JP4354367B2 - 粒径分布測定装置等におけるゲイン設定方法 - Google Patents

粒径分布測定装置等におけるゲイン設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、分散媒中に分散させた粒子群に光を照射して生じる回折散乱光の強度を複数の光検出器で検出し、それら各光検出器から出力された光強度信号の値から得られる前記回折散乱光強度の角度分布に基づいて粒径分布を測定する粒径分布測定装置に関するものである。
この種の粒径分布測定装置において、測定精度が高くて、測定に要する時間も短く、さらには測定可能な粒径分布のレンジが広いものが望まれている。
測定精度を上げるには種々の方法があるところ、例えば光検出器とAD変換器との間に介在するアンプ(増幅器)のゲインを適切に設定し、AD変換器の定格範囲内で、できるだけ大きな信号がAD変換器に入力されるようにしておくことが、S/N値や、分解能の向上等のために望ましい。
ところが従来は、前記アンプのゲインが固定となっており、変化させることができない。そのため、非常に低いレベルの光強度信号が入力された場合には、増幅度が不十分となって分解能の不足やS/N比の悪化を招き、測定精度に悪影響を及ぼす恐れがある。
特に、特許文献1に示すように例えば複数波長のレーザ光を照射する光源を設ける等して、粒径分布の測定レンジを従来に比べ大きく広げようとした場合、光検出器から出力される光強度信号の値の幅も大きく拡がることが予想され、アンプのゲインが固定であると、広い測定レンジの全てに亘って十分な測定精度を担保できなくなる。
これに対し、ゲイン可変アンプを採用したり、1つの光検出器に対しゲインの異なる複数のゲイン固定アンプを切替可能に接続するといった手段をとることが考えられる。しかしながら、この種の粒径分布測定装置には非常に多くの光検出器(最低でも90〜100個)があるため、ゲイン可変アンプを従来のゲイン固定アンプ単純に置き換えただけでは、光検出器毎に各ゲイン可変アンプのゲインを適切な値にいちいち設定しなければならず、準備時間も含めた測定時間が非常に長くなってしまう。また、複数のゲイン固定アンプを切替可能に構成するのでは、上記不具合に加え、回路が巨大になるという不具合も生じる。
これらに加え、ゲイン切替のためのアナログスイッチやその駆動回路なども必要になり、故障が増える懸念もあるし、さらにその故障に備えて、これを検出するための検出回路や検出ルーチンを準備する必要もでてくる。そしてその検出ルーチンによって測定前に行う準備時間がさらに長くなるという恐れもある。
実開平4−73849号公報
そこで本発明は、この種の粒径分布測定装置において、ゲイン可変アンプを用いながらも、そのゲイン設定を自動で行って手間がかからないようにするとともに、ゲイン設定時における動作を巧みに利用して、ほぼ同時に各チャンネルの異常検査をも行えるようにすることで、測定精度が高いうえに測定に要する時間も短く、さらには測定可能な粒径分布のレンジが広い粒径分布測定装置を提供することをその主たる課題としたものである。
すなわち本発明は、分散媒中に分散させた粒子群に光を照射する光源と、その光の照射によって発生する回折又は/及び散乱光(以下、回折散乱光という。)の強度を検出する複数の光検出器と、前記各光検出器から出力された光強度信号を受信し、それら光強度信号の値から得られる前記回折散乱光強度の角度分布に基づいて前記粒子群の粒径分布を演算する演算装置とを備えたものである粒径分布測定装置に適用される方法であって、前記演算装置が、前記光強度信号を受信して増幅するゲイン可変アンプと、そのゲイン可変アンプの出力信号を受信してデジタル変換するAD変換器とを有し、前記ゲイン可変アンプのゲインを最低レベルに設定した状態での当該ゲイン可変アンプからの出力値を複数回サンプリングして取得し、それら取得したサンプリング値に基づいて、前記ゲイン可変アンプからの出力値がAD変換器の入力定格値を超えない範囲でのできるだけ大きな値となるように、当該ゲイン可変アンプのゲインを設定するオートゲインステップと、前記取得した各サンプリング値が所定以上変動している場合には異常であると判断し、その光検出器に係るチャンネルが異常である旨を示す異常信号を出力する異常判断ステップとを前記演算装置に行わせるようにしたゲイン設定方法である。
このようなゲイン設定方法であれば、測定精度を高めるためのゲイン設定を自動で行っているので手間がかからないうえに、そのゲイン設定時に取得したサンプリング値をそのまま利用して、各チャンネルの異常検査を行っているので、別途光検出器からデータをサンプリングし、異常検出を行う場合に比べ大幅な時間短縮を図れる。
