上記目的を達成するために、この発明の一の局面による半導体レーザ装置は、共振器の延びる第1方向または第1方向と交差する第2方向の少なくとも一方に沿って反りを有する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の反りの凹側の表面上に形成されるとともに、ワイヤボンド部が設けられた電極層と、半導体レーザ素子の反りの凸側が固定される基台とを備え、半導体レーザ素子は、半導体レーザ素子の反りの凸側と、基台との間の距離が、共振器の延びる第1方向または第2方向の少なくとも一方に沿って半導体レーザ素子の反りに応じて変化するように基台に固定されるとともに、半導体レーザ素子の第1方向または第2方向のうちの少なくとも一方における半導体レーザ素子の反りの凸側と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する電極層の部分の近傍に、ワイヤボンド部が設けられるように構成されている。
この発明の一の局面による半導体レーザ装置では、上記のように、半導体レーザ素子を、半導体レーザ素子の反りの凸側と、基台との間の距離が、共振器の延びる第1方向または第2方向の少なくとも一方に沿って半導体レーザ素子の反りに応じて変化するように基台に固定するように構成することによって、半導体レーザ素子の反りにばらつきがあったとしても、半導体レーザ素子を、半導体レーザ素子自体の反りを矯正することなく基台に対して固定することができる。これにより、半導体レーザ素子に反りの矯正に起因する過度な応力が発生するのを抑制することができる。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子の破損が発生するのを抑制することができる。また、半導体レーザ素子を、第1方向または第2方向のうちの少なくとも一方における半導体レーザ素子の反りの凸側と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する電極層の部分の近傍にワイヤボンド部を設けるように構成することによって、半導体レーザ素子の基台の表面に対する傾きが最も小さい領域近傍に対応した電極層の部分にワイヤボンドを行うことができるので、半導体レーザ素子の傾きが大きい領域に対応した電極層の部分にワイヤボンドを行う場合と異なり、半導体レーザ素子に対してワイヤボンド時に過度な応力が加わるのが抑制される。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子の破損が発生するのを、より一層抑制することができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、半導体レーザ素子は、半導体レーザ素子の第1方向または第2方向のうちの反りの大きい方向における半導体レーザ素子の反りの凸側と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する電極層の部分の近傍に、ワイヤボンド部が設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ素子は、反りの大きい方向に対する基台への固定状態を優先的に考慮して基台に固定されるので、半導体レーザ素子の基台の表面に対する傾きが最も小さい領域近傍に対応した電極層の部分に容易にワイヤボンドを行うことができる。
上記反りの大きい方向の半導体レーザ素子と基台との間の最も小さい距離を有する領域近傍にワイヤボンド部が設けられる構成において、好ましくは、半導体レーザ素子の第1方向の反りは、第2方向の反りよりも大きく、半導体レーザ素子は、第1方向の反りの凸側と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する電極層の部分の近傍に、ワイヤボンド部が設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ素子は、第1方向に対する基台への固定状態を優先的に考慮して基台に固定されるので、半導体レーザ素子の基台の表面に対する第1方向の傾きが最も小さい領域近傍に対応した電極層の部分に容易にワイヤボンドを行うことができる。
上記反りの大きい方向の半導体レーザ素子と基台との間の最も小さい距離を有する領域近傍にワイヤボンド部が設けられる構成において、好ましくは、半導体レーザ素子の第2方向の反りは、第1方向の反りよりも大きく、半導体レーザ素子は、第2方向の反りの凸側と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する電極層の部分の近傍に、ワイヤボンド部が設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ素子は、第2方向に対する基台への固定状態を優先的に考慮して基台に固定されるので、半導体レーザ素子の基台の表面に対する第2方向の傾きが最も小さい領域近傍に対応した電極層の部分に容易にワイヤボンドを行うことができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、半導体レーザ素子は、基板と、基板の表面上に形成される半導体レーザ素子部とを含み、半導体レーザ素子は、基板側が基台に対して融着層を介して固定され、融着層の厚みは、半導体レーザ素子の基板と基台とに挟まれた領域において、共振器の延びる第1方向または第2方向の少なくとも一方に沿って半導体レーザ素子の反りに応じて変化するように形成されている。このように構成すれば、厚みを変化させた融着層によって、半導体レーザ素子の基板と、基板を固定する基台との間に形成される隙間を半導体レーザ素子の反りに応じて効率よく埋めることができるので、容易に、半導体レーザ素子を、反りの矯正を行うことなく基台に固定することができる。
この場合、好ましくは、半導体レーザ素子を基台に固定する融着層は、半田からなる導電性接着層である。このように構成すれば、半田溶融時の特性により、容易に、厚みを変化させた融着層を形成することができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、半導体レーザ素子は、窒化物系半導体層を有する半導体レーザ素子部を含む。このように、エピタキシャル成長時に反りが発生しやすい窒化物系半導体層を有する半導体レーザ素子部を基台に固定する場合でも、上記一の局面による構成を用いれば、容易に、反りの矯正に起因するレーザ特性の劣化および半導体レーザ素子部の破損を抑制することができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ワイヤボンド部は、半導体レーザ素子の第1方向の端部に位置する共振器の光出射端近傍または光反射端近傍のいずれか一方端近傍に設けられている。このように構成すれば、ワイヤボンド部が光出射端近傍に設けられている場合には、半導体レーザ素子の共振器の光出射端近傍における半導体レーザ素子と基台との間の距離が実質的に最も小さくなるので、半導体レーザ素子の共振器の光出射端近傍における半導体レーザ素子と基台との間の距離のばらつき量を小さくすることができる。これにより、半導体レーザ素子の共振器の光出射端から出射されるレーザ光の出射位置がばらつくのを抑制することができる。また、上記のように構成すれば、半導体レーザ素子の光出射端近傍の下面側を、基台の表面に略平行に近づけて配置することができる。これにより、光出射端から出射されるレーザ光の出射方向が基台の表面に対して上側に傾斜した状態で配置されるのを抑制することができる。この結果、半導体レーザ素子の共振器の光出射端から出射されるレーザ光の出射方向がばらつくのを抑制することができるので、半導体レーザ装置の組立歩留りを向上させることができる。
