JP4356729B2 - 光ディスク描画装置 - Google Patents
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Description
(1−1)光ディスクの構成
図1には、本実施形態に係る光ディスクの一例として、DVD−R、CD−R、CD−R/DVD−R混合型光ディスクの断面図を示している。DVD−R1aにおいては、記録面Daからレーベル面Laに向かって順番に、ポリカーボネート層101a、データ記録層103a、半透明層104a、中間層105a、描画層106a、半透明層107a及びポリカーボネート層108aが積層されている。DVD−R1aの厚さはおおよそ1.2(mm)であるが、そのうちポリカーボネート層101a及びポリカーボネート層108aがそれぞれ0.6(mm)程度を占めており、データ記録層103aから半透明層107aまでの厚さは微少な距離Δd1である。
CD−R1bにおいては、記録面Dbからレーベル面Lbに向かって順番に、ポリカーボネート層101b、データ記録層103b、半透明層104b、中間層105b、描画層106b、半透明層107b及び保護層108bが積層されている。記録層103bの記録面Da側には、螺旋状のグルーブ102bが形成されている。描画層106aは、或る強度のレーザ光が照射されると変色する性質を有している。DVD−R1aと同じく、CD−R1bの厚さはおおよそ1.2(mm)であるが、その大半はポリカーボネート層101bの厚さであり、データ記録層103bから保護層108bまでの厚さは微少な距離Δd2である。
CD−R/DVD−R1cにおいては、記録面Dcからレーベル面Lcに向かって順番に、ポリカーボネート層101c、データ記録層103c、半透明層104c、中間層105c、描画層106c、半透明層107c及び保護層108cが積層されている。記録層103cの記録面Dc側には、螺旋状のグルーブ102cが形成されている。描画層106cは、或る強度のレーザ光が照射されると変色する性質を有している。DVD−R1cやCD−R1bと同じく、CD−R/DVD−R1cの厚さはおおよそ1.2(mm)であるが、その大半はポリカーボネート層101c及び中間層105cの厚さであり、データ記録層103cから半透明層104cまでの厚さは微少な距離Δd3であり、描画層106cから保護層108cまでの厚さは微少な距離Δd4である。
本実施形態に係るシステムは、図2に示すように、ホスト装置10と光ディスク記録装置12とを相互に通信可能な状態に接続して構成される。光ディスク記録装置12は、ホスト装置10に内蔵する形式でも外付けする形式でもよい。光ディスク記録装置12には、前述したDVD−R1a,CD−R1b,CD−R/DVD−R1cのいずれかが装填されるが、以下の説明では、例えばCD−R1bが「光ディスク1」として装填された場合について説明する。
次に、前述した画像の重ねがきについて説明する。
図6は、描画層に照射されるレーザ光の軌跡を示した平面図である。同図(a)は重ね書き回数が「2」の場合のレーザ光の軌跡を示しており、(b)は重ね書き回数が「5」の場合のレーザ光の軌跡を示している。図示のように、ほぼ同一円周上において、各周回のレーザ光の軌跡が重ならないようにして重ね書きが行われる。これによって、隙間の少ない描画ができるとともに、きめ細やかな濃淡の表現が可能となる。例えば、各画素の濃淡によって表現可能な階調数を25とすると、図6(a)のように重ね書きを2回行った場合には、表現可能な階調数は2×25=50となる。更に、図6(b)のように重ね書き回数を5回とすると、表現可能な階調数は5×25=125となる。つまり、重ね書き回数を多くした方が階調数を多くすることができる。
次にバッファメモリ60の構成について説明する。
光ディスク1に対するデータ記録時と描画時のいずれにおいても、共通のバッファメモリ60を用いてデータの読み書きを行うようにすれば、光ディスク記録装置12の開発の簡略化やハードウェアの共通化を図ることができる。ただし、光ディスク1に対する描画の際には、上述した画像データの複製処理が行われる点が特徴的となる。
Sr= Su×Nt・・・(a)
ただし、
Sr:光ディスク1が1周する間に記録されるセクタの数
Su:1つのWRITEコマンドによってホスト装置10から転送されるセクタの数
Nt:光ディスク1が1周する間にホスト装置10からのデータ転送に用いられるWRITEコマンドの数
である。
