JP4355776B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents

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Description

本発明は吸収冷凍機に係る。
流下液膜を利用したシェル&チューブ方式吸収器を用いた吸収冷凍機に関する従来技術としては、例えば特開平6−347122号公報(特許文献1)に記載のものが挙げられる。この吸収冷凍機は、蒸発器、温水器、吸収器、凝縮器、高温再生器、低温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ、温水三方弁、これらを作動的に結合する配管系から構成されている。そして、水冷の吸収器の熱交換器部分には、チューブ内を流れる流体とシェル側を流れる流体の間で熱交換を行なうシェル&チューブ型の熱交換器が用いられている。蒸発器で蒸発された冷媒蒸気が吸収器へ流れ込み、ここで吸収器伝熱管上にスプレーされる臭化リチウム水溶液により吸収されるように構成されている。
また、ノズルによるスプレー方式吸収器を用いた吸収冷凍機に関する従来技術としては、例えば特開平11−270921号公報(特許文献2)に記載のものが挙げられる。この吸収冷凍機は、冷媒を蒸発させる蒸発器と、この蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収液に吸収する吸収器と、この吸収器で冷媒を吸収した吸収液を再生する高温再生器及び低温再生器と、これら高温再生器及び低温再生器での再生により発生した冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、前記低温再生器と前記凝縮器とを連結する蒸気通路とを備える。そして、吸収器の吸収器本体内に設けられた噴霧器から溶液冷却部で冷却された吸収溶液がスプレーされ、伝熱管で蒸発した冷媒蒸気を吸収溶液中に吸収するように構成されている。
特開平6−347122号公報
特開平11−270921号公報
特許文献1の吸収器は、チューブ内を流れる流体とシェル側を流れる流体の間で熱交換を行なうシェル&チューブ方式であるため、伝熱性能が液膜の厚さや流下速度に大きく依存しており、また、吸収過程で熱と物質の移動プロセスを同時に行なうことが避けられない構造となっていた。よって、特許文献1の吸収器では、プレートフィンなどの高効率熱交換器も使えないことから伝熱性能を向上することが難しく、装置が大型化してしまっていた。
一方、特許文献2の吸収器は、前記二つの移動プロセスを分離することを目的として、先に冷却して過冷却な状態とした吸収液をノズルで吸収器中の自由空間に噴霧することにより蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収する方式をとっている。この特許文献2の吸収器では、吸収液をノズルで噴霧することから、液滴と冷媒蒸気との気液界面が増加するという長所はあるが、自由空間に噴霧していることから継続して吸収作用を行なう要因としては、従来の流下液膜を利用した吸収器と同様に吸収液の飽和濃度差による物質移動のみであった。また、特許文献2の吸収器では、ノズル入口で吸収液を過冷却状態とする目的でしか吸収液の冷却を行なえないことから、従来の流下液膜を利用した吸収器よりも冷媒蒸気の吸収能力は小さかった。よって、吸収器出口の溶液を再循環するなどしなければ吸収器の性能を確保できないことから、吸収器の大型化や構造の複雑化を招いていた。
本発明の目的は、吸収器の高効率化・小型化が可能な吸収冷凍機を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、蒸発器、吸収器、凝縮器、再生器、溶液熱交換器、ポンプ類、及びこれらを接続する配管類からなる吸収冷凍機において、前記吸収器は前記再生器で濃縮された吸収液を駆動源とすると共に前記蒸発器内部の冷媒蒸気を吸引して吸収液に吸収するエジェクタを備え、前記エジェクタの出口側に冷却用熱交換器を配設した構成にしたことにある。