また、ワイヤボンド部が光反射端近傍に設けられている場合には、共振器内のレーザ光が光反射端において反射する際に、レーザ光の一部が光反射端によって吸収されることに伴う発熱を、半導体レーザ素子と基台との間の距離が実質的に最も小さい領域(ワイヤボンド領域)に位置する融着層およびワイヤボンド部を介して効率よく拡散(放熱)させることができる。また、上記のように構成すれば、形成後の半導体レーザ素子を平面的に観察することによって、ワイヤボンド部の形成されている位置が共振器の光反射端側であることが認識できる。これにより、半導体レーザ素子のレーザ光の出射方向(光反射端とは反対側の光出射端の位置)を容易に識別することができる。
なお、本発明において、共振器の光出射端および光反射端は、それぞれの共振器端面から出射されるレーザ光強度の大小関係により区別される。すなわち、相対的にレーザ光の出射強度の大きい側が光出射端であり、相対的にレーザ光の出射強度の小さい側が光反射端である。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ワイヤボンド部は、第2方向における半導体レーザ素子と基台とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子の端部近傍に設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ装置の製造プロセスにおいて、基台の上面と略平行なワイヤボンド部の直上から、配線部材(Auワイヤなど)をワイヤボンド部に対してワイヤボンドすることができるので、電極層へのワイヤボンドを確実に行うことができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ワイヤボンド部は、半導体レーザ素子の第1方向の略中央部近傍に対応する電極層の部分の近傍に設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ装置の製造プロセスにおいて、基台の上面と略平行なワイヤボンド部の直上から、配線部材(Auワイヤなど)をワイヤボンド部に対してワイヤボンドすることができるので、電極層へのワイヤボンドを確実に行うことができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ワイヤボンド部は、半導体レーザ素子の第2方向の略中央部近傍に対応する電極層の部分の近傍に設けられている。このように構成すれば、半導体レーザ素子の基台の上面に対する傾きが第1方向のみならず第2方向にも最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部にワイヤボンドを行うことができるので、第2方向における半導体レーザ素子の傾きが大きい領域に対応した電極層の部分にワイヤボンドを行う場合と異なり、半導体レーザ素子に対してワイヤボンド時に過度な応力が加わるのが抑制される。これにより、レーザ特性に劣化および半導体レーザ素子の破損が発生するのを、より一層抑制することができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、半導体レーザ素子の上面には、電極層に接続されるリッジ部が形成され、ワイヤボンド部は、リッジ部が形成されている領域以外の領域に設けられている。このように構成すれば、ワイヤボンド部の直下にはリッジ部が配置されていないので、ワイヤボンド時に、ワイヤボンド部に上方から加えられる衝撃荷重がリッジ部に対して直接的に加わらない。これにより、リッジ部をワイヤボンド時の衝撃荷重から保護することができる。
上記一の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ワイヤボンド部は、平面的に見て、電極層から第2方向に突出するように設けられている。このように構成すれば、容易に、電極層に接続されるリッジ部を配線部材(Auワイヤなど)のワイヤボンド時の衝撃荷重から保護することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の半導体レーザ装置の概略的な構造を説明するための断面図である。図1を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明する前に、本発明の半導体レーザ装置1の概略的な構造について説明する。
本発明の半導体レーザ装置1では、図1に示すように、半導体レーザ素子10が、金属層などからなる導電性接着層20を介して基台30に固定されている。なお、導電性接着層20は、本発明の「融着層」の一例である。
半導体レーザ素子10は、共振器の延びる方向(A方向)に沿って反りを有する。また、半導体レーザ素子10は、共振器の延びる方向(A方向)の両端部に、それぞれ、光出射面10aおよび光反射面10bを有している。なお、光出射面10aは、本発明の「光出射端」の一例であり、光反射面10bは、本発明の「光反射端」の一例である。
ここで、本発明の半導体レーザ装置1では、半導体レーザ素子10は、反りの凸側が基台30の上面30aに固定されている。
また、半導体レーザ素子10は、窒化ガリウム基板、サファイア基板、シリコン基板およびシリコンカーバイト基板などの基板上に半導体層(半導体レーザ素子部)を形成することにより構成することが可能とされている。
また、半導体レーザ素子10の光出射面10aおよび光反射面10bに誘電体多層膜が形成されてもよい。
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置を備えた半導体レーザの構造を示した斜視図である。図3は、図2に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図4は、図2に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図5〜図7は、図2に示した本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の半導体レーザ素子の構造を示した斜視図および断面図である。まず、図2〜図7を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置40およびそれを備えた半導体レーザの構造について説明する。
第1実施形態による半導体レーザ装置40を備えた半導体レーザでは、図2および図3に示すように、半導体レーザ素子50が、AuSnなどの導電性接着層60を介して、基台70に固定されている。なお、導電性接着層60は、本発明の「融着層」の一例である。また、基台70は、図2に示すように、AuSnなどの導電性接着層61を介して、金属製のステム80の本体部81に設けられた台座部82に固定されている。このステム80には、2つのリード端子83および84が設けられている。
また、半導体レーザ素子50の上面は、図2に示すように、Auワイヤ90を用いて、ステム80のリード端子83にワイヤボンディングされている。また、基台70の上面70aは、Auワイヤ91を用いて、ステム80の台座部82にワイヤボンディングされている。また、ステム80の本体部81には、レーザ光が透過する窓付きの図示しないキャップが取り付けられている。
また、半導体レーザ素子50は、図4および図5に示すように、約200μmの幅(W1)と、共振器の延びる方向(B方向)に約1000μmの長さ(L1)と、約100μmの厚み(t1)(図5参照)とを有している。なお、B方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、半導体レーザ素子50は、基台70側に配置された基板100と、基台70とは反対側に配置された半導体レーザ素子部110とから構成されている。なお、基板100は、本発明の「基板」の一例である。
