JP4358370B2 - Ignition device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグに点火用高電圧を印加して、点火プラグを火花放電させる内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関において、混合気の正常な燃焼を得るために必要な火花エネルギの大きさは、内燃機関の運転状態によって異なることが知られている。ここで、火花エネルギは、火花放電で流れる電流の大きさおよび放電時間として表すことができる。
【0003】
例えば、アイドリング運転等の低回転低負荷時では、燃焼室への混合気の充填量は少なく、混合気の流動も遅いため、混合気の燃焼は非常に緩慢に進む。したがって、低回転低負荷時には、火花エネルギを大きくして、混合気の燃焼を助ける必要がある。一方、高回転高負荷時では、燃焼室への混合気の充填量は多く、混合気密度が高くなるので、燃焼は早く進むため、比較的小さい火花エネルギで充分である。
【0004】
また、混合気の空燃比が異なる場合においても、必要な火花エネルギの大きさは異なり、例えば、リーンバーンエンジン等で行われる、空燃比20以上の希薄空燃比での運転時には、燃料の密度が低く混合気への着火性が悪くなるため、火花エネルギを大きくする必要がある。
【0005】
このため、従来の内燃機関用点火装置では、火花エネルギが不足することのないよう、内燃機関の様々な運転状態の中で必要とされる最大の火花エネルギを供給できるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした従来の点火装置では、必要最大の火花エネルギより少ない火花エネルギで運転可能な状態では、火花エネルギの供給が過剰になる。この過剰な火花エネルギの供給は、混合気への着火性に何等寄与しないばかりか、点火プラグの電極温度が過剰に上昇して、その電極の消耗を早めてしまう。特に、希薄空燃比で燃焼する内燃機関では、希薄な燃料を火花放電時前までに均一に拡散させた混合気としなければ着火性が安定して得られないため、混合気の乱流(スワール流やタンブル流)を強く(速く)しなければならないことが知られている。そのため、この乱流の影響により火花エネルギが低下する火花放電の後半時に、火花放電が吹き消え、再度発生するといった繰り返し現象(多重放電)を引き起こしてしまう虞がある。この多重放電が発生すると、点火プラグの電極温度が過剰に上昇してその電極の消耗を早めてしまうばかりか、火花放電が電極の一部に集中し易く電極の消耗に偏りを生じるため、点火プラグの耐久性に悪影響を及ぼすことになる。
【0007】
一方、近年、内燃機関用点火装置では、点火プラグに点火用高電圧を印加するために点火コイルの一次巻線への通電・非通電を切り換えるスイッチとして、パワートランジスタ等の半導体素子からなるスイッチング素子を使用する、所謂フルトランジスタ型の点火装置が一般的になっている。そして、こうしたフルトランジスタ型の点火装置によれば、点火コイルの一次巻線への通電時間を、スイッチング素子の駆動時間(オン時間)を調整することにより、容易に制御できる。このため、この種の内燃機関用点火装置では、内燃機関の運転状態に応じて、点火コイルの一次巻線への通電時間を制御することにより、火花エネルギを混合気の燃焼に必要な量に制御できることになる。
【0008】
しかし、点火コイルの一次巻線への通電時間を制御するようにした場合、通電時間を短くすると、通電により点火コイルに蓄積されるエネルギが小さくなるので、通電遮断によって二次巻線に発生する点火用高電圧も低くなってしまう。この結果、上記のような通電時間の制御では、例えば、内燃機関の高負荷高回転時のように、火花エネルギは比較的小さくてもよいが、火花放電のための要求電圧は高くなる運転条件下では、点火コイルの一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生する点火用高電圧が低くなりすぎ、点火コイルを火花放電させることができず、失火を招く虞がある。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、内燃機関用点火装置において、点火コイルの一次巻線への通電時間を制御することなく、点火プラグに供給する火花エネルギを必要最小限に抑え、特に希薄空燃比で燃焼する内燃機関においては、点火プラグでの多重放電の要因となる過剰な火花エネルギの供給を抑え、点火プラグの耐久性を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、二次巻線が、内燃機関に装着された点火プラグと共に閉ループを形成する点火コイルと、内燃機関の回転に同期して点火コイルの一次巻線に一定時間通電し、この通電電流の遮断により二次巻線に点火用高電圧を発生させて、点火プラグを火花放電させる火花放電発生手段と、を備えた内燃機関用点火装置であって、外部からの指令に従い、点火コイルの一次巻線の両端を短絡する一次巻線短絡手段と、内燃機関の運転状態に基づき、点火プラグの火花放電によって混合気を燃焼させるのに要する火花放電持続時間を算出する火花放電持続時間算出手段と、この火花放電持続時間算出手段にて0.2[mSec]以上となる範囲で算出された火花放電持続時間に応じて、一次巻線短絡手段を動作させて前記点火コイルの一次巻線の両端を短絡することで、点火プラグの火花放電を強制的に遮断する火花放電遮断手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このように、火花放電が発生している時に、一次巻線短絡手段によって一次巻線の両端を短絡すると、点火コイルに残されている磁束によって、一次巻線と一次巻線短絡手段とで形成される閉ループに電流が流れ始める。そして、この電流が次第に増加していき、点火コイルの鉄芯に残されている磁束によって発生可能な電流値に達すると、火花発生時に二次巻線に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線に誘導されるため、点火プラグでの火花放電が強制的に遮断される。
【0012】
そして、一次巻線の両端の短絡は、火花遮断時期よりも早い時期に実行する必要があるが、一次巻線の両端を短絡してから火花放電が遮断されるまでの時間は、点火コイルに残されている磁束が多いほど長くなり、残されている磁束が少ないほど短くなる。点火コイルに残されている磁束の大きさは、火花放電持続時間によって決まることから、一次巻線の両端を短絡する時期を、火花放電持続時間に基づいて設定すれば、正確な時期に火花遮断を行うことが可能になる。
【0013】
つまり、本発明(請求項1)において注目すべき点は、火花放電前における点火コイルの一次巻線への通電時間を制御するのではなく、火花放電持続時間算出手段が内燃機関の運転状態に基づいて0.2[mSec]以上となる範囲で算出した火花放電持続時間に応じて一次巻線の両端を短絡することで、点火プラグの火花放電持続時間の制御を行い、点火プラグに過剰な火花エネルギが供給されることを防止する点にある。
【0014】
このため、本発明によれば、火花放電前の一次巻線への通電時間を可変せずに充分長くすることができ、それにより、二次巻線に発生する点火用高電圧を、内燃機関のあらゆる運転条件下で確実に火花放電できる電圧にした状態で、点火プラグに供給される火花エネルギを制御することが可能になる。例えば、内燃機関の高負荷高回転時のように、火花エネルギが少なくてよい運転条件下では、高い点火用高電圧にて点火プラグを確実に火花放電させつつ、火花放電持続時間を短くすることで、点火プラグへの火花エネルギの過剰供給を抑えるといったことができる。また、逆に、内燃機関の低回転時のように混合気が着火しにくい運転条件下では、火花放電持続時間を長くして混合気を確実に燃焼させる、といったことができる。そして、火花放電持続時間を内燃機関の運転状態に基づいて最適に制御することにより、多重放電の発生も抑制できることから、点火プラグの電極の消耗を抑え、点火プラグの寿命を延ばすこともできる。
【0015】
ところで、火花放電を強制遮断するには、火花放電を発生するために一次巻線に電流を流していた外部電源とスイッチング手段とを用いて、再度、一次巻線に電流を流すようにしてもよい。この方法によれば、外部電源により強制的に一次巻線に電流が流されるため、スイッチング手段を短絡した後、火花放電が遮断されるまでの時間が短くなり、火花放電持続時間をより短く設定することが可能になる。しかし、この方法では、外部電源によって電流が供給されるため、一次巻線に通電される電流量が大きくなりがちで、スイッチング手段として半導体素子を用いた場合、半導体素子の発熱量が大きくなりがちである。このため、スイッチング手段として用いる半導体素子としては、発熱に耐えられる耐久性に優れた高価な半導体素子を用いる必要があり、コストが高くなるという問題が発生する。また、低価格の半導体素子を複数設けて、通電電流を分散させて半導体素子の発熱量を抑えることも出来るが、部品点数が多くなり制御処理が複雑になってしまう。
【0016】
これに対して、本発明(請求項1)の内燃機関用点火装置では、外部電源による再通電によって火花遮断するものではないことから、火花遮断時に一次巻線に通電される電流量を小さくすることができ、一次巻線短絡手段として半導体素子を用いる場合に、耐久性に優れた高価な半導体素子を用いる必要がない。また、一次巻線短絡手段は一次巻線の両端を短絡できれば良いことから、例えば、単数のスイッチング素子を用いることで実現でき、制御処理を単純化することができる。
【0017】
このため、本発明(請求項1)によれば、火花遮断を行うための内燃機関用点火装置を、低コストの部品材料を用いて、部品点数の少ない単純な構成で実現することが出来る。
一方、前述したように、一次巻線短絡手段は一次巻線の両端を短絡できれば良いことから、例えば、トランジスタや双方向性三端子サイリスタのような半導体スイッチング素子の他、機械式のリレースイッチ等を用いてもよい。しかし、点火コイルに残された磁束を完全に消費する前に一次巻線の両端を開放してしまうと、一次電流が急激に遮断されて再度火花放電が発生してしまう虞があるため、一次巻線に電流が流れなくなるまでは一次巻線の両端を短絡する必要がある。そして、前述したように、点火コイルに残された磁束の大きさは、火花放電持続時間によって異なるため、一次巻線の両端を開放する時期は、火花放電持続時間に基づいて設定する必要がある。
【0018】
そこで、一次巻線短絡手段を、請求項2に記載の発明のように、外部からの指令に従い、前記点火コイルに蓄積された磁束を消費する方向にのみ通電を許容して、前記点火コイルの一次巻線の両端を短絡した後、許容方向の電流が流れなくなることで一次巻線の両端を開放するスイッチング素子にて構成するとよい。
【0019】
つまり、一次巻線短絡手段が、外部からの指令によって一次巻線の短絡を開始した後、外部からの指令に依らず、一次巻線に電流が流れなくなることで、自動的に一次巻線の両端を開放する動作を行うのである。このため、一次巻線を開放する時期を火花放電持続時間に基づいて設定して一次巻線短絡手段を開放させる制御処理を行う必要がなくなり、一次巻線短絡手段の制御処理を簡略化することができる。
【0020】
また、点火コイルに残された磁束が完全に消費される前に、火花放電前の一次巻線への通電が開始された場合にも、許容方向とは反対の電流が流れるよう電圧が印加されることから、一次巻線短絡手段は、一次巻線の両端を開放することになる。このため、火花放電前の一次巻線通電時に一次巻線短絡手段が誤って一次巻線の両端を短絡してしまい、点火コイルへの火花エネルギの蓄積を妨害してしまうことを防止できる。
【0021】
