JP4348842B2 - 大気圧検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン吸気管に配設された吸気圧センサを用い、該吸気圧センサの検出値により大気圧を検出する大気圧検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンでは、車載電子制御装置(車載ECU)により例えば燃料噴射量や点火時期等を制御する際、大気圧を検出し、その大気圧に応じた補正を行うようにしている。大気圧検出の一手法としては、エンジン吸気管等に大気圧センサを設置し、同センサの検出結果から大気圧を検出する従来技術がある。しかしこの場合、大気圧センサを設置する分だけコストが嵩み、システム価格が高くなってしまう。
【0003】
また、大気圧センサを廃止したシステムとしては、エンジンの始動直後(イグニッションスイッチのON直後)に、最初に吸気圧センサにより検出された吸気圧を大気圧として取り込むものがある。またこの技術では、エンジンの低回転・高負荷運転時に、吸気圧センサにより検出された吸気圧を大気圧として更新していくようにしていた。ところが、この従来技術の場合、スロットル弁を全開にするような加速運転時のみに大気圧検出が限定され、その検出頻度(更新頻度)が少ない。故に、燃料噴射量や点火時期のきめ細かい補正ができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、コストアップを招くことなく、大気圧を好適に検出することができる大気圧検出装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
4サイクルエンジンでは、吸気、圧縮、爆発、排気の各行程が連続して繰り返し実施され、そのうち吸気行程では、吸気弁が開放されることにより吸気管を通じてエンジン燃焼室に空気(混合気)が導入される。このとき、吸気圧(吸気管内圧力)は、大気圧よりも負圧側に一時的に変化し、吸気弁の閉鎖後(吸気完了後)に大気圧側に徐々に復帰する。特に気筒単位で独立した吸気系を持つエンジンの場合、吸気完了後には、概ね次の吸気行程直前の排気行程までには吸気圧と大気圧とがほぼ一致する。その吸気圧の挙動は、図2に示すタイムチャートからも分かる。それ故に、気筒単位で独立した吸気系を持つエンジンでは、排気行程又はそれ以前における吸気圧センサの検出値(吸気圧)により、大気圧が検出できることとなる。
【0006】
そこで、請求項1に記載の発明では、エンジン運転状態に基づいて大気圧検出の実施条件が成立するか否かを判定する(実施条件判定手段)。また、前記実施条件判定手段によって前記実施条件が成立する旨の判定がされた場合において、吸気行程終了後から次の吸気行程開始までの期間内に設定された吸気圧取り込み期間に吸気圧センサにより所定間隔毎に検出される吸気圧を取り込み、該取り込んだ吸気圧に基づいて大気圧を求める(大気圧検出手段)。また、エンジン運転状態に応じて前記吸気圧取り込み期間の長短が変更される。
【0007】
要するに、吸気圧の挙動はエンジン運転状態に応じて変化するが、そのエンジン運転状態により実施条件を判定しつつ大気圧検出を行うので、大気圧検出を精度良く実施することが可能となる。この場合、独立した吸気系を持つエンジンでは、次の吸気行程までに吸気圧が大気圧レベルに復帰するエンジン運転領域が広く、検出時期が主に加速運転時に限定されていた従来技術と比べて、大気圧検出の頻度が大きく増加する。その結果、コストアップを招くことなく、大気圧を好適に検出することができる。また、取り込み期間固定とする場合に比べ、広域なエンジン運転状態に対処できるようになる。この場合、低回転時等では、吸気圧の取り込み期間を長くし、吸気圧取り込みの機会を多くする。
【0008】
本発明は特に、請求項12に記載したように、単気筒エンジン、若しくは独立吸気型の多気筒エンジンに適用されるのが望ましく、これらエンジンにおいて好適なる大気圧検出が実現できる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、前記大気圧検出手段は、エンジンの爆発行程及び排気行程の少なくとも何れかにおける吸気圧の検出値に基づいて大気圧を求める。この場合、所定のエンジン運転状態において、爆発行程や排気行程での吸気圧が大気圧レベルにほぼ一致することから、大気圧検出が可能となる。
【0012】
