JP4353396B2 - 外部制御式ファン・カップリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に自動車等における機関冷却用のファン回転を外部周囲の温度変化あるいは回転変化に追従して制御する方式の外部制御式ファン・カップリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のファン・カップリング装置としては、ケースとカバーとからなる密封器匣の内部を、油の供給調整孔を有する仕切板により油溜り室と駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの外周壁部に対向する密封器匣側の内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達室より油溜り室間に循環流通路を形成すると共に、外部周囲の温度が設定値を超えると前記仕切板の供給調整孔を開放し、設定値以下では前記仕切板の供給調整孔を閉鎖する弁部材を備え、駆動ディスクと前記密封器匣の外方付近の対向壁面に設けたトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて、駆動側から被駆動側の密封器匣側へのトルク伝達を制御する方式において、前記密封器匣の前面側または後面側に一対の電磁石を設け、その一方の電磁石に対向して供給調整孔を開閉する磁性を有する弁部材を、また他方の電磁石に対向して前記循環流通路を開閉する磁性を有する副弁部材を設けたものがある(特許第2911623号参照)。
【0003】
しかしながら、このような従来の外部制御式のファン・カップリング装置は、一般的に電気制御が主となるために機構が複雑となり、消費電力がかかり、高価であること、また電気系統が故障した場合、作動油が循環しなくなってファン・カップリング装置が損傷されるという欠点があった。しかし、外部制御式のファン・カップリング装置は、水温、エンジン回転数、エアコン等の補機類等の制御要因を任意に選べ、かつ適正なファン制御が行えるという利点があるため、前記の欠点を解消するための改善が望まれていた。
【0004】
そこで、本発明者らはこのような現状に鑑みて、機構が簡単で、消費電力を節約でき、セーフティー・オン(電気系統が故障しても作動油が止まることなく循環すること)の機能を有し、また各種の動作条件に応じて油量を高精度で調整して任意にかつ的確にファンの回転を制御することができる外部制御式ファン・カップリング装置を先に提案した(特開2002−13556号公報、特開2002−81466号公報参照)。
この外部制御式ファン・カップリング装置は、基本的には油溜り室からトルク伝達室へ作動油を供給する油の供給調整孔を開閉する弁部材を、永久磁石を使用した無励磁式電磁石により制御する方式を採用したもので、その構成は例えば、先端に駆動ディスクを固着した回転軸体上に、軸受を介して支承された非磁性体からなるケースと該ケースに取着されたカバーとからなる密封器匣の内部を、油の供給調整孔を有する仕切板により油溜り室と、前記駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの外周壁に対向する密封器匣側の内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達室より油溜り室間に循環流通路を形成すると共に、前記油の供給調整孔を開閉する弁部材を油溜り室内に備え、駆動側と被駆動側とのなすトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて駆動側から被駆動側への回転トルク伝達を制御するようにしてなるファン・カップリング装置において、前記密封器匣の油溜り室側に永久磁石を使用した無励磁式電磁石を前記回転軸体に軸受を介して支持し、該電磁石によりアーマチャー(磁性体片)と板バネとからなる弁部材を作動させて前記油の供給調整孔を開閉制御する仕組みとなしたもので、前記油の供給調整孔を複数設け、各油の供給調整孔毎に弁部材を設けたダブル弁構造となしたものもある。
【0005】
この外部制御式ファン・カップリング装置において、永久磁石を使用した無励磁式電磁石により油の供給調整孔を開閉制御する方式を採用した弁部材の開閉制御機構は、一般に無励磁作動バルブと同じ原理であり、その原理は永久磁石のつくる磁界と逆向きの磁界を発生するように電磁石に電流を流すと、永久磁石の磁界を相殺させることとなり、永久磁石の吸引力が消滅し、弁部材がバネの作用で仕切板側に圧接して油の供給調整孔を閉じ、他方、電磁石をOFFすると弁部材がバネに抗して永久磁石側に吸引されることにより油の供給調整孔が開かれる機構となしたものである。
また、永久磁石のつくる磁界と同じ向きの磁界が発生するように電磁石に電流を流すことにより、永久磁石の吸引力と電磁石による吸引力の相乗効果で、瞬時に油の供給孔を開くことができる。
したがってこの開閉制御機構を用いると、電気系統の故障により電磁石がOFFとなってもセーフティー・オン、すなわち仕切板に設けられた油の供給調整孔が開いたままの状態が保持されるので作動油が循環し、ファン・カップリング装置はONの状態となってファンは回転し続け、オーバーヒートによるエンジンの損傷を防止できることとなる。