なお、このように一次巻線の両端を短絡する方法としては、pnp型トランジスタ(Tr1)とnpn型トランジスタ(Tr2)とで構成した回路で一次巻線の両端を短絡する方法や、あるいは、外部指令信号がゲートに入力されるサイリスタによって一次巻線の両端を短絡する方法などがある。
【0022】
例えば、トランジスタで構成した回路で一次巻線の両端を短絡するには、Tr1のベースとTr2のコレクタを接続し、Tr1のコレクタとTr2のベースを接続し、Tr1およびTr2のエミッタを各々一次巻線に接続して構成した回路を用いるとよい。そして、この回路は、Tr2のベースに入力される外部指令信号がハイレベルになると、Tr2がオン状態になると共に、Tr1にベース電流が流れてTr1がオン状態となる。すると、Tr1のコレクタを介してTr2にベース電流が供給されるため、外部指令信号をローレベルとした後も、Tr2にベース電流が供給されている間は、Tr1およびTr2がオン状態を維持し、一次巻線に一次電流を流すことになる。そして、一次電流が小さくなりTr2がオフ状態になると、Tr1もオフ状態となり、一次巻線の両端を開放する。これにより、一次巻線の両端の開放する時期を設定し、一次巻線短絡手段を開放する制御処理を行う必要がなくなる。なお、本回路では、Tr1のエミッタから電流が流入し、Tr2のエミッタから電流が流出する方向にのみ通電を許容して、一次巻線に電流を流すことになる。
【0023】
また、サイリスタを用いて一次巻線の両端を短絡するには、後述する実施例に示すようにサイリスタを一次巻線と並列に接続するとよい。後述する実施例の回路によれば、ゲートに入力される外部指令信号がハイレベルになりサイリスタがオン状態になると、サイリスタの通電可能方向にのみ通電が許容されて一次巻線の両端が短絡され一次電流が流れる。このあと、ゲートに入力される外部指令信号をローレベルとしても、一次電流が通電されている間はサイリスタのオン状態が継続される。そして、一次電流が流れなくなるとサイリスタがオフ状態となり、一次巻線の両端を開放する。このようにサイリスタを用いる方法は、単数の半導体素子(サイリスタ)で構成可能であり、トランジスタにより構成する回路のように複数の半導体素子を用いる必要が無いことから、単純な構成で安価に実現することが可能という利点がある。
【0024】
したがって、本発明(請求項2)によれば、火花遮断における制御処理が簡略化できるとともに、点火コイルへの火花エネルギの蓄積を妨害する誤動作を防ぐことが出来るようになり、低コストで信頼性の高い内燃機関用点火装置を実現できる。
【0025】
次に、上述の請求項1または請求項2に記載の内燃機関用点火装置は、請求項3に記載のように、燃料として気体燃料を用いるガスエンジンで使用することで、より効果を発揮する。
気体燃料は、液体燃料であるガソリンに比べて絶縁性が高いため、相対的に火花放電電圧が高くなる。従って、気体燃料を用いるガスエンジン向けの点火コイルとしての最大二次電圧発生能力は、ガソリンエンジン向けのそれよりも高く設定しておく必要がある(例えば、ガソリンエンジン向けの点火コイルとしての最大二次電圧が30kV以上とすれば、ガスエンジン向けのそれは40kV以上に設定)。そこで、点火コイルの設計としては、一次巻線と二次巻線との一次/二次の巻き数比および巻き数を増やすこと、或いは遮断するための一次電流値を上げることが必要になる。しかしながら、前述のように点火コイルを設計することで、最大二次電圧発生能力は上昇するが、同時に火花エネルギも増加してしまう問題がある。このことは、火花放電持続時間と最大二次電流の相反する関係が関わっており、火花放電持続時間を短くするように設計する(点火コイルの設計としては、一次/二次の巻き数比を少なくする)と、二次電流のピーク値が大きくなってしまい、エネルギ密度が上昇することにより点火プラグの電極の消耗が促進されてしまう。また、二次電流値を少なくするように設計する(点火コイルの設計としては、一次/二次の巻き数を多くする)と、二次電流のピーク値は下がる代わりに火花放電持続時間が長くなってしまい、点火プラグの電極の消耗に影響を及ぼしてしまう。即ち、ガスエンジンではガソリンエンジンに比べ、点火プラグへの不要な火花エネルギの供給量が多くなることが考えられ、点火プラグの寿命をより短くしてしまう虞がある。
【0026】
このため、請求項3に記載のように、気体燃料を用いるガスエンジンに対して、請求項1または請求項2に記載の内燃機関用点火装置を適用すれば、燃料への着火を確実に行うとともに、低コストでプラグの電極消耗を抑制できるという、前述の効果をより発揮することができるのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず、図1は、第1実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。なお、本実施例では、単気筒の内燃機関について説明を行なうが、本発明は複数の気筒を備える内燃機関についても適用でき、各気筒毎の点火装置の基本構成は同様である。
【0028】
図1に示すように、実施例の内燃機関用点火装置1は、放電用の電気エネルギ(例えば電圧12V)を供給する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L2とからなる点火コイル15と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型のトランジスタ17と、一次巻線L1の両端を短絡するために一次巻線L1と並列接続されたサイリスタ21と、トランジスタ17及びサイリスタ21に対して、第1指令信号Sa及び第2指令信号Sbを各々出力する電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)19と、を備えている。
【0029】
これらのうち、トランジスタ17は、点火コイル15の一次巻線L1への通電・非通電を切り換える前述の半導体素子からなるスイッチング素子であり、本実施例の内燃機関用点火装置1は、フルトランジスタ型の点火装置である。
そして、一次巻線L1の一端は電源装置11の正極に接続され、他端はトランジスタ17のコレクタに接続されている。また、二次巻線L2の一端は、整流素子Dを介して、電源装置11の正極に接続されている一次巻線L1の一端に接続され、他端は点火プラグ13の中心電極13aに接続されている。そして、点火プラグ13の外側電極13bは、電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されており、トランジスタ17のベースはECU19と接続され、トランジスタ17のエミッタはグランドに接地されている。また、サイリスタ21は、カソードが一次巻線L1と電源装置11との接続端に、アノードが一次巻線L1とトランジスタ17との接続端に、ゲートがECU19に接続されている。
【0030】
そして、ECU19からトランジスタ17に対して出力される第1指令信号Saがローレベル(一般にグランド電位)である場合には、トランジスタ17にベース電流は流れず、トランジスタ17はオフ状態となり、トランジスタ17を通じて一次巻線L1に電流が流れることはない。また、第1指令信号Saがハイレベルである場合には、トランジスタ17はオン状態となり、電源装置11の正極側から点火コイル15の一次巻線L1を通って電源装置11の負極側に至る、一次巻線L1の通電経路を形成し、一次巻線L1に一次電流i1を流す。
【0031】
したがって、第1指令信号Saがハイレベルであり、一次巻線L1に一次電流i1が流れている状態の時に、第1指令信号Saがローレベルになると、トランジスタ17がターンオフし、一次巻線L1への一次電流i1の通電を停止(遮断)させることになる。すると、点火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加されることで、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0032】
尚、点火コイル15は、トランジスタ17による一次巻線L1への通電遮断により、点火プラグ13の中心電極13a側にグランド電位よりも低い負の点火用高電圧を発生させるように構成されており、火花放電に伴い二次巻線L2に流れる二次電流i2は、点火プラグ13の中心電極13aから二次巻線L2を通って、一次巻線L1側に流れる。また、二次巻線L2と一次巻線L1との接続部分には、二次巻線L2から一次巻線L1側に電流が流れるのを許容し、逆方向への電流の流れを阻止するために、ダイオード等からなる整流素子Dが設けられている。本実施例では、整流素子Dとして、アノードが二次巻線L2に、カソードが一次巻線L1に接続されたダイオードを設けており、整流素子Dの動作によって、トランジスタ17のターンオン時(一次巻線L1への通電開始時)に二次巻線L2に電流が流れるのが阻止される。
【0033】
次に、ECU19からサイリスタ21に対して出力される第2指令信号Sbがローレベルである場合には、サイリスタ21がオフ状態となるため、一次巻線L1の両端がサイリスタ21により短絡されることはない。また、第2指令信号Sbがハイレベルである場合、サイリスタ21がオン状態となり、点火コイル15の一次巻線L1の両端が短絡されて、一次巻線L1とサイリスタ21による閉ループが形成される。なお、サイリスタ21がオン状態のとき、一次巻線L1に流れる電流は、トランジスタ17がオン状態のときに流れる方向と同じ方向にのみ、流れることが許容される。
【0034】
続いて、図2に、図1に示す回路図における、第1指令信号Sa、第2指令信号Sb、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、点火コイル15の一次巻線L1に流れる一次電流i1、の各状態を表すタイムチャートを示す。
図2における時刻t1にて、第1指令信号Saをローからハイレベルに切り換え、点火コイル15の一次巻線L1に一次電流i1を流し、その後、予め設定された通電時間が経過した時刻t2にて、第1指令信号Saをハイからローレベルに切り換え、点火コイル15の一次巻線L1への一次電流i1の通電を遮断すると、点火プラグ13の中心電極13aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0035】
そして、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生し、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電持続時間が経過した時刻t3にて、第2指令信号Sbをローからハイレベルに切り替え、サイリスタ21をオン状態にして一次巻線L1の両端を短絡すると、点火コイル15に残されている磁束によって、一次巻線L1とサイリスタ21とにより形成される閉ループに一次電流i1が流れ始める。そして、この一次電流i1が次第に増加していき、点火コイル15の鉄芯に残されている磁束によって発生可能な電流値にまで一次電流i1が達すると(時刻t4)、火花発生時に二次巻線L2に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導されるため、点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断される。
【0036】
なお、点火プラグ13での火花放電を強制的に遮断するときの一次電流i1の値(以下、火花遮断電流値itという)は、点火コイル15の磁束−磁界特性(B−H特性)によって決定される。つまり、火花放電が遮断されるのは、一次電流i1により発生する磁界H[A/m]が、B−H特性上において、点火コイル15に残されている磁束B[T]に対応する磁界Hに達したときに、点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導されるためである。そして、点火コイル15に一次電流i1を流すことで発生する磁界Hが、火花放電を遮断する磁界Hとなるときの一次電流i1の電流値が火花遮断電流値itとなる。
