JP4348116B2 - Fluorine or phosphorus-containing water treatment equipment - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素またはリンの除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や、液晶などを製造するエレクトロニクス産業においては、その製造工程で、フッ素を使用するため、エレクトロニクス産業排水にはフッ素が含有される場合が多い。このフッ素含有水からフッ素を除去する方法としては、原水にカルシウム剤を添加して、フッ化カルシウムの微細粒子を析出させ、これらの微細粒子をAl、Fe系の無機凝集剤もしくは有機高分子凝集剤で凝集させて、沈殿分離する方法が採用されている。この方法によると処理水フッ素は、10〜20mg/lに低減できる。ところが、日本においては、2001月7月にフッ素についての排出基準値が15mg/lから8mg/lに強化され、フッ素をさらに高度に処理する必要が出てきた。
【0003】
フッ素を高度に処理する方法としては、上記凝集沈殿処理における凝集剤の添加量を増加させたり、上記凝集沈殿処理の後段でさらにもう一度凝集沈殿処理を行う方法が採用される。このような処理における凝集剤使用量は2000〜5000mg/lであり、AlやFeの水酸化物にフッ素を吸着させてフッ素除去率を向上させている。この方法によって、処理水フッ素濃度が2〜8mg/lに低減できる。
【0004】
他の方法として、ZrやCeの含水酸化物を樹脂に担持させたり、高分子物質で造粒したフッ素吸着剤を使用して、フッ素除去率を向上させることが提案されている(特許文献1(特公平6−79665)、特許文献2(特公昭61−47134))。これらの方法により、処理水フッ素濃度0〜1mg/lに低減できるとされている。
【0005】
ここで、上記の吸着剤は、希土類元素やTi、Zrの塩類にアルカリを添加するか加熱して加水分解して生成した含水酸化物MOn・XH2O(≒M(OH)m)で表されるような物質がPO4 3-、F-、SO4 2-等の陰イオンと酸性側で陰イオン交換し、アルカリ側で陽イオン交換する性質を利用している(特許文献3(特公平2−17220)、特許文献4(特開昭60−172353))。なお、Mは金属、X,m,nは任意の数である。
【0006】
また、処理水質の向上、安定化、凝集剤使用量の削減や汚泥減容を目的とした方法として、汚泥循環法がある(特許文献5(特許2912226号公報)、特許文献6(特開平9−276875号公報)、特許文献7(特開2000−84570号公報))。これは、Al系やFe系の無機凝集剤を含む汚泥を固液分離後、循環ラインを通じて返送し、汚泥をそのまま、もしくは酸またはアルカリ処理(汚泥再生処理)を施した後、前段へ返送するものである。この汚泥の返送により、汚泥が種結晶となり晶析反応が容易に進行し、固液分離性が向上することが報告されている。また、さらに返送前に汚泥を酸またはアルカリ処理し、フッ素またはリンを遊離させた無機凝集剤を再利用することで無機凝集剤の全体としての添加量を削減できることも報告されている。
【0007】
また、エレクトロニクス産業排水には、リンも含有される場合が多く、またリンは家庭からの排水中にも含まれている。閉鎖性水域における富栄養化防止の観点などからリン除去を行う必要があり、多くの地域でリンは上乗せ規制の対象になっている。このリンの除去には、フッ素の場合と同様に、カルシウム剤を添加してリン酸カルシウムとして凝集沈殿する処理の他、AlやFe系の無機凝集剤を用い、リン酸アルミニウムや、リン酸鉄として凝集沈殿処理されている。さらに、上述の吸着剤は、フッ素イオン(F-)だけでなくリン酸イオン(PO4 3-)も処理できる。そこで、これら吸着剤をリン除去に使用することも可能である。
【0008】
【特許文献1】
特公平6−79665号公報
【特許文献2】
特公昭61−47134号公報
【特許文献3】
特公平2−17220号公報
【特許文献4】
特開昭60−172353号公報
【特許文献5】
特許2912226号公報
【特許文献6】
特開平9−276875号公報
【特許文献7】
特開2000−84570号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記凝集沈殿法では、フッ素を低減させるためにAl、Fe系の凝集剤を数千mg/l添加する。このような凝集汚泥は、そのフロック内部に水分子を取り込んでいるため、汚泥の脱水性が悪く、また凝集剤添加量が多いため汚泥発生量が非常に多くなる。従って、汚泥処分費が嵩むという問題がある。また、このような大量の廃棄物を生成する処理は、廃棄物量を削減するという社会的要請に逆行する技術である。
【0010】
一方、フッ素吸着剤は、汚泥の増加はないものの、吸着速度が遅く吸着剤使用量が大きくなる。このため、処理コストが非常に高いという問題がある。また、エレクトロニクス産業排水に含まれる過酸化水素のような酸化剤や原水中のフッ酸により吸着剤が劣化し、母材が崩壊し流れ出してしまうという問題もある。
【0011】
また、汚泥循環法では、汚泥を酸又はアルカリのいずれかで処理している。しかし、酸処理では汚泥が完全に溶解しきれないことが多い。そうすると汚泥の少なくとも一部がフッ素又はリンと結合した状態で残ってしまい、完全溶解せず、金属化合物の再利用効率が悪くなりやすい。一方、アルカリ処理では汚泥循環を繰り返すうちに脱水縮合反応によって汚泥が過剰に高密度化してしまう。このように過剰に高密度化した汚泥は、フッ素および/またはリンとの物理的な接触効率が低下するため、反応しづらくなる。その結果、金属化合物の再利用効率が悪くなる場合がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、フッ素および/またはリン含有水から、フッ素および/またはリンを効率よく除去できるフッ素またはリン除去剤または除去方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フッ素またはリン含有水からフッ素またはリンを除去するフッ素またはリン含有水処理装置において、フッ素またはリン含有水にカルシウム剤を添加し、カルシウムと反応させるカルシウム反応手段と、このカルシウム反応手段により生成された反応物を含む処理水に水溶性金属化合物を添加する金属塩添加手段と、この金属塩添加手段により生成されたフッ素またはリンの不溶化物を固形物として分離除去する固液分離手段と、前記固液分離手段により分離された固形物の一部について、アルカリを添加してアルカリ処理するアルカリ処理手段と、このアルカリ処理後の固形物に、酸を添加して酸処理する酸処理手段と、この酸処理した後の固形物を、前記固液分離手段よりも上流へ返送する返送手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の汚泥循環法では、まず、固液分離された固形物をアルカリ処理することで、固形物中の金属化合物からフッ素またはリンを遊離させる。このようにすると金属化合物は水酸化物に転換される。水酸化物に転換された金属化合物は酸に溶けやすくなる。酸に溶けやすくなった金属化合物を酸処理することで、固形物を酸処理時においても確実に溶解させることができ、金属化合物の再利用効率を向上させることができる。また、返送前に酸処理することで、アルカリ処理による脱水縮合反応で固形物が高密度化することも防止できる。
