JP4348754B2 - Braking force control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動力制御装置に係り、特に、ポンプを用いてマスタシリンダ側からブレーキフルードを汲み上げてホイルシリンダの液圧を増圧させる装置として好適な制動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平4−121260号に開示される如く、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大きな制動液圧を発生する制動力制御装置が知られている。この制動力制御装置は、ホイルシリンダに連通する液圧制御回路、液圧制御回路とマスタシリンダとの間の導通および遮断を切り替える遮断弁、液圧制御回路に連通するポンプ、および、リザーバとポンプの吸入口との間の導通および遮断を切り替える吸入弁を備えている。
【0003】
上記の制動力制御装置において、通常時は、遮断弁を開弁状態とし、かつ、吸入弁を閉弁状態とすることで、マスタシリンダの液圧が液圧制御回路を介してホイルシリンダに導かれる。従って、上記の状態によれば、ホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧と等圧に制御することができる。また、上記の制動力制御装置において、緊急ブレーキ操作が実行された場合は、遮断弁を閉弁状態とし、吸入弁を開弁状態とし、かつ、ポンプを作動状態とすることで、リザーバからブレーキフルードがポンプによって汲み上げられ、ポンプの吐出圧が液圧制御回路を介してホイルシリンダに導かれる。従って、上記の制動力制御装置によれば、マスタシリンダ圧に比して高圧のホイルシリンダ圧を発生させることができる。
【0004】
このように、上記の制動力制御装置によれば、ホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧と等圧に制御する機能、および、ホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧に比して高圧に制御する機能の双方を、選択的に実現することができる。このため、上記の制動力制御装置によれば、緊急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大きな制動力を発生させることができる。以下、所定の状況下で通常時に比して大きな制動力を発生させる制御をブレーキ増圧制御と称し、特に緊急ブレーキ操作時に実行されるブレーキ増圧制御をブレーキアシスト制御(BA制御)と称す。尚、上記の制動力制御装置は、マスタシリンダからホイルシリンダに至る経路の外部(リザーバ)からブレーキフルードをホイルシリンダに供給することによりブレーキ増圧制御を実現するアウトライン式のシステムである。
【0005】
ところで、ブレーキ増圧制御を実行すべく高圧源としてポンプを用いた場合、ブレーキ増圧制御の開始条件が成立した後にポンプを作動させると、ポンプの応答遅れに起因して、実際に制動力が発生するまでに時間遅れが生じ、制動力を速やかに立ち上げることができない。かかる不都合を防止するためには、ブレーキ増圧制御の開始条件が成立する前に、ポンプを作動させておくことが有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来より、マスタシリンダからホイルシリンダに至る経路内からブレーキフルードを汲み上げてホイルシリンダに供給するインライン式の制動力制御装置も知られている。この制動力制御装置は、ホイルシリンダに連通する液圧制御回路、液圧制御回路とマスタシリンダとの間の導通及び遮断を切り替える遮断弁、液圧制御回路に連通するポンプ、および、マスタシリンダとポンプの吸入口との間の導通および遮断を切り替える吸入弁を備えている。
【0007】
かかるインライン式の制動力制御装置によれば、緊急ブレーキ操作が実行された場合に、遮断弁を閉弁状態とし、吸入弁を開弁状態とし、かつ、ポンプを作動状態とすることで、ポンプの吐出圧が液圧制御回路を介してホイルシリンダに導かれる。従って、インライン式の制動力制御装置においても、BA制御を適切に実現することができる。この場合でも、BA制御の開始に先立ってポンプを作動させることで、制動力の立ち上がりの遅れを防止することが可能である。
【0008】
しかし、インライン式の制動力制御装置においては、ブレーキ増圧制御の実行時、吸入弁を開弁する前にポンプを作動させると、吸入弁の下流側が負圧となる事態が生じる。かかる状態で吸入弁が開弁されると、マスタシリンダ側からポンプの吸入口にブレーキフルードが急激に流出することで、マスタシリンダ圧が急激な低下を示す。マスタシリンダ圧が急激に低下すると、その変動が振動としてブレーキペダルに伝達されてしまう。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ブレーキ増圧制御を実行すべくポンプを作動させる場合に、マスタシリンダ圧の変動を確実に抑制するインライン式の制動力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、マスタシリンダとホイルシリンダとの間の導通および遮断を切り替えるマスタカット弁と、前記マスタカット弁に対して並列に設けられ、前記マスタシリンダ側からブレーキフルードを汲み上げてホイルシリンダに供給するポンプと、前記マスタシリンダと前記ポンプの吸入側との間の導通および遮断を切り替える吸入弁と、を備え、緊急ブレーキ操作が行われた場合に前記マスタカット弁を閉弁しかつ前記吸入弁を開弁した状態で前記ポンプを液圧源として作動させることでホイルシリンダ圧を増圧するブレーキ増圧制御を実行する制動力制御装置において、
前記ブレーキ増圧制御の実行により前記ポンプが作動される前に、前記マスタカット弁が開弁された状態で前記吸入弁を開弁状態とする吸入弁開弁手段を備えることを特徴とする制動力制御装置により達成される。
【0011】
本発明において、ブレーキ増圧制御の実行によりポンプが作動される前に、マスタカット弁が開弁された状態で吸入弁が開弁状態とされる。ポンプを作動させる前に吸入弁が開弁状態とされた場合、ポンプ作動時に、ポンプの吸入側と吸入弁とを連通する吸入通路の液圧が負圧となることが防止される。吸入通路の液圧が負圧とならなければ、マスタシリンダから吸入通路に急激にブレーキフルードが流出することが抑制される。従って、本発明によれば、ブレーキ増圧制御時にマスタシリンダ圧の変動を抑えることができる。