具体的には、図5および図6に示すように、窒化ガリウム、シリコンおよびシリコンカーバイトなどからなる基板100の上面上に、n型AlGaNクラッド層111、GaInNからなる活性層112およびp型AlGaNクラッド層113がエピタキシャル成長により形成されている。そして、これらn型AlGaNクラッド層111、活性層112およびp型AlGaNクラッド層113などの窒化物系半導体層によって、半導体レーザ素子部110が形成されている。なお、n型AlGaNクラッド層111、活性層112およびp型AlGaNクラッド層113は、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。また、p型AlGaNクラッド層113には、B方向(図5参照)に延びるリッジ部113aを形成することによって、導波路構造が形成されている。なお、リッジ部113aは、約2μmの幅を有するように形成されている。また、半導体レーザ素子部110のB方向の端部には、図3に示すように、光出射面(共振器面)110aおよび光反射面(共振器面)110bが形成されている。なお、光出射面110aは、本発明の「光出射端」の一例であり、光反射面110bは、本発明の「光反射端」の一例である。また、光出射面110a、光反射面110bおよび導波路構造によって、B方向に延びる共振器が構成されている。なお、光出射面110aおよび光反射面110b上には、図示しない誘電体多層膜が形成されている。また、図5および図6に示すように、p型AlGaNクラッド層113のリッジ部113a以外の上面上には、SiO2からなる絶縁膜114が形成されている。
また、図5および図6に示すように、基板100の下面上には、Au膜からなるn側電極101が形成されている。なお、第1実施形態では、n側電極101の下面側が、ダイボンド面とされている。また、p型AlGaNクラッド層113のリッジ部113aおよび絶縁膜114の上面上には、リッジ部113aの延びる方向(B方向)(図5参照)に沿ってAu膜からなるp側電極115が形成されている。また、図5および図6に示すように、リッジ部113aの上部には、リッジ部113a(クラッド層)とp側電極115との電気的接触を確実に行うために、約1nmの厚みを有するPt層と、約30nmの厚みを有するPd層と、約1nmの厚みを有するTi層からなるオーミック層116が形成されている。また、p側電極115は、約9nmの厚みを有するPt層と、約150nmの厚みを有するPd層とを積層するとともに、最表面が約2.2μmの厚みを有するAu膜により覆われている。
また、図4に示すように、p側電極115は、約20μmの幅(W2)を有するとともに、約2.2μmの厚み(t2)(図6参照)を有している。また、p側電極115の長さは、共振器(半導体レーザ素子50)の長さL1より若干短くなるように構成されている。
また、第1実施形態では、図3および図5に示すように、半導体レーザ素子50は、ヘテロ接合の添加元素の種類や量によって異なるが、共振器の延びる方向(B方向)に沿って約0.5μm〜約3μmの反りを有している。すなわち、半導体レーザ素子50は、上面(第1主面)側が凹状であり、下面(第2主面)側が凸状になるような反りを有している。また、半導体レーザ素子部110は、基板100とは反対側の表面が凹状に形成されており、半導体レーザ素子50は、反りの凸側(基板100側)が基台70(図3参照)に固定されている。この半導体レーザ素子50の反りは、基板100と半導体レーザ素子部110との熱膨張係数差および格子定数差に起因して発生する。
具体的には、以下の表1に示すように、窒化ガリウムは、約5.59×10−6/Kのa軸方向の熱膨張係数を有するとともに、約0.3189nmのa軸方向の格子定数を有する。また、シリコンは、約2.6×10−6/Kのa軸方向の熱膨張係数を有するとともに、約0.543nmのa軸方向の格子定数を有する。また、シリコンカーバイトは、約4.2×10−6/Kのa軸方向の熱膨張係数を有するとともに、約0.3081nmのa軸方向の格子定数を有する。また、本案の半導体レーザ素子部110の主材料であるAlGaNは、約4.15×10−6/K〜約5.59×10−6/Kのa軸方向の熱膨張係数を有するとともに、約0.3112nm〜約0.3189nmのa軸方向の格子定数を有する。また、本案の半導体レーザ素子部110の活性層であるGaInNは、約3.8×10−6/K〜約5.59×10−6/Kのa軸方向の熱膨張係数を有するとともに、約0.3189nm〜約0.3533nmのa軸方向の格子定数を有している。
そして、基板100が窒化ガリウムからなる場合、半導体レーザ素子部110を構成するn型AlGaNクラッド層111およびp型AlGaNクラッド層113の格子定数が基板100の格子定数よりも小さいことに起因して、半導体レーザ素子50の基板100側が凸状になる(半導体レーザ素子部110側が凹状になる)ように反りが発生する。なお、活性層112は、基板100よりも大きい格子定数を有しているが、活性層112の厚みは、n型AlGaNクラッド層111およびp型AlGaNクラッド層113の厚みよりも小さいので、半導体レーザ素子50の基板100側が凸状になるような向きに反りが発生すると考えられている。その一方、基板100がシリコンまたはシリコンカーバイトからなる場合、半導体レーザ素子部110を構成するn型AlGaNクラッド層111、活性層112およびp型AlGaNクラッド層113の熱膨張係数が基板100の熱膨張係数よりも大きいことに起因して、半導体レーザ素子50の基板100側が凸状になる(半導体レーザ素子部110側が凹状になる)ような向きに反りが発生すると考えられている。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、半導体レーザ素子50は、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)と、基台70との間の距離が、共振器の延びる方向(B方向)に沿って半導体レーザ素子50の反りに応じて変化するように、導電性接着層60を介して基台70に固定されている。
具体的には、図3に示すように、半導体レーザ素子50は、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H3が、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H4よりも小さくなるようにAuSnなどの導電性接着層60を形成することにより、基板100側が基台70に対して導電性接着層60を介して固定されている。なお、第1実施形態では、導電性接着層60の材料として、半田を用いている。
また、図6に示すように、導電性接着層60は、半導体レーザ素子50と同じ幅(W1=約200μm)および長さ(L1=約1000μm)(図5参照)を有するとともに、約1〜5μmの厚みを有している。なお、半導体レーザ素子50は、共振器の幅方向(C方向)には反りを有していない。したがって、半導体レーザ素子50は、図3に示すように、反りを有するB方向の形状を考慮して基台70に固定されている。なお、C方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
また、図3に示すように、半導体レーザ素子50の光出射面110a側は、基台70の上面70aと略平行に配置されている。すなわち、半導体レーザ素子50は、光出射面110aから出射されるレーザ光の出射方向が、基台70の上面70aの延びる方向と略平行になるように配置されている。
また、第1実施形態では、図4および図5に示すように、半導体レーザ素子50のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光出射面110a近傍の絶縁膜114の上面上に設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子50と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH3(図3参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、ワイヤボンド部115aは、図4に示すように、約80μm〜約90μmの幅(W3)と、B方向に約50μm〜約60μmの長さ(L2)と、p側電極115と同じ厚みである約2.2μmの厚み(t2)(図7参照)とを有している。