【0015】
前記水溶性金属化合物は、Al、Fe、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、希土類金属のうち少なくとも1つの金属化合物であると好適である。
【0016】
また、前記固形物に酸またはアルカリを添加する際、または添加した後に、カルシウムを添加し、溶出したフッ素および/またはリンを不溶化することが好適である。これによって、酸またはアルカリにより金属化合物から遊離したフッ素またはリンをカルシウム化合物で不溶化することができる。カルシウム化合物で不溶化すると固液分離性を向上できる。
【0017】
また、前記固形物の返送先が、金属塩添加手段であることが好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、下記実施形態では、フッ素含有排水を原水として、添加する水溶性金属化合物はZrの金属化合物として塩化ジルコニルを用いて説明する。添加する水溶性金属化合物は他にAl、Fe、Ti、Hf、V、Nb、Ta、希土類金属(Ce、Laなど)の金属塩化合物であってもよい。また、金属化合物の形態としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、塩化酸化物、硫酸酸化物等が考えられるがこれらに限定されない。好ましくは塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、硫酸チタニル、四塩化チタン、塩化ランタン、硫酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム等が用いられる。
【0019】
「第1実施形態」
図1は、本発明の第1実施形態に係る処理装置を示す図である。フッ酸などのフッ素を含有する原水は、まずカルシウム反応槽18に導入され、ここでカルシウム剤と混合される。なお、このカルシウム反応槽18のpHは4〜11程度に維持する必要があり、この範囲内でなかった場合には、酸またはアルカリによってpHをこの範囲内に調整する。このカルシウム反応槽18には、撹拌機などが設けられ、これによって急速撹拌(回転速度は例えば、150rpm)されることにより塩化ジルコニルと原水が撹拌混合される。なお、撹拌は、曝気などによって行ってもよい。
【0020】
そして、このカルシウム反応槽18において、原水中のフッ素がカルシウムイオンと反応し、不溶性のフッ化カルシウムが生成される。そして、このフッ化カルシウムを含むカルシウム反応槽18の処理水が金属反応槽10に導入され、処理水中に未だに残留するフッ素が添加された塩化ジルコニルによって不溶化される。この金属反応槽10には、塩化ジルコニルの水溶液が供給されるとともに塩酸や水酸化ナトリウムなどのpH調整剤(原水のpHを下げる場合には酸、上げる場合にはアルカリ)が供給される。なお、金属反応槽10内も、急速撹拌されている。金属反応層10によって下式に示すような反応が生起され、
【化1】
ZrOCl2+2F-→ZrOF2+2Cl-
フッ素が不溶化される。また、水酸化ナトリウム等によって、金属反応槽10内のpHを4〜7、より好ましくはpH5〜6の範囲に調整する。これによって、上述の反応が速やかに進行する。
【0021】
金属反応槽10において添加する塩化ジルコニルの添加量は、原水フッ素(F)に対してZrとして反応当量以上添加することが好適である。すなわち、モル比として、Zr/F=1/2以上添加するとよい。また、原水のフッ素濃度としては、経済的観点から20mg/l以下の原水に適用するのがよく、Zr濃度としては200mg/l以下が良い。反応のpHとしては4〜7でよいが、5.0〜6.0がより好ましい。
【0022】
金属反応槽10の処理水は、凝集槽12に供給される。この凝集槽12には、高分子凝集剤が供給され、内部は撹拌機などによって緩速撹拌(例えば、40rpm)されている。金属反応槽10で生成したフッ素の不溶化物が凝集粗大化される。高分子凝集剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれでもよく、凝集効果のよいものを適宜採用する。さらに、高分子凝集剤に代えて、アルミ系や鉄系の無機凝集剤を採用することもでき、また両者を併用してもよい。
【0023】
また、被処理水の性状に応じて無機凝集剤を併用することも好適である。無機凝集剤の種類は特に限定するものではないが、例えばアルミニウム系(PAC、硫酸バンド)、鉄系(塩化鉄、ポリ硫酸鉄)が挙げられる。添加方法は、金属反応槽10に直接添加してもよいし、別途、無機凝集剤反応槽を設けてもよい。無機凝集剤反応槽を新たに設ける場合は、金属反応槽10の前後(高分子凝集槽12との間)のいずれでもよい。
【0024】
凝集槽12からの凝集処理水は、沈殿槽14に導入され、ここで固形物が沈殿分離される。すなわち、上述したZrOF2の凝集物が沈殿分離され、上澄み液としてフッ素濃度の低い処理水が得られる。なお、固液分離手段としては、沈殿槽14に限定されることなく、膜分離装置など各種の装置を利用することができる。特に、膜分離装置を採用した場合には、高分子凝集剤による凝集処理を省略することもできる。
【0025】
沈殿槽14で沈殿分離された沈殿汚泥の一部は、アルカリ反応槽16へ投入される。アルカリ剤は特に限定するものではないが、アルカリ反応槽16には例えば消石灰(カルシウム剤)が投入され、pHがアルカリ性に調整される(pH8〜11)。なお、アルカリ反応槽16内も撹拌機などによって急速撹拌されている。また、汚泥の一部はZrOF2の凝集物である。この凝集物は、アルカリ性溶液中において、フッ素(F)が水酸基(OH)に置換され、これによってフッ素イオンが遊離する。なお、このようにして生成される金属水酸化物は、フッ化物に比べ高い。一方、遊離したフッ素イオンは消石灰と反応してフッ化カルシウムとして不溶化する。このようにアルカリ性でもフッ化カルシウムは不溶化するので、フッ素は注入されたカルシウム剤とフッ化カルシウムを形成する。アルカリ反応槽16での処理時間は30分〜60分であるが、それ以上の時間であってもよい。
