JP4353409B2 - 義足の調整システム - Google Patents

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この発明は、ひざの部分で屈曲および/または伸展可能な義足に対し、義足装着者の実際の歩行に適合するように設定デ−タを調整する上で有用な技術に関する。
この種の義足の代表例は大腿義足である。大腿義足は、大腿側の第1の構成部材と下腿側の第2の構成部材とがひざの部分で屈曲および/または伸展可能であり、通常、その屈曲および/または伸展を補助するため、空圧あるいは油圧の流体圧制御装置を備えている。流体圧制御装置としては、往復動ピストンを含むピストンタイプや揺動ベーンを含むロータリタイプ等が利用されている。そのような流体圧制御装置は、第1および第2の両構成部材の間に支持され、たとえば、ひざの屈曲に対して抵抗力を与える機能を果たす。適正な抵抗力は、歩行の形態に応じて変化する。そこで、流体圧制御装置は、屈曲に伴う流体の流れを絞る可変制御弁を含み、その可変制御弁の弁開度(つまり、絞りの程度)を歩行形態に応じて制御することが知られている。弁開度自体を制御すること自体は、電子制御回路あるいはマイクロプロセッサを用いた技術によって、容易に実行することができる。
弁開度の制御方式には、遅い歩行速度から速い歩行速度までの全般にわたって連続的により微妙な制御を行う最適制御と、遅い歩行速度から速い歩行速度までを多段階(たとえば、5段階や10段階など)に分割して、各段階ごとに制御しきい値をステップ状に大きさを変えて設定する多段階制御とが知られている。前者の最適制御は、高精度の制御という点では好ましいが、電源であるバッテリの消耗が激しいという難点がある。その点、後者の多段階制御は、段階的な制御であるためバッテリの消耗が少ない上、義足の歩行制御として充分な実用性をもつ。次の特許文献1が、そのような最適制御および多段階制御について触れている。
特開平6−189993号公報
多段階制御は、上に述べた理由から、より実用性の高い制御方式ということができる。多段階制御のための弁開度の制御特性は、歩行速度に依存するだけでなく、各義足装着者の歩行の個性(人によって歩き方が異なる)にも依存する。したがって、各義足装着者が満足する制御を行うためには、義足を装着するに先立ち、義足側の電子制御回路に対し、各装着者の歩行に適した弁開度の制御データを設定し与えることが必要である。
義足の電子制御回路に対し義足装着者の歩行に適した制御データを設定する場合、一般には、義足の歩行訓練の段階で、義肢装具士等の専門家が中心となり、制御データの設定を行う。その場合、装着者が装着する義足側と、義足とは離れたところに位置する専門家(つまり、外部設定器をもつ専門家)との間で、各種のデータのやり取り(伝送あるいは送受信)を伴う。このデータのやり取りは、義足側と外部設定器とをケーブルで接続した有線形態で行うこともできるが(前記の特許文献1を参照)、そのようなケーブルを用いることなく義足側と外部設定器との間を無線で通信することができる(次に述べる特許文献2や3を参照)。無線による方法によれば、有線による方法に比べて、データ設定の作業をよりスム−ズに行うことができる。なぜなら、無線による方法では、歩行時にケーブルが邪魔になることがなく、有効に遠隔操作することができるからである。
特開平5−337146号公報(イギリス特許公開GB 2268070 Aに対応) イギリス特許公開GB 2280609 A
発明者等は、義足装着者が充分に満足する制御を求め、現行の多段階制御を見直した。その結果、次に示すような課題があることが分かり、その課題を解決するものとして、この発明を生むに至った。
