JP4348959B2 - Platen gap adjustment device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整するプラテンギャップ調整装置、その制御方法及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単票紙や複写紙に印刷を行うプリンタとして、ドットインパクトプリンタが知られている。
【0003】
この種のドットインパクトプリンタには、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシート(単票紙又は複写紙)の紙厚を測定し、この紙厚測定値に基づいて記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを自動調整するプラテンギャップ調整機構を備えたものがある。
【0004】
一般に、プラテンギャップ調整機構は、モータにより記録ヘッドを所定位置からプラテンに当接する位置まで移動し、その移動距離により記録ヘッドとプラテンとの間の距離を測定し、次に、記録ヘッドとプラテンとの間にシートを搬送後、記録ヘッドを所定位置からシートに当接する位置まで移動し、その移動距離により記録ヘッドとシートとの間の距離を測定し、これら測定距離の差からシートの紙厚を測定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、この種のプラテンギャップ調整機構は、記録ヘッドをプラテン側に移動させるモータの回転量を検出するリニアエンコーダを備えており、記録ヘッドがプラテン又はシートに当接した際の、このリニアエンコーダから出力されるパルス信号の位相ずれ量を検出することによって、記録ヘッドがプラテン又はシートに当接したことを検出するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−52963号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラテンが円筒形プラテンなどの場合、プラテンに搬送されたシートは曲がった状態であり、このシートに記録ヘッドを当接させると、記録ヘッドはシートの曲げ剛性(いわゆる紙のこし)に応じた反力を受け、当接位置の判定に誤差が生じてしまい、記録ヘッドとシートとの間の距離の測定値に誤差が生じてしまう。この結果、紙厚測定値に誤差が生じ、プラテンギャップを精度良く調整できない場合があった。
【0008】
また、シートの曲げ剛性は、同じ紙厚であっても、単票紙等の一枚紙か複写紙か否かによっても異なる。このため、一枚紙の場合と複写紙の場合とでは、紙厚測定値に含まれる誤差が異なるため、印字品質が変わってしまうという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、シートの剛性の影響による紙厚の測定誤差を低減し、プラテンギャップを精度良く調整することができるプラテンギャップ調整装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートの紙厚を測定する紙厚測定手段を有し、この紙厚測定手段により測定された紙厚測定値に基づいて、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整するプラテンギャップ調整装置において、前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されたシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断するシート判断手段と、前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、一枚紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、複写紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、シートを巻き付けて搬送する円筒形のプラテンと、このプラテンと記録ヘッドとの間に搬送されたシートの紙厚を測定する紙厚測定手段とを有し、この紙厚測定手段により測定された紙厚測定値に基づいて、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整するプラテンギャップ調整装置において、前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されたシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断するシート判断手段と、前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、一枚紙の曲げ剛性により生じる測定誤差分だけ補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、複写紙の曲げ剛性により生じる測定誤差分だけ補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成において、一枚紙の曲げ剛性により生じる測定誤差を補正するための第1の補正用データを予め記憶すると共に、複写紙の曲げ剛性により生じる測定誤差を補正するための第2の補正用データを予め記憶する記憶手段を有し、前記補正手段は、前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、前記第1の補正用データから得られる補正値で補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、前記第2の補正用データから得られる補正値で補正することを特徴とする。
【0040】
これらのいずれの構成によっても、シートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断し、シートが一枚紙と判断されれば、測定された紙厚測定値を、一枚紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正し、シートが複写紙と判断されれば、複写紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正することにより、シートの剛性の影響による紙厚の測定誤差を低減することが可能となる。これにより、補正された紙厚測定値に基づいて記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整することによって、プラテンギャップを精度良く調整することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
(1) 第1実施形態
図1は、本発明の記録装置の第1実施形態に係るドットインパクトプリンタ10の外装カバーを外した状態を示す斜視図であり、図2は、このプリンタ10の側断面図である。
【0042】
このプリンタ10は、記録ヘッド18が備える多数の記録ワイヤを、インクリボンを介してシートに打ち付けてドットを記録し、これにより文字を含む画像を記録する。このように、記録ワイヤを打ち付けて画像記録を行うため、このプリンタ10は、単票紙、連続紙、葉書、カットフィルムなどの一枚紙だけでなく、単票複写紙、連続複写紙、通帳などの複写紙にも画像記録が可能である。
【0043】
このドットインパクトプリンタ10は、プリンタ本体11と、プッシュトラクタユニット12と、排出ユニット13と、給紙装置34(図2に簡略的に示す)とを備えている。
【0044】
プリンタ本体11は、ベースフレーム14、シート案内フレーム15(図2参照)、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17を有し、これらフレームに、記録ヘッド18およびキャリッジ19を備える印刷機構部20と、プラテン21、シート案内22及びピンチローラ25(図2参照)を備えたシート搬送機構部23とが支持されて構成される。
