JP4358457B2 - Discharge lamp lighting device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力電圧が可変である降圧型のチョッパ回路を備え、高圧放電灯を含む負荷回路にチョッパ回路から電力を供給する放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロジェクタや車両の前照灯などに用いる高輝度の点光源としてメタルハライドランプや超高圧水銀ランプのような高圧放電灯が普及してきている。この種の高圧放電灯を点灯させるための安定器としては、小型・軽量であることから電子回路式安定器を備えた放電灯点灯装置が広く用いられている。高圧放電灯を上述のような光源として用いる場合には光出力を一定に保つことが要求されるから、高圧放電灯に定電力を供給することが必要であって、多くの放電灯点灯装置においては降圧型のチョッパ回路を通して高圧放電灯に電力を供給し、チョッパ回路の出力電圧を調節することによって高圧放電灯に供給する電力を一定に維持する構成が採用されている。
【0003】
ところで、降圧型のチョッパ回路1は、基本的には図22に示す回路構成を有する。このチョッパ回路1は、MOSFETなどのスイッチング素子Q1とインダクタL1とコンデンサC1との直列回路を直流電源Eの両端間に接続し、インダクタL1とコンデンサC1との直列回路にダイオードD1を並列接続した構成を有している。インダクタL1はスイッチング素子Q1を介して直流電源Eに接続されており、ダイオードD1はスイッチング素子Q1と直列に接続される。ただし、直流電源Eの両端間においてスイッチング素子Q1とダイオードD1とは逆直列に接続されている。つまり、ダイオードD1の極性は、スイッチング素子Q1のオン時にスイッチング素子Q1に流れる電流を阻止する極性になっている。このような構成により、スイッチング素子Q1のオン時においてインダクタL1を通してコンデンサC1が充電され、この期間にインダクタL1に蓄積されたエネルギが、スイッチング素子Q1のオフ時にコンデンサC1およびダイオードD1を通る経路で回生される。コンデンサC1の両端電圧は、高圧放電灯を含む負荷回路LDに供給される。
【0004】
チョッパ回路1に設けたスイッチング素子Q1のオンオフは、制御回路4により制御される。スイッチング素子Q1の制御形態としては、以下の2種の方式が広く採用されている。
【0005】
第1の方式は、スイッチング素子Q1のオフ時に流れる回生電流が停止した時点でスイッチング素子Q1をオンにする制御であって、臨界電流連続方式と呼ばれている。すなわち、臨界電流連続方式では、負荷回路LDのインピーダンスが変化すれば回生電流の流れる時間が変化するから、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が変化することになる。
【0006】
第2の方式は、スイッチング素子Q1のオフ時に回生電流が流れると回生電流が停止する前にスイッチング素子Q1を再びオンにする制御であって、電流連続方式と呼ばれている。電流連続方式では、チョッパ回路1から負荷回路LDに比較的大きい電力を供給することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のプロジェクタは、コンピュータ機器の画面を投影するプレゼンテーション用の機器としての需要が高まっており、可搬性が要求されることから、一層の小型化・軽量化が望まれている。このような小型の装置では放電灯点灯装置の発熱量を軽減することが大きな課題になる。
【0008】
上述した臨界電流連続方式では、スイッチング素子Q1に流れる電流が停止した状態でスイッチング素子Q1をオンにするから、いわゆる零電流スイッチングになってスイッチング損失による発熱量が軽減される。しかしながら、高圧放電灯では音響共鳴現象が知られており、臨界電流連続方式では、上述したように負荷回路LDのインピーダンスが変化することによってスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が変化するから、音響共鳴現象の生じる周波数領域でスイッチング素子Q1がオンオフされるおそれが生じる。音響共鳴現象が生じると、光出力が不安定になってちらつきを生じ、場合によっては高圧放電灯が破損することもある。
【0009】
一方、上述した電流連続方式では、スイッチング素子Q1がオンになった時点では、ダイオードD1がオフにはなっていないから、逆方向回復過渡現象によってダイオードD1に逆回復電流が流れる。つまり、スイッチング素子Q1のオンの直後にはダイオードD1にスイッチング素子Q1と同じ向きの電流が流れ、いわゆる貫通電流がスイッチング素子Q1に流れることになる。貫通電流は短時間ではあるが、直流電源Eの両端間を短絡する形で流れるから大きな電流であって、スイッチング素子Q1のオンの瞬間にスイッチング素子Q1およびダイオードD1に大電流が流れることになり、結果的にスイッチング損失が大きく、発熱量が大きくなるという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、チョッパ回路における発熱量を抑制しながらも音響共鳴現象を回避する設計が容易な放電灯点灯装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、高圧放電灯を含む負荷回路と、直流電源と負荷回路との間に介在するスイッチング素子を備えスイッチング素子のオンオフの制御により負荷回路への出力電圧が可変であるチョッパ回路と、スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備え、前記チョッパ回路が、前記スイッチング素子に加えて、直流電源に前記スイッチング素子を介して接続され直流電源と負荷回路との間に前記スイッチング素子との直列回路が挿入されたインダクタと、前記スイッチング素子のオン時に前記インダクタを通して前記直流電源から充電され両端電圧が前記負荷回路に印加されるコンデンサと、スイッチング素子との直列回路が直流電源の両端間に接続されスイッチング素子のオン時にインダクタに蓄積されたエネルギをスイッチング素子のオフ時に前記コンデンサを通る経路で回生させるダイオードとを備え、前記高圧放電灯の点灯後の期間において、前記制御回路では、前記高圧放電灯に定電力を供給する電圧範囲として設定した定電力制御範囲の下限電圧以上である期間には前記チョッパ回路から負荷回路に定電力を供給して前記高圧放電灯の安定点灯状態を維持するようにスイッチング素子のオンオフを制御し、下限電圧以下に設定されたモード切換電圧以下である期間にはインダクタを流れる電流に休止期間が生じないようにスイッチング素子を制御する連続制御モードを選択するとともに、前記出力電圧が前記モード切換電圧を超える期間にはインダクタを流れる電流に休止期間が生じるようにスイッチング素子を制御する不連続制御モードを選択し、前記スイッチング素子のスイッチング周波数を前記不連続制御モードにおいて固定していることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本実施形態は、図1に示すように、図示しない直流電源から直流電圧が入力される降圧型のチョッパ回路1を備え、チョッパ回路1から出力される直流電圧を極性反転回路2により交番する矩形波電圧に変換して高圧放電灯(以下、単に「放電灯」という)DLに印加する構成を有する。また、極性反転回路2と放電灯DLとの間には、放電灯DLの点灯のための高電圧を発生するイグナイタ3が挿入される。すなわち、チョッパ回路1は、極性反転回路2とイグナイタ3と放電灯DLとからなる負荷回路に電力を供給する。
【0047】
チョッパ回路1および極性反転回路2の動作は、制御回路4により制御される。制御回路4には、チョッパ回路1とは別に設けられチョッパ回路1と共通の直流電源から直流電圧が入力される制御電源回路5から給電される。制御電源回路5は後述するように降圧型のチョッパ回路からなる。チョッパ回路1と制御電源回路5との入力は共通であって、ローパスフィルタLFを介して図示しない直流電源に接続され、直流電源からたとえば370Vの直流電圧が入力される。ローパスフィルタLFはチョッパ回路1および制御電源回路5のスイッチング周波数以上の高周波を阻止する。
【0048】
直流電源としては、たとえば商用電源をダイオードブリッジからなる整流回路により整流し、昇圧型のチョッパ回路により昇圧するものを用いる。昇圧型のチョッパ回路は、商用電源からの入力電流に休止期間を生じさせないように設計することが可能であるから、昇圧型のチョッパ回路におけるスイッチング素子のスイッチング周波数を比較的高く設定し、スイッチング周波数以上の高周波を阻止するローパスフィルタを商用電源との間に挿入することによって、商用電源からの入力電流波形をほぼ滑らかに連続させた歪の少ない波形とすることができる。しかも、昇圧チョッパ回路は、入力電流の包絡線の波形を整流回路の出力電圧波形にほぼ比例させることができるから、商用電源からの入力電流の位相を入力電圧の位相にほぼ一致させて高い入力力率を得ることができる。要するに、昇圧型のチョッパ回路は、外部へのノイズの発生を少なくし、かつ高力率を得るための力率改善回路として用いられる。なお、直流電源には電池電源のような他の構成のものを用いることも可能である。
【0049】
チョッパ回路1のスイッチング素子Q1はMOSFETからなり、このスイッチング素子Q1を介して直流電源に接続されたインダクタL1を備える。つまり、直流電源の正極と極性反転回路2との間にスイッチング素子Q1とインダクタL1との直列回路が挿入される。スイッチング素子Q1とインダクタL1との接続点にはダイオードD1のカソードが接続され、ダイオードD1のアノードは直流電源の負極に接続される。さらに、インダクタL1とダイオードD1との直列回路にはコンデンサC1と電流検出用の抵抗Rsとの直列回路が並列に接続される。コンデンサC1の両端電圧は極性反転回路2に入力電圧として印加される。スイッチング素子Q1のゲート・ソースはパルストランスPT1の2次巻線に接続され、スイッチング素子Q1のオンオフはパルストランスPT1を介して制御回路4から与えられる制御信号によって制御される。スイッチング素子Q1のオンオフのスイッチング周波数は比較的高く設定される。
【0050】
この構成により、スイッチング素子Q1のオン期間にスイッチング素子Q1を通して直流電源からインダクタL1にエネルギが蓄積され、スイッチング素子Q1のオフ期間にはインダクタL1のエネルギがコンデンサC1とダイオードD1とを通る経路で放出され、コンデンサC1に電荷が蓄積される。言い換えると、ダイオードD1はスイッチング素子Q1のオン時にインダクタL1に蓄積されたエネルギをコンデンサC1を通る経路で回生させるために設けられている。このような動作によって、コンデンサC1の両端電圧は入力された直流電圧に対して降圧される。入力電圧に対する出力電圧の比(降圧比=出力電圧/入力電圧)はスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比により決まる。つまり、スイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を制御回路4で変化させることによりチョッパ回路1の出力電圧が可変になる。
