JP4348832B2 - 仮焼セメント原料の抜き出し設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は仮焼セメント原料の抜き出し設備、詳しくはプレヒータとセメントキルンとを連結する原料投入管の中を流れるセメント原料の一部を、セメントキルンの運転には支障を来たさずに、抜き出して、これを例えばセメント系固化材などの原料として有効利用する仮焼セメント原料の抜き出し設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント原料の焼成設備には、プレヒータにより仮焼されたセメント原料を1500℃程度で焼成するセメントキルンが配備されている。このセメントキルンは、横向き円筒状のキルンシェルを回転しながら、仮焼後のセメント原料を重油や粉砕石炭を燃料にして焼成することで、セメントクリンカを中間製造するものである。
ところで、セメント原料や燃料中には各種の塩素成分が含まれている。この塩素成分は、セメントキルンの焼成熱などにより気化し、その後、セメントキルンとプレヒータとの閉じた系内で循環されることにより、徐々に濃縮される。なお、この濃縮循環は数時間で平衡状態となる。
この際、系内の塩素成分量が多ければ、必然的に焼成後のクリンカ中に含まれる塩素成分量も増え、セメントの品質低下を招いてしまう。しかも、系内では塩素成分の一種である低融点の塩素化合物が生成され、これがプレヒータの内壁面に付着し、頻繁にセメント原料の流路を閉塞して、セメントキルンの操業を妨げていた。
【0003】
そこで、これを解消する従来技術として、例えば特開平11−35354号公報記載の「塩素バイパス設備の運転方法」が知られている。このものは、塩素濃度が高いキルン排ガスを、塩素バイパスにより系外へ抜き出し、この系内の塩素量を減らす技術である。
具体的に説明すると、この方法は、セメントキルン内の一部の排ガス(1100℃前後)を、塩素バイパスを通過中に塩素化合物の融点以下の600℃くらいまで降温させた後、塩素バイパスから外部の分級器へ導く。ここで、ダスト粒径に応じて分級してから、粗粒ダスト(塩素量は比較的少ない)をセメントキルンへ戻す。一方、微粒ダストを含んだ高温の排ガス(塩素量は多い)は、ガスクーラを通過させてふたたび冷却し、その後、この微粒ダストを集塵機で除去する、という方法である。なお、微粒ダストの場合、通常、ダストが持ち出す塩素量の大部分を含んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来技術によれば、塩素バイパスから抜き出されるのは塩素ガスである。したがって、この塩素成分を高濃度に含むセメント原料の一部を、セメントキルンの運転には支障を来たさずに、定量的に冷却しながら抜き出して、例えばセメント固化材などの原料として有効利用することはできなかった。
【0005】
そこで、発明者は、セメントキルン内にセメント原料を投入するための原料投入管に、略真下に延びた抜き出し管を連通し、この抜き出し管の途中にロータリーバルブなどの定量排出手段を設ければ、抜き出し管に充填され、抜き出し管内を徐々に降下することで所定温度まで冷やされたセメント原料を、一定量ずつ排出することができることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、高濃度の塩素を含むセメント原料を、セメントキルンの運転に支障を来たさず、冷却しながら定量的に抜き出すことができる仮焼セメント原料の抜き出し設備を提供することを、その目的とする。
また、この発明は、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる仮焼セメント原料の抜き出し設備を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、抜き出し管から排出されたセメント原料を冷却しながら所望の場所まで空気圧送することができる仮焼セメント原料の抜き出し設備を提供することを、その目的としている。
続いて、この発明は、抜き出されたセメント原料を、塩素含有量が低い粗い原料と、塩素含有量が多い細かい原料とに分級することができる仮焼セメント原料の抜き出し設備を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、プレヒータにより仮焼されたセメント原料をセメントキルンに投入する原料投入管の下部に連通されて、このセメント原料の一部を外部に抜き出すための略鉛直下方に延びた抜き出し管と、この抜き出し管に設けられて、この抜き出し管内に充填されたセメント原料を一定量ずつ排出する定量排出手段とを備えた仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
