JP4353395B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、開閉装置、特に、磁気ラッチ機構を備えた電力用開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における永久磁石による磁気ラッチ機構を備えた電力用開閉装置は、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来技術における永久磁石による磁気ラッチ機構を備えた電力用開閉装置の一例は、図8に示すように構成されている。
図において、1はヨーク、2はアマチュア、3は永久磁石、4は磁性体でできた鉄心リングである。
10は固定側接点および可動側接点からなる接点対、11は真空バルブ、12は真空密封用のベローズ、13は操作軸、20は可動コイル、21,22は固定コイルである。
【0003】
図8において、真空バルブ11は真空容器内に接点対10を有し、この接点対10の可動側接点と結合した操作軸13は、可動コイル20と結合する。
この可動コイル20は2つの固定コイル21,22間に、同心軸上かつ平行に配置される。
【0004】
可動コイル20および固定コイル21,22における一方のコイルにパルス電流を通電することによって発生する電磁反発力により、可動コイル20は反発され、その結果、可動コイル20と操作軸13を介して連結された接点対10を開閉することができる。
【0005】
更に、略口字状のヨーク1の内側に永久磁石3およびアマチュア2が配置される。
永久磁石3から発生する磁束により、アマチュア2は磁気吸引力を受けるため、次に述べるような双安定なラッチ動作を行う。
【0006】
接点対10の閉極状態においては、接点対10を開閉操作するための操作軸13に設けられたアマチュア2は図8に実線で示す上方位置に保持されている。
アマチュア2の上方位置では、永久磁石3による磁束は、ヨーク1の第1の磁路部分1aおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する。
この永久磁石3による磁束によってアマチュア2は上方位置に保持され、操作軸13を介して接点対10を閉極状態に保持する。
【0007】
接点対10の開極動作時には、可動コイル20および固定コイル21にパルス電流が通電される。
可動コイル20および固定コイル21間に発生する電磁反発力によって、可動コイル20は操作軸13を接点対10の開極方向に駆動する。
操作軸13の移動に伴ってアマチュア2は図8に実線で示す上方位置から図示下方へ移動する。
このアマチュア2の図示下方への移動によって、ヨーク1の第1の磁路部分1aおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力は減少していき、一方、ヨーク1の第2の磁路部分1bおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力は増加していく。
ヨーク1の第2の磁路部分1bおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力によって、アマチュア2は図8に1点鎖線で示す下方位置に保持され、操作軸13を接点対10の開極状態に保持する。
【0008】
接点対10の開極状態においては、接点対10を開閉操作するための操作軸13に設けられたアマチュア2は図8に1点鎖線で示す下方位置に保持されている。
アマチュア2の下方位置では、永久磁石3による磁束は、ヨーク1の第2の磁路部分1bおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する。
この永久磁石3による磁束によってアマチュア2は下方位置に保持され、操作軸13を介して接点対10を開極状態に保持する。
【0009】
接点対10の閉極動作時には、可動コイル20および固定コイル22にパルス電流が通電される。
可動コイル20および固定コイル22間に発生する電磁反発力によって、可動コイル20は操作軸13を接点対10の閉極方向に駆動する。
操作軸13の移動に伴ってアマチュア2は図8に1点鎖線で示す下方位置から図示上方へ移動する。
このアマチュア2の図示上方への移動によって、ヨーク1の第2の磁路部分1bおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力は減少していき、一方、ヨーク1の第1の磁路部分1aおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力は増加していく。