【0051】
チョッパ回路1の出力電圧は、制御回路4に設けた判定部41および電力監視部42に入力され、チョッパ回路1の出力電流に相当する抵抗Rsの両端電圧は制御回路4に設けた電流監視部43に入力される。ここに、放電灯DLの始動後には、チョッパ回路1の出力電圧は放電灯DLのランプ電圧に代用され、チョッパ回路1の出力電流は放電灯DLのランプ電流に代用される。後述するように、判定部41はチョッパ回路1の出力電圧がランプ電圧について設定された定電力制御範囲である期間には電力監視部42に出力電圧に比例する電圧を入力し、定電力制御範囲を逸脱する期間には電力監視部42に定電圧を入力するように構成されている。定電力制御範囲は、放電灯DLをほぼ定格で点灯させるように設定した電圧範囲である。上述のように、チョッパ回路1の出力電圧は放電灯DLのランプ電圧を反映しているから、判定部41に出力電圧を入力する経路とは別にチョッパ回路1の出力電圧を取り出して制御回路4の点灯判別部44に入力し、点灯判別部44において放電灯DLの点灯状態を判別する。つまり、放電灯DLが立ち消えしたときや放電灯DLの電極が消耗したときにはチョッパ回路1の負荷が無負荷ないし軽負荷になることによってチョッパ回路1の出力電圧が上昇するから、点灯判別部44ではチョッパ回路1の出力電圧を監視することによって、放電灯DLの始動(電極間の絶縁破壊)、点灯(アーク放電への移行)、安定点灯状態への移行、立ち消え、寿命末期(電極の損耗)を検出することが可能になる。
【0052】
チョッパ回路1の出力電流は上述のように電流監視部43により監視され、電流監視部43で検出された電流値も電力監視部42に入力される。電力監視部42では入力された電流値と電圧値とを乗算することによってチョッパ回路1の出力電力を求め、この出力電力が一定値に保たれるように制御信号生成部46に指示を与えてスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を制御する。つまり、チョッパ回路1から極性反転回路2に対して定電力を供給することになる。また、判定部41から定電圧が出力されている間には電力と電圧とが一定であるから、チョッパ回路1からは定電流が出力されることになる。このように、判定部41と電力監視部42と電流監視部43と制御信号生成部46とにより出力制御部が構成される。
【0053】
極性反転回路2は、4個のスイッチング素子Q3〜Q6からなるブリッジ回路であって、スイッチング素子Q3,Q4が直列接続されてブリッジ回路の一方のアームを形成し、スイッチング素子Q5,Q6が直列接続されてブリッジ回路の他方のアームを形成している。スイッチング素子Q3〜Q6にはMOSFETを用いている。ブリッジ回路の各アームはそれぞれコンデンサC1に並列接続されており、各スイッチング素子Q3〜Q6はそれぞれ駆動回路DV3〜DV6を介して制御回路4の駆動信号生成部45に接続される。駆動信号生成部45では2値の駆動信号を生成する。駆動信号はスイッチング素子Q3,Q6の組とスイッチング素子Q4,Q5の組とのオンオフを交互に反転させる。つまり、スイッチング素子Q3,Q6の組のオン期間にはスイッチング素子Q4,Q5の組はオフになり、逆にスイッチング素子Q4,Q5の組のオン期間にはスイッチング素子Q3,Q6の組はオフになるように駆動信号が生成される。
【0054】
極性反転回路2の一方のアームを構成するスイッチング素子Q3,Q4の接続点と、他方のアームを構成するスイッチング素子Q5,Q6の接続点との間にはインダクタL2とコンデンサC2との直列回路が接続され、コンデンサC2の両端間にはイグナイタ3に設けた出力トランスT1の2次巻線と放電灯DLとの直列回路が並列に接続される。したがって、極性反転回路2の上述の動作によって、放電灯DLの両端に印加される電圧の極性は交互に反転し、放電灯DLに交番電圧が印加されることになる。ここに、放電灯DLとして定格電圧の比較的低いものを用いることにより、スイッチング素子Q3〜Q6には低容量の小型のものを用いることが可能であり、高容量のものを用いる場合に比較するとオン抵抗が小さくなるから、発熱量を抑制することができる。言い換えると、入力した電力エネルギのうち光出力に利用されずに熱損失として無駄に消費されるエネルギの低減につながり、エネルギ利用効率がよく発熱量の比較的少ない放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
【0055】
イグナイタ3は、チョッパ回路1の出力端間に接続したパルス発生回路6の出力を受けて動作し、パルス発生回路6から発生する複数個のパルスに相当するエネルギが蓄積されると適宜のタイミングで出力トランスT1の2次巻線に高圧パルスを発生させるように構成されている。パルス発生回路6は、たとえばチョッパ回路1の出力端間に接続された抵抗R6とコンデンサC6との直列回路を有し、トリガ素子QTとパルストランスPT2の1次巻線との直列回路をコンデンサC6の両端間に接続した構成を有する。したがって、パルス発生回路6はチョッパ回路1から抵抗R6を介して充電されるコンデンサC6の両端電圧がトリガ素子QTのブレークオーバ電圧に達することができる期間(つまり、チョッパ回路1の出力電圧が比較的高い期間、言い換えると極性反転回路2の入力インピーダンスが比較的高い期間)にパルスを発生する。
【0056】
イグナイタ3としては、たとえば、パルス発生回路6のトリガ素子QTに1次巻線を接続したパルストランスPT2の2次側出力により充電されるコンデンサC3を設け、出力トランスT1の1次巻線と放電ギャップSGとの直列回路をコンデンサC3の両端間に接続した回路を採用することができる。この構成では、コンデンサC3の両端電圧が放電ギャップSGのブレークオーバ電圧に達したときに出力トランスT1の1次巻線を通してコンデンサC3の電荷が放出され、出力トランスT1の2次巻線に高圧パルスが発生する。
【0057】
ところで、制御回路4に電源を供給する制御電源回路5は、チョッパ回路1と同様の構成を有した降圧型のチョッパ回路であり、スイッチング素子Q2としてはコントローラ51とともに集積回路ICを構成するものを用いている。コントローラ51は保護機能を備えており、スイッチング素子Q2にオン時とは逆向きの電流が流れるとスイッチング素子Q2を遮断し、コントローラ51に電源が供給されている間には、スイッチング素子Q2を遮断した状態をラッチするように構成されている。スイッチング素子Q2の一端は直流電源の正極にローパスフィルタLFを介して接続され、スイッチング素子Q2の他端にはインダクタL5が接続される。また、スイッチング素子Q2とインダクタL5との接続点にはダイオードD5のカソードが接続され、ダイオードD5のアノードは直流電源の負極にローパスフィルタLFを介して接続される。ダイオードD5の両端間にはインダクタL5と平滑コンデンサC5との直列回路が並列に接続される。ここに、平滑コンデンサC5には容量の比較的大きいものが用いられる。平滑コンデンサC5の両端電圧は、制御回路4の電源に用いるだけではなく、電源投入直後の起動期間を除いてはコントローラ51の電源にも用いる。
【0058】
したがって、たとえばチョッパ回路1の負荷が大きくなって、制御電源回路5の入力電圧が急に低下したような場合には保護機能が作動してスイッチング素子Q2の遮断状態がラッチされることになる。すなわち、制御電源回路5の出力側には容量の比較的大きい平滑コンデンサC5が設けられているから、入力電圧が低下しても出力電圧は維持されており、入力電圧よりも出力電圧のほうが高くなる状態が生じる。スイッチング素子Q2の遮断状態を解除するにはコントローラ51の動作が維持できない程度に平滑コンデンサC5の両端電圧が低下するのを待たなければならず、ラッチされた状態が継続している間には、入力電圧を回復させたとしても保護機能が作動した状態に保たれ、スイッチング素子Q2のスイッチングを再開させることができない。
【0059】
そこで、本実施形態では入力電圧が出力電圧よりも低下したときにコントローラ51の保護機能が作動するのを回避するために、直流電源とスイッチング素子Q2のドレインとの間に逆流阻止用の逆阻止ダイオードDcを挿入してある。この構成により、制御電源回路5の出力電圧よりも入力電圧が低下したとしても、スイッチング素子Q2を逆流しようとする電流が逆阻止ダイオードDcにより阻止されるから、コントローラ51の保護機能が作動することがなく、スイッチング素子Q2が遮断状態でラッチされるのを防止することができる。
【0060】
以下では制御回路4について詳述する。制御回路4はチョッパ回路1のスイッチング素子Q1をオンオフさせる制御信号を生成する制御信号生成部46を有し、制御信号生成部46は、チョッパ回路1に直流電源が供給された(以下では、「電源投入」という)後に、電力監視部42および電流監視部43により監視されている状態に応じてスイッチング素子Q1のスイッチングにおけるデューティ比を変化させ、極性反転回路2に適正な電圧が印加されるように制御する。
【0061】
電源投入直後には、制御電源回路5の出力電圧が上昇すると制御回路4が動作を開始し、制御回路4からチョッパ回路1のスイッチング素子Q1を制御する制御信号が出力されるとともに、極性反転回路2のスイッチング素子Q3〜Q6を制御する駆動信号が出力される。したがって、放電灯DLには交番する矩形波電圧が印加されるとともに、イグナイタ3の動作により放電灯DLに高圧パルスが印加される。高圧パルスが発生したときに正常であれば放電灯DLは点灯する。
【0062】
ところで、本実施形態において用いる放電灯DLは、電極間の絶縁破壊によって始動した直後には電極間のインピーダンスが大きくランプ電圧が高いが、アーク放電に近付くとランプ電圧が低下し、点灯直後(アーク放電に移行した直後)には水銀の蒸気圧が低いからランプ電圧は低い値になり、水銀蒸気圧の上昇に伴ってランプ電圧が上昇する。したがって、安定点灯状態(定格点灯状態)に短時間で到達させるには、投入する電流を大きくすればよいが、実際には放電灯DLの電極の損傷を抑制するには定格電流値に対してやや大きい程度(1.5倍程度)の電流値に制限する必要がある。そこで、安定点灯状態に移行するまでの間にはチョッパ回路1の出力電流を定電流とし、安定点灯状態に達した後には光出力を安定させるためにチョッパ回路1の出力電力を定電力とするように制御する。すなわち、チョッパ回路1の出力電力が定電力になるように制御する期間は、チョッパ回路1の出力電圧が放電灯DLの定格電圧に基づいて設定されている定電力制御範囲内である期間であって、チョッパ回路1の出力電圧が定電力制御範囲内である間には放電灯DLに定電力が供給されて放電灯DLが安定点灯状態で点灯する。
【0063】