尚、上記した制動力制御装置において、緊急ブレーキ操作が行われかつ前記吸入弁開弁手段により前記吸入弁が開弁状態とされた後、マスタシリンダ圧とホイルシリンダ圧との差圧が所定圧まで小さくなった場合に、前記ポンプを作動させかつ前記マスタカット弁を閉弁状態とする増圧制御手段を備えることとしてもよい。
また、上記した制動力制御装置において、前記吸入弁開弁手段は、マスタシリンダ圧が所定量以上となり又は単位時間当たりのマスタシリンダ圧の変化率が所定変化率以上となった際に前記吸入弁を開弁状態とすることとしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である制動力制御装置の一部のシステム構成図を示す。本実施例の制動力制御装置は、右前輪FRおよび左後輪RLを含む第1系統と、左前輪FLおよび右後輪RRを含む第2系統とを備えている。これら2つの系統は、構成において実質的に同一である。このため、以下では、第1系統の構成および動作について説明する。
【0013】
本実施例の制動力制御装置は、ダイアゴナル配管(X配管)の制動力制御装置である。制動力制御装置は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)10により制御される。制動力制御装置は、ブレーキペダル12を備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキペダルスイッチ14が配設されている。ブレーキペダルスイッチ14は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオン信号を出力する。ECU10は、ブレーキペダルスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを判別する。
【0014】
ブレーキペダル12は、バキュームブースタ16に連結されている。バキュームブースタ16は、ブレーキぺダル12が踏み込まれた場合に、ブレーキ踏力Fに対して所定の倍力比を有するアシスト力Faを発生する。バキュームブースタ16には、マスタシリンダ18が固定されている。マスタシリンダ18の内部には、第1液圧室および第2液圧室が形成されている。これらの液圧室には、共にブレーキ踏力Fとアシスト力Faとの合力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。
【0015】
マスタシリンダ18の上部には、リザーバタンク20が配設されている。マスタシリンダ18とリザーバタンク20とは、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されている場合にのみ導通状態となる。マスタシリンダ18の第1液圧室および第2液圧室には、それぞれ第1液圧通路22、および、第2液圧通路24が連通している。第1液圧通路22は、第1系統の液圧回路に連通している。一方、第2液圧通路24には、第2系統の液圧回路(図示せず)に連通している。
【0016】
第1液圧通路22には、液圧センサ26が配設されている。液圧センサ26は、第1液圧通路22の内圧、すなわち、マスタシリンダ18が発生するマスタシリンダ圧に応じた電気信号PM/C を出力する。液圧センサ26の出力信号PM/C は、ECU10に供給されている。ECU10は、出力信号PM/C に基づいてマスタシリンダ圧を検出する。
【0017】
第1液圧通路22には、マスタカット弁28を介して高圧通路30が連通している。マスタカット弁28は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。マスタカット弁28には、リリーフ弁32が配設されている。リリーフ弁32は、高圧通路30側の液圧が第1液圧通路22側の液圧に比して所定のリリーフ圧を越えて高圧である場合に、高圧通路30側から第1液圧通路22側へ向かうブレーキフルードの流れを許容する定圧開放弁である。
【0018】
高圧通路30は、保持弁36,38を介して制御液圧通路40,42に連通している。保持弁36,38は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持弁36,38には、それぞれ逆止弁44,46が並列に配設されている。逆止弁44,46は、制御液圧通路40,42側から高圧通路30側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁である。
【0019】
制御液圧通路40,42は、それぞれ、左後輪RLのホイルシリンダ48および右前輪FRのホイルシリンダ50に連通している。また、ホイルシリンダ48,50には、それぞれ、減圧弁52,54を介して低圧通路56が連通している。減圧弁52,54は、常態で閉弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。低圧通路56は、補助リザーバ58に連通している。補助リザーバ58は、その内部にピストン60およびスプリング62を備えている。補助リザーバ58は、スプリング62を弾性変形させることにより、その内部に所定量のブレーキフルードを貯留することができる。また、補助リザーバ58は、ブレーキフルードが貯留されていない状態で、すなわち、ピストン60が最高位置にある状態で、低圧通路56と吸入通路64との間を導通させる通路を備えている。
【0020】
補助リザーバ58には、逆止弁63を介して吸入通路64が連通している。逆止弁63は、補助リザーバ58側から吸入通路64側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁である。吸入通路64は、逆止弁68を介してポンプ70の吸入側に連通していると共に、吸入弁66を介して第1液圧通路22に連通している。逆止弁68は、吸入通路64側からポンプ70の吸入側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁である。
【0021】
吸入弁66は、常態で閉弁状態を維持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。ポンプ70の吐出側は、逆止弁72、ダンパ74、およびオリフィス76を介して高圧通路30に連通している。ポンプ70は、補助リザーバ58または吸入通路64からブレーキフルードを吸入し、吸入したブレーキフルードを所定の吐出圧で高圧通路30に吐出する。
