。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるミキサハウジングの材質は非磁性材料であればよい。種々の溶離液や高塩濃度水溶液に対して高い耐食性をもち、機械加工性の優れた熱可塑性樹脂材料が好ましい。特に好適なハウジング材料としてポリエーテルエーテルケトン樹脂があげられる。
第1のハウジング部材と第2のハウジング部材には、それぞれの一方の側に磁気攪拌子を収容するための軸受け部分となる凹部が形成されており、この第1のハウジング部材の軸受け側と第2のハウジング部材の軸受け側とで向かい合わせに密着させるため、漏れ防止用パッキンを介してボルト・ナット等で固定するのが好ましい。高流速、高圧力条件下で好適に使用できる漏れ防止用パッキンとしては、たとえばパーフロロアルコキシ樹脂製のものがあげられる。
本発明におけるミキサハウジングは、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを向かい合わせにし、それぞれの軸受け側の凹部からなる収容部分により形成される空間に磁気攪拌子を封入して構成される。たとえば、第1および第2のハウジング部材に、回転する磁気攪拌子を収容する略円筒状の凹部を形成する。さらにそれぞれのハウジングの凹部の中央に軸受けを形成する。あるいは、第1(または第2)のハウジングの凹部に磁気攪拌子の撹拌翼部全体を収容する空間を設け、その凹部の中央に一方の軸受けを形成し、第2(または第1)のハウジングには他方の軸受けだけを形成するようにしてもよい。
軸受けの役割は磁気攪拌子の回転軸部の両端の突起部を支えて、磁気攪拌子を回転自在に保持することである。軸受けの形はその役割を果たすものであれば制限はない。好適には、軸受けの形状は磁気攪拌子の回転軸部の端の突起部の形に略対応した凹状面をもつ。たとえば突起部が円柱形ならば軸受けはそれを支持し得る略凹状円柱面をもち、突起部が半球形ならば軸受けは略凹状半球面をもち、突起部が円錐形ならば軸受けは略凹状円錐面をもつのが好ましい。
本発明において、上記した第1及び第2のハウジング部材にはそれぞれの部材の軸受け部分よりミキサ外部へと通ずる貫通口が設けられている。第1のハウジング部材においては、ミキサ外部から供給される1または2以上の液体を磁気攪拌子の方へ供給するために設けられる外部流入口と第1のハウジング部材の軸受け側へ液体を供給するための内部流入口が連通されて貫通口をなす。また、第2のハウジング部材においては、混合された液体を第2のハウジング部材へ供給するための軸受け側に設けられた内部流出口と混合された液体をミキサ外部へ供給するための外部流出口とが連通されて貫通口をなす。
ここで、第1のハウジング部材の内部流入口および第2のハウジング部材の内部流出口を、互いに向かい合う軸受けの部分に設けるとよい。液体の流れ方向が撹拌翼による回転面を横切るようにすることで、安定で十分な混合効率を得ることができるからである。また、本発明においては、内部流入口または内部流出口を設ける軸受けの部分とは、前記した軸受け凹状面の任意の位置を意味し、軸受けの部分とは、必ずしも軸受けの中心だけを意味するものではない。
第1のハウジング部材の外側に設けた外部流入口と、軸受けの部分に設けた内部流入口とを結ぶ液体流入路(第1のハウジング部材の貫通口)を少なくとも1個、第1のハウジング部材内部に形成する。外部流入口には溶離液槽側からの配管接続手段を設けてもよい。液体流入路が1個の場合は、複数の溶離液をT字路やY字路の配管で合流させた後に本発明のミキサに導く。液体流入路を複数形成する場合はそれぞれの内部流入口を別個に軸受けの部分に設けてもよいし、ハウジング内部で合流させた後に軸受けの部分に到達する内部流路を形成してもよい。また、外部流入口の位置は、後述する回転駆動手段を設ける位置にもよるが、装置をよりコンパクトにし、設計も容易となるよう適宜選択できる。特に2以上の外部流入口を設ける場合には、回転駆動手段を設ける位置とは異なる第1のハウジング部材の面に設ければよい。
第2のハウジング部材の軸受けの部分に設けた内部流出口と、外側に設けた外部流出口とを結ぶ液体流出路(第2のハウジング部材の貫通口)を、第2のハウジング部材内部に形成する。外部流出口には、分離カラム側への配管接続手段を設けてもよい。また、外部流入口の位置は、後述する回転駆動手段を設ける位置にもよるが、装置をよりコンパクトにし、設計も容易となるよう適宜選択できる。特に、第2のハウジング部材の軸受け側の逆側の面に設けることで、貫通口の形状が単純にでき、また、長さも短縮できるために好ましい。