具体的には、図2に示すように、チョッパ回路1の出力電流を定電流とする領域を設けてあり、放電灯DLの始動直後などの期間には定電流が供給されるようにしてある。また、安定点灯状態に達した後には光出力を安定させるためにチョッパ回路1の出力電力を定電力とするように制御する。すなわち、チョッパ回路1の出力電力が定電力になるように制御する期間は、チョッパ回路1の出力電圧の範囲によって設定され、この範囲を定電力制御範囲Epとしてある。定電力制御範囲Epは放電灯DLの定格電圧に基づいて設定され、少なくとも安定点灯状態を維持しようとする電圧範囲を含むように設定される。言い換えると、安定点灯状態におけるチョッパ回路1の出力電圧の範囲が定電力制御範囲Epに含まれるようにする。
【0064】
以下では、定電力制御範囲Epにおける下限電圧をVm、上限電圧をVpとし、チョッパ回路1の出力電圧が下限電圧Vm以下である範囲を第1領域E1、上限電圧Vp以上である範囲を第2領域E2とする。チョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vpよりも高い期間は、放電灯DLの立ち消え、あるいは放電灯DLの電極の消耗による寿命末期が考えられるほか、放電灯DLが始動した直後であって電極や発光管の温度が低い期間であることが考えられる。安定点灯状態において立ち消えしたり寿命末期であるときには、放電灯DLへの電力供給を遮断することによってチョッパ回路1や直性反転回路2にストレスが生じるのを防止することが必要であるが、放電灯DLの始動直後であって電極や発光管の温度上昇が不足しているときには、大きな電力を供給することにより始動の失敗を抑制することが望ましい。
【0065】
そこで、放電灯DLが安定点灯状態に移行した後における立ち消えや寿命末期の際にチョッパ回路1の動作を停止させるために保護部47を制御回路4に設けてある。保護部47では、点灯判別部44により安定点灯状態に移行したことが検出された後には、ランプ電圧が過剰に上昇したときにチョッパ回路1の動作を停止するように制御信号生成部46に指示する。保護部47ではチョッパ回路1を停止させる停止電圧Vsを定電力制御範囲Epの上限電圧Vpよりも低く設定してある。したがって、安定点灯状態に移行した後にはチョッパ回路1の出力電圧は上限電圧Vpを超えることができなくなる。
【0066】
一方、始動直後においては上述のようにランプ電圧が高く、したがってチョッパ回路1の出力電圧が高くなるから、この期間においてはチョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vp以上である第2領域E2においてチョッパ回路1の出力が定電流となるように制御する。また、アーク放電に移行した後にはランプ電圧が低下するからチョッパ回路1の出力電圧が下限電圧Vm以下になる第1領域E1においてチョッパ回路1の出力が定電流となるように制御する。ただし、第2領域E2の電流値は第1領域E1の電流値よりも小さくなるように設定し、かつ第2領域E2の電力が第1領域の電力よりも大きくなるように設定する。また、第1領域E1の電流値は定電力制御範囲Epの下限電圧Vmに対応する電流値とし、第2領域E2の電流値は定電力制御範囲Epの上限電圧Vpに対応する電流値とする。
【0067】
上述のような制御によって、始動直後であって放電灯DLのランプ電圧が比較的高い期間には、放電灯DLの電極間には第2領域の電流が供給されて放電灯DLの電極および発光管の温度の上昇速度を高めることができ、しかも定電流に制御しているから、放電灯DLの電極間に過大な電流が流れることによる電極の損傷が抑制される。つまり、放電灯DLに供給する電力を大きくする際に電極間に過剰に電流を流すと電極の損傷が大きくなるのに対して、第2領域E2において電流値が比較的小さくするように制限しているから、放電灯DLに供給する電力を大きくしながらも電極の損傷を抑制することが可能になる。
【0068】
ここで、正常な動作では始動直後において上限電圧Vpを超える期間は比較的短いが、何らかの異常によって上限電圧Vpを超える期間が長くなる可能性もある。このような場合に、比較的大きい電力を長期に亘って放電灯DLに供給すると電極が損耗しやすくなる。そこで、放電灯DLの始動直後の一定時間を時限するタイマ部48を設け、タイマ部48により制限された一定時間内においてチョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vpを超えるときにのみ、電極や発光管の温度が低いことに起因しているとみなして放電灯DLへの供給電力を大きくするようにしてある。この構成を採用することによって、比較的大きい電力を放電灯DLに供給する時間を制限することができ、電極の損耗を抑制することができる。
【0069】
本実施形態の動作例を図3に示す。図3(a)は放電灯DLの始動直後であってチョッパ回路1の出力が安定点灯状態に達していない期間でのランプ電流を示し、図3(b)は図3(a)に対応するランプ電圧(チョッパ回路1の出力電圧)を表している。ランプ電流は時刻t4,t7において極性が反転しているが、ランプ電圧はチョッパ回路1の出力電圧で表しているから極性は反転していない。図では時刻t1において電源が投入されて放電灯DLが始動しており、始動時には電極や発光管の温度が不足していて時刻t2において立ち消えを生じそうになり、このときのチョッパ回路1の出力電圧の上昇によって、図3(a)のようにランプ電流を小さくして定電流を供給する。つまり、時刻t2の後には時刻t2の前よりも放電灯DLに流れる電流は小さくなるが供給される電力は大きくなる。このようにして時刻t2の後に放電灯DLに投入する電力が大きくなると、放電灯DLの立ち消えが防止されてランプ電圧は低下するから、時刻t3においてランプ電圧(チョッパ回路1の出力電圧)が下限電圧Vm以下になれば、比較的大きい電流値の定電流を供給する状態に復帰する。図示例では時刻t4でランプ電流の極性が反転しており、時刻t5と時刻t6との間の期間において立ち消えしそうになった状態を表している。このとき、ランプ電圧が上限電圧Vpを超えて上昇することによりチョッパ回路1からは比較的小さい定電流が供給されることを示しており、この間にはチョッパ回路1の出力電力は比較的大きくなる。つまり、立ち消えしそうになると放電灯DLへの供給電力が大きくなってアーク放電を維持しようとするのである。
【0070】
第1領域E1は、主として放電灯DLの点灯(アーク放電への移行)後に安定点灯状態に移行するまでの期間において用いられる。本実施形態ではスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を調節することによって、スイッチング素子Q1のオン期間にインダクタL1に蓄積されたエネルギがスイッチング素子Q1のオフ期間に完全に放出されてインダクタL1に流れる電流に休止期間が生じる不連続制御モードと、スイッチング素子Q1のオン期間にインダクタL1に蓄積されたエネルギがスイッチング素子Q1のオフ期間においても残留してインダクタL1に流れる電流に休止期間が生じない連続制御モード(従来構成の電流連続方式に相当)とが選択可能になっている。
【0071】
すなわち、図4(a)に示すようにスイッチング素子Q1のオンオフを繰り返すと、スイッチング素子Q1のオン期間に図4(b)のようにスイッチング素子Q1を通して電流が流れ、図4(c)のようにインダクタL1にも電流が流れる。この期間にインダクタL1に電磁エネルギが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフになれば、図4(b)のようにスイッチング素子Q1に電流は流れなくなるが、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギがコンデンサC1およびダイオードD1を通る経路で放出されるから、図4(c)のようにインダクタL1には電流が流れる。
【0072】
ここで、スイッチング素子Q1のデューティ比を比較的小さく(オン期間を短く)設定すれば、スイッチング素子Q1のオン期間においてインダクタL1に蓄積されるエネルギが小さいから、スイッチング素子Q1のオフ期間において、次にスイッチング素子Q1がオンになる前にインダクタL1のエネルギを完全に放出させることが可能になる。この場合、インダクタL1に流れる電流には休止期間が生じる。また、デューティ比が変化しない場合でもチョッパ回路1の負荷が大きいほどコンデンサC1の放電量が多くなるからインダクタL1に流れる電流の休止期間が長くなる。
【0073】
一方、図5(a)に示すようにスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を大きくすると(オン期間を長くすると)、スイッチング素子Q1のオン期間においてインダクタL1に蓄積される電磁エネルギが大きくなる。また、デューティ比が大きくなったことによって、スイッチング素子Q1のオフ期間は相対的に短くなる。したがって、インダクタL1はスイッチング素子Q1のオフ期間に電磁エネルギを完全に放出することができなくなり、図5(c)に示すように、インダクタL1に流れる電流には休止期間が生じなくなる。また、チョッパ回路1の負荷が軽いほどコンデンサC1の放電量が少なくなるからインダクタL1に流れる電流は連続しやすくなる。つまり、スイッチング素子Q1のオンオフにかかわらずインダクタL1には電流がつねに流れることになる。この動作状態は従来構成と同様の動作状態であって、図5(b)に示すように、スイッチング素子Q1がオンになった瞬間に貫通電流が生じることになる。
【0074】
しかして、本実施形態では、図6に示すように、チョッパ回路1の出力電圧が上述した定電力制御範囲の下限電圧Vm以下に設定されているモード切換電圧Vc以下である期間に、連続制御モードM1が選択され、出力電圧がモード切換電圧Vcを超える期間には不連続制御モードM2が選択されるように制御回路4を構成してある。すなわち、下限電圧Vm以下ではチョッパ回路1は定電流を出力しており、かつチョッパ回路1の負荷は軽負荷であって出力電力は安定点灯状態に比較して小さいから、モード切換電圧Vc以下において、インダクタL1に流れる電流が休止期間を生じることなく連続して流れるように設定することが可能である。チョッパ回路1が定電流を出力する期間においては電流のピーク値が制限されることによりスイッチング素子Q1の電流ストレスの増加を抑制することができる。
【0075】
放電灯DLを点灯から安定点灯状態に移行させるには、チョッパ回路1から定電流を出力する期間において出力電圧を上昇させるようにスイッチング素子Q1のデューティ比を大きくすることになる。したがって、スイッチング素子Q1のオン期間においてインダクタL1に蓄積されるエネルギはしだいに大きくなるが、その一方で、出力電圧がモード切換電圧Vcに近付くに従ってチョッパ回路1の負荷も大きくなる。つまり、インダクタL1に流れる電流を連続させることと、チョッパ回路1の負荷の大きさとはトレードオフになる。そこで、出力電圧が規定電圧Vcであるときに負荷に供給する電力(負荷で消費される電力)が、インダクタL1に流れる電流に休止期間が生じるか否かの境界点になるように設計することによって、チョッパ回路1の出力電圧がモード切換電圧Vcを超えると不連続制御モードM2が選択されることになる。
