JP4355629B2 - 超伝導デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、超伝導デバイスとその製造方法に関し、特に、移動通信システムで用いられる高周波フィルタに適した超伝導デバイス構造と、その製造方法に関する。
近年、携帯電話の爆発的な普及発展に伴い、高速・大容量の伝送技術が不可欠になってきている。超伝導体は、高周波領域においても、通常の電気的良導体に比べて表面抵抗が非常に小さいため、移動通信の基地局用のフィルタとして有望である。特に、酸化物高温超伝導体の発見によって、実用化への冷却ハンディは大幅に改善され、液体窒素温度まで冷却するための小型かつ高性能な冷凍機の開発も進められている。
超伝導フィルタは、受信用としては伝送ロスが少なく、急峻な周波数遮断特性が期待される。一方、送信用では、アンプによって発生する歪を取り除く効果が期待できる。受信、送信ともに、冷却の負荷を軽減するためにフィルタ素子の十分な小型化が望まれるが、送信側では、高周波信号を送信するために大電力を要し、小型化と良好な電力特性の両立が、目下の課題となっている。
高周波フィルタの一般構成として、酸化物超伝導材料を用いて、基板上に複数段のヘアピン型ストリップ線路(共振素子)を形成する構成が知られている。しかし、マイクロ波などの高周波は、導体のエッジ部分に集中しやすい性質をもっている。特に、櫛歯状、あるいはU字型のストリップ線路ではコーナー部分が多く、電流の集中に伴う温度上昇により、電気抵抗が極端に高くなる。そこで、大電力を扱う送信側フィルタとして、エッジ部分の少ない楕円型共振器による大電力応答が検討されている。
図1(a)は、送信用として考えられている平面回路型の超伝導フィルタの一例を示す。図1(a)では、超伝導フィルタは、フィルタデバイス基板121上に、円形の共振器(ディスク型フィルタパターン)122が形成されている。また、超伝導材料で形成された信号入出力線(フィーダ)123が、デバイス基板121上でフィルタパターン121の近傍まで延びている。超伝導デバイス全体としての小型化を図るため、フィルタパターン122の一部に切り込み124が形成され、A方向と、B方向に、二つの共振を発生させている。これら二つの共振が結合することで、フィルタ特性が得られる。
上述したように、マイクロ波は導体の表面やエッジに集中しやすい性質を有する。アンプで増大された大きい電力が一部だけに集中しないように、フィルタパターン122に円形の輪郭を与えているが、切り込み124や表面部分への電流の集中は、どうしても発生してしまう。
一方、マイクロストリップ型の超伝導共振素子パターンの上方に誘電体基板を配置して、誘電体基板の位置を上下方向に移動させて、共振素子と誘電体基板との間隔を調整する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。共振素子と誘電体基板の間隔を調整することによって、超伝導デバイス特性を調整するものである。ここでは、誘電体基板は、電流の集中を防止させるためではなく、基板と基板の間の空間の電磁界分布を調整して共振周波数を調整するために用いられている。
特開2002−141706号公報
超伝導パターンを有する基板上に別の誘電体基板を重ねて電流集中を低減しようとすると、基板と基板の間の不均一な隙間の存在により、所望の伝送特性を安定して得ることが難しい。このため、毎回安定して同じ特性を得られる方法で、誘電体を超伝導の平面回路基板上に配置する構成が必要となる。
そこで、本発明は、電流の集中を低減するとともに、安定した高周波伝送特性を達成することのできる超伝導デバイスを提供することを課題とする。
また、低いコストで電力特性と高周波伝送特性を両立させることのできる工業的利用価値の高い超伝導デバイスを提供することを課題とする。
また、このような超伝導デバイスを簡単な手法で作製することのできる超伝導デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、平面回路型の超伝導デバイス基板上に、微細な誘電体粉末を均一に密着させることによって、超伝導回路パターン上の誘電率のばらつきを排除する。