【0026】
次にアルカリ反応槽16において処理された処理汚泥は酸反応槽17へと投入される。酸反応槽17には塩酸等が添加され、酸性に調整される(<pH3)。なお、酸反応槽17内も撹拌機などによって急速撹拌されている。アルカリ反応槽16においてフッ素が水酸基に置換されたZrO(OH)2の凝集物は、酸に溶けやすくなっているため、酸反応槽17で容易に溶解する。酸反応槽17での処理時間は30分〜60分であるが、それ以上の時間であってもよい。ここで、さらに遊離したフッ素イオンを不溶化するために塩化カルシウムなどのカルシウム剤を加えてもよい。なお、酸反応槽17に添加する酸としては塩酸が好適であるが、硫酸、硝酸など他の酸であってもよい。
【0027】
このように本実施形態では、まず、沈殿槽14で沈殿したZrOF2の凝集物をアルカリ反応槽16でアルカリ処理することで、フッ素を遊離させ金属水酸化物にする。そのようにすることで酸処理時において確実に溶解させることができ、金属化合物の再利用効率を向上させることができる。また、アルカリ処理した凝集沈殿物を酸反応槽17で酸処理することでアルカリ処理のみによる脱水縮合反応で凝集沈殿物が過剰に高密度化することも防止できる。
【0028】
「第2実施形態」
図2は、第2実施形態の構成を示す図であり、アルカリ反応槽16、酸反応槽17で処理された汚泥が金属反応槽10に返送される。そして、この金属反応槽10にもカルシウム剤が添加される。
【0029】
これによって、アルカリ反応槽16および酸反応槽17において金属化合物(ジルコニル化合物)から遊離したフッ素がここに添加されたカルシウム剤と反応しフッ化カルシウムが生成される。
【0030】
例えば、カルシウム反応槽18のpHが4〜7の時、汚泥をカルシウム反応槽18に返送すると、アルカリ反応槽16および酸反応槽17でフッ素フリーになったジルコニル化合物の一部がカルシウム反応槽18で流入水中のフッ素と反応し、カルシウム剤との競合反応となり、ジルコニル化合物の一部を消費してしまう可能性がある。汚泥返送を金属反応槽10にすることで、このような競合反応を避け、塩化ジルコニルの添加量をさらに低減できる。このときカルシウム剤添加は、汚泥反応槽16とカルシウム反応槽18の双方にすることが好ましく、金属反応槽10にも分けて注入することが好適である。
【0031】
「その他」
さらに、上述の説明では、フッ素含有水の処理のみを対象とした。しかし、本実施形態ではリンに対しても、フッ素と同様の不溶化反応を起こす。そこで、上述の処理をそのままリン含有水に適用することができる。なお、リンは、リン酸カルシウムとして除去できるため、カルシウム剤による処理もそのままリン含有水に適用することができる。なお、リンは次の反応により不溶化される。なお、リンの形態はpH等によって変化する。
【0032】
【化2】
ZrOCl2+2H2PO4 -→ZrO(H2PO42+2Cl-
ZrOCl2+HPO4 2-→ZrOHPO4+2Cl-
【実施例】
図1に示した第1実施形態の処理装置(実施例)、および図3、4に示した処理装置1(比較例1)、処理装置2(比較例2)により、それぞれ処理実験を行った。図3、4はアルカリ反応槽16または酸反応槽17を有さない処理装置である。アルカリ反応槽16または酸反応槽17の一方しか有さないこと以外は図1に示した第1の実施形態の装置と処理過程は同じである。
【0033】
これら各処理に共通な事項を次に示す。
【0034】
原水流量:100L/h、カルシウム反応槽18、金属反応槽10および凝集槽12の容量:30L、アルカリ反応槽16、酸反応槽17:8L、沈殿槽14容量:約100Lである。また、原水:合成排水で、フッ化ナトリウムを濃度100mg/Lになるように純水に溶解して調整した。pHは6.5〜7.0であった。不溶化剤:塩化ジルコニル8水和物(ZrOCl2・8H2O)をZrとして10%になるように純水に溶解したものを使用した。カルシウム剤:10%消石灰スラリーまたは35%塩化カルシウム溶液を使用した。pH調整剤:各反応槽pHは、塩酸または10%水酸化ナトリウム溶液で調整した。カルシウム反応槽18:消石灰スラリーによりCaとして500mg/L添加し、塩酸でpH10に調整した。金属反応槽10:不溶化剤をZrとして15mg/Lになるように添加し、塩酸でpH5となるように調整した。凝集槽12:高分子凝集剤オルフロックOA−23を2mg/Lとなるように添加した。沈殿槽14の沈殿汚泥は、随時引き抜きを行った。沈殿槽汚泥の一部(原水基準で5%の流量)を循環ラインを通じて、アルカリ反応槽16と酸反応槽17の少なくとも一方を介しカルシウム反応槽18または金属反応槽10へ返送した。この処理工程を1週間、さらに1ヶ月続けて行い、処理水中の全含有フッ素およびSSの量を測定した。なお、処理水中の全含有フッ素は処理水中のSS中に含まれるフッ素も含めた処理水中の全体のフッ素の濃度を示したものである。
【0035】
「比較例1」
図3に示されるフローにより、次式で実験を行った。汚泥の一部をアルカリ反応槽16のみでアルカリ処理して、フッ素を遊離させた後、カルシウム反応槽18に返送した。すなわち、アルカリ反応槽16を設け、消石灰の添加によりpH10に調整した。約1週間処理した後の処理水は、全含有フッ素4.5mg/L、SSは3mg/Lであった。このまま、1ヶ月処理した後の処理水は全含有フッ素5.3mg/L、SSは3mg/Lとなっており、1週間後と比較してSSの量は変わらないものの全含有フッ素の量が増加していた。
【0036】
「比較例2」
図4に示されるフローにより、次式で実験を行った。汚泥の一部を酸反応槽17のみで酸処理して、フッ素を遊離させた後、カルシウム反応槽18に返送した。すなわち、酸反応槽17を設け、塩酸の添加によりpH2.5に調整した。約1週間処理した後の処理水は、全含有フッ素6.2mg/L、SSは3mg/Lであった。このまま、1ヶ月処理した後の処理水は全含有フッ素6.2mg/L、SSは3mg/Lであり、1週間後と比較して全含有フッ素の量、SSの量共に変わらなかった。
【0037】
「実施例」
図1に示されるフローにより、次式で実験を行った。汚泥の一部をアルカリ反応槽16(pH10)でアルカリ処理して、アルカリ処理した後、酸反応槽17(pH2.5)で酸処理してフッ素を遊離させた後、カルシウム反応槽18に返送した。約1週間処理した後の処理水は、全含有フッ素3.2mg/L、SSは3mg/Lであった。このまま、1ヶ月処理した後の処理水は全含有フッ素3.2mg/L、SSは3mg/Lであり、1週間後と比較して全含有フッ素の量、SSの量共に変わらなかった。
【0038】
「評価」
比較例1:
