次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では画像処理装置を一例として説明するが、ユーザ情報を用いて所定の処理を行う如何なる情報処理装置であってもよい。また、ユーザ情報を一例として説明するが、所定の処理を行うために使用される如何なる情報であってもよい。
図1は、本発明による画像処理装置の一実施例の構成図である。図1の画像処理装置1は、ソフトウェア群2と,融合機起動部3と,ハードウェア資源4とを含むように構成される。
融合機起動部3は画像処理装置1の電源投入時に実行され、アプリケーション層5およびプラットフォーム6のプログラムをハードディスク装置(以下、HDDという)などから読み出し、読み出した各プログラムをメモリ領域に転送して起動する。ハードウェア資源4は、プロッタ11と,スキャナ12と,ファクシミリなどのその他のハードウェアリソース13とを含む。また、ソフトウェア群2はUNIX(登録商標)などのオペレーティングシステム(以下、OSという)上に起動されているアプリケーション層5とプラットフォーム6とを含む。
アプリケーション層5は、プリンタ,コピー,ファックスおよびスキャナなどの画像形成にかかる固有の処理を行うプログラムとして、プリンタアプリ21と,コピーアプリ22と,ファックスアプリ23と,スキャナアプリ24と,ネットファイルアプリ25とを含む。なお、ネットファイルアプリ25はネットワークファイル用のアプリケーションであり、画像処理装置1にネットワークを介して接続されるネットワーク機器(他の画像処理装置を含む)とのデータ通信を管理するものである。
プラットフォーム6は、アプリケーション層5からの処理要求を解釈してハードウェア資源4の獲得要求を発生するコントロールサービス層9と、1つ以上のハードウェア資源4の管理を行ってコントロールサービス層9からの獲得要求を調停するSRM(システムリソースマネージャ)40と、SRM40からの獲得要求に応じてハードウェア資源4の管理を行うハンドラ層10とを含む。
コントロールサービス層9は、NCS31,DCS32,OCS33,FCS34,ECS35,MCS36,UCS37,CCS38,SCS39など、一つ以上のサービスモジュールを含むように構成されている。なお、プラットフォーム6は予め定義されている関数により、アプリケーション層5からの処理要求を受信するAPI43を有するように構成されている。OSは、アプリケーション層5およびプラットフォーム6の各ソフトウェアをプロセスとして並列実行する。
NCS(ネットワークコントロールサービス)31のプロセスは、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分ける際の仲介、又は各アプリケーションからのデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。例えばNCS31は、画像処理装置にネットワークを介して接続されているネットワーク機器とのデータ通信を制御する。
DCS(デリバリーコントロールサービス)32のプロセスは、画像処理装置1に蓄積されている文書データの配送などの制御を行う。OCS(操作パネルコントロールサービス)33のプロセスは、後述する操作パネルの制御を行う。
FCS(ファックスコントロールサービス)34のプロセスは、アプリケーション層5からPSTNまたはISDN網を利用したファックスの送受信,バックアップ用のメモリで管理されている各種ファックスデータの登録又は引用,ファックスの読み取り,ファックスの受信印刷などを行うためのAPIを提供する。
ECS(エンジンコントロールサービス)35のプロセスは、プロッタ11,スキャナ12,ハードウェアリソース13などのエンジン部の制御を行う。MCS(メモリコントロールサービス)36のプロセスは、メモリの取得又は解放,HDDの利用,画像データの圧縮および伸張などの制御を行う。UCS(ユーザ情報コントロールサービス)37のプロセスは、ユーザ情報の管理を行うものである。
CCS(セキュリティコントロールサービス)38のプロセスは、アプリケーション層5のプログラムに対してセキュリティサービスを提供する。また、SCS(システムコントロールサービス)39のプロセスは、アプリケーションの管理,操作部の制御,システム画面の表示,LEDの表示,ハードウェア資源の管理,割り込みアプリケーションの制御などの処理を行う。
SRM40のプロセスは、SCS39と共にシステムの制御およびハードウェア資源4の管理を行うものである。例えばSRM40のプロセスは、プロッタ11やスキャナ12などのハードウェア資源4を利用する上位層からの獲得要求に従って調停を行い、ハードウェア資源4の実行を制御する。
具体的に、SRM40のプロセスは獲得要求されたハードウェア資源4が利用可能であるか(他の獲得要求により利用されていないか)を判定し、利用可能であれば獲得要求されたハードウェア資源4が利用可能である旨を上位層に通知する。SRM40のプロセスは、上位層からの獲得要求に対してハードウェア資源4を利用するためのスケジューリングを行い、要求内容(プリンタエンジンによる紙搬送と作像動作,メモリの確保,ファイルの生成など)を直接実施している。
また、ハンドラ層10は後述するFCU(ファックスコントロールユニット)の管理を行うFCUH(ファックスコントロールユニットハンドラ)41と、プロセスに対するメモリの割り振り及びプロセスに割り振ったメモリの管理を行うIMH(イメージメモリハンドラ)42とを含む。SRM40及びFCUH41は、予め定義されている関数によりハードウェア資源4に対する処理要求を送信するエンジンI/F44を利用して、ハードウェア資源4に対する処理要求を行う。
図1の構成により、画像処理装置1は各アプリケーションで共通的に必要な処理をプラットフォーム6で一元的に処理することができる。次に、画像処理装置1のハードウェア構成について説明する。
図2は、本発明による画像処理装置の一実施例のハードウェア構成図である。画像処理装置1は、コントローラ60と,操作パネル80と,FCU81と,エンジン部82とを含む。図2のコントローラ60は、CPU61と,システムメモリ62と,NB(ノースブリッジ)63と,SB(サウスブリッジ)64と,ASIC66と,ローカルメモリ67と,HDD68と、ネットワークインターフェースカード(NIC)69と,USB用I/F70と,IEEE1394用I/F71と,セントロニクス用I/F72とを含むように構成される。
操作パネル80は、コントローラ60のASIC66に接続されている。また、FCU81およびエンジン部82は、コントローラ60のASIC66にPCIバス83で接続されている。コントローラ60は、ASIC66にローカルメモリ67,HDD68などが接続されると共に、CPU61とASIC66とがCPUチップセットのNB63を介して接続されている。コントローラ60は、NB63を介してCPU61とASIC66とを接続することにより、CPU61のインターフェースが公開されていない場合に対応する。
ASIC66とNB63とは、AGP(Accelerated Graphics Port )65を介して接続されている。このように、図1のアプリケーション層5やプラットフォーム6を形成する一つ以上のプロセスを実行制御するため、ASIC66とNB63とを低速のPCIバスでなくAGP65を介して接続することで、パフォーマンスの低下を防いでいる。
CPU61は、画像処理装置1の全体制御を行うものである。CPU61は、OS上にNCS31,DCS32,OCS33,FCS34,ECS35,MCS36,UCS37,CCS38,SCS39をそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション層5を形成するプリンタアプリ21,コピーアプリ22,ファックスアプリ23,スキャナアプリ24およびネットファイルアプリ25を起動して実行させる。
また、NB63はCPU61,システムメモリ62,SB64,ASIC66,NIC69,USB用I/F70,IEEE1394用I/F71,セントロニクス用I/F72を接続するためのブリッジである。SB64,NIC69,USB用I/F70,IEEE1394用I/F71およびセントロニクス用I/F72は、PCIバス73を介してNB63に接続されている。SB64は、PCIバス73とROMや周辺デバイス等とを接続するためのブリッジである。
システムメモリ62は、描画用のメモリなどとして用いるメモリである。ローカルメモリ67は、コピー用の画像バッファ,符号バッファとして用いるメモリである。ASIC66は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD68は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積などを行うストレージ(補助記憶装置)の一例である。
NIC69は、画像処理装置1をネットワークに接続するインターフェースである。USB用I/F70,IEEE1394用I/F71,セントロニクス用I/F72は、夫々の規格に準じたインターフェースである。操作パネル80は、操作者からの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う操作部である。なお、FCU81はメモリを有している。FCU81が有するメモリは、例えば画像処理装置1の電源がOFFのときに受信したファクシミリデータを一時的に格納するために利用される。
図3は、ネットワークを介して接続されている二つの画像処理装置を表した一例の構成図である。図3では、画像処理装置1a及び1bがLAN(local area network)やインターネット等のネットワーク100を介して接続されている。画像処理装置1aは、自機のユーザ情報として予めユーザ情報101aが設定されている。また、画像処理装置1bは自機のユーザ情報として予めユーザ情報101bが設定されている。なお、画像処理装置1a及び1bは、自機のネットワークモジュールを介してデータの送受信を行っているが、ネットワークモジュールの図示や説明を省略している。