【0076】
ただし、不連続制御モードM2ではインダクタL1に流れる電流に休止期間が生じることによってチョッパ回路1の出力にリップルが生じ、リップル率が10%を超えると放電灯DLに音響共鳴現象が生じやすくなることが知られている。定電力制御を行っている期間(定常点灯状態の期間)においてはスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が音響共鳴現象を生じないように選択されているから、不連続制御モードM2で動作することに問題はないが、チョッパ回路1の出力電圧が下限電圧Vm以下であって定常点灯状態に近い期間では、チョッパ回路1の出力が定電力になっていないにもかかわらず不連続制御モードM2が選択されているとリップル率の増加によって音響共鳴現象が生じやすくなる。とくに、リップル率が10%を超えると放電灯DLに音響共鳴現象が生じやすくなることが実験的に確認されている。そこで、チョッパ回路1の出力が定電力ではなくかつ不連続制御モードM2になる期間を少なくするように、下限電圧Vmとモード切換電圧Vcとの差はリップル率が10%以下になる程度の範囲で設定してある(たとえば、10V)。
【0077】
上述のように、放電灯DLが点灯してから定常点灯状態に移行する過渡期間においてはチョッパ回路1から定電流を出力するようにして、出力電流を規制するから、スイッチング素子Q1やダイオードD1で生じるスイッチング損失を比較的小さくすることができる。つまり、スイッチング素子Q1やダイオードD1に比較的低容量で小型かつ軽量のものを用いることが可能になる。なお、連続制御モードM1が選択されていると貫通電流が生じるが、チョッパ回路1の出力電圧がモード切換電圧Vcよりも小さい期間であるから、貫通電流も比較的小さく、しかも過渡期間はごく短いから問題は生じない。
【0078】
チョッパ回路1の出力電圧がモード切換電圧Vcを超えて不連続制御モードM2に移行すると、上述したように、チョッパ回路1のインダクタL1に流れる電流に休止期間が生じるから、スイッチング素子Q1のオン時にダイオードD1とスイッチング素子Q1との直列回路に貫通電流が流れることがなく、スイッチング素子Q1やダイオードD1でのスイッチング損失が低減され、温度上昇が軽減される。すなわち、スイッチング素子Q1やダイオードD1に比較的低容量のものを用いることが可能になり、ひいてはスイッチング素子Q1に付設する放熱板が小型になるとともに放熱設計が容易になり、全体として小型化・軽量化につながる。しかも、定常点灯状態で不連続制御モードM2が選択されていることによって、定常点灯状態での貫通電流によるノイズが軽減される。
【0079】
ところで、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数は、連続制御モードM1と不連続制御モードM2とにおいてそれぞれ固定してある。実際には安定点灯状態である不連続制御モードM2では放電灯DLに音響共鳴現象が生じない周波数を選択し、電源投入から安定点灯状態の前の状態である連続制御モードM1では極性反転時の放電灯DLの立ち消えを抑制するために、比較的低い周波数が選択される。なお、連続制御モードM1においては放電灯DLの状態が短時間で変化するから、必ずしも周波数が固定されていなくてもよい。また、放電灯DLへの供給電力が比較的小さい期間において連続制御モードM1としており、供給電力が比較的大きい期間では不連続制御モードM2としているから、インダクタL1には比較的小型のものを用いることが可能になり、このことによっても小型化・軽量化が可能になる。
【0080】
電源投入から安定点灯状態に移行するまでの期間において、制御回路4は以下の動作も行う。すなわち、点灯判別部44は、チョッパ回路1の出力電圧がイグナイタ3が動作する電圧に達してから放電灯DLが点灯するまでの期間を放電開始期間とし、また放電灯DLが点灯してから安定点灯状態に移行するまでの間にチョッパ回路1の出力電圧があらかじめ設定した無負荷判定電圧を超えるか否かを監視する機能を有する。点灯判別部44では、チョッパ回路1の出力電圧が無負荷判定電圧を超えるときには、無負荷または軽負荷になっていると判定する。
【0081】
ランプ電圧は、放電灯DLの始動前、高圧パルスが放電灯DLに印加された直後、放電灯DLが立ち消えしたとき、放電灯DLの電極が消耗したときには、他の状態に比較して高いから、チョッパ回路1の出力電圧を監視すれば、放電灯DLが無負荷または軽負荷であることを検出することが可能になる。また、イグナイタ3から始動用の高圧パルスが発生する前から放電灯DLが点灯(アーク放電に移行)するまでの間(すなわち、放電開始期間)には放電灯DLは高インピーダンスであって、この期間も放電灯DLは無負荷または軽負荷であると言える。そこで、上述のように点灯判別部44においてチョッパ回路1の出力電圧を監視することによって、放電灯DLが放電開始期間か、立ち消えしたか、立ち消えしそうであるか、つまり無負荷または軽負荷であることを判別するのである。
【0082】
チョッパ回路1の無負荷出力電圧は、制御信号生成部46において規制されているが、この無負荷出力電圧は、点灯判別部44における上述の無負荷判定電圧に応じて2段階に切り換えられるようになっている。たとえば、スイッチング素子Q3〜Q6の最大定格電圧が300Vであるとすれば、信頼性を確保するためにチョッパ回路1の無負荷出力電圧は240V(最大定格電圧の80%)以下に制限されるのが一般的である。ただし、実際にはスイッチング素子Q3〜Q6に300Vを印加することが許容されているから、放電灯DLの無負荷または軽負荷である期間のような、比較的短い期間においてのみチョッパ回路1の無負荷出力電圧を300Vにするのである。このように比較的短い期間であれば、信頼性を損なうことなく(つまり、スイッチング素子Q3〜Q6に大きなストレスをかけることなく)動作させることが可能である。
【0083】
上述した無負荷判定電圧は、極性反転回路2を構成するスイッチング素子Q3〜Q6の最大定格電圧に基づいて設定される。たとえば、スイッチング素子Q3〜Q6の最大定格電圧が300Vであるときには、無負荷判定電圧を、通常のチョッパ回路1の無負荷出力電圧である240Vよりもさらに50V低い190Vなどに設定する。無負荷判定電圧を190Vに設定しているとすれば、回路動作が開始した当初はチョッパ回路1の無負荷出力電圧は240Vに設定されるが、その後に放電灯DLが安定点灯状態に移行してチョッパ回路1の出力電圧が定電力制御範囲内に達するまでの間において、チョッパ回路1の出力電圧が190Vを1回でも超えると、チョッパ回路1の無負荷出力電圧が300Vに引き上げられる。この状態は、チョッパ回路1の出力電圧が定電力制御範囲になるまで継続する。ただし、無負荷出力電圧が300Vである期間を短縮する場合には、定電力制御範囲よりも高い電圧(たとえば190V)以下になった時点でチョッパ回路1の出力電圧を240Vに戻すようにしてもよい。また、チョッパ回路1の出力電圧がイグナイタ3が動作する電圧に達してから放電灯DLがアーク放電を開始するまでの放電開始期間においては、チョッパ回路1の出力電圧が190Vに達していなくともチョッパ回路1の無負荷出力電圧を300Vに引き上げる。
【0084】
上述した動作によって、図7に示すように、時刻t1において電源が投入(回路動作が開始)された時点では、図7(b)のようにチョッパ回路1の無負荷出力電圧は定常点灯状態の期間と同じ値Vm2になり、時刻t2においてイグナイタ2から高圧パルス(図7(c)参照)が発生可能な状態になると、放電開始期間T1において、チョッパ回路1の無負荷出力電圧が極性反転回路2を構成するスイッチング素子Q3〜Q6の最大定格電圧に基づいて設定されたVm1に引き上げられる。高圧パルスが発生しても放電灯DLの電極や発光管の温度が低いときにはアークが立ち消えすることがあり、この場合はチョッパ回路1の出力電圧が急上昇するから、期間T2で表す立ち消え再始動の期間においてもチョッパ回路1の無負荷出力電圧がVm1に引き上げられる。同様に、アークが立ち消えしないまでも立ち消えを生じそうになれば、放電灯DLのインピーダンスの上昇によって、チョッパ回路1の出力電圧が上昇するから、このような場合もチョッパ回路1の出力電圧が無負荷判定電圧を超える期間T3には、チョッパ回路1の無負荷出力電圧をVm1に引き上げる。
【0085】
なお、図7においては、時刻t2においてチョッパ回路1の無負荷出力電圧をVm1に引き上げた後に時刻t3において放電灯DLが安定点灯状態に移行するまでの間は、チョッパ回路1の無負荷出力電圧をVm1に保っているが、各期間T1,T2,T3ごとにチョッパ回路の無負荷出力電圧をVm1を引き上げるようにしてもよい。図7(a)は放電灯DLのランプ電流を示している。また、図示例では放電灯DLが安定点灯状態に移行するまでは、極性反転回路2のスイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング周波数を安定点灯状態よりも低く設定してあり、このことによって安定点灯状態に移行するまでの間においては、放電灯DLに電流ができるだけ継続して流れるようにして電極や発光管の温度が短時間で上昇するようにしている。逆に言えば、放電灯DLが安定点灯状態に移行するまでの間には、電流極性の反転に伴う電流の休止期間を少なくし始動性を高めているのである。
【0086】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態においては、制御電源回路5の逆阻止ダイオードDcを、スイッチング素子Q2のドレインと直流電源の正極との間に挿入した構成を採用していたが、逆阻止ダイオードDcはスイッチング素子Q2のオン時とは逆向きの電流がスイッチング素子Q2に流れるのを阻止すればよいから、スイッチング素子Q2のドレイン側ではなく、図8に示すように、スイッチング素子Q2のソースからダイオードD5とインダクタL5との接続点に至る経路上に逆阻止ダイオードDcを挿入しても同様に動作する。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0087】
(第3の実施の形態)
上述した各実施形態では、パルス発生回路6によりイグナイタ3が起動される構成を例示したが、本実施形態では、図9に示すように、イグナイタ3が制御回路4に設けたタイミング制御部31により設定された適宜のタイミングで出力トランスT1の2次巻線に高圧パルスを発生させるように構成されている例を示す。なお、以下の実施形態においては要旨ではない部分は省略してあるから、必要に応じて図1を参照することとする。タイミング制御部31は点灯判別部44により放電灯DLの点灯が検出されるまでの期間において動作し、放電灯DLに印加される電圧Vdを反転させるように駆動信号生成部45から出力される駆動信号に同期して、図10に示すタイミングで高圧パルスPhを発生する。図示例では電圧Vdの極性が1回反転するたびに複数個(3個)の高圧パルスPhを発生させるように構成してあり、かつ3個目の高圧パルスPhが発生してから電圧Vdの極性が次に反転するまでの間に、高圧パルスPhの発生しない禁止期間Tiを設けてある。