すなわち、適切な設定デ−タは、時の経過とともに変化するという経験的な事実があり、その変化に応じて設定デ−タの再調整あるいは再設定を適切に行うことが必要である。義足を装着し始めるとき、すでに述べたように、歩行訓練の段階で、実際の歩行に応じて各義足装着者に適合する設定デ−タ(歩行速度−弁開度のデ−タ)を得る。しかし、その最初の設定デ−タは、その後の使用あるいはリハビリにより義足装着者の歩行能力が向上すると、不適切なものになる。たとえば、一般的な義足装着者は、最初の装着からある程度の期間が経つと、当初よりも全体的に歩行速度が速くなり、高速歩行時の速度追従性が不足してくる傾向がある。そのため、ある時点において、より速い歩行速度にも対応することができるように設定デ−タを再調整することが必要となる。そのような再調整に際し、再調整の要否あるいは程度について、今までは、義足装着者の感覚あるいは感性に頼るだけであった。したがって、設定デ−タあるいは再調整された設定デ−タの是非を客観的に判断する術がなかった。より有効な再調整を行うため、あるいは、再調整をより客観的に行うためには、設定デ−タの是非について定量的に把握することが必要である。
この発明は、以上のような検討の結果を考慮してなされたものであり、設定デ−タを調整(あるいは再設定)するに対し、定量的な関連情報に基づいて設定すべきデ−タを客観的に捕えることができ、それにより適切な調整(再調整あるいは再設定)を行うことができるようにすることを課題とする。
そのような課題を解決するため、この発明では、義足側の電子制御回路に対し、義足装着者の実際の歩行に基づく、多段階の各弁開度の使用頻度デ−タを保存するメモリ手段を備えるようにする。義足側の電子制御回路は、通常、デ−タの演算、処理機能をもつCPUと、CPUとデ−タのやり取りをしつつデ−タを記憶するメモリとを備える。したがって、そのメモリの一部を利用して前記のメモリ手段を構成することができる。
この発明で対象とする義足は、大腿側の第1の構成部材と下腿側の第2の構成部材とがひざの部分で屈曲および/または伸展可能であり、その屈曲および/または伸展を補助するため、それら第1および第2の両構成部材の間に支持された流体圧制御装置を備える義足である。そのような義足は、歩行速度検出のためのセンサを含んでいるので、そのセンサによる検出信号に基づいて、CPUの内部で多段階の各弁開度の使用頻度デ−タを演算処理し、それをメモリ手段に記録し保存することができる。
使用頻度デ−タは、たとえば6か月などの所定期間ごと、あるいは、たとえば1万歩などの所定の歩数ごとに更新する。そして、そのような最新の使用頻度デ−タに適合するように、調整に先立つ先の設定デ−タ(これには、当初の設定データを含む)を調整する。調整自体は、義足の電子制御回路に対し、有線または無線により通信可能な調整器によって行うことができる。
好ましくは、使用頻度デ−タに基づいて、再調整すべきタイミング(つまり、再調整の要否についての判断ないしは決断)を得る。たとえば、全体の使用頻度数が所定数を越えるときを基準にすることができるし、さらに好ましくは、多段階の歩行速度−使用頻度のデ−タの実際の変化に基づいて、再調整すべきタイミングを得るのが良い。最も好ましくは、次のAおよび/またはBの条件を満足するときに調整を行うようにすると良い。
A.多段階の弁開度のうち最も上位の(すなわち、歩行速度が最も大きい)弁開度の使用頻度が、多段階の弁開度の全使用頻度の所定割合以上になったとき
B.多段階の弁開度のうち最も下位の(すなわち、歩行速度が最も小さい)弁開度の使用頻度が、多段階の弁開度の全使用頻度の所定割合以下になったとき
ほとんどの場合、調整は、高速歩行に対応することができるようにする内容である。しかし、義足装着者によっては、例外的に、その逆の低速歩行に向かう調整を行う場合も考えられる。一般的な高速歩行に対応する調整として、たとえば、多段階の各弁開度を一定量ずつ小さくするようシフトさせたり、あるいは、多段階の弁開度の上位側の弁開度のみを選択して弁開度を小さくするようにしたり、さらにまた、多段階の弁開度のうち使用頻度が他に比べて大きいものを選択して、それらの弁開度の段階を区切る境界値間の幅を他のそれよりも狭くすることができる。