以下、画像処理装置1bが、画像処理装置1aのユーザ情報101aを一時的に取得して利用する処理について説明していく。このように、画像処理装置1bが、画像処理装置1aのユーザ情報101aを一時的に取得して利用する例としては、画像処理装置1aのスキャナ機能又はファックス機能のみが故障した場合や画像処理装置1aを他人が占有している場合などが考えられる。
まず、本発明の理解を容易とする為に、ユーザ情報を利用するモジュールの一例としてのファックスアプリ23又はスキャナアプリ24が、ユーザ情報を管理するモジュールの一例としてのUCS37から自機のユーザ情報を取得してアドレス帳画面を表示する処理について説明する。
図4は、ユーザ情報の取得要求,追加要求,変更要求,削除要求について説明するための図である。なお、図4では説明に必要のない構成を省略している。画像処理装置1bに含まれるUCS37は、ユーザ情報101bを一元管理している。UCS37が管理するユーザ情報101bには、名前,メールアドレス,FAX番号などのデータ項目が含まれている。UCS37は、ファックスアプリ23,スキャナアプリ24又はSCS39からの取得要求に応じて、ユーザ情報101bをファックスアプリ23,スキャナアプリ24又はSCS39に提供する。また、UCS37は、SCS39からの追加要求,変更要求又は削除要求に応じて、ユーザ情報101bを追加,変更又は削除する。
ファックスアプリ23は、UCS37にユーザ情報101bの取得要求を行い、ユーザ情報101bのうちファックス機能に必要なユーザ情報104を取得し、そのユーザ情報104を用いて操作パネル80にアドレス帳画面110を表示する。アドレス帳画面110には、ファックスデータを送信可能な宛先(例えばFAX番号)が表示される。
スキャナアプリ24は、UCS37にユーザ情報101bの取得要求を行い、ユーザ情報のうちスキャナ機能に必要なユーザ情報105を取得し、そのユーザ情報105を用いて操作パネル80にアドレス帳画面120を表示する。アドレス帳画面120には、スキャナデータを送信可能な宛先(例えばメールアドレス)が表示される。
SCS39のシステム初期設定機能103は、UCS37にユーザ情報101bの取得要求,追加要求,変更要求,削除要求を行い、ユーザ情報101bのうち必要なユーザ情報の取得,追加,変更,削除を行う。なお、SCS39のソフトキーボード機能102は操作パネル80にソフトキーボードを表示し、そのソフトキーボードの制御を行う。
ここで、スキャナアプリ24が操作パネル80に表示するアドレス帳画面120について更に説明する。図5は、スキャナアプリが操作パネルに表示するアドレス帳画面の一例のイメージ図である。例えば画像処理装置1の筐体に設けられたスキャナアプリ24を起動させるためのハードキーが押下されると、スキャナアプリ24は前述したようにUCS37からユーザ情報105を取得し、そのユーザ情報105を使用してアドレス帳画面121を操作パネル80に表示する。
図5のアドレス帳画面121には、見出し「常用」に所属するメールアドレスを持った12個のエントリが含まれている。ここで、操作者が操作パネル80を操作してアドレス帳画面121からエントリ「0001太田」を選択すると、スキャナアプリ24はユーザ情報105を使用してアドレス帳画面122を操作パネル80に表示する。図5のアドレス帳画面122には、エントリ「0001太田」に関連付けられているメールアドレス「ohta@ricoh.jp」が含まれる。
アドレス帳画面121及び122に含まれる見出し及びエントリは、ユーザ情報101bの一部である見出し情報及びエントリ情報としてUCS37により次のように管理されている。
図6は、見出し情報とエントリ情報との関係を表した一例のデータ構造図である。見出し情報は、見出しID,見出し名,所属エントリ情報などを含むように構成される。所属エントリ情報は、エントリIDの配列を含むように構成される。見出しIDは、見出しを特定する識別子である。見出し名は、見出しとして表示される「常用」,「あ」などの表示名である。エントリIDの配列は、その見出しに所属するエントリのエントリIDの配列である。
一方、エントリ情報は、エントリID,名前,表示名,エントリ種別,ユーザコード情報,メール情報,FAX情報,所属情報,認証情報,グループ情報,見出し情報などを含むように構成される。
ユーザコード情報は、ユーザコード,利用制限などを含むように構成される。メール情報は、メールアドレスを含むように構成される。FAX情報は、FAX番号を含むように構成される。所属情報は、会社名,部署名などを含むように構成される。認証情報は、パスワードなどを含むように構成される。グループ情報は、グループIDなどを含むように構成される。また、見出し情報は見出しIDなどを含むように構成される。
図6に表されるように、見出し情報とエントリ情報とは、見出し情報の所属エントリ情報に含まれるエントリIDの配列により関連付けられている。なお、エントリ情報はエントリを区別するための最小単位の情報である。即ち、エントリ情報があればエントリを表示できる。また、見出しに所属するエントリは、所属エントリ情報に含まれるエントリIDの配列から判別できる。さらに、選択されたエントリのメールアドレスは、エントリ情報に含まれているメール情報から判別できる。したがって、スキャナアプリ24はUCS37から取得したユーザ情報105を使用してアドレス帳画面121及び122を操作パネル80に表示することができる。
図7は、スキャナアプリがUCSから自機のユーザ情報を取得してアドレス帳画面を表示する処理の一例のシーケンス図である。ステップS1では、画像処理装置1の操作パネル80に設けられたスキャナアプリ24を起動させるためのソフトキー(以下、スキャナ画面移行ボタンという)が押下され、操作パネル80からスキャナ画面移行ボタンのキーIDがSCS39に送信される。
ステップS2に進み、SCS39は操作パネル80から受信したキーIDに応じてスキャナ移行通知をスキャナアプリ24に送信する。ステップS3に進み、スキャナアプリ24はスキャナ実行可否を確認する。ステップS4に進み、スキャナアプリ24は確認した実行可否に応じてスキャナへの移行がOKであるか否かを判定する。スキャナアプリ24は、移行がOKであれば(S4においてYES)、ステップS8に進む。
一方、スキャナアプリ24は移行がNGであれば(S4においてNO)、ステップS5に進み、SCS39に対して移行不可通知を送信する。ステップS6に進み、SCS39は受信した移行不可通知に応じて拒絶のブザーを鳴らす。そして、SCS39はステップS7に進み、処理を終了する。
ステップS8では、スキャナアプリ24が、SCS39に対して移行可能応答を送信する。ステップS9に進み、SCS39は受信した移行可能応答に応じてスキャナ移行許可をスキャナアプリ24に送信する。ステップS10に進み、スキャナアプリ24は受信したスキャナ移行許可に応じて「お待ちください画面」を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS11に進み、スキャナアプリ24はステップS10で作成したデータを操作パネル80に送信して「お待ちください画面」の表示を要求する。ステップS12に進み、操作パネル80は「お待ちください画面」を操作パネル80に表示する。
また、ステップS13に進み、スキャナアプリ24はUCS37に見出し情報取得要求を送信する。ステップS14に進み、UCS37は受信した見出し情報取得要求に応じて見出し情報をスキャナアプリ24に送信する。ステップS15に進み、スキャナアプリ24はステップS14で取得した見出し情報に応じてUCS37にエントリ情報取得要求を送信する。なお、スキャナアプリ24はステップS14で取得した見出し情報の所属エントリ情報に含まれるエントリIDの配列に応じてエントリ情報取得要求を行う。
ステップS16に進み、UCS37は受信したエントリ情報取得要求に応じてエントリ情報をスキャナアプリ24に送信する。ステップS17に進み、スキャナアプリ24はステップS14で取得した見出し情報に応じて取得したいエントリ情報,言い換えれば取得すべきエントリ情報がまだあるか否かを判定する。
取得したいエントリ情報がまだあると判定すると(S17においてYES)、スキャナアプリ24はステップS15に戻り処理を続ける。一方、取得したいエントリ情報がもうないと判定すると(S17においてNO)、スキャナアプリ24はステップS18に進み、受信した見出し情報及びエントリ情報を用いて図5のようなアドレス帳画面121を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS19に進み、スキャナアプリ24はステップS18で作成したデータを操作パネル80に送信してアドレス帳画面121の表示を要求する。ステップS20に進み、操作パネル80はアドレス帳画面121を操作パネル80に表示する。また、スキャナアプリ24はステップS21に進み、移行応答をSCS39に送信して処理を終了する。
次に、ファックスアプリ23又はスキャナアプリ24が、他機のUCS37からユーザ情報を取得して、操作パネル80にアドレス帳画面121,122を表示する処理について説明していく。
図8は、ネットワークを介して接続されている二つの画像処理装置の詳細を表した一例の構成図である。なお、図8では、説明に必要のない構成を省略している。図8では、画像処理装置1a及び1bがLANやインターネット等のネットワーク100を介して接続されている。画像処理装置1aは、自機のユーザ情報として予めユーザ情報101aが設定されている。画像処理装置1bは、自機のユーザ情報として予めユーザ情報101bが設定されている。画像処理装置1bのUCS37は、画像処理装置1aのUCS37にクライアント登録することで、画像処理装置1aのユーザ情報101aを自機のユーザ情報101bのように使用することができる。