【0088】
ここに、禁止期間Tiを設けていないとすれば、高圧パルスPhは高周波成分を多く含むから、インダクタL2およびイグナイタ3の出力トランスT1からなるインダクタンス要素による限流作用によって、放電灯DLが放電した後に放電灯DLに大きな電流を流すことができない。つまり、放電灯DLの電極や発光管の温度上昇が促進されないから、放電灯DLに印加する電圧の極性が反転したときに、放電状態を維持することができず立ち消えしやすくなる。これに対して、禁止期間Tiを適宜に設定することによって、禁止期間Tiにおいてはインダクタンス要素による限流作用が機能させないようにし、放電灯DLに流す電流を比較的大きくとることが可能になる。つまり、放電灯DLの電極や発光管の温度上昇が促進され、印加電圧の極性が反転するときに立ち消えが生じにくくなる。このように、放電灯DLが始動しやすくなるから、高圧パルスPhの発生回数が少なくなり、放電灯DLの電極の損耗が低減されて放電灯DLの寿命が長くなるとともに、イグナイタ3の寿命も長くなる。なお、図示例では放電灯DLに印加する電圧Vdの極性が反転するたびに高圧パルスPhを3個発生させているが、高圧パルスPhの個数はとくに制限されない。
【0089】
図11に示すように、放電灯DLに印加する電圧Vdの極性が反転した直後の一定期間において集中的に高圧パルスPhを発生させるようにタイミング制御部31を構成してもよい。この構成を採用すれば、高圧パルスPhを放電灯DLに印加したときに放電灯DLが点灯しなかったとしても、電極や発光管の温度が比較的高い期間に次の高圧パルスPhを印加することができるから、放電灯DLを短期間で点灯させることが可能になる。また、放電灯DLに印加する電圧Vdの極性を反転させる周期が同じであるとすれば、図10のように高圧パルスPhを発生させる場合に比較して図11のような形で高圧パルスPhを発生させるほうが禁止期間Tiを長くとることが可能になり、放電灯DLに比較的大きい電流を供給している時間が長くなって電極および発光管の温度上昇をより促進することができる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0090】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、極性反転回路2によって放電灯DLに印加される電圧の極性にかかわらず、イグナイタ3から高圧パルスPhを印加する構成を採用していたが、イグナイタ3から発生する高圧パルスPhが放電灯DLに印加される極性が極性反転回路2によって放電灯DLに印加される電圧Vdの極性と逆極性である期間には、放電灯DLの電極間には電圧Vdと高圧パルスPhとの差の電圧が印加されることになり、同極性である期間のように電圧Vdと高圧パルスPhとの加算電圧が印加される場合よりも始動しにくくなる(電極間の絶縁破壊が生じにくくなる)。つまり、電圧Vdと高圧パルスPhとが逆極性である期間に高圧パルスPhを放電灯DLに印加しても始動する確率が低いにもかかわらず、高圧パルスPhを発生し続けていると、イグナイタ3の寿命が短くなったり、放電灯DLの電極が損耗したりしやすくなる。
【0091】
そこで、本実施形態では、図13に示すように、極性反転回路2により放電灯DLに印加される電圧Vdの極性と高圧パルスPhの極性とが一致する期間においてのみ高圧パルスPhを発生させるようにしてある。この動作を実現するには、図12に示すように、制御回路4にパルス制御部32を設け、点灯判別部44において放電灯DLの点灯が確認されるまでの期間において、駆動信号生成部45で生成される駆動信号に同期させて、電圧Vdの一方の極性においてのみ高圧パルスPhを発生させるようにする。他の構成および動作は第3の実施の形態と同様である。
【0092】
(第5の実施の形態)
本実施形態は、図14に示すように、第3の実施の形態と第4の実施の形態とを複合するとともに、制御回路4に極性制御部33を付加し、始動期間では極性反転回路2が放電灯DLに印加する電圧の一方の極性の期間Tpを他方の極性の期間Tmよりも長くしたものである。期間が長いほうの極性はイグナイタ3から発生する高圧パルスPhの極性と一致する極性であって、図15に示すように、高圧パルスPhが発生されない期間を短くしてある。
【0093】
この構成によって、単位時間当たりにおいて、極性反転回路2により放電灯DLに印加する電圧の極性がイグナイタ3から発生する高圧パルスPhの極性に一致している期間を長くすることが可能なり、放電灯DLの絶縁破壊が生じやすくなる。また、本実施形態では第3の実施の形態と同様に、高圧パルスPhを発生させた後に禁止期間Tiを設定していることにより、インダクタL2と出力トランスT1とのインダクタンス要素による限流作用の影響を受けない期間を長くとることができ、放電灯DLの放電が開始されてから放電灯DLに供給する電流を比較的大きくとって始動性を高めることができる。また、第3の実施の形態と同様に、放電灯DLに印加する電圧Vdの極性が反転した直後の一定期間において集中的に高圧パルスPhを発生させるようにタイミング制御部31を構成してあり、放電灯DLを短期間で点灯させることが可能になっている。
【0094】
なお、第3の実施の形態に用いたタイミング制御部31、パルス制御部32、極性制御部33は適宜に組み合わせて用いることが可能である。
【0095】
(第6の実施の形態)
本実施形態は、電源投入から安定点灯状態に移行するまでの期間における電流の制御に関するものである。
【0096】
本実施形態では、図16に示すように、放電灯DLの始動(アーク放電の開始)から安定点灯状態に移行するまでの始動期間Tsにおいて、イグナイタ3から高圧パルスPhを発生した後に放電灯DLの点灯状態を点灯判別部44で判別し、放電灯DLが点灯(アーク放電に移行)していればチョッパ回路1の出力電流を始動直後よりも小さい定電流に変更する。点灯判別部44で放電灯DLの点灯状態を判別するのは、放電灯DLに高圧パルスPhを印加してから不感期間Txの経過以降であって、不感期間Txは極性反転回路2が放電灯DLに印加する電圧を反転させる周期の1周期よりは長い時間(たとえば、0.6秒)に設定されている。この時間は放電灯DLが始動してからアーク放電に移行するまでの時間程度に設定してある。図16では時刻t1以降において点灯判別部44で放電灯DLの点灯状態を判別しており、時刻t1で放電灯DLが点灯していると判断された状態を示している。点灯判別部44における放電灯DLの点灯状態の判別は、ランプ電圧(実施例では、チョッパ回路1の出力電圧)に基づいて行っており、図17に示すように、適宜の点灯検知電圧Vd(たとえば、220V)を設定し、回路動作の開始から不感期間Txが経過した時刻t1以降において、チョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下になると放電灯DLの点灯開始として検出する。ここで、チョッパ回路1の出力電圧は放電灯DLに印加する電圧の極性の反転時に検出する構成を採用している。なお、図17においてVbは、放電灯DLにおいて絶縁破壊が生じて放電が開始される電圧を示す。
【0097】
しかして、図16に示す例では、回路動作の開始から時刻t1までが第1期間、時刻t1以降で安定点灯状態が点灯判別部44で検出されるまでの期間が第2期間になる。第1期間においてはチョッパ回路1から出力する電流を高圧放電灯DLの放電維持に要求される維持電流Ia(たとえば、3.8A)に設定し、第2期間においてはチョッパ回路1から出力する電流を安定点灯状態への移行に要求される点灯電流Ib(たとえば、3.2A)に設定する。
【0098】
ここにおいて、点灯電流Ibは、放電灯DLの安定点灯状態(つまり、定電力に保っている期間)におけるチョッパ回路1の出力電圧の最小値に対応する電流値に設定すれば、定電流を供給している間においても電流値が安定点灯状態での最大電流値に制限されるから、放電灯DLに供給される電流が安定点灯状態と同程度になり、放電灯DLの電極の過熱を防止することができる。また、点灯電流Ibを安定点灯状態におけるチョッパ回路1の出力電圧の最小値に対応する電流値よりも大きく設定すれば、放電灯DLが点灯してから安定点灯状態に移行するまでの時間を比較的短くすることができる。
【0099】
上述の構成によって、回路動作の開始直後にはチョッパ回路1の出力電流を比較的大きくすることによって放電灯DLに大きな電力を供給することで始動性を確保し、しかも安定点灯状態に近付くとチョッパ回路1の出力電流を低減させることによって、放電灯DLに過剰な電流が流れるのを防止することができる。その結果、放電灯DLの電極の損耗を抑制することができる。しかも、チョッパ回路1から定電流を出力する期間(始動期間Ts)において、電流値を2段階に規定しているから制御が容易であり、さらに放電灯DLの点灯を確認するまでの時間を極性反転の1周期よりも長く設定しているから、比較的長い期間にわたって大きな電流を放電灯DLに供給することができ、放電灯DLの電極や発光管の温度上昇不足による立ち消えが生じにくくなる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0100】
(第7の実施の形態)
第6の実施の形態では、点灯判別部44において不感期間Txの経過後にチョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下であると放電灯DLが点灯していると判断していたが、放電灯DLが点灯したと判断した後に放電灯DLが立ち消えする場合もある。そこで、本実施形態では、図17のようにチョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下である状態が規定した検知期間継続すると放電灯DLが点灯開始であると判定するようにしてある。この構成によって、放電灯DLが立ち消えした場合には点灯と判定しないことになり、放電灯DLが点灯していることを確実に検出することができ、放電灯DLの電極の損耗を確実に抑制することができる。言い換えると、放電灯DLが点灯を開始した後に電極や発光管の温度上昇不足によって立ち消えしたような場合に、放電灯DLが点灯したと誤認することが防止される。
【0101】
ところで、第6の実施の形態のように、チョッパ回路1の出力電圧を検出するタイミングを放電灯DLに印加する電圧の極性が反転したときに設定すれば、チョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vdになる状態が極性反転毎に連続して所定の判定回数生じたときに、チョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下である状態が検知期間継続したとみなすことができる。つまり、放電灯DLに印加する電圧の極性を反転させる構成を採用しながらも、放電灯DLの点灯判別を確実に行うことができる。また、この構成では判定回数を適宜に設定することによって、不感期間Txに相当する期間の後に放電灯DLの点灯と判別することになるから、不感期間Txを設定しなくてもよい。