ここでいうセメント原料は、例えば石灰石,粘土,珪石,鉄などを調合粉砕し微粉としたものである。プレヒータ投入前の粘土は、粘土ドライヤにより乾燥され、その後、原料ミルにより他の原料とともに砕かれて混合される。
プレヒータによるセメント原料の仮焼温度は、その出口温度で800〜850℃である。
焼成には排ガスが発生し、その中には、塩素成分の一種であるNaCl(融点801℃),KCl(融点776℃)などが含まれている。これらはセメントキルンとプレヒータとの間で循環されて濃縮され、その結果、原料投入管内を流れるセメント原料の塩素濃度が高まる。
【0008】
抜き出し管の断面形状、管軸方向の長さ、管径(内径,外径)などは限定されない。ただし、抜き出し管の長さは5m以上が好ましい。5m未満では、管内を降下中のセメント原料を冷却するために要する距離を充分に確保することができない。
なお、ここでいう原料投入管の下部とは、原料投入管を垂直に輪切りしたときの断面において、この管の下側の部分をいう。
上記定量排出手段の構成は限定されない。要は、抜き出し管内に充填されたセメント原料を一定量ずつ排出することができればよい。したがって、例えば各種のモータまたは各種のアクチュエータといった駆動部によって自動化されたものでもよいし、手動式のものでもよい。定量排出手段の具体例を挙げれば、例えばロータリーバルブなどがある。
【0009】
定量排出手段によるセメント原料の排出量は限定されない。一定量ずつ排出されればよい。ここでいう一定量とは、単位時間あたりのセメント原料の排出量を意味する。したがって、このセメント原料は連続的に排出されてもよいし、断続的に排出されてもよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記抜き出し管には、抜き出し管内のセメント原料を冷却する冷却手段が設けられた請求項1に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
目標とするセメント原料の温度は、塩素成分(塩素化合物)の融点以下の600℃以下である。これにより設備の耐久性を高めるものである。そのために必要な冷却装置としては、例えば抜き出し管の外周面に多数枚のフィンを装着して空気により冷却する空冷装置、抜き出し管の外周面にウォータージャケットを装着する水冷装置などが挙げられる。その他、各種の熱交換器を採用することもできる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記抜き出し管には、抜き出し管内のセメント原料の塊を砕くアジテータが設けられた請求項1または請求項2に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
アジテータとは解砕機のことであり、抜き出し管の途中で、塊状のセメント原料を砕いて細かくする。アジテータの種類は限定されない。要は、セメント原料の塊を破砕することができればよい。このアジテータの抜き出し管上での取り付け位置は限定されない。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記抜き出し管には、抜き出し管を振動させるバイブレータが設けられた請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
バイブレータ種類も限定されない。また、バイブレータの抜き出し管上での取り付け位置は限定されない。さらに、このバイブレータの使用個数も限定されない。
【0013】
請求項5に記載の発明は、上記抜き出し管には、抜き出し管内に圧縮空気を噴射するエアレーション手段が設けられた請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
エアレーション手段の種類は限定されない。また、このエアレーション手段の抜き出し管上での取り付け位置も限定されない。さらに、エアレーション手段の使用個数も限定されない。
【0014】
請求項6に記載の発明は、上記抜き出し管の下端には、抜き出し管端の排出口から排出されたセメント原料を、圧縮空気によって外部に圧送する空気圧送手段が連結された請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
空気圧送手段の種類は限定されない。例えば、コンプレッサを搭載したブロア装置などが挙げられる。
抜き出されたセメント原料の圧送先としては、例えばダストタンクなどが挙げられる。このダストタンクの原料投入口付近に投入口側温度計を設け、さらにはダストタンクの原料排出口付近に排出口側温度計を設けて、これらの温度計からの温度データに基づいてファンを作動し、このダストタンク内のセメント原料の温度管理を行うようにしてもよい。
【0015】
請求項7に記載の発明は、上記空気圧送手段によって圧送されたセメント原料を分級するためのサイクロン式の分級器を有する請求項6に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備である。