また、第1実施形態では、図4、図5および図7に示すように、半導体レーザ素子50のリッジ部113aおよびp側電極115は、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(C方向)の中心線500(1点鎖線)(図4参照)から所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるように形成されている。また、ワイヤボンド部115aは、リッジ部113aの直上にオーミック層116を介して形成されたp側電極115から半導体レーザ素子50の幅方向(C方向)に突出するとともに、中心線500(図4参照)を横断してリッジ部113bが形成されていない領域の絶縁膜114の上面上に設けられている。
また、基台70は、図4に示すように、約900μmの幅(W4)と、約1200μmの長さ(L3)と、約250μmの厚み(t3)(図3参照)とを有している。
また、基台70は、図3および図6に示すように、SiCまたはAlNからなる基板70bを含んでいる。この基板70bの上面上および下面上の全面には、約100nmの厚みを有するTi層と、約20nmの厚みを有するPt層と、約30nmの厚みを有するAu層からなる下地金属層70cが形成されている。この下地金属層70cは、導電性接着層60を基台70に接着するために設けられている。
図8は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置を備えた半導体レーザの製造プロセスを説明するための図である。次に、図2、図3、図5および図8を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置40を備えた半導体レーザの製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示すように、基板100の上面上に、n型AlGaNクラッド層111、GaInNからなる活性層112およびp型AlGaNクラッド層113をエピタキシャル成長させることにより、半導体レーザ素子部110を形成する。そして、p型AlGaNクラッド層113に、B方向に延びるリッジ部113aを形成した後、p型AlGaNクラッド層113のリッジ部113a以外の上面上に、SiO2からなる絶縁膜114を形成する。その後、基板100の下面上に、Au膜からなるn側電極101を形成するとともに、p型AlGaNクラッド層113のリッジ部113aの上面上に、Pt層、Pd層およびTi層からなるオーミック層116を形成する。そして、オーミック層116および絶縁膜114の上面上に、最表面がAu膜からなるp側電極115を形成する。そして、半導体レーザ素子部110の共振器の光出射面110aおよび光反射面110b上に、図示しない誘電体多層膜を形成することによって、半導体レーザ素子50を形成する。このとき、第1実施形態では、図5に示すように、基板100と半導体レーザ素子部110との熱膨張係数差および格子定数差に起因して、基板100側が凸状になる(半導体レーザ素子部110側が凹状になる)ように、半導体レーザ素子50に反りが発生する。
次に、第1実施形態では、図3に示すように、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H3が、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H4よりも小さくなるように、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)を基台70に対してダイボンドする。このとき、同時に、基台70をステム80の台座部82(図2参照)に固定する。
具体的には、図8に示すように、窒素雰囲気中において、金属製のステム80(図2参照)の台座部82(図2参照)上に、導電性接着層61(図2参照)と、導電性接着層60が所定の領域に配置された基台70と、半導体レーザ素子50とを順に配置する。
ここで、第1実施形態では、図8に示すように、導電性接着層60の厚みが、共振器の長さ方向(B方向)に3通り(3段階)に変化させるようにして基台70の上面70aに配置する。すなわち、半田からなる導電性接着層60を、光出射面110a近傍から光反射面110bに向かって段階的に厚みを増すように、基台70の上面70aに配置する。
そして、第1実施形態では、図8に示すように、ステム80(図2参照)を高温にするとともに、半導体レーザ素子50の光出射面110a近傍を、セラミック製のコレット120により導電性接着層60を介して基台70に対してP方向に押圧する。このとき、半導体レーザ素子50の光出射面110a近傍をコレット120により押圧した状態では、コレット120により押圧された領域(半導体レーザ素子50の光出射面110a側)の導電性接着層60は、溶融しながらコレット120により押圧されていない領域(半導体レーザ素子50の光反射面110b側)に移動するとともに、光反射面110b側の半導体レーザ素子50と基台70との間の導電性接着層60も熱伝導により溶融する。この結果、図3に示すように、導電性接着層60が半導体レーザ素子50の反り形状に対応して厚みを変化させる。すなわち、第1実施形態では、半導体レーザ素子50の反りを矯正することなく半導体レーザ素子50の反りに応じて導電性接着層60の厚みが変化する。なお、コレット120には、穴部120aが設けられており、穴部120aの内部を真空にすることにより半導体レーザ素子50を吸着することが可能である。
ここで、図8に示すように、半導体レーザ素子50のB方向の反りの形状に対応するように複数の異なる厚みを有する導電性接着層60を配置することにより、図3に示すように、半導体レーザ素子50の反りの形状に対応するように接着後の導電性接着層60の厚みを容易に変化させることが可能となる。この場合、図8に示すように、厚みが最も小さい(薄い)導電性接着層60の上部において、半導体レーザ素子50をコレット120により押圧するのがより好ましい。また、図3に示すように、半導体レーザ素子50をコレット120により押圧した下部の導電性接着層60の厚みが最も小さくなるように基台70に対して固定されることにより、容易に、反りを矯正することなく半導体レーザ素子50を固定することが可能である。
また、ステム80(図2参照)とともに高温となった台座部82(図2参照)と、基台70(図2参照)とに挟まれた導電性接着層61(図2参照)も熱伝導により溶融する。
その後、図2に示すように、ステム80を冷却して導電性接着層60および61を固化することによって、半導体レーザ素子50が導電性接着層60を介して基台70に固定されるとともに、基台70が導電性接着層61を介してステム80の台座部82に固定される。
そして、半導体レーザ素子50のワイヤボンド部115aとステム80のリード端子83とを、Auワイヤ90を用いてワイヤボンドすることにより接続するとともに、基台70の上面70aとステム80の台座部82とを、Auワイヤ91を用いてワイヤボンドすることにより接続する。最後に、ステム80の本体部81に、レーザ光が透過する窓付きの図示しないキャップを取り付ける。
このようにして、第1実施形態による半導体レーザ装置40を備えた半導体レーザが製造される。