図1は、この発明を適用する大腿義足10の全体像を示している。大腿義足10は、切断した断端を入れるための樹脂ソケット20、ひざの屈曲−伸展の機能を得るためのひざ継手30および接地部分となる足部40を備える。また、大腿義足10は、義足の軸線方向の長さを装着者に適合させるため、長さ調節可能なアダプタ50や軸線周りの回転を可能にする回転継手52をそれぞれ備える。そして、それらの構成部材の外側を脚形態のカバー60が被う。
ひざ継手30の部分を見ると、大腿義足10は、大腿側の第1の構成部材(ニー部材)310と下腿側の第2の構成部材(フレーム部材)320とを回転可能に連結するひざ軸330を備える。さらに、大腿義足10は、屈曲−伸展の機能を補助するための流体圧制御装置としてシリンダ装置70を備える。この実施例の場合、流体圧制御装置70は、空圧を利用したエアシリンダ装置である。エアシリンダ装置としては、たとえばUSP5,899,943号の明細書などが示す公知のものを適用することができる。
図2は、ひざ継手30の部分の断面構造を明らかにしている。ひざ継手30のフレーム部材320の内部上方には、ひざ軸330の周りに位置するブレーキ機構12、ニー部材310側のマグネット14mとフレーム部材320側の近接スイッチ14sとを含むセンサ140がある。また、エアシリンダ装置70は、ピストンロッド72の一端に第1の支持点601、ハウジング部材である筒型のシリンダ本体74の下部に第2の支持点702をそれぞれもつ。ピストンロッド72は、シリンダ本体74の内部に、仕切り部材としてのピストン76を保持する。ピストン76は、シリンダ本体74の内部を第1室701と第2室702とに区画する。ひざが屈曲および伸展するとき、第1室701と第2室702との間にエアが流れる。第1室701と第2室702とを連絡する連絡通路が、ピストン76の内部およびシリンダ本体74の内部にある。それらの連絡通路は互いに並列である。シリンダ本体74の中の連絡通路の途中に、弁の開度あるいは絞り具合を可変にした可変制御弁80がある。可変制御弁80は、ひざの屈曲に対して抵抗力を与えるための弁である。その弁の開度を大きくすればするほど屈曲に対する抵抗力を小さくし、また逆に、開度を小さくすればするほど屈曲に対する抵抗力を大きくする。
可変制御弁80はニードル弁であり、ニードルを軸線方向に移動させることによって、弁の開度を変えることができる。駆動機構90が、可変制御弁80のニードルの移動を行う。駆動機構90は、電子制御可能なステッピングモータ92と、そのステッピングモータ92の回転を直線運動に変換するねじ部94とを備える。ねじ部94が生じる直線的な動きによって、可変制御弁80のニードルを軸線方向に移動させることができる。
駆動機構90は、エアシリンダ装置70のシリンダボトム側に位置する。そのシリンダボトム側には、また、駆動機構90に制御指令を与える電子制御回路100がある。電子制御回路100は、後でさらに詳しく説明するようにマイクロコンピュータ機能をもつ。その回路100には、バッテリ150に接続するための電源端子151、および義足装着者の各人に適合した制御データを設定するためのコネクタ510、さらには、マグネット14mと近接スイッチ14sとからなるセンサ(つまり、歩行速度検出のためのセンサ)140からの信号を受けるセンサ端子141がある。ここで、電源端子151およびセンサ端子141は、それぞれリード線を通してバッテリ150あるいはセンサ140に接続されている。それに対し、コネクタ510は、その差込み口をフレーム部材320に設けた開口窓320wに臨ませている。