例えば画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、画像処理装置1aのユーザ情報101aを一時的に取得して利用する場合、自機のUCS37に対して画像処理装置1aのアドレス帳画面121を要求する。画像処理装置1bのUCS37は、画像処理装置1aのUCS37を介して画像処理装置1aのユーザ情報101aを取得する。画像処理装置1bのUCS37は、取得した画像処理装置1aのユーザ情報101aを画像処理装置1bのスキャナアプリ24に送信する。なお、画像処理装置1a及び画像処理装置1bのUCS37は、画像処理装置1a及び画像処理装置1bのNCS31とネットワーク100を介してユーザ情報の送受信を行う。
図8では、ユーザ情報を取得する取得先として画像処理装置1aが選択されている例を表している。本発明による画像処理装置1bは、以下のようにユーザ情報の取得先を選択することができる。
図9は、ユーザ情報の取得先を選択する取得先選択画面の一例のイメージ図である。例えば操作パネル80に表示されたアドレス帳画面121のボタン124が操作者に押下されると、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は取得先選択画面123を操作パネル80に表示する。取得先選択画面123は、自機のユーザ情報101bを取得先として選択するためのボタン125と,LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)に準拠している配信サーバ(図示せず)を取得先として選択するためのボタン126と,画像処理装置1aなどの他の画像処理装置を取得先として選択するためのボタン127とが含まれている。
画像処理装置1bの操作者は、操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下することで、ユーザ情報の取得先として他の画像処理装置を選択する処理に進むことができる。なお、他の画像処理装置を選択する処理は、複数種類考えられるため、順番に説明していく。
他の画像処理装置を選択する第1の処理は、操作者に他の画像処理装置のIPアドレス又はホスト名を入力させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24はIPアドレス又はホスト名を入力させるための画面128を操作パネル80に表示する。図10は、他の画像処理装置を選択する画面の第1実施例のイメージ図である。操作者は、画像処理装置のIPアドレス又はホスト名を画面128に入力することにより、そのIPアドレス又はホスト名に対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。
他の画像処理装置を選択する第2の処理は、メールアドレスを持った画像処理装置のIPアドレス一覧を操作パネル80に表示して、操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24はメールアドレスを持った画像処理装置のIPアドレス一覧から一つの画像処理装置のIPアドレスを選択させるための画面129を操作パネル80に表示する。図11は、他の画像処理装置を選択する画面の第2実施例のイメージ図である。
なお、メールアドレスを持った画像処理装置のIPアドレス一覧は、例えばMIB(管理情報ベース)を使用することで実現できる。操作者は、画面129に表示された画像処理装置のIPアドレス一覧から一つのIPアドレスを選択することにより、そのIPアドレスに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。
他の画像処理装置を選択する第3の処理は、事前に登録してある画像処理装置のアイコン一覧を操作パネル80に表示して操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24は画像処理装置のアイコン一覧から一つの画像処理装置のアイコンを選択させるための画面130を操作パネルに表示する。図12は、他の画像処理装置を選択する画面の第3実施例のイメージ図である。
なお、画面130の画像処理装置のアイコン一覧は、例えば特開2001−92763号公報に記載されている内容を利用することで実現できる。操作者は、画面130に表示された画像処理装置のアイコン一覧から一つのアイコンを選択することにより、そのアイコンに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。
他の画像処理装置を選択する第4の処理は、事前に登録してある画像処理装置のIPアドレス一覧を操作パネル80に表示して、操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24は画像処理装置のIPアドレス一覧から一つの画像処理装置のIPアドレスを選択させるための画面131を操作パネル80に表示する。図13は、他の画像処理装置を選択する画面の第4実施例のイメージ図である。操作者は、画面131に表示された画像処理装置のIPアドレス一覧から一つのIPアドレスを選択することにより、そのIPアドレスに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。
他の画像処理装置を選択する第5の処理は、事前に登録してある画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されている画像処理装置の詳細情報とを操作パネル80に表示して、操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24は画像処理装置のIPアドレス一覧から一つの画像処理装置のIPアドレスを選択させるための画面132を操作パネル80に表示する。
図14は、他の画像処理装置を選択する画面の第5実施例のイメージ図である。画面132は、事前に登録してある画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されているIPアドレス「111.111.111.111」の画像処理装置の詳細情報とを含む。詳細情報には、画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択するときに参考となる各種情報が含まれる。
操作者は、詳細情報を参考にしながら画面132に表示された画像処理装置のIPアドレス一覧から一つのIPアドレスを選択することにより、そのIPアドレスに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。なお、図14の画面132では画像処理装置のIPアドレス一覧を表示した例を表したが、画像処理装置のアイコン一覧であってもよい。
他の画像処理装置を選択する第6の処理は、その時点で故障などが原因で使用できない画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されている画像処理装置の詳細情報とを操作パネル80に表示して、操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24は使用できない画像処理装置のIPアドレス一覧から一つの画像処理装置のIPアドレスを選択させるための画面133を操作パネル80に表示する。
図15は、他の画像処理装置を選択する画面の第6実施例のイメージ図である。画面133は、使用できない画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されているIPアドレス「111.111.111.111」の画像処理装置の詳細情報とを含む。詳細情報には、その画像処理装置が使用できない理由など、画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択するときに参考となる各種情報が含まれる。
使用できない画像処理装置のIPアドレス一覧は、例えばMIBを使用することで実現できる。操作者は、画面133に表示された画像処理装置のIPアドレス一覧から一つのIPアドレスを選択することにより、そのIPアドレスに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。なお、図15の画面133では画像処理装置のIPアドレス一覧を表示した例を表したが、画像処理装置のアイコン一覧であってもよい。
他の画像処理装置を選択する第7の処理は、所定条件に合致する画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されている画像処理装置の詳細情報とを操作パネル80に表示して、操作者に選択させるものである。例えば操作パネル80に表示された取得先選択画面123のボタン127を押下されると、スキャナアプリ24は所定条件に合致する画像処理装置のIPアドレス一覧から一つの画像処理装置のIPアドレスを選択させるための画面134を操作パネル80に表示する。
図16は、他の画像処理装置を選択する画面の第7実施例のイメージ図である。画面134は、アドレスバージョン2以上のアドレス帳を持つ画像処理装置のIPアドレス一覧と、その時点で画像処理装置のIPアドレス一覧から選択されているIPアドレス「111.111.111.111」の画像処理装置の詳細情報とを含む。詳細情報には、その画像処理装置が持つアドレスバージョンなど、画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択するときに参考となる各種情報が含まれる。
アドレスバージョンなどの所定条件でフィルタリングされた画像処理装置のIPアドレス一覧は、pingを使用することで実現できる。操作者は、画面134に表示された画像処理装置のIPアドレス一覧から一つのIPアドレスを選択することにより、そのIPアドレスに対応する画像処理装置をユーザ情報の取得先として選択できる。なお、図16の画面134では画像処理装置のIPアドレス一覧を表示した例を表したが、画像処理装置のアイコン一覧であってもよい。
