近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光を用いたリソグラフィーにおいては、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。
レジストパターン形成の際に使用するリソグラフィー用の光源として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられているが、更なる微細化のための手段として、露光光を短波長化する方法が有効とされてきた。このため、例えば64MビットDRAM加工方法の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(例えば、加工寸法が0.13μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが検討されてきている。
一方、従来、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには、例えば、2層レジストプロセス、3層レジストプロセスのような多層レジストプロセスが優れていることが知られている。
そして、2層レジストプロセスにおいて、2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、レジスト上層膜材料のベース樹脂として、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物が好適であるとされている。
このような高分子シリコーン化合物としては、KrFエキシマレーザー用として、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたシリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。また、ArFエキシマレーザー用として、シクロヘキシルカルボン酸を酸不安定基で置換したタイプのシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3、非特許文献2参照。)。更に、F2レーザー用としては、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶解性基として持つシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
これらの高分子シリコーン化合物は、トリアルコキシシシラン、又はトリハロゲン化シランの縮重合によるラダー骨格を含むポリシルセスキオキサンを主鎖に含むものである。
珪素が側鎖にペンダントされたレジスト用ベースポリマーとしては、珪素含有(メタ)アクリルエステル系ポリマーが提案されている(例えば、特許文献5、非特許文献3参照。)。
2層レジストプロセスに用いるレジスト下層膜としては、例えば酸素ガスによるエッチングが可能な炭化水素化合物が好適であり、更にその下の基板をエッチングする場合におけるマスクになるため、高いエッチング耐性を有することが望ましい。レジスト上層膜をマスクにしたレジスト下層膜のエッチングが、酸素ガスエッチングによる場合は、レジスト下層膜は、珪素原子を含まない炭化水素のみで構成されるのが望ましい。また、珪素原子を含有したレジスト上層膜の線幅制御性を向上させ、定在波によるパターン側壁の凹凸とパターンの崩壊を低減させるためには、レジスト下層膜は、反射防止膜としての機能も有し、具体的には該下層膜からレジスト上層膜内への反射率を1%以下に抑えることができるのが望ましい。
そして、反射率は、レジスト下層膜の屈折率(屈折率の実数部)n値、消光係数(屈折率の虚数部)k値が最適な材料を適切な膜厚に設定することによって、1%以下に抑えることができる。
ここで、レジスト下層膜の膜厚を0〜500nmの範囲で変動させた時の基板反射率を計算した結果を図1、2に示す。露光波長を193nm、レジスト上層膜のn値を1.74、k値を0.02と仮定している。
図1にはレジスト下層膜のk値を0.3に固定し、縦軸をn値、横軸をレジスト下層膜の膜厚として、n値を1.0〜2.0の範囲、膜厚を0〜500nmの範囲で変動させたときの基板反射率の変化を示す。図1を見ると、膜厚が300nm以上の2層レジストプロセス用のレジスト下層膜を想定した場合、屈折率(n値)が、レジスト上層膜と同程度かあるいはそれよりも少し高い1.6〜1.9の範囲で反射率を1%以下にできる最適値が存在することが判る。
図2にはレジスト下層膜のn値を1.5に固定し、縦軸をk値、横軸を膜厚として、k値を0〜0.8の範囲、膜厚を0〜500nmの範囲で変動させたときの反射率の変化を示す。図2を見ると、膜厚が300nm以上の2層レジストプロセス用レジスト下層膜を想定した場合、k値が0.24〜0.15の範囲で反射率を1%以下にすることが可能であることが判る。一方、40nm程度の薄膜で用いられる単層レジスト用の反射防止膜の最適k値は0.4〜0.5であり、300nm以上の2層レジストプロセス用レジスト下層膜の最適k値とは異なる。このように、2層レジストプロセス用レジスト下層膜では、より低いk値、即ちより高透明なレジスト下層膜が必要であることが示されている。
そこで、波長193nm用のレジスト下層膜材料として、ポリヒドロキシスチレンとアクリルの共重合体が検討されている(例えば、非特許文献4参照。)。ポリヒドロキシスチレンは波長193nmに非常に強い吸収を持ち、そのもの単独ではk値が0.6前後と高い値である。そこで、k値が殆ど0であるアクリルと共重合させることによって、k値を0.25前後に調整しているのである。
しかしながら、ポリヒドロキシスチレンに対して、アクリルの基板エッチングにおけるエッチング耐性は弱く、しかもk値を下げるためにかなりの割合のアクリルを共重合せざるを得ず、結果的に基板エッチング時のエッチング耐性はかなり低下する。エッチング耐性は、エッチング速度だけでなく、エッチング後の表面ラフネスの発生にも現れてくる。アクリルの共重合によってエッチング後の表面ラフネスの増大が深刻なほど顕著になっている。
そこで、ベンゼン環よりも波長193nmにおける透明性が高く、エッチング耐性が高いものの一つにナフタレン環があり、これを用いることが提案されている。例えば、ナフタレン環、アントラセン環を有するレジスト下層膜が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂のk値は0.3〜0.4の間であり、目標の0.1〜0.3の透明性には未達であり、所望の反射防止効果を得るには、更に透明性を上げなくてはならない。また、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂の波長193nmにおけるn値は低く、本発明者らの測定した結果では、ナフトール共縮合ノボラック樹脂で1.4、ポリビニルナフタレン樹脂に至っては1.2であり、目標とする範囲には未達である。さらに、アセナフチレン重合体が提案されているが、これは、波長248nmに比べて波長193nmにおけるn値が低く、k値は高く、共に目標値には達していない(例えば、特許文献7,8参照)。
このように、2層レジストプロセスにおいては、n値が高く、k値が低く透明でかつエッチング耐性が高いレジスト下層膜が求められている。
一方、珪素を含まない単層レジストをレジスト上層膜、その下に珪素を含有するレジスト中間層膜、更にその下に有機膜であるレジスト下層膜を積層する3層レジストプロセスが提案されている(例えば、非特許文献5参照。)。
一般的には、2層レジストプロセスのレジスト上層膜である珪素含有レジストより、3層レジストプロセスのレジスト上層膜である珪素を含有しない単層レジストの方が解像性に優れ、3層レジストプロセスでは高解像な単層レジストを露光イメージング層として用いることができる。
また、レジスト中間層膜としては、スピンオングラス(SOG)膜が用いられ、多くのSOG膜が提案されている。
ここで3層レジストプロセスにおける基板反射を抑えるための最適なレジスト下層膜の光学定数(n値、k値)は2層レジストプロセスにおけるそれとは異なっている。基板反射を出来るだけ抑え、具体的には基板反射率を1%以下にまで低減させる目的は2層レジストプロセスも3層レジストプロセスも変わらないのであるが、2層レジストプロセスはレジスト下層膜だけに反射防止効果を持たせるのに対して、3層レジストプロセスはレジスト中間層膜とレジスト下層膜のどちらか一方あるいは両方に反射防止効果を持たせることができる。
例えば、反射防止効果を付与させた珪素含有レジスト中間層膜が提案されている(例えば、特許文献9,10参照)。
