JP4352639B2 - Coating device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行する可撓性帯状支持体に、有機物ないしは無機物、もしくはこれらの複合物からなるゲル状・液状の塗布液を、均一に、しかも薄く塗布する塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、長尺なフィルムやシート等の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を薄く塗布して薄層を形成する塗布装置として、例えば特公平6−77712号公報(以下、第1の従来技術という)に示されるものがある。
【0003】
第1の従来技術に示される塗布装置は、図4に示すように塗布ヘッドを有し、この塗布ヘッドが第1スロット1を形成するバックエッジ2及び第1ドクターエッジ3と、この第1ドクターエッジ3と共に第2スロット4を形成する第2ドクターエッジ5とを備えた構成とされている。
【0004】
塗布ヘッドの内部には、第1スロット1,第2スロット4に連通する断面略円形状をなすポケット6a,6bが形成されている。そして、図示しない給液手段から配管7a,7bを介して矢印方向B1,B2に塗布液がそれぞれ送液され、ポケット6a,6bに液溜めされ、該ポケット6a,6bから第1スロット1,第2スロット4の各流出口に押し出され、矢印方向C1,C2に吐出されるように構成されている。
【0005】
可撓性帯状支持体8は、図示されぬ可撓性帯状支持体8の送り手段によって、バックエッジ2側から該バックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドクターエッジ5に向う矢印方向Aに走行するようになっている。
【0006】
この可撓性帯状支持体8の走行時、図5に示すように、ポケット6a内の第1の塗布液91が第1スロット1から吐出され、可撓性帯状支持体8の片面に塗布される。その後、可撓性帯状支持体8の走行方向の下流側に位置し、かつポケット6b内から第2スロット4の流出口に押し出された第2の塗布液92が、第1の塗布液91の上に重ね塗りされる。このように、可撓性帯状支持体8の走行時、各塗布液91,92が前後して吐出され、可撓性帯状支持体8に二層の塗布液91,92が塗布される。
【0007】
塗付液中には、無機物質からなる硬質分散粒子や、樹脂や溶媒等の各種添加物が含まれており、摩耗や腐食が著しいため、バックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドクターエッジ5といったエッジは、高い剛性、耐摩耗性、及び耐食性を有する超硬合金から形成され、先端の形状精度や面精度を維持して、形成される薄層に対して均一な膜厚が得られる構成とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、可撓性帯状支持体の走行方向に沿って最後に配置されるエッジ(以後、明細書中、最終エッジということもある)からの塗付液の離れ方が不安定で(例えば図5中Rで示された第2ドクターエッジ5の後ろ側での塗付液の流れを参照)、単位時間当たりの塗布量にむらが生じると、可撓性帯状支持体に形成される薄層は、走行方向に不均一な膜厚を有することになる。とりわけ膜厚を薄くして高速に塗布する条件では、塗付液の流れを制御することが難しいといった欠点を有していた。
また、上述のように塗布ヘッドの先端部分に超硬合金からなるエッジを設ける構成とした場合でも、被膜構造の多層化の要求に伴って、上述の如き複数のスリットを有する塗布ヘッドが使用されるようになってきたこと、塗布される膜の薄層化、高速塗布化、さらには、塗布面積の増大化によって、剛性、耐摩耗性、耐腐食性ともまだ十分ではないのが現状である。このため、エッジの先端の形状が変化し、長期間に亙って膜厚精度の高い塗布を行うことができないといった問題もあった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、均一な薄い塗布膜を高速で、しかも、長期間に亙って塗布することのできる塗布装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、塗布ヘッドの先端に設けられたエッジ、とりわけ、塗布ヘッドが複数の塗付液を積層しながら塗布する複数のエッジを備える場合には、可撓性帯状支持体の走行方向に沿って最後に配置されるエッジである最終エッジの先端、より具体的には、例えばバックエッジ、ドクターエッジの二つのエッジが可撓性帯状支持体の走行方向に沿って順番に配置されている塗布ヘッドにおいては、ドクターエッジの先端、また、例えばバックエッジ、第1ドクターエッジ、第2ドクターエッジの三つのエッジが可撓性帯状支持体の走行方向に沿って順番に配置されている塗布ヘッドにおいては、第2ドクターエッジの先端の可撓性帯状支持体を臨む側に先端面を形成する一方、走行方向に沿った下流側に背面を形成し、これら先端面と背面との交差領域の角部に0.01mm以下の面取りあるいは丸みを形成して、この角部で塗布された塗付液を均一に均すこと、さらに、走行方向に沿って下流側に塗布ヘッドから離間されて配置されるスムーザーの先端側に設けられるスムーザーエッジの可撓性帯状支持体を臨む側にスムーザー先端