第1実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子50を、半導体レーザ素子50の反りの凸側と、基台70との間の距離が、共振器の延びる方向(B方向)に沿って半導体レーザ素子50の反りに応じて変化するように基台70に固定することによって、半導体レーザ素子50の反りにばらつきがあったとしても、半導体レーザ素子50を、半導体レーザ素子50自体の反りを矯正することなく基台70に対して固定することができる。これにより、半導体レーザ素子50に反りの矯正に起因する過度な応力が発生するのを抑制することができる。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子50(半導体レーザ素子部110)の破損が発生するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50を、半導体レーザ素子50の共振器方向(B方向)の反りの凸側と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH3(図3参照)である領域)に対応するp側電極115の部分にワイヤボンド部115aを設けている。すなわち、共振器の伸びる方向(B方向)に沿ったワイヤボンド部115aを含む断面において、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子50と基台70との距離が実質的に最も小さい領域に対応する領域に形成されている。これにより、半導体レーザ素子50の基台70の上面70aに対する傾きが最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部115aにAuワイヤ90のワイヤボンドを行うことができるので、半導体レーザ素子50の傾きが大きい領域に対応したp側電極115の部分にワイヤボンドを行う場合と異なり、半導体レーザ素子50に対してワイヤボンド時に過度な応力が加わるのが抑制される。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子50(半導体レーザ素子部110)の破損が発生するのを、より一層抑制することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50が、反りの大きいB方向に対する基台70への固定状態を優先的に考慮して基台70に固定されるので、半導体レーザ素子50の基台70の上面70aに対する傾きが最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部115aに容易にワイヤボンドを行うことができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50を、基板100側が基台70に対して導電性接着層60を介して固定するとともに、導電性接着層60の厚みを、半導体レーザ素子50の基板100と基台70とに挟まれた領域において、共振器の延びる方向(B方向)に沿って半導体レーザ素子50の反りに応じて変化するように形成することによって、厚みを変化させた導電性接着層60によって、半導体レーザ素子50の基板100と、基板100を固定する基台70との間に形成される隙間を半導体レーザ素子50の反りに応じて効率よく埋めることができるので、容易に、半導体レーザ素子50を、反りの矯正を行うことなく基台70に固定することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50を基台70に固定する導電性接着層60を、半田からなる融着層により構成することによって、半田溶融時の特性により、容易に、厚みを変化させた融着層を形成することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50を、n型AlGaNクラッド層111、GaInNからなる活性層112およびp型AlGaNクラッド層113などの窒化物系半導体層を有する半導体レーザ素子部110を含む。このように、エピタキシャル成長時に反りが発生しやすい窒化物系半導体層を有する半導体レーザ素子部110を基台70に固定する場合でも、上記第1実施形態による構成を用いれば、容易に、反りの矯正に起因するレーザ特性の劣化および半導体レーザ素子部110の破損を抑制することができる。
また、第1実施形態では、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H3が、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H4よりも小さい領域近傍に対応するp側電極115の部分の近傍に設けることによって、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H3が大きい場合に比べて、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H3のばらつき量が小さくなる。これにより、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110aから出射されるレーザ光の出射位置のばらつきが抑制され、かつ、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子50の破損が抑制された半導体レーザ装置40を得ることができる。また、上記のように構成することによって、半導体レーザ素子50の光出射面110aに対応する下面側を、基台70の表面70aに略平行に近づけて配置することができる。これにより、光出射面110aから出射されるレーザ光の出射方向が基台70の表面70aに対して上側に傾斜した状態で配置されるのを抑制することができる。この結果、半導体レーザ素子50から出射されるレーザ光の出射方向がばらつくのを抑制することができるので、半導体レーザ装置40の組立歩留りを向上させることができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50を、共振器の光出射面110aの下面側(n側電極101側)が基台70の上面70aと略平行に配置することによって、光出射面110aの近傍に設けられたワイヤボンド部115aを、基台70の上面70aと略平行に配置することができるので、ワイヤボンド部115aに上方から加えられるワイヤボンド時の衝撃荷重が、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(図4のC方向)に偏って加えられるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子50の上面に、共振器の延びる方向(B方向)に沿う共振器の幅方向(図4のC方向)の中心線500(図4の1点鎖線)に対し、所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるとともに、オーミック層116を介してp側電極115に接続されるリッジ部113aを形成し、かつ、ワイヤボンド部115aを、リッジ部113aが形成されていない領域の絶縁膜114(図5参照)の上面上に設けることによって、ワイヤボンド部115aの直下にはリッジ部113aおよびオーミック層116が配置されていないので、ワイヤボンド時に、ワイヤボンド部115aに上方から加えられる衝撃荷重がリッジ部113aおよびオーミック層116に対して直接的に加わらない。これにより、リッジ部113aおよびオーミック層116をワイヤボンド時の衝撃荷重から保護することができる。
また、第1実施形態では、リッジ部113aとワイヤボンド部115aとを、共振器の幅方向(図4のC方向)における半導体レーザ素子50の略中央部(中心線500の近傍領域)を挟んで互いに反対の方向に形成することによって、リッジ部113aが中心線500からC方向の一方側にずらされた分だけワイヤボンド部115aを中心線500により近づけて配置することができる。これにより、ワイヤボンド時に、ワイヤボンド部115aに上方から加えられる衝撃荷重が、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(図4のC方向)に偏って加えられるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ワイヤボンド部115aを、平面的に見て、p側電極115から共振器の幅方向(C方向)に突出するように設けることによって、容易に、p側電極115の下部のリッジ部113aおよびオーミック層116をワイヤボンド時の衝撃荷重から保護することができる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図10は、図9に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。図11は、図9に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図9〜図11を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、半導体レーザ素子50が、共振器の光反射面110b近傍における基台70との間の距離が、光出射面110a近傍における距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