ヨーク1の第1の磁路部分1aおよびアマチュア2により構成される閉磁気回路を環流する永久磁石3の磁束による磁気吸引力によって、アマチュア2は図8に実線で示す上方位置に保持され、操作軸13を接点対10の閉極状態に保持する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−268683号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術による構成において、磁気ラッチ機構における永久磁石による磁気保持力を調整しようとするときは、ヨークと永久磁石とアマチュアの厚みを変えていたが、これは磁気ラッチ機構全体の改作を意味するものであって、実際には時間がかかるし、個体ごとの高精度な微調整も難しい。
また、接点対との間に配置されるリンクのリンク比によって荷重を調整する手段もあるが、接点対の開離距離までもが変化してしまう問題点がある。
【0012】
この発明は、磁気ラッチ機構における磁気保持力を簡潔な構成で適切かつ的確に調整できる開閉装置を得ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る開閉装置では、駆動機構により開閉操作される接点と、前記駆動機構による前記接点の開閉操作に応じて第1の位置と第2の位置との間を移動する磁性体からなる可動子と、前記可動子の第1の位置において前記可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る磁束により前記可動子を前記接点の閉極位置に保持する第1の磁路と、前記可動子の第2の位置において前記可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る磁束により前記可動子を前記接点の閉極位置に保持する第2の磁路とを備え、前記可動子の移動経路を囲んで前記可動子の移動経路に沿って移動可能に配設され、前記第1の磁路および第2の磁路に係る少なくとも一方の磁路における前記可動子への磁束を側路させて前記可動子の移動経路に沿う移動により前記可動子の保持力を調整できる磁性環状体を設けたものであって、前記磁性環状体と前記第1の磁路または第2の磁路とを弾性力により押圧接触させる弾性部材を設けたものである。
【0014】
図において、1はヨーク、2はアマチュア、3は永久磁石、4は磁性体でできた鉄心リングである。
10は固定側接点および可動側接点からなる接点対、11は真空バルブ、12は真空密封用のベローズ、13は操作軸、20は可動コイル、21,22は固定コイルである。
【0015】
図1において、真空バルブ11は真空容器内に接点対10を有し、この接点対10の可動側接点と結合した可動軸13は、可動コイル20と結合する。
この可動コイル20は2つの固定コイル21,22間に、同心軸上かつ平行に配置される。
【0016】
可動コイル20および固定コイル21,22における一方のコイルにパルス電流を通電することによって発生する電磁反発力により、可動コイル20は反発され、その結果、可動コイル20と連結された接点対10を開閉することができる。
【0017】
更に、略口字状のヨーク1の内側に永久磁石3およびアマチュア2が配置される。
永久磁石3から発生する磁束により、アマチュア2は磁気吸引力を受けるため、図8に示す従来技術の構成について先に説明したのと同様の、双安定なラッチ動作を行う。
【0018】
鉄心リング4は、例えば、鉄材のような磁性体で構成され、略口字状のヨーク1を囲うように、ヨーク1の外周に嵌合して配置される。
この鉄心リング4は、略口字状のヨーク1の内部を操作軸13の移動に伴って移動するアマチュア2の移動経路に沿って移動可能に配設されている。
【0019】
図2に示すように、永久磁石3から発生される磁束はアマチュア2を側路して鉄心リング4にも流通し、鉄心リング4内を側路磁束φBとして貫通するため、その分だけアマチュア2の磁気吸引力は低下する。
したがって、鉄心リング4の位置をアマチュア2の移動経路に沿って移動することによって永久磁石式ラッチのラッチ力を調整することができる。
【0020】
鉄心リング4はヨーク1の外周に嵌合し可動子2の移動経路を囲んで可動子2の移動経路に沿って移動可能に配設された四辺形の額縁形状をなす環状に構成されているので、その対向する辺に生ずる永久磁石3から発生される磁束による磁気吸引力は、互いに相殺され、鉄心リング4は図示前後左右に磁気駆動力を受けることがなく、可動子2の移動方向すなわち上下方向に力を加えることにより、可動子2の移動経路に沿ってその位置を容易に移動することができる。