一般的に単層の反射防止膜よりも多層の反射防止膜の方が反射防止効果が高く、光学材料の反射防止膜として広く工業的に用いられている。そして、3層レジストプロセスでは、レジスト中間層膜とレジスト下層膜の両方に反射防止効果を付与させることによって高い反射防止効果を得ることが出来る。すなわち、3層レジストプロセスにおいて珪素含有レジスト中間層膜に反射防止膜としての機能を持たせることができれば、レジスト下層膜に反射防止膜としての最高の効果は特に必要がない。特に、3層レジストプロセスの場合のレジスト下層膜には、反射防止膜としての効果よりも基板加工における高いエッチング耐性が要求される。そのために、エッチング耐性が高く、芳香族基を多く含有するノボラック樹脂を3層レジストプロセス用のレジスト下層膜として用いるのが好適である。
ここで、図3に、レジスト下層膜のn値を1.5、k値を0.6、膜厚を500nmで固定し、レジスト中間層膜のn値を1.5とし、k値を0〜0.4の範囲、膜厚を0〜400nmの範囲で変化させたときの基板反射率の変化を示す。
図3より、レジスト中間層膜のk値として0.2以下の低い値と、適切な膜厚設定によって、基板反射率が1%以下の十分な反射防止効果を得ることが出来ることが判る。通常反射防止膜として、膜厚が100nm以下で基板反射率を1%に押さえるためにはk値が0.2以上である必要があるが(図2参照)、レジスト下層膜である程度の反射を押さえることが出来る3層構造の中間層としては0.2より低い値のk値が最適値となる。
次に、レジスト下層膜のk値が0.2の場合と0.6の場合の、レジスト中間層膜とレジスト下層膜の膜厚を変化させたときの基板反射率の変化を図4と5に示す。k値が0.2のレジスト下層膜は、2層レジストプロセスに最適化されたレジスト下層膜を想定しており、k値が0.6のレジスト下層膜は、波長193nmにおけるノボラックやポリヒドロキシスチレンのk値に近い値である。レジスト下層膜の膜厚は基板のトポグラフィーによって変動するが、中間層の膜厚はほとんど変動せず、設定した膜厚で塗布できると考えられる。
ここで、レジスト下層膜のk値が高い方(0.6の場合)が、50nm、110nm、170nm等の最適な中間層の膜厚を選択することによって、より薄膜で基板反射率を1%以下に抑えることが出来る。レジスト下層膜のk値が0.2の場合、250nmの膜厚では、基板反射率を1%以下にするために中間層の膜厚の制限はほとんどない。基板反射制抑中間層の膜厚選択の幅を広げるという観点からは、レジスト下層膜のk値は0.2の方が好ましいが、波長193nmにおけるk値が0.2と0.6の材料の基板加工時のエッチング耐性は、一般的にk値が0.6の材料の方が高い。また、k値が0.6のレジスト下層膜は、最適な中間層の膜厚によって、100nm以下の薄膜化においても、反射率を1%以下にすることが可能であり、高いエッチング耐性からも薄膜化が可能である。
このように、3層レジストプロセスにおいては、基板エッチング時のエッチング耐性がより高く、かつ、適切なk値を有することで、レジスト中間層膜の膜厚が薄い場合であっても、基板反射率を低く抑えることが可能なレジスト下層膜が求められている。
特開平6−118651号公報
特開平10−324748号公報
特開平11−302382号公報
特開2002−55456号公報
特開平9−110938号公報
特開2002−14474号公報
特開2001−40293号公報
特開2002−214777号公報
米国特許第6506497号明細書
米国特許第6420088号明細書
SPIE vol.1925(1993) p377
SPIE vol.3333(1998) p62
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SPIE Vol.4345(2001) p50
J.Vac.Sci.Technol.,16(6),Nov./Dec.1979
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、たとえばポリインデン類とアルデヒド類の重縮合で得られる重合体、あるいはインデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体をアルデヒド類と重縮合させて得られる重合体等が、適切なn値、k値を有し、かつ優れたエッチング耐性を持つため、2層又は3層レジストプロセス等の多層レジストプロセス用レジスト下層膜として有望な材料であることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明のレジスト下層膜材料は、リソグラフィーで用いられる多層レジスト膜のレジスト下層膜材料であって、少なくとも、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を有する重合体を含むものである。
(ここで上記一般式(1)中、R
1、R
2、R
3は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数2〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、グリシジルエーテル基のいずれかである。R
4、R
5は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基のいずれかである。R
11、R
12、R
13は同一または非同一の水素原子、炭素数6〜22の芳香族化合物の置換基、炭素数6〜22の脂環式化合物の置換基のいずれかである。X、Y、Zはメチレン基、−O−、−S−、−NH−のいずれかである。p、q、rは1〜3の整数である。a,b,cは、それぞれ0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1、0<a+b≦1の範囲である。なお、0≦a<0.8、0≦b<0.8、0.2≦c≦0.95、0.05≦a+b≦0.8であればより好ましい。)
(ここで上記一般式(2)中、R
1、R
2、R
3は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数2〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、グリシジルエーテル基のいずれかである。R
4、R
5、R
6は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基のいずれかである。R
7、R
8は水素原子またはグリシジル基、R
9、R
10は水素原子またはメチル基である。R
11、R
12、R
13、R
14、R
15は同一または非同一の水素原子、炭素数6〜22の芳香族化合物の置換基、炭素数6〜22の脂環式化合物の置換基のいずれかである。X、Y、Zはメチレン基、−O−、−S−、−NH−のいずれかである。p、q、r、s、tは1〜3の整数である。a、b、c、d、eは、それぞれ0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1、0≦d≦1、0≦e<1、0<a+b+d≦1の範囲である。なお、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0.2≦c≦0.9、0.05≦d≦0.75、0.05≦e≦0.75、0<a+b+d≦1であればより好ましい。)
上記一般式(1)・(2)において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
このような少なくともインデン骨格を含む繰り返し単位を有する重合体を、アルデヒド類と縮合反応させた縮合物を含むものであるレジスト下層膜材料は、特に波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3〜20nmの軟X線、電子ビーム、X線等を用いた露光に対して、単独で又は反射防止効果のあるレジスト中間層膜と併せることで優れた反射防止効果を示し、すなわち最適なn値、k値を有し、かつ、基板エッチング時のエッチング耐性に優れたものである。
また、このようなレジスト下層膜材料を用いれば、現像後のレジストパターン形状も良好となる。
従って、多層レジストプロセスのレジスト下層膜材料として用いることができ、特に3層レジストプロセスや、露光に電子ビームやX線等を用いる2層レジストプロセスにおけるレジスト下層膜材料としてより好適に用いることができる。
このようなレジスト下層膜材料の合成方法は、特に限定されないが、例えば、ポリインデン類をアルデヒド類と重縮合する方法や、インデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体をアルデヒド類と重縮合する方法や、先にインデン類をアルデヒド類と縮合させ、その後インデン類のオレフィンを共重合可能なモノマーと重合する方法などがある。
