JP4354812B2 - 可溶性トール様受容体 - Google Patents

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Description

本発明は、脊椎動物における免疫応答の変調及び調節の分野に関する。詳細には、本発明は、可溶性トール様(Toll−like)受容体調節分子(sTLRR)と命名された乳から単離された新規のポリペプチドを報告する。本発明はまた、この新規ポリペプチドをコードしている核酸分子、並びにこのポリペプチドを含む消費可能な製品、ペットフード及びクリームやローションにも関する。
無菌胎児腸は、出生直後に環境中の微生物によって急激にコロニー形成される。コロニー形成の初期における主な細菌成分は、内毒素(LPS)産生細菌であるグラム陰性細菌である。これらはまた、新生児の胃腸管におけるいくつかの感染性及び炎症状態に寄与し得る。母乳で育てた新生児では腸の感染症及び腸の炎症症の発生率がより低く、呼吸器の感染症の発生率がより低く、また後の人生において発生するアレルギー疾患がより少ない。いくつかのヒト乳の成分がこの保護的な役割を説明しており、とりわけ、免疫担当細胞、受動免疫の保護を移行させる抗体、ヒト乳オリゴ糖、リゾチーム、ラクトフェリン、及び他の因子が誘起される。
ショウジョウバエ(Drosophila)中で細胞のシグナル伝達を媒介しているトール受容体は、全く異なった脈絡で見なければならない。この膜貫通型分子の重要なファミリーは主に形態発生に関与しているが、ハエの成体の後の生涯では、その活性化により感染症における防御的な応答が誘発される。
トール受容体ファミリーの哺乳動物における相同体が最近発見された(Medzhitov R、 Janeway CA Jr.、生得免疫:非クローナル認識系の効力(Innate immunity:the virtues of a nonclonal system of recognition)、Cell、1997年、91:295〜298)。明らかな関係性のため、哺乳動物の相同体はトール様受容体(TLR)と呼ばれている。TLRは、ハエ中のトールタンパク質及びトール関連タンパク質として、細胞内ドメイン内に伸びる膜貫通型の細胞表面タンパク質である。細胞外領域(N末端)は一般に複数のロイシンに富んだ反復(LRR)を含み、周知のヒト及びショウジョウバエのファミリーメンバーの中には、膜近傍のスペーサーであると推定される上端部のシステインに富んだモジュールが含まれる。哺乳動物のTLR及びショウジョウバエのトールタンパク質の細胞内(C末端)ドメインは十分に記載されているインターロイキン1及び18の受容体(IL−1R及びIL−18R)のそれと類似しており、これは、下流のシグナル伝達における機構及びこれに関与するものが類似していることを示している。現在までに、約10種の哺乳動物TLRからなるファミリーが同定されている。
それ以降、細胞の外側からTLRに媒介されるシグナル伝達を活性化できる潜在的なリガンドを探すために、また活性化された受容体の細胞内シグナル伝達経路を決定するために、数多くの研究が行われてきた。
TLRファミリーのメンバーが、細菌及び細菌細胞壁成分の認識及びこれらへの応答を担っている哺乳動物の生得免疫系の一部であることが明らかになった。
国際公開公報WO 0075358号は、新規のTOLLファミリーメンバー(TOLL核酸ファミリーメンバー)の発見に基づいている。この発明によるTOLL分子が変調剤を開発するための標的として有用であると考えられている。したがって、ヌクレオチド及びアミノ酸配列が開示され、特許請求されている。国際公開公報WO 0075358号の図1には、ヒトTOLLタンパク質のヌクレオチド配列並びにそれにコードされているアミノ酸配列が示されている。このTOLLタンパク質は受容体として機能する膜タンパク質であるかもしれず、また免疫シグナル伝達機構に関与しているかもしれない。
国際公開公報WO 0024776号は、トールファミリーに属する新規の分子種TLR6を開示している。したがって、TLR6は免疫応答に関与しているさまざまな遺伝子の発現を調節する。また、受容体をコードしている遺伝子も示されている。
この科学的研究以外では、現在までに技術的に開発可能な効果及び上に記載した機能以外の機能は開示されていない。
その結果、本発明の課題は、TLRの成分、より詳細にはTLR−2に媒介される、細菌生成物によって誘発される活性化経路を調節する活性物質を個体に投与する手段を提供することである。
したがって、第1態様では、本発明は配列番号1又は2のいずれかによって同定される請求項1に記載の単離したポリペプチド、あるいは1つ又は複数のアミノ酸の欠失、付加又は置換によって得ることができる、配列番号1又は2のいずれかのポリペプチドと少なくとも90%の相同性を有し、機能的かつ可溶性のポリペプチドであるその変異体及び断片を提供する。
第2態様では、本発明は、本発明によるポリペプチドと選択的に結合する抗体を提供する。
第3態様では、本発明は、本発明によるポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を有する単離した核酸分子を提供する。
第4態様では、本発明は、本発明によるポリペプチドを含む消費可能な製品を提供する。
第5態様では、本発明は、本発明によるポリペプチドを含むクリーム、ローション又は軟膏を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明によるポリペプチドを有効量で投与することを含む、哺乳動物における炎症状態又はアレルギー反応を予防、阻止、処置又は治療する方法を提供する。