【0022】
次に、本実施例の制動力制御装置の動作について説明する。
ECU10は、通常時には、制動力制御装置が備えるすべての制御弁をオフ状態に維持する。この場合、制動力制御装置において、図1に示す状態が実現される。図1に示す状態において、ホイルシリンダ48,50は、マスタシリンダ18と連通している。この場合、ホイルシリンダ48,50には、マスタシリンダ圧と等しいホイルシリンダ圧が導かれる。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、通常時にブレーキ操作量に応じた制動力を発生させることができる。
【0023】
ECU10は、運転者によってブレーキ操作が行われる毎に、液圧センサ26の出力信号PM/C およびその変化率ΔPM/C に基づいて、その操作が制動力の速やかな立ち上がりを意図する操作(以下、この操作を緊急ブレーキ操作と称す)であるか否かを判別する。上記の判別の結果、緊急ブレーキ操作が実行されたと判別された場合は、ECU10は、ブレーキ増圧制御の一例であるブレーキアシスト制御(以下、BA制御と称す)を開始する。
【0024】
BA制御は、マスタカット弁28を閉弁状態とし、吸入弁66を開弁状態とし、かつ、ポンプ70を作動状態とすることにより実現される。マスタカット弁28を閉弁状態とすると、マスタシリンダ18と高圧通路30と間を遮断することができる。また、吸入弁66を開弁状態とし、ポンプ70を作動状態とすると、マスタシリンダ18内のブレーキフルードをポンプ70によって高圧通路30に圧送することができる。従って、上記のBA制御によれば、ホイルシリンダ48,50に、ポンプ70による吐出圧を導くことができる。
【0025】
BA制御は、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれている状況下で、すなわち、マスタシリンダ圧がある程度高圧に昇圧されている状況下で実行される。従って、BA制御の実行中は、吸入通路64に高圧のマスタシリンダ圧が導かれる。上述の如く、吸入通路64は、逆止弁68を介してポンプ70の吸入側に連通していると共に、吸入弁66を介して第1液圧通路22に連通している。このため、BA制御の実行中は、マスタシリンダ18側から補助リザーバ58側へブレーキフルードが流入することなく、ポンプ70の吸入口に高圧のマスタシリンダ圧が導かれる。
【0026】
ポンプ70は、吸入口に供給される液圧を更に増圧して吐出孔から吐出する。従って、BA制御が実行される場合は、高圧通路30に、マスタシリンダ圧に比して高圧の液圧が導かれる。このように、上記のBA制御によれば、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、ホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧に比して高い液圧に制御することができる。
【0027】
ところで、BA制御の実行時にポンプ70が作動すると、吸入弁66の下流側、すなわち、吸入通路64が負圧となる事態が生じ得る。本実施例の制動力制御装置は、マスタシリンダ18からホイルシリンダ48,50へ至る通路内からブレーキフルードをホイルシリンダ48,50に供給することによりBA制御を実現するインライン式のシステムである。本実施例の制動力制御装置において、吸入通路64が負圧状態である場合に吸入弁66が開弁状態とされると、マスタシリンダ18内のブレーキフルードが吸入通路64に流入する事態が生じる。かかる場合、マスタシリンダ圧が急激な低下を示す。マスタシリンダ圧が急激に低下すると、その変動が振動としてブレーキペダル12に伝達されてしまう。
【0028】
BA制御の実行時にマスタシリンダ圧の急激な低下を回避するためには、吸入通路64が負圧の状態になることを防止することが適切である。吸入通路64を負圧の状態にしないためには、ポンプ70の作動時に吸入通路64にブレーキフルードが供給されていることが望ましい。
上述の如く、BA制御は、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれている状況下で、すなわち、マスタシリンダ圧がある程度高圧に昇圧されている状況下で実行される。かかる状況下で吸入弁66が開弁状態とされると、マスタシリンダ18内のブレーキフルードは吸入通路64に流出する。従って、ポンプ70の作動前に吸入弁66を開弁状態とすることによれば、吸入通路64が負圧の状態になることを防止することができる。
【0029】
以下、図2および図3を参照して、本実施例の特徴部について説明する。本実施例の制動力制御装置は、上記の機能を実現すべく、BA制御実行時にポンプ70の作動前に吸入弁66をオン状態とする点に特徴を有している。
図2は、本実施例の制動力制御装置においてBA制御を適切に実行すべくECU10が実行するECU10で実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図2に示すルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。図2に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0030】
ステップ100では、BA制御の開始条件が成立しているか否かが判別される。具体的には、出力信号PM/C が所定値以上であり、かつ、その変化率ΔPM/C が所定値以上である場合にBA制御の開始条件が成立したと判別される。その結果、BA制御の開始条件が成立しないと判別される場合は、以後何らの処理が実行されることなく今回のルーチンが終了される。一方、BA制御の開始条件が成立すると判別される場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0031】
ステップ102では、マスタカット弁28がオン状態(閉弁状態)とされる。本ステップ102の処理が実行されると、ホイルシリンダ48,50がマスタシリンダ18から切り離される。
ステップ104では、吸入弁66がオン状態(開弁状態)とされる。本ステップ104の処理が実行されると、吸入弁66および吸入通路64を通って、マスタシリンダ圧が、補助リザーバ58を介してポンプ70の吸入口に導かれる。
【0032】