図7に模式的に示すように、バッファメモリ60は、36個の記憶領域mをリング状に並べたリングバッファの形式を採っている。各記憶領域mに付された番号は、それぞれの領域に対して便宜的に割り当てられた領域番号を意味している。各記憶領域mの記憶容量は15セクタに相当する。よって、バッファメモリ60の全記憶容量は、36[個]×15[セクタ]×2448[バイト]=1321920[バイト]となる。
なお、ここでは、データ読み出し動作を分かりやすく説明するため、READポインタは領域番号「0」の記憶領域mを指し示したままとする。
図7(d)に示した状態から、データの読み出しが開始されると、まずシステム制御部56は、READポインタが指し示す領域番号「0」の記憶領域mからデータを読み出し、それをエンコーダ52に供給する。同時にREADポインタを次の領域番号「1」の記憶領域mに移動させる。その結果、バッファメモリ60は図7(e)に示すような状態となる。このようにシステム制御部56はREADポインタを移動させつつ、バッファメモリ60からデータを順次読み出してエンコーダに供給するという動作を繰り返す、その結果、最後は図7(a)の状態に戻る。この図7(a)の状態では、読み出すべきデータが存在しないバッファエンプティとなるから、システム制御部56は、READポインタを再びNULLを指し示す状態にする。
次に、図8を参照してエンコーダ52の構成を詳細に説明する。
図8において、エンコーダ回路64は、データ記録時は記録データ、描画時は画像データを入力する。エンコーダ回路64は、データ記録時は記録データをインタリープ処理した後にEFM変調し、さらに、同期処理や、パリティデータおよびマージンビットの付加処理や、NRZI(NonReturntoZeroInvert)変換処理を施して、1EFMフレームを構成する記録信号を連続して作成する。エンコーダ回路64で作成された記録信号はアンドゲート68をそのまま通過し、レーザドライバ48に供給される。レーザドライバ48はこの記録信号に応じてレーザダイオード70を駆動してレーザ光のパワーを2値に変調し、該記録信号を光ディスク1のデータ記録層にピットとして記録する。つまり、レーザドライバ48は、記録信号が“H”レベルの区間でレーザパワーをピットが形成されるレベルに上げ、記録信号が“L”レベルの区間でレーザパワーをピットが形成されないレベルに下げる。
図9は、EFMフレームのデータ構造とパルス信号DOTXとの関係を示したものである。図9(a)の「ビット列」はNRZI信号のフォーマットを表し、図中の数字はビット数である。図9(b)の「データ構造」はEFMフレームのデータ構造を表す。「EFM sync」は、EFMフレームの区切りを示すシンクパターン、「D0」〜「D23」はデータ、「P0」〜「P3」はPパリティ、「Q0」〜「Q3」はQパリティ、「m」はマージンビットである。このEFMフレームのデータ構造自体はデータ記録用も描画用も同じである。データ記録用と描画用とで異なるのは、データD0〜D23の内容である。すなわち、データ記録用のデータD0〜D23は記録する情報を表すデータであるのに対し、描画用のデータD0〜D23はこの1EFMフレームに割り当てられた1画素の階調に応じたデータである。
次に、以上説明したシステムの動作説明を行う。
図12は、システム制御部56の動作を表したフローチャートである。このフローチャート用いて、WRITEコマンドによって転送されるセクタ数Su=15、光ディスク1が1回転する間のデータ転送に用いられるWRITEコマンド数Nt=6、重ね書き回数Nw=3とした場合の動作を述べる。
ステップS3において、システム制御部56は、図13(a)に示すように、受信した画像データを領域番号「0」〜「5」の6個の記憶領域m(第1の記憶領域)に書き込む。そして、ステップS7において、システム制御部56は、図13(b)に示すように、領域番号「0」〜「5」の記憶領域m(第1の記憶領域)に書き込まれている画像データから、その複製データを生成し、領域番号「6」〜「11」の6個の記憶領域m(第2の記憶領域)に書き込む。図においては、矢印の元の記憶領域mが複製データを生成元を意味しており、矢印の先の記憶領域mが複製データの生成先を意味している(後述する図14及び図17において同じ)。即ち、システム制御部56は、領域番号「0」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「6」の記憶領域mに書き込み、領域番号「1」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「7」の記憶領域mに書き込み、領域番号「2」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「8」の記憶領域mに書き込み、領域番号「3」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「9」の記憶領域mに書き込み、領域番号「4」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「10」の記憶領域mに書き込み、領域番号「5」の記憶領域mの画像データを複製して領域番号「11」の記憶領域mに書き込む。