ここで、他の画像処理装置を選択する第3の処理および第4の処理において、画像処理装置のアイコン又はIPアドレスを事前登録する処理について説明する。まず、外部機器情報を利用するモジュールの一例としてのファックスアプリ23又はスキャナアプリ24が、外部機器情報を管理するモジュールの一例としてのUCS37に外部機器情報を事前登録する処理について説明する。
図17は、外部機器情報の取得要求,追加要求,変更要求,削除要求について説明するための図である。なお、図17では説明に必要のない構成を省略している。画像処理装置1bに含まれるUCS37は、外部機器情報170を一元管理している。UCS37が管理する外部機器情報170には、IPアドレス,認証情報,位置情報,ホスト名などの外部機器に関する情報が含まれている。
UCS37は、ファックスアプリ23,スキャナアプリ24又はSCS39からの取得要求に応じて、外部機器情報170をファックスアプリ23,スキャナアプリ24又はSCS39に提供する。また、UCS37は、SCS39からの追加要求,変更要求又は削除要求に応じて、外部機器情報170を追加,変更又は削除する。
ファックスアプリ23は、UCS37に外部機器情報170の取得要求を行い、外部機器情報170のうち外部機器を選択又は使用するために必要な外部機器情報171を取得し、その外部機器情報171を用いて操作パネル80に図12のような取得先選択画面130又は図13のような取得先選択画面131を表示する。スキャナアプリ24は、UCS37に外部機器情報170の取得要求を行い、外部機器情報170のうち外部機器を選択又は使用するために必要な外部機器情報172を取得し、その外部機器情報172を用いて操作パネル80に図12のような取得先選択画面130又は図13のような取得先選択画面131を表示する。
SCS39のシステム初期設定機能103は、UCS37に外部機器情報170の取得要求,追加要求,変更要求,削除要求を行い、外部機器情報170のうち外部機器を選択又は使用するために必要な外部機器情報の取得,追加,変更,削除を行う。なお、SCS39のソフトキーボード機能102は操作パネル80にソフトキーボードを表示し、そのソフトキーボードの制御を行う。
さらに、SCS39が行う外部機器情報170の取得処理,追加処理,変更処理,削除処理の詳細について説明する。なお、ファックスアプリ23及びスキャナアプリ24が行う外部機器情報170の取得要求は、SCS39が行う外部機器情報170の取得処理と同様である。
図18は、UCSから外部機器情報を取得して、操作パネルに外部機器情報一覧画面を表示する処理の一例のシーケンス図である。ステップS31では、操作パネル80に表示されている外部機器情報の追加/変更/削除ボタンが押下され、その旨がSCS39に通知される。
ステップS32に進み、SCS39はUCS37に対して外部機器ID一覧取得要求を送信する。ステップS33に進み、UCS37は受信した外部機器ID一覧取得要求に応じて外部機器情報170のうち外部機器IDの配列を読み出し、その外部機器IDの配列を外部機器ID情報としてSCS39に送信する。ステップS34に進み、SCS39は受信した外部機器ID情報に応じて外部機器情報取得要求をUCS37に送信する。ステップS35に進み、UCS37は受信した外部機器情報取得要求に応じて外部機器情報をSCS39に送信する。
ステップS36に進み、SCS39はステップS33で取得した外部機器ID情報に応じて取得したい外部機器情報,言い換えれば取得すべき外部機器情報がまだあるか否かを判定する。取得したい外部機器情報がまだあると判定すると(S36においてYES)、SCS39はステップS34に戻り処理を続ける。一方、取得したい外部機器情報がもうないと判定すると(S36においてNO)、SCS39はステップS37に進み、外部機器情報一覧画面を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS38に進み、SCS39はステップS37で作成したデータを操作パネル80に送信して外部機器情報一覧画面を操作パネル80に表示する。
図19は、外部機器情報を追加する処理の一例のシーケンス図である。ステップS41では、操作パネル80に表示されている外部機器情報の新規登録ボタンが押下され、その旨がSCS39に通知される。なお、図示を省略しているが、SCS39はステップS41の後で外部機器情報の新規登録画面を操作パネル80に表示させるためのデータを作成し、そのデータを操作パネル80に送信して新規登録画面を表示させている。
ステップS42に進み、操作者は操作パネル80に表示されている新規登録画面に外部機器情報を入力する。外部機器情報の入力が終わると、操作者は操作パネル80に表示されている外部機器情報の登録ボタンを押下する。操作パネル80に表示されている外部機器情報の登録ボタンが押下されると、操作パネル80はステップS43に進み、新規登録画面に入力された外部機器情報をSCS39に送信する。
ステップS44に進み、SCS39は受信した外部機器情報に応じて外部機器情報追加要求をUCS37に送信する。UCS37は、外部機器情報追加要求に応じた外部機器情報を事前に登録してある外部機器情報170に追加する。そして、UCS37はステップS45に進み、外部機器情報追加要求に応じた外部機器情報を事前に登録してある外部機器情報170に追加した結果をSCS39に通知して処理を終了する。
図20は、外部機器情報を変更する処理の一例のシーケンス図である。ステップS51では、操作者が操作パネル80に表示されている外部機器情報一覧画面から一つの外部機器情報を表すボタンを押下する。操作パネル80は、押下されたボタンに対応する外部機器ID情報をSCS39に通知する。ステップS52に進み、SCS39は受信した外部機器ID情報に応じて外部機器情報取得要求をUCS37に送信する。ステップS53に進み、UCS37は受信した外部機器情報取得要求に応じて外部機器情報をSCS39に送信する。
ステップS54に進み、SCS39は外部機器情報編集画面を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS55に進み、SCS39はステップS54で作成したデータを操作パネル80に送信して外部機器情報編集画面を操作パネル80に表示する。ステップS56に進み、操作者は操作パネル80に表示されている外部機器情報編集画面の外部機器情報を変更する。外部機器情報の変更が終わると、操作者は操作パネル80に表示されている外部機器情報の変更ボタンを押下する。操作パネル80に表示されている外部機器情報の変更ボタンが押下されると、操作パネル80はステップS57に進み、変更された外部機器情報をSCS39に送信する。
ステップS58に進み、SCS39は受信した外部機器情報に応じて外部機器情報変更要求をUCS37に送信する。UCS37は、外部機器情報変更要求に応じて外部機器情報170を変更する。そして、UCS37はステップS59に進み、外部機器情報変更要求に応じて外部機器情報170を変更した結果をSCS39に通知して処理を終了する。
図21は、外部機器情報を削除する処理の一例のシーケンス図である。ステップS61では、操作者が操作パネル80に表示されている外部機器情報一覧画面から一つの外部機器情報を表すボタンを押下する。続いて、操作者は操作パネル80に表示されている削除ボタンを押下する。操作パネル80は、押下されたボタンに対応する外部機器ID情報をSCS39に通知する。ステップS62に進み、SCS39は受信した外部機器ID情報に応じて外部機器情報削除要求をUCS37に送信する。ステップS63に進み、UCS37は外部機器情報削除要求に応じた外部機器情報を、事前に登録してある外部機器情報170から削除した結果をSCS39に通知する。
ステップS64に進み、SCS39は外部機器情報一覧画面を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS65に進み、SCS39はステップS64で作成したデータを操作パネル80に送信して外部機器情報一覧画面を操作パネル80に表示して処理を終了する。
なお、外部機器情報の取得,追加,変更,削除するときに操作パネル80に表示される画面の遷移について説明する。図22は、外部機器情報の取得,追加,変更,削除するときに操作パネルに表示される画面の一例の遷移図(1/2)である。また、図23は外部機器情報の取得,追加,変更,削除するときに操作パネルに表示される画面の一例の遷移図(2/2)である。
操作者が、初期設定/カウンタ/問合せ情報画面220に含まれるシステム初期設定ボタン221を押下すると、SCS39はシステム初期設定画面222を操作パネル80に表示させる。さらに、操作者が、システム初期設定画面222に含まれる外部機器情報の追加/変更/削除ボタン223を押下すると、SCS39は取得先選択画面224を操作パネル80に表示させる。取得先選択画面224は、外部機器情報一覧画面に相当する。
操作者が、取得先選択画面224に含まれる新規登録ボタン225を押下すると、SCS39は新規登録画面226を操作パネル80に表示させる。なお、操作者が、新規登録画面226に含まれる認証ボタン227を押下すると、SCS39は認証情報入力画面230を操作パネル80に表示させる。また、操作者が、新規登録画面226に含まれる位置情報ボタン228を押下すると、SCS39は位置情報入力画面231を操作パネル80に表示させる。なお、操作者が、取得先選択画面224に含まれる一つの外部機器情報を表すボタンを押下すると、SCS39は外部機器情報編集画面(図示せず)を操作パネルに表示する。
次に、他の画像処理装置を選択する第7の処理において、他の画像処理装置の詳細情報を取得する処理について説明する。まず、外部機器情報を利用するモジュールの一例としての画像処理装置1bのファックスアプリ23又はスキャナアプリ24が、画像処理装置1aの詳細情報を管理するモジュールの一例としての画像処理装置1aのUCS37から画像処理装置1aの詳細情報を取得する処理について説明する。
