JP4350320B2 - 光ファイバグレーティングおよびこれを用いた光フィルタ - Google Patents

光ファイバグレーティングおよびこれを用いた光フィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに有用な光ファイバグレーティング、これを用いた光フィルタおよび光ファイバ型波長可変フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムでは、光ファイバにグレーティング部を形成した光ファイバグレーティングが多用されている。
一般にグレーティング部にはコアを入射方向と同方向(正の方向)に伝搬する基本モードとクラッドを正の方向に伝搬するモードとを結合させるタイプや、コアを正の方向に伝搬する基本モードとコアを負の方向に伝搬するモードとを結合させるタイプなどがある。一般に前者を放射型、後者を反射型とよぶ。そして、所望の波長帯の光を結合させて減衰させることにより、例えば光フィルタとして用いることができる。
なお、一般に、コアあるいはクラッドを正の方向に伝搬するモードを透過モード(透過光)、これとは逆の負の方向に伝搬するモードを反射モード(反射光)という。
【0003】
このようなモード間の結合を可能としているのは、グレーティング部のコアに形成した摂動である。光ファイバにおいて、この摂動を生み出すのはその長さ方向における屈折率変化である。また、マイクロベンドを用いる場合もある。
例えば、放射型であれば数百μm、反射型であれば1μm以下の周期的な屈折変化によってモード間の結合を可能としている。これが、放射型が長周期型と呼ばれ、反射型が短周期型と呼ばれる所以である。なお、このような屈折率やマイクロベンドの周期的な変化の周期をグレーティングピッチという。
【0004】
このとき重要なのは、結合させる2つのモードがそれぞれ持っている伝播定数の差である。この差が大きいときにはグレーティングピッチは小さくなり、差が小さいときはグレーティングピッチは大きくなる。反射モードに結合させるグレーティング部が短周期となるのはコアを伝搬する透過モードと反射モードとの伝播定数差が大きいためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来は、減衰させる光の波長帯域が狭い「狭帯域フィルタ」には短周期型の光ファイバグレーティングが用いられてきた。
しかし、短周期型は反射型であるため、発生した反射光が好ましくない影響を及ぼす場合がある。そこで、反射光の影響を受けるデバイスの手前にアイソレータを設置して、この反射光を阻止する必要がある。そのため、光通信システムを構築する部品点数が多くなり、システムコストを低くすることができず、また、過剰損失(挿入損失と透過損失)が増加するという問題があった。
【0006】
一方、放射型は減衰帯域が比較的広く、反射光が存在せず、無反射である。そこで、アンプやレーザの近くで利得等価用やノッチフィルタなどとして利用されている。
しかし、放射型は一般にグレーティング長(グレーティング部の長さ)が長いという問題があった。特に放射型で狭帯域フィルタを作成しようとすると、短周期型の200倍程度の長さ、例えば2m程度となり実質的には作成不可能であった。また、透過阻止ピークが多数存在するため、透過帯域での透過損失が大きくなるという問題があった。
【0007】
また、減衰帯域を変更することができる波長可変フィルタは、要求される種々の特性に対応することができ、有利である。
波長可変フィルタを実現するためには以下のような特性が要求される。
(1)減衰帯域の中心波長をアクティブに制御できること。
(2)減衰帯域を自由に設定することができること。
(3)減衰帯域の制御に対し、応答速度が早いこと。
(4)制御性が高いこと。
例えば従来の反射型においては、グレーティング部にかかる張力を変化させるか、グレーティング部(光ファイバ)自体の温度を変化させることによって、反射光の中心波長をアクティブに変化させることにより、波長可変フィルタを構成することができる。しかしながら、前者においては、グレーティング部(光ファイバ)の機械的な信頼性および中心波長の制御性において問題があり、後者においては、応答速度および制御性に問題があった。
すなわち、従来の反射型では前記(1)、および前記(3)に問題があった。また、従来の放射型においては、前記(2)の特性を満足することができなかった。
【0008】
ところで、前記ノッチフィルタとは、波長多重システムなどの光通信システム中において、不要な波長帯の光を信号光から除去するものである。具体的には、光増幅器モジュールにて発生する放出光を除去したり、多重された各光信号の波長間の消光比を向上させるために用いられる。
ノッチフィルタには用途などに応じて放射型、反射型のいずれもが用いられているが、この場合には以下のような問題があった。