【0102】
また、図18に示すように、点灯判別部44においてチョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下である状態が連続して判定回数に達する前に点灯検知電圧Vdを超えたときには、計数値を破棄(つまり、リセット)し、あらためて判定回数に達するまで計数する。図では判定回数に達するまでの時間をTyで表してある。
【0103】
ところで、放電灯DLへの印加電圧の極性反転毎にチョッパ回路1の出力電圧を監視しているときに、図19に示すように、チョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vdを超える状態が比較的長時間に亘って継続することがある。このような状態は、放電灯DLの立ち消えにより生じると考えられるから、チョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vdを超える状態が規定した判定時間Tz(たとえば、20m秒)に達すると、出力制御部(判定部44と電力監視部42と電流監視部43と制御信号生成部46とからなる)に指示を与えて放電灯DLを再始動させる。この構成によって、放電灯DLが点灯を開始した後に立ち消えしたような場合に再始動のための動作が行われることになり、放電灯DLを確実に始動させることができる。
【0104】
ここで、再始動の際には、放電灯DLの電極や発光管の温度がある程度上昇していると考えられるから、上述した判定回数よりも少ない再始動判定回数を設定しておき、再始動の指示後にはチョッパ回路1の出力電圧が点灯検知電圧Vd以下になる状態が再始動判定回数に達したときに放電灯DLが点灯したと判断する。このような構成を採用すれば、再始動した場合でも比較的短い時間で放電灯DLの点灯を確認することができる。つまり、再始動判定回数を設定しない場合に比較して、短い時間で電流値を低減させた状態に以降することになるから、放電灯DLの電極の損耗を抑制することが可能になる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0105】
(第8の実施の形態)
上述した各実施形態では、チョッパ回路1の出力電圧をランプ電圧に代用し、この出力電圧が点灯検知電圧Vdか否かを判定することによって、放電灯DLの点灯を検出する構成を採用していた。これに対して本実施形態では、制御回路4に設けたタイマ部48によって、回路動作の開始から放電灯DLが点灯すると予測される一定時間を時限するとともに、タイマ部48での時限期間とタイマ部48での時限終了後から放電灯DLが安定点灯状態に移行するまでの間との2段階で、チョッパ回路1の出力電流を変化させる構成を採用している。つまり、チョッパ回路1の出力電流を定電流とする期間(始動期間)において、チョッパ回路1の出力電圧とは無関係にタイマ部48により時限した時間によって第1期間と第2期間との2段階に分けて電流値を設定しているのである。第1期間では高圧放電灯DLを温めるように電流値が設定される。なお、図示例では回路動作の開始が外部から指示される構成としているが、通常は電源投入時を回路動作の開始とすればよい。各段階の電流値は第6の実施の形態と同様に設定する。
【0106】
本実施形態の構成によれば、図20に示すように、回路動作の開始から一定時間Tuが経過するまでの間に、チョッパ回路1の出力電圧が点灯判定電圧Vdを超えたとしても、タイマ部48の時限動作がリセットされることはなく、一定時間Tuの経過後に電流値を切り換える。したがって、第6の実施の形態と同様に、始動性を確保しながらも高圧放電灯の電極の損耗を抑制することができる。しかも、放電灯DLの点灯を確認するための構成が不要であってオープン制御になるから構成が簡単である。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0107】
なお、上述した各実施形態では、始動期間におけるチョッパ回路1の出力電流の電流値を2段階に設定したが多段階に設定することも可能である。
【0108】
(第9の実施の形態)
本実施形態は、第8の実施の形態と同様に回路動作の開始からタイマ部48によって一定時間Tv(図21参照)を時限するものであるが、チョッパ回路1の出力電流を定電流とするのではなく、一定時間Tvの間に電流値を徐々に低減させるようにしたものである。一定時間Tvは放電灯DLが安定点灯状態に達すると予測される時間よりやや短い程度に設定される。図21において電流値Icは安定点灯状態における電流値を示している。
【0109】
本実施形態の構成によれば、放電灯DLが点灯するまでは比較的大きい電流を与えて始動性を高めることができ、点灯後には安定点灯状態に近付くにつれて電流値を徐々に低減させることによって、放電灯DLの電極および発光管の温度が低い期間には比較的大きい電流を流して温度の上昇速度を高め、電極および発光管の温度が上昇すれば電流を低減させて電極の損耗を抑制することができる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0110】
【発明の効果】
請求項1の発明は、高圧放電灯を含む負荷回路と、直流電源と負荷回路との間に介在するスイッチング素子を備えスイッチング素子のオンオフの制御により負荷回路への出力電圧が可変であるチョッパ回路と、スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備え、前記チョッパ回路が、前記スイッチング素子に加えて、直流電源に前記スイッチング素子を介して接続され直流電源と負荷回路との間に前記スイッチング素子との直列回路が挿入されたインダクタと、前記スイッチング素子のオン時に前記インダクタを通して前記直流電源から充電され両端電圧が前記負荷回路に印加されるコンデンサと、スイッチング素子との直列回路が直流電源の両端間に接続されスイッチング素子のオン時にインダクタに蓄積されたエネルギをスイッチング素子のオフ時に前記コンデンサを通る経路で回生させるダイオードとを備え、前記高圧放電灯の点灯後の期間において、前記制御回路では、前記高圧放電灯に定電力を供給する電圧範囲として設定した定電力制御範囲の下限電圧以上である期間には前記チョッパ回路から負荷回路に定電力を供給して前記高圧放電灯の安定点灯状態を維持するようにスイッチング素子のオンオフを制御し、下限電圧以下に設定されたモード切換電圧以下である期間にはインダクタを流れる電流に休止期間が生じないようにスイッチング素子を制御する連続制御モードを選択するとともに、前記出力電圧が前記モード切換電圧を超える期間にはインダクタを流れる電流に休止期間が生じるようにスイッチング素子を制御する不連続制御モードを選択するものであり、負荷回路に定電力を供給して高圧放電灯の安定点灯状態を維持している期間においては不連続制御モードが選択されるから、スイッチング素子のオン時にスイッチング素子とダイオードとを通る経路で貫通電流が流れることがなく、スイッチング損失が軽減されて発熱量を抑制することができる。その結果、スイッチング素子やダイオードに従来構成よりも小容量のものを用いることが可能になって放熱用の部材の小型化にもつながり、小型化・軽量化が容易になる。また、負荷回路に比較的大きな電力を供給する期間において不連続制御モードが選択されているから、インダクタには大きなエネルギを蓄積する必要がなく、小型のインダクタを用いることができ、このことも小型化・軽量化につながる。一方、高圧放電灯の点灯後であって安定点灯状態に達していない期間には連続制御モードが選択されるから、安定点灯状態に達するまでの期間に比較的大きい電力を供給することが可能であり、点灯により形成された放電経路の電流を比較的大きくとって点灯から安定点灯状態への移行を短時間で行うことが可能になる。しかも、ダイオードに貫通電流が流れないことによって、雑音の発生量も低減されることになる。加えて、臨界電流連続方式のように負荷回路のインピーダンスの変動によってスイッチング素子のスイッチング周波数が変化することがなく、スイッチング素子のスイッチング周波数を変化させることなく負荷回路のインピーダンスの変化に対応することができるから、音響共鳴現象を回避する設計が容易である。
【0143】
加えて、スイッチング素子のスイッチング周波数を不連続制御モードにおいて固定しているので、高圧放電灯の安定点灯状態を維持している期間にはスイッチング素子のスイッチング周波数が固定され、あらかじめ音響共鳴現象が生じないように周波数を選定することによって、音響共鳴現象を回避しやすくなる。しかも、スイッチング周波数が固定されているから、可変である場合よりも制御回路の構成が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上における不連続制御モードの動作説明図である。
【図5】同上における連続制御モードの動作説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す要部回路図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態を示す回路図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態の動作説明図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態の動作説明図である。
【図19】同上の動作説明図である。
【図20】本発明の第8の実施の形態の動作説明図である。
【図21】本発明の第9の実施の形態の動作説明図である。
【図22】従来例を示す要部回路図である。
【符号の説明】
1 チョッパ回路
2 極性反転回路
3 イグナイタ
4 制御回路
31 タイミング制御部
32 パルス制御部
33 極性制御部
41 判定部
42 電力監視部
43 電流監視部
44 点灯判別部
46 制御信号生成部
47 保護部
48 タイマ部
51 コントローラ
C1 コンデンサ
C5 平滑コンデンサ
D1 ダイオード
D5 (第2の)ダイオード
Dc 逆阻止ダイオード
DL (高圧)放電灯
L1 インダクタ
L5 (第2の)インダクタ
Q1 スイッチング素子
Q2 (第2の)スイッチング素子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a discharge lamp lighting device that includes a step-down chopper circuit having a variable output voltage and supplies power from a chopper circuit to a load circuit including a high-pressure discharge lamp.