セメント原料を除去する分級器としては、分級点が7〜18μm程度のサイクロンを有するものが好適である。この分級器によれば、粒径7〜18μm以下の微粒ダストの塩素濃度を、粗粒ダスト(粒径7〜18μm超)の塩素濃度の約2〜2.5倍と、大きな濃度差をつけることができる。
分級器によって分級されるのは、圧送されるセメント原料の全部でもよいし、その一部でもよい。
【0016】
【作用】
この発明によれば、原料投入管内を流れているセメント原料の一部が抜き出し管の中に落ち込む。こうして原料投入管から抜き出されたセメント原料(以下、抜き出し原料という場合がある)は、この抜き出し管内を徐々に降下していく間に、抜き出し原料に含まれる塩素成分の融点以下の温度まで冷却される。こうして、所定温度まで冷やされた抜き出し原料は、定量排出手段により一定量ずつ外部に排出される。
これにより、高濃度の塩素を含むセメント原料を、セメントキルンの運転に支障を来たさず、定量的に抜き出すことができる。
【0017】
特に、請求項2に記載の発明によれば、抜き出し管内を降下しているセメント原料を冷却手段によって強制的に冷却する。これにより、短時間で抜き出し原料を所定温度まで冷却することができる。しかも、抜き出し管の長さも短縮化でき、これによって仮焼セメント原料の抜き出し設備の小型化も図ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、抜き出し管内を降下しているセメント原料の塊を、アジテータによって細かく砕く。その結果、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、バイブレータにより抜き出し管を振動させるので、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを排除することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、エアレーション手段によって、抜き出し管の管内に圧縮空気を噴射する。これにより、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、空気圧送手段で発生した圧縮空気を使って、抜き出し管の排出口から排出されたセメント原料を外部に圧送する。よって、抜き出し管から排出されたセメント原料を冷却しながら所望の場所まで空気圧送することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、空気圧送手段によって圧送されたセメント原料はサイクロン式の分級器に供給される。その結果、抜き出し原料を、塩素含有量が少ない粗い原料と、塩素含有量が多い細かい原料とに分級することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備の全体構成図である。図2は、この発明の他の態様に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備の要部構成図である。
図1において、10は一実施例に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備である。このセメント焼成設備10は、主に、プレヒータ11内で仮焼されたセメント原料を、原料投入管12を介して、図示しないセメントキルンにより焼成する。
このセメントキルンは、90〜100t/hでセメントクリンカを生産するものとする。
【0024】
プレヒータ11は、図外の原料ミルにより粉砕されたセメント原料を、セメントキルンにより焼成しやすいように、所定温度まで予熱するものである。プレヒータ11は、多数のサイクロンを、数階建ての鉄骨架台に搭載して設けられている。
セメントキルンは、下流側へ若干下方傾斜した横向き円筒状のキルンシェルを有している。キルンシェルの内壁面には、耐火物が張られている。キルンシェルは周方向へ(軸線回りに)回転しながら、重油や微粉石炭を燃料とするバーナ加熱により、プレヒータ11からのセメント原料を焼成して、セメントクリンカを中間製造する。
【0025】
上記原料投入管12の途中には抜き出し管13が連通されている。この抜き出し管13は、その管軸線方向が鉛直下方に向けられた長さ約10mの長尺な円管である。
抜き出し管13の途中には、管下端に向かって順次、管内に高圧の圧縮空気を噴射するエアレーション手段14と、管内清掃時などに管路を遮断する手動式のシャッタダンパ15と、この抜き出し管13の上部を振動させる上部バイブレータ16と、抜き出し管13の上部内の温度を測定する上部温度計17と、抜き出し管13の中央部を通過するセメント原料を冷却する水冷ジャケット(冷却手段)18と、抜き出し管13の下部内の温度を測定する下部温度計19と、管内のセメント原料の塊を解砕するアジテータ20と、この抜き出し管13の下部を振動させる下部バイブレータ21と、この管内に充填されたセメント原料を一定量ずつ排出するロータリーバルブ(定量排出手段)22と、抜き出し管13の下端の排出口に設けられたエジェクタ(空気圧送手段)23とが配されている。以下、これらについて詳細に説明する。
