JP4180298B2 - Misfire detection device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグに発生させる複数回の火花放電により混合気への着火を行う多重放電型点火手段を備える内燃機関において、失火を検出する失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車エンジン等に使用される内燃機関としては、点火コイルに発生させた誘導電圧を印加して、点火プラグの電極間に火花放電を発生させ、この火花放電により混合気への着火を行う構成の内燃機関が知られている。
【0003】
しかし、点火プラグの電極間で正常に火花放電が発生しない場合には、混合気への着火が行われず失火に至るため、内燃機関を正常に運転することができない。また、点火プラグの電極間に火花放電が発生した場合であっても、混合気への着火が正常に行われない場合には失火となり、内燃機関を正常に運転できなくなる。
【0004】
そのため、内燃機関を正常に運転するには、失火を早期に発見して、点火時期や空燃比などの制御パラメータを失火を抑える値に設定することが望ましい。
そして、失火を検出するための方法としては、例えば、イオン電流を用いた方法が知られている。つまり、内燃機関において、点火プラグによる火花放電により混合気が燃焼すると、その燃焼に伴ってイオンが発生することから、点火プラグの火花放電後にその点火プラグの電極間に火花放電が発生しない程度の電圧を印加した場合には、イオン電流が流れる。このため、正常燃焼した場合と失火した場合とでは、イオンの発生量が異なりイオン電流値に差が生じることから、このイオン電流を検出し、解析処理を行うことによって、失火を検出することができる。すなわち、イオン電流が流れる場合には正常燃焼と判定し、イオン電流が流れない場合には失火と判断することができる。
【0005】
一方、誘導電圧を発生する点火コイルとして容量の小さい点火コイルを用いる場合には、火花放電持続時間が短くなり、混合気への着火性能が低下することがある。この問題に対して、1燃焼サイクル中に一次電流の通電・遮断を繰り返す動作を行い、複数回の火花放電を発生させることで、着火性能の低下を防止する手法が提案されている。
【0006】
つまり、容量の小さい点火コイルを備える内燃機関は、火花放電を複数回発生させて(多重放電を発生させて)、見かけ上の火花放電持続時間を長くすることで、容量の大きい点火コイルと同等の着火性能を実現することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多重放電により混合気への着火を行う構成の内燃機関は、1燃焼サイクル中に1回の火花放電を継続的に発生させる場合と同等の火花放電エネルギで混合気への着火を行うためには、多重放電の発生期間(見かけ上の火花放電持続時間)を、1燃焼サイクル中に1回の火花放電を継続的に発生させる場合の火花放電持続時間よりも長く設定する必要がある。
【0008】
そして、多重放電の発生期間が長くなると、内燃機関の運転状態によっては、多重放電発生期間とイオン電流検出時間とが重複することがある。特に、内燃機関の回転速度が高回転になると、多重放電発生期間とイオン電流検出時間との重複が発生しやすくなる。
【0009】
このように多重放電発生期間とイオン電流検出時間とが重複すると、火花放電により流れる二次電流(放電電流)による影響を受けるため、イオン電流のみを検出することができず、失火検出を実行できなくなる。
また、多重放電発生期間終了後にイオン電流を検出して失火検出を行ったとしても、多重放電発生期間を長く設定した場合に、例えば、高回転時において、多重放電発生期間の後半に向かうほどイオンが無くなる傾向があると考えられるので、多重放電終了後にイオン電流検出用電圧を点火プラグに印加して失火検出を行ったとしても、イオン電流による失火検出が行えないことがある。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、多重放電により混合気への着火を行う内燃機関において失火を検出するにあたり、イオン電流を検出することなく失火検出を行う失火検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、一次巻線および二次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断することで二次巻線に誘導電圧を発生する点火コイルと、二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、誘導電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、点火コイルの一次巻線に流れる一次電流の通電・遮断を行う点火用スイッチング手段と、を備え、点火プラグの点火時期に生じる火花放電中に、点火用スイッチング手段を用いて一次電流を通電・遮断する繰り返し動作を開始し、繰り返し動作により複数回にわたり二次巻線に誘導電圧を発生させることにより、火花放電を複数回発生させる多重放電型点火手段を備える失火検出装置であって、点火プラグの電極間に発生した火花放電発生回数を検出する火花放電発生回数検出手段と、火花放電発生回数検出手段にて検出した火花放電発生回数と、正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値に設定された失火判定基準値とを比較することにより、正常燃焼または失火と判断する失火判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
多重放電を行う場合、火花放電を繰り返すことに伴い点火コイルの蓄積エネルギが消費されることから、多重放電の発生期間のうち後半になるほど点火コイルの蓄積エネルギが少なくなり、二次巻線に発生する誘導電圧が低下する傾向がある。また、点火プラグの電極間に火花放電を発生させるために必要な要求電圧は、電極間の状態によって変化しており、例えば、電極間にイオンが多く存在する場合には要求電圧は低くなり、電極間にイオンが存在しない場合には要求電圧は高くなる。
【0013】
これらのことから、正常燃焼した場合には要求電圧が低下するため、多重放電発生時期の後半においても火花放電が発生し易くなり、失火した場合には要求電圧が上昇するため、多重放電発生時期の後半においては火花放電が発生し難くなる。つまり、1燃焼サイクル中において同一回数の誘導電圧を発生させた場合であっても、正常燃焼時と失火時とでは、点火プラグで実際に火花放電が発生する回数に差が生じることになる。このため、実際に発生した火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うことが可能となる。
【0014】
そして、本発明(請求項1)の失火検出装置は、火花放電発生回数検出手段と失火判定手段とを備え、検出した火花放電発生回数と失火判定基準値とを比較して、正常燃焼または失火と判断する失火判定を行うよう構成されている。なお、失火判定基準値は、正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値に設定されている。
【0015】
つまり、この失火検出装置は、実際に発生した火花放電発生回数を検出し、検出した火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うよう構成されていることから、火花放電が終了した後にイオン電流を検出する処理を行うことなく、失火判定を行うことができる。
【0016】
よって、本発明(請求項1)の失火検出装置によれば、多重放電型点火手段を備える内燃機関においてイオン電流を用いることなく失火検出することができ、多重放電により混合気への燃焼を行う内燃機関での失火検出の検出精度が低下するのを防ぐことができる。
【0017】
なお、火花放電発生回数検出手段における火花放電発生回数の検出方法としては、例えば、燃焼室内における点火プラグの電極間を観察可能に設置された光センサを用い、火花放電が発する光の検出の有無に基づいて実際に発生した火花放電を検出して、火花放電発生回数を検出する方法を採ることができる。つまり、光センサを備える火花放電発生回数検出手段は、光を検出した場合には実際に火花放電が発生したと判断し、光を検出しない場合には火花放電が発生していないと判断することで、火花放電発生回数を検出するのである。
【0018】
しかし、光センサを用いた構成では、光センサの設置スペースをシリンダヘッド等に設ける必要があるため内燃機関の構造が複雑になるという問題があり、また、光センサの設置スペースの加工作業が必要となるため製造コストが高くなるという問題がある。
【0019】
そこで、上述(請求項1)の失火検出装置は、請求項2に記載のように、点火プラグの電極間に流れる火花放電電流を検出する電流検出手段を備え、火花放電発生回数検出手段が、電流検出手段により検出される火花放電電流の通電回数に基づいて火花放電発生回数を検出するよう構成すると良い。
【0020】
つまり、火花放電が発生する場合には点火プラグの電極間に電流(火花放電電流)が流れるが、火花放電が発生しない場合には点火プラグの電極間に電流が流れることはない。このため、点火プラグの電極間に火花放電電流が流れたか否かを検出することで、その検出結果に基づいて実際に点火プラグの電極間に火花放電が発生したか否かを判断することができ、火花放電発生回数を検出することが可能となる。
【0021】
また、点火プラグの電極間に流れる火花放電電流は、点火プラグおよび二次巻線を含んで形成される通電経路(閉ループ)上であれば、どの位置でも検出できるため、シリンダヘッドを加工することなく火花放電電流を検出することが可能となる。
【0022】
よって、本発明(請求項2)の失火検出装置によれば、内燃機関の構造を複雑化することなく、火花放電発生回数を検出することができるため、製造コストの上昇を抑えつつ、失火判定を行うことが可能となる。
なお、電流検出手段は、例えば、抵抗素子を用いて構成することができ、具体的には、点火プラグおよび二次巻線を含んで形成される通電経路に抵抗素子からなる検出用抵抗を直列接続して、検出用抵抗の両端電圧に基づいて火花放電電流を検出することができる。
【0023】
しかし、検出用抵抗の挿入位置によっては、誘導電圧の発生時における検出用抵抗への印加電圧が高電圧となる場合があり、検出用抵抗や検出用抵抗の両端電圧を検出するための電圧検出装置が、誘導電圧による高電圧の印加によって破損する虞がある。なお、この問題に対しては、検出用抵抗や電圧検出装置として許容耐電圧が高い検出用抵抗や電圧検出装置を用いることで、誘導電圧の印加による破損を防止することはできるが、許容耐電圧が高い検出用抵抗などは高価であり、コストが高くなるという問題が生じてしまう。
【0024】
そこで、上述(請求項2)の失火検出装置においては、請求項3に記載のように、電流検出手段が、二次巻線の端部のうち点火プラグとの接続端とは反対側の端部からグランドに至る通電経路に直列接続される検出用抵抗を備えて、検出用抵抗の両端電圧に基づいて火花放電電流を検出するとよい。
【0025】
つまり、二次巻線は、一般に、一方の端部が基準電位となるグランドに接続され、他方の端部が点火プラグに接続されており、誘導電圧の発生時において、点火プラグに接続される端部から、グランド電位との電位差が大きい誘導電圧(点火用電圧)を出力するよう構成されている。
【0026】
このため、検出用抵抗を、点火プラグとの接続端とは反対側となる二次巻線の端部からグランドに至る通電経路に直列接続した場合には、誘導電圧の発生時に検出用抵抗に印加される電圧値は高電圧にはならず、また、検出用抵抗の両端電圧を検出する電圧検出装置への印加電圧が高電圧となるのを防止できる。
【0027】
よって、本発明(請求項3)の失火検出装置によれば、誘導電圧による高電圧の印加により検出用抵抗などが破損するのを防止できるため、安定した失火検出を継続することができる。また、許容耐電圧が高く設定された高価な検出用抵抗や電圧検出装置を用いる必要がないため、失火検出装置のコストの上昇を防ぐことができる。
【0028】
ところで、検出用抵抗を通電経路に直列接続するに際しては、誘導電圧の発生時における検出用抵抗での電圧降下を抑制して、点火プラグの電極間に印加される電圧値の低下割合を小さく抑えることが望ましい。
そこで、検出用抵抗を備える上述(請求項3)の失火検出装置は、請求項4に記載のように、検出用抵抗が、二次巻線の抵抗値の100分の1以下の抵抗値となる抵抗素子を用いて構成されていると良い。
【0029】
このような低い抵抗値の検出用抵抗であれば、誘導電圧の発生時における検出用抵抗での電圧降下が小さくなり、点火プラグの電極間に印加される電圧の低下割合を小さく抑えることができる。
よって、本発明(請求項4)の失火検出装置によれば、誘導電圧の発生時における点火プラグの電極間への印加電圧の低下を抑制でき、火花放電として使用可能なエネルギ量の低下を抑制できるため、混合気への着火性が劣化するのを防止することができる。
【0030】
次に、点火プラグを通過する通電経路には、ノイズにより電流(ノイズ電流)が発生する場合があり、通電経路における電流の発生回数を検出して火花放電発生回数を検出する構成の火花放電発生回数検出手段を用いる場合には、ノイズ電流を誤って火花放電電流として検出する虞がある。このため、ノイズ電流の影響により火花放電発生回数の検出精度が低下して、失火検出の検出精度が低下する虞がある。
【0031】
そこで、上述(請求項3または請求項4)の失火検出装置は、請求項5に記載のように、繰り返し動作期間において、一次電流の遮断時から通電時までの期間である遮断時間はそれぞれ一定期間であって、火花放電発生回数検出手段が、火花放電電流の通電時間を積算して火花放電積算時間を検出し、繰り返し動作における複数回の火花放電のうち1回あたりの一次電流の遮断時間で火花放電積算時間を除算することにより火花放電発生回数を検出するように構成すると良い。
【0032】
なお、一次電流の通電・遮断の繰り返し動作による多重放電を行う場合には、一次電流の遮断時間に火花放電が発生することになるため、一次電流の遮断時間は火花放電持続時間に略等しくなる。そして、繰り返し動作期間において、一次電流の遮断時間は、一定期間になるため、火花放電積算時間は、理論上、繰り返し動作における複数回の火花放電のうち1回あたりの火花放電持続時間に火花放電発生回数を乗算した値になる。
【0033】
このことから、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間で除算することで火花放電発生回数を算出することができる。
また、ノイズ電流は継続的に発生することは少なく、瞬時的に発生することが多いことから、点火プラグを含む通電経路を流れる電流の通電時間を積算した火花放電積算時間は、瞬時的なノイズ電流が発生した場合であっても値が大きく変化することはない。
【0034】
これらのことから、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間で除算して得られる値は、火花放電発生回数に略等しい値となる。つまり、通電経路における電流の発生回数を検出して火花放電発生回数を検出する場合に比べて、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間で除算して火花放電発生回数を検出する場合の方が、ノイズの影響を抑えて火花放電発生回数を検出することができる。
【0035】
よって、本発明(請求項5)の失火検出装置によれば、火花放電発生回数を検出する際のノイズの影響を抑えることができ、火花放電発生回数を用いた失火判定における失火判定精度の低下を防ぐことができる。
なお、火花放電発生回数検出手段は、検出用抵抗を用いて火花放電発生回数を検出する場合には、例えば、検出用抵抗の両端電圧が通電判定用基準電圧値以上となる超過回数を検出し、検出した超過回数に基づいて火花放電発生回数を検出することができる。このとき、通電判定用基準電圧値は、火花放電電流の通電有無を判定できるように、非通電時の検出用抵抗の両端電圧値(一般に0[V])よりも高電圧となる電圧値に設定されている。
【0036】
しかし、検出用抵抗の両端電圧が、ノイズ等の影響により上昇して通電判定用基準電圧値を上回ると、誤って火花放電が発生したと判定してしまい、火花放電発生回数の検出精度が低下する虞があり、そのため、失火検出の検出精度が低下する虞がある。
【0037】
そこで、電流検出手段を検出用抵抗を用いて構成する場合には、火花放電発生回数検出手段が、検出用抵抗の両端電圧と通電判定用基準電圧値とを比較して、検出用抵抗の両端電圧が通電判定用基準電圧値以上となる時間を積算した火花放電積算時間を検出し、繰り返し動作における複数回の火花放電のうち1回あたりの一次電流の遮断時間で火花放電積算時間を除算することにより火花放電発生回数を検出するように構成すると良い。
【0038】
つまり、ノイズによる検出用抵抗の両端電圧の上昇は、継続的に発生することは少なく、瞬時的に発生することが多いことから、検出用抵抗の両端電圧が通電判定用基準電圧値以上となる時間を積算した火花放電積算時間は、瞬時的なノイズが発生した場合であっても値が大きく変化することはない。
【0039】
このため、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間で除算して得られる値は、火花放電発生回数に略等しい値となる。つまり、上述した超過回数を検出して火花放電発生回数を検出する場合に比べて、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間で除算して火花放電発生回数を検出する場合の方が、ノイズの影響を抑えて火花放電発生回数を検出することができる。
【0040】
よって、このように構成した失火検出装置によれば、電流検出手段が検出用抵抗を用いて構成される場合であっても、ノイズによる検出用抵抗の両端電圧の変動によって火花放電発生回数の検出精度の低下を抑えることができ、火花放電発生回数を用いた失火判定における失火判定精度の低下を防ぐことができる。
【0041】
ところで、内燃機関は、エンジン回転速度やエンジン負荷などの運転状態が変化すると混合気への着火性が変化することから、1燃焼サイクルにおける多重放電の回数(すなわち、見かけ上の火花放電積算時間)を内燃機関の運転状態に応じて適切な値に設定することで、内燃機関を安定して運転することが可能となる。このため、多重放電を行う内燃機関においては、例えば、内燃機関の回転速度が高回転になるほど誘導電圧の発生回数(多重放電回数)を減少させ、また、内燃機関の回転速度が低回転になるほど誘導電圧の発生回数(多重放電回数)を増加させるように、内燃機関の運転状態に応じて多重放電回数を設定する多重放電型点火手段を備えた内燃機関がある。
【0042】
このように、運転状態に応じて誘導電圧の発生回数を変化させる内燃機関においては、運転状態の変化により正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値が変化するため、失火判定基準値が固定値である場合には、運転状態の変化により境界値が大きく変動すると、失火検出の検出精度が低下する虞がある。
【0043】
そこで、上述(請求項1から請求項5のいずれか)の失火検出装置は、内燃機関が運転状態に応じて誘導電圧の発生回数を設定するよう構成されている場合には、請求項6に記載のように、内燃機関の運転状態に応じて失火判定基準値を設定する判定基準値設定手段を備えるとよい。
【0044】
つまり、誘導電圧の発生回数だけでなく、失火判定基準値についても、内燃機関の運転状態に応じて値を変更することで、失火判定基準値を失火判定に適した値に設定するのである。例えば、誘導電圧の発生回数がより小さい値に設定される内燃機関の運転状態になるほど失火判定基準値を小さい値に設定し、また、誘導電圧の発生回数がより大きい値に設定される内燃機関の運転状態になるほど失火判定基準値を大きい値に設定するとよい。
【0045】
これにより、内燃機関の運転状態が変化して誘導電圧の発生回数が変化した場合であっても、失火判定基準値が失火判定に適した値に設定されることから、火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うことが可能となる。
よって、本発明(請求項6)の失火検出装置によれば、内燃機関の運転状態に応じて誘導電圧の発生回数が設定される内燃機関においても、失火検出の検出精度が低下するのを防止することができる。