【0037】
また、点火コイル15のB−H特性は、一般的に磁束Bが大きいほど磁界Hは大きくなるため、点火コイル15に残されている磁束Bが大きいほど、火花遮断電流値itは大きくなる。そのため、点火コイル15に残されている磁束Bが大きいほど、サイリスタ21をオン状態にした後、一次電流i1が火花遮断電流値itに達するまでの所要時間(以下、電流到達所要時間Tsという)は長くなる。
【0038】
そして、一次電流i1が火花遮断電流値itに到達して、点火プラグ13での火花放電が遮断されると、それまで増加していた一次電流i1が減少し始める。すると、一次電流i1の通電が続くと、点火コイル15に残されていた磁束が一次巻線L1の内部抵抗によって消費されて、一次電流i1が徐々に減少していき、磁束が消費されると一次電流i1は流れなくなる。このとき(時刻t5)、第2指令信号Sbがハイからローレベルに切り替えられて、サイリスタ21がターンオフして、一次巻線L1とサイリスタ21とによる閉ループが開放される。このようにして、内燃機関の1燃焼サイクルにおける火花放電が終了する。
【0039】
次に、このようにECU19において実行される点火制御処理を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度,スロットル開度,冷却水温,吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
【0040】
図3に示す点火制御処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃焼、排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行される。
そして、この点火制御処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検出された機関の運転状態を読込み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(いわゆる点火時期)ts、火花放電持続時間Tt、第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbおよび第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbを算出する。
【0041】
なお、火花放電発生時期tsは、例えば、内燃機関の吸入空気量と回転速度をパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった手順で算出される。
また、火花放電持続時間Ttは、例えば、内燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開度とに基づき、混合気を燃焼させるのに要する火花エネルギが大きい運転条件下(内燃機関の低負荷低回転時等)では長く、火花エネルギが小さくてよい運転条件下(高負荷高回転時等)では短くなるように、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。
【0042】
そして、第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbは、火花放電発生時期tsから火花放電持続時間Ttが経過した火花遮断時期で火花放電を遮断するように、火花遮断時期よりも電流到達所要時間Tsだけ早い時刻が設定される。なお、電流到達所要時間Tsは、火花放電持続時間Ttが長い場合(点火コイル15に残されている磁束Bが少ない場合)には短く、火花放電持続時間Ttが短い場合(点火コイル15に残されている磁束Bが多い場合)には長くなるように、例えば、火花放電持続時間Ttに基づいて、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。
【0043】
さらに、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbは、例えば、火花放電持続時間Ttに基づいて、点火コイル15に残された磁束Bが消費されるまでサイリスタ21のオン状態を継続するように、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。なお、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbは、火花放電持続時間Ttが長い場合(点火コイル15に残されている磁束Bが少ない場合)には短く、火花放電持続時間Ttが短い場合(点火コイル15に残されている磁束Bが多い場合)には長くなるように設定される。
【0044】
次に、S130では、S120にて算出した火花放電発生時期tsよりも、予め設定された一次巻線L1の通電時間だけ早い、一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開始時期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、第1指令信号Saをローからハイレベルに変化させる。
【0045】
S130の処理により、第1指令信号Saをローからハイレベルに切り換えると、トランジスタ17がオン状態になるため、点火コイル15の一次巻線L1に一次電流i1が流れる。また、火花放電発生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、一次巻線L1への通電によって、内燃機関のあらゆる運転条件下で混合気を燃焼させるのに要する最大の火花エネルギを点火コイル15に蓄積させるのに要する時間となるように、予め設定されている。
【0046】
そして、S140では、クランク角センサからの検出信号に基づき、S120で算出した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。S140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図2に示す時刻t2)、S150に移行する。
【0047】
S150では、図2の時刻t2に示したように、第1指令信号Saをハイからローレベルに反転させる。この結果、トランジスタ17がターンオフして、一次電流i1が遮断されて、点火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧が誘導され、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0048】
続いて、S160では、S140にて火花放電発生時期tsに達したと判断された後、S120にて算出した火花放電持続時間Ttで火花放電を遮断するように設定された第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbに達するまで待機する。そして、S160にて、第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbに達したと判断されると(図2に示した時刻t3)、S170に移行し、第2指令信号Sbをローからハイレベルに切り換える。
【0049】
これにより、サイリスタ21がオン状態となり、点火コイル15に残っている磁束によって、一次巻線L1とサイリスタ21とで形成される閉ループに一次電流i1が流れ始める。そして、この一次電流i1が増加して火花遮断電流値itに達すると(図2に示した時刻t4)、点火プラグ13での火花放電を強制的に遮断する。このあと、点火コイル15に残されていた磁束が、一次巻線L1の内部抵抗によって消費されていき、一次巻線L1とサイリスタ21との閉ループに流れる一次電流i1が減少していく。
【0050】
続く、S180では、S160で肯定判定された後、S120で算出された第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbが経過したか否かを判定しており、肯定判定された場合にはS190に移行し、否定判定された場合には、同じステップを繰り返し実行することで待機する。
【0051】
そして、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbが経過すると、S180にて肯定判定され(図2に示す時刻t5)、S190に移行し、S190にて、第2指令信号Sbをハイからローレベルに反転させて、本点火制御処理を終了する。
【0052】
なお、本実施例では、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbは、S120にて火花放電持続時間Ttに基づき値を設定するようにしているが、サイリスタを用いて一次巻線の両端を短絡しているため、火花放電持続時間Ttの長さに関わらす、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbに固定値を設定してもよい。
【0053】
つまり、一旦オン状態となったサイリスタは、外部条件によって電流が概略零になるまでオン状態を維持するため、一次電流i1が流れている間は、第2指令信号Sbがローレベルに切り換えられた後も、サイリスタ21はオン状態を継続する。このため、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbを、点火コイルの磁束が完全に消費される時間より短く設定し、第2指令信号Sbをローレベルに反転させた場合でも、一次電流i1が概略零になるまでサイリスタ21はオン状態を継続する。このあと、一次電流i1が概略零になった時点で自動的にサイリスタ21はオフ状態となり、一次巻線L1の両端を開放する。
【0054】
このため、サイリスタを用いた場合には、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbを、火花放電持続時間Ttに応じて設定することなく、固定値としても、最適な時刻で一次巻線L1の両端を開放することが可能になる。なお、固定値は、少なくともサイリスタをオン状態にすることが可能な長さとすればよい。
【0055】
また、サイリスタ21を用いると、点火コイル15に残された磁束が完全に消費される前に火花放電前の一次巻線L1への通電が開始された場合に、サイリスタ21には逆バイアスの電圧が印加されることから、一次巻線L1の両端を開放することになる。このため、サイリスタ21を用いることで、火花放電前の一次巻線通電時に誤って一次巻線の両端を短絡してしまい、点火コイルへの火花エネルギの蓄積を妨害してしまうことを防止できる。
【0056】
なお、サイリスタ21に代わりに、例えば、第2指令信号Sbがハイからローレベルに反転することで一次巻線の両端を開放するトランジスタを用いる際には、本実施例のように、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbを火花放電持続時間Ttに基づいて設定することで、正常に点火制御処理を行うことが出来る。
【0057】
そして、図2に示す時刻t5では、一次電流i1は概略零であるため、第2指令信号Sbがローレベルになるとともに、サイリスタ21がオフ状態となる。
なお、図2のタイムチャートにおいて、時刻t2が火花放電発生時期tsに相当し、時刻t2から時刻t4までの期間が火花放電持続時間Ttに、時刻t3が第2指令信号Sbのハイレベル変更時期tbに、時刻t3から時刻t5までの期間が第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbに、時刻t3から時刻t4までの期間が電流到達所要時間Tsに各々相当している。