第2実施形態による半導体レーザ装置130では、図9および図10に示すように、上記第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子50が、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)と、基台70との間の距離が、共振器の延びる方向(B方向)に沿って変化するように、AuSnなどの導電性接着層140(図9参照)を介して、基台70に固定されている。
また、第2実施形態では、図9に示すように、半導体レーザ素子50は、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層140の厚み)H5が、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層140の厚み)H6よりも小さくなるようにAuSnなどの導電性接着層140を形成することにより、基板100側が基台70に対して導電性接着層140を介して固定されている。
また、図9に示すように、半導体レーザ素子50の光反射面110b側は、基台70の上面70aと略平行に配置されている。すなわち、半導体レーザ素子50は、光反射面110bにおいて反射されるレーザ光の方向が、基台70の上面70aの延びる方向と略平行になるように配置されている。
また、第2実施形態では、図10および図11に示すように、半導体レーザ素子50のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光反射面110b近傍に対応するように設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子50と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層140の厚みが実質的にH5(図9参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。
また、第2実施形態では、図10および図11に示すように、半導体レーザ素子50のリッジ部113aおよびp側電極115は、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(C方向)の中心線500(1点鎖線)(図11参照)から所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるように半導体レーザ素子部110の上面側に形成されている。また、ワイヤボンド部115aは、リッジ部113aの直上にオーミック層116を介して形成されたp側電極115から半導体レーザ素子50のC方向に突出するとともに、中心線500(図11参照)を横断してリッジ部113bが形成されていない領域の絶縁膜114の上面上に設けられている。
なお、第2実施形態による半導体レーザ装置130のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
図12は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置を備えた半導体レーザの製造プロセスを説明するための図である。次に、図2および図9〜図12を参照して、第2実施形態による半導体レーザ装置130を備えた半導体レーザの製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、半導体レーザ素子50を形成する。
次に、第2実施形態では、図9に示すように、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層140の厚み)H5が、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層140の厚み)H6よりも小さくなるように、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)を基台70に対してダイボンドする。このとき、同時に、基台70をステム80の台座部82(図2参照)に固定する。
また、第2実施形態では、図12に示すように、導電性接着層140の厚みが、共振器の長さ方向(B方向)に3通り(3段階)に変化させるようにして基台70の上面70aに配置する。すなわち、半田からなる導電性接着層140を、光反射面110b近傍から光出射面110aに向かって段階的に厚みを増すように、基台70の上面70aに配置する。
そして、図12に示すように、上記第1実施形態と同様のプロセスを用いて、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)を基台70にダイボンドする。このとき、半導体レーザ素子50の光反射面110b近傍をコレット120によりP方向に押圧した状態では、コレット120により押圧された領域(半導体レーザ素子50の光反射面110b側)の導電性接着層140は、溶融しながらコレット120により押圧されていない領域(半導体レーザ素子50の光出射面110a側)に移動するとともに、光出射面110a側の半導体レーザ素子50と基台70との間の導電性接着層140も熱伝導により溶融する。この結果、図9に示すように、導電性接着層140が半導体レーザ素子50の反り形状に対応して厚みを変化させる。すなわち、第2実施形態においても、半導体レーザ素子50の反りを矯正することなく半導体レーザ素子50の反りに応じて導電性接着層140の厚みが変化することにより、基台70に固定される。
なお、第2実施形態のその他の製造プロセスは、上記第1実施形態の製造プロセスと同様であり、このようにして、第2実施形態による半導体レーザ装置130を備えた半導体レーザが製造される。
第2実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍に設けるように構成することによって、共振器内のレーザ光が光反射面110bにおいて反射する際に、レーザ光の一部が光反射面110bによって吸収されることに伴う発熱を、半導体レーザ素子50と基台70との間の距離が実質的に最も小さい領域(導電性接着層160の厚みが実質的にH5(図9参照)である領域)に位置する導電性接着層140およびワイヤボンド部115aを介して効率よく拡散(放熱)させることができる。
また、第2実施形態では、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50の共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H5が、半導体レーザ素子50の共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離H6よりも小さい領域近傍に対応するp側電極115の部分の近傍に設けることによって、形成後の半導体レーザ素子50を平面的に観察することによって、ワイヤボンド部115aの形成されている位置が共振器の光反射面110b側であることが認識できる。これにより、半導体レーザ素子50のレーザ光の出射方向(光出射面110aの位置)を容易に識別することができる。