本発明は、TLR分子の細胞外ドメイン、より詳細にはTLR−2と高い相同性を示す、ヒト母乳の分子成分における驚くべき発見に基づいている。したがって、この乳成分は、ヒトTLR2の天然に存在する可溶性の誘導体を構成する。特に驚くべきことは、膜貫通型タンパク質として知られているタンパク質の可溶性変異体がヒト乳中に見つかったことである。本発明はさらに、推定上のTLR−2リガンド、すなわちグラム陽性細菌のリポタンパク質、LPS、sCD14とのその相互作用によって、乳中に可溶性トール様受容体調節分子(以降sTLRR)が見つかる可能性に基づいている。これらは哺乳動物の免疫応答、特に哺乳動物の腸管内に存在する細菌に保存されている分子に対する免疫応答の調節において重要な役割を果たす。したがって、本発明者らはこの分子を可溶性トール様受容体調節分子又は可溶性トール様受容体と命名する。
本発明によるポリペプチドの利点は、これにより抗原に対する哺乳動物の炎症反応を調節する手段が提供されることである。
本発明の別の利点は、これにより哺乳動物における炎症反応の阻害、下方制御又は阻止に有効なポリペプチドが提供されることである。
本発明のさらに別の利点は、これにより医薬品又は化粧品として有用なポリペプチドが提供されることである。
本発明のさらに別の利点は、これが胃腸の炎症の予防、阻止又は治療に特に適していることである。
発明を実施するための形態
本明細書の文脈中では、「含む」という言葉は「数ある中でも含む」という意味である。これは、「それのみからなる」と解釈されることを意図しない。
本明細書の文脈中では、「TLRの相同体」又は「TLRに関連する」という言葉は、任意の知られているTLRに特異的に結合する抗体に認識されるタンパク質を意味する。より詳細には、任意の知られているTLRの外部ドメイン内の領域に結合する抗体である。TLRの新規のファミリーメンバーはヒト並びに他の生物中でも見つかると予測されているので、この定義はこれら新規のTLRタンパク質に対する抗体に認識されるタンパク質も含むことを意図する。
本発明の文脈中では、用語「活性」とは酵素活性に限定されることを意図しない。しかし、これは、リガンド又はそれら自体で一緒になって結合し得るリガンド群の結合機能も言うことを意図する。したがって、sTLRRが果たし得るすべての機能が用語「活性」に包含される。
用語「有効」とは、分子、たとえばペプチドの状態であって、in vivo条件下で通常行われている機能が行われる状態をいう。
本発明の文脈中では、用語「可溶性」とは、その有効形及びその天然で機能する環境下で可溶性であるポリペプチドを言う。したがって、これらは、たとえばヒト母乳のpHに対応するpHで可溶性である。
本発明の文脈中では、「可溶性トール様受容体調節分子」の略記である用語「sTLRR」は、本発明による任意のポリペプチドを包含することを意図する。経済的及び紙面的な理由により、また抗TLR抗体とのその関係及び/又は抗TLR抗体に認識されるその能力を反映しており、かつそれが可溶性であることが理由で、これが最も適切な命名であると考えられるので、用語sTLRRが時折使用される。
本発明の文脈中では、用語「可溶性トール様受容体調節分子」(sTLRR)とは、新規ポリペプチドが、それだけには限定されないがヒト乳及び血漿を含めた任意の生体液の無細胞調製物中で検出可能であることを意味することを意図する。既に言及した源から得たこのポリペプチドの精製又は半精製した形すべてが、本発明に報告された活性を示す。たとえば、sTLRRは血液など乳以外の他の体液中、又はヤギ、ヒツジ、ウシなどヒト以外の他の哺乳動物の乳中で見つかるかもしれない。
本発明の文脈中では、用語「変異」とは、ヌクレオチド配列中の知られている改変すべてを含むことを意図する。これは点変異のみを含むことを意図せず、たとえば削除、挿入、フレームシフト、ナンセンス、ミスセンス変異も含まれる。
本発明の文脈中では、用語「相同性」又はアミノ酸配列の相同体を包含する「相同体」とは、「共通の進化起源を有する」ことを意味すると理解される。これはしばしば、ある配列と別の配列との比較をいい、相同性を決定するのに役立ち得る用語「類似性」と一緒に使用される。相同性を決定するモデルを以下に示す。
用語「機能的食品成分」とは、生物活性ではあるが医薬品ではない物質をいうことを意図する。医薬品とは一般的に、その消費により望ましくない副作用が示されるかもしれないので政府当局によって医薬品として使用が許可又は許容されなければならない活性成分を含む。一方、機能的食品成分は一般的に、それらが食品、たとえば乳などに天然に存在することが主に理由で消費者に有害でないことが知られている、厳密にいうと栄養上の目的を超える活性成分を反映している。
本発明によるポリペプチドは、たとえば配列番号1又は2のいずれかによって同定されるポリペプチドと少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%の相同性を有し得る。
本発明によるポリペプチドは、配列番号1又は2によって同定される配列を有し得る。
本発明の一態様では、前記ポリペプチドは約22、25、38、40、60、70及び/又は80kDaの分子サイズを有しており、その有効型にある。
しかし、ポリペプチドのこれら分子量とは、分子量に影響を与えるグリコシル化されたペプチドについていう。本発明によるヒトTLR−2(sTLRR)の80kDaの「完全長」細胞外の可溶性部分は、たとえば、グリコシル化なしでは64.4kDしかない。ヒトsTLRRは4つの潜在的なNグリコシル化部位(−Asn−Xaa−Ser/Thr−)を有しており、ウシは3つ有していることが述べられている(ヒト:Asn96、Asn181、Asn396、Asn424;ウシ:Asn94、Asn178、Asn422)。
さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドはトール様受容体(TLR)ファミリーの相同体又はそれに関連しており、その有効型で可溶性である。
したがって、本発明によるポリペプチドは、同じリガンド又は同じリガンド群についてTLRと競合するその能力によって特徴づけられ得る。
別の実施形態では、本発明によるポリペプチドは、たとえば、母乳血清、血漿又は腸内容物など哺乳動物の体液の、抗TLR抗体を用いて実施する免疫沈降によって得ることができる。