具体的には、本発明の第1の側面では、超伝導デバイスは、デバイス基板と、前記デバイス基板上に超伝導材料で形成された超伝導パターンと、前記超伝導パターンを覆って、前記デバイス基板に均一に密着する誘電体粉末固定層と、前記誘電体粉末固定層上に配置された誘電体基板と、を備え、前記誘電体粉末固定層は、第一の粒径の誘電体粉末と、前記第一の粒径より大きい粒径の第二の粒径の誘電体粉末とを含む。
この構成により、局所的な電流の集中を防止し、安定した伝送特性と電力特性を達成することができる。
好ましい構成例としては、誘電体粉末固定層は、0.01μm〜1μmの範囲の一定粒径あるいは異なる粒径の誘電体粉末の圧粉固定層である。
あるいは、誘電体粉末固定層は、5μm以下の粒径の誘電体粉末と、前記誘電体粉末を結合する有機物とを含む構成であってもよい。
本発明の別の側面では、超伝導デバイスの製造方法を提供する。この製造方法は、
(a)デバイス基板上に、超伝導材料で所定のパターンを形成するステップと、
(b) 前記所定のパターンが形成されたデバイス基板上に、第一の粒径の誘電体粉末と、前記第一の粒径より大きい粒径の第二の粒径の誘電体粉末とを含む、前記デバイス基板に密着する誘電体粉末固定層を形成するステップと
を含む
このような製造方法により、簡単な手法で、超伝導パターンを有する平面回路基板上に誘電体を均一に密着させることができる。
誘電体粉末固定層は、たとえば、誘電体粉末をデバイス基板上に配置し、誘電体粉末に所定の圧力を印加して圧粉固定することによって形成される。
別の例では、誘電体粉末に所定の割合で有機物を混合し、混合粉末に一定の圧力を印加して誘電体粉末間を結合することによって、誘電体粉末固定層を形成してもよい。
あるいは、有機物を溶かした溶媒中に誘電体粉末を混入し、この溶媒を前記デバイス基板上に塗布することによって、誘電体粉末固定層を形成してもよい。
上記構成および方法によれば、超伝導回路パターン上に均一に密着する誘電体を搭載することによって、局所的な電流の集中を防止するとともに、安定した高周波伝送特性を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の良好な実施形態を説明する。
まず、図1(b)および1(c)に示すように、超伝導フィルタパターン122を有するデバイス基板121上に誘電体基板125を配置して、電流密度を分散させることが考えられる。
しかし、通常は、使用するデバイス基板121にも誘電体基板125にも、厚さにばらつきがあり、デバイス基板121と誘電体基板125が密着できずに、間に不均一な隙間が生じる。
たとえば、直径2インチの単結晶MgO基板の面内では、図2(a)に示すように、最大20μmもの厚さばらつきがある。これは、ウェハを所定の厚さに研磨する際にどうしても研磨ムラが生じ、基板厚さのばらつきになるからである。より高精度の研磨を行う方法も考えられるが、コストが高くなり、工業的な利用価値が低減してしまう。また、基板表面には微小な異物も存在する。このような基板同士を重ね合わせると、図2(b)に示すように、場所によって数ミクロンの隙間が生じてしまう。
このように、場所によって、超伝導フィルタパターンを有するフィルタデバイス基板121と誘電体基板125が互いに接したり、間隔があいたりすると、隙間の誘電率と誘電体基板125の誘電率とが複雑に関係し合い、毎回、所望の伝送特性を安定して得ることができなくなる。
そこで、本発明では、良好な実施形態として図3に示す構成を提供する。図3(a)および3(b)は、本発明の一実施形態に係る超伝導デバイスの構成例を示す図である。この実施形態では、超伝導デバイスを、移動通信システムの基地局で用いられる送信用超伝導フィルタデバイスに適用する。
超伝導フィルタデバイスは、フィルタデバイス基板11と、このフィルタデバイス基板11の表面に超伝導材料で所定の形状に形成された超伝導フィルタパターン12と、超伝導フィルタパターン12の近傍に延びる信号入出力線13と、フィルタデバイス基板11の裏面に形成されたグランド用電極(グランド膜)16と、超伝導フィルタパターン12および信号入出力線13を覆ってフィルタデバイス基板11に均一に密着する誘電体粉末固定層19を備える。