図3は、この発明の義足10と、その義足10内部の電子制御回路100と通信可能なパ−ソナルコンピュ−タ200とを接続した構成のブロック図を示している。義足10はすでに述べた大腿義足であり、電子制御回路100を中心にして、センサ140、バッテリ150、駆動機構90、可変絞り弁80を備える。電子制御回路100はマイクロコンピュータ機能をもち、データを演算、処理するCPU120と、CPU120とデータのやり取りをしつつデータを記憶するメモリ130とを備える。この電子制御回路100は、メモリ130内の制御データに基づいて、駆動機構90を通して可変絞り弁80の弁開度を制御する。ここでは、この電子制御回路100のメモリ130の一部を、この発明で問題とするメモリ手段、つまり、多段階の各弁開度の使用頻度デ−タを保存する部分としても利用する。
また、調整器であるパ−ソナルコンピュ−タ200は、小型のマイクロコンピュ−タであり、たとえば複数のキーを含みデータの入力をするための入力部210と、その入力部210に入力されたデータを演算、処理するCPU220と、CPU220と外部との通信を可能にする出力部230と、CPU220のデータを表示する表示部240とを備える。このようなパ−ソナルコンピュ−タ200と、義足10側の電子制御回路100とは、一端にコネクタ270(義足10側のコネクタ510に適合するコネクタ)を付属したケ−ブル250を通して電気的な接続をとる。
図4は、多段階制御による、歩行速度−弁開度の設定デ−タの一例である。横軸が歩行速度あるいは歩行周期を示し、高速側のV1から低速側のV10にわたって10段階に分割されている。それらV1〜V10の各段階に対して、互いに異なる弁開度が設定される。最も高速のV1の弁開度は最も小さく、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9の順で弁開度は次第に大きくなり、最も低速のV10の弁開度が最大となる。実際には、高速、中速、低速の3段階の速度に適した可変絞り弁80の弁開度から演算に基づいて、このような10段階の設定デ−タを得る。
図5は、このような当初に設定した義足10を装着した義足装着者の実歩行に基づく、弁開度−使用頻度のデ−タを示している。図5の(a)は装着し歩行を始めた当初のデ−タであり、低速側の段階V7辺りに使用頻度のピ−クがある。それに対し、たとえば6か月経過時点でのデ−タを示す図5の(b)では、使用頻度のピ−クが高速側の段階V4辺りに移動している。そして、この例では、最も遅い段階V10の使用頻度がゼロとなり、最も速い段階V1の使用頻度が、全使用頻度の所定割合(たとえば1割)を越えている。
このように、最も速い段階V1の使用頻度が全使用頻度の所定割合を越えたり、あるいは最も遅い段階V10の使用頻度がゼロあるいはゼロに近い値になったとき、変化した弁開度−使用頻度のデ−タに基づいて、歩行速度−弁開度の設定デ−タを調整することができる。その調整は、変化した後の弁開度−使用頻度という客観的なデ−タに基づき、しかも、客観的なそのデ−タに適合するように行う調整である。
第1の調整
図6は、弁開度を変更する調整の一例であり、10段階のV1〜V10のすべての段階に対し、それぞれの弁開度を一定量δずつシフトさせるようにしている。図7は、そのようにシフトさせた結果の弁開度−使用頻度の一例を示している。調整の結果、低速側に使用頻度のピ−クがある図5の(a)よりも、高速側に使用頻度のピ−クがある図5の(b)、つまり、より高速歩行に適した設定になっている。このような調整は、調整器であるパ−ソナルコンピュ−タ200と、義足10側の電子制御回路100との通信によって行うことができることは勿論である。各種のデ−タの入力をパ−ソナルコンピュ−タ200の入力部210を通して行うことができるし、義足10側のメモリ130内の保存デ−タをパ−ソナルコンピュ−タ200の表示部240に表示させることができる。
第2の調整