すなわち、ノッチフィルタには望ましくは以下のような特性が要求されている。
(1)減衰帯域が比較的広帯域であり、その帯域幅の調整が容易であること。
(2)透過阻止率が十分に大きいこと。具体的には10dB以上であると好ましい。
(3)減衰帯域の透過阻止ピークの立ち上がりが急峻であること(ピークがブロードでないこと)。
(4)反射光が存在しないこと。
【0009】
これら(1)〜(4)のうち、放射型は(4)の条件は満足しているが、(3)の条件は満足していない。また、(1)、(2)の条件についても不十分である場合が多い。
一方、反射型は(2)、(3)の条件は比確的容易に満足することができるが、(1)、(4)の条件を満足することができない。
【0010】
図8、図9は従来の光増幅器モジュールの構成の一例を示したものである。なお、ノッチフィルタを構成する光フィルタとしては、光ファイバグレーティングの他に、誘電体多層膜も用いられている。
図8は誘電体多層膜を使用した例を示したものである。この光増幅器モジュールにおいては、波長の異なる信号光と励起光が光ファイバカプラなどの光合波器を介してエルビウム添加光ファイバコイルに入力され、この信号光が増幅される。しかし、増幅後の励起光はノイズ光となる。そこで、後段のノッチフィルタにおいて、信号光のみを選択的に透過させ、ノイズ光を反射する。このノッチフィルタは誘電体多層膜を用いているため、ノイズ光は信号光の進行方向に対して斜めに反射され、光学系外に放出される。
図9は反射型の光ファイバグレーティングを用いたもので、図8に示したものと異なるのは、ノッチフィルタの前段にアイソレータが挿入されている点である。ノッチフィルタにおいて、信号光のみを選択的に透過させ、ノイズ光を反射する動作までは図8に示したものと同様である。図9に示した例においては、ノッチフィルタに反射型の光ファイバグレーティングが用いられているので、前記ノイズ光は光伝送路である光ファイバ中を信号光の進行方向と反対方向に進行し、不都合である。そのため、アイソレータを挿入し、前記反対方向に進行することにより、このノイズ光が光の増幅作用に影響することを防止することができる。
【0011】
誘電体多層膜は一般に石英基板上に屈折率の異なる薄膜を複数、積層して形成されており、誘電体多層膜自体の単価は低い。しかしながら、光伝送路である光ファイバの途中に挿入するためには加工が必要で、この加工によってコストが上昇するという問題があった。
また、光ファイバグレーティングは光ファイバを加工したものであるため、光伝送路である光ファイバの途中に挿入するには融着接続などを用いればよく、非常にコストが低い。しかし、アイソレータは高価であるため、光増幅器モジュール全体、さらには光通信システム全体のコスト低減が非常に難しいという問題があった。
【0012】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、反射光が存在しない光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングであって、従来の放射型、反射型では得られなかった特性を備えたものを提供することを課題とする。
具体的にはアイソレータなどが必要なく、少ないデバイスで光通信システムを構築することができる無反射狭帯域の光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
また、無反射狭帯域の光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングであって、グレーティング長が短いものを提供することを課題とする。
また、挿入損失や透過損失が小さい無反射狭帯域の光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
さらに、光通信システムを低コストに構築できる無反射狭帯域の光フィルタ、およびこれを構成する光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
また、波長可変フィルタに用いるのに好ましい特性を備えた光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
具体的には、減衰帯域の中心波長をアクティブに制御でき、減衰帯域を自由に設定することができ、減衰帯域の制御に対し、応答速度が早く、制御性が高い波長可変フィルタを提供することを課題とする。
また、ノッチフィルタとして、好ましい特性を備えた光フィルタが得られる光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
具体的には、減衰帯域が比較的広帯域であり、帯域幅の調整が容易であり、