面を形成する一方、走行方向に沿った下流側にスムーザー背面を形成し、これらスムーザー先端面とスムーザー背面との交差領域の角部に0.01mm以下の面取りあるいは丸みを形成して、この角部で塗布された塗付液を均一に均すことにより、均一な厚さで塗付液を塗布することができ、さらに、塗布ヘッドのエッジのうち、少なくとも最終エッジの先端や、スムーザーエッジの先端が炭化タングステンを主成分とする超硬合金製とされ、炭化タングステンの粒子間に所定の成分を有する結合相金属が均一に配合されて硬度と靭性が高められていること、また、炭化タングステンの粒子間の結合力を高める高温熱処理の下で炭化タングステンの粒成長を抑制する粒成長抑制剤が添加されていること、炭化タングステンの平均粒径が十分小さいことにより、最終エッジやスムーザーエッジの耐摩耗性及び耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減し、長期間に亙り膜厚を一定に保って塗付液を塗布することができるという知見を得て本発明に至った。
【0012】
即ち、本発明は、一の方向に走行する可撓性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置された少なくとも二つのエッジを有し、互いに隣り合うエッジの間には、前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通するスロットが各々形成されるとともに、前記塗布ヘッドの先端で開口された流出口から前記塗布液がそれぞれ流出して前記可撓性帯状支持体に塗布されるよう構成され、前記可撓性帯状支持体の走行方向に沿って前記塗布ヘッドの下流側に前記塗布ヘッドから離間されて配置されるとともに、先端側を前記可撓性帯状支持体に当接させて前記可撓性帯状支持体に塗布された前記塗付液を均すスムーザーを有してなる塗布装置であって、前記塗布ヘッドの前記走行方向に沿って最後に配置される最終エッジの前記可撓性帯状支持体を臨む側に先端面が形成されるとともに、前記最終エッジの前記走行方向に沿った下流側に背面が形成され、前記スムーザーの先端側にはスムーザーエッジが設けられ、該スムーザーエッジの前記可撓性帯状支持体を臨む側に、前記走行方向に沿って略平坦とされ、前記可撓性帯状支持体に押し当てられるスムーザー先端面が形成されるとともに、前記スムーザーエッジの前記走行方向に沿った下流側にスムーザー背面が形成され、前記最終エッジの前記先端面と前記背面の交差領域の角部、及び、前記スムーザー先端面と前記スムーザー背面の交差領域の角部には、0.003mm以上0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、最終エッジの可撓性帯状支持体に押し当てられる先端面が、0.003mm以上0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成された角部で背面によって鋭利に終端させられるように構成されている。さらに、可撓性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドの下流側に、可撓性帯状支持体に塗布された塗付液を均すスムーザーが配置され、このスムーザーの先端側に設けられるスムーザーエッジの可撓性帯状支持体に押し当てられるスムーザー先端面が、0.003mm以上0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成された角部でスムーザー背面によって鋭利に終端させられるように構成されている。このため、塗付液が背面の側に回り込まず、鋭利に形成された角部で塗付液が均一に均されることによって可撓性帯状支持体上に均一な膜厚で塗付液を塗布することができる。すなわち、可撓性帯状支持体上に、例えば5μm以下の薄層を形成する場合には、膜厚の偏差を10%以下に抑えることができる。
【0016】
また、本発明の塗布装置では、前記塗布ヘッドの前記エッジのうち、少なくとも前記最終エッジの先端と、前記スムーザーエッジの先端とは、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、最終エッジやスムーザーエッジを形成する超硬合金の硬質相が炭化タングステンからなるため、少なくとも最終エッジの靭性及び強度の向上を図ることができる。ここで、炭化タングステンは立方晶構造化合物であることから、その平均粒径を1μm以下として超硬合金の強度の低下を抑えることが好ましく、さらに、炭化タングステンの粒径をできるだけ均一なものとし、かつ、結合相中に均一に分散することがエッジの強度及び靭性を向上する上で望ましい。
また、エッジを形成する超硬合金の結合相を形成するコバルトは、4重量%を下回るとエッジの靭性が失われ、20重量%を上回るとエッジの耐摩耗性劣化が著しくなるため、4〜20重量%とされていることが好ましい。
また、エッジの耐食性を高めるため、さらには、炭化タングステンの粒子間の結合力を高める高温熱処理の下で炭化タングステンの粒成長を抑制するため、エッジを形成する超硬合金がクロムとバナジウムの少なくとも一方もしくは双方を含んでいることが好ましい。ここで、クロムは、0.3重量%を下回ると耐食性が得られず、3.0重量%を上回ると炭化クロムの有害な層が析出するため、0.3〜3.0重量%とされていることが好ましく、また、バナジウムは、0.1重量%を下回ると耐食性が得られず、3.0重量%を上回ると炭化バナジウムの有害な層が析出するため、0.1〜3.0重量%とされていることが好ましい。