【0046】
また、1燃焼サイクル中における繰り返し動作によって発生するそれぞれの火花放電持続時間を内燃機関の運転状態に応じて適切な値に設定することで、内燃機関を安定して運転することも可能となる。この場合も、上述と同様に内燃機関の運転状態に応じて失火判定基準値を設定する判定基準値設定手段を備えると良い。
【0047】
つまり、内燃機関の運転状態が変化して1燃焼サイクルごとの火花放電持続時間が変化した場合でも、上述と同様に失火判定基準値に適した値に設定されることから、火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うことが可能である。ただし、この場合、1燃焼サイクル中における繰り返し動作によって発生する火花放電1回あたりの火花放電持続時間は、一定期間とする。
【0048】
次に、多重放電の発生期間のうち後半になるほど点火コイルの蓄積エネルギが少なくなることから、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおける火花放電の発生有無の差異は、多重放電の発生時期の後半になるほど明確となる。また、多重放電発生期間のうち初回の誘導電圧の発生時期については、それ以前に火花放電は発生しておらず、正常燃焼か失火かの違いが要求電圧に反映されることはない。
【0049】
そこで、上述(請求項1から請求項6のいずれか)の失火検出装置は、請求項7に記載のように、火花放電発生回数検出手段が、火花放電発生回数の検出期間を設定するための検出期間設定手段を備え、検出期間設定手段が、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最後の発生時期を含み、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最初の発生時期を含まない期間において、最後の発生時期から少なくとも2回の誘導電圧の発生時期を含むように、火花放電発生回数の検出期間を設定するとよい。
【0050】
つまり、少なくとも、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおける火花放電の発生有無の差異が明確となる最後の誘導電圧の発生時期を含み、正常燃焼か失火かの違いが要求電圧に反映されない最初の誘導電圧の発生時期を含まないように、火花放電発生回数の検出期間を設定するのである。これにより、火花放電発生回数の検出結果に対して、正常燃焼であるか失火であるかの差異がより大きく反映されることになる。
【0051】
また、火花放電発生回数の検出期間に含まれる誘導電圧の発生回数が少なすぎると失火検出の検出精度が低下することから、本失火検出装置では、最後の発生時期から少なくとも2回の誘導電圧の発生時期を含むように火花放電発生回数の検出期間を設定することで、失火検出の検出精度の低下を防止している。
【0052】
よって、本発明(請求項7)の失火検出装置によれば、火花放電発生回数の検出期間を設定することで、正常燃焼であるか失火であるかの差異がより大きく反映された火花放電発生回数を検出することができ、火花放電発生回数に基づく失火検出の検出精度を向上させることができる。
【0053】
上記目的を達成するために別になされた請求項8の発明は、一次巻線および二次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断することで二次巻線に誘導電圧を発生する点火コイルと、二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、誘導電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、点火コイルの一次巻線に流れる一次電流の通電・遮断を行う点火用スイッチング手段と、を備え、点火プラグの点火時期に生じる火花放電中に、点火用スイッチング手段を用いて一次電流を通電・遮断する繰り返し動作を開始し、繰り返し動作により複数回にわたり二次巻線に誘導電圧を発生させることにより、火花放電を複数回発生させる多重放電型点火手段を備える失火検出装置であって、点火プラグの電極間に流れる火花放電電流を検出する電流検出手段と、1回あたりの火花放電に対して、電流検出手段により検出される火花放電電流の通電時間を検出する火花電流通電時間検出手段と、火花電流通電時間検出手段にて検出した通電時間を1燃焼サイクル分積算した火花放電積算時間と、正常燃焼時の火花放電積算時間と失火時の火花放電積算時間との境界値に設定された失火判定基準時間とを比較することにより、正常燃焼または失火と判断する失火判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0054】
多重放電の発生期間のうち後半になるほど二次巻線に発生する誘導電圧が低下する傾向があり、また、点火プラグの電極間に火花放電を発生するために必要な要求電圧は、例えば、電極間にイオンが多く存在する場合には要求電圧は低くなり、電極間にイオンが存在しない場合には要求電圧は高くなる。
【0055】
つまり、正常燃焼した場合には要求電圧が低下するため多重放電発生時期の後半においても火花放電が発生し易くなり、失火した場合には要求電圧が上昇するため多重放電発生期間の後半においては火花放電が発生し難くなる。つまり、1燃焼サイクル中において同一期間の誘導電圧を発生させた場合でもあっても、正常時と失火時とでは、点火プラグで実際に火花放電が発生する期間に差が生じることになる。
【0056】
よって、本発明(請求項8)の失火検出装置は、1回あたりの火花放電に対して、電流検出手段により検出される前記火花放電電流の通電時間を検出し、検出した通電時間を1燃焼サイクル分積算した火花放電積算時間に基づいて失火判定を行うように構成されていることから、火花放電が終了した後にイオン電流を検出する処理を行うことなく、失火判定を行うことができる。
【0057】
そして、上述(請求項1から請求項8のいずれか)の失火検出装置は、請求項9に記載のように、点火コイルが、米国自動車技術会規格SAE J973に基づく測定により点火プラグの火花放電持続時間が0.7[mSec]以上1.3[mSec]以下の電源条件を満たすよう構成され、多重放電型点火手段が、繰り返し動作として、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合が30%以上70%以下で、繰り返し周期が200[μSec]以下となる繰り返し動作を実行するよう構成された内燃機関において、失火検出を行うよう構成するとよい。
【0058】
上記の電源条件を満たす点火コイルは、比較的容量が小さく1回の火花放電で持続可能な火花放電持続時間が短いことから、多重放電を実行して見かけ上の火花放電継続時間を長くすることで、長い火花放電持続時間が必要となる運転状態においても混合気への着火が可能となるように使用されることが多い。
【0059】
そして、多重放電を行う場合、点火コイルの蓄積エネルギは、多重放電の開始前までに通電される一次電流によって蓄積されるが、誘導電圧の発生を繰り返すことで減少するため、多重放電の発生期間中に通電される一次電流を用いて点火コイルにエネルギを補充することが望ましい。
【0060】
そのため、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を30%以上に設定することで、点火コイルの蓄積エネルギが不足するのを防ぐことができる。このようにして誘導電圧の低下を防ぐことで、多重放電の発生期間の前半において、正常燃焼時であるにも拘わらず火花放電が発生しなくなるのを防止するのである。つまり、多重放電の発生期間の前半において、正常燃焼時には確実に火花放電が発生するように、点火コイルにエネルギを蓄積するのである。
【0061】
一方、多重放電の発生期間中に通電される一次電流により補充されるエネルギが過剰になると、多重放電の発生期間の後半において、失火時であるにも拘わらず、火花放電が発生してしまう虞がある。
そのため、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を70%以下に設定することで、点火コイルの蓄積エネルギが過剰となるのを防ぎ、多重放電の発生期間の後半において、失火時であるにも拘わらず、火花放電が発生してしまうのを防止するのである。つまり、多重放電の発生期間の後半において、正常燃焼時には火花放電が発生するように、失火時には火花放電が発生しないように、点火コイルにエネルギを蓄積するのである。
【0062】
このように、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を設定することで、正常燃焼時および失火時のそれぞれの火花放電発生回数に差異が生じやすくなる。
さらに、繰り返し周期が200[μSec]以下となるように繰り返し動作を実行することで、1燃焼サイクルにおいて発生可能な火花放電の回数が過度に少なくなるのを防止することができる。これにより、1燃焼サイクルに含まれる誘導電圧の発生回数が不足するのを防止でき、火花放電発生回数に基づく失火検出の検出精度が低下するのを防止できる。
【0063】
よって、本発明(請求項9)の失火検出装置によれば、正常燃焼時と失火時との火花放電発生回数に差が生じ易くなり、また、誘導電圧の発生回数が不足しないことから、失火検出の検出精度を向上させることができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず、多重放電を行う内燃機関に備えられる実施例の失火検出装置の構成を表す電気回路図を図1に示す。なお、本実施例では、1気筒分について説明を行うが、本発明は複数の気筒を備える内燃機関についても適用でき、各気筒毎の失火検出装置の基本構成は同様である。
【0065】
図1に示すように、本実施例の失火検出装置1は、定電圧(例えば電圧12[V])を出力する電源装置11(以下、バッテリ11ともいう)と、中心電極25および接地電極27を有して内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線21および二次巻線23を有して誘導電圧を発生する点火コイル15と、一次巻線21と直列接続されたnpn型パワートランジスタから成るイグナイタ17と、イグナイタ17を駆動制御するための第1指令信号37を出力する電子制御装置19(以下、ECU19ともいう)と、二次巻線23に直列接続される検出抵抗31を備える電流電圧変換回路30(以下、I−V変換回路30ともいう)と、I−V変換回路30が出力する変換電圧信号32(検出抵抗31の両端電圧)に基づき火花放電発生回数を検出する火花放電発生回数検出回路35と、を備えて構成されている。
【0066】
これらのうち、イグナイタ17は、点火コイル15の一次巻線21への通電・遮断を切り替えるために、ECU19からの第1指令信号37に基づいてスイッチング駆動される半導体素子からなるスイッチング素子であり、本実施例の内燃機関に備えられる点火装置は、フルトランジスタ型点火装置である。また、この点火装置は、後述するように、1燃焼サイクル中に複数回の火花放電を発生するよう構成されていることから、本実施例の内燃機関に備えられる点火装置は、多重放電型点火装置でもある。
【0067】
また、ECU19は、第1指令信号37の他に検出タイミング信号40などの指令信号を出力可能に構成されており、また、火花放電積算時間信号46などの外部信号を入力可能に構成されている。
そして、一次巻線21は、一端が電源装置11の正極に接続され、他端がイグナイタ17のコレクタに接続されている。また、二次巻線23は、一端がI−V変換回路30(検出抵抗31)を介して電源装置11の負極と同電位のグランドに接続され、他端が点火プラグ13の中心電極25に接続されており、二次巻線23の抵抗値は15[kΩ]である。
【0068】
また、I−V変換回路30は、検出抵抗31の両端電圧を変換電圧信号32として変換電圧出力端子から出力可能に構成されており、検出抵抗31の端部のうち二次巻線23と接続される端部が変換電圧出力端子に接続されている。そして、I−V変換回路30の変換電圧出力端子は、火花放電発生回数検出回路35の入力端子に接続されている。なお、火花放電発生回数検出回路35の構成については後述する。
【0069】
さらに、点火プラグ13において、接地電極27は、一端が中心電極25と対向して火花放電を発生させる火花放電ギャップを形成すると共に、他端が電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されており、イグナイタ17は、ベースがECU19の第1指令信号37の出力端子に接続され、エミッタが電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されている。
【0070】
そして、ECU19から出力される第1指令信号37がローレベル(一般にグランド電位)である場合には、ベース電流18が流れずイグナイタ17はオフ状態(遮断状態)となり、イグナイタ17によって一次巻線21に電流(一次電流22)が流れることはない。また、ECU19から出力される第1指令信号37がハイレベル(一般に、定電圧電源装置が出力する電源電圧Vcc(例えば、5[V]))である場合には、ベース電流18が流れてイグナイタ17はオン状態(通電状態)となり、イグナイタ17によって一次巻線21に電流(一次電流22)が流れる。
【0071】
このため、第1指令信号37がハイレベルであり一次巻線21に一次電流22が流れている状態で、第1指令信号37がローレベルになると、イグナイタ17がオフ状態となり、一次巻線21への一次電流22の通電が停止される。すると、点火コイル15における磁束密度が急激に変化して、二次巻線23に誘導電圧(点火用電圧)が発生し、この誘導電圧が点火プラグ13に印加されることで、点火プラグ13の電極25−27間に火花放電が発生する。
【0072】
なお、点火コイル15は、通電中の一次巻線21の遮断により、二次巻線23の端部のうち点火プラグ13の中心電極25に接続される端部にグランド電位よりも低い負極性の誘導電圧(点火用電圧)を発生するように構成されており、この誘導電圧の印加により点火プラグの電極25−27間に火花放電が発生する。また、点火コイル15は、米国自動車技術会規格SAE J973に基づく測定により点火プラグの火花放電持続時間が0.7[mSec]以上1.3[mSec]以下の電源条件を満たすよう構成されている。
【0073】
そして、火花放電に伴い二次巻線23に流れる二次電流24(以下、火花放電電流24ともいう)は、点火プラグ13の中心電極25から二次巻線23,I−V変換回路30(検出抵抗31)を通り、グランドを介して点火プラグ13の接地電極27に流れる。
【0074】
このとき、I−V変換回路30における検出抵抗31の両端には、火花放電電流24の電流値に応じた電圧値が発生し、この電圧値は火花放電発生回数検出回路35に対して出力される。つまり、I−V変換回路30は、火花放電電流24の電流値を電圧値に変換して火花放電発生回数検出回路35に対して出力するよう構成されている。なお、検出抵抗31は、抵抗値が50[Ω]の抵抗素子で構成されている。
【0075】
次に、火花放電発生回数検出回路35について説明する。
図1に示すように、火花放電発生回数検出回路35は、I−V変換回路30が出力する変換電圧信号32に基づき火花放電の発生有無を判定し、判定結果に応じて判定結果信号44を出力する火花放電検出回路41と、火花放電検出回路41が出力する判定結果信号44のハイレベル出力時間を積算する時間積算回路47と、を備えて構成されている。
【0076】
そして、火花放電検出回路41は、判定用比較器43と判定基準電源装置45とを備えており、判定基準電源装置45は、非通電時の検出用抵抗の両端電圧値(一般に0[V])よりも高電圧である通電判定用基準電圧値Voを出力している。なお、本実施例では、通電判定用基準電圧値Voは、火花放電電流が5[mA]となるときの検出抵抗31の両端電圧値と等しい値に設定されている。
【0077】
また、判定用比較器43は、I−V変換回路30が出力する変換電圧信号32(検出抵抗31の両端電圧値)と、判定基準電源装置45が出力する通電判定用基準電圧値Voとをそれぞれ入力するための入力端子を備えている。そして、判定用比較器43は、検出抵抗31の両端電圧値が通電判定用基準電圧値Vo以上となると出力信号をハイレベル出力し、検出抵抗31の両端電圧値が通電判定用基準電圧値Voよりも低くなると出力信号をローレベル出力するよう構成されている。なお、判定用比較器43の出力信号は、判定結果信号44として火花放電検出回路41から時間積算回路47に対して出力される。
【0078】
つまり、火花放電検出回路41は、火花放電の検出時には判定結果信号44をハイレベル出力し、火花放電の非検出時には判定結果信号44をローレベル出力するよう構成されている。
また、時間積算回路47は、ECU19からの検出タイミング信号40を入力するための入力端子を備えており、検出タイミング信号40に基づき火花放電発生回数の検出期間を判断する。そして、時間積算回路47は、火花放電発生回数の検出期間において、火花放電検出回路41が判定結果信号44をハイレベル出力する時間を積算し、その積算値である火花放電積算時間を内部に蓄積する。なお、ECU19は、火花放電発生回数の検出期間になると検出タイミング信号40をハイレベル出力し、火花放電発生回数の検出期間以外には検出タイミング信号40をローレベル出力するよう構成されている。
【0079】
そして、時間積算回路47は、火花放電積算時間を表す火花放電積算時間信号46を、ECU19に対して出力する。つまり、火花放電発生回数検出回路35は、I−V変換回路30が出力する電圧値に基づき火花放電を検出し、火花放電の発生時間を積算した火花放電積算時間を検出し、火花放電積算時間を表す火花放電積算時間信号46をECU19に対して出力するように構成されている。
【0080】
なお、時間積算回路47は、リセット信号を入力するための入力端子(図1では図示省略)を備えており、リセット信号が入力されると蓄積した火花放電積算時間をリセットする処理を行う。
次に、ECU19において実行される失火検出処理について、図2に示すフローチャートを用いて説明すると共に、失火検出処理の実行時における失火検出装置1の各部の状態について、図3に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0081】
なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生時期(点火時期)、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明する失火検出処理のほかに、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度(エンジン回転数)、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理等を実行している。
【0082】
また、ECU19は、失火検出処理において設定される火花放電発生回数の検出期間Tnに基づいて、時間積算回路47に対して検出タイミング信号40を出力する検出タイミング制御処理を、失火検出処理と並行して実行する。なお、検出タイミング制御処理では、火花放電発生回数の検出期間Tnの開始時期から終了時期にかけて検出タイミング信号40をハイレベル出力する処理を行うことにより、時間積算回路47に対して検出期間Tnを通知する。また、検出タイミング制御処理は、処理開始直後に時間積算回路47に対してリセット信号を送信することで、時間積算回路47に蓄積されている火花放電積算時間をリセットする処理を行う。
【0083】
そして、図2に示す失火検出処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が吸気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行されており、点火制御のための処理も実行している。また、失火検出処理と並行して実行される検出タイミング制御処理についても、失火検出処理と同タイミングで、1燃焼サイクルに1回の割合で実行される。
【0084】
なお、図3は、正常燃焼時(着火時)および失火時のそれぞれについて、図1に示す回路図における第1指令信号37、点火プラグ13の中心電極25の電位、検出抵抗31の両端電圧(火花放電電流)、判定用比較器43が出力する判定結果信号44、の各状態を表すタイムチャートである。また、図3においては、正常燃焼および失火の判断基準となる燃焼圧力についても記載しており、燃焼圧力が大きい値となる左側のタイムチャートが正常燃焼時(着火時)の波形であり、燃焼圧力が小さい値となる右側のタイムチャートが失火時の波形である。