上記方法で用いるインデン類としては、インデン、4−メチルインデン、5−メチルインデン、6−メチルインデン、7−メチルインデン、4−ヒドロキシインデン、5−ヒドロキシインデン、6−ヒドロキシインデン、7−ヒドロキシインデン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
また、上記インデン類と重合可能なモノマーとしては、ヒドロキシスチレンのほか、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、アセナフチレン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、(メタ)アクリル類、ビニルエーテル類、マレイミド、無水マレイン酸などが挙げられる。
上記インデン類を用いてポリインデン類を重合する方法、あるいは、インデン類とヒドロキシスチレン等を共重合する方法としては、たとえばラジカル重合とカチオン重合が挙げられるが、カチオン重合による方法が一般的である。
ポリインデン類あるいは、インデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体をカチオン重合で重合するには、有機溶剤中に上記インデン類か、あるいはこれに加えてインデン類と重合可能なヒドロキシスチレン等の上記モノマーを共存させ、カチオン重合開始剤を加えて加熱重合を行う。ここで用いる有機溶剤としてはトルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。また用いるカチオン重合開始剤としては、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、トシル酸等の酸、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4などのフリーデルクラフツ触媒のほか、I2、(C6H5)3CClのようにカチオンを生成しやすい物質が挙げられる。反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜選択することが出来るが、通常50〜80℃の範囲である。反応時間は、反応原料の反応性に応じて適宜選択することが出来るが、通常2〜100時間、好ましくは5〜20時間の範囲である。
次に、このようにして得られたポリインデン類あるいは、インデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体をアルデヒド類と重縮合させる。ここで用いられるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール等を挙げることができる。これらの内、特にホルムアルデヒドを好適に用いることができる。これらのアルデヒド類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アルデヒド類の使用量は、特に限定されないが、インデン類あるいは、インデン類とヒドロキシスチレン等1モルに対して0.2〜10モルが好ましく、より好ましくは0.5〜5モルである。
このような重縮合における反応溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はこれらの混合溶媒等を用いることができる。これらの溶媒は、例えば、反応原料100質量部に対して0〜2,000質量部の範囲で好適に用いることができる。
反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜選択することが出来るが、通常10〜200℃の範囲である。
また、上記重縮合反応に触媒を用いることもできる。具体的には塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性触媒を挙げることができる。これらの酸性触媒の使用量は、例えばインデン類あるいは、インデン類とヒドロキシスチレン等1モルに対して1×10−5〜5×10−1モルである。
また、重縮合の手順としては、たとえば、ポリインデン類あるいはインデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体、アルデヒド類、触媒を一括で仕込んでもよいし、触媒存在下ポリインデン類あるいはインデン類とヒドロキシスチレン等の共重合体と、アルデヒド類とを滴下していってもよい。
上記重縮合反応終了後、系内に存在する未反応原料、触媒等を除去するために、反応釜の温度を130〜230℃にまで上昇させ、1〜50mmHg程度で揮発分を除去することができる。
また、ポリインデン類又はポリインデン−ヒドロキシスチレン等の共重合体をアルデヒド類等と重縮合する時に、他のフェノール類を加えて共縮合することも出来る。共縮合可能なフェノール類は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、2−ナフチルフェノール、3−ナフチルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−トリチルフェノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、カテコール、4−t−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、ピロガロール、チモール、イソチモール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール及び1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、3−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチル、インデン、ヒドロキシインデン、ベンゾフラン、ヒドロキシアントラセン、アセナフチレン、ビフェニル、ビスフェノール、トリスフェノール、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、5−ビニルノルボルナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメチル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジアリル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフルオロ−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフェニル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメトキシ−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノールなどが挙げられ、これらのものを加えた3元以上の共重合体であっても構わない。
本発明の重合体のポリスチレン換算の分子量は、質量平均分子量(Mw)が2,000〜30,000、特に3,000〜20,000で有ることが好ましい。分子量分布は1.2〜7の範囲内が好ましく用いられるが、モノマー成分、オリゴマー成分または分子量(Mw)1000以下の低分子量体をカットして分子量分布を狭くした方が架橋効率が高くなり、またベーク中の揮発成分を抑えることによりベークカップ周辺の汚染を防ぐことができる。
さらに、酸性触媒を用いて縮合後の重合体のフェノールのヒドロキシ基に対してオルソ位又はパラ位に芳香族化合物、あるいは脂環式化合物の置換基を導入することができる。
ここで導入可能な置換基は、特に限定されないが例えば下記を挙げることができる。
これらの置換基の中では、波長248nm露光用には、多環芳香族基、例えばアントラセンメチル基、ピレンメチル基等が最も好ましく用いられる。
波長193nmでの透明性向上のためには脂環構造を持つものや、ナフタレン構造を持つものが好ましく用いられる。
一方、波長157nmにおいて、ベンゼン環の吸収は小さすぎて反射防止膜として実用的でなく、透明性を下げてやる必要がある。すなわち、波長157nm付近においてベンゼン環は透明性が向上するウィンドウがあるため、反射防止効果を得られるだけの十分な吸収がなく、吸収波長をずらして吸収を上げてやる必要がある。フラン環はベンゼン環よりも吸収が短波長化して157nmの吸収が若干向上するが効果は小さい。ナフタレン環やアントラセン環、ピレン環は吸収波長が長波長化することによって吸収が増大し、これらの芳香族環はエッチング耐性も向上する効果もあり好ましく用いられる。