本発明のsTLRRは、ヒト乳から、特に泌乳初期段階の間に得られる。明らかに、sTLRRは、乳中に存在する又は外部源由来の他のタンパク質あるいは分子と、相互作用又は結合する。SDSゲルで測定したポリペプチドの大きさは、それに結合しているコファクター/分子に応じて変動し得る。
このタンパク質を単離する可能かつ容易な技法は、免疫クロマトグラフィーとも呼ばれるアフィニティークロマトグラフィーである。当業者には周知であるこの方法では、特異的な抗体に対するタンパク質の特異的結合を利用する。抗TLR抗体(たとえば抗TLR2抗体)を固体基質上に保持する。抗体は、基質と共有結合していてもよく、その可変かつ特異的な部分を曝露している。基質は、化学的に不活性なビーズからなり得、これに抗体が結合している。抗体に結合したビーズをカラムに充填する。sTLRR(たとえばヒト乳又は血清)を含む液体をカラムにすすぎ流すと、ポリペプチドが抗体に結合されてそこに保持される。sTLRRを含むカラムを洗浄した後、これを溶出させることができる。このようにして溶出されたタンパク質分画をSDS−ポリアクリルアミドゲルでさらに分離し、さらなる電気泳動によってニトロセルロースフィルター上に移してもよい。最後に、標準のウエスタンブロット手順に従って可溶性TLRRを可視化させてもよい。あるいは、遠心分離又は減外濾過によって濃縮し、この形で消費可能な製品に有効量加えてもよい。
さらなる実施形態では、TLRの細胞外部分に対して産生させた抗体によって本発明によるポリペプチドを認識することができる。
したがって、本発明によるポリペプチドは、免疫沈降後、SDS−PAGE、適切な膜への電気ブロッティング、及びタンパク質溶出によって得ることができる。当業者はこれらの技法を十分知っている。
別の実施形態では、本発明によるポリペプチドは、TLRポリペプチドと比較した場合、TLRポリペプチドの細胞外ドメインに対して最も高い配列類似性及び/又は相同性を示す。好ましくは、本発明によるポリペプチドはヒトTLR−2分子に対して最も高い配列類似性を示す。
さらに別の実施形態では、本発明によるポリペプチドはヒトTLR−2分子に関連している又はそれの相同体である。
なおさらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドはヒト母乳由来である、又は乳由来の変異体と同一である。このポリペプチドをヒト乳から単離する方法は上述した。
本発明の一態様による抗体に関して、当業者が特定の抗原又はタンパク質に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体の調製方法を十分心得ていることが明らかである。タンパク質を単離した後は、標準の技術に従って抗体を産生し得る。ヒトTLR2のN末端にマッピング(N末端から5アミノ酸の所から開始)されている、人工的に合成した20量体のペプチドで動物を免疫化することによって、有効なポリクローナル(ウサギ)抗体を産生し得る。このような抗体は、TLR2の可溶型と非常に良好な反応性を示している。
本発明のsTLRRを検出するのに有用な市販されている抗体は、Biocarta Europe GmbHから販売されている抗TLR2ポリクローナル(ウサギ)抗体のIMG410(www.imgenex.com)であり、これは、ヒトTLR−2のアミノ酸180〜196、353〜370、473〜489に対応する3つのペプチドの混合物を用いた免疫化によって産生されている。
さらなる抗体は、抗TLR2ポリクローナル(ヤギ)抗体のTLR2(N−17)Santa Cruz Biotech(www.scbt.com)カタログ番号sc−8689であり、これは、ウエスタンブロット及び免疫沈降でうまく機能する。
本発明の核酸分子に含められることが意図される核酸分子の可能な変異体は、厳密な条件下で本発明の核酸とハイブリダイズする核酸分子である。
本発明の核酸分子は、本発明のポリペプチドと少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを生成する能力のある発現系をさらに含んでいてもよい。
生物活性のあるsTLRRを発現させるために、sTLRR又はその機能的等価物をコードしているヌクレオチド配列を適切な発現ベクター、すなわち挿入されたコード配列の転写及び翻訳に必要な要素を含むベクター内に挿入する。
当業者に周知の方法を使用して、sTLRRコード配列並びに適切な転写及び翻訳制御配列を含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、in vitroの組換えDNA技術、合成技術及びin vivoの組替え又は遺伝的組替えが含まれる。このような技術は、たとえばSambrook他、1989年、「分子クローニング、実験室手引き(Molecular Cloning,A Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Pressに記載されている。
sTLRRコード配列を含有して発現させるためにさまざまな発現ベクター/宿主系を利用することができる。これらには、それだけには限定されないが、組換えバクテリオファージ、プラスミド又はコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌など微生物;酵母発現ベクターで形質転換した酵母;ウイルス発現ベクターを幹線させた昆虫細胞系;ウイルス発現ベクターを感染させた植物細胞系、あるいは動物細胞系が含まれる。原理的には、哺乳動物細胞、細菌細胞、植物細胞又は真菌細胞を含むすべての発現系を使用し得る。
驚くべきことに、ヒト乳腺上皮細胞にはsTLRRの機能的なmRNA転写物は見つからなかったが、理論的に有望である転写物は見つかった。さらに、驚くべきことに、sTLRRの機能的(可溶性)変異体は大きさが相当異なりうることが判明した(37、40、60、70、及び80kDa)。これらの観察により、sTLRRが完全長TLR2のプロセッシングにより作製されることが示唆される。また、sTLRRがTLR2の細胞外部分に対して産生した抗体と相互作用することにより、本発明によるsTLRRがTLRの細胞外部分又はより短いその断片に対応していることが明らかとなる。