こうして、少なくとも最終エッジの耐摩耗性及び耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減し、長期間に亙り均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0018】
また、本発明の塗布装置では、超硬合金は、硬さがロックウェル硬度のAスケールで90.0(HRA)以上とされていることが好ましい。さらに、超硬合金は、HIP処理が施されて生成されることが好ましい。
これにより、さらに長期間に亙り先端部分の形状変化を低減し、均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による塗布装置を図面に基づき説明する。本発明の塗布装置は、一方向に走行するフィルムやシート等の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を均一に塗布して薄層を形成する塗布装置に関するもので、その他の構成要素や用法に関して特に制限を設けない。
【0020】
図1ないし図3に、本発明に係る塗布装置の一実施形態を示す。図において、塗布装置は、塗布ヘッド10を有し、この塗布ヘッド10が第1スロット11を形成するバックエッジ13及び第1ドクターエッジ14と、第1ドクターエッジ14と共に第2スロット12を形成する第2ドクターエッジ15(最終エッジ)とを備えて構成されている。そして、図3に示すように、可撓性帯状支持体19の走行方向に沿って塗布ヘッド11の下流側に塗布ヘッド11から離間されてスムーザー30が配置されている。さらに、塗布装置は、可撓性帯状支持体19を矢印方向Aに送る図示されぬ送り手段を有している。
【0021】
塗布ヘッド10を構成するバックエッジ13,第1,第2ドクターエッジ14,15は、可撓性帯状支持体19の走行方向Aに沿い順次配置され、しかも先端部には超硬合金からなるバックエッジ先端16、第1ドクターエッジ先端17、第2ドクターエッジ先端18(最終エッジ)がそれぞれ装着されている。この第2ドクターエッジ先端18の可撓性帯状支持体19を臨む側には、走行方向Aに沿って下流側の部分が略平坦とされた先端面18aが形成されるとともに、第2ドクターエッジ先端18の走行方向Aに沿った下流側に平坦な背面18bが形成されている。
また、スムーザー30の先端部には超硬合金からなるスムーザーエッジ31が装着されている。このスムーザーエッジ31の可撓性帯状支持体19を臨む側には、走行方向Aに沿って下流側の部分が略平坦とされたスムーザー先端面31aが形成されるとともに、スムーザーエッジ31の走行方向Aに沿った下流側に平坦なスムーザー背面31bが形成されている。
そして、第2ドクターエッジ先端18の先端面18aと背面18bの交差領域の角部18c、及び、スムーザー先端面31aとスムーザー背面31bの交差領域の角部31cには、JIS B 0701に規定される面取りあるいは丸みが0.003mm以上〜0.01mm以下で形成されている。
【0022】
ここで、バックエッジ先端16,第1,第2ドクターエッジ先端17,18、及びスムーザーエッジ31を形成する超硬合金は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とから構成されている。なお、この超硬合金は、高温高圧中で焼結を行うHIP(hot isostatic pressing)処理が施されることによって生成され、硬さがロックウェル硬度のAスケールで90.0(HRA)以上〜93.0(HRA)以下とされている。
【0023】
また、バックエッジ先端16の走行方向Aに沿った下流側先端の刃先16cは、JIS B 0021に規定される線の真直度公差で0.5μm以上〜3μm以下となるよう加工形成されている。すなわち、先端面16a、もしくは、スロット側面16bに沿った方向の平面に刃先16cをそれぞれ投影したときの二つの平行な直線の間に挟まれた領域を公差域とし、先端面16a、スロット側面16bいずれの方向の平面に刃先16cを投影してもその公差域の幅が0.5μm以上〜3μm以下となるよう形成されている。
【0024】
塗布装置は、可撓性帯状支持体19の走行時、図示しない給液手段によって塗布液20A,20Bが供給され、該塗布液20A,20Bがポケット21,22及び第1スロット11,第2スロット12を流通することにより、可撓性帯状支持体19の片面に塗布液20A,20Bが重ねて塗布されるように構成されている。
この場合の塗布液としては、本例では、積層セラミックスコンデンサのグリーンシートに用いられる母材シートを形成するためのものであり、例えば、誘電体セラミックス粉の含有液、及びその組成を若干変えた誘電体含有液等の二種類からなっている。
【0025】
このような構成の塗布装置においては、可撓性帯状支持体19が走行すると、給液手段によって塗布液20A,20Bがそれぞれ供給され、該塗布液20A,20Bがポケット21,22及び第1スロット11,第2スロット12を流通してそれぞれの流出口から図中矢印C1,C2の方向に吐出され、可撓性帯状支持体19の片面に塗布される。この場合、可撓性帯状支持体19の片面上に塗布液20A,塗布液20Bが順次重なった状態で塗布される。