上記置換基の導入方法としては、上記置換基の結合位置がヒドロキシ基になっているアルコールを酸性触媒存在下フェノールのヒドロキシ基のオルソ位又はパラ位に導入する方法が挙げられる。この酸性触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、カンファースルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を用いることができる。これらの酸性触媒の使用量は、フェノール類1モルに対して1×10-5〜5×10-1モルである。置換基の導入量は、フェノールのヒドロキシ基1モルに対して0〜0.8モルの範囲であることが好ましい。
また、本発明のレジスト下層膜材料は、上記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を有する重合体をベースとするが、他の重合体をブレンドすることもできる。
例えば、本発明の一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を有する重合体の波長193nmにおける透明性を向上させるために、水素添加を行うことができる。好ましい水素添加の割合は、芳香族基の80モル%以下、特に60モル%以下である。
また、本発明のレジスト下層膜材料は、一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を有する重合体を含むことを特徴とするが、反射防止膜材料として挙げられる従来のポリマーとブレンドすることもできる。
分子量(Mw)5000のポリインデンとアルデヒド類を縮合反応させて得られた重合体のガラス転移点は150℃以上であり、このもの単独ではビアホールなどの深いホールの埋め込み特性が劣る場合がある。ホールをボイドを発生させずに埋め込むためには、ガラス転移点の低いポリマーを用い、架橋温度よりも低い温度で熱フローさせながらホールの底にまで樹脂を埋め込む手法がとられる(例えば、特開2000−294504号公報参照。)。このため、ガラス転移点の低いポリマー、特にガラス転移点が180℃以下、とりわけ100〜170℃のポリマー、例えばスチレン、ヒドロキシスチレン、アクリル誘導体、ビニルアルコール、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、スチレン誘導体、アリルベンゼン誘導体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類から選ばれる1種以上のモノマーを重合してなるポリマー、メタセシス開環重合などによるポリマーとブレンドすることによってガラス転移点を低下させ、ビアホールの埋め込み特性を向上させることができる。
また、本発明では、前述の芳香族化合物または脂環式化合物の置換基をペンダントすることで、通常のノボラック樹脂よりもガラス転移点を低下させるメリットを得られる。ペンダントする置換基の種類、またはその割合にも依るが、10〜50℃ガラス転移点を低下させることができる。
もう一つのガラス転移点を下げるための方法としては、一般式(2)で示される繰り返し単位を有する重合体のヒドロキシ基の水素原子を炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、t−ブチル基、t−アミル基、アセタールなどの酸不安定基、アセチル基、ピバロイル基などで置換する方法を挙げることができる。
この時の置換率は、ヒドロキシ基の10〜80モル%、好ましくは15〜70モル%の範囲である。
以上のような少なくともインデン骨格を含む繰り返し単位を有する重合体を、アルデヒド類と縮合反応させる方法で、本発明のレジスト下層膜材料で用いる重合体を得ることができる。その原料となるインデン類は石油精製時に大量に生成される安価な材料であり、インデン類のカチオン重合によって得ることが出来るポリインデン類もコストパフォーマンスに優れる。従って、本発明のレジスト下層膜材料は安価に生産することができる。
以上説明したようなレジスト下層膜材料に、さらに、架橋剤、酸発生剤、有機溶剤等を含有させることで、該材料の基板等への塗布性を向上させたり、塗布後のベーク等により、レジスト下層膜内での架橋反応を促進させることができる。従って、このようなレジスト下層膜は、膜厚均一性が良く、またレジスト上層膜とのインターミキシングの恐れが少なく、レジスト上層膜への低分子の拡散が少ないものとなる。
以下、これらについて詳しく説明する。
レジスト下層膜に要求される性能の一つとして、レジスト上層膜又はレジスト中間層膜とのインターミキシングがないこと、レジスト上層膜等ヘの低分子成分の拡散がないことが挙げられる(例えば、Proc. SPIE Vol.2195、p225−229(1994)参照)。これらを防止するために、一般的にレジスト下層膜をスピンコート法などで基板上に形成した後、ベークで熱架橋するという方法がとられている。そのため、本発明ではレジスト下層膜材料の成分として架橋剤を添加する場合、ポリマーに架橋性の置換基を導入するようにしてもよい。
本発明で使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの2重結合を含む化合物を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、ポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いることができる。
前記架橋剤の具体例のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが挙げられる。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物及びその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物及びその混合物などが挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物及びその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物及びその混合物などが挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル基化した化合物及びその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物及びその混合物などが挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル基化した化合物及びその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、アジド化合物としては、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビスアジド、4,4’−メチリデンビスアジド、4,4’−オキシビスアジド等が挙げられる。
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
一般式(2)に示される繰り返し単位(c)または(e)のヒドロキシ基がグリシジル基で置換されている場合は、架橋剤としてヒドロキシ基を含む化合物の添加が有効である。特に分子内に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物が好ましい。