また、前記目的を達成するために、本発明は、蒸発器、吸収器、凝縮器、再生器、溶液熱交換器、ポンプ類、及びこれらを接続する配管類からなる吸収冷凍機において、前記吸収器は前記再生器で濃縮された吸収液を駆動源とすると共に前記蒸発器内部の冷媒蒸気を吸引して吸収液に吸収するエジェクタを備え、前記エジェクタはノズル部として二相流ラバルノズルを用い、前記エジェクタの吸収液の入口側に加熱用熱交換器を配設した構成にしたことにある。
本発明によれば、吸収器の高効率化・小型化が可能な吸収冷凍機を実現することが可能とである。
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
本発明の第1実施例の吸収冷凍機について、図1〜図4を用いて説明する。
まず、本実施例の吸収冷凍機の全体構成に関して図1及び図2を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例である二重効用吸収冷凍機の構成図、図2は図1の吸収器の要部構成図である。
本実施例の吸収冷凍機は、図1に示すように、混合型吸収器1、低温熱交換器3、高温溶液熱交換器5、高温再生器6、低温再生器7、凝縮器8、蒸発器9からなるパラレルフロー式のHO/LiBr系ガス焚二重効用吸収冷凍機である。なお、図1において、矢印は吸収液、冷媒及び冷却の流れ方向を示している。また、本発明は、シリーズフロー、リバースフロー等の吸収冷凍機に適用可能である。
この吸収冷凍機において、吸収器1からの稀溶液は、溶液循環ポンプ2により低温溶液熱交換器3に送り込まれ、低温溶液熱交換器3を出てから分流される。分流された一方の稀溶液は、高温溶液熱交換器5に送り込まれた後、高温再生器6へ送り込まれ、分流された他方の稀溶液は、低温再生器7へ送り込まれる、というパラレルフローを構成している。高温再生器6に送り込まれた稀溶液は、この高温再生器6内でバーナー6Aにより加熱されて冷媒蒸気と濃溶液に分離される。また、低温再生器7に送り込まれた稀溶液は、高温再生器6で発生した冷媒蒸気により加熱されて冷媒蒸気と濃溶液に分離される。このようにして濃縮された濃溶液は再び高温溶液熱交換器5、低温溶液熱交換器3を経て吸収器1内に戻される。
低温再生器7を加熱して凝縮された冷媒ドレンは凝縮器8へ導かれ、低温再生器7で発生した冷媒蒸気は凝縮器8に導かれ、これらは凝縮器8で凝縮される。このようにして凝縮された凝縮冷媒は蒸発器9内に戻される。
蒸発器9は液冷媒を蒸発するためのものである。蒸発器9の底部には、液冷媒を貯留するタンク部が形成され、貯留された液冷媒を吸込む冷媒ポンプ91がこのタンク部に接続されている。この冷媒ポンプ91は、タンク部と蒸発器9内上部とを連通する冷媒スプレー配管92に設置されている。タンク部に貯留された液冷媒は、冷媒ポンプ91の運転により、冷媒スプレー配管92を通して蒸発器9内の上部に供給され、蒸発器9内の上部からスプレーされる。その下方には、冷水ポンプ(図示せず)により水が供給される冷水管93が設けられている。スプレーされた冷媒は蒸発器9内で蒸発され、その蒸発熱により冷水管93内の水が冷却される。冷却された水は冷房用の冷水などとして使用される。また、蒸発された冷媒蒸気は吸収器1に吸込まれる。
吸収器1は、濃溶液に冷媒蒸気を吸収して稀釈するために、蒸発器9に隣接して連通して設けられている。この吸収器1は、溶液ポンプ18、冷却用熱交換器16、第1段エジェクタ11、第1段冷却用熱交換器17、第1段溶液ポンプ19、第2段エジェクタ11A、第2段冷却用熱交換器17A及び第2段溶液ポンプ19Aを直列に接続して構成されている。本実施例では、吸収器1の小型化・高効率化を図るため、第1段エジェクタ11及び第2段エジェクタ11Aを直列に接続した2段エジェクタで構成されている。
図2において、第1段エジェクタ11は、第1段ノズル部12、第1段吸引部13、第1段混合部14、及び第1段ディフューザ部15を備えて構成されている。第2段エジェクタ11Aは、第2段ノズル部12A、第2段吸引部13A、第2段混合部14A、及び第2段ディフューザ部15Aを備えて構成されている。第1段ノズル部12及び第2段ノズル部12Aは先細ノズルで構成されている。
なお、10は再生器6、7で濃縮された吸収液の流れ、20、20Aは冷却用熱交換器16、冷却用熱交換器16Aで冷却され過冷却状態となった吸収液の流れ、30、30Aは蒸発器9で発生する冷媒蒸気の流れ、40、40Aは吸収液と冷媒蒸気の二相流、50、50Aは第1段ディフューザ部15、第2段ディフューザ部15Aの出口の吸収液の流れ、60、60Aは第1段冷却用熱交換器17、第2段冷却用熱交換器17Aの出口の吸収液の流れ、70、70Aは第1段溶液ポンプ19、第2段溶液ポンプ19Aの出口側の吸収液の流れを示す。