【0045】
キャリッジ19は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に回転可能に架け渡されたキャリッジガイド軸24に摺動自在に挿通され、キャリッジ駆動モータ(図示せず)の回転により、タイミングベルト31(図2参照)を介してキャリッジガイド軸24の軸方向と一致する主走査方向(矢印A方向又は矢印B方向)に往復移動する。
【0046】
記録ヘッド18は、キャリッジ19に載置され、キャリッジ19と共に主走査方向に移動し、多数の記録ワイヤ(不図示)を、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に回転可能に支持されたプラテン21に向けて打ち出す。この記録ヘッド18とプラテン21との間には、インクリボンカセット38(図1及び図2に二点鎖線で示す)からのインクリボンが巻き回されており、これにより、記録ヘッド18から打ち出された記録ワイヤは、インクリボンを介してプラテン21に搬送されたシートに当接し、インクリボンのインクをシートに付着させ、文字を含む画像を記録する。
【0047】
プッシュトラクタユニット12は、このプリンタ10に使用可能な紙種のうち連続シート(連続紙、連続複写紙など)をシート搬送機構部23に給送する。すなわち、プッシュトラクタユニット12は、連続シートを、トラクタベルト26の回転によりこのトラクタベルト26のピン27の作用で矢印α方向に搬送してシート案内22へ送り出す。
【0048】
また、給紙装置34は、所定長さにカットされたカットシート(単票紙、単票複写紙など)を1枚ずつシート搬送機構部23に給送する。すなわち、給紙装置34は、カットシートを、一枚ずつ(又は一綴りずつ)矢印β方向に送ってシート案内22へ送り出す。
【0049】
また、排出ユニット13は、プッシュトラクタユニット12及び給紙装置34から給紙され、シート案内22とプラテン21との間に搬送されたシート(連続シート又はカットシート)を、排出ローラ29の回転により矢印γ方向に引き出す。
【0050】
なお、このプリンタ10においては、プラテン21の下方にボトムシート供給口32が形成され、ボトムシート供給口32からも連続シートを記録ヘッド18とプラテン21との間に搬送可能に構成されている。
【0051】
次に、この記録ヘッド18による記録動作について簡単に説明する。記録ヘッド18は、記録ヘッド18とプラテン21との間に搬送されたシートに対し、キャリッジ19が主走査方向に走行される間に、記録ワイヤの打ち出しにより一行分の記録を行う。そして、この一行分の記録がなされる度に、シートが所定長(通常行間分)搬送され、次行文の記録を行う。これらの動作が繰り返されることにより、複数行分の記録が実施される。
【0052】
さて、このプリンタ10においては、供給されたシートの紙厚を測定し、この紙厚測定値に応じて、記録ヘッド18とプラテン21との間のプラテンギャップを調整するプラテンギャップ調整機構30が装備されている。図3は、このプラテンギャップ調整機構30を周辺構成と共に示す図である。
【0053】
このプラテンギャップ調整機構30は、記録ヘッド18をプラテン21側又はその反対側に移動させるためのプラテンギャップ調整用モータ53及び減速機構55等と、プラテンギャップ調整用モータ53の回転量を検出するロータリーエンコーダ50(パルス信号出力手段)と、制御基板部100とから概略構成されている。
【0054】
プラテンギャップ調整用モータ53は、ステッピングモータが用いられ、減速機構55を介してキャリッジガイド軸24を回転させる。このキャリッジガイド軸24には、偏心軸43が固定され、この偏心軸43に上記キャリッジ19が挿通されている。これにより、プラテンギャップ調整用モータ53の正転又は逆転により偏心軸43が回転すると、キャリッジ19が、偏心軸43の偏心量Lに対応する量(例えばL=1mmの場合には、2mm)だけプラテン21側又はその反対側(矢印δ方向)に移動し、記録ヘッド18とプラテン21との間の距離(プラテンギャップ)が変更される。
【0055】
この記録ヘッド18の最大移動範囲は、記録ヘッド18の前面がプラテン21に当接する位置から、キャリッジ19がキャリッジ補助軸43aに当接する位置(以下、基準位置という。)までである。また、マイクロスイッチ58は、記録ヘッド18が基準位置に位置したときにキャリッジ19が当接してオンに切り替わるスイッチである。
【0056】
ロータリーエンコーダ50は、プラテンギャップ調整用モータ53の軸53aと一体的に回転するスリット板56と、このスリット板56を挟んで、発光ダイオードとフォトダイオードとが対向配置された投受光器57とから構成される。これにより、ロータリーエンコーダ50は、プラテンギャップ調整用モータ53が回転すると、スリット板56により発光ダイオードからフォトダイオードへの光路が断続的に遮断されることにより、パルス信号SAを出力する。これにより、ロータリーエンコーダ50は、プラテンギャップ調整用モータ53の回転速度に対応する周期のパルス信号SAを出力する。言い換えれば、ロータリーエンコーダ50は、プラテンギャップ調整用モータ53によって移動される記録ヘッド18の移動量に対応するパルス数のパルス信号SAを出力する。
【0057】
さて、制御基板部100は、このプラテンギャップ調整機構30を含むプリンタ10全体の制御を行うものであり、以下、その構成を詳述する。
【0058】
制御基板部100において、制御部102は、CPUを備え、この制御基板部100の各部を中枢的に制御する。また、記憶部118は、制御部102によって実行される各種制御プログラムや後述する第1の補正データD1及び第2の補正データD2などが記憶されている。ここで、制御プログラムには、印刷制御用プログラム、プラテンギャップ調整用プログラム等がある。
【0059】
インターフェース(I/F)104は、通信ケーブル(不図示)を経由して接続された外部装置(コンピュータなど)との間で通信を行う。これにより、制御部102は、このインターフェース104を介して、外部装置から印刷データを受信したり、プリンタ10の各種情報(設定情報や紙残量など)を外部装置に送信することができる。また、モータ駆動部106は、プラテンギャップ調整用モータ53などの各種モータの駆動用パルス信号を生成することにより、各種モータを駆動させる。図3においては、プラテンギャップ調整用モータ53の駆動用パルス信号を符号SBを付して示している。
【0060】
また、記録ヘッド駆動部108は、記録ヘッド18の駆動用信号を生成することにより、記録ヘッド18を駆動する。
【0061】
位相ずれ量検出部110(位相ずれ量検出手段)は、ロータリーエンコーダ50からのパルス信号SAの位相ずれ量SZを検出する。ここで、パルス信号SAに位相ずれが生じる場合とは、プラテンギャップ調整用モータ53が一定速度で回転しない場合であり、本実施形態で係る場合が生じるのは、該モータ53により移動中の記録ヘッド18が、プラテン21又はシートに当接してプラテンギャップ調整用モータ53の回転速度が落ちた場合である。なお、本実施形態の位相ずれ量検出部110は、ロータリーエンコーダ50からのパルス信号SAの周期と、プラテンギャップ調整用モータ53の駆動用パルス信号SBの周期との時間差を検出することによって、パルス信号SAの位相ずれ量SZを検出するようにしている。
【0062】
位相ずれ量積分部112は、位相ずれ量検出部110によって検出された位相ずれ量SZの積分値を求め、当接判定部114に出力する。
【0063】
当接判定部114は、入力した積分値が、記録ヘッド18がプラテン21又はシートに当接したと判断される予め定めた値、例えば、駆動用パルス信号SBの周期の1/2以下(具体的には1.5ミリ秒など)に一致するか否かを判定し、一致すると判定すると、その旨を紙厚算出部116に通知する。
【0064】