【0058】
以上説明したように、本実施例の内燃機関用点火装置1においては、まず、ECU19が第1指令信号Saによってトランジスタ17をオン・オフさせることにより、点火コイル15の二次巻線L2に誘導した点火用高電圧を点火プラグ13に印加して、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電を発生させる。そして、内燃機関の運転状態に基づいて算出した火花放電持続時間Ttで火花放電を強制的に遮断するために、ECU19が第2指令信号Sbをハイレベルに反転してサイリスタ21をオン状態にし、一次巻線L1に電流を流して、火花放電を強制的に遮断している。
【0059】
このため、本実施例によれば、点火コイル15の一次巻線L1への火花放電前の通電時間を充分長くすることにより、二次巻線L2に発生させる点火用高電圧を、内燃機関のあらゆる運転条件下で確実に火花放電できる電圧した状態で、点火プラグ13に供給される火花エネルギを抑えることが可能になる。したがって、例えば、内燃機関の高負荷高回転時のように、火花エネルギが少なくてよい運転条件下では、高い点火用高電圧にて点火プラグを確実に火花放電させつつ、火花放電持続時間Ttを短くすることにより、点火プラグへの過剰な火花エネルギの供給を抑え、逆に、内燃機関の低回転時のように混合気が着火しにくい運転条件下では、火花放電持続時間Ttを長くして、混合気を確実に燃焼させる、といったことができる。
【0060】
そして、このように火花放電持続時間Ttを内燃機関の運転状態によって最適に制御することにより、多重放電の発生も抑制でき、点火プラグ13の中心電極13aおよび外側電極13bの消耗を抑え、点火プラグ13の寿命を延ばすことができる。
【0061】
また、本実施例は、発熱に対する耐久性に優れた高価な半導体素子ではなく、単数のサイリスタ21を設けることで、点火プラグ13での火花放電を強制的に遮断することができ、火花遮断を行うための内燃機関用点火装置を、低コストの部品材料を用いて、部品点数の少ない単純な構成で実現することが出来る。
【0062】
さらに、サイリスタを用いて一次巻線の両端を短絡する構成であることから、点火制御処理において、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間Tbを固定値としても、正常に火花遮断を実現でき、点火制御処理の簡略化を図ることも可能である。また、サイリスタを用いることで、火花放電前の一次巻線通電時に点火コイルへの火花エネルギの蓄積を妨害してしまうことを防止でき、信頼性の高い内燃機関用点火装置を実現できる。
【0063】
なお、本実施例では、トランジスタ17及びECU19が、特許請求の範囲に記載の火花放電発生手段に相当するものであり、サイリスタ21が一次巻線短絡手段に相当し、点火制御処理におけるS120が火花放電持続時間算出手段に相当し、点火制御処理におけるS170が火花放電遮断手段に相当するものである。
【0064】
次に、本発明を適用した内燃機関用点火装置によって、火花放電の強制遮断が可能であることを確認するために、実際に火花遮断を行うとともに、その時の点火コイル15の一次巻線に流れる一次電流i1、および二次巻線L2に流れる二次電圧Vpを測定した。
【0065】
測定は、バッテリ電圧を12[V]、火花放電前の一次巻線通電時間を4[ms]、通電遮断時の一次電流i1を5[A]として火花放電を発生させたあと、火花放電持続時間Ttを変化させて、各火花放電持続時間Tt毎の一次電流i1および二次電圧Vpの変化を記録して行った。火花放電持続時間Ttは、(a)火花放電を強制遮断しない場合、(b)火花放電持続時間Ttが2.0[mS]の場合、(c)火花放電持続時間Ttが1.0[mS]の場合、(d)火花放電持続時間Ttが0.5[mS]の場合、の4条件について測定を行った。
【0066】
図4に、その測定結果の波形(グラフ)を示す。なお、(a)から(d)の各測定結果には、IG信号、サイリスタゲート信号、一次電流i1、二次電圧(点火プラグの中心電極の電位)Vpの4本の波形を記載しており、各波形とも横軸レンジは、0.5[mSec]であり、また、各波形番号の矢印位置は、縦軸における各波形の基準となる0レベルを表している。
【0067】
そして、波形1が、第1指令信号Saに相当するIG信号であり、縦軸レンジは(5V/DIV)であり、IG信号のローレベル(0[V])が第1指令信号Saのハイレベルに、IG信号のハイレベル(5[V])が第1指令信号Saのローレベルに相当する。
【0068】
次に、波形2が、第2指令信号Sbに相当するサイリスタゲート信号であり、縦軸レンジは(5V/DIV)であり、サイリスタゲート信号のローレベル(0[V])が第2指令信号Sbのローレベルに、サイリスタゲート信号のハイレベル(7[V])が第2指令信号Sbのハイレベルに相当する。
【0069】
また、波形3が、一次電流i1であり、縦軸レンジは(2A/DIV)である。そして、波形4が、二次電圧Vpであり、縦軸レンジは(1kV/DIV)である。
(a)火花放電を強制遮断しない場合
この場合には、IG信号(波形1)がローからハイレベルに反転した後、二次電圧Vpが負側に大きく変動し火花放電が開始され、火花放電発生からおよそ3.0[mS]経過した後に電圧値が変動して0[V]となり、火花放電は自然に遮断されている。
【0070】
(b)火花放電持続時間Ttが2.0[mS]の場合
この場合、火花放電が開始された後、サイリスタゲート信号(波形2)がローからハイレベルに反転すると、一次電流i1(波形3)が増加して、およそ1.2[A]に達したところで、二次電圧Vp(波形4)が変動して0[V]となり、火花放電が強制的に遮断されている。このとき、サイリスタゲート信号がハイレベルとなったあと、火花放電が遮断されるまでの時間は、0.1[mSec]以下である。
【0071】
(c)火花放電持続時間Ttが1.0[mS]の場合
この場合、火花放電が開始された後、サイリスタゲート信号(波形2)がローからハイレベルに反転すると、一次電流i1(波形3)が増加を開始し、およそ2.5[A]に達したところで、二次電圧Vp(波形4)が変動して0[V]となり、火花放電が強制的に遮断されている。このとき、サイリスタゲート信号がハイレベルとなったあと、火花放電が遮断されるまでの時間は、およそ0.1[mSec]である。
【0072】
(d)火花放電持続時間Ttが0.5[mS]の場合
この場合、火花放電が開始された後、サイリスタゲート信号(波形2)がローからハイレベルに反転すると、一次電流i1(波形3)が増加を開始し、およそ3.9[A]に達したところで、二次電圧Vp(波形4)が変動して0[V]となり、火花放電が強制的に遮断されている。このとき、サイリスタゲート信号がハイレベルとなったあと、火花放電が遮断されるまでの時間は、およそ0.2[mSec]である。
【0073】
これらの測定結果から、本発明の内燃機関用点火装置を用いることで、火花放電持続時間Ttを変化させることが可能であることが判る。ところが、火花放電持続時間Ttが短くなるほど、サイリスタゲート信号がハイレベルとなってから火花放電が遮断されるまでの時間が長くなっており、火花放電持続時間Ttを短く設定するには限界があることも判った。しかしながら、内燃機関の運転に際して、実用上必要となる最短の火花放電持続時間Ttは、0.2[mSec]であり、実際の測定において、火花放電持続時間Ttを0.2[mSec]に設定可能であることが、本件の発明者によって確認されており、本発明の内燃機関用点火装置を実際に用いることは可能である。
【0074】
そして、図5に、火花放電持続時間Ttを0.5[mSec]とした場合の、複数回の火花放電波形を示す。なお、横軸レンジは5[mSec]であり、また、各波形番号の矢印位置は、縦軸における各波形の基準となる0レベルを表している。また、波形1がIG信号であり、波形2がサイリスタゲート信号であり、波形3が一次電流i1であり、波形4が二次電圧(点火プラグの中心電極の電位)Vpであり、各波形のレンジは、図4と同様である。
【0075】
図5に示す火花放電は、2[mSec]周期(3000rpmに相当)で行われており、各火花放電は火花放電持続時間Ttが0.5[mSec]に設定されて強制的に遮断されている。
図5に示すように、一次電流i1(波形3)が増加して5[A]であるときに、IG信号(波形1)がハイレベルになり一次電流i1を遮断することで火花放電が発生し、その後、火花放電持続時間Ttが0.5[mSec]となるようにサイリスタゲート信号(波形2)がハイレベルになる。そして、一次電流i1(波形3)が増加して火花遮断電流値itに達すると、火花放電が遮断される。さらに、時間経過に伴い一次電流i1が減少していき、一次電流i1が概略零となった時点で、サイリスタゲート信号がローレベルになる。これと同時にIG信号(波形1)がハイレベルになり、一次電流i1が再度通電されて増加していき、次の火花放電のための火花エネルギが蓄積される。そして、点火時期になるとIG信号がローレベルになり再び火花放電が発生する。この繰り返しによって、強制的に遮断される火花放電を周期的に発生させることで、混合気への着火を行う。
【0076】
この測定結果から、本発明を適用した内燃機関用点火装置を用いることで、周期的に行われる火花放電において火花遮断を行うことが出来ることが判る。
したがって、上記の測定結果から、本発明を適用した内燃機関用点火装置によれば、実用上必要となる範囲で火花放電持続時間Ttを変化させることができるとともに、周期的に行われる火花放電においても火花遮断を行うことが出来るようになる。これにより、内燃機関の運転状態に基づいて火花放電持続時間Ttを設定し、混合気への着火を行うことで、点火プラグへの過剰な火花エネルギの供給を防ぎ、点火プラグの電極の消耗が無駄に進んでしまうことを防ぐことが可能になる。
【0077】
そして、このような内燃機関用点火装置を、点火コイルの最大二次電圧が高く設定されるメタンガス等の気体燃料を使用するガスエンジンに用いれば、点火プラグの電極の無駄な消耗を有効に抑制することが可能になり、点火プラグの寿命を延ばすことが出来る。
【0078】
以上、本発明の実施例および測定結果について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、サイリスタに代わり、トランジスタを用いて一次巻線の両端を短絡するように内燃機関用点火装置を構成しても、火花放電を強制的に遮断して混合気への着火を行うことができ、点火プラグの電極の消耗を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図2】 実施例の内燃機関用点火装置の各部の状態を表すタイムチャートである。
【図3】 電子制御装置(ECU)が実行する点火制御処理を表すフローチャートである。
【図4】 火花放電持続時間を変化させた場合の一次電流と二次電圧を測定した結果を表すグラフである。
【図5】 複数回の火花放電を実行した場合の一次電流と二次電圧を測定した結果を表すグラフである。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…電源装置、13…点火プラグ、13a…中心電極、13b…外側電極、15…点火コイル、17…トランジスタ、19…ECU、21…サイリスタ、D…整流素子、L1…一次巻線、L2…二次巻線。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ignition device for an internal combustion engine that applies a high voltage for ignition to a spark plug to cause the spark plug to spark discharge.