ステップ106では、吸入弁66が開弁状態とされた後、所定時間が経過したか否かが判別される。本ステップ106の処理は、所定時間が経過したと判別されるまで繰り返し実行される。その結果、所定時間が経過したと判別された場合は、次にステップ108の処理が実行される。
ステップ108では、ポンプ70がオン状態とされる。本ステップ108の処理が実行されると、ポンプ70の吐出圧がホイルシリンダ48,50に供給される。従って、本ステップ108の処理が実行されると、以後、各車輪のホイルシリンダ圧が速やかにマスタシリンダ圧に比して高い圧力に昇圧される。
【0033】
ステップ110では、BA制御の終了条件が成立しているか否かが判別される。具体的には、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されていること、車速が十分に低下していること、または、BA制御開始後所定の時間が経過したこと等が認められる場合にBA制御の終了条件が成立していると判別される。本ステップ110の処理は、上記の条件が成立したと判別されるまで繰り返し実行される。その結果、上記の条件が成立したと判別されると、次にステップ112の処理が実行される。
【0034】
ステップ112では、BA制御を終了させるための処理、具体的には、吸入弁66をオフ状態(閉弁状態)とし、マスタカット弁28をオフ状態(開弁状態)とし、かつ、ポンプ70をオフ状態とする処理が実行される。これらの処理が実行されると、制動力制御装置は、図1に示す状態、すなわち、ホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧と等圧に制御し得る状態に復帰する。本ステップ112の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0035】
上記の処理によれば、BA制御の開始条件が成立した後ポンプ70をオン状態とする前に吸入弁66を開弁状態とすることができる。このため、本実施例によれば、ポンプ70が作動することに起因して吸入通路64が負圧状態になることを防止することができる。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、BA制御実行時にマスタシリンダ圧の急激な変動が回避されることで、その変動に起因して生じるブレーキペダル12の振動を抑制することができる。
【0036】
図3は、BA制御の実行時のマスタシリンダ圧を、対比制御装置と本実施例の制動力制御装置とで比較した図を示す。対比制御装置は、ポンプ70をオン状態とする前に吸入弁66を開弁状態としない。すなわち、ポンプ70をオン状態にした後に吸入弁66を開弁状態とする。かかる制御が行われた場合は、吸入弁66とポンプ70の吸入口との間の吸入通路64が負圧状態となり、図3の実線で示す如く、マスタシリンダ圧は、吸入弁66が開弁された後に大きく変動する。
【0037】
一方、本実施例の制動力制御装置は、上述の如く、ポンプ70をオン状態とする前に吸入弁66を開弁状態とする。かかる制御が行われた場合は、図3に一点鎖線で示す如く、マスタシリンダ圧は、吸入弁66が開弁された後にマスタシリンダ圧とホイルシリンダとの差圧に応じた分だけ変動することになる。しかし、本実施例では、上記の対比制御装置の場合の如く吸入通路64が負圧状態になることに起因するマスタシリンダ圧の変動は生じない。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、対比制御装置に比して、BA制御実行時のマスタシリンダ圧の変動を抑制することが可能となる。
【0038】
尚、上記の実施例においては、BA制御が請求項に記載した「ブレーキ増圧制御」に相当していると共に、ECU10が上記ステップ108の処理に先立って上記ステップ104の処理を実行することにより請求項に記載した「吸入弁開弁手段」が実現されている。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施例である制動力制御装置について説明する。本実施例の制動力制御装置は、図1に示すシステムにおいて、ECU10が図4に示すルーチンを実行することにより実現される。
【0039】
上述した第1実施例では、BA制御の開始条件が成立した後に吸入弁66が開弁状態とされる。本実施例の制動力制御装置は、BA制御の開始条件のすべてが成立していなくても、開始条件の一部が成立した場合に吸入弁66を開弁状態とする点に特徴を有している。以下、本実施例の特徴部について説明する。
図4は、本実施例の制動力制御装置においてBA制御を適切に実行すべくECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図4に示すルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。尚、図4において、上記図2に示すステップと同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0040】
ステップ120では、▲1▼マスタシリンダ圧PM/C が第1の所定量THP1 以上であり、かつ、▲2▼単位時間当りのマスタシリンダ圧PM/C の変化率ΔPM/C が第1の所定変化率THΔP1 以上であるか否かが判別される。これらの所定量THP1 およびTHΔP1 は、例えば車速SPD、および、ブレーキペダルスイッチ14がオン状態とされた後の経過時間Tstopに基づいて設定される。以下、本ステップ120の条件を第1の条件と称す。
【0041】
具体的には、車両が低速走行中である場合は、高速走行中である場合に比して、制動力を速やかに立ち上げる必要性に乏しい。すなわち、この場合は、BA制御が速やかに開始される必要はない。従って、本実施例において、第1の所定量THP1 は、車速SPDが高くなるほど低い値に設定される。
一方、高速走行中に緊急ブレーキ操作が実行される場合は、低速走行中に緊急ブレーキ操作が実行される場合に比して、ブレーキペダル12は高速で操作される。このため、緊急ブレーキ操作の有無を判別するためのしきい値THΔP1 を、車速が高速である場合に比較的大きな値に設定し、車速が低速である場合に比較的小さな値に設定することが適切である。従って、本実施例において、第1の所定変化率THΔP1 は、車速SPDが高くなるほど高い値に設定される。
【0042】
上記ステップ120において、第1の条件が成立しないと判別される場合は、緊急ブレーキ操作は実行されていないと判断できる。このため、この場合は、今回のルーチンが終了される。一方、第1の条件が成立すると判別される場合は、瞬時的にブレーキ操作が実行されていると判断できる。この場合は、次にステップ122の処理が実行される。