紙厚算出部116は、マイクロスイッチ58がオンに切り替わったタイミングを起点としてロータリーエンコーダ50からのパルス信号SAの計数を開始し、当接判定部114から当接が通知された時点の計数値を算出する。これにより、紙厚算出部116は、プラテン21上にシートが存在しない場合は、記録ヘッド18が基準位置からプラテン21に当接する位置まで移動した距離に相当するパルス計数値(以下、第1のパルス計数値という。)を算出する一方、プラテン21上にシートが存在する場合は、記録ヘッド18が基準位置からプラテン21上のシートに当接する位置まで移動した距離に相当するパルス計数値(以下、第2のパルス計数値という。)を算出する。また、紙厚算出部116は、上記第1のパルス計数値と第2のパルス計数値とを取得すると、これら2つのパルス計数値の差をシートの紙厚として求め、求めた紙厚測定値を制御部102に通知する。
【0065】
ところで、図2に符号Sにてシートの搬送経路を示すように、本実施形態のプリンタ10では、プラテン21が円筒形プラテンであり、記録ヘッド18とプラテン21との間に搬送されたシートが曲がった状態である。このため、記録ヘッド18とシートとの間の距離を測定すべく、シートに記録ヘッド18を当接させてもシートの曲げ剛性(いわゆる紙のこし)に応じた反力を受け、当接位置の判定に誤差が生じる。このため、紙厚算出部116によって算出された紙厚測定値にはシートの曲げ剛性の影響による誤差を含んでいる。
【0066】
ここで、図4は、紙厚と紙の曲げ剛性との関係を示す図である。この図においては、一枚紙の場合(図中実線で示す。)と、複写紙の場合(図中波線で示す。)を示している。同図に示すように、紙の曲げ剛性は紙厚が大きいほど大きく、また、一枚紙と複写紙とでは、同じ紙厚でも一枚紙の方が曲げ剛性が強い。
【0067】
本実施形態では、プラテンギャップ調整時に、シートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断し、この判断結果に応じて、その紙厚測定値の誤差を補正し、補正後の紙厚値に応じてプラテンギャップを調整するようにしている。より具体的には、図4に示すように、紙厚の範囲を、複写紙の最低紙厚値Lに測定ばらつき(+X、−X)分の幅を持たせた範囲SM(以下、基準範囲SMという。)と、一枚紙のみの紙厚範囲となる、基準範囲SMの下限値よりも小さい値の範囲SSと、基準範囲SMの上限値よりも大きい値の範囲SLとに分け、制御部102が、紙厚算出部116から取得した紙厚測定値がいずれの範囲に該当するかに応じて、その紙厚測定値の誤差を補正し、補正後の紙厚値に応じてプラテンギャップを調整するようになっている。
【0068】
また、本実施形態では、制御基板部100の記憶部118に、一枚紙の紙厚を測定した場合の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第1の補正データD1と、複写紙の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第2の補正データD2とが格納される。この第1の補正用データD1としては、例えば、一枚紙の紙厚測定値と、この紙厚測定値に含まれる測定誤差の補正値とを対応づけたテーブル、又は、一枚紙の紙厚測定値から上記補正値を得るための演算式が適用される。また、第2の補正用データD2としては、複写紙の紙厚測定値と、この紙厚測定値に含まれる測定誤差の補正値とを対応づけたテーブル、又は、複写紙の紙厚測定値から上記補正値を得るための演算式が適用される。
【0069】
以下、本実施形態に係るプリンタ10のプラテンギャップ調整処理について説明する。図5及び図6は、プラテンギャップ調整処理のフローチャートである。このプラテンギャップ調整処理は、カットシートの記録時においては一枚毎に実行され、連続シートの記録時においては、記録開始時に一回又は間隔をあけて実行される処理である。
【0070】
まず、制御部102は、記録ヘッド18とプラテン21との間の距離を測定する(ステップS1)。具体的には、制御部102は、記録ヘッド18とプラテン21との間にシートを搬送していない状態で、記録ヘッド18を基準位置に移動させた後、記録ヘッド18を、当接判定部114によってプラテン21への当接が検出されるまで移動することにより、紙厚算出部116からこの移動距離に対応する第1のパルス計数値を取得する。
【0071】
次に、制御部102は、記録ヘッド18とシートとの間の距離を測定する(ステップS2)。具体的には、記録ヘッド18とプラテン21との間にシートを搬送し、記録ヘッド18を基準位置に移動させた後、記録ヘッド18を、当接判定部114によってシートへの当接が検出されるまで移動することにより、紙厚算出部116からこの移動距離に対応する第2のパルス計数値を取得する。
【0072】
次に、制御部102は、上記の処理で取得した第1のパルス計数値と第2のパルス計数値の差を求めることにより、シートの紙厚測定値を求める(ステップS3)。つまり、制御部102は、記録ヘッド18とプラテン21との間の距離と、記録ヘッド18とシートとの間の距離との差から、シートの紙厚を求めるのである。
【0073】
次に、制御部102は、この紙厚測定値が、上記基準範囲SM内の値、若しくは、上記範囲SS内の値、又は、上記範囲SL内の値のいずれに該当するかを判断する(ステップS4)。
【0074】
このステップS4の判断において、紙厚測定値が範囲SS内の値と判断した場合、シートが一枚紙と判断できるため(図4参照)、制御部102は、記憶部118に記憶された第1の補正データD1に基づき、この紙厚測定値に対応する、一枚紙の紙厚測定時の測定誤差の補正値D1Aを取得する(ステップS5)。そして、制御部102は、取得した補正値D1Aによって紙厚測定値を補正する(ステップS6)。これにより、このシートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほぼ完全になくした紙厚補正値を得ることができる。
【0075】
一方、ステップS4の判断において、紙厚測定値が範囲SM内の値と判断した場合、シートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかは正確に判断できないおそれがある。但し、係る範囲では、図4に示すように、シートが一枚紙又は複写紙のいずれであっても紙の曲げ剛性はほぼ同様であり、曲げ剛性による測定誤差はほぼ同様と見なすことができる。このため、制御部102は、記憶部118に記憶された第1の補正データD1に基づき、この紙厚測定値に対応する一枚紙の紙厚測定時の測定誤差の補正値D1Aを取得すると共に、第2の補正データD2に基づき、この紙厚測定値に対応する複写紙の紙厚測定時の測定誤差の補正値D2Aを取得し(ステップS7)、ステップS6の処理において、これら補正値D1Aと補正値D2Aとの間にある中間値(例えば、平均値)に基づいて紙厚測定値を補正する。これにより、このシートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほぼ低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0076】
また、ステップS4の判断において、紙厚測定値が範囲SL内の値と判断した場合、制御部102は、シートが一枚紙か複写紙か否かを判別すべく、シート種判別処理を実行する(ステップS8)。ここで、図7は、このシート種判別処理を示すフローチャートである。
【0077】
このシート種判別処理において、制御部102(シート判断手段)は、プラテンギャップ調整用モータ53を、上記ステップS1又はS2における距離測定時のモータトルクより小さいモータトルクで駆動して記録ヘッド18を移動し、プラテン21に搬送されたままのシートに当接させる(ステップS8A)。このとき、制御部102は、位相ずれ量検出部110によって検出されるパルス信号SAの位相ずれ量の傾き(単位時間当たりの変化量)を繰り返し算出し、当接判定部114によって記録ヘッド18がシートに当接したと判断される時点のパルス信号SAの位相ずれ量の傾きを取得する(ステップS8B)。
