JP4358654B2 - ワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法 - Google Patents
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Description
この文献のワイパブレードは、ワイパアームに連結される1個のプライマリレバーと、該レバーの両端部にそれぞれ回動可能に連結される2個のセカンダリレバーと、該レバーの一端部にそれぞれ回動可能に連結される2個のヨークとからなるトーナメント式のレバーアッセンブリを用いている。ヨークの両端部とセカンダリレバーの他端部(ヨークが連結されていない側の端部)との6箇所においては、ブレードラバーを保持するための保持爪がそれぞれ設けられている。ブレードラバーには、その長手方向の長さと略同じ長さのバッキングが装着され、そのバッキングが装着された部分が各保持爪にて保持される。尚、バッキングは、金属板材にてストレート形状(直線形状)若しくは長手方向において一定の曲率の湾曲形状をなし、板厚方向に弾性を有するように構成されている。そして、これらレバーアッセンブリ及びバッキングによりワイパアームの押圧力をブレードラバーの長手方向に分布させ、該ラバーの払拭面に対する接触圧が該ラバーの長手方向で均一化するように構成されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法において、前記バッキングの仮想分割を、長手方向に等間隔としたことをその要旨とする。
各請求項に記載の発明によれば、ブレードラバーに装着されるバッキングは、その長手方向に複数の領域に仮想分割されるとともに払拭面におけるワイパブレードの払拭範囲全体で該払拭面に対するブレードラバーの長手方向の複数位置又は長手方向全体の接触圧のバラツキが規定値以下となるように領域毎に曲率の曲線又は直線に設定され、該領域の少なくとも1つが湾曲形状に設定される。このとき、隣接する領域がともに曲線となる場合、その領域間の境目である分割点において各領域の曲線の接線が一致するように各領域の形状が設定される。又、隣接する一方の領域が曲線、他方の領域が直線となる場合、その領域間の境目である分割点において曲線をなす一方の領域の接線が他方の領域の直線と一致するように各領域の形状が設定される。更に、隣接する領域がともに直線となる場合、その領域間の境目である分割点において互いの直線が一致するように各領域の形状が設定される。つまり、これらの設定に基づいて製作されるバッキングは、いずれの場合においても領域間の分割点において折れ目が生じず滑らかに長手方向に連続する形状となる。これにより、折れ目が原因で生じるブレードラバーの払拭面への接触圧が局所的に大小することが防止される。そのため、拭き残しの発生が抑えられ、払拭性がより確実に向上する。又、折れ目が生じないことから、ブレードラバーに応力が局所的に生じなくなる。そのため、ブレードラバーの経時劣化が局所的に進行することが防止され、ブレードラバーの寿命を良好に維持できる。
図1は、車両のフロントガラス(ウインドシールドガラス)50の払拭面50aに付着した雨滴等を払拭する車両用ワイパ11を示す。車両用ワイパ11は、ワイパアーム12とワイパブレード13とから構成されている。ワイパアーム12は、その基端部がワイパモータ(図示略)にて所定角度で往復回動されるピボット軸(図示略)に固定され、該ピボット軸の往復回動に伴って往復揺動運動を行う。ワイパアーム12の先端部には、ワイパブレード13が回動可能に連結されている。又、ワイパアーム12には、ワイパブレード13を払拭面50aに押圧するための押圧力を付与するスプリング(図示略)が装着されている。
(1)ブレードラバー15に装着されるバッキング16は、その長手方向に複数の領域A1〜Anに仮想分割されるとともに該領域A1〜An毎に応じた曲率の曲線又は直線に設定され、該領域A1〜Anの少なくとも1つが湾曲形状に設定される。このとき、隣接する領域AαとA(α+1)(但し、1≦α≦n−1)がともに曲線となる場合、その領域Aα,A(α+1)間の境目である分割点Pαにおいて各領域AαとA(α+1)の曲線の接線が一致するように各領域A1〜Anの形状が設定される。又、隣接する一方の領域Aαが曲線、他方の領域A(α+1)が直線となる場合、その領域Aα,A(α+1)間の境目である分割点Pαにおいて曲線をなす一方の領域Aαの接線が他方の領域A(α+1)の直線と一致するように各領域A1〜Anの形状が設定される。更に、隣接する領域AαとA(α+1)がともに直線となる場合、その領域Aα,A(α+1)間の境目である分割点Pαにおいて互いの直線が一致するように各領域A1〜Anの形状が設定される。つまり、これらの設定に基づいて製作されるバッキングは、いずれの場合においても領域A1〜An間の分割点P1〜P(n−1)において折れ目が生じず滑らかに長手方向に連続する形状となる。これにより、折れ目が原因で生じるブレードラバー15の払拭面50aへの接触圧が局所的に大小することが防止される。そのため、拭き残しの発生が抑えられ、払拭性をより確実に向上することができる。又、折れ目が生じないことから、ブレードラバー15に応力が局所的に生じなくなる。そのため、ブレードラバー15の経時劣化が局所的に進行することが防止され、ブレードラバー15の寿命を良好に維持することができる。