[0002]
[Prior art]
In an internal combustion engine, it is known that the magnitude of spark energy required to obtain normal combustion of an air-fuel mixture varies depending on the operating state of the internal combustion engine. Here, the spark energy can be expressed as the magnitude of the current flowing in the spark discharge and the discharge time.
[0003]
For example, when the engine speed is low and the load is low, such as idling, the amount of air-fuel mixture filling the combustion chamber is small and the air-fuel mixture flows slowly, so that the air-fuel mixture burns very slowly. Therefore, it is necessary to assist the combustion of the air-fuel mixture by increasing the spark energy at the time of low rotation and low load. On the other hand, when the engine speed is high and the load is high, the amount of air-fuel mixture charged into the combustion chamber is large and the air-fuel mixture density increases, so that combustion proceeds faster, so that a relatively small spark energy is sufficient.
[0004]
Further, even when the air-fuel ratio of the air-fuel mixture is different, the required spark energy is different. For example, when the operation is performed with a lean air-fuel ratio of 20 or more performed by a lean burn engine or the like, the fuel density is low. Since the ignitability of the air-fuel mixture is low, the spark energy needs to be increased.
[0005]
For this reason, in the conventional ignition device for internal combustion engines, the maximum spark energy required in various operating states of the internal combustion engine can be supplied so that the spark energy does not become insufficient.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in such a conventional ignition device, the supply of spark energy becomes excessive in a state where it can be operated with less spark energy than the maximum required spark energy. This excessive supply of spark energy not only contributes to the ignitability of the air-fuel mixture, but also causes the electrode temperature of the spark plug to rise excessively and accelerates the consumption of the electrode. In particular, in an internal combustion engine that burns at a lean air-fuel ratio, ignitability cannot be obtained stably unless the fuel is made to be a homogeneously diffused gas mixture before spark discharge. It is known that the flow and tumble flow must be strong (fast). Therefore, in the second half of the spark discharge in which the spark energy is reduced due to the influence of the turbulent flow, there is a risk that a repetitive phenomenon (multiple discharge) occurs in which the spark discharge blows out and is generated again. When this multiple discharge occurs, not only will the electrode temperature of the spark plug rise excessively and the consumption of the electrode will be accelerated, but the spark discharge will tend to concentrate on a part of the electrode, causing an uneven consumption of the electrode. This will adversely affect the durability of the plug.
[0007]
On the other hand, in recent years, in an ignition device for an internal combustion engine, a switching element made of a semiconductor element such as a power transistor is used as a switch for switching energization / non-energization to a primary winding of an ignition coil in order to apply a high voltage for ignition to an ignition plug. A so-called full-transistor type ignition device that uses a soot is generally used. According to such a full transistor ignition device, the energization time to the primary winding of the ignition coil can be easily controlled by adjusting the driving time (ON time) of the switching element. For this reason, in this type of internal combustion engine ignition device, the amount of spark energy required for combustion of the air-fuel mixture is controlled by controlling the energization time to the primary winding of the ignition coil in accordance with the operating state of the internal combustion engine. You can control it.
[0008]
However, when the energization time to the primary winding of the ignition coil is controlled, if the energization time is shortened, the energy accumulated in the ignition coil is reduced by energization. The high voltage for ignition is also lowered. As a result, in the control of the energization time as described above, for example, when the internal combustion engine is at a high load and high speed, the spark energy may be relatively small, but the operating condition in which the required voltage for the spark discharge is high. Below, when the energization to the primary winding of the ignition coil is cut off, the high voltage for ignition generated in the secondary winding becomes too low, and the ignition coil cannot be subjected to spark discharge, which may cause misfire.
[0009]
The present invention has been made in view of these problems, and in an ignition device for an internal combustion engine, the spark energy supplied to the spark plug is suppressed to the minimum necessary without controlling the energization time to the primary winding of the ignition coil. In particular, in an internal combustion engine that burns at a lean air-fuel ratio, an object is to suppress the supply of excessive spark energy, which causes multiple discharges in the spark plug, and to improve the durability of the spark plug.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, the invention according to
[0011]
Thus, when both ends of the primary winding are short-circuited by the primary winding short-circuit means when the spark discharge is occurring, the primary winding and the primary winding short-circuit means are formed by the magnetic flux remaining in the ignition coil. Current begins to flow in the closed loop. And when this current gradually increases and reaches a current value that can be generated by the magnetic flux remaining in the iron core of the ignition coil, what is the high voltage for ignition generated in the secondary winding at the time of spark generation? Since a reverse polarity voltage is induced in the secondary winding, the spark discharge at the spark plug is forcibly cut off.
[0012]
And it is necessary to execute the short circuit at both ends of the primary winding at an earlier time than the spark cut-off time, but the time from short-circuiting both ends of the primary winding until the spark discharge is cut off is limited to the ignition coil. The longer the remaining magnetic flux is, the longer it is, and the shorter the remaining magnetic flux is, the shorter it is. Since the magnitude of the magnetic flux remaining in the ignition coil is determined by the spark discharge duration, if the timing for short-circuiting both ends of the primary winding is set based on the spark discharge duration, the spark is interrupted at the correct timing. It becomes possible to do.
[0013]
That is, the point to be noted in the present invention (Claim 1) is not to control the energization time to the primary winding of the ignition coil before the spark discharge, but the spark discharge duration calculation means is in the operating state of the internal combustion engine. On the basis of Within the range of 0.2 [mSec] or more By short-circuiting both ends of the primary winding in accordance with the calculated spark discharge duration, the spark discharge duration of the spark plug is controlled to prevent excessive spark energy from being supplied to the spark plug. .
[0014]
For this reason, according to the present invention, the energization time to the primary winding before the spark discharge can be made sufficiently long without changing it, whereby the ignition high voltage generated in the secondary winding is reduced to the internal combustion engine. It is possible to control the spark energy supplied to the spark plug in a state in which the voltage can be surely discharged under any operating condition. For example, under operating conditions where the spark energy may be low, such as during high-load high-speed rotation of an internal combustion engine, the spark plug is reliably discharged with a high ignition high voltage and the spark discharge duration is shortened. Thus, excessive supply of spark energy to the spark plug can be suppressed. Conversely, under operating conditions where the air-fuel mixture is difficult to ignite, such as when the internal combustion engine is running at a low speed, the spark discharge duration can be lengthened to reliably burn the air-fuel mixture. Since the occurrence of multiple discharge can be suppressed by optimally controlling the spark discharge duration based on the operating state of the internal combustion engine, it is possible to suppress wear of the electrode of the spark plug and extend the life of the spark plug.