【0043】
ステップ122では、吸入弁66がオン状態(開弁状態)とされる。本ステップ122の処理が実行されると、吸入弁66および吸入通路64を通って、マスタシリンダ圧が、補助リザーバ58を介してポンプ70の吸入口に導かれる。
ステップ124では、変化率ΔPM/C が第2の所定変化率THΔP2 以下であるか否かが判別される。第2の所定変化率THΔP2 は、ブレーキペダル12が高速で操作されているか否かを判別するためのしきい値であり、第1の所定変化率THΔP1 の値に比して小さな値に設定されている。
【0044】
本ステップ124において、ΔPM/C がTHΔP2 を越える値からTHΔP2 以下の値に変化していないと判別される場合は、未だブレーキペダル12が高速で操作されていると判断できる。この場合は、マスタシリンダ18を液圧源とする方が、ポンプ70を液圧源とするよりもホイルシリンダ圧を速やかに昇圧させることができる。このため、本ステップ124の処理は、上記の条件が成立したと判別されるまで繰り返し実行される。その結果、上記の条件が成立したと判別されると、次にステップ126の処理が実行される。
【0045】
ステップ126では、ΔPM/C ≧THΔP1 が成立した後の経過時間CSTANBYが、第1の所定時間THT1 以上であり、かつ、第2の所定時間以下であるか否かが判別される。尚、第1の所定時間THT1 は、緊急ブレーキ操作が行われていると判断するためのブレーキペダル12の操作が継続する下限の時間である。また、第2の所定時間THT2 は、ΔPM/C ≧THΔP2 なる状態を維持すべき上限の時間である。以下、上記ステップ124の条件と本ステップ126の条件とを合わせて第2の条件と称す。
【0046】
本ステップ126の処理の結果、第2の条件が成立すると判別される場合は、運転者によって適正に緊急ブレーキ操作が行われていると判断できる。緊急ブレーキ操作が行われている場合、すなわち、マスタシリンダ圧が急激に昇圧している場合は、マスタシリンダ圧とホイルシリンダ圧との間に大きな差圧Pdiffが生じる。かかる状況下においては、マスタシリンダ18を液圧源とする方が、ポンプ70を液圧源とするよりもホイルシリンダ圧を速やかに昇圧させることができる。従って、上記ステップ124,126において、第2の条件が成立すると判別される場合は、次にステップ128の処理が実行される。
【0047】
ステップ128では、ディレイ時間が経過したか否かが判別される。尚、ディレイ時間とは、緊急ブレーキ操作が行われた後、マスタシリンダ圧とホイルシリンダ圧との間の差圧Pdiffが十分に小さな値となるまでの時間である。このディレイ時間は、例えば車速SPD、および、ブレーキペダルスイッチ14がオン状態とされた後の経過時間Tstop等に基づいて設定される。本ステップ128の処理は、ディレイ時間が経過するまで繰り返し実行される。その結果、ディレイ時間が成立したと判別されると、次に上記ステップ108の処理が実行された後、ステップ129の処理が実行される。
【0048】
ステップ129では、マスタカット弁28がオン状態(閉弁状態)とされる。本ステップ129の処理が実行されると、ホイルシリンダ48,50がマスタシリンダ18から切り離される。従って、本ステップ129の処理が実行されると、以後、各車輪のホイルシリンダ圧が速やかにマスタシリンダ圧に比して高い圧力に昇圧される。本ステップ129の処理が終了すると、次に上記ステップ110および112の処理が実行されて、今回のルーチンが終了される。
【0049】
上記ステップ126において、CSTANBYがTHΔT1 未満である場合は、ブレーキ操作が瞬時的に行われ、その後に解除されていると判断できる。また、CSTANBYがTHΔT2 を越えている場合は、ブレーキ操作が不要に長時間に渡って継続していると判断できる。これらの場合は、緊急ブレーキ操作が実行されておらず、BA制御を行う必要がないと判断できる。従って、この場合は、次にステップ130の処理が実行される。
【0050】
ステップ130では、上記ステップ102で開弁状態とされた吸入弁66がオフ状態(閉弁状態)とされる。本ステップ130の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
上記の処理によれば、BA制御の開始条件が成立する前に吸入弁66を開弁状態とし、BA制御の開始条件が成立した後にポンプ70を作動させ、BA制御を開始させることができる。この場合も、ポンプ70が作動することに起因して吸入通路64が負圧状態になることが防止される。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、BA制御実行時にマスタシリンダ圧の急激な変動が回避されることで、その変動に起因して生じるブレーキペダル12の振動を抑制することができる。
【0051】
尚、上記の実施例においては、ECU10が上記ステップ108の処理に先立って上記ステップ122の処理を実行することにより請求項に記載した「吸入弁開弁手段」が実現されている。
ところで、これらの実施例においては、請求項に記載した「所定条件」として緊急ブレーキ操作の成立条件を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ブレーキペダル12の踏み込み量が所定値以上であるという条件、あるいは、マスタシリンダ圧PM/C が所定値以上であるという条件等を用いることとしてもよい。
【0052】
また、これらの実施例においては、吸入通路64とポンプ70の吸入側との間に逆止弁68を設けることとしているが、本発明の液圧回路はこれに限定されるものではなく、図1に示した逆止弁68の代わりに、図5に示す如く逆止弁80を吸入通路64とポンプ70の吸入側との間に設けることとしてもよい。図5に示す液圧回路では、補助リザーバ58には、逆止弁63を介してポンプ70の吸入側が連通している。ポンプ70の吸入側は、更に逆止弁80を介して吸入通路64に連通している。逆止弁80は、吸入通路64側からポンプ70の吸入側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁である。従って、上記の構成によれば、BA制御の実行中は、マスタシリンダ18側から補助リザーバ58側へブレーキフルードが流入することなく、ポンプ70の吸入口に高圧のマスタシリンダ圧が導かれ、ホイルシリンダ圧がマスタシリンダ圧に比して高い液圧に制御される。