上記請求項1又は2の発明では、請求項に記載したように、吸気圧取り込み期間内における吸気圧の検出値を平均化し、大気圧を算出すると良い。又は、請求項に記載したように、吸気圧取り込み期間内における吸気圧の変化量が所定値を超える場合、大気圧検出を無効にすると良い。これら請求項3、4の発明によれば、大気圧の検出精度が向上する。
【0013】
また、請求項に記載の発明では、前記大気圧検出手段は、大気圧の今回値を検出した際、その今回値とそれまでに記憶保持されている大気圧データとの平均化処理により、大気圧データを更新する。この場合、その都度検出される大気圧によりそのまま大気圧データを更新するのではなく、なまし演算等の平均化処理を施して大気圧データを更新することにより、信頼性の高い大気圧データが得られるようになる。
【0014】
前記実施条件判定手段は、以下の請求項6〜8の如く実現されると良い。すなわち、
・請求項に記載の発明では、エンジン回転数及びエンジン負荷をパラメータとして所定運転領域にあるか否かで実施条件を判定する。
・請求項に記載の発明では、エンジン負荷をパラメータとして所定の負荷レベル以上にあれば、大気圧検出の実施条件が成立する旨を判定する。
・請求項に記載の発明では、エンジンが搭載される車両の減速走行時には、大気圧検出の実施条件が不成立となる旨を判定する。
【0015】
上記何れの発明においても、大気圧検出の実施判定を適切に行うことができる。なおエンジン負荷としては、エンジン吸気管に配設されるスロットル弁の開度や吸気圧を用いることができる。
【0016】
また、請求項に記載の発明では、前記吸気圧センサにより検出された吸気圧の最小値と、大気圧検出のための吸気圧取り込み期間内における吸気圧又はその平均値との差が所定値より大きい場合に、大気圧検出を無効とする。つまり、吸気圧の最小値と、吸気圧取り込み期間内における吸気圧又はその平均値との差が所定値より大きければ、大気圧が誤検出される可能性が高いので、その状態を排除して大気圧が検出される。
【0017】
バックファイヤ等により予期しない吸気圧変動が生じると、大気圧検出の精度が著しく低下する。そこで、請求項10に記載の発明では、吸気圧の検出値について正圧側の最大値を算出し、該最大値が所定値を超えた場合、前記大気圧検出手段による大気圧検出を禁止する。この請求項10の発明では、請求項11に記載したように、吸気圧の検出値が正圧側の最大値を超えた場合、数燃焼分に相当する期間だけ大気圧検出を禁止すると良い。この請求項10、11の発明によれば、バックファイヤ等による吸気圧変動時にもその影響を受けて大気圧が誤検出されるといった不具合が回避され、大気圧の検出精度が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。なお、本実施の形態では、オートバイに搭載される単気筒4サイクルエンジンを制御対象とし、当該エンジンの燃料噴射量や点火時期は電子制御装置(以下、ECUという)により実施されるようになっている。
【0019】
図1は、エンジン制御システムの概要を示す構成図である。図1において、エンジン10の吸気ポート11には吸気管12が接続され、その上流側には外気を吸い込むためのエアボックス13が接続されている。エアボックス13には、吸気温を検出するための吸気温センサ14が取り付けられている。吸気管12の途中にはスロットル弁15が取り付けられ、このスロットル弁15の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ16によって検出される。更に、スロットル弁15の下流側には吸気圧センサ17が配設されており、この吸気圧センサ17によりスロットル弁下流の吸気圧(吸気管内圧力)が検出される。吸気ポート11の近傍には燃料噴射弁18が取り付けられており、この燃料噴射弁18は、図示しない燃料供給系より供給される燃料(ガソリン)を吸気ポート11に噴射する。
【0020】
エンジン10には、図示しないクランク軸に連結されて往復動するピストン19が配設されており、ピストン19の上方には燃焼室20が形成されている。燃焼室20は、吸気弁21及び排気弁22を介して吸気管12及び排気管23に連通している。また、エンジン10のシリンダヘッドには、点火プラグ24が取り付けられ、点火タイミング毎に点火コイル25の二次側に発生する高電圧が点火プラグ24に印加され点火される。
【0021】
エンジン10のクランク軸には、エンジン回転数を検出するための回転数センサ26が取り付けられており、同センサ26は所定クランク角毎(本実施の形態では、30°CA毎)にNeパルス信号を出力する。また、エンジン10には、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ27が取り付けられている。