比較例1では1ヶ月後の全含有フッ素が1週間後の全含有フッ素と比較し、増加していたが、これはアルカリ処理を何度も繰り返すことによって、汚泥の脱水縮合反応が進行し、汚泥が高密度化したためと考えられる。汚泥の高密度化によってフッ素とジルコニル化合物の物理的接触が減少し、ジルコニル化合物の再利用効率が悪くなったために、処理水中に溶解したフッ素の濃度が増加したものと考えられる。SSの量が増加していないからである。
【0039】
比較例2:
比較例2では1ヶ月後の全含有フッ素が1週間後の全含有フッ素と比較し、変化しなかった。これは汚泥の高密度化が起こりにくいためと考えられる。また、比較例1(アルカリ処理)と比較して全含有フッ素の濃度が大きい。これは酸処理では不完全にしか汚泥が溶解できず、ジルコニル化合物の再利用効率が悪く処理水中に溶解したフッ素が除去できなかったためと考えられる。SSの量が比較例1と同じであるからである。
【0040】
実施例:
実施例では比較例1と比較例2と比較して、全含有フッ素の量が少なかった。これは、アルカリ処理と酸処理の併用によってジルコニル化合物を効率よく再生でき、含有フッ素をジルコニル化合物によってより一層不溶化できるためであると考えられる。さらに1週間後においても1ヶ月後においても全含有フッ素の量が変わらなかった。これはアルカリ処理した後、酸処理をすることで汚泥が過剰に高密度化するのを防止した結果、ジルコニル化合物の再利用効率が長期に渡っても維持されたためと考えられる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水溶性金属化合物の添加により、フッ素またはリンとが不溶化して固形物となる。この分離された固形物の一部については、アルカリ処理後に酸処理し、固液分離手段よりも上流のフッ素および/またはリン含有水と混合する。そのようにすることで長期間にわたり、高効率にフッ素またはリンを除去でき、その効率を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の装置の構成を示す図である。
【図2】 第2実施形態の装置の構成を示す図である。
【図3】 従来の装置(アルカリ処理)の構成を示す図である。
【図4】 従来の装置(酸処理)の構成を示す図である。
(符号の説明)
10 金属反応槽、12 凝集槽、14 沈殿槽、16 アルカリ反応槽、17 酸反応槽、18 カルシウム反応槽。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for removing fluorine or phosphorus.
[0002]
[Prior art]
In the electronics industry that manufactures semiconductors, liquid crystals, and the like, fluorine is often contained in the wastewater from the electronics industry because fluorine is used in the manufacturing process. As a method for removing fluorine from this fluorine-containing water, calcium agent is added to raw water to precipitate fine particles of calcium fluoride, and these fine particles are agglomerated with Al, Fe inorganic flocculant or organic polymer. A method of aggregating with an agent and separating by precipitation is employed. According to this method, the treated water fluorine can be reduced to 10 to 20 mg / l. However, in Japan, the emission standard value for fluorine was strengthened from 15 mg / l to 8 mg / l in July 2001, and it became necessary to treat fluorine more highly.
[0003]
As a method for highly treating fluorine, a method of increasing the amount of the flocculant added in the coagulation sedimentation treatment or performing the coagulation sedimentation treatment once again after the coagulation sedimentation treatment is employed. The amount of the flocculant used in such treatment is 2000 to 5000 mg / l, and fluorine is adsorbed on Al or Fe hydroxide to improve the fluorine removal rate. By this method, the treated water fluorine concentration can be reduced to 2 to 8 mg / l.
[0004]
As another method, it has been proposed to improve the fluorine removal rate by supporting a hydrous oxide of Zr or Ce on a resin or using a fluorine adsorbent granulated with a polymer substance (Patent Document 1). (Japanese Patent Publication No. 6-79665), Patent Document 2 (Japanese Patent Publication No. Sho 61-47134)). It is said that these methods can reduce the fluorine concentration of treated water to 0 to 1 mg / l.