【0053】
更に、これらの実施例においては、緊急ブレーキ操作時にポンプを用いてマスタシリンダ側からブレーキフルードを汲み上げてホイルシリンダの液圧を増圧させるBA制御に適用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポンプを用いてマスタシリンダ側からブレーキフルードを汲み上げてホイルシリンダの液圧を増圧させる制御であれば、BA制御以外のブレーキ増圧制御に適用することとしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、ブレーキ増圧制御の実行時にポンプの作動に伴って生じるマスタシリンダ圧の変動を抑制することができる。このため、本発明によれば、ブレーキペダルの振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である制動力制御装置の要部の構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施例である制動力制御装置においてBA制御を適切に実行すべくECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図3】BA制御の実行時のマスタシリンダ圧を、対比制御装置と本発明の第1実施例である制動力制御装置とで比較した図である。
【図4】本発明の第2実施例である制動力制御装置においてBA制御を適切に実行すべくECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図5】本発明の制動力制御装置の要部の構成を表す図である。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU)
18 マスタシリンダ
28 マスタカット弁
30 高圧通路
48,50 ホイルシリンダ
58 補助リザーバ
64 吸入通路
66 吸入弁
70 ポンプ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a braking force control device, and more particularly to a braking force control device suitable as a device that pumps up brake fluid from a master cylinder side using a pump to increase the hydraulic pressure of a wheel cylinder.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as disclosed in, for example, JP-A-4-121260, a braking force control device that generates a braking fluid pressure larger than that in a normal state when an emergency brake operation is performed by a driver is known. . The braking force control device includes a hydraulic pressure control circuit that communicates with a wheel cylinder, a shut-off valve that switches between conduction and cutoff between the hydraulic pressure control circuit and the master cylinder, a pump that communicates with the hydraulic pressure control circuit, and a reservoir and a pump A suction valve that switches between conduction and shut-off with the suction port.
[0003]
In the above braking force control device, normally, the shutoff valve is opened and the intake valve is closed so that the hydraulic pressure of the master cylinder is guided to the wheel cylinder via the hydraulic control circuit. It is burned. Therefore, according to the above state, the wheel cylinder pressure can be controlled to be equal to the master cylinder pressure. Further, in the above braking force control device, when an emergency brake operation is performed, the shut-off valve is closed, the intake valve is opened, and the pump is activated, so that the brake is released from the reservoir. The fluid is pumped up by the pump, and the discharge pressure of the pump is guided to the wheel cylinder through the hydraulic pressure control circuit. Therefore, according to the above braking force control device, it is possible to generate a wheel cylinder pressure that is higher than the master cylinder pressure.