粒子群がない状態で光を照射し、前記各光検出器から出力された光強度信号を測定するブランク測定において、前記演算装置に前記オートゲインステップと異常判断ステップとを行わせるのが好ましい。この場合、粒子群がある状態と比べ、光強度信号の示す光強度が大きく異なると予想されるので、同様に粒子群がない状態においても前記オートゲインステップと異常判断ステップとを行わせるようにすればゲイン調整による効果をさらに享受しうる。
そして、波長帯域の異なる2種類の光源を用い、測定全範囲において一つの波長のレーザ光では感度が低い粒子径域を別の波長のレーザ光を用いて測定するようにしたものであれば更に好ましい。
このような粒径分布測定方法であれば、測定レンジを広げることができ、これに伴う光検出器からの光強度信号の値の幅の拡大にも、アンプのゲインを可変とすることで対応し、感度を維持できる。このため、広い測定レンジの全てに亘って十分な測定精度を担保できる。
また、本発明の粒径分布測定装置は、分散媒中に分散させた粒子群に光を照射する光源と、その光の照射によって発生する回折散乱光の強度を検出する複数の光検出器と、前記各光検出器から出力された光強度信号を受信し、それら光強度信号の値から得られる前記回折散乱光強度の角度分布に基づいて前記粒子群の粒径分布を演算する演算装置とを備えたものであって、前記演算装置が、前記光強度信号を受信して増幅するゲイン可変アンプと、そのゲイン可変アンプの出力信号を受信してデジタル変換するAD変換器と、前記ゲイン可変アンプのゲインを最低レベルに設定した状態での当該ゲイン可変アンプからの出力値を複数回サンプリングして取得し、それら取得したサンプリング値に基づいて、前記ゲイン可変アンプからの出力値がAD変換器の入力定格値を超えない範囲でのできるだけ大きな値となるように、当該ゲイン可変アンプのゲインを設定するゲイン設定部と、前記取得した各サンプリング値が、所定以上変動している場合には、異常であると判断し、その光検出器に係るチャンネルが異常である旨を示す異常信号を出力する異常判断部とを備えている。
このように、ゲイン可変アンプを用いながらも、そのゲイン設定を自動で行って手間がかからないようにするとともに、ゲイン設定時における動作を巧みに利用して、ほぼ同時に各チャンネルの故障検査をも行えるようにすることで、測定精度を高め、測定に要する時間を無駄なく利用し、さらには測定可能な粒径分布のレンジを広げることができる。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る粒径分布測定装置1は、粒子に光を照射した際に生じる散乱光の散乱パターン(散乱光強度の角度分布)が、MIE散乱理論から粒子径によって定まることを利用し、前記散乱パターンを検出することによって粒子径分布を測定するようにしたものである。
粒径分布測定装置1は、図1に模式的に示すように、測定装置本体2と演算装置3とを備えている。
測定装置本体2は、測定対象粒子を溶媒中に分散させてなる試料Sを収容するセル24と、そのセル24を配置している試料室23と、投光レンズ25を介しセル24に向けてコヒーレントな光を射出する光源21と、前記試料室23の周囲に配置され、試料Sより射出される散乱光及び/又は回折光(以下散乱光という)を受光し、その強度に応じたアナログ電気信号である光強度信号を出力する光検出器22とを備えている。
演算装置3は、前記各光検出器22から出力される光強度信号を受信し増幅するゲイン可変アンプ31と、光強度信号をデジタルなデータである光強度データへ変換するAD変換器32と、前記AD変換器32から光強度データを取得するデータ取得部33と、前記ゲイン可変アンプ31のゲインを設定するゲイン設定部34と、光検出器22に係るチャンネル異常を判断する異常判断部35と、各部を制御し粒径分布などを算出する演算装置本体36とを備えている。
以下に測定装置本体2の各部を説明する。
セル24は内部に試料Sを収容しているものであり、本実施形態では湿式用セルを用いている。測定方法の違いに応じて代表的なものとして循環式セルやバッチ式セル等があり、循環式セルにはさらに湿式用セル、乾式用セル等様々な方式のものがある。略立方体の形状をしており、図示しないセルホルダなどを介して試料室23の所定位置に着脱可能に取り付けられている。セル24へ入射する光がセル24内部の試料Sを照射し、また透過光や散乱光となった光がセル24外部へ射出されるよう、少なくとも光が入射する面である背面及びその対をなす面である前面には透明な部分である窓部を備えている。