【0022】
ECU30は、CPU31、ROM32、RAM33等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、このECU30には、前記した吸気温センサ14、スロットル開度センサ16、吸気圧センサ17、回転数センサ26及び水温センサ27の各検出信号が入力される。CPU31は、これら各検出信号に基づいて吸気温、スロットル開度(TA)、吸気圧(PM)、エンジン回転数(Ne)、エンジン水温などのエンジン運転状態を検知する。また、CPU31は、ROM32に予め記憶された制御プログラム等を実行することで、燃料噴射弁18による燃料噴射の制御や、点火プラグ24による点火時期の制御を適宜実施する。
【0023】
また本実施の形態の装置では、吸気圧センサ17により検出された吸気圧PMに基づいて大気圧を検出することを特徴としており、以下にはその詳細を説明する。
【0024】
先ず始めに、吸気圧センサ17の検出値(吸気圧PM)により大気圧が検出できることの概要を、図2のタイムチャートを用いて説明する。要するに、吸気行程に入ると、吸気弁21が開放されることにより混合気が燃焼室20に導入され、それまで大気圧レベルにあった吸気圧が負圧側に移行する。そして、吸気圧はボトム値(最小値)に達した後、圧縮、爆発、排気の各行程で大気圧側に次第に推移し、概ね排気行程までには大気圧レベルに復帰する。このとき、エンジン回転数一定であれば、スロットル開度(エンジン負荷)によって吸気圧のボトム値が変わり、スロットル開度が大きいほど吸気圧のボトム値が高く(負圧の程度が小さく)、逆にスロットル開度が小さいほど吸気圧のボトム値は低く(負圧の程度が大きく)なる。また、スロットル開度が変わると、吸気圧が大気圧レベルにまで復帰するタイミングが異なり、概ねスロットル開度が大きいほど、大気圧レベルへの復帰が早くなる。
【0025】
何れにしても、高回転・低負荷時等の極限られたエンジン運転状態を除いては、図2に示すように排気行程又はそれ以前に吸気圧が大気圧レベルに復帰し、そのことから吸気圧に基づいて大気圧が検出できる。なお、吸気圧による大気圧検出が可能か否かは、エンジン運転状態に基づく大気圧検出の実施条件により判断される。
【0026】
図3は、大気圧検出ルーチンを示すフローチャートであり、本ルーチンは、ECU30により2ms毎又は回転数センサ26のNeパルス信号に同期して実行される。本処理では、排気行程を吸気取り込み期間とし、該期間において吸気圧PMのセンサ検出値を取り込み、そのPM値に基づいて大気圧を検出する。また、図4は、処理に流れを補足説明するためのタイムチャートである。
【0027】
なお図3のルーチンでは、吸気、圧縮、爆発、排気の4行程のうち、今どの行程にあるかを判別する必要があるが、その判別は回転数センサ26のNeパルス信号により行うようにしている。すなわち、図4に示すように、例えば30°CA毎にNeパルス信号が出力され、そのNeパルス信号をカウントして6カウント毎(180°CA毎)に吸気→圧縮→爆発→排気の順に行程が進んだことを判別する。図4では、時刻t1〜t2が吸気行程、時刻t2〜t3が圧縮行程、時刻t3〜t4が爆発行程、時刻t4〜t5が排気行程を示す。
【0028】
さて図3において、先ずステップ101では、その時々のエンジン運転状態に基づいて大気圧検出の実施条件を判定する。このとき、エンジン回転数Neとスロットル開度TAとをパラメータとする図示しないマップを用い、エンジン運転状態が大気圧検出の実施領域にあるか否かを判別する。このマップによれば、例えば、エンジン10が高回転・低負荷(低スロットル開度)の状態にある場合にのみ、大気圧検出が禁止される。
【0029】
そして、エンジン運転状態が大気圧検出の実施領域にあれば、大気圧検出を許可すべくステップ102をYESとし、後続の大気圧検出を実施する。また、エンジン運転状態が大気圧検出の実施領域になければ、大気圧検出を禁止すべくステップ102をNOとし、後続の大気圧検出を実施せずそのまま本ルーチンを終了する。
【0030】
なおここで、スロットル開度TAの代わりに吸気圧PMを用いて大気圧検出の実施条件を判定しても良く、具体的には、次の(1)又は(2)により大気圧検出の実施条件を判定する。すなわち、
(1)吸気圧PMの最小値(ボトム値)を求め、その最小値とエンジン回転数Neとをパラメータとして大気圧検出の実施条件を実施する。