【0078】
次いで、制御部102は、この取得したパルス信号SAの位相ずれ量の傾きに応じてシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断する(ステップS8C)。すなわち、当接時点の位相ずれ量の傾きは、シートの曲げ剛性が複写紙よりも強い一枚紙の方が、複写紙の場合よりも急となるため、この傾きによりシートが一枚紙か複写紙か否かを判断することができる。なお、モータトルクを小さくしたのは、シートの曲げ剛性の影響が位相ずれ量に顕著に反映するようにするためであり、シートの曲げ剛性の影響が位相ずれ量に十分反映されていれば、モータトルクは変更しなくてもよい。以上がシート種判別処理の内容である。
【0079】
次に、上記シート種判別処理によって、シートが一枚紙であると判断されれば(ステップS9)、制御部102は、記憶部118に記憶された第1の補正データD1に基づき、ステップS3で得た紙厚測定値に対応する、一枚紙の紙厚測定時の測定誤差の補正値D1Aを取得し(ステップS10)、ステップS6の処理において、この補正値D1Aによって紙厚測定値を補正する。一方、シートが複写紙であると判断されれば(ステップS9)、制御部102は、記憶部118に記憶された第2の補正データD2に基づき、ステップS3で得た紙厚測定値に対応する、一枚紙の紙厚測定時の測定誤差の補正値D2Aを取得し(ステップS11)、ステップS6の処理において、この補正値D2Aによって紙厚測定値を補正する。これにより、このシートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほぼ完全になくした紙厚補正値を得ることができる。
【0080】
このようにして、シートの曲げ剛性の影響により測定誤差をほぼ完全になくした紙厚補正値を得ると、制御部102は、記録ヘッドとシートとの間の距離を予め定めた距離に設定すべく、この紙厚補正値に基づいて記録ヘッド18とプラテン21との間の距離であるプラテンギャップを設定し、プラテンギャップ調整用モータを駆動してこのプラテンギャップに調整する(ステップS12)。なお、上述したように、本実施形態では、制御部102が、シートが一枚紙か複写紙か否かを判別するシート判断手段、紙厚測定値を補正する補正手段として機能している。
【0081】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ10においては、紙厚測定値に基づいてシートが一枚紙か複写紙か否かを判別し、一枚紙の紙厚と判断した場合には、一枚紙の紙厚を測定した場合の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第1の補正データD1から得られる補正値D1Aによって紙厚測定値の誤差を補正し、複写紙と判断した場合には、複写紙の紙厚を測定した場合の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第2の補正データD2から得られる補正値D2Aによって紙厚測定値の誤差を補正する。これにより、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほとんど低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0082】
また、紙厚測定値が、複写紙が複写紙の最低紙厚値Lに測定ばらつき分の幅を持たせた範囲SM内の値の場合には、測定ばらつきを考慮すると、シートが一枚値又は複写紙のいずれであるかは正確に判断できないおそれがある。このため、本実施形態のプリンタ10では、係る範囲では、一枚値又は複写紙のいずれであっても紙の曲げ剛性による測定誤差はほぼ同様と見なし、第1の補正データD1から得られる補正値D1Aと、第2の補正データD2から得られる補正値D2Aの間にある中間値に基づいて紙厚測定値の誤差を補正する。これにより、係る場合でも、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差を低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0083】
この結果、本実施形態のプリンタ10においては、この紙厚補正値に応じてプラテンギャップを調整することにより、プラテンギャップを精度良く調整することができ、印字品質を良好にすることができ、かつ、一枚紙と複写紙とでの記録品質の違いを低減することができる。
(2) 第2実施形態
ところで、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差は、シートの搬送経路の違いによるプラテン上でのシートの曲がりの度合いなどによっても異なる。
【0084】
第2の実施形態に係るドットインパクトプリンタ10Aは、このシートの搬送経路の違いによる測定誤差についても補正できるようにした点が第1実施形態に係るプリンタ10と異なる。それ以外の点は第1実施形態に係るプリンタ10とほぼ同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0085】
図8は、第2実施形態に係るドットインパクトプリンタ10Aの側断面図である。このプリンタ10Aは、プッシュトラクタユニット12が、プラテン21の前方側の斜め下方と、後方側斜め下方とに配置されており、各プッシュトラクタユニット12から連続シートが給紙されるように構成されている。また、このプリンタ10Aの後方には、給紙装置34A(給紙装置34に対応)が配置され、カットシートが後方から給紙可能に構成されている。
【0086】
また、このプリンタ10Aの制御基板部100の記憶部118には、印刷制御用プログラム、プラテンギャップ調整用プログラム等の各種制御プログラムと、第1及び第2の補正データD1及びD2と、シート搬送経路毎の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第3の補正データD3とが記憶されている。
【0087】
ここで、この第3の補正データD3は、このプリンタ10Aの3つのシート搬送経路SK1、SK2、SK3のそれぞれについての紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための補正値D3Aを得るためのデータであり、例えば、各シート搬送経路SK1、SK2、SK3毎に、紙厚測定値と補正値D3Aとを対応づけたテーブル、又は、紙厚測定値から補正値D3Aを得るための演算式が適用される。
【0088】
次に、プラテンギャップ調整処理について説明する。図9及び10は、プラテンギャップ調整処理のフローチャートである。ステップS1からステップS11までの処理は、上記第1実施形態に係る動作と同一であるため、説明は省略する。
【0089】
このステップS11までの処理によりシートの曲げ剛性の影響により測定誤差を低減した紙厚補正値を得ると(ステップS6)、次に、制御部102は、記憶部118に記憶された第3の補正データD3に基づき、そのシートの紙厚測定値及びシート搬送経路に対応する、測定誤差の補正値D3Aを取得し、この補正値D3Aによって紙厚補正値をさらに補正する(ステップS6A)。これにより、シートの曲げ剛性の影響よる測定誤差をシート経路毎に低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0090】
そして、制御部102は、このステップS6Aの処理で得られた紙厚補正値に基づいて記録ヘッド18とプラテン21との間の距離であるプラテンギャップを設定し、プラテンギャップ調整用モータ53を駆動してこのプラテンギャップに調整する(ステップS12)。
【0091】