試料室23には、図示しない、攪拌用モータや循環ポンプ等の循環系装置へ繋がれている流路が設けられており、循環式セルをこの流路へ接続することで、セル24内部の試料Sを循環させている。
光源21は、試料Sへ光を照射するものである。本実施形態ではレーザ光を射出するレーザ光源21(A)と、LED光を射出するLED光源21(B)とを備えており、試料Sへ複数波長の光を照射可能としている。光源21より射出された光は、光源21と試料Sの間に設けたレンズを介して、セル24へ入射する。
光検出器22は、透過光および散乱光を受光し光強度信号を出力するものである。セル24を通り抜け透過光となるレーザ光L(A)の光軸上に扇型となるよう配置された、複数の光検出器22からなるリングディテクタ等の狭角散乱検出器22(C)や、セル24から光軸に対しより広い角度で射出される散乱光を検出するようセル24を囲うように設けられた光検出器22であり、セル24の前方側に設けられた広角散乱光検出器22(A)及び背方側に設けられた広角散乱光検出器22(B)、LED光源21(B)より射出されセル24を通り抜け透過光となるLED光L(B)の光軸上に配置されたLED透過光測定器22(D)等がある。光検出器22はフォトダイオードをアレイ状に備えたものであり、受光した光の強さに比例した電流を流す。光検出器22は、測定時に用いるセル24や光源21の種類によって使い分ける必要がなく、共用することも可能である。
なお、26はシャッタであり、レーザ光源21(A)からの光L(A)がセル24に照射されるのを防ぐものである。レーザ光源21(A)を点灯させ温度を一定とした状態のまま、他の光源21(B)のみを用いた使用を可能としている。27は稼働ミラーであり、図示しない光軸制御機構と連結されており、光を反射させて狭角散乱検出器22(C)へ入射させるものである。
以下に演算装置3の各部を説明する。
図2は、この実施の形態における演算装置3を示した構成図であり、演算装置3はCPU101、内部メモリ102、通信ネットワークに接続するためのモデム等の通信インタフェース103、AD変換器32、ゲイン可変アンプ31等を具備する。
しかして本実施形態では、図3に示すように、前記コンピュータに所定のプログラムをインストールし、そのプログラムに基づいてCPU101や周辺機器を共働させることにより、ゲイン可変アンプ31、AD変換器32、データ取得部33、ゲイン設定部34、異常判断部35、演算装置本体36等として機能するようにしている。
以下に演算装置3の各部を詳細に説明する。
ゲイン可変アンプ31は、光検出器22からの光強度信号を受信して増幅し出力信号として出力するものである。光検出器22(各フォトダイオード)と1対1となるように設けてあり、光検出器22と共に光強度信号を後述するAD変換器32へ伝達するチャンネルを構成している。図4はゲイン可変アンプ31を模式的に示している。光検出器22からの電流を電流電圧変換するためのオペアンプA1と、電圧増幅するためのオペアンプA2と、電圧のゲインを設定するための複数の抵抗Rと、抵抗Rを切り替えるための複数のスイッチWとを備えており、図中では各アンプAのゲインを2段階に切り替えられるように構成しているが、もちろん段階の数を限るものではない。これらのオペアンプ回路において、ゲインを決定する抵抗RをスイッチWにより切り替えることによってゲイン可変アンプ31全体のゲインを可変としている。
図中の回路の場合、オペアンプA1のゲイン(Gain1)はそれぞれ以下の様になる。
スイッチW1をオン、スイッチW2をオフの場合
Gain1=Vout1/Iin=R1
スイッチW2をオン、スイッチW1をオフの場合
Gain1=Vout1/Iin=R2
オペアンプA2のゲイン(Gain2)はそれぞれ以下の様になる。
スイッチW3をオン、スイッチW4をオフの場合
Gain2=Vout2/Vout1=(1+R3/R5)
スイッチW4をオン、スイッチW3をオフの場合
Gain2=Vout2/Vout1=(1+R4/R5)
なお、上記の式において、例えば図中Vout1に掛かる電圧をVout1、図中Iinを流れる電流をIin、抵抗R1の抵抗値をR1等として表している。
AD変換器32は、ゲイン可変アンプ31の出力信号を受信してデジタル化しサンプリングデータとして出力するものである。例えば、光検出器22とAD変換器32とを例えば多対1で設け複数の光検出器22からのチャンネルを束ねるようにしている。入力定格範囲にある電圧を所定の分解能で量子化し出力するが、入力定格範囲をはずれる電圧を入力すると出力が飽和し正確な電圧を示さない。