【0026】
このとき、第2ドクターエッジ先端18の先端面18aが、0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成された角部18cで鋭利に終端させられる構成とされているため、塗付液20A,20Bが背面18bの側に回り込まず、角部18cで塗付液20A,20Bが均一に均されることによって可撓性帯状支持体19上に均一な膜厚で塗付液を塗布することができる。
さらに、可撓性帯状支持体19に塗布された塗付液20A,20Bは、塗布ヘッド10の下流側に配置されたスムーザー30によってより均一に均される。すなわち、スムーザー30の先端に設けられたスムーザーエッジ31のスムーザー先端面31aが、0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成された角部31cで鋭利に終端させられる構成とされているため、塗付液20A,20Bがスムーザー背面31bの側に回り込まず、角部31cで塗付液20A,20Bが均一に均されることによって可撓性帯状支持体19上に均一な膜厚で塗付液20A,20Bを塗布することができる。
このようにして、可撓性帯状支持体19上に、例えば5μm以下の薄層を形成する場合には、膜厚の偏差を10%以下に抑えることができる。
【0027】
ここで、バックエッジ先端16,第1,第2ドクターエッジ先端17,18、及びスムーザーエッジ31が、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されているので、エッジの変形が抑えられて可撓性帯状支持体19の上に塗布液20A,塗布液20Bを均一に塗布することができる。そして、バックエッジ先端16,第1,第2ドクターエッジ先端17,18、及びスムーザーエッジ31の耐摩耗性及び耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減し、長期間に亙り均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0028】
このように、本実施形態によれば、可撓性帯状支持体19に二つの塗布液20A,20Bを均一にかつ安定した状態で塗布することができ、むらのない均一な二層の薄膜層を確実に得ることができる。
【0029】
なお、本実施形態において、塗布装置は、スムーザーを有する構成とされ、塗布ヘッドの最終エッジとスムーザーエッジの双方の可撓性帯状支持体の走行方向下流側に鋭利な角部が設けられる構成とされたが、いずれか一方に設けられていてもかまわない。
また、本実施形態において、塗布装置は、三つのエッジを有する3ブロック型の塗布装置とされたが、バックエッジとドクターエッジの二つのエッジからなる2ブロック型の塗布装置において、ドクターエッジを上記第2ドクターエッジと同様の構成としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、最終エッジやスムーザーエッジの走行方向に沿って下流側の角部に、0.003mm以上0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成されているので、可撓性帯状支持体上に均一な膜厚で塗付液を塗布することができる。
【0031】
また、請求項2に記載の発明によれば、最終エッジやスムーザーエッジの耐摩耗性及び耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減し、長期間に亙り均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0032】
また、請求項3に記載の発明によれば、さらに長期間に亙り先端部分の形状変化を低減し、均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0033】
また、請求項4に記載の発明によれば、さらに長期間に亙り先端部分の形状変化を低減し、均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による塗布装置の一実施形態を示す図であって、塗布装置を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【図2】 本発明による塗布装置の塗布ヘッドの部分を拡大して示す図であって、塗布ヘッドと可撓性帯状支持体との関係を示す説明図である。
【図3】 本発明による塗布装置の塗布ヘッドとスムーザーの位置関係を示す図である。
【図4】 従来の塗布装置を示す概略図である。
【図5】 従来の塗布装置における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
11…第1スロット
12…第2スロット
13…バックエッジ
14…第1ドクターエッジ
15…第2ドクターエッジ(最終エッジ)
16…バックエッジ先端
17…第1ドクターエッジ先端
18…第2ドクターエッジ先端(最終エッジ)
18a…先端面
18b…背面
18c…角部
19…可撓性帯状支持体
20A,20B…塗布液
30…スムーザー
31…スムーザーエッジ
31a…スムーザー先端面
31b…スムーザー背面