したがって、本発明は、ヒト及びウシのTLR−2のプロセッシングされた可溶性細胞外部分に対応する配列番号1及び2を提供する。
本明細書の配列表部分における配列番号1は、ヒト乳中に生じる本発明によるポリペプチド及びより短いその断片を同定している。
本明細書の配列表部分における配列番号2は、ウシ(Bos taurus)における配列番号1の機能的相同体である本発明によるポリペプチドを同定している。配列番号2の機能的相同体はウシ乳から相当な量で容易に富化又は単離することができるので、工業的用途には配列番号2の機能的相同体の方がより適切であるかもしれない。
本発明の代替実施形態では、当分野で周知の化学方法を使用してsTLRRのコード配列を全体として又は部分的に合成し得る。同様に、sTLRRアミノ酸配列を合成するために化学方法を使用して、このタンパク質自体を産生させることもできる。可能性のあるヌクレオチド配列は、遺伝コードから推論することができる。
医薬品、機能的食品成分又は化粧品として使用する本発明によるポリペプチドに関して、このポリペプチドを、哺乳動物における炎症状態を阻止又は下方制御するために使用し得る。
さらに、本発明によるポリペプチドを、哺乳動物における炎症状態の阻止、予防、処置又は治療に使用し得る。
たとえば、炎症状態とは哺乳動物の胃腸管又は皮膚の炎症状態である。
ポリペプチドの施用形態は重要ではない。たとえば、上記のように単離及び濃縮した後、ポリペプチドを単に直接、経口的に消費してもよい。これは、胃腸管の炎症状態を直接処置する場合に特に当てはまる。
ポリペプチドを皮膚の炎症状態の処置に使用する場合、sTLRRを、皮膚の刺激作用や炎症を処置又は阻止するために設計された任意の適切なローション、クリーム、バーム(balm)などに加えてもよい。たとえば、sTLRRを水中油又は油中水の乳濁液に加えてもよい。好ましくは、油相と水相を乳化した後に高濃度に濃縮したsTLRRを加える。また、最後のホモジナイズステップの後にsTLRRを加えることも可能である。好ましくは、約35℃で混合しながら濃縮したsTLRRを加える。米国特許US 5744145号(Nestec S.A.)では、sTLRRを容易に加えることができるいくつかの化粧品組成物が開示されている。
本発明のポリペプチドはさらに、皮膚科学的な薬剤として使用し得る。
別の例では、本発明のポリペプチドを、哺乳動物の粘膜における炎症状態の阻止、予防、処置又は治療に使用し得る。
さらに、本発明のポリペプチドを、哺乳動物におけるアレルギー反応の阻止、予防、処置又は治療に使用し得る。
本発明による消費可能な製品に関して、これはペットフードであり得る。好ましくは、この消費可能な製品はヒトを対象としており、より好ましくは幼児による消費を対象としている。これは、栄養フォーミュラ又は幼児用調乳、冷蔵の又は長期保存可能な乳製品あるいは菓子類であってもよい。
栄養フォーミュラは任意の適切な方法で調製し得る。たとえば、食物タンパク質源、炭化水素源及び脂肪源を適切な割合で混合することによって栄養フォーミュラを調製し得る。使用する場合は、乳化剤を混合物に含めてもよい。この時点でビタミン及びミネラルを加えてもよいが、熱分解を避けるために通常は後ほど加える。脂溶性のビタミン、乳化剤などはすべて、混合前に脂肪源に溶かしてもよい。その後、水、好ましくは逆浸透に供した水を混ぜ入れて液体混合物を形成する。水の温度は、成分の分散を補助するために約50℃から約80℃が好都合である。市販されている液化剤を使用して液体混合物を形成してもよい。その後、液体混合物をたとえば2段階でホモジナイズする。
精製したsTLRRを有効量で直接液体フォーミュラに加えることができる。フォーミュラのpHは4.5から7.5の間でよく、これは、タンパク質が可溶性であることを意味している。もちろん、たとえばグリコシル化あるいはアミノ酸の付加、削除又は置換によってsTLRRの化学特性が変えられた場合は許容できるpH範囲は異なり得る。
一実施形態では、sTLRRの濃縮溶液を、任意の所望するエネルギー含量を有する液体の(再構成した)栄養フォーミュラに加える。好ましくは、sTLRRは最終濃度50ng/ml〜10μg/ml、より好ましくは100ng〜1000ng/mlで存在する。栄養フォーミュラ中では、濃度は食事の状況、特に栄養フォーミュラが食事のすべてを構成するかどうかにも依存し得る。また、たとえば消費されるフォーミュラの量、sTLRRの活性、患者の容態など他の状況もフォーミュラ中のsTLRRの最終濃度に影響を与え得る。原則的には、さまざまな条件に応じて、1日用量は10μg〜20mg単位、好ましくは100μg〜1mg単位のタンパク質を含むべきである。
sTLRRポリペプチドの機能がさまざまな異なるアミノ酸配列によって達成することができることは、当業者には明白である。したがって、本発明の別の態様は、活性に必須でないアミノ酸残基の変化を含むポリペプチドに関する。このようなタンパク質は、本発明によって単離されたポリペプチドとはアミノ酸配列が異なるが、それでも生物学的機能又は活性を保持している。たとえば、アミノ酸「非必須」アミノ酸残基で置換されていてもよい。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的機能や構造的折畳みを変化させることなくsTLRRの野生型配列から変化されることが可能な残基であるのに対して、「必須」アミノ酸残基は生物学的機能に必要である。同様の機能は、多くの場合同様の構造特性又は化学特性を有するアミノ酸、たとえばロイシンをイソロイシンで置換することによって満たされている。より稀には、ある変異体は、たとえばグリシンがトリプトファンで置換される「非保存的」変化を有しているかもしれない。このことは、単一のアミノ酸残基にだけでなく、タンパク質の生物学的機能を変化させることなく付加又は省略し得るアミノ酸の全配列にも当てはまる。したがって、同様の軽微な変異には、アミノ酸の欠失、挿入、又はどちらもが含まれ得る。非常に多くの場合、はるかに大きなポリペプチド内の短いアミノ酸配列が主にタンパク質の生物活性又は機能を担っている。