データ取得部33は、例えばサンプリングのタイミングでAD変換器32へトリガ信号を送信し、所定時間経過後のAD変換器32の出力するサンプリングデータを取得し、ラッチや内部メモリを用いて格納しているものである。
ゲイン設定部34は、データ取得部33が格納しているサンプリングデータの示すサンプリング値に基づいて、ゲイン可変アンプ31のゲインを設定するものである。ゲイン可変アンプ31のゲインを設定するゲイン設定信号と、設定するゲインを示すゲインデータとを出力する。ゲインデータを複数格納可能であり、例えば予め格納している既定値や、ブランク測定やダーク測定、以前の粒子の測定時に格納されたゲインデータ等を用いてゲインの設定を行うことが可能である。
異常判断部35は、異常判断ステップを実行し、データ取得部33が格納しているサンプリングデータの示すサンプリング値に基づいて、異常を判断するものである。本実施形態では各光検出器22についてそれぞれ2つのサンプリングデータが示すサンプリング値を用い、その値が所定以上変動している場合には異常であると判断し、その光検出器22に係るチャンネルが異常である旨を示す異常信号を出力する。また、以前に実行した異常判断ステップの結果を格納可能としている。
演算装置本体36は、測定装置本体2の各部を制御し、データ取得部33が格納している、所定のゲインで増幅された光強度信号に基づくサンプリングデータである測定用サンプリングデータが示す測定用サンプリング値に基づいて粒径分布を算出するものである。オペレータからの操作の受け付けやデータの表示などを行う図示しないインタフェース装置へ通信インタフェース103を介して接続されており、オペレータの指示に基づいて前記攪拌系装置や、光源21、前記光軸制御機構、演算装置3の各部等を制御信号を用いて制御し、粒径分布や異常信号が示す異常などをインタフェース装置へ通知する。例えば、ゲイン設定部34を制御することで、ゲイン設定の既定値等を、ゲイン可変アンプ31に設定させることができる。また、データ取得部33等を併せて制御することで、自動的に最適なゲインを設定するオートゲインステップを実行することが可能である。また、測定用サンプリング値のスケールを、ゲインデータに基づいて整合させ補正した後、MIE散乱理論を用いて、逆フーリエ方式で粒径分布を算出する。
以下に図1を参照しながら、図5のフローチャートを用いて、本実施形態におけるレーザ光源21(A)を用いたときの測定に係る一連の動作の一例を示す。
まず、セル24を試料室23へセットし、レーザ光源21(A)を点灯させる(ステップSa1)。
レーザ光源21(A)の温度が安定し波長が一定となった状態でシャッタ26を開き、レーザ光をセル24に向けて照射する(ステップSa2)。
セル24中に粒子群がない状態で後述するオートゲイン設定を行い、ブランク測定を行った後に試料Sをセル24へ投入し、再びオートゲイン設定を行う(ステップSa3)。
セル24中に粒子群を分散させた状態で測定を行う(ステップSa4)
シャッタ26を閉じる(ステップSa6)。
光が試料Sを照射していない状態での測定であるダーク測定を行う(ステップSa6)。
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施形態における前述したオートゲイン設定の動作の一例を示す。
演算装置本体36が、オートゲインステップを開始し、ゲイン設定部34を制御してゲイン可変アンプ31のゲインを一番低いゲインに設定させる(ステップSc1)。
演算装置本体36が、内部メモリ102に設けた整数型記憶領域であるCountを0にクリアする(ステップSc2)。
データ取得部33が、光検出器22に係るチャンネルを介して出力信号を取り込み、サンプリングデータとして格納する(ステップSc3)。
データ取得部33が、Countの示す値を1増加させる(ステップSc4)。
データ取得部33が、Countの示す値が2未満であれば再び光強度データの取り込み処理以後の処理を繰り返す。(ステップSc5)。
異常判断部35が、異常判断ステップを開始し、データ取得部33が取得した各光検出器22に対応する2つのサンプリング値を比較して(ステップSc6)、その差が所定値以上となるものについては、そのチャンネルを特定可能とするデータを含む、異常状態を表す異常信号を出力して(ステップSc7)異常判断ステップを終了する。演算装置本体36は異常信号を解釈し、測定者へ警告などを行う。
ゲイン設定部34が、各光検出器22について、例えばデータ取得部33に格納されているサンプリング値の、例えば最大値等であるゲイン設定基準値を算出する(ステップSc8)。