31c…角部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating apparatus that uniformly and thinly coats a traveling flexible belt-like support with a gel or liquid coating solution made of an organic or inorganic material or a composite thereof.
[0002]
[Prior art]
In general, as a coating apparatus that forms a thin layer by thinly coating a coating solution on the surface of a flexible belt-like support such as a long film or sheet, for example, Japanese Patent Publication No. 6-77712 (hereinafter referred to as the first). (Referred to as prior art).
[0003]
The coating apparatus shown in the first prior art has a coating head as shown in FIG. 4, and the coating head forms a
[0004]
Inside the coating head,
[0005]
The flexible belt-like support 8 is moved in the direction of the arrow A from the
[0006]
When the flexible belt-like support 8 is running, the
[0007]
The coating liquid contains hard dispersed particles made of inorganic substances and various additives such as resins and solvents, and wear and corrosion are remarkable.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, how to separate the coating liquid from the edge (hereinafter sometimes referred to as the final edge in the specification) arranged last along the running direction of the flexible belt-like support is unstable (for example, FIG. 5). When the coating amount per unit time is uneven, the thin layer formed on the flexible belt-like support is as follows. The film has a non-uniform film thickness in the running direction. In particular, under conditions where the film thickness is reduced and coating is performed at a high speed, there is a drawback that it is difficult to control the flow of the coating liquid.
In addition, even when the tip of the coating head is provided with an edge made of cemented carbide as described above, a coating head having a plurality of slits as described above is used in accordance with the demand for a multilayer coating structure. As a result, the rigidity, wear resistance, and corrosion resistance are not yet sufficient due to the thinning of coating films, high speed coating, and the increase in coating area. . For this reason, there has been a problem that the shape of the tip of the edge changes, and coating with high film thickness accuracy cannot be performed over a long period of time.