したがって、本発明はまた、sTLRRの相同体も含む。
タンパク質配列の相同性あるいは配列類似性又は配列同一性は、当分野で周知の技術に従って、たとえば確立されたソフトウェアやコンピュータプログラム、たとえばD.Lipman他の研究に基づいたBLAST(基本局所アラインメント配列ツール、Basic Local Alignment Sequence Tool)プログラムを使用することによって、容易に決定し得る(Altschul,S.F.、Gish,W.、Miller,W.、Myers,E.W.、及びLipman,D.J.、1990年、「基本局所アラインメント検索ツール(Basic local alignment search tool)」、J.Mol.Biol.、215:403〜410、並びにAltschul,S.F.、Madden,T.L.、Schaffer,A.A.、Zhang,J.、Zhang,Z.、Miller,W.、及びLipman,D.J.、1997年、「ギャップBLAST及びPSI−BLAST:タンパク質データベース検索プログラムの新世代(Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs.)」、Nucleic Acids Res.、25:3389〜3402)。
BLAST(登録商標)(基本局所アラインメント検索ツール)とは、クエリがタンパク質かDNAかにかかわらず利用可能なすべての配列データベースを探索するよう設計された一連の類似性検索プログラムである。BLASTプログラムは、遠い配列関係に対する感度の犠牲を最小限にしながら、迅速さのために設計されている。BLAST検索において割り当てられるスコアはよく定義された統計的な解釈を有しており、これにより、無作為のバックグラウンドの適合から真の一致を識別することが容易になる。BLASTでは全域アラインメントではなく局所アラインメントを探す発見的アルゴリズムが使用されており、したがって、隔てられた類似領域しか共有しない配列間の関係性を検出することが可能となる(Altschul,S.F.、Gish,W.、Miller,W.、Myers,E.W.、及びLipman,D.J.、1990年、「基本局所アラインメント検索ツール(Basic local alignment search tool)」、J.Mol.Biol.、215:403〜410)。
BLASTは、2つの配列間の同一性又は類似性が最も良好な区間を見つけるためのSmith及びWaterman(Smith,T.F.及びWaterman,M.S.、1981年、「共通分子部分配列の同定(Identification of common molecular subsequences.)」、J.Mol.Biol.、147:195〜197)並びにSellers(Sellers,P.H.、1984年、「ミスマッチ密度による遺伝子配列のパターン認識(Pattern recognition in genetic sequences by mismatch density)」、Bull.Math.Biol.、46:501〜514)の改良アルゴリズムに基づいている。配列相同性、類似性又は同一性の度合を決定するためにBLASTなどの配列アラインメントプログラムを使用する場合は、初期設定を使用してもよく、あるいは、同一性、類似性、又は相同性のスコアを最適化するためにBLOSUMやPAMなどの適切なスコアマトリクスを選択してもよい。
さまざまな理由のために導入され得るアミノ酸配列の人工修飾を考慮するために、本発明はまた、相同体ではないが、少なくとも以下に定義する配列類似性あるいは本発明によるタンパク質の3次元構造又は機能を共有する配列も、包含している。
一実施形態では、本発明によるポリペプチドは、本発明によるタンパク質と少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、85%、90%、95%、98%又はそれ以上類似しているアミノ酸配列を含む。
本発明はまた、これらのアミノ酸配列をコードしている、DNA又はRNAであるヌクレオチド配列も含む。
一実施形態では、本発明によるポリペプチドは、たとえばsTLRR活性の阻害剤についてペプチドライブラリをスクリーニングするため、又は市販されている抗体によって認識可能にさせるための融合タンパク質である。融合タンパク質はまた、sTLRR配列と異種タンパク質配列との間に位置する切断部位を含むように遺伝子操作してもよく、これはsTLRRを切断し、異種性部分から離して精製し得るようにするためである。
本発明による有効な可溶性ポリペプチドは、二量体、三量体などであってもよい。また、ホモ−又はヘテロ二量体、三量体、重合体であってもよい。たとえば、有効なポリペプチドの異なるドメインを1つ又は複数のジスルフィド結合によって共有結合させる。特に細胞体タンパク質又は細胞外ドメインの場合では、異なるタンパク質内又は同じタンパク質内のジスルフィド結合が多くの場合見つかる。したがって、本発明は、2つの同一又は異なるポリペプチド鎖が互いに連結されてホモ−又はヘテロ二量体又は重合体が形成される可能性を含んでいる。2つの非常に類似した、限定数のアミノ酸残基だけが異なるドメイン、又はグリコシル化が異なるドメインがヘテロ−又はホモ二量体を形成することも可能である。これらの事例すべてにおいて、本発明は、本発明による特徴を有する少なくとも1つのドメインを含むタンパク質又はマルチドメインのタンパク質を含む。
遺伝コードの縮重によりsTLRRをコードしている多数のヌクレオチド配列が生成され得、これらの一部は任意の周知の遺伝子及び天然に存在する遺伝子のヌクレオチド配列と最小限の類似性した有さないことを、当業者は理解されよう。本発明は、可能なコドンの選択に基づいて組合せを選択することによって作ることができる、ヌクレオチド配列の可能なすべての変異を企図している。これらの組合せは、天然に存在するsTLRRのヌクレオチド配列に適用される標準のトリプレット遺伝コードに従って作られ、このような変異すべてが、それらを具体的に開示していると同様にみなされるべきである。