[0002]
[Prior art]
In recent years, high-pressure discharge lamps such as metal halide lamps and ultrahigh-pressure mercury lamps have become widespread as high-intensity point light sources used for projectors and vehicle headlamps. As a ballast for lighting this type of high pressure discharge lamp, a discharge lamp lighting device equipped with an electronic circuit type ballast is widely used because of its small size and light weight. When a high-pressure discharge lamp is used as a light source as described above, it is required to keep the light output constant. Therefore, it is necessary to supply constant power to the high-pressure discharge lamp, and in many discharge lamp lighting devices. Employs a configuration in which power is supplied to the high-pressure discharge lamp through a step-down chopper circuit and the power supplied to the high-pressure discharge lamp is maintained constant by adjusting the output voltage of the chopper circuit.
[0003]
Incidentally, the step-down
[0004]
On / off of the switching element Q1 provided in the
[0005]
The first method is a control for turning on the switching element Q1 when the regenerative current flowing when the switching element Q1 is turned off, and is called a critical current continuous method. That is, in the critical current continuous method, if the impedance of the load circuit LD changes, the time during which the regenerative current flows changes, so the switching frequency of the switching element Q1 changes.
[0006]
The second method is a control in which the switching element Q1 is turned on again before the regenerative current stops when the regenerative current flows when the switching element Q1 is turned off. In the continuous current method, it is possible to supply relatively large power from the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, recent projectors are increasing in demand as presentation devices for projecting screens of computer devices, and are required to be portable. Therefore, further miniaturization and weight reduction are desired. In such a small device, reducing the amount of heat generated by the discharge lamp lighting device is a big problem.
[0008]
In the above-described critical current continuous method, since the switching element Q1 is turned on in a state where the current flowing through the switching element Q1 is stopped, so-called zero current switching is performed, and the amount of heat generated by switching loss is reduced. However, the acoustic resonance phenomenon is known in the high-pressure discharge lamp, and in the critical current continuous system, the switching frequency of the switching element Q1 changes as the impedance of the load circuit LD changes as described above. There is a possibility that the switching element Q1 is turned on and off in the generated frequency region. When the acoustic resonance phenomenon occurs, the light output becomes unstable and flickers. In some cases, the high-pressure discharge lamp may be damaged.
[0009]
On the other hand, in the current continuity method described above, when the switching element Q1 is turned on, the diode D1 is not turned off. Therefore, a reverse recovery current flows through the diode D1 due to the reverse recovery transient phenomenon. That is, immediately after the switching element Q1 is turned on, a current in the same direction as the switching element Q1 flows in the diode D1, and a so-called through current flows in the switching element Q1. Although the through current flows for a short time, it flows in a form in which both ends of the DC power supply E are short-circuited, so that a large current flows through the switching element Q1 and the diode D1 at the moment when the switching element Q1 is turned on. As a result, there arise problems that the switching loss is large and the heat generation amount is large.
[0010]
The present invention has been made in view of the above reasons, and an object of the present invention is to provide a discharge lamp lighting device that can be easily designed to avoid an acoustic resonance phenomenon while suppressing the amount of heat generated in a chopper circuit.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0046]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
As shown in FIG. 1, the present embodiment includes a step-
[0047]
The operations of the
[0048]
As the DC power source, for example, a commercial power source that is rectified by a rectifier circuit composed of a diode bridge and boosted by a boost type chopper circuit is used. The step-up chopper circuit can be designed so as not to cause a pause in the input current from the commercial power supply. Therefore, the switching frequency of the switching element in the step-up chopper circuit is set to be relatively high. By inserting a low-pass filter for blocking the above-described high frequency between the commercial power supply, it is possible to obtain a waveform with less distortion in which the input current waveform from the commercial power supply is made almost smoothly continuous. In addition, the boost chopper circuit can make the waveform of the envelope of the input current almost proportional to the output voltage waveform of the rectifier circuit, so that the phase of the input current from the commercial power supply is almost the same as the phase of the input voltage. You can get power factor. In short, the step-up chopper circuit is used as a power factor correction circuit for reducing the generation of noise to the outside and obtaining a high power factor. Note that a DC power supply having another configuration such as a battery power supply can be used.
[0049]
The switching element Q1 of the
[0050]
With this configuration, energy is stored in the inductor L1 from the DC power source through the switching element Q1 during the ON period of the switching element Q1, and the energy of the inductor L1 is discharged through the capacitor C1 and the diode D1 during the OFF period of the switching element Q1. Then, electric charge is accumulated in the capacitor C1. In other words, the diode D1 is provided to regenerate energy stored in the inductor L1 when the switching element Q1 is turned on along a path passing through the capacitor C1. By such an operation, the voltage across the capacitor C1 is stepped down with respect to the input DC voltage. The ratio of the output voltage to the input voltage (step-down ratio = output voltage / input voltage) is determined by the ON / OFF duty ratio of the switching element Q1. That is, the output voltage of the
[0051]
The output voltage of the
[0052]
The output current of the
[0053]
The
[0054]
Between the connection point of the switching elements Q3 and Q4 constituting one arm of the
[0055]
The
[0056]
As the
[0057]
By the way, the control
[0058]
Therefore, for example, when the load of the
[0059]
Therefore, in this embodiment, in order to avoid that the protection function of the
[0060]
Hereinafter, the
[0061]
Immediately after the power is turned on, when the output voltage of the control
[0062]
By the way, the discharge lamp DL used in the present embodiment has a large impedance between the electrodes and a high lamp voltage immediately after starting by dielectric breakdown between the electrodes, but the lamp voltage decreases when approaching the arc discharge, and immediately after lighting (arc Immediately after the transition to discharge, the vapor voltage of mercury is low, so the lamp voltage becomes low, and the lamp voltage increases as the mercury vapor pressure increases. Therefore, in order to reach the stable lighting state (rated lighting state) in a short time, it is sufficient to increase the current to be applied. However, actually, in order to suppress damage to the electrode of the discharge lamp DL, the rated current value is reduced. It is necessary to limit the current value to a slightly large value (about 1.5 times). Therefore, the output current of the
[0063]
Specifically, as shown in FIG. 2, a region where the output current of the
[0064]
Hereinafter, the lower limit voltage in the constant power control range Ep is Vm, the upper limit voltage is Vp, the range where the output voltage of the
[0065]
Therefore, a
[0066]
On the other hand, the lamp voltage is high as described above immediately after start-up, and therefore the output voltage of the
[0067]
By the control as described above, during the period immediately after start-up and the lamp voltage of the discharge lamp DL is relatively high, the current in the second region is supplied between the electrodes of the discharge lamp DL, and the electrodes of the discharge lamp DL and the light emission. Since the rate of temperature rise of the tube can be increased and the current is controlled to a constant current, electrode damage due to excessive current flowing between the electrodes of the discharge lamp DL is suppressed. That is, when the electric power supplied to the discharge lamp DL is increased, if an excessive current is passed between the electrodes, the damage to the electrodes is increased, but the current value is limited to be relatively small in the second region E2. Therefore, it is possible to suppress the electrode damage while increasing the power supplied to the discharge lamp DL.