図3(a)に示す例では、誘電体粉末固定層19は、粒径0.01μmの誘電体粉末17に一定の圧力をかけて圧粉固定したものである。誘電体粉末17の粒径は、超伝導の薄膜パターンが形成されたデバイス基板11上の、数μmの凹凸を均一に充填するために、5μm以下、好ましくは1μm以下の範囲で適宜選択される。
微細な誘電体粉末17によって、フィルタデバイス基板11の表面凹凸が一様に埋め込むことにより、局所的な高周波電流の集中を防止できる。これと同時に、均一化された誘電率で安定した伝送特性を実現することができる。
図3(b)は、誘電体粉末17と誘電体基板15を併用する例である。図3(b)の構成では、フィルタデバイス基板11と誘電体基板15の間に、誘電体粉末17が圧粉された誘電体粉末固定層19が挿入される。誘電体粉末17の材料は、誘電体基板15の材料と同一であることが好ましい。誘電体粉末17は、フィルタデバイス基板11と誘電体基板15の双方の表面ばらつき(凹凸)を吸収し、超伝導フィルタパターン12上に均一な誘電率の誘電体粉末固定層19を形成する。
超伝導平面回路上に誘電体基板を搭載しただけでは、図2(b)に示すように、部位によって、デバイス基板と誘電体基板との間に、不均一な空間が存在する。このような状態では、上面から見ると、不均一に存在する干渉縞が観察され、超伝導フィルタとしての特性が悪くなる。
これに対して、図3(a)あるいは図3(b)に示す本実施形態の構成例では、誘電体粉末を使用することにより、超伝導の薄膜パターンを有する平面回路基板上の数μm〜数十μmの空間を、誘電体の微細な粒子で均一に埋めることができる。フィルタデバイス基板11や超伝導フィルタパターン12のばらつきや材料の相違などに関係なく、超伝導平面回路に均一に密着する誘電体粉末固定層が安定して構成されるので、低損失かつ大電力に対応可能な超伝導デバイスが実現される。
また、誘電体粉末固定層19上に誘電体基板15を配置する構成では、誘電体粉末固定層19を安定して保持することができる。
図4は、図3の超伝導フィルタデバイスのパッケージングプロセスを示す図である。
まず、図4(a)に示すように、超伝導フィルタ10を作製する。フィルタデバイス基板11として、たとえば20×20×0.5mmの単結晶MgO基板を用いる。この単結晶MgO基板11の両面に、超伝導膜としてYBCO(Y−Ba−Cu−O系)薄膜を、レーザ蒸着法で形成する。YBCO薄膜の膜厚は、適宜選択され、図4の例では0.5μmである。片面側のYBCO薄膜を、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして、フィルタパターン12と、信号入出力線13を形成する。信号入出力線13の端部には、同軸コネクタと接続するための電極13aが、銀膜などで形成されている。MgO基板11の他方の面のYBCO膜はベタ膜として残し、グランド電極16とする。この超伝導フィルタ10は、4GHz近辺に中心周波数を持ち、帯域幅が約100MHzである。
次に、図4(b)に示すように、この平面回路型の超伝導フィルタ10を、表面に金メッキを施した金属のフィルタパッケージ20に収め、図示しない板バネで固定する。フィルタパッケージ20には、同軸コネクタ22がネジ留めで固定されており、接合部21により、信号入出力線13の端部の電極13aと、同軸コネクタ22の中心導体とを接合する。接合部21での電気的接続は、ワイヤ方式、テープ方式、ハンダ方式など、任意の方法を採用することができる。MgO基板11の裏面のベタ膜によるグランド電極16は、フィルタパッケージ20との電気的接続を向上させる。