ヒドロキシ基を含む化合物としては、例えば、ナフトールノボラック、m−及びp−クレゾールノボラック、ナフトール−ジシクロペンタジエンノボラック、m−及びp−クレゾール−ジシクロペンタジエンノボラック、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’,4’’−メチリデントリスシクロヘキサノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスシクロヘキサノール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−4,4’−ジオール、メチレンビスシクロヘキサノール、デカヒドロナフタレン−2,6−ジオール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−3,3’,4,4’−テトラヒドロキシなどのアルコール基含有化合物、ビスフェノール、メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチルフェノール]、4,4’−メチリデン−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2,6−ジーメチルフェノール]、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−メチレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−(ジエチルシリレン)ビスフェノール、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)1,3−ベンゼンジオール、2,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’,4’’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリデン)トリスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フロロフェニル)メチル]−4−フルオロフェノール、2,6−ビス[4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル]メチル]−4−フルオロフェノール、3,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、p−メチルカリックス[4]アレン、2,2’−メチレンビス[6−[(2,5/3,6−ジメチル−4/2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’,4’’’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、6,6’−メチレンビス[4−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,2,3−ベンゼントリオール、3,3’,5,5’−テトラキス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−[(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール]などのフェノール低核体等が挙げられる。また、これらのヒドロキシ基がグリシジル基で置換された架橋剤を添加することも出来る。
本発明のレジスト下層膜材料における架橋剤の配合量は、ベースポリマー(全樹脂分)100部(質量部、以下同じ)に対して5〜50部が好ましく、特に10〜40部が好ましい。5部未満であるとレジスト上層膜又はレジスト中間層膜とミキシングを起こす場合があり、50部を超えると反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入ることがある。
本発明のレジスト下層膜材料においては、熱などによる架橋反応を更に促進させるための酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
本発明のレジスト下層膜材料で使用される酸発生剤としては、
i. 下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii. 下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii. 下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv. 下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v. 下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi. β−ケトスルホン酸誘導体、
vii. ジスルホン誘導体、
viii. ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix. スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、オキソアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基、を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R
101bとR
101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。R
101d、R
101e、R
101f、R
101gは、R
101a、R
101b、R
101cに水素原子を加えて示される。R
101dとR
101e、R
101dとR
101eとR
101fとはそれぞれ環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101dとR
101e及びR
101dとR
101eとR
101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。オキソアルケニル基としては、2−オキソ−4−シクロヘキセニル基、2−オキソ−4−プロペニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネート等が挙げられる。
又、R101d、R101e、R101f、R101gが式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環は、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
(P1a−1)と(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
(式中、R
102a、R
102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を示す。R
103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基を示す。R
104a、R
104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
(式中、R
105、R
106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
R105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
(式中、R
107、R
108、R
109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R
108、R
109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R
108、R
109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R
105はP2式のものと同様である。)
R107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101bは前記と同様である。)
(式中、R
110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R
111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
酸発生剤は、具体的には、オニウム塩としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ピリジニウム、カンファースルホン酸トリエチルアンモニウム、カンファースルホン酸ピリジニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩を挙げることができる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体を挙げることができる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体を挙げることができる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体を挙げることができる。