透過阻止率が十分に大きく、減衰帯域の透過阻止ピークの立ち上がりが急峻なものを提供することを課題とする。
また、ノッチフィルタ自体および、これを用いた光増幅器モジュールおよび光通信システム全体のコストを低減することができる光フィルタを得ることができる光ファイバグレーティングを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備え、グレーティングピッチがチャープトピッチであることを特徴とする光ファイバグレーティングである。
請求項2にかかる発明は、光ファイバの長さ方向に所定のグレーティングピッチでレーザ光を照射して、請求項1に記載の光ファイバグレーティングを製造する方法であって、光源から発振されるレーザ光をレンズと空間フィルタを介して光ファイバ上に集光させることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造方法である。
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の光ファイバグレーティングを用いたことを特徴とするノッチフィルタである。
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のノッチフィルタにおいて、透過阻止率が10〜40dBであることを特徴とするノッチフィルタである。
請求項5にかかる発明は、請求項3または4に記載のノッチフィルタを用いたことを特徴とする光増幅器モジュールである。
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の光増幅器モジュールを用いたことを特徴とする光通信システムである。
請求項7にかかる発明は、光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備えた光ファイバグレーティングのグレーティング部の外周上に温度変化によって屈折率が変化する透明プラスチックからなる被覆層が設けられ、該被覆層を加熱するヒータが設けられていることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタである。
請求項8にかかる発明は、光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備え、グレーティングピッチがチャープトピッチである光ファイバグレーティングのグレーティング部の外周上に温度変化によって屈折率が変化する透明プラスチックからなる被覆層が設けられ、該被覆層を加熱するヒータが設けられていることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタである。
請求項9にかかる発明は、請求項7または8に記載の光ファイバ型波長可変フィルタにおいて、透過阻止率が5〜40dBであることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタである
【0014】
【発明の実施の形態】
以下第1の実施形態例と第2の実施形態例とに分けて、本発明について説明する。
[第1の実施形態例]
第1の実施形態例は無反射狭帯域型の例である。
本発明者らは、放射型の光ファイバグレーティングにおいて、従来よりも極端にグレーティングピッチを小さくすることによって、狭帯域型の光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングが得られることを見出し、本発明を完成させた。
グレーティングピッチを小さくすることは、結合に使用するモード間の伝播定数差を大きくすることになる。
【0015】
コアを伝搬する基本モードとの伝搬定数の差が大きいのはクラッドを伝搬する高次の透過モードである。
しかし、高次の透過モードは一般に基本モードとの結合効率が悪いため、無差別に透過モードと結合させても十分な透過阻止率が確保できない場合がある。
【0016】
そこで、本発明者らがLPモードで簡易に計算を行った結果、例えば一般的な1.3μm用シングルモード光ファイバであれば、基本モードとLP(0,22)程度の高次の透過モードとを結合させることによって、グレーティングピッチ60μm、グレーティング長25mmのグレーティング部を形成した光ファイバグレーティングを光フィルタとして用いたときに、図1に示した透過光のスペクトルのように、帯域幅が約1.0nm、透過阻止率10dB以上の透過阻止ピークが得られることがわかった。この例においては1320nm付近と1460nm付近のふたつの透過阻止ピークがあるが、1330nm付近のピークにおいては透過阻止率が20dB以上、1460nm付近のピークにおいては透過阻止率が15dB程度である。また、従来と異なり、狭帯域型のピークが得られるため、透過阻止帯域以外の過剰損失が非常に小さい。
【0017】