図24は、画像処理装置の詳細情報を取得する処理の一例のシーケンス図である。ステップS71では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、画像処理装置1aのUCS37に対してクライアント登録を要求する。ステップS72に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのスキャナアプリ24に対してステップS71の結果を通知する。
クライアント登録が成功すると、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS73に進み、画像処理装置1aのUCS37に対してユーザ情報の登録可能件数問い合せ処理を行う。ステップS74に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのスキャナアプリ24に対してユーザ情報の登録可能件数を通知する。
ステップS75に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのUCS37に対してユーザ情報の現在の登録件数問い合せ処理を行う。ステップS76に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのスキャナアプリ24に対してユーザ情報の現在の登録件数を通知する。
ステップS73〜S76と同様な処理を繰り返すことにより、画像処理装置1aの詳細情報の他のデータ項目も取得できる。図24のシーケンス図で表した処理は、例えば画像処理装置1a,1bの接続時に行うネゴシエーションの一部として行う。図24のシーケンス図で表した処理により取得した詳細情報を利用することで、画像処理装置1bは操作パネル80に図25のような詳細情報一覧画面250を表示する。
図25は、詳細情報一覧画面の一例のイメージ図である。図24のシーケンス図で表した処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が画像処理装置1aのUCS37にクライアント登録するため、詳細情報のデータ構造も取得できる。したがって、図25の詳細情報一覧画面には、画像処理装置1aの詳細情報のデータ構造を含ませることができる。
次に、画像処理装置1aのUCS37の能力を事前にチェックして、画像処理装置1aのUCS37から画像処理装置1bのUCS37へのユーザ情報の送信が可能か否かを判定する処理について説明する。図26は、他の画像処理装置のUCSの能力を事前にチェックして、他の画像処理装置のUCSから自機のUCSへのユーザ情報の送信が可能か否かを判定する処理の一例のシーケンス図である。
ステップS81では、外部のユーザ情報を使用するために画像処理装置1bの操作パネル80に設けられたソフトキー(以下、外部アドレス使用ボタンという)が押下され、操作パネル80から外部アドレス使用ボタンのキーIDがSCS39に送信される。外部アドレス使用ボタンは、例えば取得先選択画面123のボタン127を用いてユーザ情報の取得先として画像処理装置1aを選択したあとに押下するボタンに相当する。
ステップS82に進み、画像処理装置1bのSCS39は操作パネル80から受信したキーIDに応じて外部アドレス使用通知を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS83に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は受信した外部アドレス使用通知に応じて外部アドレス使用要求を自機のUCS37に送信する。ステップS83の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、自機のUCS37に対して画像処理装置1aのUCS37を使用することを要求している。
ステップS84に進み、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37に対して利用開始宣言を通知する。この利用開始宣言により、融合機1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37にクライアント登録する。ステップS85に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのUCS37に対してステップS84の結果を通知する。言い換えれば、画像処理装置1aのUCS37はステップS84の利用開始宣言によりクライアント登録が成功したか否かの結果を画像処理装置1bのUCS37に通知する。
クライアント登録が成功したという結果は、画像処理装置1aにUCS37があることを表している。また、クライアント登録が失敗したという結果は、画像処理装置1aにUCS37がないことを表している。したがって、画像処理装置1bのUCS37はステップS84,S85の処理により、画像処理装置1aのUCS37の有無を確認できる。
ステップS86に進み、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37に対して能力を問い合わせる。ステップS87に進み、画像処理装置1aのUCS37はステップS86の問い合わせの結果として自身の能力を画像処理装置1bのUCS37に通知する。
ステップS88に進み、画像処理装置1bのUCS37は、ステップS85で画像処理装置1aのUCS37から通知された結果に基づき、クライアント登録が成功したか否かを判定する。クライアント登録が成功したと判定すると(S88においてYES)、画像処理装置1bのUCS37はステップS91に進み、画像処理装置1aのUCS37の使用が可能である旨と、ステップS87で通知された画像処理装置1aのUCS37の能力とを自機のスキャナアプリ24に通知する。
一方、クライアント登録が失敗したと判定すると(S88においてNO)、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37の使用が不可である旨を自機のスキャナアプリ24に通知する。ステップS89に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのUCS37の使用が不可であることを表すエラー表示画面を作成する。ステップS90に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS89で作成したエラー表示画面を操作パネル80に表示させたあと処理を終了する。
したがって、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのUCS37に対するクライアント登録の成功又は失敗と、画像処理装置1aのUCS37の能力とを知ることができる。
図27は、スキャナアプリが、自機または他の画像処理装置のUCSからユーザ情報を取得する処理の一例のシーケンス図である。ステップS101では、自機のユーザ情報を使用するために画像処理装置1bの操作パネル80に設けられたソフトキー(以下、通常アドレス使用ボタンという)が押下され、操作パネル80から通常アドレス使用ボタンのキーIDがSCS39に送信される。通常アドレス使用ボタンは、例えば取得先選択画面123のボタン125に相当する。
ステップS102に進み、画像処理装置1bのSCS39は操作パネル80から受信したキーIDに応じて通常アドレス使用通知を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS103に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は受信した通常アドレス使用通知に応じてエントリ情報取得要求を自機のUCS37に送信する。ステップS103の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、自機のユーザ情報101bからのエントリ情報の取得を自機のUCS37に要求している。
ステップS104に進み、画像処理装置1bのUCS37は自機のユーザ情報101bからエントリ情報を取得する。ステップS105に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS104で取得したエントリ情報を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS106に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS105で受信したエントリ情報を用いて図5のようなアドレス帳画面121を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS107に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS106で作成したデータを送信して操作パネル80にアドレス帳画面121を表示する。
なお、ステップS108〜S118の処理は、画像処理装置1aのUCS37の能力を事前にチェックして、画像処理装置1aのUCS37から画像処理装置1bのUCS37へのユーザ情報の送信が可能か否かを判定する図26のステップS81〜S91の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS119に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS109で受信した外部アドレス使用通知に応じてエントリ情報取得要求を自機のUCS37に送信する。ステップS119の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、画像処理装置1aのユーザ情報101aからのエントリ情報の取得を自機のUCS37に要求している。
ステップS120に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS119で自機のスキャナアプリ24から受信したエントリ情報取得要求を画像処理装置1aのUCS37に転送する。ステップS121に進み、画像処理装置1aのUCS37は自機のユーザ情報101aからエントリ情報を取得する。ステップS122に進み、画像処理装置1aのUCS37はステップS121で取得したエントリ情報を画像処理装置1bのUCS37に転送する。