【0026】
上記エアレーション手段14は小型のコンプレッサを有している。このコンプレッサにより発生した圧縮空気は、抜き出し管13の上端部に穿設された多数の噴射口から抜き出し管13の管内に噴射される。噴射された圧縮空気によって管内のセメント原料の詰まりが防止される。なお、この圧縮空気の一部は、必要に応じてシャッタダンパ15の内部にも噴射される。これは、シャッタダンパ15の可動部分にセメント原料が付着して、ダンパ15の可動性が低下してしまうのを防ぐためである。
上部バイブレータ16は、上部温度計17によって測定された水冷ジャケット18で冷却される前のこの原料の温度が700℃以下となった場合に作動するように設計されている。一方、下部バイブレータ21は下部温度計19によって測定させた水冷ジャケット18で冷却された後のセメント原料の温度が300℃以下となった場合に作動するように設計されている。
【0027】
水冷ジャケット18は、ジャケット下部に冷却水の供給口が形成され、ジャケット上部に熱交換後の水の排出口が形成されている。供給口からジャケット内に流入された冷却水は、ジャケット内を上方へ流れていく間に高温のセメント原料と熱交換される。こうして昇温された水はジャケット上部の排出口から外部へ排出される。このように、ジャケット内の水の流れを、下向き(ジャケット上部からジャケット下部へ向かう水の流れ)ではなく、その反対の上向きとしたので、この水冷ジャケット18で覆われた抜き出し管13の中央部分を、均等に冷却することができる。
アジテータ20は、抜き出し管13内に配置された複数本の解砕棒20aを、電動モータによって所定回転速度で回転させることによって、管内に存在するセメント原料の塊を砕くための解砕機である。このアジテータ20を設けたことで、抜き出し管13内での目詰まりの防止効果がさらに高まる。なお、ここではアジテータ20を、ロータリーバルブ22によるセメント原料の定量排出と連動させている。
【0028】
ロータリーバルブ22は、電動モータによってバルブを所定速度で回転することで、抜き出し管13の下端部内のセメント原料を一定量ずつエジェクタ23に排出するものである。ここでの排出量は最大1t/hrである。
エジェクタ23には、常時、ブロア装置(空気圧送手段)24によって発生した圧縮空気が供給されている。圧縮空気は、エジェクタ23内で高速化され、それと同時に、抜き出し管13から排出されたセメント原料を取り込み、その後、このセメント原料を、外設されたダストタンク25まで圧送する。
ダストタンク25の上部にはバグフィルタ26が搭載されている。また、このダストタンク25の原料投入口付近には投入口側温度計27が設けられている。さらに、ダストタンク25の原料排出口付近には排出口側温度計28が設けられている。両温度計27,28からの温度データに基づき、このタンク内のセメント原料の温度管理が行われる。なお、ダストタンク25の最大貯留量は20tである。
【0029】
次に、この仮焼セメント原料の抜き出し設備10の作動を説明する。
図1に示すように、セメント原料は、プレヒータ11の各サイクロンを流下中に仮焼される。その後、原料投入管12を介して、セメント原料はセメントキルンの窯尻部へ流れ込み、このキルン内でバーナ加熱の焼成により、セメントクリンカに生成される。
このように、仮焼されたセメント原料をセメントキルン内で焼成すると、塩素成分を含む排ガスが発生する。排ガスはセメントキルンとプレヒータ11との間で循環されて濃縮され、その結果、原料投入管12内をキルン側に流れるセメント原料の塩素濃度が高まる。
こうして塩素成分が高濃度化されたセメント原料の一部が、原料投入管12の途中で、連続的に抜き出し管13に落ち込むことによって抜き出される。この際、抜き出し管13の内部は、抜き出されたセメント原料により常に充填されているものとする。
【0030】
抜き出し管13内に落ちたセメント原料は、この管内を、ロータリーバルブ22によるセメント原料の定量排出に合わせて徐々に降下していく。降下中のセメント原料は、まず抜き出し管13の上部でエアレーション手段14から圧縮空気が吹きつけられる。次いで、開口状態のシャッタダンパ15を通ってから、抜き出し管13の中央部分に達し、ここで水冷ジャケット18によって塩素成分の融点以下の温度(600℃以下)まで冷却される。このように、抜き出し管13内を降下しているセメント原料を水冷ジャケット18によって強制的に冷却するので、短時間で抜き出し原料を所定温度まで冷却することができる。しかも、抜き出し管13の長さも短縮化することができ、これにより仮焼セメント原料の抜き出し設備10を小型化することができる。