また、第2実施形態では、半導体レーザ素子50を、共振器の光反射面110bの下面側(n側電極101側)が基台70の上面70aと略平行に配置することによって、光反射面110bの近傍に設けられたワイヤボンド部115aを、基台70の上面70aと略平行に配置することができるので、ワイヤボンド部115aに上方から加えられるワイヤボンド時の衝撃荷重が、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(図11のC方向)に偏って加えられるのを抑制することができる。
また、第2実施形態においても、p側電極115およびリッジ部113aを、半導体レーザ素子50の共振器の延びる方向(図11のB方向)に沿う共振器の幅方向(図11のC方向)の中心線500(図11の1点鎖線)に対し、所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるように半導体レーザ素子部の上面に形成するとともに、ワイヤボンド部115aを、リッジ部113が形成されていない領域の絶縁膜114(図5参照)の上面上に設けることによって、ワイヤボンド部115aの直下にはリッジ部113aおよびオーミック層116が配置されていないので、ワイヤボンド時に、ワイヤボンド部115aに上方から加えられる衝撃荷重がリッジ部113aおよびオーミック層116に対して直接的に加わらない。これにより、リッジ部113aおよびオーミック層116をワイヤボンド時の衝撃荷重から保護することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図14は、図13に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。図15は、図13に示した本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図13〜図15を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、半導体レーザ素子50が、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における基台70との間の距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
第3実施形態による半導体レーザ装置150では、図13および図14に示すように、上記第1および第2実施形態と同様に、半導体レーザ素子50が、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)と、基台70との間の距離が、共振器の延びる方向(B方向)に沿って変化するように、AuSnなどの導電性接着層160(図13参照)を介して、基台70に固定されている。
また、第3実施形態では、図13に示すように、半導体レーザ素子50は、半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(導電性接着層160の厚み)H7が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層160の厚み)H8よりも小さくなるようにAuSnなどの導電性接着層160を形成することにより、基板100側が基台70に対して導電性接着層160を介して固定されている。
また、図13に示すように、半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍は、基台70の上面70aと略平行に配置されている。すなわち、半導体レーザ素子50は、共振器の中央部近傍において透過するレーザ光の方向が、基台70の上面70aの延びる方向と略平行になるように配置されている。
また、第3実施形態では、図14および図15に示すように、半導体レーザ素子50のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、共振器の中央部近傍に対応するように設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子50と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層160の厚みが実質的にH7(図13参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。
また、第3実施形態では、図14および図15に示すように、半導体レーザ素子50のリッジ部113aおよびp側電極115は、半導体レーザ素子50の共振器の幅方向(C方向)の中心線500(1点鎖線)(図15参照)から所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるように半導体レーザ素子部110の上面側に形成されている。また、ワイヤボンド部115aは、リッジ部113aの直上にオーミック層116を介して形成されたp側電極115から半導体レーザ素子50のC方向に突出するとともに、中心線500(図15参照)を横断してリッジ部113bが形成されていない領域の絶縁膜114の上面上に設けられている。
なお、第3実施形態による半導体レーザ装置150のその他の構造は、上記第1および第2実施形態と同様である。
図16は、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置を備えた半導体レーザの製造プロセスを説明するための図である。次に、図2および図13〜図16を参照して、第3実施形態による半導体レーザ装置150を備えた半導体レーザの製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1および第2実施形態と同様の製造プロセスにより、半導体レーザ素子50を形成する。
次に、第3実施形態では、図13に示すように、半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(導電性接着層160の厚み)H7が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子50と基台70との間の距離(導電性接着層160の厚み)H8よりも小さくなるように半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)を基台70に対してダイボンドする。このとき、同時に、基台70をステム80の台座部82(図2参照)に固定する。
また、第3実施形態では、図16に示すように、導電性接着層160の厚みが、共振器の長さ方向(B方向)に2通り(2段階)に変化させるようにして基台70の上面70aに配置する。すなわち、半田からなる導電性接着層160を、共振器の中央部近傍から光反射面110bおよび光出射面110aに向かって段階的に厚みを増すように、基台70の上面70aに配置する。
そして、図16に示すように、上記第1および第2実施形態と同様のプロセスを用いて、半導体レーザ素子50の反りの凸側(基板100側)を基台70にダイボンドする。このとき、半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍をコレット120によりP方向に押圧した状態では、コレット120により押圧された領域(半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍)の導電性接着層160は、溶融しながらコレット120により押圧されていない領域(光出射面110a側および光反射面110b側)に移動するとともに、光出射面110a側および光反射面110b側の半導体レーザ素子50と基台70との間の導電性接着層160も熱伝導により溶融する。この結果、図13に示すように、導電性接着層160が半導体レーザ素子50の反り形状に対応して厚みを変化させる。すなわち、第3実施形態においても、半導体レーザ素子50の反りを矯正することなく半導体レーザ素子50の反りに応じて導電性接着層160の厚みが変化することにより、基台70に固定される。