○上記実施形態のワイパブレード13では、レバーアッセンブリ14を5個のレバー、即ち1個のプライマリレバー14aと、2個のセカンダリレバー14bと、2個のヨーク14cとにより構成したが、ワイパブレードの構成はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、レバーアッセンブリ14を1個のプライマリレバー14aと2個のセカンダリレバー14bとにより構成し、バッキング16を装着したブレードラバー15を保持する保持爪14dを各セカンダリレバー14bの両端にそれぞれ設ける4点支持の構成としてもよい。又、長手方向両端に位置する保持爪14dからブレードラバー15を長手方向外側に所定長さだけ突出させ、バッキング16のバネ性によって払拭面50aの曲率変化に自由に弾性追従する自由端部を有する構成であってもよい。
図5及び図6に示すワイパブレード13aは、1個のレバー21にてバッキング16を装着したブレードラバー15を保持するように構成されている。レバー21は、長手方向中央部にワイパアーム12と回動可能に連結するホルダ部21aと、該ホルダ部21aから長手方向両側に向けて延びるアーム部21bと、各アーム部21bの先端部に設けられブレードラバー15の長手方向端部とホルダ部21aとの中間部に配置される保持爪21cとを備えている。又、一対のバッキング22は、端部が連結部材22a,22bにてそれぞれ連結されており、ブレードラバー15の基部15aに設けられる装着溝15bに長手方向一方側(係止突起15eと反対側の端部)から挿入され、他方側の係止突起15eと連結部材22aとが係止されて、該ブレードラバー15に対して装着される。そして、バッキング22を装着したブレードラバー15の基部15aがレバー21の各保持爪21cにて保持される。因みに、この形態においても、レバーの保持爪21cからブレードラバー15を長手方向外側に所定長さだけ突出させ、バッキング22のバネ性によって払拭面50aの曲率変化に自由に弾性追従する自由端部を有する構成となっている。又、ブレードラバー15の上部には、該ブレードラバー15と略同等の長さに形成されて該ブレードラバー15の上部(基部15a)及びレバー21を覆うカバー部材23が設けられる。カバー部材23は、その下面(ブレードラバー15と対向する面)にレバー21の保持爪21cと略同様な形状をなすグリッパ24がレバー21の両側において3個ずつ所定間隔に固着されており、該グリッパ24がブレードラバー15の基部15aの溝15cに長手方向一方側(係止凹部15dと反対側の端部)から挿入され、他方側の係止凹部15dに端部のグリッパ24が係止されることにより、該ブレードラバー15に対して装着される。更に、カバー部材23には、ワイパブレード13aが払拭面50aから浮き上がるのを防止するフィン23aが一体に形成されている。尚、このカバー部材23は、ブレードラバー15と同等若しくはそれ以下の弾性を有するゴム材料(弾性材料)にて形成され、払拭面50aの曲率変化に追従すべくブレードラバー15の屈曲変形を妨げないように構成されている。このような構成のワイパブレード13aにおいても、上記実施形態と同様にバッキング22に対して領域A1〜An毎に曲率(曲率半径)を設定すれば、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(イ) 前記バッキングの仮想分割は、長手方向に等間隔とされていることを特徴とする。
Claims (2)
- ワイパアームによる払拭面側への押圧力を長手方向に分布させて付与すべくバネ材からなるバッキングと、該バッキングが装着され前記分布された押圧力によって前記払拭面に対して接触するブレードラバーとを備え、
前記バッキングを、その長手方向に複数の領域に仮想分割するとともに前記払拭面におけるワイパブレードの払拭範囲全体で該払拭面に対する前記ブレードラバーの長手方向の複数位置又は長手方向全体の接触圧のバラツキが規定値以下となるように前記領域毎に曲率の曲線若しくは直線に設定し、該領域の少なくとも1つを湾曲形状に設定するワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法であって、
隣接する前記領域がともに曲線となる場合、その領域間の境目である分割点において各領域の曲線の接線が一致するように各領域の形状を設定し、
隣接する一方の前記領域が曲線、他方の前記領域が直線となる場合、その領域間の境目である分割点において曲線をなす一方の領域の接線が他方の領域の直線と一致するように各領域の形状を設定し、
隣接する前記領域がともに直線となる場合、その領域間の境目である分割点において互いの直線が一致するように各領域の形状を設定したことを特徴とするワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法。 - 請求項1に記載のワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法において、
前記バッキングの仮想分割を、長手方向に等間隔としたことを特徴とするワイパブレードにおけるバッキングの形状設定方法。
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