[0068]
Here, in a normal operation, the period exceeding the upper limit voltage Vp is relatively short immediately after start-up, but the period exceeding the upper limit voltage Vp may become longer due to some abnormality. In such a case, when relatively large electric power is supplied to the discharge lamp DL over a long period of time, the electrodes are easily worn out. Therefore, a
[0069]
An example of the operation of this embodiment is shown in FIG. FIG. 3 (a) shows the lamp current in the period immediately after the start of the discharge lamp DL and the output of the
[0070]
The first region E1 is mainly used in a period from when the discharge lamp DL is turned on (shift to arc discharge) to when the discharge lamp DL shifts to a stable lighting state. In the present embodiment, by adjusting the ON / OFF duty ratio of the switching element Q1, the energy accumulated in the inductor L1 during the ON period of the switching element Q1 is completely discharged during the OFF period of the switching element Q1 and flows through the inductor L1. A discontinuous control mode in which a pause period occurs, and continuous control in which energy accumulated in the inductor L1 during the ON period of the switching element Q1 remains even in the OFF period of the switching element Q1 and no pause period occurs in the current flowing through the inductor L1. The mode (equivalent to the current continuous method of the conventional configuration) can be selected.
[0071]
That is, when the switching element Q1 is repeatedly turned on and off as shown in FIG. 4A, a current flows through the switching element Q1 as shown in FIG. 4B during the ON period of the switching element Q1, and as shown in FIG. In addition, a current also flows through the inductor L1. During this period, electromagnetic energy is accumulated in the inductor L1. If the switching element Q1 is turned off, no current flows through the switching element Q1 as shown in FIG. 4B, but electromagnetic energy stored in the inductor L1 is released through a path passing through the capacitor C1 and the diode D1. As shown in FIG. 4C, a current flows through the inductor L1.
[0072]
Here, if the duty ratio of the switching element Q1 is set to be relatively small (the ON period is shortened), energy stored in the inductor L1 during the ON period of the switching element Q1 is small. Before the switching element Q1 is turned on, the energy of the inductor L1 can be completely discharged. In this case, a pause period occurs in the current flowing through the inductor L1. Even when the duty ratio does not change, the amount of discharge of the capacitor C1 increases as the load of the
[0073]
On the other hand, as shown in FIG. 5A, when the ON / OFF duty ratio of the switching element Q1 is increased (the ON period is increased), the electromagnetic energy accumulated in the inductor L1 during the ON period of the switching element Q1 increases. Further, since the duty ratio is increased, the OFF period of the switching element Q1 is relatively shortened. Therefore, the inductor L1 cannot completely release electromagnetic energy during the OFF period of the switching element Q1, and no rest period occurs in the current flowing through the inductor L1, as shown in FIG. 5C. Further, the lighter the load on the
[0074]
Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 6, the continuous control is performed during a period in which the output voltage of the
[0075]
In order to shift the discharge lamp DL from the lighting state to the stable lighting state, the duty ratio of the switching element Q1 is increased so as to increase the output voltage during the period in which the constant current is output from the
[0076]
However, in the discontinuous control mode M2, a ripple occurs in the output of the
[0077]
As described above, since the constant current is output from the
[0078]
When the output voltage of the
[0079]
Incidentally, the switching frequency of the switching element Q1 is fixed in each of the continuous control mode M1 and the discontinuous control mode M2. In the discontinuous control mode M2 which is actually in a stable lighting state, a frequency at which no acoustic resonance phenomenon occurs in the discharge lamp DL is selected, and in the continuous control mode M1 which is a state before the stable lighting state after power on, the polarity is reversed. In order to suppress the extinction of the discharge lamp DL, a relatively low frequency is selected. In the continuous control mode M1, the state of the discharge lamp DL changes in a short time, so the frequency does not necessarily have to be fixed. Further, since the continuous control mode M1 is set in a period when the power supplied to the discharge lamp DL is relatively small and the discontinuous control mode M2 is set in a period where the supply power is relatively large, a relatively small inductor L1 is used. This also makes it possible to reduce the size and weight.
[0080]
In the period from when the power is turned on to when the stable lighting state is entered, the
[0081]
The lamp voltage is higher than the other states when the discharge lamp DL is extinguished or the electrode of the discharge lamp DL is consumed immediately after the high-pressure pulse is applied to the discharge lamp DL before the discharge lamp DL is started. If the output voltage of the
[0082]
The no-load output voltage of the
[0083]
The no-load determination voltage described above is set based on the maximum rated voltage of the switching elements Q3 to Q6 constituting the
[0084]
With the above-described operation, as shown in FIG. 7, when the power is turned on at time t1 (circuit operation starts), the no-load output voltage of the
[0085]
In FIG. 7, after the no-load output voltage of the
[0086]
(Second Embodiment)
In the first embodiment, the reverse blocking diode Dc of the control
[0087]
(Third embodiment)
In each of the above-described embodiments, the configuration in which the
[0088]
Here, if the prohibition period Ti is not provided, the high-pressure pulse Ph includes a lot of high-frequency components, so that the discharge lamp DL is discharged by the current-limiting action by the inductance element composed of the inductor L2 and the output transformer T1 of the
[0089]
As shown in FIG. 11, the
[0090]
(Fourth embodiment)
In the third embodiment, the configuration in which the high voltage pulse Ph is applied from the
[0091]
Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 13, the high voltage pulse Ph is generated only in a period in which the polarity of the voltage Vd applied to the discharge lamp DL by the
[0092]
(Fifth embodiment)
In the present embodiment, as shown in FIG. 14, the third embodiment and the fourth embodiment are combined, and a
[0093]
With this configuration, the period during which the polarity of the voltage applied to the discharge lamp DL by the
[0094]
The
[0095]
(Sixth embodiment)
The present embodiment relates to current control during a period from when the power is turned on to when a stable lighting state is entered.
[0096]
In the present embodiment, as shown in FIG. 16, the discharge lamp DL is generated after the high pressure pulse Ph is generated from the
[0097]
Accordingly, in the example shown in FIG. 16, the first period is from the start of the circuit operation to time t1, and the period from the time t1 until the stable lighting state is detected by the
[0098]
Here, if the lighting current Ib is set to a current value corresponding to the minimum value of the output voltage of the
[0099]
With the above configuration, immediately after the start of the circuit operation, the starting current is ensured by supplying a large amount of electric power to the discharge lamp DL by relatively increasing the output current of the
[0100]
(Seventh embodiment)
In the sixth embodiment, the
[0101]
By the way, if the timing for detecting the output voltage of the
[0102]
As shown in FIG. 18, when the
[0103]
By the way, when the output voltage of the
[0104]
Here, at the time of restart, it is considered that the temperature of the electrode of the discharge lamp DL and the arc tube has risen to some extent. Therefore, a restart determination number smaller than the determination number described above is set and restarted. After the instruction, the discharge lamp DL is determined to be lit when the state in which the output voltage of the
[0105]
(Eighth embodiment)
In each of the embodiments described above, a configuration is adopted in which lighting of the discharge lamp DL is detected by substituting the output voltage of the
[0106]
According to the configuration of the present embodiment, as shown in FIG. 20, even if the output voltage of the
[0107]
In each of the above-described embodiments, the current value of the output current of the
[0108]
(Ninth embodiment)
In the present embodiment, the fixed time Tv (see FIG. 21) is timed by the
[0109]
According to the configuration of the present embodiment, a relatively large current can be applied until the discharge lamp DL is turned on to improve the startability, and after the lighting, the current value is gradually reduced as the stable lighting state is approached. When the temperature of the electrode and arc tube of the discharge lamp DL is low, a relatively large current is passed to increase the rate of temperature rise, and if the temperature of the electrode and arc tube rises, the current is reduced to suppress electrode wear. can do. Other configurations and operations are the same as those of the sixth embodiment.
[0110]
【The invention's effect】
The invention according to
[0143]
In addition, since the switching frequency of the switching element is fixed in the discontinuous control mode, the switching frequency of the switching element is fixed during the period in which the high pressure discharge lamp is stably lit, and an acoustic resonance phenomenon occurs in advance. By selecting the frequency so as not to occur, the acoustic resonance phenomenon can be easily avoided. In addition, since the switching frequency is fixed, the configuration of the control circuit is simpler than when it is variable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an operation explanatory view of the above.
FIG. 3 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 4 is an operation explanatory diagram of the discontinuous control mode in the above.
FIG. 5 is an operation explanatory diagram of the continuous control mode in the same as above.
FIG. 6 is an operation explanatory view of the above.
FIG. 7 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 8 is a main part circuit diagram showing a second embodiment of the present invention;
FIG. 9 is a circuit diagram showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 11 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 12 is a circuit diagram showing a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 13 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 14 is a circuit diagram showing a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 15 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 16 is an operation explanatory diagram of the sixth embodiment of the present invention.
FIG. 17 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 18 is an explanatory diagram of operations according to the seventh embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a diagram for explaining the operation of the above.
FIG. 20 is an operation explanatory diagram of the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 21 is an operation explanatory diagram of the ninth embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a main part circuit diagram showing a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 Chopper circuit
2 Polarity inversion circuit
3 Igniters
4 Control circuit
31 Timing controller
32 Pulse controller
33 Polarity controller
41 judgment part
42 Power monitoring unit
43 Current monitor
44 Lighting discrimination part
46 Control signal generator
47 Protection part
48 Timer part
51 controller
C1 capacitor
C5 smoothing capacitor
D1 diode
D5 (second) diode
Dc reverse blocking diode
DL (high pressure) discharge lamp
L1 inductor
L5 (second) inductor
Q1 switching element
Q2 (second) switching element
Claims (1)
Priority Applications (1)
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