本発明において磁気攪拌子は、四フッ化エチレン樹脂などの非磁性材料で永久磁石を封入した小片であって、回転軸部と攪拌翼部とからなり、この回転軸部の両端が攪拌翼部より突出した突起部を有している。回転軸部の両端の突起部の形に制限はないが、回転によって形の変わらない立体である回転体とするのが好ましい。回転体の例としては、円柱形、半球形、円錐形、回転放物面をもつ回転体などがあげられる。工作の容易性からは円柱形が好ましい。軸受けとの接触による突起部の摩耗を防ぐためには半球面や回転放物面をもつ回転体が好ましい。
磁気攪拌子の攪拌翼部における攪拌翼の形状については、回転軸部の軸方向から直角方向等の一定方向に突出し複数あれば制限はないが、円柱形、板状直方体またはプロペラ形であり、それぞれ2枚羽、3枚羽または4枚羽を有するものが好適である。これらの攪拌翼部は、回転軸部と一体的に成形されたものであっても、回転軸部とは別に成形した後に回転軸部に配設したものであってもよい。
磁気攪拌子を回転させるための回転駆動手段を例示するならば、回転駆動モータに直結した回転柱、好ましくは回転円盤または回転円柱の先端面上に永久磁石片を配設したものがあげられる。複数の永久磁石片をその回転円盤または回転円柱の先端面上の異なる半径方向に分散して配設したものが特に好ましい。回転中心に近い永久磁石片の組により小さい磁気攪拌子を捕捉回転し、回転中心から遠い永久磁石片の組により大きい磁気攪拌子を捕捉回転する。また、磁気攪拌子を回転させるための別の回転駆動手段として、電磁石を用いて回転磁界を発生させる機構を利用することもできる。
回転駆動手段はミキサハウジング外部であって、この回転駆動手段の回転軸と、磁気攪拌子の回転軸とが一致する位置に配設する。回転駆動手段は、第1のハウジング部材の側、または第2のハウジング部材の側のどちらかに配設することができる。回転駆動手段はハウジング内部の磁気攪拌子にできるだけ近づけて設置するのが好ましい。また、上記したように、第1のハウジング部材に設けた外部流入口または第2のハウジング部材に設けた外部流出口が回転駆動手段の設置を邪魔する場合は、ハウジング部材の内部で液体流入路または液体流出路のどちらかを曲げて外部流入口または外部流出口のどちらかを別の位置に移動させればよい。
上記のように、本発明の液体クロマトグラフ用ミキサは構成されるが、これらは液体クロマトグラフから容易に着脱可能すれば、その洗浄、メンテナンスも容易となり、本発明の効果を一層奏することができる。特に、ミキサ部品を各々独立して成形し、配設すれば、その効果もより一層奏することができる。
本発明は以下の効果を奏する。
(1)本発明に係る液体クロマトグラフ用ミキサは、軸受けを有するミキサハウジングと、このミキサハウジングの内部に前記軸受けにより回転自在に保持されている磁気攪拌子とを設けるので、自由な設置姿勢をとることができる。
(2)軸受けをミキサハウジング部材の壁を利用して形成するので、ミキサの構造が簡単になり装置の小型化が実現できる。
(3)内部流入口および内部流出口を、互いに向かい合う軸受けの部分に設け、液体の流れ方向が撹拌翼による回転面を横切るようにするので、安定で十分な混合効率を得ることができる。
(4)本発明におけるミキサハウジングは、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを向かい合わせにして、そのなかに磁気攪拌子を封入して構成するので、必要に応じてハウジングを分解してミキサ内部を清掃したり磁気攪拌子を交換したりすることが容易にできる。
(5)回転駆動モータに直結した回転柱であって、複数の永久磁石片をその回転柱の先端面の異なる半径方向に分散して配設した回転駆動手段を使用する場合は、大きさの異なる磁気攪拌子を安定して回転させることができる。
本発明に係る液体クロマトグラフ用グラジエントミキサの好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。図5はグラジエントミキサ5を使用する液体クロマトグラフ分析装置の一例を示したものである。分析装置の構成は、溶離液1、ガス成分を取り除くための脱気装置3、送液ポンプ4、溶離液を攪拌・混合するためのミキサ5、サンプルを注入するためのオートサンプラー6、カラム8、そのカラム8を一定温度に保つためのカラムオーブン7、分析目的の成分を検知するためのUV検出器9、塩を用いた溶離液を用いる場合に溶離液組成の変化すなわちグラジエント溶離を確認するための電導度計10、分析後の廃液を処理するための廃液瓶11そしてそれぞれの構成機器を接続するための配管2から成り立っている。
本発明のミキサを表す側断面図を図1に示す。本発明のミキサの構成を説明する側断面分解図を図2に示す。ハウジング部材21と22によりミキサハウジングを形成する。両ハウジング部材の間に漏れ防止用パッキン23を挿入するのが望ましい。ハウジング部材21に設置されている外部流入口28より、溶離液をミキサ内に導入し、十分混合された溶離液が外部流出口31からミキサ外に排出されるようになっている。