【0031】
上部温度計17での測定温度が700℃以下の場合は、上部バイブレータ16によって抜き出し管13の上部に振動を与える。抜き出し管13の上部でセメント原料が詰まり、落下してこないと、検出位置での温度が低下する。そこで、振動を付加してこの詰まりを解除するものである。
また、下部温度計19での測定温度が300℃以下になったときには、下部温度計19より上方位置でのセメント原料の詰まりが発生したものと、判断し、下部バイブレータ21で抜き出し管13の下部に振動を与える。セメント原料の詰まりを解除するものである。
また、この下部バイブレータ21より管上流では、塩素化合物の生成にともなって生じたセメント原料の塊がアジテータ20により解砕される。これにより、抜き出し管13の下部内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0032】
抜き出し管13の下端部まで達したセメント原料は、ロータリーバルブ22によって一定量ずつエジェクタ23に切り出される。ロータリーバルブ22は電動モータによってバルブ体を所定速度で回転する。このエジェクタ23による排出量は、通常0.5〜1t/hrである。
このように、原料投入管12から抜き出し管13に抜き出されたセメント原料の一部が、抜き出し管13を降下している間に、これを塩素成分の融点以下の温度まで冷却する。その後、冷却されたセメント原料をロータリーバルブ22を用いて一定量ずつ切り出す。この結果、高濃度の塩素を含むセメント原料を、セメントキルンの運転に支障を来たすことなく、冷却しながら定量的に抜き出すことができる。
【0033】
抜き出し管13から排出されたセメント原料は、エジェクタ23の内部に投入される。エジェクタ23には、ブロア装置24から圧縮空気が供給されている。圧縮空気はエジェクタ23内で高速化され、抜き出し管13から排出されたセメント原料を取り込み、これをダストタンク25まで圧送する。このときのセメント原料の平均粒径は20〜30μm、原料温度は100℃である。このように、抜き出し管13から排出されたセメント原料は、冷却されながら、かつ、安価な設備コストおよび安価な運転コストで、所望の場所まで空気圧送される。
【0034】
圧送されたセメント原料は、バグフィルタ26によって集塵されてタンク25内に落とされる。セメント原料の温度は、原料投入口付近の投入口側温度計27と、原料排出口付近の排出口側温度計28とからの温度データに基づき、管理されている。通常、ダストタンク25内でのセメント原料の温度制御の目標値は100℃以下である。これは、その後の取り扱い作業を容易にするためである。ダストタンク25から排出された高塩素含有のセメント原料は、高い塩素含有量(0.5〜1重量%)を示している。この高塩素含有のセメント原料は、例えばセメント固化材として使用することができる。さらに、例えば水洗して塩素成分を低減し、その後、これを低塩素濃度のセメント原料としてセメントキルンに投入したり、このほか各種の土木建築材料として利用したりすることができる。
【0035】
なお、図2に示すように、エジェクタ23からダストタンク25に圧送されるセメント原料の一部を、サイクロン式の分級器30によって分級し、これを高い塩素濃度の微粒ダストと、低い塩素濃度の粗粒ダストとに分けるように仮焼セメント原料の抜き出し設備10を変更してもよい。図2は、この発明の他の態様に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備の要部構成図である。
ここでは、分級器30として分級点が7μmのサイクロンを用いている。粒径7μm以下の微粒ダストの塩素濃度は、7μmを超える粗粒ダストの塩素濃度の約2.5倍である。微粒ダストはこのダストタンク25に投入され、粗粒ダストは粗粒タンク31に貯留される。例えば、粗粒ダストはセメントキルンの窯尻に投入することができる一方、細粒ダストは現状の通りにバグフィルタで集塵することができる。バグフィルタで回収された微粒ダストは、きわめて高い塩素濃度を有するダストである。したがって、ダストタンク25内のセメント原料に含まれる塩素濃度をさらに高めることができる。
【0036】
ここで、塩素濃度の試験、具体的には空気分級器によるラボ試験を行なったときの試験結果を報告する。
分級されるセメント原料の塩素濃度は4,598ppmである。分級点を7μm,18μm,32μmとした。各分級点における微粒ダストと粗粒ダストとの回収率(%)および塩素濃度(ppm)は以下の通りである。
(1) 7μmの場合、粗粒ダストの回収率は85.4%、塩素濃度は3,802ppmであり、微粒ダストの回収率は14.6%、塩素濃度は10,327ppmである。
(2) 18μmの場合、粗粒ダストの回収率は62.0%、塩素濃度は2,084ppmであり、微粒ダストの回収率は38.0%、塩素濃度は8,931ppmである。