【0085】
そして、内燃機関が始動されて失火検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)では、別途実行される運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運転状態を読込む処理を行う。なお、S110での処理では、内燃機関のエンジン回転速度と、スロットル開度や吸気管負圧(吸入空気量)等を用いて算出されるエンジン負荷とを含む運転状態を読み込む処理を行う。
【0086】
次に、S120では、S110で読み込んだ運転状態に基づき、初回火花放電発生時期ts(所謂、点火時期)、誘導電圧発生回数sn、火花放電発生回数の検出期間Tn、各火花放電の火花放電持続時間Tt、多重放電の火花放電間隔Tbなどの各種パラメータの設定を行う。
【0087】
なお、S120での処理では、初回火花放電発生時期tsについては、エンジン回転速度とエンジン負荷とをパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった従来から知られている手順で設定される。
【0088】
また、誘導電圧発生回数snは、エンジン回転速度とエンジン負荷を含む運転状態に基づいて、予め用意されたマップ若しくは計算式を用いて設定される。なお、このとき用いるマップもしくは計算式は、エンジン回転速度が高速(高回転)になるほど誘導電圧発生回数snを減少させ、エンジン回転速度が低速(低回転)になるほど誘導電圧発生回数snを増加させるように構成されている。
【0089】
さらに、火花放電発生回数の検出期間Tnは、エンジン回転速度とエンジン負荷を含む運転状態に基づいて、予め用意されたマップ若しくは計算式を用いて設定される。なお、このとき用いるマップもしくは計算式は、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最後の発生時期を含み、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最初の発生時期を含まない期間において、最後の発生時期から少なくとも2回の誘導電圧の発生時期を含むように、火花放電発生回数の検出期間を設定するよう構成されている。そして、設定された検出期間Tnは、検出タイミング制御処理での処理に使用される。
【0090】
また、各火花放電の火花放電持続時間Tt、火花放電間隔Tbは、例えば、内燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開度とに基づいて、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて設定される。なお、この時用いるマップもしくは計算式は、例えば、混合気を燃焼させるのに必要な火花エネルギが大きい運転条件下(内燃機関の低負荷低回転時等)には、各火花放電の火花放電持続時間Ttが長く、火花放電間隔Tbが短くなるように、また、火花エネルギが小さくてよい運転条件下(内燃機関の高負荷高回転時等)には、各火花放電の火花放電持続時間Ttが短く、火花放電間隔Tbが長くなるように構成されている。また、火花放電間隔Tbは、換言すれば一次電流の通電・遮断の繰り返し周期であり、このとき用いるマップもしくは計算式は、火花放電間隔Tbが200[μSec]以下に設定されるよう構成されている。さらに、マップもしくは計算式は、火花放電間隔Tbに占める火花放電持続時間Ttの割合が30%以上70%以下に設定されるよう構成されている。
【0091】
また、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合は、火花放電間隔Tbから火花放電持続時間Ttを差し引いた時間であり、火花放電間隔Tbに占める火花放電持続時間Ttの割合が30%以上70%以下に設定されることから、火花放電間隔Tbに占める一次電流通電時間の割合は、70%以下30%以上、つまり30%以上70%以下となる。
【0092】
次に、S130では、誘導電圧発生回数をカウントするためのカウンタiを初期化するため、カウンタiに1を設定する。
続くS140では、S120にて設定した初回火花放電発生時期tsに基づき、初回火花放電発生時期tsに対して予め設定された初回放電用通電時間だけ早い一次巻線21の初回放電用通電開始時期を求め、初回放電用通電開始時期に達した時点(図3に示す時刻t1)で、第1指令信号37をローレベルからハイレベルに変化させる。なお、初回放電用通電時間は、一次巻線21への通電によって点火コイル15に蓄積されるエネルギが、内燃機関のあらゆる運転条件下で混合気への着火が可能な火花放電を発生することができるエネルギ量となるように、予め設定されている。
【0093】
そして、S140の処理により、図3に示す時刻t1にて、第1指令信号37がローレベルからハイレベルに切り替わり、イグナイタ17がオン状態(通電状態)になると、点火コイル15の一次巻線21に電流(一次電流22)が流れ始め、これに伴う磁束密度の変化により二次巻線23の両端に誘導電圧が発生する。しかし、このとき発生する誘導電圧の電圧値は低いことから、点火プラグ13における火花放電は発生しない。
【0094】
そして、続くS150では、クランク角センサからの検出信号に基づき、初回の火花放電の時(カウンタi=1の時)には、S120で設定した初回火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、初回火花放電発生時期tsになるまで待機する。S150にて、初回火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図3に示す時刻t2)、S160に移行する。
【0095】
また、S150では、2回目以降(カウンタi≧2の時)の火花放電発生時期についても判断しており、2回目以降の火花放電では、前回の火花放電発生時期からS120で設定した火花放電間隔Tbが経過した時刻を火花放電発生時期とし、この火花放電発生時期に達したか否かを判断する。そして、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期になるまで待機する。そして、S150にて、火花放電発生時期に達したと判断されると、S160に移行する。
【0096】
次にS160では、第1指令信号37をハイからローレベルに反転させる。この結果、イグナイタ17がターンオフして、一次電流22が遮断され、点火コイル15の二次巻線23に誘導電圧(点火用電圧)が発生して、点火プラグ13に火花放電が発生する。
【0097】
そして、次のS170では、火花放電が、S120で設定した誘導電圧発生回数snに等しい回数実施されたかを、カウンタiが誘導電圧発生回数snに達したか否かによって判断しており、肯定判定されるとS210に移行し、否定判定されるとS180に移行する。
【0098】
S180では、カウンタiをインクリメント(i=i+1)する処理を行う。例えば、S180に移行する前のカウンタiの値が1(i=1)であれば、S180では、カウンタiを2(i=2)とする。
続くS190では、S150にて火花放電発生時期と判定された時点から、S120で求めた火花放電持続時間Ttが経過したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電持続時間Ttが経過するまで待機する。そして、S190にて、火花放電持続時間Ttが経過したと判断されると(図3に示す時刻t3)、S200に移行して、第1指令信号37をローからハイレベルに反転する。この結果、イグナイタ17がターンオンして、一次電流22が再通電され、点火コイル15の二次巻線23に発生していた誘導電圧が低下して、点火プラグ13の火花放電が強制的に遮断される。
【0099】
S200の処理に続き、再度S150に処理が移行し、そして、S150では前述したように、2回目(カウンタi=2)の火花放電発生時期に達した(火花放電間隔Tbが経過した)か否かを判断し、2回目の火花放電発生時期(図3に示す時刻t4)になると、S160に移行して2回目の火花放電を発生させる。
【0100】
このようにして、S150からS200までの処理を繰り返すことで、二次巻線23に誘導電圧を複数回発生して、複数回の火花放電(多重放電)を発生させる。そして、前述したように、S120にて設定した誘導電圧発生回数snの回数だけ誘導電圧を発生すると(図3に示す時刻t6)、S170の判断処理にて肯定判定され、S210に移行する。
【0101】
なお、S180での処理により火花放電が発生して火花放電電流が流れ、検出抵抗31の両端電圧が通電判定用基準電圧値Vo以上となると、火花放電検出回路41は判定結果信号44をハイレベル出力する。つまり、図3に示すように、判定結果信号44は、点火プラグ13に実際に発生する火花放電の発生回数および各火花放電の発生時間に応じてハイレベルとなる。そして、火花放電発生回数の検出期間Tnにおいて、判定結果信号44がハイレベルとなる時間、換言すれば、火花放電が発生する時間は、時間積算回路47において火花放電積算時間として積算されると共に時間積算回路47に蓄積される。なお、前述したように、火花放電積算時間は、火花放電積算時間信号46として時間積算回路47からECU19に通知される。
【0102】
S210では、火花放電積算時間信号46が表す火花放電積算時間を1回あたりの火花放電持続時間Tt(換言すれば、一次電流の遮断時間Tc)で除算することで、火花放電発生回数を算出する処理を行う。
次のS220では、S210で算出した火花放電発生回数と失火判定基準値Nsとを比較して、火花放電発生回数が失火判定基準値Nsよりも小さいか否かを判断しており、火花放電発生回数が失火判定基準値よりも小さい場合に失火と判定し、火花放電発生回数が失火判定基準値以上である場合に正常燃焼と判定する処理を行う。なお、失火判定基準値Nsは、正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値となるように、内燃機関の運転試験の試験結果などに基づいて予め設定されている。
【0103】
ここで、図3に示すように、失火時においては、時刻t6よりも前の時刻t5での誘導電圧による火花放電が発生した後は火花放電が発生しておらず、正常燃焼時(着火時)に比べて火花放電の発生回数が少ないことが判る。このため、火花放電発生回数を失火判定用の失火判定基準値と比較し、その比較結果に基づいて、火花放電発生回数が失火判定基準値よりも小さい場合に失火と判定することができる。
【0104】
なお、多重放電を行う場合、火花放電を繰り返すことに伴い点火コイル15の蓄積エネルギが消費されることから、多重放電の発生期間のうち後半になるほど点火コイル15の蓄積エネルギが少なくなり、二次巻線23に発生する誘導電圧が低下する傾向がある。また、点火プラグ13の電極間に火花放電を発生させるために必要な要求電圧は、電極間の状態によって変化しており、例えば、電極間にイオンが多く存在する場合には要求電圧は低くなり、電極間にイオンが存在しない場合には要求電圧は高くなる。これらのことから、正常燃焼してイオンが発生する場合には要求電圧が低下するため、多重放電発生時期の後半においても火花放電が発生し易くなり、失火した場合にはイオンが発生せず要求電圧が上昇するため、多重放電発生時期の後半においては火花放電が発生し難くなる。つまり、1燃焼サイクル中において同一回数の誘導電圧を発生させた場合であっても、正常燃焼時と失火時とでは、点火プラグで実際に火花放電が発生する回数に差が生じることになり、正常燃焼時の火花放電発生回数は、失火時の火花放電発生回数よりも大きくなる。このため、実際に発生した火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うことが可能となる。
【0105】
そして、S220での処理が終了すると、本失火検出処理は終了する。
なお、上記実施例においては、火花放電発生回数検出回路35および失火検出処理におけるS210が特許請求の範囲における火花放電発生回数検出手段に相当し、失火検出処理におけるS220が失火判定手段に相当し、電流電圧変換回路30(I−V変換回路30)が電流検出手段に相当し、検出抵抗31が検出用抵抗に相当し、失火検出処理におけるS120が検出期間設定手段に相当する。また、点火コイル15、点火プラグ13、イグナイタ17および失火検出処理におけるS110からS200までの処理が多重放電型点火手段(多重放電型点火装置)に相当する。
【0106】
以上説明したように、実施例の失火検出装置1が備えられる内燃機関においては、ECU19の指令によるイグナイタ17のスイッチング駆動により、複数回にわたり二次巻線23に発生した誘導電圧を点火プラグ13に印加して、電極25−27間に複数回の火花放電(多重放電)を発生させて混合気への着火を行っている。
【0107】
このとき、火花放電発生回数検出回路35は、I−V変換回路30が出力する電圧値に基づき火花放電を検出し、火花放電の発生時間を積算した火花放電積算時間を検出し、火花放電積算時間を表す火花放電積算時間信号46をECU19に対して出力する。また、ECU19で実行される失火検出処理では、S210において火花放電積算時間を1回あたりの火花放電持続時間Tt(以下、遮断時間Tcともいう)で除算して火花放電発生回数を算出する処理を行い、S220において火花放電発生回数と失火判定基準値とを比較して、正常燃焼であるか失火であるかを判定する処理を行う。
【0108】
つまり、失火検出装置1は、火花放電発生回数を検出し、検出した火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うよう構成されていることから、火花放電が終了した後にイオン電流を検出する処理を行うことなく、失火判定を行うことができる構成である。
【0109】
よって、本実施例の失火検出装置1によれば、多重放電型点火装置を備える内燃機関においてイオン電流を用いることなく失火を検出することができ、多重放電型点火装置を備える内燃機関での失火検出の検出精度が低下するのを防ぐことができる。
【0110】
また、失火検出装置1は、火花放電電流24の電流値を電圧値に変換して出力するI−V変換回路30を備えており、点火プラグ13の電極間に流れる火花放電電流を検出することができる。なお、I−V変換回路30は、点火プラグ13および二次巻線23を含んで形成される通電経路に直列接続される検出抵抗31を備えて構成されており、検出抵抗31の両端電圧を変換電圧信号32として出力するように構成されている。
【0111】
なお、火花放電の発生時には点火プラグ13の電極間に火花放電電流が流れ、火花放電の未発生時には火花放電電流は流れないことから、変換電圧信号32に基づいて点火プラグ13の電極間に火花放電電流が流れたか否かを検出し、その検出結果に基づいて実際に火花放電が発生したか否かを判断することで、火花放電発生回数の検出が可能となる。
【0112】
また、点火プラグ13の電極間に流れる火花放電電流は、点火プラグ13および二次巻線23を含んで形成される通電経路(閉ループ)上であれば、どの位置でも検出できるため、シリンダヘッドを加工することなく火花放電電流を検出することが可能となる。
【0113】
よって、本実施例の失火検出装置は、内燃機関の構造を複雑化することなく、火花放電発生回数を検出することができるため、製造コストの上昇を抑えつつ、失火判定を行うことが可能となる。
また、I−V変換回路30、すなわち検出抵抗31は、二次巻線23の端部のうち点火プラグ13との接続端とは反対側の端部からグランドに至る通電経路に直列接続されている。また、本実施例の二次巻線23は、誘導電圧の発生時において、点火プラグ13に接続される端部から、グランド電位との電位差が大きい誘導電圧(点火用電圧)を出力するよう構成されている。
【0114】
このため、誘導電圧の発生時に検出抵抗31に印加される電圧値は高電圧にはならず、また、検出抵抗31の両端電圧を検出する火花放電発生回数検出回路35(詳細には判定用比較器43)への印加電圧が高電圧となるのを防止できる。よって、本実施例の失火検出装置1によれば、誘導電圧による高電圧の印加により検出抵抗31や判定用比較器43が破損するのを防止できるため、安定した失火検出を継続することができる。また、許容耐電圧が高く設定された高価な検出抵抗や判定用比較器を用いる必要がないため、失火検出装置のコストの上昇を防ぐことができる。
【0115】
なお、検出抵抗31は、抵抗値が50[Ω]であり、二次巻線23の抵抗値(15[kΩ])に対して、100分の1以下の抵抗値となっている。このような低い抵抗値の検出抵抗31を用いることで、誘導電圧の発生時における検出抵抗31での電圧降下が小さくなり、点火プラグ13の電極間に印加される電圧の低下割合を小さく抑えることができる。このことから、本実施例の失火検出装置1によれば、誘導電圧の発生時において、火花放電として使用可能なエネルギ量の低下を抑制できるため、混合気への着火性が劣化するのを防止できる。
【0116】
また、失火検出装置1は、火花放電発生回数検出回路35において、検出抵抗31の両端電圧と通電判定用基準電圧値Voとを比較して、検出抵抗31の両端電圧が通電判定用基準電圧値Vo以上となる時間を積算した火花放電積算時間を検出し、ECU19での失火検出処理において、火花放電積算時間を遮断時間Tcで除算して火花放電発生回数を算出するよう構成されている。
【0117】
なお、繰り返し動作期間において、一次電流の遮断時間は、一定期間になるため、火花放電積算時間は、理論上、繰り返し動作における複数回の火花放電のうち1回あたりの火花放電持続時間Tt(一次電流の遮断時間Tc)に対して火花放電発生回数を乗算した値になることから、検出した火花放電積算時間を遮断時間Tcで除算することで火花放電発生回数を算出することができる。
【0118】
また、ノイズによる検出抵抗31の両端電圧の上昇は、継続的に発生することは少なく、瞬時的に発生することが多いことから、検出抵抗31の両端電圧が通電判定用基準電圧値Vo以上となる時間を積算した火花放電積算時間は、瞬時的なノイズが発生した場合であっても値が大きく変化することはない。
【0119】
これらのことから、検出した火花放電積算時間を1回あたりの一次電流の遮断時間Tcで除算して得られる値は、ノイズの影響による火花放電積算時間の変化量は小さくなり、実際の火花放電発生回数に略等しい値となる。つまり、本実施例における火花放電発生回数の検出方法は、検出抵抗31の両端電圧が通電判定用基準電圧値Vo以上となる超過回数を検出して火花放電発生回数を検出する場合に比べて、ノイズの影響を抑えて火花放電発生回数を検出することができる。
【0120】
よって、本実施例の失火検出装置1によれば、火花放電発生回数を検出する際のノイズの影響を抑えることができ、火花放電発生回数を用いた失火判定における失火判定精度の低下を防ぐことができる。
次に、失火検出装置1は、ECU19で実行される失火検出処理のS120において、火花放電発生回数の検出期間Tnを設定するにあたり、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最後の発生時期を含み、複数回の誘導電圧の発生時期のうち最初の発生時期を含まない期間において、最後の発生時期より少なくとも2回の誘導電圧の発生時期を含むように、火花放電発生回数の検出期間Tnを設定するよう構成されている。
【0121】
なお、多重放電の発生期間のうち後半になるほど点火コイルの蓄積エネルギが少なくなることから、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおける火花放電の発生有無の差異は、多重放電の発生時期の後半になるほど明確となる。また、多重放電発生期間のうち初回の誘導電圧の発生時期については、それ以前に火花放電は発生しておらず、正常燃焼か失火かの違いが要求電圧に反映されることはない。
【0122】
つまり、失火検出装置1は、少なくとも、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおける火花放電の発生有無の差異が明確となる最後の誘導電圧の発生時期を含み、正常燃焼か失火かの違いが要求電圧に反映されない最初の誘導電圧の発生時期を含まないように、火花放電発生回数の検出期間Tnを設定するのである。これにより、火花放電発生回数の検出結果に対して、正常燃焼であるか失火であるかの差異がより大きく反映されることになる。