また、油の供給調整孔を複数設けてダブル弁構造とした場合には、電磁石に通電する電流の大きさを段階的に変化させて各弁を段階的に開閉させることができることにより、ファン回転を段階的に上昇させ、あるいは上昇速度を変えることができる。
なお、ケースの材質を非磁性体とするのは、磁束の漏洩を防止するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の外部制御式ファン・カップリング装置には、改善しなければならない点がある。
すなわち、第1点は弁部材を作動させる電磁石とアーマチャーが非磁性体のケースで分断されている構造となっているため磁界相殺効率が悪く、ファン・カップリング装置の小型、軽量化がはかられないこと、第2点はファン・カップリング装置OFF時にも電源を必要とするため、特に乗用車、小型トラック等のようなクラッチOFFの比率が高い自動車等においては省電力化がはかられないこと、第3点はアーマチャーが油溜り室内の回転軸から離間した位置にあると、ファンが回転中、アーマチャーが常に油の中に存在するため油が抵抗となりアーマチャーの動作すなわち弁部材開閉の作動性が悪くなること、の3点である。
【0007】
本発明は、上記した従来の外部制御式ファン・カップリング装置の問題点を改善するためになされたもので、ファン・カップリング装置の小型、軽量化、省電力化およびファン回転制御性の向上をはかった外部制御式ファン・カップリング装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る外部制御式ファン・カップリング装置は、先端に駆動ディスクを固着した回転軸体上に、軸受を介して支承された非磁性体のケースと該ケースに取着されたカバーとからなる密封器匣の内部を、仕切板により油溜り室と、前記駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの外周壁部に対向するカバーの内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達室側と油溜り室間に油循環流通路が形成され、該油循環流通路を開閉する弁部材を油溜り室内に備え、前記弁部材はアーマチャーと板バネとからなり、前記密封器匣の油溜り室側に永久磁石を使用した無励磁式電磁石を前記回転軸体に軸受を介して支持し、該電磁石により前記弁部材を作動させて油循環流通路を開閉制御する仕組みとなし、駆動側と被駆動側とのなすトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて駆動側から被駆動側への回転トルク伝達を制御するようにしてなるファン・カップリング装置において、前記ケースにトルク伝達室側より油溜り室に通ずる油回収用循環流通路と、油溜り室側よりトルク伝達室に通ずる2組の油供給用循環流通路を形成すると共に、各油供給用循環流通路毎に当該通路を開閉する前記弁部材を同軸的に油溜り室内に設けてダブル弁構造となし、かつ前記弁部材のアーマチャーを前記回転軸近傍に配置した構成となしたことを特徴とするものである。
また、前記無励磁式電磁石の磁束を効率よく各弁部材のアーマチャーに伝えるためのリング形状の磁性体を前記ケースに組込んだ構成となしたことを特徴とするものである。さらに、前記2組の油供給用循環流通路を径方向位置を変えて配置したり、または前記油供給用循環流通路の両サイドに油流入量を制限する一対の堰を油溜り室内周壁と仕切板の両方に密着するごとく設けたりするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るダブル弁構造の外部制御式ファン・カップリング装置の一実施例を示す縦断面図、図2は同上装置の油回収用循環流通路側を示す半截縦断面図、図3は同上装置の弁部材を示す正面図、図4は同上装置における油溜り室、油循環流通路および油流入量を制限する堰の配置を示す説明図で、(A)は油溜り室と、径方向位置を変えて配置した油循環流通路を示す説明図、(B)は油溜り室と、径方向位置を同一に配置した油循環流通路および油流入量を制限する堰の配置を示す説明図で、1は回転軸体(駆動軸)、2は密封器匣、2−1はケース、2−2はカバー、3は駆動ディスク、4は仕切板、5は油溜り室、6はトルク伝達室、7−1、7−2は油供給用循環流通路、8は油回収用循環流通路、9−1、9−2は弁部材、9−1a、9−2aは板バネ、9−1b、9−2bはアーマチャー、9−1c、9−2cはケースへの板バネ固定孔、10は永久磁石、11−1は磁気ループエレメント、12は電磁石、13は電磁石支持体、14、15は軸受、16は堰、17はダムである。
【0010】
すなわち、図1に示す外部制御式ファン・カップリング装置は、駆動部(エンジン)の駆動によって回転する回転軸体(駆動軸)1に、軸受14を介してケース2−1とカバー2−2とからなる密封器匣2が支承され、この密封器匣2内は仕切板4にて油溜り室5とトルク伝達室6とに区劃され、トルク伝達室6内には回転軸体1の先端に固着された駆動ディスク3が該トルク伝達室の内周面との間にトルク伝達間隙が形成されるように収納されている。そして、ケース2−1には、図2に示すごとくトルク伝達室側6より油溜り室5に通ずる油回収用循環流通路8と、図1に示すごとく2組の油供給用循環流通路7−1、7−2が設けられている。