[0005]
Here, the adsorbent is a hydrous oxide MO n · XH 2 O (≈M (OH) m ) generated by hydrolysis by adding an alkali to a rare earth element or a salt of Ti, Zr or heating. A substance as represented utilizes the property of anion exchange on the acidic side with anions such as PO 4 3− , F , SO 4 2− , and cation exchange on the alkali side (Patent Document 3). JP-B-2-17220), Patent Document 4 (Japanese Patent Laid-Open No. 60-172353)). M is a metal, and X, m, and n are arbitrary numbers.
[0006]
In addition, as a method for improving and stabilizing the quality of treated water, reducing the amount of coagulant used, and reducing sludge volume, there are sludge circulation methods (Patent Document 5 (Patent Document No. 2912226) and Patent Document 6 (Japanese Patent Laid-Open Publication No. Hei 9) -276875), Patent Document 7 (Japanese Patent Laid-Open No. 2000-84570)). This is because sludge containing Al-based or Fe-based inorganic flocculant is solid-liquid separated and then returned through a circulation line, and the sludge is returned as it is or after being subjected to acid or alkali treatment (sludge regeneration treatment). Is. It has been reported that by returning this sludge, the sludge becomes a seed crystal, the crystallization reaction proceeds easily, and the solid-liquid separation property is improved. It has also been reported that the total amount of the inorganic flocculant can be reduced by reusing the inorganic flocculant obtained by treating the sludge with acid or alkali before returning it to liberate fluorine or phosphorus.
[0007]
Electronic industry wastewater often contains phosphorus, and phosphorus is also contained in household wastewater. It is necessary to remove phosphorus from the viewpoint of preventing eutrophication in closed waters, and in many areas phosphorus is subject to additional regulations. In the removal of phosphorus, as in the case of fluorine, in addition to the treatment of adding calcium agent to agglomerate and precipitate as calcium phosphate, Al or Fe inorganic aggregating agent is used to agglomerate as aluminum phosphate or iron phosphate. Precipitation has been processed. Furthermore, the adsorbent described above can treat not only fluorine ions (F ) but also phosphate ions (PO 4 3− ). Therefore, these adsorbents can also be used for phosphorus removal.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 6-79665 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 61-47134 [Patent Document 3]
Japanese Patent Publication No. 2-17220 [Patent Document 4]
JP-A-60-172353 [Patent Document 5]
Japanese Patent No. 2912226 [Patent Document 6]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-276875 [Patent Document 7]
JP 2000-84570 A [0009]
[Problems to be solved by the invention]
In the coagulation sedimentation method, several thousand mg / l of an Al or Fe type coagulant is added in order to reduce fluorine. Such agglomerated sludge incorporates water molecules inside the floc, so that the dewaterability of the sludge is poor and the amount of flocculant added is large, resulting in a very large amount of sludge generated. Therefore, there is a problem that the sludge disposal cost increases. In addition, such a process for generating a large amount of waste is a technology that goes against social demands for reducing the amount of waste.
[0010]
On the other hand, although the fluorine adsorbent does not increase sludge, the adsorption rate is slow and the amount of adsorbent used is large. For this reason, there exists a problem that processing cost is very high. Another problem is that the adsorbent deteriorates due to an oxidizing agent such as hydrogen peroxide contained in the wastewater from the electronics industry or hydrofluoric acid in the raw water, causing the base material to collapse and flow out.
[0011]
In the sludge circulation method, sludge is treated with either acid or alkali. However, in many cases, sludge cannot be completely dissolved by acid treatment. If it does so, at least one part of sludge will remain in the state couple | bonded with the fluorine or phosphorus, it will not melt | dissolve completely, but the reuse efficiency of a metal compound will deteriorate easily. On the other hand, in the alkali treatment, the sludge is excessively densified by the dehydration condensation reaction while the sludge circulation is repeated. Such excessively densified sludge is difficult to react because the physical contact efficiency with fluorine and / or phosphorus is reduced. As a result, the recycling efficiency of the metal compound may deteriorate.
[0012]
This invention is made | formed in view of the said subject, and it aims at providing the fluorine or phosphorus removal agent or removal method which can remove fluorine and / or phosphorus efficiently from fluorine and / or phosphorus containing water.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a calcium reaction means for adding a calcium agent to fluorine or phosphorus-containing water and reacting with calcium in a fluorine or phosphorus-containing water treatment apparatus for removing fluorine or phosphorus from fluorine or phosphorus-containing water, and the calcium reaction means. Metal salt addition means for adding a water- soluble metal compound to the treated water containing the reaction product generated by the above, and solid-liquid separation means for separating and removing the fluorine or phosphorus insolubilized product produced by the metal salt addition means as a solid matter And an alkali treatment means for alkali treatment by adding an alkali to a part of the solid separated by the solid-liquid separation means, and an acid treatment for acid treatment by adding an acid to the solid after the alkali treatment And a return means for returning the solid material after the acid treatment to the upstream side of the solid-liquid separation means, That.
[0014]
In the sludge circulation method of the present invention, first, solid or liquid-separated solid is subjected to alkali treatment to release fluorine or phosphorus from the metal compound in the solid. In this way, the metal compound is converted into a hydroxide. Metal compounds converted to hydroxides are easily soluble in acids. By treating the metal compound that is easily dissolved in the acid, the solid can be reliably dissolved even during the acid treatment, and the reuse efficiency of the metal compound can be improved. Moreover, it can prevent that a solid substance densifies by the dehydration condensation reaction by an alkali treatment by acid-treating before return.
[0015]
The water-soluble metal compound is preferably at least one metal compound selected from Al, Fe, Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, and rare earth metals.
[0016]
Moreover, when adding or adding an acid or alkali to the solid material, it is preferable to add calcium to insolubilize the eluted fluorine and / or phosphorus. Thereby, fluorine or phosphorus liberated from the metal compound by acid or alkali can be insolubilized with the calcium compound. When insolubilized with a calcium compound, solid-liquid separation can be improved.