次に、図4(c)に示すように、超伝導フィルタ10の全体を覆って、直径約0.01μmのMgO粉末17を敷きつめ、アルミナ基板(不図示)を用いて、MgOで粉末層に圧力をかけて圧粉固定する。このときの圧粉は、機械的プレスの場合は、MgO粉末17の上にダミーのセラミック基板などの板材を置き、約1Kg/cm2 の圧力で固める。500g/cm2 以上の力を印加することによって、一定の圧粉固定層ができるが、MgO粉末17の密度や超伝導フィルタに用いた基板11を損傷しない範囲を考慮して圧粉を行うのが望ましい。プレスの方法としては、均一に圧力が加わるように、静水圧プレスを使用して圧粉することも可能である。
次に、図4(d)に示すように、フィルタパッケージ20を、金メッキを施したフィルタパッケージカバー25で覆い、高周波シールドを行う。このようにして、超伝導フィルタパターン上に誘電体粉末固定層を有し、パッケージ内に封止された超伝導フィルタデバイスが完成する。
誘電体粉末17を用いることによって、簡便な方法で、超伝導平面回路基板を均一な誘電体密着層で覆うことが可能になる。
図5は、本発明の実施形態に係る超伝導フィルタデバイスの変形例を示す。図5の例では、誘電体粉末固定層の密度を高めるために、粒径の異なる誘電体粉末を使用する。たとえば、超伝導フィルタパターン12と信号入出力線13が形成されたフィルタデバイス基板11上に、粒径が0.1μmのMgO粉末27aと、粒径が0.01μmのMgO粉末27bを混合して使用する。粒径の大きな粉末27aの間に、粒径の小さな粉末27bが入り込み、超伝導平面回路をより高密度の誘電体粉末固定層29で覆うことが可能になる。用いる誘電体粉末の粒径と、異なる粒径の粉末の混合の割合を適切に設定することによって、所望の電力特性と伝送特性を達成することができる。
図6は、本発明の実施形態に係る超伝導フィルタデバイスのさらに別の変形例を示す図である。図6(a)は、図4(c)と同様に、フィルタパッケージ20内に配置した平面回路型の超伝導フィルタ上に、MgO粉末17を圧粉して誘電体粉末固定層19を形成した状態である。この状態から、図6(b)に示すように、誘電体粉末固定層19の上に誘電体基板35を搭載し、さらに、板バネ36などにより、誘電体粉末固定層19と誘電体基板35とを一体的に保持する。誘電体基板35と板バネ36ごとフィルタパッケージカバー(図4(d)参照)で覆うことにより、超電導フィルタデバイスが完成する。
図7は、本発明の実施形態に係る超電導フィルタデバイスのさらに別の変形例を示す。この変形例では、誘電体粉末に有機物を混合し、粉末間の結合を高める。
図7の例では、超電導フィルタパターン12が形成されたフィルタデバイス基板11に形成される誘電体粉末固定層49は、誘電体粉末17と、誘電体粉末間を結合する樹脂41で構成される。誘電体粉末17として、直径0.05μmのMgO粉末を、樹脂41として、PVA(ポリビニルアルコール)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)などを用いることができる。誘電体粉末17に対する樹脂41の混合比は、たとえば重量比で誘電体粉末17に対し樹脂41が5〜10%である。圧力を500g/cm2 程度加えることで、MgO粉末間の隙間が埋められ、誘電体粉末固定層49として一体化される。必要に応じて加熱しながら加圧することで、樹脂成分41を軟化させ、流動性、充填性を良くすることも可能である。
また、あらかじめ有機物を溶媒に溶かしたところへ誘電体粉末17を混合し、超電導フィルタパターンが形成されたフィルタ基板上に塗布し、溶媒を飛ばすことによっても誘電体粉末固定層49を形成することができる。
図7のように有機物により誘電体粉末間を結合する例では、使用する誘電体粉末の粒径が1μmを超えても、5μm以下であれば、再現性よく基板表面の凹凸を充填することができる。
図8は、異なる種類の超伝導フィルタのフィルタ特性を示すグラフであり、本発明の超伝導フィルタの効果を説明するための図である。
グラフにおいて、実線は、本発明の実施形態に係る超伝導フィルタの特性である。すなわち、超伝導フィルタパターンを形成したフィルタデバイス基板上に、均一な誘電体粉末固定層を密着させて配置し、隙間の空気層の厚さが0μmの場合のフィルタ特性である。
破線は、デバイス基板と誘電体基板の間の空気層の厚さが4μmの場合のフィルタ特性、一点鎖線は空気層が20μmの場合のフィルタ特性、二点鎖線は、デバイス基板上に誘電体基板を配置しない場合のフィルタ特性を示す。