前述したように、Nw=3であるから、システム制御部56はもう1つの複製データを生成する必要がある。そこで、システム制御部56は、図13(c)に示すように、領域番号「0」〜「5」の記憶領域m(第1の記憶領域)に書き込まれている画像データから、その複製データを生成し、領域番号「12」〜「17」の6個の記憶領域m(第2の記憶領域)に書き込む。これにより、1個の画像データと、Nw−1=2個の複製データとをバッファメモリ60上に用意される。
ステップS3において、システム制御部56は、図14(a)に示すように、受信した画像データを領域番号「0」〜「5」の6個の記憶領域m(第1の記憶領域)に書き込む。そして、ステップS7において、システム制御部56は、図14(b)に示すように、領域番号「0」〜「5」の記憶領域m(第1の記憶領域)に書き込まれている画像データから、その複製データを生成し、領域番号「6」〜「11」の6個の記憶領域m(第2の記憶領域)に書き込む。ここまでは、上述した第1の方法と同じである。
図13,14はNw=3の場合を説明する図であったが、例えばNw=7の場合には、バッファメモリ60の容量を超える量の画像データ及び複製データをバッファリングしなければならない。第2の方法の場合、複製データを5回生成した時点で、図14(d)のような状態となる。このような状態になると、図12のステップS6において複製データを書き込むことが可能な記憶領域が空いていないと判断される(ステップS6;No)。そこで、システム制御部56は、そのまま待機していると、そのうちにデータの読み出しが開始されてREADポインタが移動し始める。そして、図14(e)に示すように、複製データを書き込み可能な6個分の記憶領域mが空くと(ステップS6;Yes)、図14(f)に示すように、システム制御部56は、領域番号「30」〜「35」までの記憶領域mに書き込まれている複製データから、さらにその複製データを生成し、領域番号「0」〜「5」まで6個の記憶領域mに書き込む。このように、第2の方法によれば、複製データから複製データを生成していくので、バッファメモリ60の容量を超える量の画像データ及び複製データを用意することができる。これに対し、第1の方法によれば、領域番号「0」〜「5」まで6個の記憶領域mに書き込まれている画像データをREADポインタで読み出してしまうと、そこにはもう画像データが残っていないことになるので、複製データを生成することができないという欠点がある。従って、重ね書き回数と、バッファメモリ60の記憶容量との関係から、上記の第1の方法と第2の方法のいずれを用いればよいかを決めることが望ましい。
描画は、光ディスク1を回転させながら光ピックアップ34をディスク径方向に順次移送して行われる。よって、描画に用いられる画像データは、光ディスク1の回転中心位置を極とする極座標で表すのが便利である。そこで、ここでは画像データを構成する各画素の座標位置を、動径をrとし、偏角θが原線から左回り方向に増加する極座標(r,θ)でそれぞれ表す。システム制御部56は、描画開始前に光ピックアップ34の対物レンズのディスク径方向光軸位置を、書き始め半径位置ROに位置決めする(ステップS41)。この制御は、ステッピングモータ36を駆動して光ピックアップ34を内周方向に一旦戻し、最内周の原点位置(リミットスイッチで検出される位置、或いはストッパで機械的に係止される位置)を検出したら、その位置から対物レンズが書き始め半径位置ROに到達するステップ数分、ステッピングモータ36を駆動することにより実現される。続いて、振動信号発生器46から振動信号を発生させて、光ピックアップ34のトラッキングアクチュエータに供給して、対物レンズ33をディスク径方向に一定周期で振動させる(ステップS42)。振動の周波数Hzをスピンドル回転数rpsよりも大きな値に設定することにより、スピンドル1回転あたりに1周期以上振動させる。この振動は描画が終了するまで継続して行われる。なお、描画時はトラッキングサーボはオフにされる。
θ=2π×Lでθの計数値が0に戻り(ステップS46)、そのままθの計数を繰り返す。距離△rの移動を、θが2π×Lに達するごとに行い、ディスク径方向位置が書き終わり半径位置Rlに達したら(ステップS47)、システム制御部56は描画処理を終了する(ステップS48)。