[0009]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to provide a coating apparatus capable of coating a uniform thin coating film at high speed over a long period of time.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the case where the inventor has an edge provided at the tip of the coating head, in particular, when the coating head includes a plurality of edges for coating a plurality of coating liquids while laminating, a flexible strip-shaped support is moved in the running direction. The tip of the last edge, which is the last edge arranged along the edge, more specifically, for example, two edges of the back edge and the doctor edge are sequentially arranged along the running direction of the flexible belt-like support body In the coating head, the tip of the doctor edge, and for example, the three edges of the back edge, the first doctor edge, and the second doctor edge are arranged in order along the running direction of the flexible belt-like support. The tip of the second doctor edge is formed on the side facing the flexible belt-like support, while the back surface is formed on the downstream side in the running direction. A chamfer or roundness of 0.01 mm or less is formed at the corner of the intersecting region, and the coating liquid applied at the corner is uniformly leveled, and further, it is separated from the coating head downstream in the running direction. The smoother tip surface is formed on the side facing the flexible belt-like support of the smoother edge provided on the tip side of the smoother that is arranged, while the smoother back surface is formed on the downstream side in the running direction. Apply a uniform thickness by forming a chamfer or roundness of 0.01 mm or less at the corner of the intersecting area between the surface and the back of the smoother, and evenly leveling the coating liquid applied at this corner. In addition, at least the end of the final edge and the tip of the smoother edge of the coating head edge are made of a cemented carbide containing tungsten carbide as a main component. The binder phase metal having a predetermined component is uniformly blended between the particles of Nungsten to increase the hardness and toughness, and the tungsten carbide particles are subjected to high-temperature heat treatment to increase the bonding force between the tungsten carbide particles. The addition of a grain growth inhibitor that suppresses the growth and the average particle size of tungsten carbide is sufficiently small, so that the wear resistance and corrosion resistance of the final edge and smoother edge are improved, and the tip portion due to chipping, wear, and corrosion is improved. Obtaining the knowledge that the coating liquid can be applied while reducing the shape change and keeping the film thickness constant over a long period of time has led to the present invention.
[0012]
That is , the present invention includes a coating head for applying a coating liquid on a flexible belt-like support that runs in one direction, and the coating heads are sequentially arranged in the running direction of the flexible belt-like support. In addition, a slot is formed between each adjacent edge, and the coating liquid flows toward the flexible belt-like support, and is opened at the tip of the coating head. The coating liquid flows out from the outlet, and is applied to the flexible belt-like support, and the coating head is disposed downstream of the coating head along the traveling direction of the flexible belt-like support. An applicator having a smoother that is disposed away from the front end and smoothes the coating liquid applied to the flexible strip-shaped support by bringing the tip side into contact with the flexible strip-shaped support The application head A distal end surface is formed on the side of the final edge disposed last along the traveling direction on the side facing the flexible belt-like support, and a back surface is formed on the downstream side of the final edge along the traveling direction. A smoother edge is provided at the tip of the smoother, and the smoother edge is substantially flat along the traveling direction on the side facing the flexible belt-like support, and is pushed against the flexible belt-like support. A smoother tip surface to be applied is formed, a smoother back surface is formed on the downstream side of the smoother edge along the traveling direction, and a corner portion of an intersection region between the tip surface of the final edge and the back surface; and the corners of the intersections of the smoothers and back smoother tip surface, characterized in that the 0.01mm following chamfered or rounded over 0.003mm are formed
[0013]
In the present invention, the tip surface pressed against the flexible belt-like support at the final edge is sharply terminated by the back surface at the corner portion where chamfering or rounding of 0.003 mm to 0.01 mm is formed. It is configured. Further , a smoother for leveling the coating liquid applied to the flexible band-shaped support is disposed downstream of the coating head for applying the coating liquid on the flexible band-shaped support, and the smoother is disposed on the tip side of the smoother. The tip of the smoother that is pressed against the flexible belt-like support of the smoother edge provided is configured to be sharply terminated by the back of the smoother at the corner where a chamfer or roundness of 0.003 mm or more and 0.01 mm or less is formed. Has been. For this reason, the coating liquid does not flow around to the back side, and the coating liquid is uniformly leveled at the sharply formed corners, so that the coating liquid is uniformly formed on the flexible belt-like support. Can be applied. That is, when a thin layer of, for example, 5 μm or less is formed on the flexible belt-like support, the film thickness deviation can be suppressed to 10% or less.