ステップS123に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS122で画像処理装置1aのUCS37から転送されたエントリ情報を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS124に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS123で受信したエントリ情報を用いて図5のようなアドレス帳画面121を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS125に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS124で作成したデータを送信して操作パネル80にアドレス帳画面121を表示する。
したがって、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、自機のUCS37に対して外部アドレス利用要求を行うことで、外部の画像処理装置1aのUCS37からユーザ情報を取得することができる。また、画像処理装置1bのUCS37は、自機のスキャナアプリ24からの外部アドレス利用要求の有無に応じて自機のユーザ情報101bを利用するか画像処理装置1aのユーザ情報101aを利用するかを判断できる。この結果、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、自機または他の画像処理装置1aのUCS37の何れか一方をエントリ情報の取得先として容易に選択することができる。
外部アドレス利用要求を行った画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、再び自機のユーザ情報101bを利用する場合、図28のような処理が行われる。図28は、スキャナアプリが、他の画像処理装置のUCSからのユーザ情報の取得を終了する処理の一例のシーケンス図である。
ステップS131では、外部のユーザ情報の使用を終了するために画像処理装置1bの操作パネル80に設けられたソフトキー(以下、外部アドレス使用終了ボタンという)が押下され、操作パネル80から外部アドレス使用終了ボタンのキーIDがSCS39に送信される。外部アドレス使用終了ボタンは、例えば取得先選択画面123のボタン125に代用させてもよい。ステップS132に進み、画像処理装置1bのSCS39は操作パネル80から受信したキーIDに応じて外部アドレス使用終了通知を自機のスキャナアプリ24に送信する。
ステップS133に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は受信した外部アドレス使用終了通知に応じて外部アドレス使用終了要求を自機のUCS37に送信する。ステップS133の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、自機のUCS37に対して画像処理装置1aのUCS37の使用を終了することを要求している。ステップS134に進み、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37に対して利用終了要求を送信する。この利用終了要求により、融合機1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37とのクライアント登録を解除する。
ステップS135に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのUCS37に対してステップS134の結果を通知する。言い換えれば、画像処理装置1aのUCS37はステップS134の利用終了要求によりクライアント登録の解除が成功したか否かの結果を画像処理装置1bのUCS37に通知する。ステップS136に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS135で通知された結果を自機のスキャナアプリ24に通知する。
ステップS137に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はエントリ情報取得要求を自機のUCS37に送信する。なお、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS136で通知された結果に応じてステップS137の処理を行うか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS138に進み、画像処理装置1bのUCS37は自機のユーザ情報101bからエントリ情報を取得する。ステップS139に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS138で取得したエントリ情報を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS140に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS139で受信したエントリ情報を用いて図5のようなアドレス帳画面121を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS141に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS140で作成したデータを送信して操作パネル80にアドレス帳画面121を表示する。
したがって、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、外部アドレス利用要求を行ったあとであっても、外部アドレス利用終了要求を行うことで、再び自機のUCS37が管理する自機のユーザ情報を取得できる。また、画像処理装置1bのUCS37は、自機のスキャナアプリ24からの外部アドレス利用終了要求の有無に応じて画像処理装置1aのユーザ情報101aの利用を終了するか否かを判断できる。この結果、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、自機または他の画像処理装置1aのUCS37の何れか一方をエントリ情報の取得先として容易に選択することができる。
図26〜図28のシーケンス図で表した処理を行うことで、画像処理装置1bは、画像処理装置1aのUCS37が管理するユーザ情報を、自機のUCS37が管理するユーザ情報と同様に使用できる。
図29は、スキャナアプリが、他の画像処理装置のUCSからユーザ情報を取得する処理の一例のシーケンス図である。ここでは、ユーザ情報の登録先として画像処理装置1aが選択されているものとする。
ステップS151では、画像処理装置1bの操作パネル80に設けられたスキャナアプリ24を起動させるためのソフトキー(以下、スキャナ画面移行ボタンという)が押下され、操作パネル80からスキャナ画面移行ボタンのキーID及びユーザ情報の登録先が自機のSCS39に送信される。
ステップS152に進み、画像処理装置1bのSCS39は操作パネル80から受信したキーID及びユーザ情報の登録先に応じて外部アドレス帳でのアプリ移行通知を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS153に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は受信した外部アドレス帳でのアプリ移行通知に応じて外部アドレス使用要求を自機のUCS37に送信する。ステップS153の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、自機のUCS37に対して画像処理装置1aのUCS37を使用することを要求している。
ステップS154に進み、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37に対してクライアント登録する。ステップS155に進み、画像処理装置1aのUCS37は画像処理装置1bのUCS37に対してステップS154の結果を通知する。ステップS156に進み、画像処理装置1bのUCS37は、ステップS155で画像処理装置1aのUCS37から通知された結果を自機のスキャナアプリ24に通知する。ステップS157に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、ステップS156で画像処理装置1bのUCS37から通知された結果に基づき、クライアント登録が成功したか否かを判定する。
クライアント登録が成功したと判定すると(S157においてYES)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS160に進む。一方、クライアント登録が失敗したと判定すると(S157においてNO)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS158に進み、画像処理装置1aのUCS37の使用が不可であると判定し、画像処理装置1aのUCS37の使用が不可であることを表すエラー表示画面を作成する。ステップS159に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS158で作成したエラー表示画面を操作パネル80に表示させたあと処理を終了する。
ステップS160では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、ステップS152で受信した外部アドレス帳でのアプリ移行通知に応じてエントリ情報取得要求を自機のUCS37に送信する。ステップS160のエントリ情報取得要求は、図30のような関数により実現される。図30は、エントリ情報取得要求関数の一例の説明図である。図30のエントリ情報取得要求関数は、エントリ情報取得要求のパラメータ及び戻り値の一例を表している。なお、ステップS160の処理では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、画像処理装置1aのユーザ情報101aからのエントリ情報の取得を自機のUCS37に要求している。