以上述べた実施形態を次のように変形してもよい。
バッファメモリ60は、リングバッファの形式でなくてもよく、要するに、受信された画像データを記憶するための第1の記憶領域と、その複製データを記憶するための第2の記憶領域とが設けられた記憶手段であればよい。この記憶手段は、FIFO形式でデータが読み書きされるものであることが望ましい。
1つのバッファメモリ60に画像データの読み書きと複製データの読み書きの双方の処理を行う場合には、複製データの元となるデータをバッファメモリ60から読み出す際にREADポインタを移動させる処理が必要であった。一方、上記態様によればその必要がなく、ポインタ制御が簡単な内容で済むという利点がある。
Claims (5)
- 熱又は光により変色する描画層を有する光ディスクを回転させる回転手段と、
前記光ディスクの径方向に移動可能で、前記回転手段によって回転させられる光ディスクの前記描画層に焦点を合わせたレーザ光を照射する照射手段と、
前記光ディスクが1回転する期間にわたって前記描画層に描画される画像を表す画像データを受信する受信手段と、
記憶手段と、
前記受信手段によって受信された、前記光ディスクの1回転分に対応する画像データを、前記記憶手段の第1の記憶領域に書き込む書込手段と、
前記記憶手段の第1の記憶領域に書き込まれた画像データの複製データを、前記照射手段の径方向の位置が或る範囲内に保たれた状態で前記光ディスクに重ね書きされる回数分だけ繰り返し生成し、前記記憶手段の第2の記憶領域に書き込む複製生成手段と、
前記回転手段によって前記光ディスクを回転させ、前記照射手段の径方向の位置が或る範囲内に保たれている期間は、前記記憶手段から読み出した前記画像データ及びその複製データに応じたレーザ光を前記照射手段から前記描画層に照射させる描画手段と
を備えることを特徴とする光ディスク描画装置。 - 前記記憶手段は、FIFO(First in First out)形式でデータが読み書きされる記憶手段であり、
前記書込手段は、前記記憶手段の前記第1の領域に前記画像データを書き込み、
前記複製生成手段は、前記第1の領域に書き込まれた画像データから前記複製データを生成し、前記第1の記憶領域に続く前記第2の記憶領域に対して当該複製データを生成した順に書き込む
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク描画装置。 - 前記記憶手段は、FIFO(First in First out)形式でデータが読み書きされる記憶手段であり、
前記書込手段は、前記記憶手段の前記第1の領域に前記画像データを書き込み、
前記複製生成手段は、
前記第1の領域に書き込まれた画像データから1つの前記複製データを生成して、前記第1の記憶領域に続く前記第2の記憶領域に当該複製データを書き込み、
さらに複製データを生成する場合には、最後に書き込んだ複製データから複製データを生成し、生成した複製データを、最後に複製データが書き込まれた前記第2の記憶領域に続く記憶領域に書き込む処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク描画装置。 - 前記記憶手段は、
前記第1の記憶領域を有する第1の記憶手段と、
前記第2の記憶領域を有し、FIFO(First in First out)形式でデータが読み書きされる第2の記憶手段とを備え、
前記書込手段は、前記第1の記憶手段に前記画像データを書き込み、
前記複製生成手段は、前記第1の記憶手段に書き込まれた画像データから前記複製データを生成し、前記第2の記憶手段に対して当該複製データを生成した順に書き込み、
前記描画手段は、前記第2の記憶手段から読み出した前記複製データに応じたレーザ光を前記照射手段から前記描画層に照射させる
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク描画装置。 - 前記記憶手段は、FIFO(First in First out)形式でデータが読み書きされる記憶手段であり、
前記複製生成手段は、前記記憶手段においてデータを書き込み可能な記憶領域がない場合には、データを書き込み可能な記憶領域が空くまで待機し、データを書き込み可能な記憶領域が空くと、当該記憶領域と前記第2の記憶領域として前記複製データを書き込む
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク描画装置。
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