吸収器1の動作を図1及び図2を参照しながら説明する。
高温再生器6及び低温再生器7で濃縮され吸収器1に戻る流れ10の吸収液は、溶液ポンプ18で昇圧され、さらに冷却用熱交換器16で冷却されることにより過冷却状態となる。この過冷却状態の流れ20の吸収液は、その流れ20を駆動流として第1段エジェクタ11のノズル部12からベンチュリ中に噴霧される。これにより、蒸発器9から冷媒蒸気が流れ30として吸引され、噴霧された吸収液と混合されて気液二相流40が生成される。その後、気液二相流40は第1段混合部14及び第1段ディフューザ部15を流れ、圧力回復されながら、過冷却された吸収液の飽和濃度差と第1段エジェクタ11の圧縮作用とにより、冷媒蒸気が吸収液に吸収されて流れ50として流出される。さらに、第1段エジェクタ11の出口側に第1段冷却用熱交換器17が設置されているので、第1段冷却用熱交換器17で吸収液を冷却することにより、過冷却された吸収液の飽和濃度差と第1段エジェクタ11の圧縮作用とによる吸収効果で吸収しきれなかった冷媒蒸気が第1段冷却用熱交換器17内で再び吸収液の飽和濃度差による吸収され、流れ60として流出される。よって、吸収器1のより一層の高効率化を図ることができる。なお、第1段冷却用熱交換器17の冷却方法としては水冷式でも空冷式でも構わない。
このようにして濃度の薄くなった流れ60の吸収液は、第1段溶液ポンプ19で昇圧される。この昇圧された流れ70の吸収液は、その流れ70を駆動流として第2段ノズル部12Aからベンチュリ中に噴霧される。これにより、蒸発器9から冷媒蒸気が流れ30Aとして吸引され、噴霧された吸収液と混合されて気液二相流40Aが生成される。その後、気液二相流40Aは第2段混合部14A、第2段ディフューザ部15A及び第2段冷却用熱交換器17Aを流れ、圧力回復されながら冷媒蒸気が吸収液に吸収され、さらには第2段冷却用熱交換器17Aで冷却されることにより冷媒蒸気が吸収液にさらに吸収され、さらに濃度が薄くなった流れ50Aとなる。この流れ50Aの稀溶液は、第2段溶液ポンプ19Aで昇圧されて低温溶液熱交換器3に流出される。なお、利用条件によっては、第1段ディフューザ部15及び第2段ディフューザ部15Aを省略してもよい。
かかる吸収器1によれば、吸収作用が従来の飽和濃度差による物質移動に加えて運動量による吸引効果も起因すること、エジェクタ11、11Aにおける段混合部14、14A・ディフューザ部15、15Aで吸収液及び冷媒蒸気を圧力回復させることが可能なこと、ベンチュリによる吸引効果によって吸収器1の不凝縮ガスを吸収する抽気装置を兼用できることなどの優れた効果を奏することができる。さらに具体的に説明すると、一点目は、吸収作用が従来の熱的効果に加えて噴流のエントレイメント効果やエジェクタ11、11Aにおける段混合部14、14A・ディフューザ部15、15Aによる圧縮作用による効果も起因することである。これにより、従来技術より吸収器1の高効率化を実現することが可能となる。二点目は、吸収器1中に自由空間を設けないことから吸収器1の大幅な小型化を実現することが可能となることである。三点目は、従来技術の吸収器と異なり強制的に冷媒蒸気を吸引することから、従来吸収器の性能に大きく影響していた吸収器の不凝縮ガスを吸収する抽気装置を兼用することが可能なことである。
また、本実施例の吸収器1が従来のシェル&チューブ方式吸収器と大きく異なる点としては、前記の違いに加えて、吸収過程における熱と物質の移動プロセスを分離できること、エジェクタのノズル部で微細な噴流を作ることにより気液界面の面積が大きく取れるため吸収現象が促進できること、などが挙げられる。
また、エジェクタ11、11Aを直列に複数段設けることにより、全体での冷媒蒸気吸収量は増加するため、再生器6、7で濃縮された吸収液10と吸収器1の出口の吸収液70Aの濃度幅が広がることにより吸収冷凍機の性能が向上する。
かかる吸収冷凍機のサイクルシミュレーションについて図3〜図4を参照しながら説明する。