ゲイン可変アンプ31を、その構成するチャンネルに狭角散乱検出器22(C)を構成する光検出器22が含まれるグループと、そのほかのグループとに区別し、それぞれのグループについて、最大の前記ゲイン設定基準値を示したチャンネルを流れる出力信号が、AD変換器32の入力定格の最大値を超えない最も大きな値を示すように1のゲインを定める。そして、各グループを構成するゲイン可変アンプ31を設定するための合計2のゲイン設定信号と、設定するゲインを示すゲインデータを出力する(ステップSc9)ことでオートゲインステップを終了する。このとき、S/Nの観点から、ゲイン可変アンプ全体におけるゲイン配分を定める場合にはオペアンプ1のゲインを大きくし、主にゲイン可変アンプ全体として動作不安定時等に、ゲインのバランス調整のためにオペアンプ2のゲインを調整するようにしている。
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施形態におけるLED光源21(B)を用いたときの測定に係る一連の動作の一例を示す。
LEDをhighで点灯させる(ステップSb1)。
セル24中に粒子群がない状態で前述の手順でオートゲイン設定を行い、ブランク測定を行った後に試料Sをセル24へ投入し、再びオートゲイン設定を行う(ステップSb2)。
セル24中に粒子群を分散させた状態で測定を行う(ステップSb3)。
LEDを消灯させる(ステップSb4)。
ダーク測定をおこなう(ステップSb5)。
次測定準備のため、シャッタ26を開ける(ステップSb6)。
LED光源21(B)をLowで点灯させる(ステップSb7)。
オートゲイン設定におけるオートゲインステップを、演算装置本体36が省略し、代わりにゲイン設定部34が格納している既定値のゲインや、以前に設定したオートゲイン設定でのゲイン等を設定に用いることができる。この場合、オートゲインステップと共に異常判断ステップも省略されるが、異常判断部35が格納している以前の異常判断ステップの結果を代用することができる。
このようなゲイン設定方法であれば、ゲイン可変アンプ31を用いAD変換器32に合わせてその分解能を有効に利用して測定精度を向上させることができるうえ、ゲイン設定を自動で行って手間がかからないようにすることができる。また、ゲイン設定時に取得したサンプリング値をそのまま利用して、各チャンネルの異常検査をも行っているので、この異常検査を別途行う場合と比べて時間の短縮を図れる。
また、ゲイン可変アンプ31を用いているため、光源21に合わせてゲイン可変アンプ31のゲイン設定を変えることができ、複数種類の光源21を設けより大きな粒子にはより長い波長の光を、より小さな粒子にはより短い波長の光を照射し適切な精度で粒径を測定することが可能であるため、測定可能な粒径のレンジを広げることができる。
光検出器22をグループ化して、各グループについてゲインを設定することで、各光検出器22のチャンネルに対して個別にゲインを設定する場合に対して、光強度データが示す光強度のスケールの整合処理を簡略化し粒径分布の算出を高速化している。また、AD変換器32が複数のチャンネルを束ねているため、例えば束ねられている全てのチャンネルが異常と判断されることを認識し、AD変換器32の異常を推定することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られない。
例えば、光源は2つでなく、3以上であればより広いレンジの粒径を測定可能とすることができる。
ゲイン設定部や異常判断部は、2つのサンプリング値でなく、3以上のサンプリング値に基づいてゲイン設定や異常の判断を行えば、さらに測定精度が高まると考えられる。
また、チャンネルの異常が判断された場合には、測定者へ警告を表示するだけでなく、例えば異常なチャンネルのデータを破棄し、他のチャネルより得られたサンプリング値を用いて補完等することで測定を行うか、測定を行わないかを選択させる等の方法が考えられる。このようにする場合には、所定数のチャンネル又は/及び重要な場所に光検出器が配置されたチャンネルが異常となるなどしているか否かを識別し、十分な測定精度が得られると推定できる場合にのみ測定を可能とすれば、可用性を高めつつ、測定精度を保つことができる。
粒径分布を算出する時のゲインデータに基づく測定用サンプリング値のスケールの整合は、演算装置本体が予め全ての光強度について統一し整合させるようにしてもよいし、粒径分布算出処理の過程で、必要なタイミングで整合させるようにしても構わない。