さまざまな理由のために、それだけには限定されないが、遺伝子産物のクローニング、プロセッシング及び/又は発現を改変させる変化を含めたsTLRRコード配列を変化させるための本発明によるヌクレオチド配列の遺伝子操作を行うことができる。たとえば、新しい制限部位を挿入すること、グリコシル化パターンを変化させること、スプライシングの変異を生成することなどのために、当分野で周知の技術、たとえば部位特異的突然変異誘発を使用して変異を導入し得る。したがって、本発明の一実施形態では、本発明によるタンパク質をコードしている配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%又はそれ以上の相同性を共有する核酸分子が関連している。
本発明によるタンパク質の配列はまた、本発明によるタンパク質をコードしている配列を一部だけ含んでいる配列も含む。
生理条件下におけるその溶解性及び同時に生得免疫応答におけるその関連性により、sTRLLが、多数の病原性又は非病原性状態における貴重な手段となる。たとえば、細菌エピトープや抗原に結合するその能力を開拓し、sTLRRを治療目的で使用してもよい。この点では、sTLRRの有意性は抗体と同様である。したがって、sTLRRは、免疫応答又は炎症応答を調節する新規の診断標的又は治療剤の開発に特に有用かもしれない。たとえば、自己免疫疾患、炎症性腸疾患又は喘息を含めたアレルギーなど免疫応答の調節不全に関連する状態が挙げられる。
以下の実施例は例示としてのみ示し、本出願の主題事項を限定すると解釈されるべきでない。パーセント及び部は、別段に指示しない限りは重量によるものである。
ヒト母乳中の可溶性TLR−2の検出
方法
出産後日数が異なる日(0、5、6、8日目)に採取したヒト乳試料を、以前に記載されているように(Duriex,J.J.、N.Vita、O.Popescu、F.Guette、J.Calzada−Wack、R.Munker、R.E,Schmidt、J.Lupker、P.Ferrara、H.W.Ziegler−Heibrock、及びM.O.Labeta、1994年、「リポ多糖受容体の2つの可溶型、CD14:特徴づけ及び正常なヒト単球による放出(The two soluble forms of the lipopolysaccharide receptor,CD14:characterization and release by normal human monocytes.)、Eur.J.Immunol.、24:2006〜2012)Laemmli還元サンプルバッファーで希釈し、10%SDS−PAGE(MiniProtean II、BioRad)上で電気泳動させ、ウエスタンブロットによって分析した。これはTLR−2特異的抗体(精製ヤギポリクローナル抗体、サンタクルーズ)又は2%(w/v)のBSA及び0.1%(v/v)のTween−20を添加したpH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:2000(100ng/ml)に希釈した正常ヤギIgG(サンタクルーズ)を使用することによって行った。抗TLR−2抗体は、TLR−2ポリペプチドのN末端付近にマッピングされている17アミノ酸のペプチドを認識する。検出は、0.5%(w/v)BSA及び0.1%(v/v)Tween−20を添加したPBSで1:4000に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヤギ抗体(サンタクルーズ)を用いて、増強化学発光法(ECL、Amersham)によって、製造者の指示に従って実施した。抗TLR−2のウエスタンブロットの特異性を確認するために、一部の実験では、ブロットの前に、抗TLR−2抗体を抗TLR−2抗体を産生させるのに使用したペプチド(サンタクルーズ)10倍過剰濃度と共にプレインキュベート(2時間/室温)した。
さらに、可溶性CD14(記載されているイオン)の濃度を各試料について決定した。(ヒト母乳は、書面による同意の後に健康なドナーから採取した)。乳は、採取後2時間以内に処理した。遠心分離の後、細胞ペレットは他の分析用に保存し、上清はELISA(Immuno−Biological Laboratories)によるsCD14の試験まで−80℃で凍結した。検査した試料により、26〜81μg/mlの範囲のsCD14濃度が示された。
結果及び結論
ウエスタンブロットの結果を図1及び2に示し、抗TLR−2抗体を使用した場合に(図1のレーン1及び2)38及び40kDaの2つのバンドが示された。
抗体を産生させるのに使用した特異的な17アミノ酸のTLR2ペプチドと共にプレインキュベートした抗TLR−2抗体を用いて膜をブロットした場合は、この新規ポリペプチドは検出されなかった(図1のレーン3及び4)。
sTLRRの発現は、出産後日数が短い場合に(0日目から5日目)より高かった。また、sTLRRと乳sCD14濃度との間の直接相関関係が顕著に見つかった(図2)。さらに、sTLRRと乳中のsCD14との間の発現レベルを比較することにより、sTLRRはsCD14より約6〜7倍低いレベルで発現されていることが示唆された。
結論として、sTLRRはヒト母乳中に存在する新規ポリペプチドであり、ヒトTLR2の可溶性相同体である。sTLRRの機能は恐らくsCD14の機能に関連しており、これにより、sTLRRは炎症状態の調節における候補となる。加えて、これは、細菌及び細菌生成物の永続的な炎症誘発の挑戦に際して、腸粘膜の恒常性を保存するための分子を表し得る。
sTLRRの精製
免疫沈降、次いでSDS−PAGE、PVDF膜への電気ブロッティング、及びタンパク質溶出によって、さらなる研究のための、かなりの量の高純度に精製されたsTLRRを得ることができる。
方法