[0016]
In the coating apparatus of the present invention, at least the tip of the final edge and the tip of the smoother edge among the edges of the coating head are 4 to 20% by weight of cobalt and 0.3 to 3 of chromium. 0.0% by weight and / or 0.1 to 3.0% by weight of vanadium, and the balance is formed of a cemented carbide composed of tungsten carbide having an average particle size of 1 μm or less and inevitable impurities. And
[0017]
In the present invention, since the hard phase of the cemented carbide forming the final edge or smoother edge is made of tungsten carbide, at least the toughness and strength of the final edge can be improved. Here, since tungsten carbide is a cubic structure compound, it is preferable to suppress the decrease in strength of the cemented carbide by setting the average particle size to 1 μm or less, and further, the particle size of tungsten carbide is made as uniform as possible. In addition, it is desirable to uniformly disperse in the binder phase in order to improve the strength and toughness of the edge.
Further, when the cobalt forming the binder phase of the cemented carbide forming the edge is less than 4% by weight, the edge toughness is lost, and when it exceeds 20% by weight, the wear resistance of the edge is significantly deteriorated. It is preferably 20% by weight.
Further, in order to enhance the corrosion resistance of the edge, and further to suppress the grain growth of tungsten carbide under a high temperature heat treatment that enhances the bonding force between the tungsten carbide particles, the cemented carbide forming the edge is made of at least chromium and vanadium. It is preferable that one or both are included. Here, if chromium is less than 0.3% by weight, corrosion resistance is not obtained, and if it exceeds 3.0% by weight, a harmful layer of chromium carbide is deposited, so 0.3 to 3.0% by weight is assumed. In addition, when vanadium is less than 0.1% by weight, corrosion resistance cannot be obtained, and when it exceeds 3.0% by weight, a harmful layer of vanadium carbide is deposited. It is preferably 0% by weight.
In this way, at least the wear resistance and corrosion resistance of the final edge can be increased to reduce the shape change of the tip portion due to chipping, wear and corrosion, and the coating liquid can be applied with a uniform thickness over a long period of time.
[0018]
In the coating apparatus of the present invention, it is preferable that the cemented carbide has a hardness of 90.0 (HRA) or more on the A scale of Rockwell hardness. Furthermore, it is preferable that the cemented carbide is produced by performing a HIP process.
Thereby, the shape change of the front-end | tip part can be reduced over a long period of time, and a coating liquid can be apply | coated with uniform thickness.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a coating apparatus according to the present invention will be described with reference to the drawings. The coating apparatus of the present invention relates to a coating apparatus that forms a thin layer by uniformly coating a coating liquid on the surface of a flexible belt-like support such as a film or sheet that travels in one direction. There are no particular restrictions on usage.
[0020]
1 to 3 show an embodiment of a coating apparatus according to the present invention. In the drawing, the coating apparatus has a
[0021]
The
Further, a
The
[0022]
Here, the cemented carbide forming the
[0023]
Further, the
[0024]
In the coating apparatus, when the flexible belt-
In this example, the coating liquid in this case is for forming a base material sheet used for a green sheet of a multilayer ceramic capacitor. For example, the liquid containing dielectric ceramic powder and its composition were slightly changed. It consists of two types such as dielectric containing liquid.
[0025]
In the coating apparatus having such a configuration, when the flexible belt-
[0026]
At this time, the
Furthermore, the coating liquids 20 </ b> A and 20 </ b> B applied to the flexible belt-shaped
In this way, when a thin layer of, for example, 5 μm or less is formed on the flexible belt-
[0027]
Here, the
[0028]
Thus, according to the present embodiment, the two
[0029]
In the present embodiment, the coating apparatus is configured to have a smoother, and has a configuration in which a sharp corner is provided on the downstream side in the running direction of the flexible belt-like support on both the final edge and the smoother edge of the coating head. However, it may be provided on either side.
In the present embodiment, the coating apparatus is a three-block type coating apparatus having three edges. However, in the two-block type coating apparatus including two edges, that is, the back edge and the doctor edge, the doctor edge is the above-described doctor edge. It is good also as a structure similar to a 2nd doctor edge.
[0030]
【The invention's effect】
The present invention has the following effects.
According to the first aspect of the present invention, the chamfer or roundness of 0.003 mm or more and 0.01 mm or less is formed in the corner on the downstream side along the traveling direction of the final edge or the smoother edge. The coating liquid can be applied with a uniform film thickness on the conductive belt-like support.