【0123】
また、火花放電発生回数の検出期間Tnに含まれる誘導電圧の発生回数が少なすぎると失火検出の検出精度が低下することから、最後の発生時期から少なくとも2回の誘導電圧の発生時期を含むように火花放電発生回数の検出期間Tnを設定することで、失火検出の検出精度の低下を防止している。
【0124】
よって、本実施例の失火検出装置1によれば、上記のように火花放電発生回数の検出期間Tnを設定することで、正常燃焼であるか失火であるかの差異がより大きく反映された火花放電発生回数を検出することができ、火花放電発生回数に基づく失火検出の検出精度を向上させることができる。
【0125】
なお、本実施例の失火検出装置1に備えられる点火コイル15は、米国自動車技術会規格SAE J973に基づく測定により点火プラグの火花放電持続時間が0.7[mSec]以上1.3[mSec]以下の電源条件を満たすよう構成されており、比較的容量が小さく1回の火花放電で持続可能な火花放電持続時間が短い。このため、本実施例の内燃機関は、多重放電を実行して見かけ上の火花放電継続時間を長くすることで、長い火花放電持続時間が必要となる運転状態においても混合気への着火が可能となるように構成されている。
【0126】
そして、本実施例における内燃機関は、失火検出処理での点火制御のための処理(S110からS200までの処理)において、繰り返し動作として、一次電流22の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合が30%以上70%以下で、繰り返し周期が200[μSec]以下となる繰り返し動作を実行するよう構成されている。
【0127】
つまり、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を30%以上に設定することで、点火コイルの蓄積エネルギが不足するのを防止している。このようにして誘導電圧の低下を防ぐことで、多重放電の発生期間の前半において、正常燃焼時であるにも拘わらず火花放電が発生しなくなるのを防止するのである。つまり、多重放電の発生期間の前半において、正常燃焼時には確実に火花放電が発生するように、点火コイルにエネルギを蓄積するのである。
【0128】
また、一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を70%以下に設定することで、点火コイルの蓄積エネルギが過剰となるのを防ぎ、多重放電の発生期間の後半において、失火時であるにも拘わらず、火花放電が発生してしまうのを防止している。つまり、多重放電の発生期間の後半において、正常燃焼時には火花放電が発生するように、失火時には火花放電が発生しないように、点火コイル15にエネルギを蓄積するのである。
【0129】
このように、一次電流22の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合を設定することで、正常燃焼時および失火時のそれぞれの火花放電発生回数に差異が生じやすくなる。
さらに、繰り返し周期が200[μSec]以下となるように繰り返し動作を実行することで、1燃焼サイクルにおいて発生可能な火花放電の回数を少なくとも3回以上とすることができる。これにより、1燃焼サイクルに含まれる誘導電圧の発生回数が不足するのを防止でき、火花放電発生回数に基づく失火検出の検出精度が低下するのを防止できる。
【0130】
よって、本実施例の失火検出装置1によれば、正常燃焼時と失火時との火花放電発生回数に差が生じ易くなり、また、誘導電圧の発生回数が不足しないことから、失火検出の検出精度を向上させることができる。
ここで、実際の内燃機関を用いて、正常燃焼時(着火時)および失火時のそれぞれにおいて、燃焼圧力(図示平均有効圧力:Pmi)および二次電流時間積算値(火花放電時間積算値)を測定した測定結果を、図5、図6、図7に示す。
【0131】
まず、図5は、正常燃焼時(着火時)における火花放電電流(波形A)および図示平均有効圧力(波形B)の測定波形を表す測定結果であり、図6は、失火時における火花放電電流(波形A)および図示平均有効圧力(波形B)の測定波形を表す測定結果である。なお、正常燃焼時の方が失火時よりも図示平均有効圧力のピーク値が高く、ピーク時期が遅いことから、図5と図6とにそれぞれ示す図示平均有効圧力の波形から、図5が正常燃焼時の測定結果であり、図6が失火時の測定波形であることが判る。
【0132】
そして、図5および図6に示す火花放電電流の測定結果から、正常燃焼時の方が失火時よりも火花放電の発生回数が多いことが判る。
また、図7は、50回の測定を実行した際の、図示平均有効圧力と火花放電時間積算値との関係を表す測定結果である。なお、火花放電時間積算値は、1燃焼サイクルにおいて火花放電の発生時間を積算した値であり、火花放電発生回数に比例した値となる。また、図7において、図示平均有効圧力が正の値となる測定データは正常燃焼時(着火時)の測定データであり、図示平均有効圧力が負の値となる測定データは失火時の測定データである。
【0133】
図7に示すように、正常燃焼時の火花放電時間積算値は、失火時の火花放電時間積算値よりも大きい値となることから、火花放電時間積算値に基づいて、正常燃焼であるか失火であるかを判断できることが判る。なお、火花放電時間積算値を一次電流の遮断時間で除算して得られる火花放電発生回数に基づいて、失火判定を行うことも可能である。したがって、火花放電発生回数に基づき失火判定を行う本実施例の失火検出装置は、正常燃焼であるか失火であるかを正確に判断することが可能となる。
【0134】
次に、本発明の別の実施例(以下、第2実施例ともいう)について説明する。なお、第2実施例の失火検出装置は、上述した実施例(以下、第1実施例ともいう)の失火検出装置1のうち、失火検出処理の一部が変更されて構成されている。図8は、第2実施例の失火検出装置で実行される失火検出処理の処理内容を表すフローチャートである。なお、第1実施例と同一番号のステップについては、第1実施例と同様の処理を実行している。
【0135】
第2実施例の失火検出処理は、第1実施例の失火検出処理のうち、S210およびS220に代えてS310を実行するよう構成されており、以下に、S310での処理内容について説明する。
S310では、火花放電積算時間信号46が表す火花放電積算時間と失火判定基準時間Ntとを比較して、火花放電積算時間が失火判定基準時間Ntよりも小さいか否かを判断しており、火花放電積算時間が失火判定基準時間Ntよりも小さい場合に失火と判定し、火花放電積算時間が失火判定基準時間Nt以上である場合に正常燃焼と判定する処理を行う。なお、失火判定基準時間Ntは、正常燃焼時の火花放電積算期間と失火時の火花放電積算時間との境界値となるように、内燃機関の運転試験の試験結果等に基づいて予め設定されている。
【0136】
つまり、第2実施例の失火検出装置は、第1実施例における火花放電発生回数に代えて火花放電積算時間を用いて着火・失火判定を行うよう構成されている。このように構成された第2実施例の失火検出装置は、第1実施例の失火検出装置と同様の効果を得ることができる。
【0137】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、失火検出処理のS220での処理に用いる失火判定基準値Nsは、固定値に限ることはなく、可変値としても良い。
【0138】
つまり、上記実施例の失火検出装置1が備えられる内燃機関は、運転状態に応じて多重放電回数を設定(更新)するよう構成されている。具体的には、ECU19で実行される失火検出処理のS120において、内燃機関の運転状態に応じて誘導電圧発生回数snを設定している。このように、運転状態に応じて誘導電圧発生回数snを変化させる内燃機関においては、正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値が変化するため、固定値である失火判定基準値を用いて失火検出を行うと、境界値が大きく変動した場合には、失火検出の検出精度が低下する虞がある。
【0139】
そこで、失火検出処理のS120において、誘導電圧発生回数snだけでなく、失火判定基準値Nsについても、内燃機関の運転状態に応じて値を変更することで、失火判定基準値Nsを失火判定に適した値に設定するのである。例えば、誘導電圧発生回数snがより小さい値に設定される内燃機関の運転状態になるほど失火判定基準値Nsを小さい値に設定し、また、誘導電圧発生回数snがより大きい値に設定される内燃機関の運転状態になるほど失火判定基準値Nsを大きい値に設定するとよい。
【0140】
これにより、内燃機関の運転状態が変化して誘導電圧発生回数が大きく変化した場合であっても、失火判定基準値Nsが失火判定に適した値に設定されることから、火花放電発生回数に基づいて失火判定を行うことが可能となる。したがって、内燃機関の運転状態に応じて誘導電圧の発生回数が設定される内燃機関においても、失火検出の検出精度が低下するのを防止することができる。
【0141】
なお、このような構成の失火検出装置においては、失火検出処理のS120が、特許請求の範囲に記載の判定基準値設定手段に相当する。
また、I−V変換回路30は、抵抗素子を備える構成に限らず、図4に示すようにオペアンプ69を有する第2I−V変換回路53を用いて失火検出装置を構成しても良い。なお、第2I−V変換回路53は、第1入力端子55が二次巻線23(図1参照)に接続され、第2入力端子57がグランド(図1参照)に接続され、電圧出力端子59が火花放電発生回数検出回路35(図1参照)に接続されている。
【0142】
そして、第2I−V変換回路53は、アノードが第1入力端子55に接続され、カソードが第2入力端子57に接続される第2ダイオード61と、アノードが第2入力端子57に接続され、カソードが第1入力端子55に接続されて、第2ダイオード61に並列接続される第3ダイオード63とを備えている。また、オペアンプ69は、反転入力端子−が第2ダイオード61のアノードに接続され、反転入力端子−と出力端子とが第2抵抗65を介して接続され、非反転入力端子+が第3抵抗67を介してグランドに接続され、出力端子が電圧出力端子59に接続されている。
【0143】
このように構成された第2I−V変換回路53においては、二次巻線23から第2ダイオード61に流れる火花放電電流24と同等の電流が第2抵抗65に流れる。このことから、第2I−V変換回路53は、火花放電電流24の電流値Iと第2抵抗65の抵抗値Rとの乗算して得られる電圧値V(=I×R)を電圧出力端子59から出力する。そして、電圧値Vは電流値Iに比例した値となることから、第2I−V変換回路53は、火花放電電流24(副火花放電電流)の電流値を電圧値に変換して火花放電発生回数検出回路35に対して出力するよう動作する。
【0144】
よって、I−V変換回路30に代えて第2I−V変換回路53を備えて構成した失火検出装置についても、火花放電電流の検出結果に基づき火花放電発生回数を検出し、その検出結果に基づいて適切に失火判定を行うことが出来る。
さらに、火花放電電流の検出方法としては、I−V変換回路30や第2I−V変換回路53の他に、ホール素子を用いて検出する方法を採ることもできる。なお、ホール素子は、通電経路を取り囲む検出部を備えて構成されており、通電経路に電流が流れてインダクタンスが変化することにより検出部に発生する電流に基づいて、火花放電電流を検出することができる。
【0145】
また、判定基準電源装置45は、固定値の通電判定用基準電圧値Voを出力する構成に限らず、可変値の通電判定用基準電圧値Voを出力する構成としてもよく、例えば、内燃機関の運転状態に基づき通電判定用基準電圧値Voを設定可能な電源装置を用いて構成しても良い。
【0146】
そして、時間積算回路47は、例えば、コンデンサを備えて、火花放電電流の通電時間に応じた電荷を蓄積するよう構成し、コンデンサに蓄積された蓄積電荷量によって時間積算を行うよう構成しても良い。
また、火花放電発生回数検出回路35から時間積算回路47を省略し、火花放電検出回路41が出力する判定結果信号44をECU19に入力して、ECU19の内部処理として火花放電積算時間を算出する積算時間算出処理を実行するように、失火検出装置を構成しても良い。
【0147】
また、上記の失火検出装置1が備えられる点火装置は、イグナイタ17を使った多重放電型点火装置であるが、これに限らず、例えば、特開平10−347306号公報に記載されるような容量誘導放電型点火装置においても、本発明の失火検出装置を用いることで同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多重放電を行う内燃機関に備えられる実施例の失火検出装置の構成を表す電気回路図である。
【図2】 電子制御装置(ECU)において実行される失火検出処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図3】 失火検出処理の実行時における失火検出装置の各部の状態を表すタイムチャートである。
【図4】 オペアンプを有する第2I−V変換回路の構成を表す電気回路図である。
【図5】 正常燃焼時における火花放電電流(波形A)および図示平均有効圧力(波形B)の測定波形を表す測定結果である。
【図6】 失火時における火花放電電流(波形A)および図示平均有効圧力(波形B)の測定波形を表す測定結果である。
【図7】 図示平均有効圧力と火花放電時間積算値との関係を表す測定結果である。
【図8】 第2実施例の失火検出装置において実行される失火検出処理の処理内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…失火検出装置、11…電源装置(バッテリ)、13…点火プラグ、15…点火コイル、17…イグナイタ、19…電子制御装置(ECU)、21…一次巻線、23…二次巻線、25…中心電極、27…接地電極、30…電流電圧変換回路(I−V変換回路)、31…検出抵抗、35…火花放電発生回数検出回路、41…火花放電検出回路、43…判定用比較器、45…判定基準電源装置、47…時間積算回路、53…第2I−V変換回路。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a misfire detection device for detecting misfire in an internal combustion engine including multiple discharge ignition means for igniting an air-fuel mixture by a plurality of spark discharges generated in a spark plug.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as an internal combustion engine used for an automobile engine or the like, an induction voltage generated in an ignition coil is applied to generate a spark discharge between the electrodes of the spark plug, and this spark discharge ignites the air-fuel mixture. Internal combustion engines configured to perform are known.
[0003]
However, when the spark discharge does not normally occur between the electrodes of the spark plug, the air-fuel mixture is not ignited and misfire occurs, so that the internal combustion engine cannot be operated normally. Even when spark discharge occurs between the electrodes of the spark plug, if the air-fuel mixture is not normally ignited, misfire occurs and the internal combustion engine cannot be operated normally.
[0004]
Therefore, in order to operate the internal combustion engine normally, it is desirable to detect misfire early and set control parameters such as ignition timing and air-fuel ratio to values that suppress misfire.
As a method for detecting misfire, for example, a method using an ionic current is known. In other words, in the internal combustion engine, when the air-fuel mixture burns due to spark discharge by the spark plug, ions are generated along with the combustion, so that no spark discharge is generated between the spark plug electrodes after the spark plug spark discharge. When a voltage is applied, an ionic current flows. For this reason, since the amount of ions generated differs between the case of normal combustion and the case of misfire, there is a difference in the ionic current value. Therefore, it is possible to detect misfire by detecting this ionic current and performing analysis processing. it can. That is, when the ion current flows, it can be determined that the combustion is normal, and when the ion current does not flow, the misfire can be determined.
[0005]
On the other hand, when an ignition coil having a small capacity is used as an ignition coil that generates an induction voltage, the spark discharge duration time is shortened, and the ignition performance of the air-fuel mixture may be reduced. In order to solve this problem, there has been proposed a method for preventing a decrease in ignition performance by performing an operation of repeatedly energizing and interrupting a primary current during one combustion cycle to generate a plurality of spark discharges.
[0006]