なお、ダム17は回転時の油の集溜する駆動ディスク3の外周壁部と対向するカバー2−2の内周壁面の一部に設けられている。
【0011】
ケース2−1に設けられた2組の油供給用循環流通路7−1、7−2を開閉する弁部材9−1、9−2は、それぞれ板バネ9−1a、9−2aとアーマチャー9−1b、9−2bとからなり、ファン回転時に油溜り室5内の油の抵抗を受けにくくするために、各弁部材のアーマチャー9−1b、9−2bが回転軸体(駆動軸)1近傍に位置するように板バネ9−1a、9−2aをケース2−1に取付ける。板バネ9−1a、9−2aは図2に示すごとく、その端部に設けた固定孔9−1c、9−2cにねじ(図示せず)を貫通させてケース2−1に螺着する。
【0012】
密封器匣2の駆動部側には、回転軸体1に軸受15を介して支承された電磁石支持体13に電磁石12が支持され、かつケース2−1に組込まれたリング状の磁気ループエレメント11−1に前記電磁石12と対をなす永久磁石10が前記各弁部材のアーマチャー9−1b、9−2bと対向して取付けられている。前記電磁石12は図示のように該電磁石支持体13の一部が磁気ループエレメント11−1に凹凸嵌合され、また永久磁石10は磁気ループエレメント11−1の裏面側に形成した凹部11−aに収納されている。すなわち、電磁石12の磁束を効率よく各弁部材のアーマチャーに伝えるため、リング状の磁気ループエレメント11−1を用いて各弁部材の作動機構を構成した。
したがって、この作動機構の場合は、永久磁石10の作る磁界と逆向きの磁界が発生するように電磁石11に電流を流すと、永久磁石10の磁界を相殺させることにより、永久磁石10の吸引力が消滅し、各弁部材9−1、9−2のアーマチャー9−1b、9−2bが当該板バネ9−1a、9−2aの作用により磁気ループエレメント11−1より離間することにより油供給用循環流通路7−1及び7−2が共に開かれ、他方、電磁石11をOFFすると、永久磁石10の吸引力によりアーマチャー9−1b、9−2bが当該板バネ9−1a、9−2aに抗して磁気ループエレメント11−1側に吸引されることにより、当該板バネ9−1a、9−2aがケース2−1側に圧接して油供給用循環流通路7−1、7−2が共に閉じられる。
【0013】
上記構成のファン・カップリング装置において、永久磁石10のつくる磁界と逆向きの磁界が発生するように電磁石11に電流を流すと、前記したように永久磁石10の吸引力が消滅し、各弁部材9−1、9−2が当該板バネ9−1a、9−2aの作用により磁気ループエレメント11−1より離間することにより油供給用循環流通路7−1、7−2が開かれ、かつその開状態が保持されることにより、油溜り室5内の油が2組の油供給用循環流通路7−1、7−2よりトルク伝達室6に供給され、このトルク伝達室6に供給された油により駆動ディスク3の駆動トルクがケース2−1に伝達され、該ケースに取付けられた冷却ファン(図示せず)の回転速度が増す。逆に、電磁石11をOFFすると、永久磁石10の吸引力により油供給用循環流通路7−1、7−2が閉じられ、かつその閉状態が保持されることにより油溜り室5からトルク伝達室6への油の供給が停止するとともに、トルク伝達室6内の油が油回収用循環流通路8より油溜り室5へ回収されることによりトルク伝達率が低下し、ケース2−1の回転速度が減少して冷却ファンが減速する。
【0014】
また、上記のダブルバルブ構造のファン・カップリング装置において、2組の油供給用循環流通路7−1、7−2のトルク伝達室室開孔7−1a、7−2aの径方向位置を変えて配置した場合(図4A)と、トルク伝達室室開孔7−1a、7−2aの径方向位置を同一に配置するとともに、一方の油溜り室開孔7−1aに油流入量を制限する堰16を設けた場合(図4B)には、次のような制御を行うことができる。
1)3段回転数制御
1つの電磁石への制御信号で、3つの安定した回転パターンを制御することができる。すなわち、2つの弁を電圧OV、+12V、−12Vの3つのパターンのスイッチングにより開閉制御することにより、ファン回転をOn回転、Middl回転、Off回転の3つの安定した回転パターンを制御することができる。なお、12Vはバッテリー電圧と同じである。
2)任意回転速度制御
回転軸体(駆動軸)と電磁石(回転部)との相対回転速度差を磁気ピックアップ等により計測することで、その回転速度をフィードバックしながら、指定回転がOff回転ーMiddl回転間であれば、Middl回転用バルブ(油供給用循環流通路7−1、7−2)を開閉して制御し、Middl回転ーOn回転間であれば、On回転用バルブを開閉してOn回転数を制御する。
【0015】
さらに、同じくダブルバルブ構造のファン・カップリング装置における油供給用循環流通路7−1、7−2、トルク伝達室開孔7−1a、7−2aの径方向位置を変えて配置した場合には、Middl回転およびOn回転の回転パターンにおいて以下の特性が得られる。