[0015]
By the way, in order to forcibly cut off the spark discharge, the current may be supplied to the primary winding again by using the external power source and the switching means that have supplied the current to the primary winding in order to generate the spark discharge. Good. According to this method, since the current is forced to flow through the primary winding by the external power supply, the time until the spark discharge is cut off after the switching means is short-circuited is shortened, and the spark discharge duration is set shorter. It becomes possible to do. However, in this method, since current is supplied from an external power source, the amount of current supplied to the primary winding tends to increase, and when a semiconductor element is used as a switching means, the amount of heat generated by the semiconductor element tends to increase. It is. For this reason, as a semiconductor element used as a switching means, it is necessary to use an expensive semiconductor element excellent in durability that can withstand heat generation, which causes a problem of high cost. In addition, a plurality of low-cost semiconductor elements can be provided to disperse the energization current to suppress the heat generation amount of the semiconductor elements. However, the number of parts increases and the control processing becomes complicated.
[0016]
On the other hand, in the ignition device for an internal combustion engine of the present invention (Claim 1), since the spark is not interrupted by re-energization by an external power source, the amount of current that is supplied to the primary winding when the spark is interrupted is reduced. In the case where a semiconductor element is used as the primary winding short-circuit means, there is no need to use an expensive semiconductor element having excellent durability. Further, since the primary winding short-circuit means only needs to be able to short-circuit both ends of the primary winding, for example, it can be realized by using a single switching element, and the control processing can be simplified.
[0017]
For this reason, according to the present invention (Claim 1), the ignition device for an internal combustion engine for performing the spark shut-off can be realized with a simple configuration with a small number of parts using a low-cost part material.
On the other hand, as described above, the primary winding short-circuit means only needs to be able to short-circuit both ends of the primary winding. For example, in addition to semiconductor switching elements such as transistors and bidirectional three-terminal thyristors, mechanical relay switches, etc. May be used. However, if both ends of the primary winding are opened before the magnetic flux remaining in the ignition coil is completely consumed, the primary current may be suddenly interrupted and spark discharge may occur again. It is necessary to short-circuit both ends of the primary winding until no current flows through the winding. As described above, since the magnitude of the magnetic flux left in the ignition coil differs depending on the spark discharge duration, it is necessary to set the timing for opening both ends of the primary winding based on the spark discharge duration. .
[0018]
Accordingly, the primary winding short-circuiting means is allowed to be energized only in the direction in which the magnetic flux accumulated in the ignition coil is consumed according to a command from the outside, as in the invention described in
[0019]
In other words, after the primary winding short-circuiting means starts short-circuiting the primary winding in response to an external command, the current does not flow to the primary winding automatically regardless of the external command. The operation of opening both ends is performed. For this reason, it is not necessary to perform a control process for opening the primary winding short circuit means by setting the timing for opening the primary winding based on the spark discharge duration, and simplifying the control process for the primary winding short circuit means Can do.
[0020]
In addition, even when energization of the primary winding before spark discharge is started before the magnetic flux remaining in the ignition coil is completely consumed, a voltage is applied so that a current opposite to the allowable direction flows. Therefore, the primary winding short-circuit means opens both ends of the primary winding. For this reason, it is possible to prevent the primary winding short-circuiting means from accidentally short-circuiting both ends of the primary winding when the primary winding is energized before spark discharge, thereby preventing the accumulation of spark energy in the ignition coil.
[0021]
In addition, as a method of short-circuiting both ends of the primary winding in this way, a method of short-circuiting both ends of the primary winding with a circuit constituted by a pnp-type transistor (Tr1) and an npn-type transistor (Tr2), or an external There is a method of short-circuiting both ends of the primary winding by a thyristor to which a command signal is input to the gate.
[0022]
For example, in order to short-circuit both ends of the primary winding in a circuit composed of transistors, the base of Tr1 and the collector of Tr2 are connected, the collector of Tr1 and the base of Tr2 are connected, and the emitters of Tr1 and Tr2 are respectively connected to the primary winding. A circuit connected to a line may be used. In this circuit, when the external command signal input to the base of Tr2 becomes high level, Tr2 is turned on, and a base current flows through Tr1, so that Tr1 is turned on. Then, since the base current is supplied to Tr2 via the collector of Tr1, Tr1 and Tr2 maintain the ON state while the base current is supplied to Tr2 even after the external command signal is set to the low level. Then, a primary current is passed through the primary winding. When the primary current is reduced and Tr2 is turned off, Tr1 is also turned off, and both ends of the primary winding are opened. As a result, it is not necessary to set a timing for opening both ends of the primary winding and perform control processing to open the primary winding short-circuit means. In this circuit, the current is allowed to flow only in the direction in which the current flows from the emitter of Tr1 and the current flows from the emitter of Tr2, and the current flows in the primary winding.
[0023]
Further, in order to short-circuit both ends of the primary winding using a thyristor, the thyristor may be connected in parallel with the primary winding as shown in an embodiment described later. According to the circuit of the embodiment described later, when the external command signal input to the gate becomes a high level and the thyristor is turned on, energization is permitted only in the energized direction of the thyristor and both ends of the primary winding are short-circuited. Primary current flows. After this, even if the external command signal input to the gate is set to the low level, the thyristor is kept on while the primary current is energized. When the primary current stops flowing, the thyristor is turned off and both ends of the primary winding are opened. As described above, the method using the thyristor can be configured by a single semiconductor element (thyristor), and since it is not necessary to use a plurality of semiconductor elements unlike a circuit configured by a transistor, it can be realized at a low cost with a simple configuration. There is an advantage that it is possible.
[0024]
Therefore, according to the present invention (Claim 2), it is possible to simplify the control process in the spark cutoff and to prevent malfunctions that hinder the accumulation of spark energy in the ignition coil. An internal combustion engine ignition device having a high level can be realized.
[0025]
Next, the ignition device for an internal combustion engine according to
Since gaseous fuel has higher insulation than gasoline, which is liquid fuel, the spark discharge voltage is relatively high. Therefore, the maximum secondary voltage generation capability as an ignition coil for a gas engine using gaseous fuel needs to be set higher than that for a gasoline engine (for example, the maximum secondary voltage as an ignition coil for a gasoline engine). If the next voltage is 30 kV or more, that for gas engines is set to 40 kV or more). Therefore, as the design of the ignition coil, it is necessary to increase the primary / secondary winding ratio and the number of windings between the primary winding and the secondary winding, or to increase the primary current value for blocking. However, by designing the ignition coil as described above, the maximum secondary voltage generation capability increases, but at the same time, there is a problem that the spark energy also increases. This is related to the contradictory relationship between the spark discharge duration and the maximum secondary current, and is designed to shorten the spark discharge duration (the ignition coil is designed to have a primary / secondary winding ratio. If it is reduced), the peak value of the secondary current becomes large, and the energy density increases, so that the consumption of the electrode of the spark plug is promoted. In addition, if the secondary current value is designed to be small (as the design of the ignition coil, the primary / secondary winding number is increased), the peak value of the secondary current will be lowered, but the spark discharge duration will be longer. This will affect the consumption of the electrode of the spark plug. That is, it is conceivable that the amount of unnecessary spark energy supplied to the spark plug is larger in the gas engine than in the gasoline engine, which may shorten the life of the spark plug.
[0026]
For this reason, if the ignition device for an internal combustion engine according to
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
First, FIG. 1 is an electric circuit diagram showing the configuration of the internal combustion engine ignition device of the first embodiment. In this embodiment, a single cylinder internal combustion engine will be described. However, the present invention can also be applied to an internal combustion engine having a plurality of cylinders, and the basic configuration of the ignition device for each cylinder is the same.
[0028]
As shown in FIG. 1, an internal combustion
[0029]
Among these, the transistor 17 is a switching element composed of the above-described semiconductor element that switches between energization and de-energization of the primary winding L1 of the
One end of the primary winding L1 is connected to the positive electrode of the power supply device 11, and the other end is connected to the collector of the transistor 17. Further, one end of the secondary winding L2 is connected to one end of the primary winding L1 connected to the positive electrode of the power supply device 11 via the rectifying element D, and the other end is connected to the center electrode 13a of the spark plug 13. Has been. The outer electrode 13b of the spark plug 13 is grounded to the ground having the same potential as the negative electrode of the power supply device 11, the base of the transistor 17 is connected to the ECU 19, and the emitter of the transistor 17 is grounded. The thyristor 21 has a cathode connected to the connection end between the primary winding L1 and the power supply device 11, an anode connected to the connection end between the primary winding L1 and the transistor 17, and a gate connected to the ECU 19.
[0030]
When the first command signal Sa output from the ECU 19 to the transistor 17 is at a low level (generally a ground potential), no base current flows through the transistor 17 and the transistor 17 is turned off. No current flows through the primary winding L1. Further, when the first command signal Sa is at a high level, the transistor 17 is turned on, and reaches from the positive electrode side of the power supply device 11 to the negative electrode side of the power supply device 11 through the primary winding L1 of the
[0031]
Therefore, when the first command signal Sa is at a low level when the first command signal Sa is at a high level and the primary current i1 is flowing through the primary winding L1, the transistor 17 is turned off and the primary winding L1 is turned off. The primary current i1 is stopped (cut off). Then, a high voltage for ignition is generated in the secondary winding L <b> 2 of the
[0032]
The
[0033]
Next, when the second command signal Sb output from the ECU 19 to the thyristor 21 is at a low level, the thyristor 21 is turned off, so that both ends of the primary winding L1 are short-circuited by the thyristor 21. There is no. When the second command signal Sb is at a high level, the thyristor 21 is turned on, both ends of the primary winding L1 of the
[0034]
2 shows the first command signal Sa, the second command signal Sb, the potential Vp of the center electrode 13a of the spark plug 13, and the primary current flowing in the primary winding L1 of the
At time t1 in FIG. 2, the first command signal Sa is switched from the low level to the high level, the primary current i1 is supplied to the primary winding L1 of the
[0035]
Then, at the time t3 when a spark discharge occurs between the electrodes 13a-13b of the spark plug 13 and the spark discharge duration calculated based on the operating state of the internal combustion engine has elapsed, the second command signal Sb is changed from low to high. When the thyristor 21 is turned on and both ends of the primary winding L1 are short-circuited, the primary current i1 is applied to the closed loop formed by the primary winding L1 and the thyristor 21 by the magnetic flux remaining in the
[0036]
Note that the value of the primary current i1 when the spark discharge at the spark plug 13 is forcibly cut off (hereinafter referred to as a spark cut-off current value it) is determined by the magnetic flux-magnetic field characteristic (BH characteristic) of the
[0037]
Further, the BH characteristic of the
[0038]
When the primary current i1 reaches the spark cut-off current value it and the spark discharge at the spark plug 13 is cut off, the primary current i1 that has increased until then starts to decrease. Then, when energization of the primary current i1 continues, the magnetic flux remaining in the
[0039]
Next, the ignition control process executed in the ECU 19 in this way will be described along the flowchart shown in FIG.