以上説明したように、第2実施形態に係るプリンタ10Aにおいては、紙厚測定値に基づいてシートが一枚紙か複写紙か否かを判別し、一枚紙の紙厚と判断した場合には、一枚紙の紙厚を測定した場合の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第1の補正データD1から得られる補正値D1Aによって紙厚測定値の誤差を補正し、複写紙と判断した場合には、複写紙の紙厚を測定した場合の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第2の補正データD2から得られる補正値D2Aによって紙厚測定値の誤差を補正した後、シート搬送経路毎の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第3の補正データD3に基づき、シート搬送経路毎のシートの曲げ剛性の影響の違いによる測定誤差を補正する。これにより、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほとんど低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0092】
また、紙厚測定値が、複写紙が複写紙の最低紙厚値Lに測定ばらつき分の幅を持たせた範囲SM内の値の場合には、測定ばらつきを考慮すると、シートが一枚値又は複写紙のいずれであるかは正確に判断できないおそれがある。このため、本実施形態のプリンタ10では、係る範囲では、一枚値又は複写紙のいずれであっても紙の曲げ剛性による測定誤差はほぼ同様と見なし、第1の補正データD1から得られる補正値D1Aと、第2の補正データD2から得られる補正値D2Aの間にある中間値に基づいて紙厚測定値の誤差を補正し、その後、シート搬送経路毎の紙の曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するための第3の補正データD3に基づき、シート搬送経路毎のシートの曲げ剛性の影響の違いによる測定誤差を補正する。これにより、係る場合でも、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差をほとんど低減した紙厚補正値を得ることができる。
【0093】
このように、第2実施形態に係るプリンタ10Aにおいては、シートが一枚紙か複写紙か否かに応じてだけでなく、シートの搬送経路に応じてシートの曲げ剛性の影響による測定誤差を補正するので、第1実施形態に係るプリンタ10と比較して、さらに、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差を低減した紙厚補正値を得ることができる。この結果、プラテンギャップを精度良く調整することができ、印字品質を良好にすることができ、かつ、一枚紙と複写紙とでの記録品質の違い及びシート搬送経路の違いによる記録品質の違いを低減することができる。
【0094】
なお、上述の各実施形態では、紙厚測定値が、複写紙の最低紙厚値Lに測定ばらつきに相当する幅を持たせた範囲SMの下限値より小さい場合にシートが一枚紙と判断する場合について述べたが、複写紙の最低紙厚値Lに幅を持たせなくてもよく、例えば、紙厚測定値が、複写紙の最低紙厚値Lより小さい値の場合は、シートが一枚紙と判断するようにしてもよい。
【0095】
また、上述の各実施形態では、紙厚測定値が、上記基準範囲SMよりも大きい値の場合には、プラテンギャップ調整用モータ53の回転速度に対応する周期のパルス信号SAの位相ずれ量の傾き(単位時間当たりの変化量)を取得し、その傾きに応じてシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断する処理(ステップS8の処理)を行う場合について述べたが、この処理を省略し、一枚紙又は複写紙のいずれであるかの判断を行わないようにしてもよい。この場合、紙厚測定値が範囲SL内の値であっても、基準範囲SM内の値であった場合と同様に、紙厚測定値が基準範囲SM内の場合と同様に、第1の補正データD1から得られる補正値D1Aと、第2の補正データD2から得られる補正値D2Aの間にある中間値に基づいて紙厚測定値の誤差を補正すればよい。このようにすれば、簡易な処理で、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差を低減することができる。
【0096】
なお、このようにステップS8の処理を省略する場合は、紙厚測定値が範囲SL内の値か基準範囲SM内の値かを判別する必要はなくなるため、ステップS4の処理を、紙厚測定値が範囲SLの下限値よりも小さい値か否か、若しくは、紙厚測定値が複写紙の最低紙厚値Lより小さい値が否かを判断する処理に置き換えてもよい。これにより、一層、簡易な処理で、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差を低減することができる。
【0097】
また、上述の各実施形態では、上記第1〜第3の補正データD1〜D3がシートの曲げ剛性の影響による測定誤差だけを補正するためのデータとして述べたが、シートの曲げ剛性の影響による測定誤差の補正用データに限定する必要はなく、シートの面に対する剛性の影響による測定誤差を補正するためのデータとしてもよい。この場合、シートがプラテンに巻き付かないフラットベットのプリンタにおいても、紙厚の測定誤差を低減することができる。例えば、これら補正データに、実測又はシミュレーションによって得た様々な要因の測定誤差を補正するためのデータを適用すればよい。このように、本発明は、シートの様々な剛性の影響による測定誤差を低減する場合に適用が可能である。
【0098】
また、上述の各実施形態では、本発明を円筒形プラテンを用いた記録装置に適用する場合について述べたが、これに限定されず、例えば、平プラテンを用いた記録装置にも適用可能である。
【0099】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、シートの剛性の影響による紙厚の測定誤差を低減し、プラテンギャップを精度良く調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の第1実施形態に係るドットインパクトプリンタ10の外装カバーを外した状態を示す斜視図である。
【図2】同プリンタの側断面図である。
【図3】同プリンタのプラテンギャップ調整機構を周辺構成と共に示す図である。
【図4】紙厚と紙の曲げ剛性との関係を示す図である。
【図5】同プリンタのプラテンギャップ調整処理のフローチャートである。
【図6】図5の続きのフローチャートである。
【図7】同プリンタのシート種判別処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るドットインパクトプリンタの側断面図である。
【図9】同プリンタのプラテンギャップ調整処理のフローチャートである。
【図10】図9の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
10、10A ドットインパクトプリンタ(記録装置)
11 プリンタ本体
12 プッシュトラクタユニット
13 排出ユニット
18 記録ヘッド
19 キャリッジ
21 プラテン
30 プラテンギャップ調整機構
50 ロータリーエンコーダ
53 プラテンギャップ調整用モータ
100 制御基板部
110 位相ずれ量検出部
112 位相ずれ量積分部
114 当接判定部
116 紙厚算出部
118 記憶部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a platen gap adjusting device that adjusts a platen gap between a recording head and a platen, a control method therefor, and a recording device.
[0002]
[Prior art]
A dot impact printer is known as a printer that performs printing on a cut sheet or a copy sheet.