なお、この例に用いた1.3μm用シングルモード光ファイバは、中心に設けられたコアと、その外周上に設けられ、このコアよりも低い屈折率を備えたクラッドとからなり、コアがゲルマニウム添加石英ガラス、クラッドが純粋石英ガラスから形成されたものである。また、コアの屈折率は1.448、クラッドの屈折率は1.444、コア径は9μm、クラッド外径は約125μmである。
【0018】
本発明の検討においては、モードをLP(0,1)、LP(0,2)、LP(0,3)…LP(0,n−1)、LP(0,n)(nは整数)として簡易に計算した。実際の光ファイバのモードは例えばLP(0,1)、LP(1,1)、LP(2,1)…のように必ずしもLP(0,n)で表されるモードのみからなるわけではないが、このようにLP(0,n)で表されるモードを限定しても実際の光ファイバグレーティングへの適用においては問題はなく、また、簡易に計算することができるので、設計条件の決定などに有利である。
【0019】
実際には、グレーティングピッチを20〜80μm、好ましくは40〜60μmにすることにより、無反射狭帯域の光フィルタを構成可能な光ファイバグレーティングを製造することができる。用いる光ファイバは、例えば一般的な1.3μm用シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバなどを例示することができる。
また、グレーティングピッチを20〜80μmとすることにより、基本モードをこの基本モードよりも10次以上、実質的には10〜30次程度高次の透過モードと結合させることができ、この光ファイバグレーティングを用いて無反射狭帯域の光フィルタを提供することができる。
このときの10次以上の高次モードとは、上述の計算とは異なり、実際に光ファイバを伝搬するモードを基準にしている。例えばLP(0,1)、LP(1,1)、LP(2,1)…というモードを備えた光ファイバにおいて、LP(0,1)を基準にしてLP(1,1)を1次、LP(2,1)を2次と数えた場合である。このように十分に高次の透過モードに結合させることにより、この光ファイバグレーティングを用いて無反射狭帯域の光フィルタを構成することができる。
【0020】
本発明の光ファイバグレーティングを光フィルタに用いた場合、光ファイバグレーティングのグレーティング長が30mm以下、好ましくは25mm以下(実質的には5mm以上)であっても、帯域幅2nm以下、好ましくは1nm以下であり、かつ透過阻止率が5dB以上、好ましくは10dB以上の透過阻止ピークが得られる。帯域幅の下限値は特に限定しないが実質的には0.1nmである。また、透過阻止率の上限値も特に限定しないが、実質的には40dBである。
【0021】
また、従来、光ファイバグレーティングの製造にはフォトリフラクティブ効果を利用した位相マスク法、金属マスク法などが用いられている。フォトリフラクティブ効果とは所定の波長の光を照射すると屈折率が変化する現象のことで、光ファイバグレーティングにおいては、例えばゲルマニム添加石英ガラスからなる光ファイバのコアに240nm付近の紫外光を照射すると屈折率が増加する現象を利用する。光源にはエキシマレーザなどが用いられる。
位相マスク法はグレーティングピッチが1μm以下の反射型を製造する際によく使用されているが、本発明のように反射型よりもグレーティングピッチが長い場合には、適当な位相マスクが市販されておらず、また、同じ位相マスクを使用してグレーティング部を製造しても特性がばらつくという問題がある。金属マスク法についても同様である。したがって、グレーティングピッチなどを臨機応変に変更し、グレーティング特性の微調整を行うことができる製造方法を用いることが好ましい。
【0022】
そこで、本発明の光ファイバグレーティングは、図2(a)〜図2(c)に示したように空間フィルタを用いて光源から発生したレーザ光を光ファイバ上に集光させた後、レーザ光の照射を中止し、ついでグレーティングピッチにしたがってこの集光位置を光ファイバの長さ方向にそって移動させて再びレーザ光を照射する操作を繰り返してグレーティング部を製造すると好ましい。
従来、レーザ光の集光を40μm以下に絞り込むことは困難だとされていたが、空間フィルタを用いることによって集光を40μm程度以下にすることができる。なお、本願発明の光ファイバグレーティングのグレーティングピッチに対応するためには、集光は40μm以下にすることが望ましい。
【0023】
図2(a)は光ファイバグレーティングの製造方法の一例を示したもので、図中符号1は光ファイバである。そして、3枚の凸レンズ2〜4と、空間フィルタ5とから光学系が構成されている。