(2)少なくとも吸気圧PMの最小値又はその近傍の値を含む、数点のPM値を取り込んで統計処理にて吸気圧PMavを算出し、その吸気圧PMavとエンジン回転数Neとをパラメータとして大気圧検出の実施条件を実施する。このとき、負荷判定のために吸気圧PMを取り込む期間は、吸気弁21が開いている期間、又は吸気圧の取り込み(排気行程)までの期間とする。
【0031】
その後、ステップ103では、吸気〜圧縮行程期間の吸気圧の最大値PMmaxを検出し、続くステップ104では、吸気圧の最大値PMmaxが規定値以上に上昇したかどうかを判別する。つまり、吸気圧の最大値PMmaxが大気圧(前記検出値)を基準に所定値αよりも正圧側に変化したか否かを判別する。バックファイヤ等が発生した場合、ステップ104がYESとなり、かかる場合には、大気圧検出を行わずにそのまま本ルーチンを終了する。
【0032】
ステップ104がYES(PMmax>大気圧+α)となった場合、その後暫くは大気圧検出を禁止することとし、次回ステップ104がNO(PMmax≦大気圧+α)となり、所定期間が経過した時に続くステップ105の判別がYESとなり、大気圧検出を再開する。すなわち、バックファイヤ等による吸気圧変動は数燃焼分の期間継続して残るため、その数燃焼分に相当する期間は大気圧検出を禁止し、その影響が無くなってから大気圧検出を再開する。
【0033】
図4で説明すれば、例えばバックファイヤが発生すると、図の二点差線で示すように吸気圧PMが一時的に正圧側に大きく上昇し、PM値が「大気圧+α」のしきい値を超える。この場合、大気圧検出が禁止される。なお、吸気圧の最大値PMmaxの検出は、吸気圧取り込みの期間(排気行程)の直前まで実施してもよい。
【0034】
その後、ステップ106では、Neパルス信号に基づいて排気行程に入ったか否かを判別し、YESであれば、続くステップ107では、吸気圧センサ17の検出値(吸気圧PM)を取り込む。また、ステップ108では、排気行程が終了したか否かを判別する。ステップ106〜108によれば、排気行程の開始から終了までの期間(吸気弁21が開く直前までの期間)において30°CA毎に吸気圧PMが取り込まれる。図4では、時刻t4〜t5の期間において、吸気圧PMがほぼ大気圧レベルに収束しており、この期間で吸気圧PMが取り込まれることとなる。
【0035】
その後、ステップ109では、吸気圧取り込み期間(排気行程)中の吸気圧PMの最大値と最小値との差ΔPMが所定値β未満であるか否かを判別する。そして、ΔPM≧βの場合、すなわち排気行程内における吸気圧PMの変動が比較的大きい場合、大気圧を更新せずそのまま本ルーチンを終了する。
【0036】
また、ΔPM<βであればステップ110に進み、前記取り込んだ吸気圧PMを平均化処理して大気圧を検出し、その今回検出値が前回検出値と異なっていれば、今回検出値に基づいて大気圧を更新する。このとき、なまし処理を行いながら大気圧を更新(増減)するのが望ましく、その方法としては、例えば前回値に対して所定値を加算又は減算したり、前回値と今回値との差の「1/n」(nは自然数)を前回値に加算又は減算したり、所定期間(例えば1秒)の検出値を平均化したりする。但し、これら平均化の処理を行わず、今回値をそのまま大気圧データとして更新することも可能である。
【0037】
なお本実施の形態では、図3のステップ101,102が本発明の実施条件判定手段に相当し、同ステップ106〜108及び110が大気圧検出手段に相当する。
【0038】
次に、エンジン始動直後からの大気圧検出の様子を、図5のタイムチャートを用いて説明する。
さて、時刻t11でイグニッションスイッチがオンに操作され、ECU30に電源が投入されると、その時の吸気圧センサ17の検出値から大気圧が検出される。その後、クランキングによりエンジン10が始動されてエンジン回転数(例えば、アイドル回転数の1500rpm)が所定値に達すると、大気圧検出が許可される(時刻t12)。因みに、エンジン始動直後のクランキング期間では、スタータリレー等によるノイズの影響を受けるおそれがあることから大気圧検出を実施しない。
【0039】
時刻t12〜t13の期間はアイドル及び加速運転時、時刻t13〜t14は定常運転時であり、これらの場合、大気圧検出の実施条件(所定運転条件)が満たされ、大気圧検出が実施される。
【0040】