誘電体基板を用いない場合や、間隔の広い空気層が介在する場合は、通過中心周波数の近傍で、入力された高周波信号が反射されてしまうことが分かる。これに比べ、誘電体層を均一に密着させた場合は、入力された高周波信号の損失が少ない。
図8のグラフは、図1(a)の2個共振結合の超伝導フィルタを1段だけ用いたシミュレーション結果であるが、多段フィルタにすると、本発明の超伝導フィルタのスカート特性はさらに急峻になる。
以上、特定の実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
たとえば、実施形態では誘電体粉末としてMgO粉末を用いたが、これに限定されず、CeO2 、LaAlO3 、TiO2 、Al23 、ZrO2 の粉末、あるいはこれらを2種以上混合した粉末を用いてもよい。
また、実施形態では超伝導材料としてYBCO薄膜を用いたが、その他のRBCO(R−Ba−Cu−O)系薄膜、すなわち、R元素としてYに代えて、Nd、Gd、Sm、Hoを用いた超伝導材料を用いてもよい。また、BSCCO(Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、PBSCCO(Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、CBCCO(Cu−Bap−Caq−Cur−Ox、1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)を超伝導材料に用いてもよい。
最後に、以上の説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) デバイス基板と、
前記デバイス基板上に超伝導材料で形成された超伝導パターンと、
前記超伝導パターンを覆って、前記デバイス基板に均一に密着する誘電体粉末固定層と
を備えることを特徴とする超伝導デバイス。
(付記2) 前記誘電体粉末固定層は、0.01μm〜1μmの範囲の一定粒径あるいは異なる粒径の誘電体粉末の圧粉固定層であることを特徴とする付記1に記載の超伝導デバイス。
(付記3) 前記誘電体粉末固定層は、5μm以下の粒径の誘電体粉末と、前記誘電体粉末を結合する有機物とを含むことを特徴とする付記1に記載の超伝導デバイス。
(付記4) 前記誘電体粉末固定層上に位置する誘電体基板をさらに備え、前記誘電体粉末固定層は、前記デバイス基板と誘電体基板の間の空間を均一に充填することを特徴とする付記1に記載の超伝導デバイス。
(付記5) 前記誘電体粉末固定層と誘電体基板を一体的に保持するバネ材をさらに備えることを特徴とする付記4に記載の超伝導デバイス。
(付記6) 前記誘電体粉末は、MgO、CeO2 、LaAlO3 、TiO2 、Al23 、ZrO2 から選択される1以上の種類の誘電体粉末であることを特徴とする付記1に記載の超伝導デバイス。
(付記7) 前記超伝導材料は、RBCO(R−Ba−Cu−O系、R元素は、Y、Nd、Gd、Sm、Hoから選択される)、BSCCO(Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、PBSCCO(Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、CBCCO(Cu−Bap−Caq−Cur−Ox、1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の超伝導デバイス。
(付記8) デバイス基板と、
前記デバイス基板上に超伝導材料で形成された所定形状のフィルタパターンと、
前記フィルタパターンを覆って、前記デバイス基板に均一に密着する誘電体粉末固定層と、
前記デバイス基板、フィルタパターン、および誘電体粉末固定層を収容するフィルタパッケージと
を備える超伝導フィルタデバイス。
(付記9) デバイス基板上に、超伝導材料で所定のパターンを形成するステップと、