[0003]
In this type of dot impact printer, the thickness of a sheet (cut sheet or copy paper) conveyed between the recording head and the platen is measured, and the recording head and the platen are measured based on the measured thickness. Some have a platen gap adjustment mechanism that automatically adjusts the platen gap therebetween.
[0004]
In general, the platen gap adjustment mechanism moves the recording head from a predetermined position to a position where it abuts the platen by a motor, measures the distance between the recording head and the platen by the moving distance, and then After the sheet is conveyed, the recording head is moved from a predetermined position to a position where it comes into contact with the sheet. (For example, refer to Patent Document 1).
[0005]
Here, this type of platen gap adjustment mechanism includes a linear encoder that detects the amount of rotation of a motor that moves the recording head to the platen side, and this linear encoder when the recording head contacts the platen or sheet. By detecting the phase shift amount of the pulse signal output from the recording head, it is detected that the recording head is in contact with the platen or the sheet.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-52963
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the platen is a cylindrical platen or the like, the sheet conveyed to the platen is bent, and when the recording head is brought into contact with the sheet, the recording head responds to the bending rigidity (so-called paper strain) of the sheet. Due to the reaction force, an error occurs in the determination of the contact position, and an error occurs in the measured value of the distance between the recording head and the sheet. As a result, an error occurs in the paper thickness measurement value, and the platen gap may not be adjusted accurately.
[0008]
In addition, the bending rigidity of the sheet varies depending on whether the sheet thickness is the same or whether the sheet is a single sheet or a copy sheet. For this reason, there is also a problem that the print quality is changed because the error included in the measured paper thickness is different between the case of a single sheet and the case of a copy sheet.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to solve the above-described problems of the prior art, reduce a measurement error of the paper thickness due to the influence of sheet rigidity, and accurately adjust the platen gap. Place It is to provide.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention described in
[0011]
The invention according to
[0012]
According to a third aspect of the present invention, in the configuration of the second aspect, the first correction data for correcting the measurement error caused by the bending rigidity of the sheet is stored in advance, and the copy paper Storage means for preliminarily storing second correction data for correcting a measurement error caused by bending rigidity, and when the sheet determination means determines that the sheet is a single sheet, When the paper thickness measurement value measured by the paper thickness measurement means is corrected with a correction value obtained from the first correction data, when the sheet determination means determines that the sheet is copy paper, the paper thickness The paper thickness measurement value measured by the measuring means is corrected with a correction value obtained from the second correction data.