サイクルシミュレーションにおいて、各熱交換器の熱収支は、伝熱管内及び管外におけるエンタルピの変化量と、対数平均温度差を用いて求めた伝熱量とに分けて算出した。なお、冷凍機の効率を表すCOPは次の式(1)の如く、冷凍能力Qと高位発熱量換算の高温再生器加熱量QHGとの比で算出した。
COP=Q/QHG (1)
シミュレーションの対象とした吸収冷凍機の容量、冷水・冷却水の条件、及びベンチュリ入口の溶液温度・圧力は表1に示す通りである。
Figure 0004355776
また、ベンチュリの吸収性能に関する実験結果を図3に示す通りである。なお、シミュレーションで冷凍能力を2.0usRTとした理由は、実験したベンチュリの溶液循環量が2.0usRT相当であるためであり、それに合わせたものである。ベンチュリ性能曲線は、シミュレーションと同様の入口温度・圧力の条件において、入口濃度をパラメータとした場合の入口と出口の濃度幅(1段分)を測定したものである。サイクルシミュレーションのベンチュリ部分の計算は本性能曲線図に基づいている。
吸収器1の入口濃度をパラメータとした場合のCOP及びサイクル状態の変化は図4に示す通りである。図4から明らかなように本実施例の吸収器1を用いた場合のCOPは、従来サイクルより約10%から15%向上しており、その傾向は吸収器1の入口濃度が薄くなるほど向上率は高くなっていることが判る。これは、吸収器1の入口濃度が薄くなることによって、高温再生器6の温度が低下するためにサイクル内部の顕熱ロスが低減できるためである。従来の流下液膜式吸収器の場合は、50%台の低濃度の吸収液では吸収作用が小さいため、濃溶液の濃度が60%台となるようにサイクルを構成せざるを得なかったが、本実施例の吸収器1の場合は、熱・物質移動プロセスを分離していることや、吸収作用が飽和濃度差による物質移動に加えて運動量による吸引効果も起因していることから、従来サイクルより低濃度でサイクルを構成することが可能となっている。これにより、COPの向上が可能となった他に、溶液の結晶化や腐食等の可能性を低減できるという特徴もある。
本実施例の吸収器1と従来の流下液膜式吸収器との容積を比較すると、表2に示すとおりである。本実施例の吸収器1の容積は、第1段エジェクタ11及び第2段エジェクタ11Aを直列に2段設けることから、ベンチュリ・熱交換器・溶液ポンプそれぞれ2個の合計値を表示してある。なお、2.0usRTの従来吸収器の比較対象が無いため、30usRT用吸収器と単位冷凍能力当りの容積比にて比較している。
Figure 0004355776
この表2から分かるように、本実施例の容積は、従来の流下液膜式吸収器の50%程度となる可能性があり、小型化にも大きく寄与できる。
上述したように、本実施例では、再生器6、7で濃縮された吸収液を吸収器1の入口で冷却することにより、蒸発器圧力よりも低い飽和圧力を持つ吸収液を駆動流としたエジェクタ11、11Aを吸収器1として用いている。このエジェクタ11、11Aは、ノズル部12、12A、吸引部13、13A、混合部14、14A、ディフューザ部15、15Aから構成されており、ノズル部12、12Aにより駆動流となる低圧で高速な噴流を作り、吸引部13、13Aで吸引流体を噴流のエントレイメント作用により巻き込んで吸引し、混合部14、14A・ディフューザ部15、15Aを通じて次第に圧力回復させる装置である。このエジェクタ11、11Aを吸収器1に適用する方法は次の通りである。エジェクタ11、11Aの駆動流は再生器6、7で濃縮された後に過冷却状態にした吸収液とし、吸引流は蒸発器9で発生する冷媒蒸気とする。吸収液をノズル部12、12Aにより高速な噴霧流として吸引部13、13A中に噴射することにより、蒸発器9で発生する冷媒蒸気は吸収液との飽和圧力差と噴流のエントレイメント作用によって吸引される。これを連続的に行なうことにより、蒸発器9は一定の圧力を保ち冷凍能力を発揮する。吸引部13、13Aで冷媒蒸気を吸引し、二相流となった吸収液は、混合部14、14A・ディフューザ部15、15Aで圧力回復しながら冷媒蒸気を吸収する。以上により吸収プロセスが完了する。このようにして、吸収器1の高効率化・小型化が可能である。
本実施例では、2段のエジェクタ11、11Aを備えているので、吸収器1の性能を一段と向上することができるものであるが、1段のエジェクタのみであっても従来例に比較して高効率化及び小型化を図ることができる。1段のエジェクタの場合には、2段のエジェクタの場合に比較して、吸収器の性能が低下することになるが、小型化の点では有利である。