In other words, an internal combustion engine having a small capacity ignition coil is equivalent to a large capacity ignition coil by generating spark discharge multiple times (by generating multiple discharges) and extending the apparent spark discharge duration. It is possible to achieve the ignition performance of.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, an internal combustion engine configured to ignite an air-fuel mixture by multiple discharges ignites the air-fuel mixture with the same spark discharge energy as when one spark discharge is continuously generated in one combustion cycle. For this, it is necessary to set the generation period of the multiple discharge (apparent spark discharge duration) longer than the spark discharge duration in the case where one spark discharge is continuously generated in one combustion cycle.
[0008]
And if the generation | occurrence | production period of a multiple discharge becomes long, depending on the driving | running state of an internal combustion engine, a multiple discharge generation period and ion current detection time may overlap. In particular, when the rotational speed of the internal combustion engine becomes high, overlap between the multiple discharge generation period and the ion current detection time tends to occur.
[0009]
If the multiple discharge generation period overlaps with the ion current detection time in this way, it is affected by the secondary current (discharge current) that flows due to spark discharge, so that only the ion current cannot be detected and misfire detection can be performed. Disappear.
In addition, even if the misfire detection is performed by detecting the ionic current after the end of the multiple discharge generation period, when the multiple discharge generation period is set long, for example, at the time of high rotation, the ions move toward the latter half of the multiple discharge generation period. Therefore, even if the misfire detection is performed by applying the ion current detection voltage to the ignition plug after completion of the multiple discharge, the misfire detection by the ion current may not be performed.
[0010]
The present invention has been made in view of these problems, and provides a misfire detection device that detects misfire without detecting an ionic current when detecting misfire in an internal combustion engine that ignites an air-fuel mixture by multiple discharge. For the purpose.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0012]
When multiple discharges are performed, the energy stored in the ignition coil is consumed as the spark discharge is repeated. Therefore, the energy stored in the ignition coil decreases in the second half of the multiple discharge generation period and is generated in the secondary winding. The induced voltage tends to decrease. In addition, the required voltage required to generate a spark discharge between the electrodes of the spark plug varies depending on the state between the electrodes, for example, if there are many ions between the electrodes, the required voltage is low, When there are no ions between the electrodes, the required voltage is high.
[0013]
As a result, the required voltage decreases during normal combustion, so spark discharge is likely to occur even in the latter half of the multiple discharge occurrence period, and the required voltage increases in the event of a misfire. In the latter half of the period, spark discharge hardly occurs. In other words, even when the same number of induced voltages are generated during one combustion cycle, there is a difference in the number of times spark discharge is actually generated in the spark plug between normal combustion and misfire. For this reason, it becomes possible to perform misfire determination based on the actual number of spark discharge occurrences.
[0014]
The misfire detection apparatus of the present invention (Claim 1) includes a spark discharge occurrence count detection means and a misfire determination means, and compares the detected spark discharge occurrence count with a misfire determination reference value to perform normal combustion or misfire. It is comprised so that misfire determination may be performed. The misfire determination reference value is set to a boundary value between the number of spark discharge occurrences during normal combustion and the number of spark discharge occurrences during misfire.
[0015]
In other words, this misfire detection device is configured to detect the actual number of occurrences of spark discharge and perform misfire determination based on the detected number of occurrences of spark discharge. Misfire determination can be performed without performing the detection process.
[0016]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 1), misfire detection can be performed without using an ionic current in an internal combustion engine having multiple discharge ignition means, and combustion into an air-fuel mixture is performed by multiple discharge. It can prevent that the detection accuracy of misfire detection in an internal combustion engine falls.
[0017]
In addition, as a detection method of the number of spark discharge occurrences in the spark discharge occurrence number detection means, for example, whether or not the light emitted by the spark discharge is detected using an optical sensor installed so as to be able to observe between the electrodes of the spark plug in the combustion chamber A method of detecting the number of spark discharge occurrences by detecting a spark discharge actually generated based on the above can be adopted. That is, the spark discharge occurrence frequency detection means including the optical sensor determines that the spark discharge has actually occurred when light is detected, and determines that no spark discharge has occurred when no light is detected. Thus, the number of occurrences of spark discharge is detected.
[0018]
However, in the configuration using the optical sensor, there is a problem that the structure of the internal combustion engine becomes complicated because the installation space for the optical sensor needs to be provided in the cylinder head or the like, and the processing work for the installation space for the optical sensor is necessary. Therefore, there is a problem that the manufacturing cost becomes high.
[0019]
Therefore, the misfire detection device of the above (Claim 1) includes current detection means for detecting a spark discharge current flowing between the electrodes of the spark plug as described in Claim 2, and the spark discharge occurrence number detection means includes: It is preferable that the number of occurrences of spark discharge is detected based on the number of times the spark discharge current is detected by the current detection means.
[0020]
That is, when spark discharge occurs, current (spark discharge current) flows between the electrodes of the spark plug, but when spark discharge does not occur, current does not flow between the electrodes of the spark plug. Therefore, by detecting whether or not a spark discharge current flows between the electrodes of the spark plug, it is possible to determine whether or not a spark discharge has actually occurred between the electrodes of the spark plug based on the detection result. It is possible to detect the number of occurrences of spark discharge.
[0021]
Since the spark discharge current flowing between the electrodes of the spark plug can be detected at any position on the energization path (closed loop) formed including the spark plug and the secondary winding, the cylinder head must be processed. Therefore, it is possible to detect the spark discharge current.
[0022]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 2), since the number of occurrences of spark discharge can be detected without complicating the structure of the internal combustion engine, the misfire determination is performed while suppressing an increase in manufacturing cost. Can be performed.
The current detection means can be configured using, for example, a resistance element. Specifically, a detection resistor composed of a resistance element is connected in series to an energization path formed including a spark plug and a secondary winding. It is possible to connect and detect the spark discharge current based on the voltage across the detection resistor.
[0023]
However, depending on the insertion position of the detection resistor, the voltage applied to the detection resistor when an induced voltage is generated may become a high voltage, and voltage detection for detecting the voltage across the detection resistor or the detection resistor There is a risk that the device may be damaged by the application of a high voltage due to the induced voltage. For this problem, use of a detection resistor or voltage detection device having a high allowable withstand voltage as the detection resistor or voltage detection device can prevent damage due to application of an induced voltage. A detection resistor or the like having a high voltage is expensive, resulting in a problem of high cost.