[0040]
In any of these configurations, it is determined whether the sheet is a single sheet or a copy sheet, and if the sheet is determined to be a single sheet, the measured paper thickness measurement value is used as the rigidity of the single sheet. If the sheet is determined to be copy paper, the measurement error caused by the rigidity of the copy paper is corrected to reduce the measurement error of the paper thickness due to the effect of the sheet rigidity. It becomes possible. Thereby, the platen gap can be adjusted with high accuracy by adjusting the platen gap between the recording head and the platen based on the corrected measured paper thickness.
[0041]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings as appropriate. In addition, this invention is not limited to this embodiment, A various change is possible within the range of the technical thought.
(1) First embodiment
FIG. 1 is a perspective view showing a state in which an exterior cover of a
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
The printer
[0045]
The
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
In addition, the
[0049]
The
[0050]
In the
[0051]
Next, a recording operation by the
[0052]
The
[0053]
The platen
[0054]
The platen
[0055]
The maximum movement range of the
[0056]
The
[0057]
The
[0058]
In the
[0059]
The interface (I / F) 104 performs communication with an external device (such as a computer) connected via a communication cable (not shown). Accordingly, the
[0060]
Further, the recording head drive unit 108 drives the
[0061]
The phase shift amount detection unit 110 (phase shift amount detection means) detects the phase shift amount SZ of the pulse signal SA from the
[0062]
The phase shift
[0063]
The
[0064]
The paper
[0065]
By the way, as shown in FIG. 2 by a symbol S, a sheet conveyance path is shown. In the
[0066]
Here, FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the paper thickness and the bending rigidity of the paper. In this figure, the case of a single sheet (indicated by a solid line in the figure) and the case of a copy sheet (indicated by a wavy line in the figure) are shown. As shown in the figure, the bending rigidity of the paper increases as the paper thickness increases, and the single paper and the copy paper have the same bending thickness and the bending rigidity of the single paper is stronger.
[0067]
In the present embodiment, at the time of adjusting the platen gap, it is determined whether the sheet is a single sheet or a copy sheet, and an error in the measured paper thickness is corrected according to the determination result, and the corrected paper thickness The platen gap is adjusted according to the value. More specifically, as shown in FIG. 4, the paper thickness range is a range SM (hereinafter referred to as a reference range) in which the minimum paper thickness value L of the copy paper has a width corresponding to measurement variation (+ X, −X). SM)) and a range SS of a value that is smaller than the lower limit value of the reference range SM, and a range SL that is larger than the upper limit value of the reference range SM. The
[0068]
In the present embodiment, the
[0069]
Hereinafter, the platen gap adjustment process of the
[0070]
First, the
[0071]
Next, the
[0072]
Next, the
[0073]
Next, the
[0074]
If it is determined in step S4 that the measured paper thickness value is within the range SS, the
[0075]
On the other hand, if it is determined in step S4 that the measured thickness value is within the range SM, it may not be possible to accurately determine whether the sheet is a single sheet or a copy sheet. However, within such a range, as shown in FIG. 4, the bending stiffness of the paper is almost the same regardless of whether the sheet is a single sheet or a copy paper, and the measurement error due to the bending stiffness can be regarded as almost the same. . For this reason, the
[0076]
If it is determined in step S4 that the measured paper thickness value is within the range SL, the
[0077]
In this sheet type determination process, the control unit 102 (sheet determination means) moves the
[0078]
Next, the
[0079]
Next, if it is determined by the sheet type determination process that the sheet is a single sheet (step S9), the
[0080]
In this way, when the paper thickness correction value is obtained in which the measurement error is almost completely eliminated due to the influence of the bending rigidity of the sheet, the
[0081]
As described above, in the
[0082]
Further, when the measured paper thickness is a value within the range SM in which the copy paper has a width corresponding to the measurement variation to the minimum paper thickness value L of the copy paper, the sheet is a single value in consideration of the measurement variation. Or, it may be impossible to accurately determine whether the copy paper is used. For this reason, in the
[0083]
As a result, in the
(2) Second embodiment
Incidentally, the measurement error due to the influence of the bending rigidity of the sheet also varies depending on the degree of bending of the sheet on the platen due to the difference in the sheet conveyance path.
[0084]
The
[0085]
FIG. 8 is a side sectional view of a
[0086]
The
[0087]
Here, the third correction data D3 is used to obtain a correction value D3A for correcting a measurement error due to the influence of the bending rigidity of the paper for each of the three sheet conveyance paths SK1, SK2, and SK3 of the
[0088]
Next, the platen gap adjustment process will be described. 9 and 10 are flowcharts of the platen gap adjustment process. Since the process from step S1 to step S11 is the same as the operation | movement which concerns on the said 1st Embodiment, description is abbreviate | omitted.
[0089]
When the paper thickness correction value in which the measurement error is reduced due to the influence of the bending rigidity of the sheet is obtained by the processing up to step S11 (step S6), the
[0090]
Then, the
[0091]
As described above, in the
[0092]
Further, when the measured paper thickness is a value within the range SM in which the copy paper has a width corresponding to the measurement variation to the minimum paper thickness value L of the copy paper, the sheet is a single value in consideration of the measurement variation. Or, it may be impossible to accurately determine whether the copy paper is used. For this reason, in the
[0093]
As described above, in the
[0094]
In each of the above-described embodiments, the sheet is determined to be a single sheet when the measured value of the paper thickness is smaller than the lower limit value of the range SM in which the minimum paper thickness value L of the copy paper has a width corresponding to the measurement variation. Although the minimum paper thickness value L of the copy paper does not have to have a width, for example, when the measured value of the paper thickness is smaller than the minimum paper thickness value L of the copy paper, the sheet You may make it judge that it is a sheet of paper.