β−ケトスルホン誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体を挙げることができる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体を挙げることができる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体を挙げることができる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体を挙げることができる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が挙げられる。
特に、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、
ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が好ましく用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、ベースポリマー100部に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.5〜40部である。0.1部より少ないと酸発生量が少なく、架橋反応が不十分な場合があり、50部を超えるとレジスト上層膜又はレジスト中間層膜へ酸が移動することによるミキシング現象が起こる場合がある。
更に、本発明のレジスト下層膜材料には、保存安定性を向上させるための塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物としては、酸発生剤より微量に発生した酸が架橋反応を進行させるのを防ぐための、酸に対するクエンチャーの役割を果たす化合物が適している。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。
アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。
イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
塩基性化合物の配合量は全ベースポリマー100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果が少なく、2部を超えると熱で発生した酸を全てトラップして架橋しなくなる場合がある。
本発明のレジスト下層膜材料において使用可能な有機溶剤としては、一般式(1)・(2)で表される繰り返し単位を有する重合体、酸発生剤、架橋剤、その他添加剤等が溶解するものであれば特に制限はない。その具体例を列挙すると、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル,プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明のレジスト下層膜材料においては、これら有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の配合量は、全ベースポリマー100部に対して200〜10,000部が好ましく、特に300〜5,000部とすることが好ましい。
また、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、本発明のレジスト下層膜材料を用いてレジスト下層膜を基板上に形成し、該下層膜の上にフォトレジスト組成物のレジスト上層膜を形成して2層レジスト膜を形成し、該2層レジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してレジスト上層膜にレジストパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにしてレジスト下層膜をエッチングし、さらに、少なくともパターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このような2層レジストプロセスについて、図6を参照して説明する。
本発明のレジスト下層膜12は、フォトレジストと同様にスピンコート法などで基板11上に形成することが可能である。スピンコート法などでレジスト下層膜12を形成した後、有機溶剤を蒸発させ、レジスト上層膜13とのミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークをすることが望ましい。ベーク温度は80〜400℃の範囲内で、10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。なお、このレジスト下層膜12の厚さは適宜選定されるが、30〜20,000nm、特に50〜15,000nmとすることが好ましい。レジスト下層膜12を形成した後、その上に珪素含有レジスト層(レジスト上層膜13)を形成する(図6(a)参照)。
この場合、このレジスト上層膜13を形成するためのフォトレジスト組成物としては公知のものを使用することができる。
2層レジストプロセス用の珪素含有レジストとしては、酸素ガスエッチング耐性の点から、ベースポリマーとしてポリシルセスキオキサン誘導体又はビニルシラン誘導体等の珪素原子含有ポリマーを使用し、更に有機溶剤、酸発生剤、必要により塩基性化合物等を含むポジ型等のフォトレジスト組成物が使用される。なお、珪素原子含有ポリマーとしては、この種のレジスト組成物に用いられる公知のポリマーを使用することができる。
上記フォトレジスト組成物によりレジスト上層膜13を形成する場合、前記レジスト下層膜12を形成する場合と同様に、スピンコート法が好ましく用いられる。レジスト上層膜13をスピンコート法などで形成後、プリベークを行うが、80〜180℃で、10〜300秒の範囲で行うのが好ましい。その後、常法に従い、2層レジスト膜のパターン回路領域15の露光を行い(図6(b)参照)、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像を行い、レジストパターンを得る(図6(c)参照)。
なお、レジスト上層膜13の厚さは特に制限されないが、30〜500nm、特に50〜400nmが好ましい。
露光光としては、波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3〜20nmの軟X線、電子ビーム、X線等を挙げることができる。
現像は、アルカリ水溶液を用いたパドル法、ディップ法などが用いられ、特にはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%水溶液を用いたパドル法が好ましく用いられ、室温で10秒〜300秒の範囲で行われ、その後純水でリンスし、スピンドライあるいは窒素ブロー等によって乾燥される。
次に、得られたレジストパターンをマスクにしてエッチングを行う。
2層レジストプロセスにおけるレジスト下層膜12のエッチングは酸素ガスを主体とするドライエッチングなどで行うことができる(図6(d)参照)。酸素ガスを主体とするドライエッチングの場合、酸素ガスに加えて、He、Arなどの不活性ガスや、CO、CO2、NH3、SO2、N2、NO2、H2ガスを加えることも可能である。また、酸素ガスを用いないでCO、CO2、NH3、N2、NO2、H2ガスだけでエッチングを行うこともできる。特に後者のガスはパターン側壁のアンダーカット防止のための側壁保護のために用いられる。
次の基板11のエッチングも、常法によって行うことができ、例えば基板がSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、ポリシリコン(p−Si)やAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う(図6(e))。
基板加工をフロン系ガスでエッチングした場合、2層レジストプロセスの珪素含有レジストは基板加工と同時に剥離される。
塩素系、臭素系ガスで基板をエッチングした場合は、珪素含有レジストの剥離は基板加工後にフロン系ガスによるドライエッチング剥離を別途行う必要がある。
本発明のレジスト下層膜は、これら基板のエッチング時のエッチング耐性に優れる特徴がある。
なお、図6に示すように基板11は、被加工層11bとベース層11aとで構成されて良い。基板11のベース層11aとしては、特に限定されるものではなく、Si、アモルファスシリコン(α−Si)、p−Si、SiO2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工層11bと異なる材質のものが用いられても良い。被加工層11bとしては、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等および種々の低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が用いられ、通常50〜10,000nm、特に100〜5,000nmの厚さに形成し得る。