一部又は全ての各光検出器とAD変換器とを1対1で設け、一組の、光検出器と、ゲイン可変アンプと、AD変換器とが、独立した一のチャンネルを構成するようにすれば、光検出器の配置に応じ、分解能などの性能の異なるAD変換器を使い分けることで測定精度の向上などを可能とすることができる。
また、試料を収容していないセルを用いるブランク測定時に、オートゲインステップを行うようにしても構わない。このようにすれば、測定が試料の影響を受けないため、メンテナンスや機器の性能の点検などに適したデータが得られる。
前記各構成の一部又は全部を適宣組み合わせてもよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本発明の一実施形態における粒径分布装置全体の構成を模式的に示す全体構成図。 同実施形態における演算部のハードウェア構成を模式的に示すハードウェア構成図。 同実施形態における演算部の機能ブロックを表す機能ブロック図。 同実施形態におけるゲイン可変アンプ31の回路を模式的に示すゲイン可変アンプ31回路図。 同実施形態におけるレーザ光源使用時のパラメータ設定動作の一例を示すフローチャート。 同実施形態におけるオートゲイン設定動作の一例を詳細に示すフローチャート。 同実施形態におけるLED光源使用時のパラメータ設定動作の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1…粒径分布測定装置
2…測定装置本体
21…光源
22…光検出器
3…演算装置
31…ゲイン可変アンプ
32…AD変換器
34…ゲイン設定部
35…異常判断部

Claims (4)

  1. 分散媒中に分散させた粒子群に光を照射する光源と、その光の照射によって発生する回折又は/及び散乱光(以下、回折散乱光という。)の強度を検出する複数の光検出器と、前記各光検出器から出力された光強度信号を受信し、それら光強度信号の値から得られる前記回折散乱光強度の角度分布に基づいて前記粒子群の粒径分布を演算する演算装置とを備えたものである粒径分布測定装置に適用される方法であって、
    前記演算装置が、前記光強度信号を受信して増幅するゲイン可変アンプと、そのゲイン可変アンプの出力信号を受信してデジタル変換するAD変換器とを有し、
    前記ゲイン可変アンプのゲインを最低レベルに設定した状態での当該ゲイン可変アンプからの出力値を複数回サンプリングして取得し、それら取得したサンプリング値に基づいて、前記ゲイン可変アンプからの出力値がAD変換器の入力定格値を超えない範囲でのできるだけ大きな値となるように、当該ゲイン可変アンプのゲインを設定するオートゲインステップと、前記取得した各サンプリング値が所定以上変動している場合には異常であると判断し、その光検出器に係るチャンネルが異常である旨を示す異常信号を出力する異常判断ステップとを前記演算装置に行わせることを特徴とする粒径分布測定装置におけるゲイン設定方法。
  2. 粒子群がない状態で光を照射し、前記各光検出器から出力された光強度信号を測定するブランク測定において、前記演算装置に前記オートゲインステップと異常判断ステップとを行わせる請求項1記載のゲイン設定方法。
  3. 波長帯域の異なる2種類の光源を用い、測定全範囲において一つの波長のレーザ光では感度が低い粒子径域を別の波長のレーザ光を用いて測定する請求項1又は2記載の粒径分布測定方法。
  4. 分散媒中に分散させた粒子群に光を照射する光源と、その光の照射によって発生する回折散乱光の強度を検出する複数の光検出器と、前記各光検出器から出力された光強度信号を受信し、それら光強度信号の値から得られる前記回折散乱光強度の角度分布に基づいて前記粒子群の粒径分布を演算する演算装置とを備えたものであって、
    前記演算装置が、前記光強度信号を受信して増幅するゲイン可変アンプと、そのゲイン可変アンプの出力信号を受信してデジタル変換するAD変換器と、前記ゲイン可変アンプのゲインを最低レベルに設定した状態での当該ゲイン可変アンプからの出力値を複数回サンプリングして取得し、それら取得したサンプリング値に基づいて、前記ゲイン可変アンプからの出力値がAD変換器の入力定格値を超えない範囲でのできるだけ大きな値となるように、当該ゲイン可変アンプのゲインを設定するゲイン設定部と、前記取得した各サンプリング値が、所定以上変動している場合には、異常であると判断し、その光検出器に係るチャンネルが異常である旨を示す異常信号を出力する異常判断部とを備えていることを特徴とする粒径分布測定装置。
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