[0024]
Therefore, in the misfire detection device described above (claim 2), as described in claim 3, the current detection means is an end of the secondary winding opposite to the end connected to the spark plug. It is preferable to provide a detection resistor connected in series to the energization path from the section to the ground and detect the spark discharge current based on the voltage across the detection resistor.
[0025]
That is, the secondary winding generally has one end connected to the ground serving as the reference potential and the other end connected to the spark plug, and is connected to the spark plug when an induced voltage is generated. An induced voltage (ignition voltage) having a large potential difference from the ground potential is output from the end.
[0026]
For this reason, if the detection resistor is connected in series to the energization path from the end of the secondary winding on the side opposite to the connection end to the spark plug to the ground, the detection resistor becomes the detection resistor when an induced voltage is generated. The applied voltage value does not become a high voltage, and the applied voltage to the voltage detection device for detecting the voltage across the detection resistor can be prevented from becoming a high voltage.
[0027]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 3), it is possible to prevent the detection resistor and the like from being damaged due to the application of a high voltage due to the induced voltage, so that stable misfire detection can be continued. In addition, since it is not necessary to use an expensive detection resistor or voltage detection device that has a high allowable withstand voltage, an increase in the cost of the misfire detection device can be prevented.
[0028]
By the way, when the detection resistor is connected in series to the energization path, the voltage drop at the detection resistor when the induced voltage is generated is suppressed, so that the rate of decrease in the voltage value applied between the electrodes of the spark plug is reduced. It is desirable.
Therefore, in the misfire detection device of the above (Claim 3) including the detection resistor, as described in Claim 4, the detection resistor has a resistance value equal to or less than 1/100 of the resistance value of the secondary winding. It is preferable to use a resistor element.
[0029]
With such a low resistance detection resistor, the voltage drop at the detection resistor when the induced voltage is generated is small, and the rate of decrease in the voltage applied between the electrodes of the spark plug can be kept small. .
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 4), it is possible to suppress a decrease in the voltage applied between the electrodes of the spark plug when an induced voltage is generated, and to suppress a decrease in the amount of energy that can be used as a spark discharge. Therefore, deterioration of the ignitability of the air-fuel mixture can be prevented.
[0030]
Next, a current (noise current) may be generated due to noise in the energization path that passes through the spark plug, and the occurrence of spark discharge is detected by detecting the number of occurrences of current in the energization path. When the number of times detection means is used, there is a possibility that the noise current is erroneously detected as a spark discharge current. For this reason, the detection accuracy of the number of occurrences of spark discharge may be reduced due to the influence of the noise current, and the detection accuracy of misfire detection may be reduced.
[0031]
Therefore, in the misfire detection device described above (claim 3 or claim 4), as described in claim 5, in the repetitive operation period, the interruption time that is the period from the interruption of the primary current to the energization is constant. The spark discharge occurrence count detection means integrates the spark discharge current energization time to detect the spark discharge integration time, and cuts off the primary current per time among a plurality of spark discharges in the repetitive operation. It is preferable that the number of spark discharge occurrences is detected by dividing the spark discharge integrated time by.
[0032]
In addition, when performing multiple discharges by repeatedly energizing / cutting off the primary current, a spark discharge occurs during the primary current cut-off time, so the cut-off time of the primary current is substantially equal to the spark discharge duration. . In the repetitive operation period, since the interruption time of the primary current is a fixed period, the spark discharge integration time is theoretically determined by the spark discharge duration per one of the plurality of spark discharges in the repetitive operation. The value is multiplied by the number of occurrences.
[0033]
From this, the number of spark discharge occurrences can be calculated by dividing the detected spark discharge integrated time by the primary current interruption time per time.
In addition, since the noise current is rarely generated continuously and is often generated instantaneously, the spark discharge integration time obtained by integrating the energization time of the current flowing through the energization path including the spark plug is instantaneous noise. Even when a current is generated, the value does not change greatly.
[0034]
For these reasons, the value obtained by dividing the detected spark discharge integration time by the primary current cut-off time per time is substantially equal to the number of spark discharge occurrences. In other words, compared to the case where the number of occurrences of spark discharge is detected by detecting the number of occurrences of current in the energization path, the detected number of spark discharges is calculated by dividing the detected spark discharge integration time by the primary current cutoff time per time. In the case of detection, the number of occurrences of spark discharge can be detected while suppressing the influence of noise.
[0035]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (claim 5), the influence of noise when detecting the number of occurrences of spark discharge can be suppressed, and the misfire determination accuracy in the misfire determination using the number of occurrences of spark discharge is reduced. Can be prevented.
When detecting the number of spark discharges using the detection resistor, the spark discharge occurrence number detecting means detects, for example, the number of times that the voltage across the detection resistor exceeds the reference voltage value for energization determination. The number of occurrences of spark discharge can be detected based on the detected excess number. At this time, the reference voltage value for energization determination is set to a voltage value that is higher than the voltage value at both ends of the detection resistor during non-energization (generally 0 [V]) so that it can be determined whether the spark discharge current is energized. Is set.
[0036]
However, if the voltage across the detection resistor rises due to the influence of noise or the like and exceeds the reference voltage value for energization determination, it is determined that a spark discharge has been generated by mistake, and the detection accuracy of the number of occurrences of spark discharge decreases. Therefore, the detection accuracy of misfire detection may be reduced.
[0037]
Therefore, when the current detection unit is configured using a detection resistor, the spark discharge occurrence number detection unit compares the voltage across the detection resistor with the reference voltage value for energization determination, The spark discharge integrated time obtained by integrating the time during which the voltage is equal to or higher than the reference voltage value for energization determination is detected, and the spark discharge integrated time is divided by the primary current cut-off time per time among a plurality of spark discharges in the repetitive operation. Thus, it is preferable that the number of occurrences of spark discharge is detected.
[0038]
In other words, the increase in the voltage across the detection resistor due to noise rarely occurs continuously and often occurs instantaneously, so the voltage across the detection resistor becomes equal to or higher than the reference voltage value for energization determination. The spark discharge integration time obtained by integrating the time does not change greatly even if instantaneous noise occurs.
[0039]
For this reason, the value obtained by dividing the detected spark discharge integration time by the primary current interruption time per time becomes a value substantially equal to the number of times of spark discharge occurrence. That is, when the number of spark discharge occurrences is detected by dividing the detected spark discharge integration time by the primary current cutoff time per time, compared to the case where the excess number is detected to detect the number of spark discharge occurrences described above. In this case, the number of occurrences of spark discharge can be detected while suppressing the influence of noise.
[0040]
Therefore, according to the misfire detection device configured in this way, even when the current detection means is configured using a detection resistor, the number of occurrences of spark discharge is detected by fluctuations in the voltage across the detection resistor due to noise. A decrease in accuracy can be suppressed, and a decrease in misfire determination accuracy in misfire determination using the number of spark discharge occurrences can be prevented.
[0041]
By the way, in the internal combustion engine, the ignitability to the air-fuel mixture changes when the operating state such as the engine rotation speed or the engine load changes. Therefore, the number of multiple discharges in one combustion cycle (that is, the apparent spark discharge integrated time). Is set to an appropriate value according to the operating state of the internal combustion engine, the internal combustion engine can be stably operated. For this reason, in an internal combustion engine that performs multiple discharges, for example, as the rotational speed of the internal combustion engine increases, the number of induction voltage generations (multiple discharges) decreases, and as the rotational speed of the internal combustion engine decreases. There is an internal combustion engine provided with multiple discharge type ignition means for setting the number of multiple discharges according to the operating state of the internal combustion engine so as to increase the number of times of induction voltage generation (number of multiple discharges).
[0042]
Thus, in an internal combustion engine that changes the number of times of induction voltage generation according to the operating state, the boundary value between the number of spark discharge occurrences during normal combustion and the number of spark discharge occurrences during misfiring changes due to changes in the operating state. Therefore, when the misfire determination reference value is a fixed value, if the boundary value fluctuates greatly due to a change in the operating state, the detection accuracy of misfire detection may be reduced.
[0043]
Therefore, the misfire detection device described above (any one of
[0044]
That is, not only the number of occurrences of the induced voltage but also the misfire determination reference value is set according to the operating state of the internal combustion engine, so that the misfire determination reference value is set to a value suitable for the misfire determination. For example, an internal combustion engine in which the misfire determination reference value is set to a smaller value as the operating state of the internal combustion engine is set to a smaller value, and the number of times that the induced voltage is generated is set to a larger value. The misfire determination reference value should be set to a larger value as the operating state becomes.
[0045]
As a result, even if the operating state of the internal combustion engine changes and the number of occurrences of the induced voltage changes, the misfire determination reference value is set to a value suitable for the misfire determination. This makes it possible to perform misfire determination.
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 6), it is possible to prevent the detection accuracy of misfire detection from being lowered even in an internal combustion engine in which the number of occurrences of the induced voltage is set according to the operating state of the internal combustion engine. can do.
[0046]
In addition, it is possible to stably operate the internal combustion engine by setting each spark discharge duration generated by the repetitive operation in one combustion cycle to an appropriate value according to the operation state of the internal combustion engine. In this case as well, it is preferable to provide a determination reference value setting means for setting a misfire determination reference value according to the operating state of the internal combustion engine as described above.
[0047]
That is, even when the operating state of the internal combustion engine changes and the spark discharge duration changes for each combustion cycle, the value is set to a value suitable for the misfire determination reference value as described above. It is possible to make misfire determination based on this. However, in this case, the spark discharge duration per one spark discharge generated by the repetitive operation in one combustion cycle is a fixed period.
[0048]
Next, since the accumulated energy of the ignition coil decreases in the second half of the generation period of multiple discharges, the difference in the presence or absence of occurrence of spark discharges during normal combustion and during misfire is the second half of the generation period of multiple discharges. The more clear it becomes. In addition, regarding the generation time of the first induced voltage in the multiple discharge generation period, no spark discharge has occurred before that, and the difference between normal combustion and misfire is not reflected in the required voltage.
[0049]
Therefore, in the misfire detection device described above (any one of
[0050]
In other words, at least the first induction voltage generation time at which the difference between the occurrence of spark discharge between normal combustion and misfire is clarified, and the difference between normal combustion and misfire is not reflected in the required voltage. The detection period of the number of spark discharge occurrences is set so as not to include the generation time of the induced voltage. Thereby, the difference between the normal combustion and the misfire is more greatly reflected in the detection result of the number of occurrences of spark discharge.
[0051]
In addition, if the number of occurrences of the induced voltage included in the detection period of the number of occurrences of spark discharge is too small, the detection accuracy of misfire detection is lowered. Therefore, in this misfire detection device, at least two induction voltages are detected from the last occurrence time. By setting the detection period of the number of occurrences of spark discharge so as to include the generation time, the detection accuracy of misfire detection is prevented from being lowered.
[0052]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 7), by setting the detection period of the number of occurrences of spark discharge, the occurrence of spark discharge more greatly reflects the difference between normal combustion and misfire. The number of times can be detected, and the detection accuracy of misfire detection based on the number of occurrences of spark discharge can be improved.
[0053]
The invention of claim 8 made separately to achieve the above object has a primary winding and a secondary winding, and generates an induced voltage in the secondary winding by interrupting the primary current flowing in the primary winding. The ignition coil and the secondary winding form a closed loop, and when an induction voltage is applied, a spark plug that generates a spark discharge between its electrodes, and a primary current that flows through the primary winding of the ignition coil The ignition switching means for energizing / interrupting is started, and during the spark discharge generated at the ignition timing of the spark plug, a repetitive operation for energizing / interrupting the primary current using the ignition switching means is started, A misfire detection device including multiple discharge ignition means for generating a spark discharge a plurality of times by generating an induced voltage in a secondary winding over a number of times, and flows between electrodes of a spark plug Current detection means for detecting the spark discharge current, spark current energization time detection means for detecting the energization time of the spark discharge current detected by the current detection means for each spark discharge, and spark current energization time detection A spark discharge integrated time obtained by integrating the energization time detected by the means for one combustion cycle, and a misfire determination reference time set as a boundary value between the spark discharge integrated time during normal combustion and the spark discharge integrated time during misfire And a misfire determination means for determining normal combustion or misfire by comparison.
[0054]
The induced voltage generated in the secondary winding tends to decrease in the latter half of the generation period of the multiple discharge, and the required voltage required to generate a spark discharge between the electrodes of the spark plug is, for example, an electrode When there are many ions between them, the required voltage is low, and when there are no ions between the electrodes, the required voltage is high.
[0055]
In other words, when normal combustion occurs, the required voltage decreases, so spark discharge is likely to occur even in the latter half of the multiple discharge occurrence period, and in the case of misfire, the required voltage increases, so that sparks occur in the latter half of the multiple discharge occurrence period. It becomes difficult for electric discharge to occur. That is, even if the induced voltage of the same period is generated in one combustion cycle, there is a difference in the period during which spark discharge actually occurs in the spark plug between the normal time and the misfire time.
[0056]
Therefore, the misfire detection device of the present invention (invention 8) detects the energization time of the spark discharge current detected by the current detection means for one spark discharge, and combusts the detected energization time for one combustion. Since the misfire determination is performed based on the integrated spark discharge time accumulated for the cycle, the misfire determination can be performed without performing the process of detecting the ionic current after the spark discharge is completed.
[0057]
In the misfire detection device described above (any one of
[0058]
Since the ignition coil that satisfies the above power supply conditions has a relatively small capacity and a short spark discharge duration that can be sustained by a single spark discharge, multiple discharges should be performed to increase the apparent spark discharge duration. Therefore, it is often used so that the air-fuel mixture can be ignited even in an operating state that requires a long spark discharge duration.
[0059]
When multiple discharge is performed, the accumulated energy of the ignition coil is stored by the primary current that is energized before the start of the multiple discharge, but decreases by repeating the generation of the induction voltage. It is desirable to replenish the ignition coil with energy using a primary current energized therein.
[0060]
Therefore, it is possible to prevent the stored energy of the ignition coil from being insufficient by setting the ratio of the primary current energization time to the repetition period of energization / cutoff of the primary current to 30% or more. In this way, by preventing the induction voltage from decreasing, it is possible to prevent the occurrence of spark discharge in the first half of the multiple discharge generation period, despite the normal combustion. That is, in the first half of the multiple discharge occurrence period, energy is stored in the ignition coil so that spark discharge is reliably generated during normal combustion.
[0061]
On the other hand, if the energy replenished by the primary current energized during the multiple discharge occurrence period becomes excessive, a spark discharge may occur in the latter half of the multiple discharge occurrence period despite a misfire. There is.
Therefore, by setting the ratio of the primary current energization time to the primary current energization / interruption cycle to 70% or less, it is possible to prevent the accumulated energy of the ignition coil from becoming excessive, and in the latter half of the multiple discharge occurrence period. The spark discharge is prevented from occurring despite the misfire. That is, in the second half of the generation period of the multiple discharge, energy is accumulated in the ignition coil so that a spark discharge occurs during normal combustion and no spark discharge occurs during misfire.