(3) 32μmの場合、粗粒ダストの回収率は38.3%、塩素濃度は1,260ppmであり、微粒ダストの回収率は61.7%であり、塩素濃度は6,892ppmである。
これらの試験データから、分級点が7μmの微粒ダストが、回収率はもっとも低いものの、塩素濃度はもっとも高いことがわかった。しかも、粗粒ダストを60%くらい除去すれば、塩素濃度は約2倍になることも判明した。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、原料投入管内のセメント原料の一部を抜き出し管を使って抜き出し、この原料が抜き出し管を降下中に原料の温度を下げ、その後、定量排出手段によって一定量ずつ外部に排出するように構成したので、高濃度の塩素を含むセメント原料を、セメントキルンの運転に支障なく、冷却しながら定量的に抜き出すことができる。
【0038】
特に、請求項2に記載の発明にあっては、抜き出し管に、この管内のセメント原料を冷却する冷却手段を設けたので、短時間で抜き出し原料を所定温度まで冷ますことができる。しかも、抜き出し管の長さも短縮化でき、その結果、仮焼セメント原料の抜き出し設備を小型化することもできる。
【0039】
請求項3に記載の発明にあっては、抜き出し管に、この管内のセメント原料の塊を砕くアジテータを設けたので、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0040】
請求項4に記載の発明にあっては、バイブレータにより抜き出し管を振動させるように構成したので、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明にあっては、エアレーション手段によって抜き出し管内に圧縮空気を噴射するように構成したので、抜き出し管内でのセメント原料の詰まりを防止することができる。
【0042】
請求項6に記載の発明にあっては、抜き出し管の下端に空気圧送手段を連結したので、圧縮空気によって、抜き出し管から排出されたセメント原料を冷却しながら所望の場所まで空気圧送することができる。
【0043】
請求項7に記載の発明によれば、圧送されたセメント原料を分級するサイクロン式の分級器を設けたので、抜き出し原料を、塩素含有量が少ない粗い原料と塩素含有量が多い細かい原料とに分級することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備の全体構成図である。
【図2】 この発明の他の態様に係る仮焼セメント原料の抜き出し設備の要部構成図である。
【符号の説明】
10 仮焼セメント原料の抜き出し設備、
11 プレヒータ、
12 原料投入管、
13 抜き出し管、
14 エアレーション手段、
16 上部バイブレータ、
18 水冷ジャケット(冷却手段)、
20 アジテータ、
21 下部バイブレータ、
22 ロータリーバルブ(定量排出手段)、
23 エジェクタ(空気圧送手段)、
24 ブロア装置(空気圧送手段)、
30 分級器。
Claims (7)
- プレヒータにより仮焼されたセメント原料をセメントキルンに投入する原料投入管の下部に連通されて、このセメント原料の一部を外部に抜き出すための略鉛直下方に延びた抜き出し管と、
この抜き出し管に設けられて、抜き出し管内に充填されたセメント原料を一定量ずつ排出する定量排出手段とを備えた仮焼セメント原料の抜き出し設備。 - 上記抜き出し管には、抜き出し管内のセメント原料を冷却する冷却手段が設けられた請求項1に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
- 上記抜き出し管には、抜き出し管内のセメント原料の塊を砕くアジテータが設けられた請求項1または請求項2に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
- 上記抜き出し管には、抜き出し管を振動させるバイブレータが設けられた請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
- 上記抜き出し管には、抜き出し管内に圧縮空気を噴射するエアレーション手段が設けられた請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
- 上記抜き出し管の下端には、抜き出し管端の排出口から排出されたセメント原料を、圧縮空気によって外部に圧送する空気圧送手段が連結された請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
- 上記空気圧送手段によって圧送されたセメント原料を分級するためのサイクロン式の分級器を有する請求項6に記載の仮焼セメント原料の抜き出し設備。
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