凸レンズ2〜4は、順次、光源から光ファイバ1への光の進路を横切るように平行に配置されている。なお凸レンズ2は凸面が光源側に配置され、凸レンズ3と凸レンズ4の凸面は光ファイバ1側に配置されている。凸レンズ2と凸レンズ3との中心には図2(b)に示したように、スリット5aを形成するための空間フィルタ5が配置されている。空間フィルタ5はこの図に示したように2枚の長方形状の板を同一平面上に配置してスリット5aを形成するものであってもよいし、一枚の板にスリット5aが予め形成されたものであってもよい。空間フィルタ5は通常ステンレスなどの金属やセラミックスなどから形成されている。
【0024】
この例において、凸レンズ2、3の集光距離fは2000mm、凸レンズ4の集光距離fは100mmである。また、スリット5aの幅は0.3mmである。また、凸レンズ2と空間フィルタ5との距離は2000mm、空間フィルタ5と凸レンズ3との距離は2000mmである。
そして、エキシマレーザなどの光源からレーザ光を発振すると、このレーザ光は凸レンズ2を経てスリット5aにて0.3mmの幅の光となり、さらに凸レンズ3、凸レンズ4を経て絞り込まれて光ファイバ1上に集光する。
また、図2(c)に示したように2枚の凸レンズ2、4を用いて空間フィルタを形成することもできる。この例において、凸レンズ2、4の集光距離fは、それぞれ2000mmと100mmであり、凸レンズ2と空間フィルタ5との距離は2000mm、空間フィルタ5と凸レンズ4との距離は3000mmである。スリット5aの幅や各凸レンズ2〜4の集光距離f、各構成の配置距離などは特に限定するものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。なお、スリット5aの幅は通常は100〜800μm程度とすると好ましい。
【0025】
本発明の光ファイバグレーティングを光フィルタ(無反射狭帯域の光フィルタ)として用いる場合は、例えば光ファイバグレーティングを一般的に知られているステンレス、セラミックスなどからなる保護用の筐体内に収めて、これを光通信システムに挿入して使用する。
また、以下のような光ファイバ型波長可変フィルタを構成することもできる。
図3は本発明の光ファイバグレーティングを用いた光ファイバ型波長可変フィルタの構成の一例を示した一部側断面図である。図中符号11は光ファイバであり、この光ファイバ11はその途中に所定のグレーティングピッチで屈折率の変化が形成されたグレーティング部12を備えている。
グレーティング部12は円管状のヒータ13内の中心に収められており、ヒータ13の内壁とグレーティング部12の外面との間には温度によって屈折率が変化する透明なプラスチックからなる被覆層14が設けられている。
したがって、ヒータ13を操作して被覆層14の温度を変化させると、その屈折率が変化し、グレーティング部12の特性を変化させることができる。
【0026】
この例において、光ファイバグレーティングは上述の例で示したものと同様のものであり、光ファイバ11の外径(クラッド外径)は約125μmである。また、ヒータ13はセラミック製のもので、内径は250μm、外径は2mmである。また、被覆層14を構成しているプラスチックの屈折率は、被覆層14に接触している光ファイバ11のクラッドよりも低い方が好ましく、例えば20〜200℃の温度範囲で屈折率が1.30〜1.40の範囲で変化するものなどが好ましい。例えばアクリル系のプラスチックなどを例示することができる。
図4は、この光ファイバ型波長可変フィルタにおいて、ヒータ13によって被覆層14の温度を変化させたときのスペクトルの変化を示したものである。n=1.35は被覆層14の屈折率が1.35のときの透過阻止ピーク、n=1.40とは被覆層14の屈折率が1.40のときの透過阻止ピークである。被覆層14の屈折率の変化により、透過阻止ピークの波長が変化することが確認できる。
【0027】
この場合は従来の反射型を用いた光ファイバ型波長可変フィルタのように張力を用いないため、光ファイバ11やグレーティング部12の機械的な強度に係る問題がない。また、光ファイバ11自体ではなく、その周囲の被覆層14の温度を変化させるものであり、ヒータ13と被覆層14とを密着あるいは近接して配置することができるため、従来の反射型を用い、光ファイバ自体の温度変化によって波長を変化させるものよりも応答速度を早くすることができる。
【0028】
[第2の実施形態例]
第2の実施形態例は、ノッチフィルタに適した光ファイバグレーティングである。
第2の実施形態例の光ファイバグレーティングが第1の実施形態例と異なるところは、グレーティングピッチがチャープトピッチである点である。
チャープトピッチとはグレーティング部の長さ方向において、グレーティングピッチが変化していることをいう。例えばグレーティング部の長さ方向において、光の入射側から徐々にグレーティングピッチが拡大または縮小しているものや、入射側からグレーティング部の中心に向かって徐々にグレーティングピッチが拡大し、さらに出射側に向かって徐々にグレーティングピッチが減少しているものなどを例示することができる。