The ECU 19 is for comprehensively controlling the spark discharge generation timing, fuel injection amount, idle speed, etc. of the internal combustion engine. Operation state detection processing is performed to detect the operation state of each part of the engine, such as the air amount (intake pipe pressure), rotation speed, throttle opening, cooling water temperature, intake air temperature, and the like.
[0040]
The ignition control process shown in FIG. 3 is performed, for example, in one combustion cycle in which the internal combustion engine performs intake, compression, combustion, and exhaust based on a signal from a crank angle sensor that detects the rotation angle (crank angle) of the internal combustion engine. It is executed at the rate of times.
When the ignition control process is started, first, in S110 (S represents a step), the operating state of the engine detected in the separately executed operating state detection process is read, and in S120, the reading is performed. Based on the operating state, a spark discharge occurrence timing (so-called ignition timing) ts, a spark discharge duration Tt, a high level change timing tb of the second command signal Sb, and a high level duration Tb of the second command signal Sb are calculated.
[0041]
The spark discharge occurrence timing ts is obtained by, for example, obtaining a control reference value using a map or a calculation formula using the intake air amount and the rotation speed of the internal combustion engine as parameters, and correcting this based on the cooling water temperature, the intake air temperature, and the like. It is calculated in the following procedure.
Further, the spark discharge duration Tt is determined based on, for example, the operating conditions under which the spark energy required to burn the air-fuel mixture is large (the low load and low load of the internal combustion engine) based on the rotational speed of the internal combustion engine and the throttle opening representing the engine load. It is calculated by using a preset map or calculation formula so that it is long under rotation conditions (such as rotation) and short under operating conditions where the spark energy may be small (such as during high load high rotation).
[0042]
The high level change time tb of the second command signal Sb is the time required to reach the current more than the spark cut-off time so that the spark discharge is cut off at the spark cut-off time when the spark discharge duration Tt has elapsed from the spark discharge occurrence time ts. The time earlier by Ts is set. The current required time Ts is short when the spark discharge duration Tt is long (when the magnetic flux B remaining in the
[0043]
Furthermore, the high level duration Tb of the second command signal Sb is set so that the thyristor 21 is kept on until the magnetic flux B remaining in the
[0044]
Next, in S130, an energization start timing of the primary winding L1 that is earlier than the spark discharge occurrence timing ts calculated in S120 by a preset energization time of the primary winding L1 is obtained, and the energization start timing is reached. At the time (time t1 shown in FIG. 2), the first command signal Sa is changed from low to high level.
[0045]
When the first command signal Sa is switched from the low level to the high level by the process of S130, the transistor 17 is turned on, so that the primary current i1 flows through the primary winding L1 of the
[0046]
In S140, based on the detection signal from the crank angle sensor, it is determined whether or not the spark discharge occurrence time ts calculated in S120 has been reached. If the determination is negative, the same step is repeated. The process waits until the spark discharge occurrence time ts is reached. If it is determined in S140 that the spark discharge occurrence time ts has been reached (time t2 shown in FIG. 2), the process proceeds to S150.
[0047]
In S150, as shown at time t2 in FIG. 2, the first command signal Sa is inverted from high to low level. As a result, the transistor 17 is turned off, the primary current i1 is cut off, a high voltage for ignition is induced in the secondary winding L2 of the
[0048]
Subsequently, in S160, after it is determined in S140 that the spark discharge occurrence time ts has been reached, the second command signal Sb set to shut off the spark discharge with the spark discharge duration Tt calculated in S120. It is determined whether or not the high level change time tb has been reached. If the determination is negative, the same step is repeatedly executed to wait until the high level change time tb of the second command signal Sb is reached. When it is determined in S160 that the high level change timing tb of the second command signal Sb has been reached (time t3 shown in FIG. 2), the process proceeds to S170, and the second command signal Sb is changed from low to high level. Switch to.
[0049]
As a result, the thyristor 21 is turned on, and the primary current i <b> 1 starts to flow in the closed loop formed by the primary winding L <b> 1 and the thyristor 21 due to the magnetic flux remaining in the
[0050]
Subsequently, in S180, after an affirmative determination is made in S160, it is determined whether or not the high level duration time Tb of the second command signal Sb calculated in S120 has elapsed. If a negative determination is made, the process waits by repeatedly executing the same steps.
[0051]
When the high level duration time Tb of the second command signal Sb has elapsed, an affirmative determination is made in S180 (time t5 shown in FIG. 2), the process proceeds to S190, and the second command signal Sb is changed from high to low in S190. The ignition control process is terminated after inverting the level.
[0052]
In the present embodiment, the high-level duration Tb of the second command signal Sb is set based on the spark discharge duration Tt in S120. However, both ends of the primary winding are set using thyristors. Since it is short-circuited, a fixed value may be set for the high level duration Tb of the second command signal Sb related to the length of the spark discharge duration Tt.
[0053]
That is, the thyristor once turned on is kept on until the current becomes substantially zero due to an external condition. Therefore, the second command signal Sb is switched to the low level while the primary current i1 flows. After that, the thyristor 21 continues to be on. For this reason, even when the high level duration Tb of the second command signal Sb is set shorter than the time during which the magnetic flux of the ignition coil is completely consumed and the second command signal Sb is inverted to the low level, the primary current i1 The thyristor 21 continues to be turned on until becomes substantially zero. Thereafter, when the primary current i1 becomes substantially zero, the thyristor 21 is automatically turned off to open both ends of the primary winding L1.
[0054]
For this reason, when the thyristor is used, the primary winding L1 can be set at an optimal time even if it is a fixed value without setting the high level duration Tb of the second command signal Sb according to the spark discharge duration Tt. It becomes possible to open both ends. The fixed value may be at least a length that enables the thyristor to be turned on.
[0055]
Further, when the thyristor 21 is used, the energization of the primary winding L1 before the spark discharge is started before the magnetic flux remaining in the
[0056]
Instead of the thyristor 21, for example, when using a transistor that opens both ends of the primary winding by inverting the second command signal Sb from high to low level, the second command signal Sb is used as in the present embodiment. By setting the high level duration Tb of the signal Sb based on the spark discharge duration Tt, the ignition control process can be normally performed.
[0057]
At time t5 shown in FIG. 2, since the primary current i1 is substantially zero, the second command signal Sb becomes low level and the thyristor 21 is turned off.
In the time chart of FIG. 2, the time t2 corresponds to the spark discharge occurrence time ts, the period from the time t2 to the time t4 is the spark discharge duration Tt, and the time t3 is the high level change time of the second command signal Sb. At tb, the period from time t3 to time t5 corresponds to the high level duration Tb of the second command signal Sb, and the period from time t3 to time t4 corresponds to the current required time Ts.
[0058]
As described above, in the internal combustion
[0059]
For this reason, according to the present embodiment, the ignition high voltage to be generated in the secondary winding L2 is increased by increasing the energization time before the spark discharge to the primary winding L1 of the
[0060]
In addition, by optimally controlling the spark discharge duration Tt according to the operating state of the internal combustion engine in this way, the occurrence of multiple discharges can be suppressed, the consumption of the center electrode 13a and the outer electrode 13b of the spark plug 13 can be suppressed, and the spark plug The service life of 13 can be extended.
[0061]
Further, in the present embodiment, the spark discharge at the spark plug 13 can be forcibly interrupted by providing a single thyristor 21 instead of an expensive semiconductor element excellent in durability against heat generation. The ignition device for an internal combustion engine to be performed can be realized with a simple configuration with a small number of parts by using low-cost parts materials.
[0062]
Furthermore, since both ends of the primary winding are short-circuited using a thyristor, even in the ignition control process, even if the high level duration Tb of the second command signal Sb is a fixed value, the spark can be normally cut off. It is also possible to simplify the ignition control process. Further, by using the thyristor, it is possible to prevent the accumulation of the spark energy in the ignition coil when the primary winding is energized before the spark discharge, and to realize a highly reliable internal combustion engine ignition device.
[0063]
In this embodiment, the transistor 17 and the ECU 19 correspond to the spark discharge generating means described in the claims, the thyristor 21 corresponds to the primary winding short-circuit means, and S120 in the ignition control process is spark. This corresponds to the discharge duration calculation means, and S170 in the ignition control process corresponds to the spark discharge cutoff means.