前記所定のパターンが形成されたデバイス基板上に、所定の粒径の誘電体粉末で、前記デバイス基板に密着する誘電体粉末固定層を形成するステップと
を含む超伝導デバイスの製造方法。
(付記10) 前記誘電体粉末固定層の形成ステップは、前記誘電体粉末を前記デバイス基板上に配置し、誘電体粉末に所定の圧力を印加することによって圧粉固定するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の超伝導デバイスの製造方法。
(付記11) 前記誘電体粉末固定層の形成ステップは、前記誘電体粉末に所定の割合で有機物を混合し、当該混合物に一定の圧力を印加することによって、前記誘電体粉末間を結合するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の超伝導デバイスの製造方法。
(付記12) 前記誘電体粉末固定層の形成ステップは、有機物を溶かした溶媒中に前記誘電体粉末を混入し、当該溶媒を前記デバイス基板上に塗布するステップを含むことを特徴とする付記9に記載の超伝導デバイスの製造方法。
超伝導材料を用いたディスク型フィルタパターンと、このような超伝導フィルタパターン上に誘電体基板を搭載する例を示す図である。 超伝導フィルタデバイス基板上に誘電体基板を重ねた場合の問題点を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る超伝導タデバイスの構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超伝導デバイスのパッケージングプロセスを示す図である。 本発明の一実施形態に係る超伝導デバイスの変形例1を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超伝導デバイスの変形例2を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超伝導デバイスの変形例3を示す図である。 本発明の超伝導デバイスの効果を示すグラフである。
符号の説明
10 超伝導フィルタ
11 デバイス基板(フィルタデバイス基板)
12 超伝導パターン(超伝導フィルタパターン)
13 信号入出力線
15 誘電体基板
16 グランド膜
17、27a、27b 誘電体粉末
19、29、49 誘電体粉末固定層
20 フィルタパッケージ
41 有機物(樹脂)

Claims (5)

  1. デバイス基板と、
    前記デバイス基板上に超伝導材料で形成された超伝導パターンと、
    前記超伝導パターンを覆って、前記デバイス基板に均一に密着する誘電体粉末固定層と
    前記誘電体粉末固定層上に配置された誘電体基板と、を備え、
    前記誘電体粉末固定層は、第一の粒径の誘電体粉末と、前記第一の粒径より大きい粒径の第二の粒径の誘電体粉末とを含むことを特徴とする超伝導デバイス。
  2. 前記誘電体粉末固定層は、前記誘電体基板と同一の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の超伝導デバイス。
  3. 前記第一の粒径は0.01μmであり、前記第二の粒径は0.1μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導デバイス。
  4. 前記請求項1から3のいずれか一項に記載された超伝導デバイスと、
    前記超伝導デバイスを収容するフィルタパッケージと、
    を備え、前記超伝導デバイスにおける超伝導パターンは、所定形状のフィルタパターンであることを特徴とする超伝導フィルタデバイス。
  5. デバイス基板上に、超伝導材料で所定のパターンを形成するステップと、
    前記所定のパターンが形成されたデバイス基板上に、第一の粒径の誘電体粉末と、前記第一の粒径より大きい粒径の第二の粒径の誘電体粉末とを含む、前記デバイス基板に密着する誘電体粉末固定層を形成するステップと、
    を含む超伝導デバイスの製造方法。
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