光ファイバグレーティングにおいてチャープトピッチを適用すると、透過阻止帯域が広帯域化することが知られている。
第2の実施形態例においては、第1の実施形態例の光ファイバグレーティングにおいて、グレーティングピッチをチャープトピッチとすることによって、例えば図1に示したような立ち上がりが急峻な狭帯域型の透過阻止ピークの帯域幅を広帯域化した透過阻止ピークを得ることができる。
例えばグレーティングピッチを51μm〜53μmの範囲で徐々に変化させることによって、このような特性を得ることができる。チャープトピッチとする際のグレーティングピッチの数値範囲、変化の割合などは要求される特性によって適宜変更可能である。
【0029】
そして、この光ファイバグレーティングにおいては、以下のようなノッチフィルタに適した特性を実現することができる。
すなわち、放射型であるため、反射光が存在しない。
また、グレーティングピッチの数値範囲、変化の割合などを変更することによって、帯域幅を容易に調整することができる。
また、上述のように本発明の光ファイバグレーティングの透過阻止率は十分に大きく、ノッチフィルタに適した10dB以上の透過阻止率を実現することもできる。
さらに、立ち上がりが急峻な透過阻止ピークを得ることができる。
また、この光ファイバグレーティングを用いて、第1の実施形態例と同様に光フィルタ、および光ファイバ型波長可変フィルタを構成することもできる。
【0030】
図5は本発明の光ファイバグレーティングを光フィルタとして用いたノッチフィルタを挿入した光増幅器モジュールの構成の一例を示したものである。
この光増幅器モジュールにおいては、波長の異なる信号光と励起光が光ファイバカプラなどの光合波器を介してエルビウム添加光ファイバコイルに入力され、この信号光が増幅される。しかし、上述の様に増幅後は励起光はノイズ光となる。そこで、後段のノッチフィルタにおいて、信号光のみを選択的に透過させる。一方、ノイズ光はクラッドモードと結合して斜め方向に進行し、光学系外に放出される。この様に本発明の光ファイバグレーティングにおいては反射光が生じないため、アイソレータを用いる必要がなく、ノッチフィルタ、およびこれを用いた光増幅器モジュール全体のコストの低減を図ることができる。また、信号光の出力部から侵入してくるノイズ光なども、光ファイバグレーティングを用いたノッチフィルタによって光学系外に除去することができる。
【0031】
なお、この例において、光増幅には損失が小さい1.55μm帯の信号光の増幅に適したエルビウム添加光ファイバを巻き回したコイルを使用しているが、これに限定するものではなく、例えば信号光の波長帯に応じてエルビウム以外の他の希土類元素を添加した光ファイバなどを用いることもできる。また、励起光の波長は、この例においては光増幅にエルビウム添加光ファイバを用いているため、1.48μm、あるいは0.98μm付近が好ましい。励起光の波長は光増幅に用いるデバイスに依存し、特に限定するものではない。
【0032】
図6はこの光増幅器モジュールを用いた光通信システムの構成の一例を示したもので、送信機と受信機が光ファイバによって接続され、その途中に所定の間隔をあけて例えば図5に示した構成の光増幅器モジュールが配置されている。送信機から光ファイバに入力した信号光は、光ファイバを伝搬し、減衰してきた時点で光増幅器モジュールにて増幅される操作が繰り返され、最後に受信機にて受光される。
図7は光通信システムの構成の他の例を示したもので、複数の送信機から波長の異なる信号光が光ファイバに入力され、光合波モジュールにて合波される。この合波光は、途中に設けられた複数の光増幅器モジュールにて増幅され、光分波モジュールにて波長毎に分配され、複数の受信機でそれぞれ受光される。
なお、この例においては、光増幅器モジュールは3つ設けられており、これら光増幅器モジュールの間には、それぞれ光合分波モジュールと、これに接続された送受信機が用いられている。そのため、光ファイバの途中において、合波光のうち、ひとつの波長の光を取り出して、この送受信機で受光したり、この送受信機から合波光を構成する波長とは異なる波長の信号光を光合分波モジュールを介して入力し、合波することもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、反射光が存在しない光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングであって、従来の放射型、反射型では得られなかった特性を備えたものを提供することができる。