[0064]
Next, in order to confirm that the spark discharge can be forcibly interrupted by the internal combustion engine ignition device to which the present invention is applied, the spark is actually interrupted and flows to the primary winding of the
[0065]
Measurement is performed with the battery voltage set to 12 [V], the primary winding energization time before the spark discharge set to 4 [ms], and the primary current i1 when the energization is cut off set to 5 [A], and then the spark discharge is continued. The time Tt was changed, and changes in the primary current i1 and the secondary voltage Vp for each spark discharge duration Tt were recorded. The spark discharge duration Tt is (a) when the spark discharge is not forcibly cut off, (b) when the spark discharge duration Tt is 2.0 [mS], and (c) the spark discharge duration Tt is 1.0 [mS. ], (D) Measurement was carried out for the four conditions when the spark discharge duration Tt was 0.5 [mS].
[0066]
FIG. 4 shows a waveform (graph) of the measurement result. In each measurement result of (a) to (d), four waveforms of IG signal, thyristor gate signal, primary current i1, and secondary voltage (potential of the center electrode of the spark plug) Vp are described. The horizontal axis range of each waveform is 0.5 [mSec], and the arrow position of each waveform number represents the 0 level that is the reference of each waveform on the vertical axis.
[0067]
The
[0068]
Next, the
[0069]
(A) When spark discharge is not forcibly cut off
In this case, after the IG signal (waveform 1) is inverted from low to high level, the secondary voltage Vp largely fluctuates to the negative side and spark discharge is started, and approximately 3.0 [mS] has elapsed since the occurrence of the spark discharge. After that, the voltage value fluctuates to 0 [V], and the spark discharge is naturally cut off.
[0070]
(B) When the spark discharge duration Tt is 2.0 [mS]
In this case, after the spark discharge is started, when the thyristor gate signal (waveform 2) is inverted from low to high level, the primary current i1 (waveform 3) increases and reaches about 1.2 [A]. The secondary voltage Vp (waveform 4) fluctuates to 0 [V], and the spark discharge is forcibly cut off. At this time, the time until the spark discharge is cut off after the thyristor gate signal becomes high level is 0.1 [mSec] or less.
[0071]
(C) When the spark discharge duration Tt is 1.0 [mS]
In this case, after the spark discharge is started, when the thyristor gate signal (waveform 2) is inverted from low to high level, the primary current i1 (waveform 3) starts increasing and reaches approximately 2.5 [A]. By the way, the secondary voltage Vp (waveform 4) fluctuates to 0 [V], and the spark discharge is forcibly cut off. At this time, the time from when the thyristor gate signal becomes high level until the spark discharge is cut off is approximately 0.1 [mSec].
[0072]
(D) When the spark discharge duration Tt is 0.5 [mS]
In this case, after the spark discharge is started, when the thyristor gate signal (waveform 2) is inverted from low to high level, the primary current i1 (waveform 3) starts increasing and reaches approximately 3.9 [A]. By the way, the secondary voltage Vp (waveform 4) fluctuates to 0 [V], and the spark discharge is forcibly cut off. At this time, the time from when the thyristor gate signal becomes high level until the spark discharge is cut off is approximately 0.2 [mSec].
[0073]
From these measurement results, it is understood that the spark discharge duration Tt can be changed by using the internal combustion engine ignition device of the present invention. However, the shorter the spark discharge duration Tt, the longer the time from when the thyristor gate signal becomes high level until the spark discharge is cut off, and there is a limit to setting the spark discharge duration Tt short. I also understood that. However, when the internal combustion engine is operated, the shortest spark discharge duration Tt necessary for practical use is 0.2 [mSec], and in actual measurement, the spark discharge duration Tt is set to 0.2 [mSec]. It has been confirmed by the inventor of the present case that it is possible, and it is possible to actually use the ignition device for an internal combustion engine of the present invention.
[0074]
FIG. 5 shows a plurality of spark discharge waveforms when the spark discharge duration Tt is 0.5 [mSec]. The horizontal axis range is 5 [mSec], and the arrow position of each waveform number represents the 0 level that is the reference of each waveform on the vertical axis. Also,
[0075]
The spark discharge shown in FIG. 5 is performed at a cycle of 2 [mSec] (corresponding to 3000 rpm), and each spark discharge is forcibly cut off with the spark discharge duration Tt set to 0.5 [mSec]. Yes.
As shown in FIG. 5, when the primary current i1 (waveform 3) increases to 5 [A], the IG signal (waveform 1) goes high and the primary current i1 is cut off to generate a spark discharge. Thereafter, the thyristor gate signal (waveform 2) becomes high level so that the spark discharge duration Tt becomes 0.5 [mSec]. When the primary current i1 (waveform 3) increases and reaches the spark breaking current value it, the spark discharge is cut off. Furthermore, as the time elapses, the primary current i1 decreases, and when the primary current i1 becomes approximately zero, the thyristor gate signal becomes low level. At the same time, the IG signal (waveform 1) goes high, the primary current i1 is energized again and increases, and spark energy for the next spark discharge is accumulated. At the ignition timing, the IG signal becomes low level and spark discharge occurs again. By repeating this, a spark discharge that is forcibly cut off is periodically generated to ignite the air-fuel mixture.
[0076]
From this measurement result, it can be seen that by using the internal combustion engine ignition device to which the present invention is applied, it is possible to perform a spark interruption in a periodic spark discharge.
Therefore, from the above measurement results, according to the ignition device for an internal combustion engine to which the present invention is applied, the spark discharge duration Tt can be changed within a practically required range, and in the spark discharge performed periodically. Will also be able to cut off sparks. Thus, by setting the spark discharge duration Tt based on the operating state of the internal combustion engine and igniting the air-fuel mixture, excessive spark energy supply to the spark plug is prevented, and the spark plug electrode is consumed. It is possible to prevent progressing in vain.
[0077]
If such an ignition device for an internal combustion engine is used in a gas engine using a gaseous fuel such as methane gas in which the maximum secondary voltage of the ignition coil is set high, it is possible to effectively suppress wasteful consumption of the spark plug electrode. It is possible to extend the life of the spark plug.
[0078]
As mentioned above, although the Example of this invention and the measurement result were demonstrated, this invention is not limited to the said Example, Various aspects can be taken.
For example, even if the internal combustion engine ignition device is configured to short-circuit both ends of the primary winding using a transistor instead of a thyristor, the spark discharge can be forcibly interrupted to ignite the mixture. It is possible to suppress the consumption of the spark plug electrode.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an electric circuit diagram showing a configuration of an internal combustion engine ignition device according to an embodiment.
FIG. 2 is a time chart showing the state of each part of the internal combustion engine ignition device according to the embodiment.
FIG. 3 is a flowchart showing an ignition control process executed by an electronic control unit (ECU).
FIG. 4 is a graph showing a result of measuring a primary current and a secondary voltage when changing a spark discharge duration.
FIG. 5 is a graph showing a result of measuring a primary current and a secondary voltage when a plurality of spark discharges are executed.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
内燃機関の回転に同期して前記点火コイルの一次巻線に一定時間通電し、該通電電流の遮断により前記二次巻線に点火用高電圧を発生させて、前記点火プラグを火花放電させる火花放電発生手段と、
を備えた内燃機関用点火装置であって、
外部からの指令に従い、前記点火コイルの一次巻線の両端を短絡する一次巻線短絡手段と、
内燃機関の運転状態に基づき、前記点火プラグの火花放電によって混合気を燃焼させるのに要する火花放電持続時間を算出する火花放電持続時間算出手段と、
該火花放電持続時間算出手段にて0.2[mSec]以上となる範囲で算出された火花放電持続時間に応じて、前記一次巻線短絡手段を動作させて前記点火コイルの一次巻線の両端を短絡することで、前記点火プラグの火花放電を強制的に遮断する火花放電遮断手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関用点火装置。An ignition coil whose secondary winding forms a closed loop with an ignition plug mounted on the internal combustion engine;
A spark that energizes the primary winding of the ignition coil for a certain period of time in synchronism with the rotation of the internal combustion engine, generates a high voltage for ignition in the secondary winding by cutting off the energizing current, and spark discharges the spark plug Discharge generating means;
An ignition device for an internal combustion engine comprising:
In accordance with a command from the outside, primary winding short-circuit means for short-circuiting both ends of the primary winding of the ignition coil,
A spark discharge duration calculating means for calculating a spark discharge duration required for burning the air-fuel mixture by the spark discharge of the spark plug based on the operating state of the internal combustion engine;
Both ends of the primary winding of the ignition coil are operated by operating the primary winding short-circuit means according to the spark discharge duration calculated in the range of 0.2 [mSec] or more by the spark discharge duration calculation means. A spark discharge blocking means for forcibly blocking the spark discharge of the spark plug by short-circuiting,
An ignition device for an internal combustion engine, comprising:
を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。In accordance with a command from the outside, the primary winding short-circuit means allows energization only in the direction of consuming the magnetic flux accumulated in the ignition coil and short-circuits both ends of the primary winding of the ignition coil. The ignition device for an internal combustion engine according to claim 1, wherein the ignition device is configured to include a switching element that opens both ends of the primary winding when the current flows.
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用点火装置。The ignition device for an internal combustion engine according to claim 1 or 2, wherein the internal combustion engine is a gas engine using gaseous fuel as fuel.
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