[0017]
Moreover, it is preferable that the return destination of the solid is a metal salt addition means.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following embodiment, the fluorine-containing wastewater is used as raw water, and the water-soluble metal compound to be added is described using zirconyl chloride as the Zr metal compound. The water-soluble metal compound to be added may be a metal salt compound of Al, Fe, Ti, Hf, V, Nb, Ta, rare earth metal (Ce, La, etc.). Moreover, as a form of a metal compound, nitrates, sulfates, chlorides, chloride oxides, sulfate oxides, and the like can be considered, but are not limited thereto. Preferably, zirconyl chloride, zirconyl sulfate, zirconyl nitrate, titanyl sulfate, titanium tetrachloride, lanthanum chloride, lanthanum sulfate, cerium chloride, cerium sulfate and the like are used.
[0019]
“First Embodiment”
FIG. 1 is a diagram showing a processing apparatus according to the first embodiment of the present invention. Raw water containing fluorine such as hydrofluoric acid is first introduced into a calcium reaction tank 18 where it is mixed with a calcium agent. In addition, it is necessary to maintain pH of this calcium reaction tank 18 at about 4-11, and when it is not in this range, pH is adjusted in this range with an acid or an alkali. The calcium reaction tank 18 is provided with a stirrer and the like, and is rapidly stirred (rotation speed is, for example, 150 rpm), whereby zirconyl chloride and raw water are stirred and mixed. The stirring may be performed by aeration.
[0020]
And in this calcium reaction tank 18, the fluorine in raw | natural water reacts with a calcium ion, and insoluble calcium fluoride is produced | generated. Then, the treated water in the calcium reaction tank 18 containing calcium fluoride is introduced into the metal reaction tank 10 and insolubilized by zirconyl chloride to which fluorine still remaining in the treated water is added. The metal reaction tank 10 is supplied with an aqueous solution of zirconyl chloride and a pH adjuster such as hydrochloric acid or sodium hydroxide (acid for lowering the pH of raw water, alkali for higher). The metal reaction vessel 10 is also rapidly stirred. The reaction shown in the following formula is caused by the metal reaction layer 10,
[Chemical 1]
ZrOCl 2 + 2F → ZrOF 2 + 2Cl
Fluorine is insolubilized. Moreover, the pH in the metal reaction tank 10 is adjusted to 4 to 7, more preferably pH 5 to 6 with sodium hydroxide or the like. As a result, the above reaction proceeds promptly.
[0021]
The addition amount of zirconyl chloride added in the metal reaction vessel 10 is preferably added as a reaction equivalent or more as Zr to the raw water fluorine (F). That is, the molar ratio is preferably Zr / F = 1/2 or more. The fluorine concentration of the raw water is preferably applied to raw water of 20 mg / l or less from the economical viewpoint, and the Zr concentration is preferably 200 mg / l or less. The pH of the reaction may be 4 to 7, but more preferably 5.0 to 6.0.
[0022]
The treated water in the metal reaction tank 10 is supplied to the aggregation tank 12. The coagulation tank 12 is supplied with a polymer coagulant, and the inside is slowly stirred (for example, 40 rpm) by a stirrer or the like. The insolubilized fluorine produced in the metal reaction vessel 10 is agglomerated and coarsened. The polymer flocculant may be any of cationic, anionic and nonionic, and those having a good aggregation effect are appropriately employed. Furthermore, instead of the polymer flocculant, an aluminum-based or iron-based inorganic flocculant may be employed, or both may be used in combination.
[0023]
Moreover, it is also suitable to use an inorganic flocculant in combination according to the properties of the water to be treated. The kind of the inorganic flocculant is not particularly limited, and examples thereof include aluminum (PAC, sulfate band) and iron (iron chloride, polyiron sulfate). The addition method may be directly added to the metal reaction tank 10 or an inorganic flocculant reaction tank may be provided separately. When an inorganic flocculant reaction tank is newly provided, it may be either before or after the metal reaction tank 10 (between the polymer flocculant tank 12).
[0024]
The agglomerated water from the agglomeration tank 12 is introduced into the precipitation tank 14 where the solid matter is precipitated and separated. That is, the above-mentioned ZrOF 2 aggregate is precipitated and separated, and treated water having a low fluorine concentration is obtained as a supernatant. The solid-liquid separation means is not limited to the precipitation tank 14, and various devices such as a membrane separation device can be used. In particular, when a membrane separator is employed, the aggregating treatment with the polymer flocculant can be omitted.
[0025]
Part of the precipitated sludge that has been precipitated and separated in the settling tank 14 is charged into the alkaline reaction tank 16. Although the alkaline agent is not particularly limited, for example, slaked lime (calcium agent) is charged into the alkaline reaction tank 16 to adjust the pH to be alkaline (pH 8 to 11). The alkaline reaction tank 16 is also rapidly stirred by a stirrer or the like. A part of the sludge is an aggregate of ZrOF 2 . This aggregate is substituted in the alkaline solution by fluorine (F) with a hydroxyl group (OH), thereby liberating fluorine ions. In addition, the metal hydroxide produced | generated in this way is high compared with fluoride. On the other hand, the liberated fluorine ions react with slaked lime and become insoluble as calcium fluoride. Thus, even if alkaline, calcium fluoride is insolubilized, so fluorine forms calcium fluoride with the injected calcium agent. The treatment time in the alkaline reaction tank 16 is 30 minutes to 60 minutes, but it may be longer.
[0026]
Next, the treated sludge treated in the alkaline reaction tank 16 is put into the acid reaction tank 17. Hydrochloric acid or the like is added to the acid reaction tank 17 to adjust the acidity (<pH 3). The acid reaction tank 17 is also rapidly stirred by a stirrer or the like. Since the aggregate of ZrO (OH) 2 in which fluorine is substituted with a hydroxyl group in the alkaline reaction tank 16 is easily dissolved in an acid, it is easily dissolved in the acid reaction tank 17. The treatment time in the acid reaction tank 17 is 30 to 60 minutes, but it may be longer. Here, a calcium agent such as calcium chloride may be added to insolubilize the liberated fluorine ions. In addition, although hydrochloric acid is suitable as an acid added to the acid reaction tank 17, other acids, such as a sulfuric acid and nitric acid, may be sufficient.