図8は、別の装着者の例であり、図5と同様のグラフである。図8の(a)が示す当初の弁開度−使用頻度のデ−タは図5の場合とほぼ同様である。そして、図8の(b)が示す一定期間が経過した時点での弁開度−使用頻度のデ−タも、最も遅い段階V10を除けば、図5のものと同じ傾向を示している。図9は、10段階のV1〜V10のすべての段階のうち、歩行速度が大きい側の数段階V1〜V5の弁開度についてのみ、弁開度を小さくするようにしている。しかも、その調整量を一律とせずに、より速い段階ほどより大きな調整量としている。そのような調整の結果、図10に示すように、使用頻度のピ−クを段階V4に移すことができ、図8の弁開度−使用頻度のデ−タにより近い調整を行うことができた。
第3の調整
第1および第2の各調整は、弁開度を小さくするような調整であった。それに対し、この第3の調整では、10段階の弁開度のうち使用頻度が他に比べて大きいものを選択し、それらの弁開度を区切る境界値間の幅を他のそれよりも狭くするよう調整する。図11の(a)は装着当初の弁開度−使用頻度のデ−タ、(b)は一定期間経過後の弁開度−使用頻度のデ−タである。この場合の装着者も、前記した二例と同様、使用頻度のピ−クが使用と共に高速側に移動するという特徴を見い出すことができる。そして、調整の方も、同じ図11の(c)に示すように、使用頻度のピ−クを示す周辺の段階V4〜V7の境界値間の幅を他よりも狭くしている。それに応じて、使用頻度の小さい最も速い段階V1と最も遅い段階V10の幅を大きなものにしている。この第3の調整によれば、使用頻度が大きい段階付近での歩行速度の追従性を高めることができる。
以上のような弁開度を調整する第1および第2の調整と、段階の幅を調整する第3の調整とを別個に行うこともできるし、両方を組み合わせるようにして調整することもできる。なお、第1および第2の調整については、調整器であるパ−ソナルコンピュ−タ200によって、たとえば、規定歩数(たとえば、1万歩)に到達したことを検出したとき、前回と今回とのそれぞれの各弁開度の使用頻度を比較する処理、ついで、10段階の各段階における新しい弁開度を演算する処理、さらに、その演算結果に基づいて各段階について歩行速度−弁開度を再調整(再設定)する処理を行う。また、第3の調整については、たとえば、規定歩数(たとえば、1万歩)に到達したことを検出したとき、各弁開度の使用頻度と設定デ−タ(歩行周期の境界値)とを比較する処理、ついで、10段階の各段階における新しい歩行周期の境界値を演算する処理、さらに、その演算結果に基づいて各段階について歩行速度−弁開度を再調整(再設定)する処理を行う。
第4の調整
図12は、弁開度の調整と段階の幅の調整との両方を行う第4の調整例を示す。(a)が通常の歩行速度−弁開度の設定データであり、歩行速度の段階が変わることによる、弁開度の変化量δは、他の段階におけるそれと同様の大きさである。それに対し、第4の調整による(b)の方では、歩行速度の選択的な数段階の幅が他の段階のそれに比べて小さくなっているだけでなく、さらに、それら数段階に対する歩行速度の段階が変わることによる、弁開度の変化量δが、他のそれδに比べて小さくなっている。このように、各段階の境界値間の幅の調整に応じて、それぞれの弁開度をも調整することによって、使用頻度の大きい段階付近で弁開度の変化を滑らかにすることができ、義足の使用感をさらに向上させることができる。
前記実施例では、義足の遊脚相の制御について、また、流体圧制御装置70としてエアシリンダ装置の例について説明した。しかし、この発明は、義足の立脚相の制御にも適用することができるし、同じ義足における遊脚相と立脚相の両方に対して適用することができる。勿論、流体圧制御装置としては、ピストンタイプであるエアシリンダ装置のほか、揺動ベーンを含むロータリタイプのものをも適用することができる。ピストンタイプの装置を立脚相制御に用いた例としては、たとえば、USP2,530,286号、あるいはUSP2,568,053号などが明らかにしている。また、ロータリタイプの装置を用いたものについては、たとえば、USP5,704,945号(特開平8−317944号に対応)、USP5,383,939号(特開平5−212070号に対応)、あるいはUSP2,667,644号などが明らかにしている。なお、たとえば義足の立脚相制御としてイールディング制御にこの発明を適用するとき、設定すべき制御データとしては、義足への荷重の有無を検出(判別)する荷重センサに関係するしきい値や、歩行速度と弁開度との特性などがある。