【0021】
このように、永久磁石式ラッチのラッチ力が容易に変更できるため、短期間で、種々の電流定格の真空バルブに適用させることができるし、高精度な微調整も可能である。
また、ラッチ力を変更することにより、駆動特性(接点対の移動速度など)もまた調整できるメリットがある。
【0022】
この実施の形態1において、可動コイル20を導電率の高い円板(例えば銅板)に置き換えても、同じ効果が得られることは明らかである。
【0023】
また、鉄心リング4がヨーク2の外側をスムーズに移動できるように、ガイドを設けても良い。
【0024】
この実施の形態1では、接点対と、可動軸を介して前記接点対を開閉駆動させるための電磁力を利用した駆動機構と、略口字状ないしは額縁状のヨークと、前記ヨークの内側に配置された永久磁石と、前記ヨークと共に磁路を形成し、かつ、前記可動軸と連結し、平行移動可能な状態で保持されたアマチュアより構成され、磁気吸引力により双安定な特性を有する永久磁石式ラッチから構成される電力用開閉装置において、前記磁石式ラッチの周囲を、鉄心リングにてスライド可能な状態で配置し、鉄心リングを移動させることにより、ラッチ力を容易に調整できることを特長とした電力用開閉装置を構成するものである。
このような鉄心リングを用いることにより、上記磁石式ラッチのラッチ力を容易に調整することができるので、種々の遮断器に適用可能な操作装置を容易に実現できる。
【0025】
この発明による実施の形態1によれば、駆動機構により操作軸13を介して開閉操作される接点対10からなる接点と、前記駆動機構により駆動される操作軸13による前記接点対10からなる接点の開閉操作に応じて図示上方位置における第1の位置と図示下方位置における第2の位置との間を移動する磁性体で構成されたアマチュア2からなる可動子と、前記アマチュア2からなる可動子を前記第1の位置または第2の位置において保持するための永久磁石3と、前記アマチュア2からなる可動子の第1の位置において前記アマチュア2からなる可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る前記永久磁石3による磁束により前記アマチュア2からなる可動子を前記接点対10からなる接点の閉極位置に保持するヨーク1における磁気回路部分1aからなる第1の磁路、ならびに、前記アマチュア2からなる可動子の第2の位置において前記アマチュア2からなる可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る前記永久磁石3による磁束により前記アマチュア2からなる可動子を前記接点対10からなる接点の閉極位置に保持するヨーク1における磁気回路部分1bからなる第2の磁路を有する口字状ないしは額縁状のヨーク1とを備え、前記口字状ないしは額縁状のヨーク1の外周に嵌合して、前記アマチュア2からなる可動子の移動経路を囲んで前記アマチュア2からなる可動子の移動経路に沿って移動可能に配設され、前記ヨーク1における磁気回路部分1aからなる第1の磁路およびヨーク1における磁気回路部分1bからなる第2の磁路に係る少なくとも一方の磁路における前記アマチュア2からなる可動子への磁束を側路させる鉄心リング4からなる磁性環状体を設けたので、永久磁石を用いた磁気ラッチ機構における磁気保持力を簡潔な構成で適切かつ的確に調整できる開閉装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図3ないし図6について説明する。図3は実施の形態2における全体構成を示す側面図である。図4ないし図6は実施の形態2における磁気ラッチ機構部分の構成を示す斜視図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0027】
図において、1はヨーク、2はアマチュア、3は永久磁石、4は磁性体でできた鉄心リング、5は手動操作機構である。
10は固定接点および可動接点からなる接点対、11は真空バルブ、12は真空密封用のベローズ、13は操作軸、20は可動コイル、21,22は固定コイルである。
【0028】
図3に示すように、操作軸13には手動操作機構5が連結されている。停電時や、断線時などのトラブルが発生したとき、電磁反発機構にて動作できない可能性がある。安全性を考慮すると、手動操作機構5のみでも動作(特に開動作)できることが望ましい。