[0027]
As described above, in this embodiment, first, the aggregate of ZrOF 2 precipitated in the precipitation tank 14 is alkali-treated in the alkali reaction tank 16 to release fluorine to form a metal hydroxide. By doing so, it can be dissolved reliably during the acid treatment, and the reuse efficiency of the metal compound can be improved. Further, by subjecting the alkali-treated aggregated precipitate to acid treatment in the acid reaction tank 17, it is possible to prevent the aggregated precipitate from being excessively densified due to a dehydration condensation reaction only by alkali treatment.
[0028]
“Second Embodiment”
FIG. 2 is a diagram showing the configuration of the second embodiment, and sludge treated in the alkali reaction tank 16 and the acid reaction tank 17 is returned to the metal reaction tank 10. And a calcium agent is also added to this metal reaction tank 10.
[0029]
As a result, fluorine liberated from the metal compound (zirconyl compound) in the alkali reaction tank 16 and the acid reaction tank 17 reacts with the calcium agent added here to generate calcium fluoride.
[0030]
For example, when the sludge is returned to the calcium reaction tank 18 when the pH of the calcium reaction tank 18 is 4 to 7, a part of the zirconyl compound that has become fluorine-free in the alkali reaction tank 16 and the acid reaction tank 17 is part of the calcium reaction tank 18. It reacts with the fluorine in the influent water and becomes a competitive reaction with the calcium agent, which may consume a part of the zirconyl compound. By making the sludge return into the metal reaction tank 10, such a competitive reaction can be avoided and the amount of zirconyl chloride added can be further reduced. At this time, the calcium agent is preferably added to both the sludge reaction tank 16 and the calcium reaction tank 18, and is preferably injected separately into the metal reaction tank 10.
[0031]
"Other"
Further, in the above description, only the treatment of fluorine-containing water is targeted. However, in this embodiment, the same insolubilization reaction as that of fluorine occurs with respect to phosphorus. Therefore, the above treatment can be applied to phosphorus-containing water as it is. In addition, since phosphorus can be removed as calcium phosphate, treatment with a calcium agent can be applied to phosphorus-containing water as it is. Phosphorus is insolubilized by the following reaction. In addition, the form of phosphorus changes with pH etc.
[0032]
[Chemical formula 2]
ZrOCl 2 + 2H 2 PO 4 → ZrO (H 2 PO 4 ) 2 + 2Cl
ZrOCl 2 + HPO 4 2− → ZrOHPO 4 + 2Cl
【Example】
A processing experiment was performed using the processing apparatus (Example) of the first embodiment shown in FIG. 1 and the processing apparatus 1 (Comparative Example 1) and the processing apparatus 2 (Comparative Example 2) shown in FIGS. . 3 and 4 are treatment apparatuses that do not have the alkali reaction tank 16 or the acid reaction tank 17. The process is the same as the apparatus of the first embodiment shown in FIG. 1 except that only one of the alkali reaction tank 16 or the acid reaction tank 17 is provided.
[0033]
Items common to these processes are as follows.
[0034]
Raw water flow rate: 100 L / h, calcium reaction tank 18, metal reaction tank 10 and coagulation tank 12 capacity: 30L, alkali reaction tank 16, acid reaction tank 17: 8L, precipitation tank 14 capacity: about 100L. In addition, raw water: synthetic waste water was prepared by dissolving sodium fluoride in pure water to a concentration of 100 mg / L. The pH was 6.5-7.0. Insolubilizer: Zirconyl chloride octahydrate (ZrOCl 2 .8H 2 O) dissolved in pure water so as to be 10% as Zr was used. Calcium agent: 10% slaked lime slurry or 35% calcium chloride solution was used. pH adjuster: The pH of each reactor was adjusted with hydrochloric acid or 10% sodium hydroxide solution. Calcium reaction tank 18: 500 mg / L of Ca was added by slaked lime slurry, and the pH was adjusted to 10 with hydrochloric acid. Metal reaction vessel 10: An insolubilizing agent was added as Zr to 15 mg / L, and the pH was adjusted to 5 with hydrochloric acid. Coagulation tank 12: Polymer flocculant Olflock OA-23 was added to 2 mg / L. The sedimentation sludge in the sedimentation tank 14 was extracted as needed. Part of the sedimentation tank sludge (flow rate of 5% based on the raw water) was returned to the calcium reaction tank 18 or the metal reaction tank 10 through at least one of the alkaline reaction tank 16 and the acid reaction tank 17 through the circulation line. This treatment step was continued for one week and for another month, and the amount of total contained fluorine and SS in the treated water was measured. The total fluorine content in the treated water indicates the total fluorine concentration in the treated water including the fluorine contained in the SS in the treated water.
[0035]
"Comparative Example 1"
The experiment was performed according to the following equation according to the flow shown in FIG. A part of the sludge was alkali-treated only in the alkali reaction tank 16 to release fluorine, and then returned to the calcium reaction tank 18. That is, the alkaline reaction tank 16 was provided and adjusted to pH 10 by adding slaked lime. The treated water after treatment for about 1 week was 4.5 mg / L of total fluorine and 3 mg / L of SS. As it is, the treated water after one month treatment is 5.3 mg / L of total fluorine and SS is 3 mg / L, and although the amount of SS is the same as after one week, the amount of total fluorine is It was increasing.
[0036]
"Comparative Example 2"
The experiment was performed according to the following equation according to the flow shown in FIG. A part of the sludge was acid-treated only in the acid reaction tank 17 to release fluorine, and then returned to the calcium reaction tank 18. That is, an acid reaction tank 17 was provided and adjusted to pH 2.5 by adding hydrochloric acid. The treated water after the treatment for about 1 week was 6.2 mg / L of total fluorine and 3 mg / L of SS. The treated water after one month treatment was 6.2 mg / L of total fluorine and 3 mg / L of SS, and both the amount of fluorine contained and the amount of SS were not changed compared to one week later.