さらに、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、本発明のレジスト下層膜材料を用いてレジスト下層膜を基板上に形成し、該下層膜の上に珪素原子を含有するレジスト中間層膜を形成し、該中間層膜の上にフォトレジスト組成物のレジスト上層膜を形成して3層レジスト膜を形成し、該レジスト3層膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してレジスト上層膜にレジストパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにしてレジスト中間層膜をエッチングし、少なくともパターンが形成されたレジスト中間層膜をマスクにしてレジスト下層膜をエッチングし、さらに、少なくともパターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このような3層レジストプロセスについて、図7を参照して説明する。
先ず、前述の2層レジストプロセスと同様の方法により、基板上にレジスト下層膜22を形成する。
次に、3層レジストプロセスの場合はその上に珪素含有のレジスト中間層膜24、更にその上に珪素を含まない単層レジスト層(レジスト上層膜23)を形成する(図7(a)参照)。
この場合、このレジスト上層膜を形成するためのフォトレジスト組成物としては公知のものを使用することができる。
3層レジストプロセス用の珪素含有のレジスト中間層膜24としてはポリシルセスキオキサンベースのものが好ましく用いられる。このレジスト中間層膜24に反射防止膜として効果を持たせることによって、基板反射を抑えることができる。特に波長193nm露光用としては、レジスト下層膜として芳香族基を多く含み基板エッチング時のエッチング耐性が高い材料を用いると、k値が高くなり基板反射率が高くなるが、レジスト中間層膜で反射を抑えることによって基板反射率を例えば0.5%以下にすることができる。反射防止効果があるレジスト中間層膜としては、波長248nm、波長157nm露光用としてはアントラセン、波長193nm露光用としてはフェニル基または珪素−珪素結合を有する吸光基をペンダントし、酸あるいは熱で架橋するポリシルセスキオキサンが好ましく用いられる。
3層レジストプロセスにおけるレジスト上層膜23は、ポジ型でもネガ型でもどちらでも良く、通常用いられている単層レジストと同じものを用いることができる。
レジスト中間層膜24、レジスト上層膜23を形成する場合、前記レジスト下層膜を形成する場合と同様に、スピンコート法が好ましく用いられる。また、Chemical Vapour Deposition(CVD)法で形成したレジスト中間層膜をもちいることもできる。反射防止膜としての効果があるレジスト中間層膜はSiON膜等が知られている。尚、CVD法よりスピンコート法によるレジスト中間層膜の形成の方が簡便でコスト的なメリットがある。
その後常法に従い、3層レジスト膜のパターン回路領域25の露光を行い(図7(b)参照)、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像を行い、レジスト上層膜にレジストパターンを得る(図7(c)参照)。
露光光としては、波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3〜20nmの軟X線、電子ビーム、X線等を挙げることができる。
現像は、アルカリ水溶液を用いたパドル法、ディップ法などが用いられ、特にはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%水溶液を用いたパドル法が好ましく用いられ、室温で10秒〜300秒の範囲で行われ、その後純水でリンスし、スピンドライあるいは窒素ブロー等によって乾燥される。
次に、得られたレジストパターンをマスクにしてエッチングを行う。
3層レジストプロセスにおけるレジスト中間層膜24のエッチングは、フロン系のガス等を用いて行い、レジストパターンをマスクにしてレジスト中間層膜24の加工を行う(図7(d)参照)。次いで前記2層レジストプロセスと同様の酸素ガスを主体とするドライエッチングなどを行い、レジスト中間層膜24に転写されたパターンをマスクにしてレジスト下層膜22の加工を行う(図7(e)参照)。
次の基板21のエッチングも、常法によって行うことができ、例えば基板がSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、ポリシリコン(p−Si)やAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う(図7(f)参照)。
基板加工をフロン系ガスでエッチングした場合、3層レジストプロセスの珪素含有のレジスト中間層膜24は基板加工と同時に剥離される。
塩素系、臭素系ガスで基板をエッチングした場合は、珪素含有のレジスト中間層膜24の剥離は基板加工後にフロン系ガスによるドライエッチング剥離を別途行う必要がある。
本発明のレジスト下層膜は、これら基板のエッチング時のエッチング耐性に優れる特徴がある。
なお、図7に示すように基板21は、被加工層21bとベース層21aとで構成されて良い。基板21の被加工層21bとベース層21aとしては、2層レジストプロセスで説明したものと同様のものが挙げられる。
以下、合成例、実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
(合成例1)
300mLのフラスコに質量平均分子量(Mw)2500のポリインデン60g、37%ホルマリン水溶液75g、シュウ酸5gを加え、撹拌しながら120℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、充分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し150℃、2mmHgまで減圧し水分、未反応モノマーを除き、72gの下記ポリマー1を得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、
1H−NMR分析によりポリマー1中の繰り返し単位の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;a:b:c(モル比)
=0.15:0.10:0.75
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=3.8
(合成例2)
300mLのフラスコに質量平均分子量(Mw)4500のポリインデン−4−ヒドロキシスチレン 90/10共重合体100g、37%ホルマリン水溶液75g、シュウ酸5gを加え、撹拌しながら100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、充分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し150℃、2mmHgまで減圧し水分、未反応モノマーを除き、133gの下記ポリマー2を得た。。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、
1H−NMR分析によりポリマー2中の繰り返し単位の比率を以下のように求めた。
ポリマー2;c:d:e(モル比)=0.90:0.05:0.05
分子量(Mw)=9,500
分散度(Mw/Mn)=4.8
(比較合成例1)
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン82g、2−メタクリル酸―1−アントラセンメチル85g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体(比較ポリマー1)133gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
比較ポリマー1;4−ヒドロキシスチレン:2−メタクリル酸―1−アントラセンメ
チル(モル比)=56:44
分子量(Mw)=14400
分散度(Mw/Mn)=1.77
(比較合成例2)
m−クレゾールノボラック樹脂を合成して、比較ポリマー2とした。
比較ポリマー2;分子量(Mw)=8,800
分散度(Mw/Mn)=4.5
(比較合成例3)
ポリ-p-ヒドロキシスチレンを合成して、比較ポリマー3とした。
比較ポリマー3;分子量(Mw)=9,200
分散度(Mw/Mn)=1.05
(実施例、比較例)