[0062]
In this way, by setting the ratio of the primary current energization time to the primary current energization / interruption cycle, a difference easily occurs in the number of spark discharge occurrences during normal combustion and misfire.
Furthermore, it is possible to prevent the number of spark discharges that can be generated in one combustion cycle from being excessively reduced by executing the repetitive operation so that the repetitive period is 200 [μSec] or less. Thereby, it can prevent that the frequency | count of generation | occurrence | production of the induced voltage contained in 1 combustion cycle runs short, and can prevent that the detection accuracy of misfire detection based on the frequency | count of spark discharge generation | occurrence | production falls.
[0063]
Therefore, according to the misfire detection device of the present invention (Claim 9), it is easy to cause a difference in the number of spark discharges between normal combustion and misfire, and the number of occurrences of induced voltage is not short. The detection accuracy of detection can be improved.
[0064]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
First, FIG. 1 shows an electric circuit diagram showing the configuration of a misfire detection device of an embodiment provided in an internal combustion engine that performs multiple discharge. Although the present embodiment will be described for one cylinder, the present invention can also be applied to an internal combustion engine having a plurality of cylinders, and the basic configuration of the misfire detection device for each cylinder is the same.
[0065]
As shown in FIG. 1, the
[0066]
Of these, the igniter 17 is a switching element made of a semiconductor element that is switched based on a first command signal 37 from the
[0067]
Further, the
The primary winding 21 has one end connected to the positive electrode of the power supply device 11 and the other end connected to the collector of the igniter 17. The secondary winding 23 has one end connected to the ground having the same potential as the negative electrode of the power supply device 11 through the IV conversion circuit 30 (detection resistor 31), and the other end connected to the
[0068]
The
[0069]
Further, in the
[0070]
When the first command signal 37 output from the
[0071]
For this reason, when the first command signal 37 becomes low level while the first command signal 37 is at high level and the primary current 22 is flowing through the primary winding 21, the igniter 17 is turned off, and the primary winding 21. The primary current 22 is turned off. Then, the magnetic flux density in the
[0072]
The
[0073]
A secondary current 24 (hereinafter also referred to as a spark discharge current 24) flowing through the secondary winding 23 due to the spark discharge is transferred from the
[0074]
At this time, a voltage value corresponding to the current value of the spark discharge current 24 is generated at both ends of the detection resistor 31 in the
[0075]
Next, the spark discharge occurrence
As shown in FIG. 1, the spark discharge
[0076]
The spark
[0077]
Further, the
[0078]
That is, the spark
The
[0079]
Then, the
[0080]
The
Next, the misfire detection process executed in the
[0081]
The
[0082]
Further, the
[0083]
The misfire detection process shown in FIG. 2 is performed, for example, in one combustion cycle in which the internal combustion engine performs intake, compression, combustion, and exhaust based on a signal from a crank angle sensor that detects the rotation angle (crank angle) of the internal combustion engine. It is executed at a rate of once and processing for ignition control is also executed. The detection timing control process executed in parallel with the misfire detection process is also executed at the same timing as the misfire detection process at a rate of once per combustion cycle.
[0084]
3 shows the first command signal 37, the potential of the
[0085]
When the internal combustion engine is started and the misfire detection process is started, first, in S110 (S represents a step), a process of reading the operation state of the internal combustion engine detected in the operation state detection process that is executed separately. I do. In the process at S110, a process for reading the operating state including the engine speed of the internal combustion engine and the engine load calculated using the throttle opening, intake pipe negative pressure (intake air amount), and the like is performed.
[0086]
Next, in S120, based on the operation state read in S110, the initial spark discharge generation timing ts (so-called ignition timing), the induction voltage generation frequency sn, the spark discharge generation frequency detection period Tn, and the spark discharge duration of each spark discharge. Various parameters such as time Tt and multiple discharge spark discharge interval Tb are set.
[0087]
In the process at S120, for the first spark discharge occurrence time ts, a control reference value is obtained using a map or calculation formula using the engine speed and the engine load as parameters, and this is used as a cooling water temperature, an intake air temperature, or the like. It is set by a conventionally known procedure such as correction based on the above.
[0088]
The induced voltage generation frequency sn is set using a map or a calculation formula prepared in advance based on the operating state including the engine speed and the engine load. The map or calculation formula used at this time decreases the induced voltage generation frequency sn as the engine speed increases (high rotation), and increases the induced voltage generation frequency sn as the engine rotation speed decreases (low rotation). It is configured as follows.
[0089]
Further, the detection period Tn of the number of occurrences of spark discharge is set using a map or calculation formula prepared in advance based on the operating state including the engine speed and the engine load. Note that the map or calculation formula used at this time includes the last generation time among the generation times of the plurality of induction voltages, and in the period not including the first generation time among the generation times of the plurality of induction voltages. The detection period of the number of occurrences of spark discharge is set so as to include at least two induction voltage generation periods from the generation period. The set detection period Tn is used for processing in the detection timing control process.
[0090]
Further, the spark discharge duration Tt and the spark discharge interval Tb of each spark discharge are set using a map or calculation formula set in advance based on, for example, the rotational speed of the internal combustion engine and the throttle opening representing the engine load. Is done. The map or calculation formula used at this time is, for example, that the spark discharge continues for each spark discharge under operating conditions where the spark energy required to burn the air-fuel mixture is large (such as when the internal combustion engine is under low load and low speed). Under the operating conditions where the time Tt is long and the spark discharge interval Tb is short and the spark energy may be small (such as when the internal combustion engine is under high load and high rotation), the spark discharge duration Tt of each spark discharge is The spark discharge interval Tb is short and long. In other words, the spark discharge interval Tb is a repetition cycle of energization / cutoff of the primary current, and the map or calculation formula used at this time is configured such that the spark discharge interval Tb is set to 200 [μSec] or less. Yes. Furthermore, the map or the calculation formula is configured such that the ratio of the spark discharge duration Tt to the spark discharge interval Tb is set to 30% or more and 70% or less.
[0091]
The ratio of the primary current energization time to the primary current energization / interruption cycle is the time obtained by subtracting the spark discharge duration Tt from the spark discharge interval Tb. Since the ratio is set to 30% or more and 70% or less, the ratio of the primary current conduction time to the spark discharge interval Tb is 70% or less and 30% or more, that is, 30% or more and 70% or less.
[0092]
Next, in S130, 1 is set in the counter i in order to initialize the counter i for counting the number of induction voltage generations.
In the subsequent S140, the initial discharge energization start timing for the primary winding 21 that is earlier than the initial spark energization time ts by a preset initial discharge energization time ts based on the initial spark discharge occurrence timing ts set in S120. The first command signal 37 is changed from the low level to the high level when the initial discharge energization start time is reached (time t1 shown in FIG. 3). During the initial discharge energization time, the energy accumulated in the
[0093]
When the first command signal 37 is switched from the low level to the high level at time t1 shown in FIG. 3 and the igniter 17 is turned on (energized state) by the process of S140, the primary winding 21 of the
[0094]
In subsequent S150, based on the detection signal from the crank angle sensor, at the time of the first spark discharge (when counter i = 1), it is determined whether or not the initial spark discharge occurrence timing ts set in S120 has been reached. If the determination is negative and the determination is negative, the same step is repeatedly executed to wait until the first spark discharge occurrence time ts is reached. If it is determined in S150 that the first spark discharge occurrence time ts has been reached (time t2 shown in FIG. 3), the process proceeds to S160.
[0095]
In S150, the spark discharge occurrence timing for the second and subsequent times (when counter i ≧ 2) is also determined. In the second and subsequent spark discharges, the spark discharge interval set in S120 from the previous spark discharge occurrence timing. The time at which Tb has elapsed is defined as the spark discharge occurrence time, and it is determined whether or not this spark discharge occurrence time has been reached. And when negative determination is carried out, it waits until it becomes a spark discharge generation | occurrence | production time by performing the same step repeatedly. If it is determined in S150 that the spark discharge occurrence time has been reached, the process proceeds to S160.
[0096]
Next, in S160, the first command signal 37 is inverted from high to low level. As a result, the igniter 17 is turned off, the primary current 22 is cut off, an induced voltage (ignition voltage) is generated in the secondary winding 23 of the
[0097]
In the next S170, it is determined whether or not the spark discharge has been performed the number of times equal to the induction voltage generation number sn set in S120, depending on whether or not the counter i has reached the induction voltage generation number sn. If YES, the process proceeds to S210, and if NO is determined, the process proceeds to S180.
[0098]
In S180, the counter i is incremented (i = i + 1). For example, if the value of the counter i before shifting to S180 is 1 (i = 1), the counter i is set to 2 (i = 2) in S180.
In subsequent S190, it is determined whether or not the spark discharge duration Tt obtained in S120 has elapsed since the time when it was determined in S150 that the spark discharge has occurred. If the determination is negative, the same step is repeated. By doing so, it waits until the spark discharge duration Tt elapses. When it is determined in S190 that the spark discharge duration Tt has elapsed (time t3 shown in FIG. 3), the process proceeds to S200, and the first command signal 37 is inverted from low to high level. As a result, the igniter 17 is turned on, the primary current 22 is re-energized, the induced voltage generated in the secondary winding 23 of the
[0099]
Following the process of S200, the process proceeds to S150 again, and in S150, as described above, whether or not the second (counter i = 2) spark discharge occurrence timing has been reached (spark discharge interval Tb has elapsed). When the second spark discharge occurrence time (time t4 shown in FIG. 3) is reached, the process proceeds to S160 to generate the second spark discharge.
[0100]
In this way, by repeating the processing from S150 to S200, an induced voltage is generated in the secondary winding 23 a plurality of times, and a plurality of spark discharges (multiple discharges) are generated. As described above, when the induced voltage is generated by the number of times of induction voltage generation sn set in S120 (time t6 shown in FIG. 3), an affirmative determination is made in the determination process of S170, and the process proceeds to S210.
[0101]
Note that when the spark discharge is generated by the process in S180 and a spark discharge current flows and the voltage across the detection resistor 31 becomes equal to or higher than the energization determination reference voltage value Vo, the spark
[0102]
In S210, the number of spark discharge occurrences is calculated by dividing the spark discharge accumulated time represented by the spark discharge accumulated
In the next S220, the number of spark discharge occurrences calculated in S210 is compared with the misfire determination reference value Ns to determine whether or not the number of spark discharge occurrences is smaller than the misfire determination reference value Ns. When the number of times is smaller than the misfire determination reference value, a misfire is determined, and when the number of spark discharge occurrences is equal to or greater than the misfire determination reference value, a process for determining normal combustion is performed. The misfire determination reference value Ns is set in advance based on the test result of the operation test of the internal combustion engine so as to be a boundary value between the number of spark discharge occurrences during normal combustion and the number of spark discharge occurrences during misfire. Yes.
[0103]
Here, as shown in FIG. 3, at the time of misfire, after the spark discharge due to the induced voltage at time t5 before time t6 has occurred, no spark discharge has occurred and normal combustion (at the time of ignition) It can be seen that the number of occurrences of spark discharge is small compared to. Therefore, the number of occurrences of spark discharge can be compared with a misfire determination reference value for misfire determination, and based on the comparison result, it can be determined that misfire has occurred when the number of occurrences of spark discharge is smaller than the misfire determination reference value.
[0104]
When performing multiple discharge, the accumulated energy of the
[0105]
Then, when the process in S220 ends, the misfire detection process ends.
In the above embodiment, the spark discharge occurrence
[0106]
As described above, in the internal combustion engine provided with the
[0107]
At this time, the spark discharge occurrence
[0108]
That is, since the
[0109]
Therefore, according to the
[0110]
The
[0111]
Note that a spark discharge current flows between the electrodes of the
[0112]
The spark discharge current flowing between the electrodes of the
[0113]
Therefore, the misfire detection device of the present embodiment can detect the number of occurrences of spark discharge without complicating the structure of the internal combustion engine, and can therefore perform misfire determination while suppressing an increase in manufacturing cost. Become.
In addition, the
[0114]
For this reason, the voltage value applied to the detection resistor 31 when the induced voltage is generated does not become a high voltage, and the spark discharge occurrence
[0115]
The detection resistor 31 has a resistance value of 50 [Ω], which is a resistance value of 1/100 or less of the resistance value of the secondary winding 23 (15 [kΩ]). By using the detection resistor 31 having such a low resistance value, the voltage drop at the detection resistor 31 when the induced voltage is generated is reduced, and the reduction rate of the voltage applied between the electrodes of the
[0116]
Further, the
[0117]
In addition, since the interruption time of the primary current is a fixed period in the repetitive operation period, the spark discharge integration time is theoretically calculated as a spark discharge duration Tt (primary time) per time among a plurality of spark discharges in the repetitive operation. Since the current interruption time Tc) is multiplied by the number of spark discharge occurrences, the spark discharge occurrence number can be calculated by dividing the detected spark discharge integration time by the interruption time Tc.
[0118]
In addition, since the increase in the voltage across the detection resistor 31 due to noise rarely occurs continuously and often occurs instantaneously, the voltage across the detection resistor 31 is more than the energization determination reference voltage value Vo. The spark discharge integration time obtained by adding up the time does not change greatly even if instantaneous noise occurs.
[0119]
For these reasons, the value obtained by dividing the detected spark discharge accumulated time by the primary current cut-off time Tc per time is smaller in the amount of change in the spark discharge accumulated time due to the influence of noise, and the actual spark discharge is reduced. The value is approximately equal to the number of occurrences. In other words, the method for detecting the number of occurrences of spark discharge in the present embodiment is compared to the case where the number of occurrences of spark discharge is detected by detecting the number of times that the voltage across the detection resistor 31 exceeds the reference voltage value Vo for energization determination. The number of occurrences of spark discharge can be detected while suppressing the influence of noise.
[0120]
Therefore, according to the
Next, the
[0121]
Since the accumulated energy of the ignition coil decreases in the second half of the multiple discharge occurrence period, the difference in the occurrence of spark discharge between normal combustion and misfire is different in the second half of the multiple discharge occurrence period. It becomes clear. In addition, regarding the generation time of the first induced voltage in the multiple discharge generation period, no spark discharge has occurred before that, and the difference between normal combustion and misfire is not reflected in the required voltage.
[0122]
In other words, the
[0123]
In addition, if the number of occurrences of the induced voltage included in the detection period Tn of the number of occurrences of spark discharge is too small, the detection accuracy of misfire detection is lowered, so that it includes at least two induction voltage generation times from the last generation time. By setting the detection period Tn of the number of occurrences of spark discharge in the above, a decrease in detection accuracy of misfire detection is prevented.
[0124]
Therefore, according to the
[0125]
Note that the
[0126]
The internal combustion engine in the present embodiment performs the primary current energization time with respect to the repetition cycle of energization / interruption of the primary current 22 as a repetitive operation in the process for ignition control in the misfire detection process (the process from S110 to S200). It is configured to execute a repetitive operation in which a ratio of 30% to 70% and a repetitive cycle is 200 [μSec] or less.