時刻t14では、スロットル弁15が閉じられ、それ以降減速走行に入る。このとき、時刻t15でスロットル開度がほぼ全閉になると、エンジン運転状態が高回転・低負荷(低スロットル開度)の状態に移行することから、大気圧検出の実施条件が不成立となり、大気圧検出が禁止される。その後、エンジン回転数が下降し、それに伴いエンジン運転状態が低回転・低負荷(低スロットル開度)の状態に移行すると、大気圧検出が許可されて再開される(時刻t16)。
【0041】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(イ)エンジン運転状態に基づく大気圧検出の実施条件が成立する場合に、エンジン10の排気行程における吸気圧PMに基づいて大気圧を求めるようにしたので、コストアップを招くことなく、大気圧を好適に検出することができる。この場合、単気筒エンジンでは、次の吸気行程までに吸気圧PMが大気圧レベルに復帰するエンジン運転領域がかなり広く、検出時期が主に加速運転時に限定されていた従来技術と比べて、大気圧検出の頻度が大きく増加する。また、こうして大気圧の更新頻度が増加することにより、燃料噴射量や点火時期のきめ細かな補正が実現できる。
【0042】
(ロ)大気圧検出のための吸気圧取り込み期間(排気行程)における吸気圧PMを平均化して大気圧を算出し、更にそのPM取り込みの際、吸気圧の変化量(最大値と最小値の差ΔPM)が所定値を超えれば大気圧検出を無効とするようにしたので、大気圧の検出精度が向上する。
【0043】
(ハ)なまし演算等の平均化処理を行いながら大気圧の前回検出値を更新するようにしたので、一時的な誤検出があってもその影響が排除され、信頼性の高い大気圧データが得られるようになる。
【0044】
(ニ)吸気圧の最大値PMmaxを算出し、該PMmaxが所定値を超えれば大気圧検出を禁止し、数燃焼分に相当する所定期間の経過後に大気圧検出を再開することとした。これによれば、バックファイヤ等による吸気圧変動時にもその影響を受けて大気圧が誤検出されるといった不具合が回避され、大気圧の検出精度が向上する。
【0045】
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態では、図3の処理において、排気行程にて吸気圧PMを取り込み、その吸気圧PMに基づいて大気圧を検出したが(ステップ106以降)、これを以下のように変更する。
【0046】
(1)吸気弁21が開く直前における吸気圧PMに基づいて大気圧を検出する。実際には、例えば図4のP1のタイミングで吸気圧PMを取り込み、この吸気圧PMに基づいて大気圧を検出する。この場合、遅くとも吸気行程直前までに吸気圧が大気圧レベルに復帰していればよいので、大気圧検出が可能となるエンジン運転領域が更に広くなり、大気圧検出の頻度がより一層増加する。
【0047】
(2)吸気圧PMの取り込み時期を、排気行程だけでなくその直前の爆発行程(爆発行程の全期間又はその一部期間)も含む期間に拡張し、該期間にて取り込んだ吸気圧PMに基づいて大気圧を検出する。或いは、排気行程に代えて爆発行程(爆発行程の全期間又はその一部期間)にて吸気圧PMを取り込み、その吸気圧PMに基づいて大気圧を検出する。
【0048】
(3)吸気圧PMの取り込み時期を、圧縮行程の後半期間も含む期間に拡張し、該期間にて取り込んだ吸気圧PMに基づいて大気圧を検出する。上記(2),(3)の場合、爆発行程又は圧縮行程も含む期間で吸気圧PMが大気圧レベルまで収束していることが前提となり、その前提条件が満たされるよう大気圧検出の実施条件(エンジン運転状態)が変更される。
【0049】
(4)吸気圧PMの取り込み時期をエンジン運転状態に応じて変化させる。例えば、高回転時など、大気圧検出が比較的困難な運転領域では、吸気圧PMの取り込み時期を遅くして吸気行程直前に限定する。また逆に、低回転時や高負荷時などでは、吸気圧PMの取り込み時期を早め、吸気圧取り込みの期間を長くする。
【0050】
何れにしろ、吸気完了後、次の吸気行程までの所定の時期に吸気圧PMを取り込み、該取り込んだ吸気圧に基づいて大気圧を求める構成であればよい。因みに、バルブタイミング可変機構(VVT機構)を備えるエンジンでは、VVT駆動量に応じて吸気圧取り込み期間を変更すると良い。
【0051】
大気圧検出の実施条件判定(図3、ステップ101,102)として、
・スロットル開度TAや吸気圧PM等のエンジン負荷だけをパラメータとして大気圧検出の実施条件を判定し、これらが所定の負荷レベル以上にあれば、大気圧検出の実施条件が成立する旨を判定する。