【0029】
手動操作機構5は、バネとリンクにて構成され、レバー51を操作することにより、レバー52が操作軸13を下方に(開極方向に)移動できるよう構成される。
【0030】
閉極した接点対10を開極させるには、永久磁石式ラッチのラッチ力以上の荷重がレバー52に要求される。
手動(押しボタンやトグルスイッチなど)の小さな力で、レバー52に大きな力を伝達するには、堅いばねや、大きなリンク比が必要になり、手動操作機構5が大型化する問題点があった。
【0031】
そこで、第2のレバー53を設け、この第2のレバー53が動作して、鉄心リング4との係合を解除すると、図4に示す状態から磁気吸引力により鉄心リング4は上方に引き寄せられ、図5に示す状態となる。
このとき、永久磁石3の発生する磁束は、鉄心リング4にも貫通するので、永久磁石式ラッチのラッチ力は大幅に低下する。
【0032】
従って、レバー52に要求される荷重は小さくなるため、アマチュア2および、これに結合される接点対10を、小さな操作力にて開極することができる。
【0033】
また、2aはアマチュア2に接続した爪である。レバー52によってアマチュア2が下方に移動するのに伴い、爪2aと係合した鉄心リング4は図5に示す状態から下方に引き下げられ、図6に示す状態となる。
図6に示す状態では、鉄心リング4は永久磁石3から発生する磁束をアマチュア2に対して側路する位置になく、従って、永久磁石3から発生する磁束は、元の磁路を貫通するため、アマチュア2には十分なラッチ力が働く。
【0034】
また、第2のレバー53を操作して、鉄心リング4を直接駆動しても、同様の効果が得られる。
【0035】
この実施の形態2では、実施の形態1に示す構成において、前記操作軸13を、手動にて駆動するための操作機構を備え、前記鉄心リング4は、通常、前記磁石式ラッチの磁束を変化させない位置に配置されるが、前記手動操作機構を動作させるときは、鉄心リング4を移動させることで磁石式ラッチ内部の磁束をショートさせて磁石式ラッチの保持力を大幅に低減させ、その結果、前記手動操作機構の操作力を小さくできることを特長とした電力用開閉装置が構成されている。
このような鉄心リングを用いて、上記磁石式ラッチの保持力を容易に解除することができるので、無電圧時の操作が低操作力で実現できる。従って、高い安全性を有する電力用開閉装置を提供することができる。
【0036】
また、この実施の形態2では、前項に示す構成において、前記アマチュア2に、前記鉄心リング4を開方向に移動させるための爪2aを設けることにより、開動作と同時に、前記鉄心リング4が元の位置に移動することを特長とした電力用開閉装置が構成されている。
爪2aを設けることにより、手動操作による開動作と共に、鉄心リング4が、元の位置に移動できる。
このとき、鉄心リング4に作用する磁気吸引力とは、垂直な方向に駆動するため、手動操作機構に要求される力は小さくて済む利点がある。
【0037】
この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における構成において、前記接点対10からなる接点を操作軸13を介して開閉操作する手動操作機構を備え、前記手動操作機構による手動操作に応じて前記口字状ないしは額縁状のヨーク1の外周に嵌合して、前記アマチュア2からなる可動子の移動経路に沿って移動する前記鉄心リング4からなる移動磁性環状体を移動させることにより、前記接点対10の閉極位置である図示上方位置における第1の位置または前記接点対10の開極位置である図示下方位置における第2の位置に保持されている前記アマチュア2からなる可動子の保持力を低減するとともに、前記アマチュア2からなる可動子に爪2aからなる駆動用係合部を設け、前記手動操作機構による接点の手動操作に伴って移動される前記アマチュア2からなる可動子の移動により前記アマチュア2からなる可動子の爪2aからなる駆動用係合部を前記鉄心リング4からなる移動磁性環状体に係合して、前記鉄心リング4からなる磁性環状体を前記第1の位置または第2の位置としての元の位置に復帰させるようにしたので、永久磁石を用いた磁気ラッチ機構における磁気保持力を適切な構成で手動操作の必要に応じて的確に調整でき、手動操作を比較的小さな操作力で確実に行うことができるとともに、手動操作の遂行に応じて前記鉄心リング4からなる磁性環状体を原位置へ復帰させ、磁気ラッチ機構のラッチ動作に支障を与えることを回避できる開閉装置を得ることができる。
【0038】
実施の形態3.