この発明を適用する義足の一例を示す図である。 図1の義足のひざ継手の部分を示す断面構造図である。 この発明による義足と調整器との接続関係を示すブロック図である。 多段階制御における歩行速度−弁開度の設定例を示す図である。 各段階の弁開度の使用頻度の変化を示す図であり、(a)が装着当初、(b)が一定期間経過後をそれぞれ示すグラフである。 第1の調整を示すグラフである。 第1の調整後の弁開度−使用頻度を示すグラフである。 各段階の弁開度の使用頻度の別の変化例を示す図であり、(a)が装着当初、(b)が一定期間経過後をそれぞれ示すグラフである。 第2の調整を示すグラフである。 第2の調整後の弁開度−使用頻度を示すグラフである。 第3の調整を示すグラフであり、(a)が装着当初、(b)が一定期間経過後、(c)が調整後をそれぞれ示している。 第4の調整を示すグラフであり、(a)が一般的な歩行速度−弁開度、(b)が第4の調整による歩行速度−弁開度をそれぞれ示している。
符号の説明
10 義足(大腿義足)
310 第1の構成部材(ニー部材)
320 第2の構成部材(フレーム部材)
70 流体圧制御装置(エアシリンダ装置)
90 駆動機構
100 電子制御回路
130メモリ(メモリ手段を含む)
200 調整器(パ−ソナルコンピュ−タ)

Claims (3)

  1. 大腿側の第1の構成部材と下腿側の第2の構成部材とがひざの部分で伸展および/または屈曲可能であり、しかも、ひざの伸展および/または屈曲を補助するため、前記第1および第2の両構成部材の間に流体圧制御装置を備え、その流体圧制御装置は、前記ひざの伸展および/または屈曲に伴う流体の流れを絞る可変制御弁を含み、さらに、その可変制御弁の開度を制御するため、義足装着者の歩行に適合する多段階にわたる弁開度の設定データを記憶し、そのデータに基づいて歩行に応じた弁開度の制御信号を出力する電子制御回路、およびその電子制御回路からの制御信号に応じて前記可変制御弁の開度を制御する駆動機構を備える義足であって、前記義足装着者の実際の歩行に基づく前記多段階の各弁開度の使用頻度データを保存するメモリ手段を備える義足と、
    その義足の前記電子制御回路と有線または無線により通信可能な調整器とを備え、その調整器によって、前記使用頻度データに先立つ先の設定データを、前記使用頻度データに適合するよう調整する義足の調整システムであり、
    前記多段階の弁開度の中の特定の弁開度の使用頻度データが他の弁開度の使用頻度データとの関係において所定以上の変化があるとき、前記調整器によって前記設定データを調整することを特徴とする、義足の調整システム。
  2. A.前記多段階の弁開度のうち最も上位の(すなわち、歩行速度が最も大きい)弁開度の使用頻度が、前記多段階の弁開度の全使用頻度の所定割合以上になったとき、および/または、B.前記多段階の弁開度のうち最も下位の(すなわち、歩行速度が最も小さい)弁開度の使用頻度が、前記多段階の弁開度の全使用頻度の所定割合以下になったとき、前記調整を行う、請求項1の調整システム。
  3. 前記調整器による前記設定データの調整は、次に示すC6、C7、C8のいずれか一つである、請求項1の調整システム。
    C6.前記多段階の各弁開度を一定量ずつ小さくするようにシフトさせ、高速歩行に対応できるようにする調整
    C7.前記多段階の弁開度の上位の(すなわち、歩行速度が大きい)側の弁開度のみを選択し、弁開度を小さくするような調整
    C8.前記多段階の弁開度のうち使用頻度が他に比べて大きいものを選択し、弁開度の段階を区切る境界値間の幅を他のそれよりも狭くするような調整
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