[0037]
"Example"
The experiment was performed according to the following equation according to the flow shown in FIG. A portion of the sludge is alkali-treated in an alkali reaction tank 16 (pH 10), alkali-treated, then acid-treated in an acid reaction tank 17 (pH 2.5) to liberate fluorine, and then returned to the calcium reaction tank 18 did. The treated water after the treatment for about one week was 3.2 mg / L of total fluorine and 3 mg / L of SS. The treated water after one month treatment was 3.2 mg / L of total fluorine and 3 mg / L of SS, and both the amount of fluorine contained and the amount of SS did not change compared to one week later.
[0038]
"Evaluation"
Comparative Example 1:
In Comparative Example 1, the total fluorine content after one month was increased as compared with the total fluorine content after one week, but by repeating the alkali treatment many times, the dehydration condensation reaction of sludge proceeds, This is thought to be due to the increased density of sludge. It is considered that the concentration of fluorine dissolved in the treated water increased because the physical contact between fluorine and the zirconyl compound decreased due to the densification of the sludge and the recycling efficiency of the zirconyl compound deteriorated. This is because the amount of SS has not increased.
[0039]
Comparative Example 2:
In Comparative Example 2, the total fluorine content after one month did not change compared with the total fluorine content after one week. This is thought to be because sludge densification hardly occurs. Moreover, the density | concentration of all the containing fluorine is large compared with the comparative example 1 (alkali treatment). This is thought to be because sludge could only be dissolved incompletely by acid treatment, and the recycle efficiency of the zirconyl compound was poor and fluorine dissolved in the treated water could not be removed. This is because the amount of SS is the same as in Comparative Example 1.
[0040]
Example:
In the examples, the amount of total fluorine contained was smaller than in Comparative Examples 1 and 2. This is considered to be because the zirconyl compound can be efficiently regenerated by the combined use of alkali treatment and acid treatment, and the contained fluorine can be further insolubilized by the zirconyl compound. Furthermore, the amount of total fluorine contained did not change after one week or one month. This is thought to be because the recycling efficiency of the zirconyl compound was maintained over a long period of time as a result of preventing the sludge from being excessively densified by acid treatment after alkali treatment.
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the addition of the water-soluble metal compound insolubilizes fluorine or phosphorus to form a solid. A part of the separated solid is acid-treated after alkali treatment and mixed with fluorine and / or phosphorus-containing water upstream of the solid-liquid separation means. By doing so, fluorine or phosphorus can be removed with high efficiency over a long period of time, and the efficiency can be maintained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of an apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 is a diagram illustrating a configuration of an apparatus according to a second embodiment.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a conventional apparatus (alkali treatment).
FIG. 4 is a diagram showing a configuration of a conventional apparatus (acid treatment).
(Explanation of symbols)
10 Metal reaction tank, 12 Coagulation tank, 14 Precipitation tank, 16 Alkaline reaction tank, 17 Acid reaction tank, 18 Calcium reaction tank.

Claims (4)

フッ素またはリン含有水からフッ素またはリンを除去するフッ素またはリン含有水処理装置において、
フッ素またはリン含有水にカルシウム剤を添加し、カルシウムと反応させるカルシウム反応手段と、
このカルシウム反応手段により生成された反応物を含む処理水に水溶性金属化合物を添加する金属塩添加手段と、
この金属塩添加手段により生成されたフッ素またはリンの不溶化物を固形物として分離除去する固液分離手段と、
前記固液分離手段により分離された固形物の一部について、アルカリを添加してアルカリ処理するアルカリ処理手段と、
このアルカリ処理後の固形物に、酸を添加して酸処理する酸処理手段と、
この酸処理した後の固形物を、前記固液分離手段よりも上流へ返送する返送手段と、
を有するフッ素またはリン含有水処理装置。
In a fluorine or phosphorus-containing water treatment apparatus that removes fluorine or phosphorus from fluorine or phosphorus-containing water,
A calcium reaction means for adding a calcium agent to fluorine- or phosphorus-containing water and reacting with calcium;
A metal salt addition means for adding a water- soluble metal compound to the treated water containing the reactant produced by the calcium reaction means ;
A solid-liquid separation means for separating and removing the insoluble matter of fluorine or phosphorus produced by the metal salt addition means as a solid,
Alkaline treatment means for adding alkali to alkali treatment for a part of the solid separated by the solid-liquid separation means,
An acid treatment means for adding an acid to the solid after the alkali treatment to perform acid treatment;
A return means for returning the solid after the acid treatment to the upstream side of the solid-liquid separation means;
A fluorine or phosphorus-containing water treatment device having
請求項1に記載の装置において、
前記水溶性金属化合物は、Al、Fe、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、希土類金属のうち少なくとも1つであるフッ素またはリン含有水処理装置。
The apparatus of claim 1.
The water-soluble metal compound is a fluorine or phosphorus-containing water treatment apparatus in which the water-soluble metal compound is at least one of Al, Fe, Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, and a rare earth metal.
請求項1または2に記載の装置において、
前記固形物に酸またはアルカリを添加する際、または添加した後に、カルシウム化合物を添加し、溶出したフッ素またはリンを不溶化するフッ素またはリン含有水処理装置。
The apparatus according to claim 1 or 2,
A fluorine or phosphorus-containing water treatment apparatus for adding a calcium compound to insolubilize eluted fluorine or phosphorus when an acid or an alkali is added to the solid matter or after the addition.
請求項1から3のいずれか1つに記載の装置において、
前記返送手段は、固形物の一部を前記金属塩添加手段に返送するフッ素またはリン含有水処理装置。
The device according to any one of claims 1 to 3,
The return means is a fluorine or phosphorus-containing water treatment device for returning a part of solid matter to the metal salt addition means.
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