この発明による実施の形態を図7について説明する。図7は実施の形態3における磁気ラッチ機構部分の構成を示す上面図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1および実施の形態2における構成と同様の構成を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0039】
図7は、磁気ラッチ機構部分を操作軸13方向からみた上面図である。
図において、1はヨーク、2はアマチュア、4は鉄心リング、13は操作軸である。
鉄心リング4は、2つの磁性鉄板4bと磁性材料で構成された引張りバネからなる2つの弾性体4aとによって構成される。
弾性体4aには引張力が作用しているため鉄板4bとヨークとは押圧され、両者間の空気ギャップを常に小さく保つことができる。
【0040】
ここで、ヨーク1およびアマチュア2は図1以下に示す実施の形態1における構成と同様の構成を具備している。
1対の鉄板4bは、図1に正面が示されているヨーク1の正面および背面にそれぞれ押圧接触する。
鉄心リング4を構成する、これらの鉄板4bは、鉄心リング4の移動位置に応じてヨーク1における第1の磁気回路部分1a(図1)またはヨーク1における第2の磁気回路部分1b(図1)に、その一つがヨーク1の正面側から押圧接触し、また、他の一つがヨーク1の背面側から押圧接触するものである。
【0041】
この実施の形態3では、実施の形態1または実施の形態2に示す構成において、前記鉄心リング4の一部を弾性部材4aにより構成されることを特徴とした電力用開閉装置が示されている。
ヨーク1と鉄心リング4間の磁気抵抗を低減させるためには、空気ギャップができるだけ小さくすることが望ましい。
ヨーク1と鉄心リング4間を弾性力にて押圧接触させれば、空気ギャップを最小限にして永久磁石3による磁気保持力を確保できるし、鉄心リング4の偏芯時の摩擦が小さくなり、前記鉄心リング4の移動も円滑に行える。
【0042】
この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1また実施の形態2における構成において、前記鉄心リング4からなる磁性環状体と前記ヨーク1における磁気回路部分1a(図1)からなる第1の磁路または前記ヨーク1における磁気回路部分1b(図1)からなる第2の磁路とを弾性力により押圧接触させる弾性体4aからなる弾性部材を設けたので、永久磁石を用いた磁気ラッチ機構における磁気保持力を適切な構成で的確に調整できるとともに、磁気ラッチ機構における磁気保持力を確保し、前記鉄心リング4からなる磁性環状体の移動も円滑に行える開閉装置を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気ラッチ機構における磁気保持力を磁性環状体の移動により簡潔な構成で適切かつ的確に調整できる開閉装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による実施の形態1における全体構成を示す側面図である。
【図2】 この発明による実施の形態1における磁気ラッチ機構部分の構成を示す斜視図である。
【図3】 この発明による実施の形態2における全体構成を示す側面図である。
【図4】 この発明による実施の形態2における磁気ラッチ機構部分の構成を示す斜視図である。
【図5】 この発明による実施の形態2における磁気ラッチ機構部分の構成を示す斜視図である。
【図6】 この発明による実施の形態2における磁気ラッチ機構部分の構成を示す斜視図である。
【図7】 この発明による実施の形態3における磁気ラッチ機構部分の構成を示す上面図である。
【図8】 従来技術における全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ヨーク、10 固定接点および可動接点からなる接点対、11 真空バルブ、12 真空密封用のベローズ、13 操作軸、2 アマチュア、20 可動コイル、21,22 固定コイル、3 永久磁石、4 鉄心リング、4a 弾性体、4b 鉄板、5 手動操作機構、51,52,53 レバー。
Claims (3)
- 駆動機構により開閉操作される接点と、前記駆動機構による前記接点の開閉操作に応じて第1の位置と第2の位置との間を移動する磁性体からなる可動子と、磁束を発生する磁束発生手段と、前記可動子の第1の位置において前記可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る前記磁束発生手段による磁束により前記可動子を前記接点の閉極位置に保持する第1の磁路と、前記可動子の第2の位置において前記可動子とともに磁束通路を形成し、この磁束通路を通る前記磁束発生手段による磁束により前記可動子を前記接点の開極位置に保持する第2の磁路とを備え、前記可動子の移動経路を囲んで前記可動子の移動経路に沿って移動可能に配設され、前記第1の磁路および第2の磁路に係る少なくとも一方の磁路における前記可動子への磁束を側路させて前記可動子の移動経路に沿う移動により前記可動子の保持力を調整できる磁性環状体を設けたものであって、前記磁性環状体と前記第1の磁路または第2の磁路とを弾性力により押圧接触させる弾性部材を設けたことを特徴とする開閉装置。
- 前記接点を開閉操作する手動操作機構を備え、前記環状磁性体を前記可動子への磁束が側路される保持力低減位置と前記保持力低減位置よりも前記可動子の側路磁束が少ない保持力確保位置とに移動可能に配設するとともに、前記手動操作機構と連結され前記環状磁性体を前記保持力確保位置において前記磁束通路を通る磁束による吸引力に抗して係止し前記手動操作機構の作動により前記環状磁性体を開放して前記保持力低減位置へ移動させるレバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
- 前記手動操作機構による接点の手動操作に伴って移動される前記可動子の移動により前記磁性環状体に係合して、前記磁性環状体を前記保持力確保位置に復帰させる駆動用係合部を前記可動子に設けたことを特徴とする請求項2に記載の開閉装置。
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