ステップS161に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS160で自機のスキャナアプリ24から受信したエントリ情報取得要求を画像処理装置1aのUCS37に転送する。ステップS162に進み、画像処理装置1aのUCS37は自機のユーザ情報101aからエントリ情報を取得する。ステップS163に進み、画像処理装置1aのUCS37はステップS162で取得したエントリ情報を画像処理装置1bのUCS37に転送する。
ステップS164に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS163で画像処理装置1aのUCS37から転送されたエントリ情報を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS165に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS164で受信したエントリ情報を用いて図31のようなアドレス帳画面310を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。
図31は、アドレス帳画面の一例のイメージ図である。図31のアドレス帳画面310の点線で囲まれた部分311は、画像処理装置1aのUCS37が管理するエントリ情報を利用して作成される。ステップS166に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS165で作成したデータを送信して操作パネル80にアドレス帳画面310を表示する。
したがって、画像処理装置1bのUCS37が自機のスキャナアプリ24と画像処理装置1aのUCS37との間で送受信されるコマンドをそのまま転送することで、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのユーザ情報101aを容易に使用することができる。また、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、自機のUCS37および画像処理装置1aのUCS37に対するコマンドを同様に実装可能である。
次に、図31のようなアドレス帳画面310からエントリが選択された場合の処理について説明する。図32は、他の画像処理装置のUCSが管理するエントリ情報を利用して作成したアドレス帳画面から、一つのエントリが選択された場合の処理の一例のシーケンス図である。ここでは、画像処理装置1bの操作パネル80に図33のようなアドレス帳画面330が表示されているものとする。図33は、アドレス帳画面の一例のイメージ図である。
ステップS171では、画像処理装置1bの操作パネル80に設けられたエントリを選択するためのソフトキー(以下、エントリ選択ボタンという)が押下され、操作パネル80からエントリ選択ボタンのキーIDが自機のSCS39に送信される。ステップS172に進み、画像処理装置1bのSCS39は操作パネル80から受信したキーIDに応じてエントリ選択通知を自機のスキャナアプリ24に送信する。
ステップS173に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は受信したエントリ選択通知に応じてエントリ情報取得要求を自機のUCS37に送信する。なお、画像処理装置1bのUCS37は画像処理装置1aのUCS37に対してクライアント登録されているものとする。
ステップS174に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS173で自機のスキャナアプリ24から受信したエントリ情報取得要求を画像処理装置1aのUCS37に転送する。ステップS175に進み、画像処理装置1aのUCS37は自機のユーザ情報101aからエントリ情報を取得する。ステップS176に進み、画像処理装置1aのUCS37はステップS175で取得したエントリ情報を画像処理装置1bのUCS37に転送する。
ステップS177に進み、画像処理装置1bのUCS37はステップS176で画像処理装置1aのUCS37から転送されたエントリ情報を自機のスキャナアプリ24に送信する。ステップS178に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS177で受信したエントリ情報を用いて図33のようなアドレス帳画面331を操作パネル80に表示させるためのデータを作成する。ステップS179に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS178で作成したデータを送信して操作パネル80にアドレス帳画面331を表示する。
図33のアドレス帳画面330は、ステップS171で選択されたエントリの詳細情報としてのメールアドレスを含むように構成される。アドレス帳画面330には、見出し「常用」に所属するメールアドレスを持った12個のエントリが含まれている。ここで、操作者が操作パネル80を操作してアドレス帳画面330からエントリ「0002大谷」を選択すると、スキャナアプリ24はユーザ情報101aを使用してアドレス帳画面331を操作パネル80に表示する。アドレス帳画面331には、エントリ「0002大谷」に関連付けられているエントリの詳細情報としてのメールアドレス「ohtani@ricoh.jp」が含まれる。
したがって、画像処理装置1bのUCS37は、画像処理装置1aのUCS37が管理するエントリ情報を利用して作成したアドレス帳画面から一つのエントリが選択された場合にそのエントリの詳細情報を容易に取得することができる。
次に、画像処理装置1aと画像処理装置1bとの間で送受信されるデータを暗号化するための処理について説明する。画像処理装置1aと画像処理装置1bとの間で送受信される詳細情報などのデータは個人情報が含まれるため、セキュリティ対応として暗号化を行うことが望ましい。
図34は、他の画像処理装置のセキュリティレベルを事前にチェックして、暗号化の種類を決定する処理の一例のシーケンス図である。ステップS191に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのスキャナアプリ24に対して暗号化のネゴシエーション開始要求を送信する。ステップS192に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24はステップS191の結果を画像処理装置1bのスキャナアプリ24に通知する。
ステップS193に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS192で画像処理装置1aのスキャナアプリ24から通知されたステップS191の結果に応じて、暗号化のネゴシエーション開始がOKか否かを判定する。暗号化のネゴシエーション開始がOKであると判定すると(S193においてYES)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS194に進む。なお、暗号化のネゴシエーション開始がOKでないと判定すると(S193においてNO)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80にエラー表示画面を表示したあと処理を終了する。
ステップS194では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、自機のサポートしている暗号化のリストを含ませて暗号化のネゴシエーション要求を画像処理装置1aのスキャナアプリ24に対して行う。ステップS195に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は受信したネゴシエーション要求に含まれる暗号化のリストと自機のサポートしている暗号化のリストとを比較し、画像処理装置1a及び1bの両方がサポートしている暗号化のリストを作成する。そして、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、画像処理装置1a及び1bの両方がサポートしている暗号化のリストのうち、自機のセキュリティレベルを満たす暗号化の種類を一つ決定する。なお、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、画像処理装置1a及び1bの両方がサポートしている暗号化のリストに、自機のセキュリティレベルを満たす暗号化の種類がなければ、画像処理装置1bのスキャナアプリ24に対するデータの送信を拒絶する。
画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、決定した暗号化の種類または画像処理装置1bのスキャナアプリ24に対するデータの送信の拒絶をステップS194の結果として画像処理装置1bのスキャナアプリ24に通知する。ステップS196に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、ステップS195で画像処理装置1aのスキャナアプリ24から通知されたステップS194の結果に応じて、データの送信が拒絶されたか否かを判定する。
データの送信が拒絶されたと判定すると(ステップS196においてYES)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80にエラー表示画面を表示したあと処理を終了する。一方、データの送信が拒絶されていないと判定すると(ステップS196においてNO)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は処理を継続する。