[レジスト下層膜材料、レジスト中間層膜材料の調製]
上記の合成例1〜2で示される重合体、比較合成例1〜3で示される重合体、下記ArF珪素含有中間層ポリマー1で示される珪素含有中間層用ポリマー、下記AG1,2で示される酸発生剤、下記CR1で示される架橋剤を、FC−430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによってレジスト下層膜材料(実施例1〜3、比較例1〜3)、レジスト中間層膜材料(SOG1)の溶液をそれぞれ調製した。
表1中の各組成は次の通りである。
ポリマー1〜2: 合成例1〜2より
比較ポリマー1〜3: 比較合成例1〜3より
珪素含有中間層用ポリマー:
ArF珪素含有中間層ポリマー1(モル比(o:p:q)=0.2:0.5:0.3、分子量(Mw)=3,400)(下記構造式参照)
酸発生剤: AG1,2(下記構造式参照)
架橋剤: CR1(下記構造式参照)
有機溶剤: PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
このように調製したレジスト下層膜材料(実施例1〜3、比較例1〜3)又はレジスト中間層膜材料(SOG1)の溶液をシリコン基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚300nmのレジスト下層膜又は膜厚100nmのレジスト中間層膜をそれぞれ形成した。
レジスト下層膜とレジスト中間層膜を形成後、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長248nm、193nm、157nmにおけるレジスト下層膜、レジスト中間層膜の屈折率(n,k)を求め、その結果を表1に示した。
表1に示されるように、実施例1〜3のレジスト下層膜は、波長193nmで適切な屈折率(n,k)を有し、レジスト中間層膜と組み合わせることで、基板反射率を1%以下にまで低減させることができる。
[レジスト上層膜材料の調製]
レジスト上層膜のベース樹脂として下記ArF単層レジストポリマー1を準備した。
ArF単層レジストポリマー1は、上に示される繰り返し単位u,v,wからなる重合体である。この重合体のモル比及び分子量(Mw)を以下に示す。
モル比 u:v:w=0.40:0.30:0.30
分子量(Mw)=7,800
上記準備したArF単層レジストポリマー1、酸発生剤(PAG1)、塩基性化合物(TMMEA)をFC−430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表2に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによってArF用レジスト上層膜材料の溶液を調製した。
表2中の各組成は次の通りである。
酸発生剤: PAG1(下記構造式参照)
塩基性化合物: TMMEA(下記構造式参照)
有機溶剤: PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[パターン形状の観察]
(1) レジストパターン形状の観察
上記調製したレジスト下層膜材料(実施例1〜3、比較例1〜3)の溶液を膜厚300nmのSiO2膜を有する基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚300nmのレジスト下層膜を形成した。次いで、その上に上記調製したレジスト中間層膜材料(SOG1)の溶液を塗布して200℃で60秒間ベークして膜厚100nmのレジスト中間層膜を形成した。次いで、上記調製したArF用レジスト上層膜材料の溶液を塗布し、130℃で60秒間ベークして膜厚200nmのレジスト上層膜を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、110℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、0.12μmL/Sのポジ型のパターンを得た。この得られたレジストパターン形状を日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察した結果を表3に示す。
(2) レジスト中間層膜に転写されたパターン形状の観察
次に、上記レジストパターン形状の観察で用いたのと同様の材料及び方法を用いてレジストパターンを形成後、得られたレジストパターンをレジスト中間層膜に下記条件で転写した。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 20ml/min
CF4ガス流量 60ml/min
Arガス流量 200ml/min
時間 30sec
この得られたパターン形状を日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察した結果を表3に示す。
(3) レジスト下層膜に転写されたパターン形状の観察
次に、上記レジスト中間層膜に転写されたパターン形状の観察で用いたのと同様の材料及び方法を用いて、レジストパターンをレジスト中間層膜に転写して、得られたパターンを、下記酸素ガスを主体とするエッチングでレジスト下層膜に転写した。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 450mTorr(60.0Pa)
RFパワー 600W
Arガス流量 40sccm
O2ガス流量 60sccm
ギャップ 9mm
時間 20sec
この得られたパターン形状を日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察した結果を表3に示す。
(4) 基板に形成したパターン形状の観察
次に、上記レジスト下層膜に転写されたパターン形状の観察で用いたのと同様の材料及び方法を用いて、パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクとして、東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、CF4/CHF3系ガスで基板をエッチングした。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,300W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 30ml/min
CF4ガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
この得られたパターン形状を日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察した結果を表3に示す。
表3に示されているように、実施例1〜3のレジスト下層膜材料では、現像後のレジストパターン形状、レジスト中間層膜に転写されたパターン形状、レジスト下層膜に転写されたパターン形状、ならびに基板に転写されたパターン形状のいずれもが良好であり、アスペクト比の高いパターンが形成可能であることが判る。
[ドライエッチング耐性評価]
ドライエッチング耐性の試験では、上記のように調製したレジスト下層膜材料(実施例1〜3、比較例1〜3)の溶液をシリコン基板上に塗布し、200℃で60秒間ベークして膜厚300nmのレジスト下層膜を形成した。これを以下のような2系統の条件で評価した。
(1) CF4/CHF3系ガスでのエッチング試験
東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後のレジスト下層膜の膜厚差を測定した。
エッチング条件は前記基板に形成したパターン形状の観察の時の条件と同様である。
この結果を表4に示した。
(2) Cl2/BCl3系ガスでのエッチング試験
日電アネルバ株式会社製ドライエッチング装置L−507D−Lを用い、エッチング前後のレジスト下層膜の膜厚差を求めた。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 300W
ギャップ 9mm
Cl2ガス流量 30ml/min
BCl3ガス流量 30ml/min
CHF3ガス流量 100ml/min
O2ガス流量 2ml/min
時間 60sec
この結果を表5に示した。
表4,5に示されるように、実施例1〜3では、CF4/CHF3系ガスでのエッチングおよびCl2/BCl3系ガスでのエッチングの速度は、比較例1〜3と比較して遅い。したがって、実施例1〜3のレジスト下層膜は、基板エッチング時のエッチング耐性に非常に優れたものであることが判る。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。