すなわち、放射型であって、かつ狭帯域型の光ファイバグレーティングを提供することができる。したがって、光フィルタなどとして光通信システムに挿入した場合に反射光を阻止するためのアイソレータなどが必要ない。そのため、光通信システムを構築するデバイス数が少なく、挿入損失や透過損失を小さくすることができ、かつ低コストな光通信システムを構築することができる。また、グレーティング長を短くすることができ、設置スペースが小さく、また、素子長が長くなることによる機械的な強度の低下などを防ぐことができる。
また、減衰帯域の中心波長をアクティブに制御でき、減衰帯域を自由に設定することができ、減衰帯域の制御に対し、応答速度が早く、制御性が高い波長可変フィルタを提供することができる。
また、ノッチフィルタに適した光フィルタを構成できる光ファイバグレーティングを提供することができる。すなわち、光の減衰帯域が比較的広帯域であり、帯域幅の調整が容易であり、透過阻止率が十分に大きく、減衰帯域の透過阻止ピークの立ち上がりが急峻なものを提供することができる。また、ノッチフィルタ自体および、これを用いた光増幅器モジュールおよび光通信システム全体のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光フィルタの透過光のスペクトルを示したグラフである。
【図2】 図2(a)〜図2(c)は、本発明の光ファイバグレーティングの製造方法の例を示した説明図である。
【図3】 本発明の光ファイバグレーティングを用いた光ファイバ型波長可変フィルタの構成の一例を示した一部側断面図である。
【図4】 図3に示した光ファイバ型波長可変フィルタにおいて、温度変化によってグレーティング特性が変化する様子を示したスペクトルである。
【図5】 本発明のノッチフィルタを用いた光増幅器モジュールの構成の一例を示した概略構成図である。
【図6】 本発明の光増幅器モジュールを用いた光通信システムの構成の一例を示した概略構成図である。
【図7】 本発明の光増幅器モジュールを用いた光通信システムの構成の他の例を示した概略構成図である。
【図8】 従来の誘電体多層膜を用いた光増幅器モジュールを導入した光通信システムの一例を示した概略構成図である。
【図9】 従来の反射型の光ファイバグレーティングを用いた光増幅器モジュールを導入した光通信システムの一例を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2、3、4…凸レンズ、5…空間フィルタ、
11…光ファイバ、12…グレーティング部、13…ヒータ、14…被覆層。

Claims (9)

  1. 光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備え、グレーティングピッチがチャープトピッチであることを特徴とする光ファイバグレーティング。
  2. 光ファイバの長さ方向に所定のグレーティングピッチでレーザ光を照射して、請求項1に記載の光ファイバグレーティングを製造する方法であって、光源から発振されるレーザ光をレンズと空間フィルタを介して光ファイバ上に集光させることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造方法。
  3. 請求項1に記載の光ファイバグレーティングを用いたことを特徴とするノッチフィルタ
  4. 請求項3に記載のノッチフィルタにおいて、透過阻止率が10〜40dBであることを特徴とするノッチフィルタ
  5. 請求項3または4に記載のノッチフィルタを用いたことを特徴とする光増幅器モジュール。
  6. 請求項に記載の光増幅器モジュールを用いたことを特徴とする光通信システム。
  7. 光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備えた光ファイバグレーティングのグレーティング部の外周上に温度変化によって屈折率が変化する透明プラスチックからなる被覆層が設けられ、該被覆層を加熱するヒータが設けられていることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタ。
  8. 光ファイバのコアに、その長さ方向にそって20〜80μmのグレーティングピッチで摂動を形成した放射型のグレーティング部を備え、グレーティングピッチがチャープトピッチである光ファイバグレーティングのグレーティング部の外周上に温度変化によって屈折率が変化する透明プラスチックからなる被覆層が設けられ、該被覆層を加熱するヒータが設けられていることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタ。
  9. 請求項またはに記載の光ファイバ型波長可変フィルタにおいて、透過阻止率が5〜40dBであることを特徴とする光ファイバ型波長可変フィルタ。
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