[0095]
In each of the above-described embodiments, when the paper thickness measurement value is larger than the reference range SM, the phase shift amount of the pulse signal SA having a period corresponding to the rotation speed of the platen
[0096]
When the processing in step S8 is omitted in this way, it is not necessary to determine whether the measured paper thickness value is in the range SL or the reference range SM, and therefore the processing in step S4 is performed as the paper thickness measurement value. It may be replaced with a process for determining whether or not the value is smaller than the lower limit value of the range SL, or whether or not the paper thickness measurement value is smaller than the minimum paper thickness value L of the copy paper. Thereby, the measurement error due to the influence of the bending rigidity of the sheet can be reduced by a simpler process.
[0097]
In each of the above-described embodiments, the first to third correction data D1 to D3 are described as data for correcting only the measurement error due to the influence of the sheet bending rigidity. It is not necessary to limit to measurement error correction data, and it may be data for correcting measurement errors due to the influence of rigidity on the sheet surface. In this case, even in a flatbed printer in which the sheet does not wind around the platen, the measurement error of the paper thickness can be reduced. For example, data for correcting measurement errors of various factors obtained by actual measurement or simulation may be applied to these correction data. As described above, the present invention can be applied to the case where the measurement error due to the influence of various rigidity of the sheet is reduced.
[0098]
In each of the above-described embodiments, the case where the present invention is applied to a recording apparatus using a cylindrical platen has been described. However, the present invention is not limited to this. For example, the present invention can also be applied to a recording apparatus using a flat platen. .
[0099]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the measurement error of the paper thickness due to the influence of the sheet rigidity can be reduced, and the platen gap can be adjusted with high accuracy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a state in which an exterior cover of a
FIG. 2 is a side sectional view of the printer.
FIG. 3 is a view showing a platen gap adjusting mechanism of the printer together with a peripheral configuration.
FIG. 4 is a diagram illustrating a relationship between paper thickness and paper bending rigidity.
FIG. 5 is a flowchart of platen gap adjustment processing of the printer.
FIG. 6 is a flowchart continued from FIG. 5;
FIG. 7 is a flowchart illustrating sheet type determination processing of the printer.
FIG. 8 is a side sectional view of a dot impact printer according to a second embodiment.
FIG. 9 is a flowchart of platen gap adjustment processing of the printer.
FIG. 10 is a flowchart continued from FIG. 9;
[Explanation of symbols]
10, 10A dot impact printer (recording device)
11 Printer body
12 Push tractor unit
13 Discharge unit
18 Recording head
19 Carriage
21 Platen
30 Platen gap adjustment mechanism
50 Rotary encoder
53 Platen gap adjustment motor
100 Control board
110 Phase shift amount detection unit
112 Phase shift amount integration unit
114 Contact determination unit
116 Paper thickness calculator
118 Storage unit
Claims (3)
前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されたシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断するシート判断手段と、
前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、一枚紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、複写紙の剛性により生じる測定誤差分だけ補正する補正手段と
を備えることを特徴とするプラテンギャップ調整装置。A paper thickness measuring means for measuring the paper thickness of the sheet conveyed between the recording head and the platen, and based on the measured paper thickness measured by the paper thickness measuring means, between the recording head and the platen; In the platen gap adjusting device for adjusting the platen gap of
Sheet determining means for determining whether a sheet conveyed between the recording head and the platen is a single sheet or a copy sheet;
When the sheet determination unit determines that the sheet is a single sheet, the sheet thickness measurement value measured by the paper thickness measurement unit is corrected by a measurement error caused by the rigidity of the single sheet, while the sheet determination A platen gap adjusting device, comprising: a correction unit configured to correct a measurement error caused by the rigidity of the copy paper when the sheet is determined to be copy paper by the means.
前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されたシートが一枚紙又は複写紙のいずれであるかを判断するシート判断手段と、
前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、一枚紙の曲げ剛性により生じる測定誤差分だけ補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、複写紙の曲げ剛性により生じる測定誤差分だけ補正する補正手段と
を備えることを特徴とするプラテンギャップ調整装置。A paper having a cylindrical platen wound around and conveyed, and a paper thickness measuring means for measuring the thickness of the sheet conveyed between the platen and the recording head. The paper measured by the paper thickness measuring means In the platen gap adjusting device that adjusts the platen gap between the recording head and the platen based on the thickness measurement value,
Sheet determining means for determining whether a sheet conveyed between the recording head and the platen is a single sheet or a copy sheet;
When the sheet determination means determines that the sheet is a single sheet, the sheet thickness measurement value measured by the paper thickness measurement means is corrected by a measurement error caused by the bending rigidity of the single sheet, while the sheet A platen gap adjusting device, comprising: a correction unit configured to correct a measurement error caused by the bending rigidity of the copy paper when the determination unit determines that the sheet is copy paper.
前記補正手段は、
前記シート判断手段により前記シートが一枚紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、前記第1の補正用データから得られる補正値で補正する一方、前記シート判断手段により前記シートが複写紙と判断された場合、前記紙厚測定手段により測定された紙厚測定値を、前記第2の補正用データから得られる補正値で補正する
ことを特徴とする請求項2に記載のプラテンギャップ調整装置。First correction data for correcting a measurement error caused by the bending rigidity of a sheet of paper is stored in advance, and second correction data for correcting a measurement error caused by the bending rigidity of the copy paper is stored in advance. Storage means for
The correction means includes
When the sheet determination unit determines that the sheet is a single sheet, the paper thickness measurement value measured by the paper thickness measurement unit is corrected with a correction value obtained from the first correction data, When the sheet determining means determines that the sheet is a copy sheet, the paper thickness measurement value measured by the paper thickness measuring means is corrected with a correction value obtained from the second correction data. The platen gap adjusting device according to claim 2.
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