ミキサ内部に磁気攪拌子24を収め、ミキサ外部には、攪拌子を回転させるための回転駆動手段を構成する、永久磁石片25を複数配設した回転円柱26と、この回転円柱26を回転させるためのモーター27を設置する。この実施の形態においては、ミキサ内部に設置した磁気攪拌子の回転軸33を円柱形とし、撹拌翼34は回転軸に直交する円柱形とした。図3及び図4における回転円柱26の先端面上に、菱形を形成する4頂点の位置(対面頂点間の距離A<B)にそれぞれ永久磁石片25を配設することにより、大きさの異なる磁気攪拌子を安定して回転させることができる。回転円柱の先端面と磁気攪拌子との距離をできるだけ近づけるために、この実施例においては第1のハウジング部材の外側を凹状円柱面をもって引っ込ませている。また、外部流入口28はハウジング部材の側面から入り、回転軸付近で方向を変え、軸受けの部分の内部流入口29に達する液体流入路を形成している。
本発明に係る液体クロマトグラフ用ミキサの性能を確認するため、図5に示す液体クロマトグラフ分析装置を用いて以下のステップグラジエント法による実験をおこなった。評価の比較のため、市販のミキサ(東ソー(株)製ダイナミックミキサMX−8070)を用いて同様に実験した。MX−8070は、円柱状ハウジングのなかの底部に十字形凸部を有する円盤状磁気攪拌子を置き、側面下部に液体流入路を、側面上部に液体流出路を形成したミキサ本体を、回転駆動モータ直結の永久磁石を内蔵した台の上に載せた構造をもち、大流量送液(最大200mL/min)に対応した容量9.2mLのミキサである。実験条件は以下の通りであり、同一条件下で5回繰り返した。
・本発明のミキサ第1号の容量:4.9mL
・カラム:TOYOPEARL DEAE−650S(22mmφ×20cm)
・溶離液組成:以下の3液
A液:50mM Tris−HCl pH8.3の緩衝液
B液:50mM Tris−HCl pH8.3の緩衝液+0.125M NaCl
C液:50mM Tris−HCl pH8.3の緩衝液+0.25M NaCl
・溶離条件: A液5分、B液10分、C液15分(ステップグラジエント)
・流速:10mL/min
・検出器:UV(280nm)
・試料:コンアルブミン、オブアルブミン、トリプシンインヒビター各300mg/L(溶解液はA液)
・注入量:0.8mL
室温下、本発明のミキサ第1号を使用して得たクロマトグラムを図6に示す。同一条件で市販のミキサ(MX−8070)を使用して得たクロマトグラムを図7に示す。これらの図では、5回繰り返した分析の結果を同じクロマトグラムに表示している。図6においても図7においても5回のクロマトグラムは完全に重なり、それぞれの再現性が確認できた。図6と図7を比較すると、両方とも同様のクロマトグラムが得られており、本発明のミキサが少なくとも従来のミキサと同一の分析結果を得るに十分な混合効率を有することが確認できた。
本発明に係る液体クロマトグラフ用ミキサの性能をいろいろな設置姿勢について確認するため、図5に示す液体クロマトグラフ分析装置を用いて以下のリニアグラジエント法による実験をおこなった。評価の比較のため、市販のミキサ(東ソー(株)製ダイナミックミキサMX−8010)を用いて同様に実験した。MX−8010は、円柱状ハウジングのなかの底部に十字形凸部を有する円盤状磁気攪拌子を置き、側面下部に液体流入路を、側面上部に液体流出路を形成したミキサ本体を、回転駆動モータ直結の永久磁石を内蔵した台の上に載せた構造をもつ、容量1.4mLのミキサである。実験条件は以下の通りである。
・本発明のミキサ第2号の容量:2.3mL
・カラム:TSKgel ODS−80Ts(4.6mmφ×7.5cm)
・溶離液組成:以下の2液
A液:純水+0.1%トリフルオロ酢酸
B液:純水+50%アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
・溶離条件:A→B リニアグラジエント30分、B液15分ホールド
・流速:1.0mL/min
・検出器:UV(215nm)
・試料:Met−エンケファリン、シトクロムC各10mg/L(溶解液はA液)
・注入量:100μL