[0031]
According to the second aspect of the present invention, the wear resistance and corrosion resistance of the final edge and the smoother edge are improved to reduce the shape change of the tip portion due to chipping, wear and corrosion, and the uniform thickness over a long period of time. The coating liquid can be applied with.
[0032]
Further, according to the invention described in
[0033]
Further, according to the invention described in claim 4 , it is possible to reduce the shape change of the tip portion over a longer period of time and apply the coating liquid with a uniform thickness.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an embodiment of a coating apparatus according to the present invention, and is a perspective view of a coating head constituting the coating apparatus.
FIG. 2 is an enlarged view showing a portion of a coating head of a coating apparatus according to the present invention, and is an explanatory view showing a relationship between the coating head and a flexible belt-like support.
FIG. 3 is a view showing a positional relationship between a coating head and a smoother of the coating apparatus according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view showing a conventional coating apparatus.
FIG. 5 is an explanatory view showing problems in a conventional coating apparatus.
[Explanation of symbols]
11 ...
16 ... Back
18a ...
Claims (4)
前記塗布ヘッドの前記走行方向に沿って最後に配置される最終エッジの前記可撓性帯状支持体を臨む側に先端面が形成されるとともに、前記最終エッジの前記走行方向に沿った下流側に背面が形成され、前記スムーザーの先端側にはスムーザーエッジが設けられ、該スムーザーエッジの前記可撓性帯状支持体を臨む側に、前記走行方向に沿って略平坦とされ、前記可撓性帯状支持体に押し当てられるスムーザー先端面が形成されるとともに、前記スムーザーエッジの前記走行方向に沿った下流側にスムーザー背面が形成され、
前記最終エッジの前記先端面と前記背面の交差領域の角部、及び、前記スムーザー先端面と前記スムーザー背面の交差領域の角部には、0.003mm以上0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成されていることを特徴とする塗布装置。A coating head for applying a coating solution on a flexible belt-like support traveling in one direction, the coating head having at least two edges sequentially arranged in the running direction of the flexible belt-like support; And a slot through which the coating liquid flows toward the flexible belt-like support is formed between adjacent edges, and the coating is applied from an outlet opening at the tip of the coating head. Each of the liquids flows out and is applied to the flexible strip support, and is arranged on the downstream side of the coating head along the traveling direction of the flexible strip support and spaced from the coating head. And a smoothing device for smoothing the coating liquid applied to the flexible belt-like support by bringing the tip side into contact with the flexible belt-like support,
A tip end surface is formed on the side of the last edge of the coating head that is disposed last along the traveling direction on the side facing the flexible belt-like support, and on the downstream side of the final edge along the traveling direction. A back surface is formed, and a smoother edge is provided on the front end side of the smoother. The smoother edge is substantially flat along the running direction on the side of the smoother edge facing the flexible belt-like support, A smoother tip surface pressed against the support is formed, and a smoother back surface is formed downstream of the smoother edge along the traveling direction,
Chamfering or rounding of 0.003 mm or more and 0.01 mm or less is formed at the corner of the intersection region between the tip surface and the back surface of the final edge and the corner of the intersection region between the tip surface of the smoother and the back surface of the smoother. An applicator characterized by being made.
前記塗布ヘッドの前記エッジのうち、少なくとも前記最終エッジの先端と、前記スムーザーエッジの先端とは、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されていることを特徴とする塗布装置。The coating apparatus according to claim 1 ,
Of the edges of the coating head, at least the tip of the final edge and the tip of the smoother edge are 4 to 20% by weight of cobalt, 0.3 to 3.0% by weight of chromium and / or vanadium. An applicator characterized in that it is made of a cemented carbide made of tungsten carbide and inevitable impurities having an average particle size of 0.1 to 3.0% by weight and the balance being 1 μm or less.
前記超硬合金は、硬さがロックウェル硬度のAスケールで90.0(HRA)以上とされていることを特徴とする塗布装置。The coating apparatus according to claim 2 ,
2. The coating apparatus according to claim 1, wherein the cemented carbide has a hardness of 90.0 (HRA) or higher on the A scale of Rockwell hardness.
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