[0004]
Thus, according to the braking force control device described above, both the function of controlling the wheel cylinder pressure to be equal to the master cylinder pressure and the function of controlling the wheel cylinder pressure to be higher than the master cylinder pressure are provided. Can be realized selectively. For this reason, according to said braking force control apparatus, when emergency braking operation is performed, a big braking force can be generated compared with normal time. Hereinafter, the control for generating a larger braking force than that in the normal state under a predetermined condition is referred to as brake pressure increase control, and in particular, the brake pressure increase control executed at the time of emergency brake operation is referred to as brake assist control (BA control). The braking force control device is an outline system that realizes brake pressure increase control by supplying brake fluid to the wheel cylinder from the outside (reservoir) of the path from the master cylinder to the wheel cylinder.
[0005]
By the way, when the pump is used as a high pressure source to execute the brake pressure increasing control, if the pump is operated after the start condition of the brake pressure increasing control is satisfied, the braking force is actually increased due to the response delay of the pump. A time delay occurs before the braking force is generated, and the braking force cannot be quickly started. In order to prevent such inconvenience, it is effective to operate the pump before the start condition of the brake pressure increase control is satisfied.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, an in-line type braking force control device that pumps up brake fluid from the route from the master cylinder to the wheel cylinder and supplies the brake fluid to the wheel cylinder has been known. The braking force control device includes a hydraulic pressure control circuit that communicates with the wheel cylinder, a shut-off valve that switches between conduction and cutoff between the hydraulic pressure control circuit and the master cylinder, a pump that communicates with the hydraulic pressure control circuit, and a master cylinder, A suction valve that switches between conduction and shut-off with the pump suction port is provided.
[0007]
According to such an in-line type braking force control device, when an emergency braking operation is performed, the shut-off valve is closed, the suction valve is opened, and the pump is operated, so that the pump Is discharged to the wheel cylinder through a hydraulic pressure control circuit. Therefore, BA control can be appropriately realized even in an inline type braking force control apparatus. Even in this case, it is possible to prevent a delay in the rising of the braking force by operating the pump prior to the start of the BA control.
[0008]
However, in the in-line type braking force control device, when the brake pressure increase control is executed, if the pump is operated before the intake valve is opened, a situation occurs in which the downstream side of the intake valve becomes negative pressure. When the intake valve is opened in such a state, the brake fluid suddenly flows out from the master cylinder side to the pump intake port, so that the master cylinder pressure rapidly decreases. When the master cylinder pressure rapidly decreases, the fluctuation is transmitted as vibration to the brake pedal.
[0009]
The present invention has been made in view of the above points, and provides an inline-type braking force control device that reliably suppresses fluctuations in master cylinder pressure when a pump is operated to execute brake pressure increase control. The purpose is to do.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by the master cylinder as described in claim 1.A master cut valve that switches between conduction and shut-off with the wheel cylinder;,Provided in parallel to the master cut valve,A pump that pumps up brake fluid from the master cylinder side and supplies it to a wheel cylinder; and a suction valve that switches between conduction and shutoff between the master cylinder and the suction side of the pump,Emergency brake operation was performedIn caseWith the master cut valve closed and the suction valve openedUsing the pump as a hydraulic pressure sourceBy operatingIn the braking force control device that executes the brake pressure increasing control for increasing the wheel cylinder pressure,
The brake pressure increase controlBy executionThe pumpButActuatedThisBeforeIn a state where the master cut valve is openedThis is achieved by a braking force control device comprising suction valve opening means for opening the suction valve.
[0011]
In the present invention, the brake pressure increase controlBy executionpumpButActuatedThisBeforeWith the master cut valve openThe intake valve is opened. When the suction valve is opened before the pump is operated, it is possible to prevent the hydraulic pressure in the suction passage that connects the suction side of the pump and the suction valve from becoming negative when the pump is operated. If the hydraulic pressure in the suction passage is not negative, the brake fluid is prevented from suddenly flowing out from the master cylinder into the suction passage. Therefore, according to the present invention, the fluctuation of the master cylinder pressure is controlled during the brake pressure increase control.Hold downCan.
In the braking force control device described above, after an emergency brake operation is performed and the intake valve is opened by the intake valve opening means, the differential pressure between the master cylinder pressure and the wheel cylinder pressure is a predetermined pressure. The pressure increase control means may be provided for operating the pump and closing the master cut valve when the pressure becomes smaller.
Further, in the braking force control apparatus described above, the suction valve opening means includes the suction valve when the master cylinder pressure exceeds a predetermined amount or the change rate of the master cylinder pressure per unit time exceeds a predetermined change rate. May be in a valve open state.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a system configuration diagram of a part of a braking force control apparatus according to an embodiment of the present invention. The braking force control apparatus of the present embodiment includes a first system including a right front wheel FR and a left rear wheel RL, and a second system including a left front wheel FL and a right rear wheel RR. These two systems are substantially identical in configuration. For this reason, below, the structure and operation | movement of a 1st system | strain are demonstrated.