室温下、本発明のミキサ第2号を、3とおりの設置姿勢、すなわち攪拌子が水平面で回転する通常の姿勢、攪拌子が鉛直面で回転する横置きの姿勢および上下逆さに置いた姿勢で使用して得たクロマトグラムの、試料注入時から10分経過までのベースラインの拡大図を図9に、溶質ピークを図8に示す。また、市販のミキサ(MX−8010)を、2とおりの設置姿勢、すなわち攪拌子が水平面で回転する通常の姿勢および上下逆さに置いた姿勢で使用して得たクロマトグラムの、試料注入時から10分経過までのベースラインの拡大図を図11に、溶質ピークを図10に示す。図8および図10における時間軸16〜18分のピークはMet−エンケファリンを示し、時間軸23〜24分のピークはシトクロムCを示す。図8においても図9においても、本発明のミキサの3とおりの設置姿勢に対応するクロマトグラムは、ほぼ完全に重なり、ミキサー設置姿勢に依存しない混合効果が得られた。
他方、市販のミキサ(MX−8010)を通常の姿勢および上下逆さの姿勢で使用して得たクロマトグラム図10において、上下逆さの姿勢で得たピークは通常の姿勢で得たピークより早く溶出し、とくにシトクロムCのピークにバンドの広がりとリーディングの傾向が見られた。市販のミキサを逆さに置いた図11においては、測定開始初期にベースラインが不安定となり激しく上下した。
本発明のグラジエントミキサの側断面図である。 本発明のグラジエントミキサの側断面分解図である。 本発明のグラジエントミキサの斜視分解図である。 本発明のグラジエントミキサの斜視断面図である。 本発明のグラジエントミキサを使用する液体クロマトグラフ分析装置の一実施形態を示す図である。 本発明のグラジエントミキサ第1号を用いて5回測定したクロマトグラムであり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。 従来のグラジエントミキサMX−8070を用いて5回測定したクロマトグラムであり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。 本発明のグラジエントミキサ第2号を用いて測定した溶質ピークのクロマトグラムであり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。 本発明のグラジエントミキサ第2号を用いて測定した試料注入時から10分経過までのベースラインの拡大図であり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。 従来のグラジエントミキサMX−8010を用いて測定した溶質ピークのクロマトグラムであり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。 従来のグラジエントミキサMX−8010を用いて測定した試料注入時から10分経過までのベースラインの拡大図であり、図中、X軸(横軸)は時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)はUV検出(ABU:任意単位)を示す。
符号の説明
1:溶離液
2:配管
3:脱気装置
4:送液ポンプ
5:ミキサ
6:オートサンプラー
7:カラムオーブン
8:カラム
9:UV検出器
10:電導度計
11:廃液瓶
21:第1のハウジング部材(流入口側)
22:第2のハウジング部材(流出口側)
23:漏れ防止用パッキン
24:磁気攪拌子
25:永久磁石片(回転駆動用)
26:回転円柱(回転駆動用)
27:モータ
28:外部流入口
29:内部流入口
30:内部流出口
31:外部流出口
32:軸受け
33:回転軸
34:撹拌翼

Claims (3)

  1. 第1及び第2のハウジング部材からなりかつそれぞれの部材の一方の側に軸受けを有するミキサハウジングと、前記ミキサハウジングの内部に前記軸受けにより回転自在に保持されている磁気攪拌子と、前記ミキサハウジングの外部に前記磁気攪拌子を回転させるための回転駆動手段と、を備えた液体クロマトグラフ用ミキサであって、
    前記ミキサハウジングは前記第1のハウジング部材の軸受け側と前記第2のハウジング部材の軸受け側とで向かい合わせに密着されており、前記第1及び第2のハウジング部材にはそれぞれの軸受け部分よりミキサ外部へと通ずる貫通口が設けられており、
    前記回転駆動手段は、回転駆動モータに直結した回転柱であって、複数の永久磁石片を前記回転柱の先端面上の回転中心から異なる半径方向に分散して配設していることを特徴とする液体クロマトグラフ用ミキサ。
  2. 磁気攪拌子が、前記回転駆動手段の回転軸と同軸方向で回転する回転軸部と、当該回転軸部の軸方向から一定方向に突出した複数の攪拌翼部とからなることを特徴とする請求項記載の液体クロマトグラフ用ミキサ。
  3. 磁気攪拌子の回転軸部の両端が攪拌翼部より突出した突起部を有し、当該突起部が前記軸受けに支えられて回転するとき、突起部と軸受けとの間に、液体が流通できる空間が設けられていることを特徴とする請求項記載の液体クロマトグラフ用ミキサ。
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