画像処理装置1aのセキュリティレベルを事前にチェックして、暗号化の種類を決定する図34の処理では、画像処理装置1aのセキュリティレベルに合わない場合、画像処理装置1aから画像処理装置1bに対するユーザ情報の送信を拒絶することができる。
図35は、他の画像処理装置のセキュリティレベルの範囲内で、暗号化の種類及び暗号化の範囲を決定する処理の一例のシーケンス図である。ステップS201に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのスキャナアプリ24に対して暗号化範囲(例えば、データの全部,データの一部など)のリスト要求を送信する。ステップS202に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24はステップS201の結果を画像処理装置1bのスキャナアプリ24に通知する。即ち、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は自機のセキュリティレベルに合わせた暗号化範囲のリストを画像処理装置1bのスキャナアプリ24に通知する。
ステップS203に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS202で画像処理装置1aのスキャナアプリ24から通知された暗号化範囲のリストから一つの暗号化範囲を選出する。画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、自機の表示速度などを考慮して暗号化範囲を選出する。
ステップS204に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのスキャナアプリ24に対して、ステップS203で選出した暗号化範囲を暗号化する範囲として指定する。ステップS205に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24はステップS204の結果を画像処理装置1bのスキャナアプリ24に通知する。
ステップS206に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS205で画像処理装置1aのスキャナアプリ24から通知されたステップS204の結果に応じて、暗号化する範囲の指定がOKか否かを判定する。暗号化する範囲の指定がOKであると判定すると(S206においてYES)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS207に進む。なお、暗号化する範囲の指定がOKでないと判定すると(S206においてNO)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80にエラー表示画面を表示したあと処理を終了する。
ステップS207では、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が、利用暗号化方式を画像処理装置1aのスキャナアプリ24に通知する。画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、画像処理装置1bのスキャナアプリ24が通知してきた利用暗号化方式が自機のセキュリティレベルを満たしているかを判定し、その利用暗号化方式を許可するか否かを決定する。ステップS208に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24はステップS207の結果として、ステップS207で画像処理装置1bのスキャナアプリ24から通知された利用暗号化方式の許可又は不許可を通知する。
ステップS209に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS208で画像処理装置1aのスキャナアプリ24から通知されたステップS207の結果に応じて、通知した利用暗号化方式が許可されたか否かを判定する。利用暗号化方式が許可されたと判定すると(S209においてYES)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は処理を継続する。一方、利用暗号化方式が許可されなかったと判定すると(S209においてNO)、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80にエラー表示画面を表示したあと処理を終了する。
画像処理装置1aのセキュリティレベルの範囲内で、暗号化の種類及び暗号化の範囲を決定する図35の処理では、画像処理装置1bが画像処理装置1aのセキュリティレベルの範囲内で暗号化の種類及び暗号化の範囲を決定できる。
次に、暗号化の鍵(暗号化キー)を画像処理装置1a及び1bに登録する処理について説明する。図36は、暗号化の鍵を登録するときに画像処理装置の操作パネルに表示される画面の一例の遷移図である。
操作者が、初期設定/カウンタ/問合せ情報画面361に含まれるシステム初期設定ボタン362を押下すると、SCS39はシステム初期設定画面363を操作パネル80に表示させる。さらに、操作者が、システム初期設定画面363に含まれる外部アドレス帳との暗号化キー設定ボタン364を押下すると、SCS39は暗号化キー設定画面365を操作パネル80に表示させる。操作者が、暗号化キー設定画面365に暗号化キーを入力して設定ボタンを押下すると、暗号化キーが登録される。
図37は、それぞれの画像処理装置で登録された暗号化キーの同一性をチェックする処理の一例のシーケンス図である。ステップS211に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80に入力された暗号化キーを元にダイジェストを生成する。ステップS212に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は生成したダイジェストで任意の文字列を暗号化する。画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、暗号化した任意の文字列を含む鍵共有要求を画像処理装置1aのスキャナアプリ24に送信する。
ステップS213に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は操作パネル80に入力された暗号化キーを元にダイジェストを生成する。ステップS214に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は生成したダイジェストで鍵共有要求に含まれていた任意の文字列を復号する。
ステップS215に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は復号した任意の文字列を元にダイジェストを生成する。画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、生成した任意の文字列のダイジェストを含む鍵共有結果を画像処理装置1bのスキャナアプリ24に送信する。
ステップS216に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS211で暗号化される前の任意の文字列を元にダイジェストを生成する。ステップS217に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は画像処理装置1aのスキャナアプリ24から送信された任意の文字列のダイジェストと、ステップS216で生成した任意の文字列のダイジェストとを比較する。
ステップS218に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24はステップS217で行った比較の結果に応じて、画像処理装置1aのスキャナアプリ24から送信された任意の文字列のダイジェストとステップS216で生成した任意の文字列のダイジェストとが一致するか否かを判定する。
画像処理装置1aのスキャナアプリ24から送信された任意の文字列のダイジェストとステップS216で生成した任意の文字列のダイジェストとが一致していないと判定すると、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は操作パネル80に暗号化キーが一致しないことを表すエラー表示画面を表示したあと処理を終了する。
一方、画像処理装置1aのスキャナアプリ24から送信された任意の文字列のダイジェストとステップS216で生成した任意の文字列のダイジェストとが一致すると判定すると、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は暗号化有りが指定されているエントリ情報取得要求を画像処理装置1aのスキャナアプリ24に送信する。
ステップS219に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24は操作パネル80に入力された暗号化キーを元にダイジェストを生成し、そのダイジェストを鍵として保存する。ステップS220に進み、画像処理装置1aのスキャナアプリ24はステップS219で保存した鍵を使用し、前述したようなエントリ情報の暗号化を行う。画像処理装置1aのスキャナアプリ24は、ステップS220で暗号化されたエントリ情報を画像処理装置1bのスキャナアプリ24に送信する。
ステップS221に進み、画像処理装置1bのスキャナアプリ24は、画像処理装置1aのスキャナアプリ24から受信した暗号化されたエントリ情報を、ステップS211で生成されたダイジェストで復号する。
それぞれの画像処理装置で登録された暗号化キーの同一性をチェックする図37の処理では、画像処理装置1a及び1bのそれぞれで登録された暗号化キーの同一性をチェックすることができ、同一性がチェックされた暗号化キーを用いて画像処理装置1aと画像処理装置1bとの間で送受信されるエントリ情報を暗号化することができる。
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形や変更が可能である。