・車両の減速走行時であるか否かを判別し、減速走行時には、大気圧検出の実施条件が不成立となる旨を判定する。
といった構成を採用しても良い。
【0052】
吸気圧PMの最小値と、吸気圧取り込み期間内(排気行程等)における吸気圧PMの平均値(又は吸気圧PMそのもの)との差が所定値より大きい場合に、大気圧検出を無効とする。これにより、大気圧の誤検出が防止できる。
【0053】
上記実施の形態では、単気筒エンジンを有するオートバイに本発明を具体化したが、これに限定されず他にも具体化しても良い。例えば、独立吸気型の多気筒エンジンに適用することも可能である。多気筒エンジンの場合、特定気筒の吸気圧を検出し、その吸気圧により大気圧検出が実施される。又は、単気筒エンジン、若しくは独立吸気型の多気筒エンジンを有する自動車に本発明を具体化しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジン制御装置の概要を示す構成図。
【図2】各行程における吸気圧の挙動を示すタイムチャート。
【図3】大気圧検出ルーチンを示すフローチャート。
【図4】各行程における吸気圧の挙動を示すタイムチャート。
【図5】エンジン始動時からの大気圧検出の様子を示すタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、12…吸気管、17…吸気圧センサ、21…吸気弁、22…排気弁、30…ECU、31…CPU。

Claims (12)

  1. 吸気弁及び排気弁の開閉により吸気、圧縮、爆発、排気の各行程が繰り返し実施され、且つ気筒単位で独立した吸気系を持つ4サイクルエンジンに適用され、
    エンジン吸気管に設けられ、吸気圧を所定間隔毎に検出する吸気圧センサと、
    エンジン運転状態に基づいて大気圧検出の実施条件が成立するか否かを判定する実施条件判定手段と、
    前記実施条件判定手段によって前記実施条件が成立する旨の判定がされた場合において、吸気行程終了後から次の吸気行程開始までの期間内に設定された吸気圧取り込み期間に吸気圧センサにより検出される吸気圧を取り込み、該取り込んだ吸気圧に基づいて大気圧を求める大気圧検出手段とを備え、エンジン運転状態に応じて前記吸気圧取り込み期間の長短が変更されることを特徴とする大気圧検出装置。
  2. 前記大気圧検出手段は、エンジンの爆発行程及び排気行程の少なくとも何れかにおける吸気圧の検出値に基づいて大気圧を求める請求項1に記載の大気圧検出装置。
  3. 前記大気圧検出手段は、吸気圧取り込み期間内における吸気圧の検出値を平均化し、大気圧を算出する請求項1又は2に記載の大気圧検出装置。
  4. 吸気圧取り込み期間内における吸気圧の変化量が所定値を超える場合、大気圧検出を無効とする請求項1又は2に記載の大気圧検出装置。
  5. 前記大気圧検出手段は、大気圧の今回値を検出した際、その今回値とそれまでに記憶保持されている大気圧データとの平均化処理により、大気圧データを更新する請求項1〜4の何れかに記載の大気圧検出装置。
  6. 前記実施条件判定手段は、エンジン回転数及びエンジン負荷をパラメータとして所定運転領域にあるか否かで実施条件が成立するか否かを判定する請求項1〜5の何れかに記載の大気圧検出装置。
  7. 前記実施条件判定手段は、エンジン負荷をパラメータとして所定の負荷レベル以上にあれば、大気圧検出の実施条件が成立する旨を判定する請求項1〜の何れかに記載の大気圧検出装置。
  8. 前記実施条件判定手段は、前記エンジンが搭載される車両の減速走行時には、大気圧検出の実施条件が不成立となる旨を判定する請求項1〜の何れかに記載の大気圧検出装置。
  9. 前記吸気圧センサにより検出された吸気圧の最小値と、大気圧検出のための吸気圧取り込み期間内における吸気圧又はその平均値との差が所定値より大きい場合に、大気圧検出を無効とする請求項1〜の何れかに記載の大気圧検出装置。
  10. 吸気圧の検出値について正圧側の最大値を算出し、該最大値が所定値を超えた場合、前記大気圧検出手段による大気圧検出を禁止する請求項1〜9の何れかに記載の大気圧検出装置。
  11. 請求項10に記載の大気圧検出装置において、
    吸気圧の検出値が正圧側の最大値を超えた場合、数燃焼分に相当する期間だけ大気圧検出を禁止する大気圧検出装置。
  12. 単気筒エンジン、若しくは独立吸気型の多気筒エンジンに適用される請求項1〜11の何れかに記載の大気圧検出装置
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