すなわち、油供給用循環流通路7−1、7−2のトルク伝達室開孔7−1a、7−2aがトルク伝達面外径位置に開孔している場合には、油の供給圧が高く、トルクが発生しやすい外周部に油を直接供給できるため、トルクの立上がり速度が速い。逆に、トルク伝達室開孔7−2aがトルク伝達面内径位置に開孔している場合には、油の供給圧が低いため、立上がり速度が遅い。ただし、定常状態での最大トルクはこの位置には依存しない。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明に係る外部制御式ファン・カップリング装置は、非磁性体のケースに電磁石の磁束を効率よくアーマチャーに伝えるための磁性体を非磁性体のケースに設けたことにより、磁界相殺効率が良好となり、ファン・カップリング装置の小型、軽量化がはかられ、またケースに油溜り室側よりトルク伝達室に通ずる油供給用循環流通路と、トルク伝達室側より油溜り室に通ずる油回収用循環流通路を形成すると共に、各供給用循環流通路毎に弁部材を設けて電源OFF時に各循環流通路が閉じられる油供給手段を採用したことにより、ファン・カップリング装置OFF時には電源が不要となり、特に乗用車、小型トラック等のようなクラッチOFFの比率が高い自動車等においては省電力化がはかられ、さらに弁部材のアーマチャーを回転軸(駆動軸)近傍に配置した構成となしたことにより、油溜り室内における弁部材の作動性が良くなり、ファン回転制御性を向上できる。さらにまた、ダフル弁構造の場合、油溜り室開孔の径方向位置を変えたり、油流入量を制限するための堰を設けたりすることで、3段回転数制御や任意回転数制御を安定して行うことができる上、トルク伝達室開孔の径方向位置を変えることにより、トルクの立上がり速度を制御できるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る外部制御式ファン・カップリング装置の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】 同上装置の油回収用循環流通路を示す半截縦断面図である。
【図3】 同上装置の弁部材を示す正面図である。
【図4】 同上装置における油溜り室、油循環流通路および油流入量を制限する堰の配置を示す図で、(A)は油溜り室と、径方向位置を変えて配置した油循環流通路を示す説明図、(B)は油溜り室と、径方向位置を同一に配置した油循環流通路および油流入量を制限する堰の配置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回転軸体(駆動軸)
2 密封器匣
2−1 ケース
2−2 カバー
3 駆動ディスク
4 仕切板
5 油溜り室
6 トルク伝達室
7−1、7−2 油供給用循環流通路
7−1a、7−2a トルク伝達室開孔
8 油回収用循環流通路
9−1、9−2 弁部材
9−1a、9−2a 板バネ
9−1b、9−2b アーマチャー
9−1c、9−2c 板バネ固定孔
10 永久磁石
11−1 磁気ループエレメン
12 電磁石
13 電磁石支持体
14、15 軸受
16 堰
17 ダム

Claims (4)

  1. 先端に駆動ディスクを固着した回転軸体上に、軸受を介して支承された非磁性体のケースと該ケースに取着されたカバーとからなる密封器匣の内部を、仕切板により油溜り室と、前記駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの外周壁部に対向するカバーの内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達室と油溜り室間に油循環流通路が形成され、該油循環流通路を開閉する弁部材を油溜り室内に備え、前記弁部材はアーマチャーと板バネとからなり、前記密封器匣の油溜り室側に永久磁石を使用した無励磁式電磁石を前記回転軸体に軸受を介して支持し、該電磁石により前記弁部材を作動させて油循環流通路を開閉制御する仕組みとなし、駆動側と被駆動側とのなすトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて駆動側から被駆動側への回転トルク伝達を制御するようにしてなるファン・カップリング装置において、前記ケースにトルク伝達室側より油溜り室に通ずる油回収用循環流通路と、油溜り室側よりトルク伝達室に通ずる2組の油供給用循環流通路を形成すると共に、各油供給用循環流通路毎に当該通路を開閉する前記弁部材を同軸的に油溜り室内に設けてダブル弁構造となし、かつ前記弁部材のアーマチャーを前記回転軸近傍に配置した構成となしたことを特徴とする外部制御式ファン・カップリング装置。
  2. 前記無励磁式電磁石の磁束を効率よく各弁部材のアーマチャーに伝えるためのリング形状の磁性体を前記ケースに組込んだ構成となしたことを特徴とする請求項1記載の外部制御式ファン・カップリング装置。
  3. 前記2組の油供給用循環流通路を径方向位置を変えて配置することを特徴とする請求項1または2記載の外部制御式ファン・カップリング装置。
  4. 前記油供給用循環流通路の両サイドに油流入量を制限する一対の堰を油溜り室内周壁と仕切板の両方に密着するごとく設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の外部制御式ファン・カップリング装置。
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