一般的に、1mlのヒト母乳(好ましくは初乳、出産後1〜5日目)を、50mMのTris/HCl、150mMのNaCl、pH7.4のバッファーからなり、0.5%(w/v)のNP−40(BDH)、1mMのPMSF、1μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチン、1mMのEDTA、及び50mMのNaF(すべてSigmaからのプロテアーゼ阻害剤)を添加した希釈バッファーで1:10に希釈した。30μgの正常ヤギIgG(サンタクルーズ)と共にインキュベート(回転しながら1時間、4℃)すること、次いで250μlのタンパク質G−セファロース(Protein G−Sepharose)(1:1のスラリー;Sigma)と共に2回逐次インキュベートすること(最後のインキュベーションは終夜に及ぶ)によって、希釈した試料を事前に清澄にした。各回のタンパク質G−セファロースとのインキュベーションの後、穏やかな遠心分離(4℃で800g、2分間)によってビーズをペレット形成させ、ビーズを廃棄した。事前に清澄にした希釈乳試料を、30μgのポリクローナル(ヤギ)抗TLR−2抗体(サンタクルーズ)、次いで150μlのタンパク質G−セファロースと共にインキュベートした(回転しながら1時間、4℃)。セファロースビーズの穏やかな遠心分離の後、上清を廃棄し、希釈バッファーで上清を5回洗浄した。次いで、ビーズを100μlのLaemmli還元サンプルバッファーに再懸濁させ、沸騰させ(5分間)、溶出された物質を10%SDS−ポリアクリルアミドゲルに載せた。電気泳動の後、免疫沈降した分子をPVDF膜上に移し、標準のプロトコルに従った酸性抽出によって溶出させた(タンパク質科学の最新プロトコル(Current Protocols in Protein Science)、J.Coligan他編;J.Wiley&Sons:第10章、セクション10.7)。あるいは、質量分析のために、記載のように(タンパク質科学の最新プロトコル(Current Protocols in Protein Science)、J.Coligan他編;J.Wiley&Sons:第16章、付録14、セクション4)分析に備えてトリプシン(シーケンシング級;Promega)を用いてタンパク質をゲル内で消化した。
結論
新規ポリペプチドであるsTLRRが、単離された形で得られた。溶出液中のポリペプチド濃度は、おおよそ0.5〜3μg、好ましくは1〜2μg/mlの範囲である。
sTLRR及びsCD14の免疫共沈降
方法及び結果
sTLRRがヒト乳中のsCD14と相互作用するかどうかを試験した。sCD14特異的ポリクローナル抗体(ウサギ)では、抗TLR2ヤギポリクローナル抗体との免疫沈降に次ぐ乳試料のウエスタンブロットによって強い48kDaのポリペプチドのバンドが検出されたが、対照のヤギIgGとでは検出されなかった。
膜をストリップして抗TLR2抗体で再プローブすることによって、48kDaのsCD14バンドに加えて38及び40kDaのポリペプチドの存在が確認された。この80kDaのバンドは、膜を抗TLR2特異的抗体で再プローブした場合に検出可能であったが、対照のIgでは検出可能でなかった。
結論
新規ポリペプチド(sTLRR)が既に記載したsCD14と相互作用又は結合して80kDaの複合体を形成する証拠がある。この複合体の機能は、以前に記載されたsCD14の機能と密接に関連しているはずである(Frey EA、Miller DS、Gullstein Jahr T、Sundan A、Bazil V、Espevik T、Finlay BB、Wright SD、可溶性CD14が細胞のリポ多糖への応答に関与している(Soluble CD14 participates in the response of cells to lipopolysaccharide.)、J.Exp.Med.、1992年、176:1665〜1671)。
哺乳動物の乳腺上皮細胞によるsTLRRの発現及び修飾
この実験の目的は、新規sTLRRポリペプチドの源を同定することである。
方法及び結果
抗TLR2特異的抗体を用いて、免疫沈降、次いでウエスタンブロットを行うことにより、38及び40kDaのTLRRポリペプチドの発現が示され、また、培養物の上清及び乳腺上皮細胞系MCF−7の全溶解液中で80kDaのバンドが示された。
さらに、エストロゲン擬態性フェノールレッド(estrogen mimmetic phenol red)、合成リポペプチド、INF−γ/TNF−α、LPS、PMA/イオノマイシンを含めたさまざまな刺激を使用することによって、sTLRRの発現を変化させることを試験した。フェノールレッド及びINF−γ/TNF−αは、全溶解液並びに培養物の上清中の38/40kDa分子及び80kDa分子のいずれについても有意な上方変調を誘発させた。
結論
結論として、新規ポリペプチド(sTLRR)は、免疫変調剤として作用する。具体的には、これは炎症誘発性サイトカインの誘発を阻害することによって免疫応答を下方制御する。したがって、新規ポリペプチドは、たとえば、アレルギー、腸の炎症性疾患、全身性慢性炎症及び自己免疫疾患など免疫系の過剰反応に関連するさまざまな疾患を調節する可能性を有している。
sTLRRを含む栄養フォーミュラ
子供の胃腸管における炎症性生得免疫応答を下方制御するために、sTLRRを有効量で含む栄養フォーミュラを調製した。
上記のように濃縮された形で調製した可溶性TLRRを、得られる調製物が乾物1gあたり約0.1〜100、好ましくは0.5〜50μgの量のsTLRRを含むような量で、約15%の乾物を含む栄養的にバランスのとれた製品に加えた。乾物は、推奨値に従って20%のタンパク質、45%の炭水化物、32.3%の脂肪並びに2.7%のミネラル及びビタミンからなる。この栄養フォーミュラは、約75kcal/dl(315kJ/dl)のエネルギー含量を有する。
sTLRRのさらなる効果
方法