[0013]
The braking force control device of this embodiment is a braking force control device for diagonal piping (X piping). The braking force control device is controlled by an electronic control unit (hereinafter referred to as ECU) 10. The braking force control device includes a
[0014]
The
[0015]
A reservoir tank 20 is disposed above the
[0016]
A
[0017]
A
[0018]
The high-
[0019]
The control
[0020]
A
[0021]
The
[0022]
Next, the operation of the braking force control apparatus of this embodiment will be described.
The
[0023]
Each time the brake operation is performed by the driver, the
[0024]
The BA control is realized by closing the master cut
[0025]
The BA control is executed under the situation where the
[0026]
The
[0027]
By the way, when the
[0028]
In order to avoid a rapid decrease in the master cylinder pressure during execution of the BA control, it is appropriate to prevent the
As described above, the BA control is executed under the situation where the
[0029]
Hereinafter, with reference to FIG. 2 and FIG. 3, the characteristic part of a present Example is demonstrated. The braking force control apparatus according to the present embodiment is characterized in that the
FIG. 2 shows a flowchart of an example of a control routine executed by the
[0030]
In
[0031]
In
In
[0032]
In
In
[0033]
In
[0034]
In
[0035]
According to the above processing, the
[0036]
FIG. 3 shows a comparison of the master cylinder pressure during execution of BA control between the comparison control device and the braking force control device of the present embodiment. The contrast control device does not open the
[0037]
On the other hand, as described above, the braking force control apparatus according to the present embodiment opens the
[0038]
In the above embodiment, the BA control corresponds to the “brake pressure increasing control” recited in the claims, and the
Next, with reference to FIG. 4, the braking force control apparatus which is 2nd Example of this invention is demonstrated. The braking force control apparatus of the present embodiment is realized by the
[0039]
In the first embodiment described above, the
FIG. 4 shows a flowchart of an example of a control routine executed by the
[0040]
In
[0041]
Specifically, when the vehicle is traveling at a low speed, it is less necessary to quickly increase the braking force than when the vehicle is traveling at a high speed. That is, in this case, BA control does not need to be started immediately. Accordingly, in the present embodiment, the first predetermined amount THP1 is set to a lower value as the vehicle speed SPD increases.
On the other hand, when an emergency brake operation is performed during high speed travel, the
[0042]
If it is determined in
[0043]
In
In
[0044]
If it is determined in this
[0045]
In
[0046]
When it is determined that the second condition is satisfied as a result of the process of
[0047]
In
[0048]
In
[0049]
If CSTABY is less than THΔT1 in
[0050]
In
According to the above processing, the
[0051]
In the above-described embodiment, the “suction valve opening means” described in the claims is realized by the
By the way, in these embodiments, the emergency brake operation establishment condition is used as the “predetermined condition” described in the claims, but the present invention is not limited to this, and the depression amount of the
[0052]
In these embodiments, the
[0053]
Furthermore, in these embodiments, the present invention is applied to BA control in which the brake fluid is pumped up from the master cylinder side by using a pump during emergency brake operation to increase the hydraulic pressure of the wheel cylinder. The present invention is not limited, and any control may be applied to brake pressure increase control other than BA control as long as the pump fluid is pumped up from the master cylinder side to increase the hydraulic pressure of the wheel cylinder.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to suppress the fluctuation of the master cylinder pressure that occurs with the operation of the pump when the brake pressure increasing control is executed. For this reason, according to this invention, the vibration of a brake pedal can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of a main part of a braking force control apparatus according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a flowchart of an example of a control routine executed by the
FIG. 3 is a diagram comparing the master cylinder pressure during execution of BA control between the comparison control device and the braking force control device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a flowchart of an example of a control routine executed by the
FIG. 5 is a diagram illustrating a configuration of a main part of a braking force control apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Electronic control unit (ECU)
18 Master cylinder
28 Master cut valve
30 High pressure passage
48, 50 wheel cylinder
58 Auxiliary reservoir
64 Suction passage
66 Suction valve
70 pump
Claims (3)
前記ブレーキ増圧制御の実行により前記ポンプが作動される前に、前記マスタカット弁が開弁された状態で前記吸入弁を開弁状態とする吸入弁開弁手段を備えることを特徴とする制動力制御装置。A master cut valve that switches between conduction and cutoff between the master cylinder and the wheel cylinder; a pump that is provided in parallel to the master cut valve and that pumps brake fluid from the master cylinder side and supplies the brake fluid to the wheel cylinder; and A suction valve that switches between conduction and shutoff between the master cylinder and the suction side of the pump, and when the emergency brake operation is performed, the master cut valve is closed and the suction valve is opened In the braking force control device for executing the brake pressure increasing control for increasing the wheel cylinder pressure by operating the pump as a hydraulic pressure source,
Before the pump is Ru is operated by executing the pressure control up brake, characterized in that it comprises a suction valve opening means for the suction valve an open state in a state where the master cut valve is opened Braking force control device.
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