[0127]
That is, the ratio of the primary current energization time to the primary current energization / interruption cycle is set to 30% or more to prevent the stored energy of the ignition coil from being insufficient. In this way, by preventing the induction voltage from decreasing, it is possible to prevent the occurrence of spark discharge in the first half of the multiple discharge generation period, despite the normal combustion. That is, in the first half of the multiple discharge occurrence period, energy is stored in the ignition coil so that spark discharge is reliably generated during normal combustion.
[0128]
Further, by setting the ratio of the primary current energization time to the primary current energization / interruption cycle to 70% or less, it is possible to prevent the accumulated energy of the ignition coil from becoming excessive, and in the latter half of the multiple discharge occurrence period. The spark discharge is prevented from occurring despite the misfire. That is, in the second half of the generation period of the multiple discharge, energy is accumulated in the
[0129]
Thus, by setting the ratio of the primary current energization time to the repetition period of energization / interruption of the primary current 22, a difference easily occurs in the number of spark discharge occurrences during normal combustion and misfire.
Furthermore, the number of spark discharges that can be generated in one combustion cycle can be set to at least three or more by performing the repetition operation so that the repetition period is 200 [μSec] or less. Thereby, it can prevent that the frequency | count of generation | occurrence | production of the induced voltage contained in 1 combustion cycle runs short, and can prevent that the detection accuracy of misfire detection based on the frequency | count of spark discharge generation | occurrence | production falls.
[0130]
Therefore, according to the
Here, using an actual internal combustion engine, the combustion pressure (average indicated effective pressure: Pmi) and the secondary current time integrated value (spark discharge time integrated value) are respectively obtained during normal combustion (ignition) and misfire. The measured results are shown in FIGS.
[0131]
First, FIG. 5 is a measurement result showing measurement waveforms of the spark discharge current (waveform A) and the indicated mean effective pressure (waveform B) during normal combustion (ignition), and FIG. 6 shows the spark discharge current during misfire. It is a measurement result showing the measurement waveform of (waveform A) and the indicated mean effective pressure (waveform B). Since the peak value of the indicated mean effective pressure is higher in normal combustion than in the case of misfire, and the peak time is later, FIG. 5 is normal from the waveforms of the indicated mean effective pressure shown in FIG. 5 and FIG. It is a measurement result at the time of combustion, and it can be seen that FIG. 6 shows a measurement waveform at the time of misfire.
[0132]
From the measurement results of the spark discharge current shown in FIG. 5 and FIG. 6, it can be seen that the number of occurrences of spark discharge is higher in normal combustion than in misfire.
FIG. 7 is a measurement result showing the relationship between the indicated mean effective pressure and the integrated value of the spark discharge time when 50 measurements are performed. The spark discharge time integrated value is a value obtained by integrating the spark discharge occurrence time in one combustion cycle, and is a value proportional to the number of spark discharge occurrences. In FIG. 7, the measurement data in which the indicated mean effective pressure is a positive value is the measurement data at the time of normal combustion (ignition), and the measurement data in which the indicated mean effective pressure is a negative value is the measurement data at the time of misfire. It is.
[0133]
As shown in FIG. 7, since the spark discharge time integrated value at the time of normal combustion is larger than the spark discharge time integrated value at the time of misfire, based on the spark discharge time integrated value, whether it is normal combustion or misfire It can be seen that it can be determined. It is also possible to make a misfire determination based on the number of spark discharge occurrences obtained by dividing the integrated value of the spark discharge time by the interruption time of the primary current. Therefore, the misfire detection apparatus of the present embodiment that performs misfire determination based on the number of occurrences of spark discharge can accurately determine whether it is normal combustion or misfire.
[0134]
Next, another embodiment of the present invention (hereinafter also referred to as a second embodiment) will be described. The misfire detection device of the second embodiment is configured by changing a part of the misfire detection process in the
[0135]
The misfire detection process of the second embodiment is configured to execute S310 in place of S210 and S220 in the misfire detection process of the first embodiment, and the contents of the process in S310 will be described below.
In S310, the spark discharge integrated time represented by the spark discharge integrated
[0136]
That is, the misfire detection device of the second embodiment is configured to perform ignition / misfire determination using the spark discharge integrated time instead of the number of occurrences of the spark discharge in the first embodiment. The misfire detection device of the second embodiment configured as described above can achieve the same effects as the misfire detection device of the first embodiment.
[0137]
As mentioned above, although the Example of this invention was described, this invention is not limited to the said Example, A various aspect can be taken.
For example, the misfire determination reference value Ns used for the process in S220 of the misfire detection process is not limited to a fixed value, and may be a variable value.
[0138]
That is, the internal combustion engine provided with the
[0139]
Therefore, in S120 of the misfire detection process, not only the induction voltage generation frequency sn but also the misfire determination reference value Ns is changed according to the operating state of the internal combustion engine, so that the misfire determination reference value Ns is set as the misfire determination. Set it to a suitable value. For example, the misfire determination reference value Ns is set to a smaller value as the operation state of the internal combustion engine in which the induced voltage generation frequency sn is set to a smaller value, and the induction voltage generation frequency sn is set to a larger value. The misfire determination reference value Ns may be set to a larger value as the engine is in an operating state.
[0140]
Thereby, even if the operating state of the internal combustion engine changes and the number of times that the induced voltage is generated greatly changes, the misfire determination reference value Ns is set to a value suitable for the misfire determination. Based on this, misfire determination can be performed. Therefore, even in an internal combustion engine in which the number of times of induction voltage generation is set according to the operating state of the internal combustion engine, it is possible to prevent the detection accuracy of misfire detection from being lowered.
[0141]
In the misfire detection device having such a configuration, S120 of the misfire detection process corresponds to the determination reference value setting means described in the claims.
Further, the
[0142]
The second
[0143]
In the second
[0144]
Therefore, the misfire detection device configured to include the second
Further, as a method of detecting the spark discharge current, a method of detecting using a Hall element in addition to the
[0145]
Further, the determination reference
[0146]
For example, the
Further, the
[0147]
The ignition device provided with the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an electric circuit diagram showing a configuration of a misfire detection device of an embodiment provided in an internal combustion engine that performs multiple discharge.
FIG. 2 is a flowchart showing the processing content of misfire detection processing executed in an electronic control unit (ECU).
FIG. 3 is a time chart showing the state of each part of the misfire detection device when misfire detection processing is executed.
FIG. 4 is an electric circuit diagram showing a configuration of a second IV conversion circuit having an operational amplifier.
FIG. 5 is a measurement result showing measurement waveforms of a spark discharge current (waveform A) and an indicated mean effective pressure (waveform B) during normal combustion.
FIG. 6 is a measurement result showing measurement waveforms of a spark discharge current (waveform A) and an indicated mean effective pressure (waveform B) at the time of misfire.
FIG. 7 is a measurement result showing the relationship between the indicated mean effective pressure and the integrated value of the spark discharge time.
FIG. 8 is a flowchart showing the contents of misfire detection processing executed in the misfire detection apparatus of the second embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
前記二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、前記誘導電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、
前記点火コイルの前記一次巻線に流れる前記一次電流の通電・遮断を行う点火用スイッチング手段と、を備え、
前記点火プラグの点火時期に生じる火花放電中に、前記点火用スイッチング手段を用いて前記一次電流を通電・遮断する繰り返し動作を開始し、
前記繰り返し動作により複数回にわたり前記二次巻線に誘導電圧を発生させることにより、前記火花放電を複数回発生させる多重放電型点火手段を備える失火検出装置であって、
前記点火プラグの電極間に発生した火花放電発生回数を検出する火花放電発生回数検出手段と、
前記火花放電発生回数検出手段にて検出した前記火花放電発生回数と、正常燃焼時の火花放電発生回数と失火時の火花放電発生回数との境界値に設定された失火判定基準値とを比較することにより、正常燃焼または失火と判断する失火判定手段と、
を備えたことを特徴とする失火検出装置。An ignition coil having a primary winding and a secondary winding, and generating an induced voltage in the secondary winding by interrupting a primary current flowing in the primary winding;
A spark plug that forms a closed loop with the secondary winding and generates a spark discharge between its own electrodes when the induced voltage is applied;
An ignition switching means for energizing / cutting off the primary current flowing through the primary winding of the ignition coil,
During the spark discharge occurring at the ignition timing of the spark plug, a repetitive operation of energizing / cutting off the primary current using the ignition switching means is started,
A misfire detection apparatus comprising multiple discharge type ignition means for generating the spark discharge a plurality of times by generating an induced voltage in the secondary winding a plurality of times by the repetitive operation,
A spark discharge occurrence number detecting means for detecting the number of spark discharge occurrences generated between the electrodes of the spark plug;
The spark discharge occurrence number detected by the spark discharge occurrence number detecting means is compared with a misfire determination reference value set at a boundary value between the spark discharge occurrence number during normal combustion and the spark discharge occurrence number during misfire. Misfire determination means for determining normal combustion or misfire,
A misfire detection device comprising:
前記火花放電発生回数検出手段は、前記電流検出手段により検出される前記火花放電電流の通電回数に基づいて前記火花放電発生回数を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の失火検出装置。Current detection means for detecting a spark discharge current flowing between the electrodes of the spark plug;
The spark discharge occurrence number detecting means detects the spark discharge occurrence number based on the number of energizations of the spark discharge current detected by the current detecting means;
The misfire detection device according to claim 1.
を特徴とする請求項2に記載の失火検出装置。The current detection means includes a detection resistor connected in series to an energization path from an end of the secondary winding opposite to the connection end to the spark plug to the ground. Detecting the spark discharge current on the basis of the voltage across the resistor for use;
The misfire detection device according to claim 2.
を特徴とする請求項3に記載の失火検出装置。The detection resistor has a resistance value of 1/100 or less of the resistance value of the secondary winding;
The misfire detection device according to claim 3.
前記火花放電発生回数検出手段は、
前記火花放電電流の通電時間を積算して火花放電積算時間を検出し、前記繰り返し動作における複数回の前記火花放電のうち1回あたりの前記遮断時間で前記火花放電積算時間を除算することにより前記火花放電発生回数を検出すること、
を特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の失火検出装置。In the repetitive operation period, the interruption time, which is a period from the interruption of the primary current to the energization, is a fixed period,
The spark discharge occurrence number detecting means is
Integrating the spark discharge current energization time to detect the spark discharge integration time, and dividing the spark discharge integration time by the cut-off time per time among the plurality of spark discharges in the repetitive operation Detecting the number of occurrences of spark discharge,
The misfire detection device according to any one of claims 2 to 4, wherein:
前記内燃機関の運転状態に応じて前記失火判定基準値を設定する判定基準値設定手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の失火検出装置。The internal combustion engine is configured to set the number of occurrences of the induced voltage according to an operating state;
A determination reference value setting means for setting the misfire determination reference value according to the operating state of the internal combustion engine;
The misfire detection device according to any one of claims 1 to 5, wherein:
前記検出期間設定手段は、複数回の前記誘導電圧の発生時期のうち最後の発生時期を含み、複数回の前記誘導電圧の発生時期のうち最初の発生時期を含まない期間において、最後の発生時期から少なくとも2回の前記誘導電圧の発生時期を含むように、前記火花放電発生回数の検出期間を設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の失火検出装置。The spark discharge occurrence number detecting means includes a detection period setting means for setting a detection period of the spark discharge occurrence number,
The detection period setting means includes a last generation time among a plurality of times of generation of the induced voltage, and a last generation time in a period not including the first generation time of the plurality of times of generation of the induced voltage. Setting a detection period of the number of occurrences of the spark discharge so as to include at least two generation times of the induced voltage from
The misfire detection device according to any one of claims 1 to 6, wherein:
前記二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、前記誘導電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、
前記点火コイルの前記一次巻線に流れる前記一次電流の通電・遮断を行う点火用スイッチング手段と、を備え、
前記点火プラグの点火時期に生じる火花放電中に、前記点火用スイッチング手段を用いて前記一次電流を通電・遮断する繰り返し動作を開始し、
前記繰り返し動作により複数回にわたり前記二次巻線に誘導電圧を発生させることにより、前記火花放電を複数回発生させる多重放電型点火手段を備える失火検出装置であって、
前記点火プラグの電極間に流れる火花放電電流を検出する電流検出手段と、
1回あたりの火花放電に対して、前記電流検出手段により検出される前記火花放電電流の通電時間を検出する火花電流通電時間検出手段と、
前記火花電流通電時間検出手段にて検出した前記通電時間を1燃焼サイクル分積算した火花放電積算時間と、正常燃焼時の火花放電積算時間と失火時の火花放電積算時間との境界値に設定された失火判定基準時間とを比較することにより、正常燃焼または失火と判断する失火判定手段と、
を備えたことを特徴とする失火検出装置。An ignition coil having a primary winding and a secondary winding, and generating an induced voltage in the secondary winding by interrupting a primary current flowing in the primary winding;
A spark plug that forms a closed loop with the secondary winding and generates a spark discharge between its own electrodes when the induced voltage is applied;
An ignition switching means for energizing / cutting off the primary current flowing through the primary winding of the ignition coil,
During the spark discharge occurring at the ignition timing of the spark plug, a repetitive operation of energizing / cutting off the primary current using the ignition switching means is started,
A misfire detection apparatus comprising multiple discharge type ignition means for generating the spark discharge a plurality of times by generating an induced voltage in the secondary winding a plurality of times by the repetitive operation,
Current detection means for detecting a spark discharge current flowing between the electrodes of the spark plug;
A spark current energizing time detecting means for detecting an energizing time of the spark discharge current detected by the current detecting means with respect to one spark discharge;
It is set to a boundary value between the spark discharge integrated time obtained by integrating the energization time detected by the spark current energizing time detecting means for one combustion cycle, and the spark discharge integrated time during normal combustion and the spark discharge integrated time during misfire. Misfire determination means for determining normal combustion or misfire by comparing the misfire determination reference time,
A misfire detection device comprising:
前記多重放電型点火手段が、前記繰り返し動作として、前記一次電流の通電・遮断の繰り返し周期に対する一次電流通電時間の占める割合が30%以上70%以下で、前記繰り返し周期が200[μSec]以下となる繰り返し動作を実行するよう構成された前記内燃機関において失火検出を行うこと、
を特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の失火検出装置。The ignition coil is configured to satisfy a power supply condition of spark discharge duration of the spark plug of 0.7 [mSec] or more and 1.3 [mSec] or less by measurement based on American Automobile Engineers Standard SAE J973,
In the multiple discharge ignition means, as the repetitive operation, the ratio of the primary current energization time to the repetitive period of energization / cutoff of the primary current is 30% to 70% and the repetitive period is 200 [μSec] or less. Performing misfire detection in the internal combustion engine configured to perform a repetitive operation comprising:
The misfire detection device according to any one of claims 1 to 8, characterized in that:
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