sTLLRの調節効果を試験するために、LPSによる細胞刺激の前に抗TLR2抗体を加え、既に記載されているように(Labeta MO、Vidal K、Reynores JA、Arias M、Vita N、Morgan BP、Guillemot JC、Loyaux D、Ferrara P、Schmid D、Affolter M、Borysiewicz LK、Donnet−Hughes A、Schiffrin EJ、ヒト乳中における細菌の生得認識は乳由来の高度に発現されるパターン認識受容体である可溶性CD14に媒介される(Innate recognition of bacteria in human milk is mediated by a milk−derived highly expressed pattern recognition receptor,soluble CD14)、J.Exp.Med.、2000年、191:1807〜1812)、2%のヒト母乳(出産後1〜5日)を含む培地中でU373星細胞腫細胞(ATCC)を培養してE.coliのLPS(100ng/ml)で活性化させた。細胞刺激の前に、乳を含む培地を抗TLR2抗体(10マイクログラム/ml)又はアイソタイプが一致した対照と共にプレインキュベートした(30分間/氷上)。24時間のインキュベーション後、ELISAによって培養物上清のIL−6の放出を試験した。刺激の4時間後に細胞アリコートを採取し、フローサイトメトリーによってCD54(ICAM−1)細胞表面発現について試験した。
結果及び結論
細胞のプレインキュベーションで抗TLR2を使用することにより、LPSに誘発される乳に媒介されたICAM−1(CD54)の発現及び細胞系によるIL−6の分泌が有意に増強された。いくつかの実験における増強効果の程度は、平均してIL−6の放出で100%、CD−54で100%であった。また、乳の替わりに精製したsCD14を使用した場合はこの増強効果が抹消された。これは、sCD14分子と複合体形成させた場合に、少なくとも一部の事例ではsTLRR分子の変調活性が起こることを示している。
乳及び任意の他の体液中に存在する抗TLR2は、生得免疫応答及び続く適応免疫応答における、細菌活性化の重要な調節分子であると考えられる。これは、新生時期に宿主が初めて過剰の新しい細菌高原及び炎症誘発性分子と遭遇した場合において、細菌生成物に対する過剰の炎症応答を制御するのに非常に重要であるかもしれない。
ヒト乳から単離したさまざまなsTLRR断片
Laemnli還元サンプルバッファーで1:50に希釈した乳試料のウエスタンブロットを行い、10%SDS−PAGEで分離し、ヒトTLR2タンパク質のN末端にマッピングされている17アミノ酸のペプチドに対して産生された抗TLR2ポリクローナル(ヤギ)抗体(sc8689、米国カリフォルニア州サンタクルーズ)を用いて免疫ブロットした。ロバ抗ヤギIgGペルオキシダーゼ結合の抗体とのインキュベート、次いで増強化学発光法(Amersham)によってブロットを可視化した。詳細は実施例1参照。
結果を図3に示し、配列番号1の断片に対応するさまざまなsTLRR分画が見られる。断片及びその大きさは:1(80kDa)、2(70kDa)、3(60kDa)、4(40kDa)、5(25kDa)、6(22kDa)である。
還元条件下で、10%SDSゲルを使用したヒト乳分画のウエスタンブロット分析を示す図である。抗TLR−2ポリクローナル抗体を使用してsTLRRのバンドが示された(TLR2抗体、レーン1及び2)。また、ブロッティングの前に、抗TLR−2抗体を、抗体を産生させるのに使用したペプチドと共にインキュベートした(TLR2ペプチド、レーン3及び4参照)。また、アイソタイプの対照として別の抗体(IgG)も試験した(レーン5)。 上記のように出産後異なる日に採取したヒト乳分画のウエスタンブロット分析を示す図である(図1のスキームに対応、レーン1及び2)。また、この図は、sTLRR分析と平行して決定したsCD14の濃度も示す。 出産後異なる日に採取したヒト乳分画のウエスタンブロット分析を示す図である。免疫ブロットには、ヒトTLR2タンパク質のN末端にマッピングされている17アミノ酸のペプチドに対して産生された抗TLR2ポリクローナル(ヤギ)抗体(sc8689、米国カリフォルニア州サンタクルーズ)を使用した。sTLRRの断片及びその大きさは:1(80kDa)、2(70kDa)、3(60kDa)、4(40kDa)、5(25kDa)、6(22kDa)である。(実施例7)

Claims (9)

  1. 乳から得ることができる可溶性ポリペプチドであって、SDS PAGE分析で測定される約22、25、38、40、60、70、80kDaの分子サイズを伴い、さらに配列番号1又は2のいずれかのTLR受容体のアミノ酸配列と少なくとも90%のBLASTプログラムにより決定される配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、上記ポリペプチド。
  2. トール様受容体(TLR)ファミリーの相同体であるか又はそれに関連していることを特徴とする、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 母乳血清、血漿又は腸内容物など哺乳動物の体液の、抗TLR抗体を用いて実施する免疫沈降によって得ることができる、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む医薬品。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドの追加を含む消費可能な製品。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドの追加を含むクリーム、ローション又は軟膏。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドを有効成分として含む機能的食品又は化粧品。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドの追加を含む、炎症状態又はアレルギー反応に関連する疾患を予防、阻止又は処置するための医薬品。
  9. 免疫学的及び/又は炎症性プロセスを変調するための、請求項8に記載の医薬品。
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