次に、本発明の第2実施例について図5を用いて説明する。図5は本発明の第2実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第2実施例では、第1実施例の第1段ノズル部12及び第2段ノズル部12Aが先細ノズルであったのに対し、二相流ラバルノズルとした点、及びエジェクタに流入する吸収液を過冷却状態にしない点にて相違し、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。なお、図5では第1段エジェクタ11のみを示すが、第2段エジェクタ11Aもこの第1段エジェクタ11と同一構成となっている。
二相流ラバルノズル12は、先細部12a・のど部12b・末広部12cから構成されるものである。この先細部12aでは液単相の亜音速流れであることから流路断面積が減少することにより減圧・加速する。のど部12bでは吸収液圧力が飽和圧力以下となることにより減圧沸騰して気液二相流となり、その流れは音速に達する。末広部12cでは超音速流れとなることにより流路断面積が増加することによって更に減圧・加速するものである。この二相流ラバルノズル12を用いることにより、ノズル出口の吸収液の噴流は先細ノズルを用いた場合より圧力は低下し、流速は増加し、液滴は微細化されるため、先細ノズルを用いた場合以上に噴流のエントレイメント効果による冷媒蒸気の吸引が可能となる。また、二相流ラバルノズル12を用いた場合は、ノズルからの噴流は超音速流れであるが、混合部14では亜音速流れに低下するために衝撃波(ショック)が発生し、冷媒蒸気と吸収液の圧力が吸収液の飽和圧力や蒸発器の圧力よりも上昇することにより、吸収能力が増加する(吸収液を過飽和状態にすることができる)という効果が期待できる。
なお、第1実施例、第2実施例は共にエジェクタを吸収器として用いているが、両者が大きく異なる点は、吸収液が冷媒蒸気を吸引するための支配的な要因の違いにある。即ち、第1実施例が駆動流の吸収液と蒸発器で発生する冷媒蒸気との飽和圧力差によって吸引されるのが支配的であるに対して、第2実施例は吸収液の飽和圧力差による吸引よりも、ノズルによって噴霧される駆動流の流速によるエントレイメント作用が支配的な要因となっている。
次に、本発明の第3実施例について図6を用いて説明する。図6は本発明の第3実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第3実施例では、冷却用熱交換器16の代わりに吸収液の温度を上昇するための加熱用熱交換器16’を用いた点にて第2実施例と相違し、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
ラバルノズルの性能はラバルノズル入口と出口の吸収液のエンタルピ差に大きく影響し、エンタルピ差が大きいほどノズル性能は向上する。よって、エジェクタ入口で吸収液の温度を上昇することにより、エンタルピ差を大きくしノズル効率を向上させたのがこの第3実施例である。エジェクタの性能はノズルからの噴流に大きく左右されることからこの第3実施例の如くしてノズル性能を向上させることにより、エジェクタの性能も向上するものである。
次に、本発明の第4実施例について図7を用いて説明する。図7は本発明の第4実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第4実施例では、第2段エジェクタ11Aの入口側に冷却用熱交換器16Aを設けた点にて第1実施例と相違し、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。この冷却用熱交換器16Aにより冷却用熱交換器16と同様の効果を第2段エジェクタ11Aで奏することができる。
次に、本発明の第5実施例について図8を用いて説明する。図8は本発明の第5実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第5実施例では、第2段エジェクタ11Aの入口側に加熱用熱交換器16’Aを設けた点にて第3実施例と相違し、その他の点については第3実施例と基本的には同一である。この加熱用熱交換器16’Aにより加熱用熱交換器16’と同様の効果を第2段エジェクタ11Aで奏することができる。
次に、本発明の第6実施例について図9を用いて説明する。図9は本発明の第6実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第6実施例では、エジェクタ11を蒸発器9内に配置した点にて第1実施例と相違し、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。エジェクタ11を蒸発器9内に配置することにより、第1実施例と比較して、エジェクタ11の吸引部13の圧力損失を格段に低減することができ、吸収器の性能を向上することができる。また、エジェクタ11を1段のみにすると共に、冷水管93を円筒状に形成、この冷水管93内にエジェクタ11を配置することにより、吸収器1の小型化を一層図ることができる。
次に、本発明の第7実施例について図10を用いて説明する。図10は本発明の第7実施例の吸収冷凍機における吸収器1の要部構成図である。
この第7実施例では、エジェクタ11を蒸発器9側面に密着または隣接して配置し、吸入蒸気の通路となる開口部を設けた点にて第6実施例と相違し、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。かかる第7実施例の構成により、第1実施例と比較して、エジェクタ11の吸引部13の圧力損失を格段に低減することができ、吸収器の性能を向上することができる。
本発明の第1実施例である二重効用吸収冷凍機の構成図である。 第1実施例の吸収器の要部構成図である。 第1実施例の吸収器ノズル入口濃度と濃度差との関係を示す特性図である。 第1実施例の吸収器ノズル入口濃度とCOPとの関係を示す特性図である。 本発明の第2実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。 本発明の第3実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。 本発明の第4実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。 本発明の第5実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。 本発明の第6実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。 本発明の第7実施例の吸収冷凍機における吸収器の要部構成図である。
符号の説明
1…吸収器、3…低温溶液熱交換器、5…高温溶液熱交換器、6…高温再生器、6A…バーナー、7…低温再生器、8…凝縮器、9…蒸発器、11…第1段エジェクタ、11A…第2段エジェクタ、12…第1段ノズル部、12A…第2段ノズル部、13…第1段吸引部、13A…第2段吸引部、14…第1段混合部、14A…第2段混合部、15…第1段ディフューザ部、15A…第2段ディフューザ部、16、16A…冷却用熱交換器、16’、16’A…加熱用熱交換器、17…第1段冷却用熱交換器、17A…第2段冷却用熱交換器、18…溶液ポンプ、19…第1段溶液ポンプ、19A…第2段溶液ポンプ、91…冷媒ポンプ、92…冷媒スプレー配管、93…冷水管。

Claims (2)

  1. 蒸発器、吸収器、凝縮器、再生器、溶液熱交換器、ポンプ類、及びこれらを接続する配管類からなる吸収冷凍機において、
    前記吸収器は前記再生器で濃縮された吸収液を駆動源とすると共に前記蒸発器内部の冷媒蒸気を吸引して吸収液に吸収するエジェクタを備え
    前記エジェクタの出口側に冷却用熱交換器を配設し
    ことを特徴とする吸収冷凍機。
  2. 蒸発器、吸収器、凝縮器、再生器、溶液熱交換器、ポンプ類、及びこれらを接続する配管類からなる吸収冷凍機において、
    前記吸収器は前記再生器で濃縮された吸収液を駆動源とすると共に前記蒸発器内部の冷媒蒸気を吸引して吸収液に吸収するエジェクタを備え、
    前記エジェクタはノズル部として二相流ラバルノズルを用い、
    前記エジェクタの吸収液の入口側に加熱用熱交換器を配設した
    ことを特徴とする吸収冷凍機。
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