また、第3実施形態では、共振器の中央部近傍に配置され、基台70(図13参照)の上面70aと略平行なワイヤボンド部115a(図15参照)の直上から、Auワイヤ90(図2参照)がワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドされる。
なお、第3実施形態のその他の製造プロセスは、上記第1および第2実施形態の製造プロセスと同様であり、このようにして、第3実施形態による半導体レーザ装置150を備えた半導体レーザが製造される。
第3実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50の共振器の中央部近傍に設けることによって、半導体レーザ装置150の製造プロセスにおいて、基台70(図13参照)の上面70aと略平行なワイヤボンド部115a(図15参照)の直上から、Auワイヤ90(図2参照)がワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドされるために、p側電極115のワイヤボンドを確実に行うことができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図17および図18は、それぞれ、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図3、図17および図18を参照して、この第4実施形態では、上記第1実施形態と異なり、共振器の延びる方向(B方向)に加えてレーザ素子の幅方向(共振器の延びる方向と直交する方向(C方向))にも反りを有する半導体レーザ素子95を、基台70に固定する場合について説明する。なお、図18は、図17に示した半導体レーザ装置170の300−300線に沿った断面図である。
第4実施形態による半導体レーザ装置170を備えた半導体レーザでは、図17および図18に示すように、半導体レーザ素子95が、AuSnなどの導電性接着層60(図18参照)を介して、基台70に固定されている。また、半導体レーザ素子95は、約800μmの幅(W5)と、約900μmの長さ(L4)と、約100μmの厚み(t1)とを有する。また、基台70は、約900μmの幅(W4)と、約1000μmの長さ(L5)と、約250μmの厚み(t3)とを有する。なお、半導体レーザ素子95の共振器の延びる方向(B方向)に沿った断面形状は、図3に示した半導体レーザ素子50の断面形状と同様の断面形状を有している。
ここで、第4実施形態では、図18に示すように、半導体レーザ素子95は、共振器の延びる方向(B方向)に加えて、共振器の幅方向(C方向)に沿っても反りを有する。したがって、半導体レーザ素子95は、上面(第1主面)側が凹状であり、下面(第2主面)側が凸状になるような反りを有するので、半導体レーザ素子部110は、基板100とは反対側の表面が共振器の幅方向(C方向)にも凹状に形成されている。これにより、半導体レーザ素子95は、B方向およびC方向における反りの凸側(基板100側)が基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子95のC方向の反りは、B方向の反りよりも小さい。したがって、半導体レーザ素子95は、図3に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して、反りの凸側(基板100側)が基台70に固定されるのが好ましい。
また、第4実施形態では、図18に示すように、半導体レーザ素子95の共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H9は、半導体レーザ素子95の共振器端面に沿った方向(C方向)の端部95aおよび95b近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H10よりも小さい。
また、第4実施形態では、図17に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光出射面110a近傍の絶縁膜114の上面上に設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子95と基台70との間の距離のうち、B方向およびC方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH3(図3参照)かつH9(図18参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。
また、第4実施形態では、図17に示すように、半導体レーザ素子95のリッジ部113aおよびp側電極115は、半導体レーザ素子95の共振器の幅方向(C方向)の中心線500(1点鎖線)から所定距離(約20μm)を隔てて中心線500と略平行に延びるように形成されている。また、ワイヤボンド部115aは、リッジ部113aの直上にオーミック層116を介して形成されたp側電極115から半導体レーザ素子95の幅方向(C方向)に突出するとともに、中心線500を横断してリッジ部113bが形成されていない領域の絶縁膜114の上面上に設けられている。
なお、第4実施形態による半導体レーザ装置170のその他の構造および製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子95を、半導体レーザ素子95の反りの凸側と基台70との間の距離が、共振器の延びる方向(B方向)および共振器の幅方向(C方向)に沿って半導体レーザ素子95の反りに応じて変化するように基台70に固定することによって、半導体レーザ素子95の反りにB方向のみならずC方向にもばらつきがあったとしても、半導体レーザ素子95を、半導体レーザ素子95自体の反りを矯正することなく基台70に対して固定することができる。これにより、半導体レーザ素子95に反りの矯正に起因する過度な応力が発生するのを抑制することができる。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子95(半導体レーザ素子部110)の破損が発生するのを抑制することができる。
また、第4実施形態では、半導体レーザ素子95を、半導体レーザ素子95のC方向の反りの凸側と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH3(図3参照)かつH9(図18参照)である領域)に対応するp側電極115の部分にワイヤボンド部115aを設けることによって、半導体レーザ素子95の基台70の上面70aに対する傾きがB方向のみならずC方向にも最も小さい領域(C方向の中央部近傍)に設けられたワイヤボンド部115aにワイヤボンドを行うことができるので、半導体レーザ素子95の傾きが大きい領域に対応したp側電極115の部分にワイヤボンドを行う場合と異なり、半導体レーザ素子95に対してワイヤボンド時に過度な応力が加わるのが抑制される。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子95(半導体レーザ素子部110)の破損が発生するのを、より一層抑制することができる。
なお、半導体レーザ素子95は、C方向の反りよりもB方向(共振器方向)の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられた場合であっても、上記効果が得られる。すなわち、半導体レーザ素子95が互いに交差する第3方向(第4実施形態ではB方向)と第4方向(第4実施形態ではC方向)とに対して反りを有している場合であって、かつ、第3方向の反りが第4方向の反りよりも大きい場合に、第3方向に沿ったワイヤボンド部115aを含む断面において、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子95と基台70との距離が実質的に最も小さい領域に対応する領域に形成されていてもよい。
また、第4実施形態では、リッジ部113aとワイヤボンド部115aとを、共振器の幅方向(C方向)における半導体レーザ素子95の略中央部(中心線500の近傍領域)を挟んで互いに反対の方向に形成することによって、リッジ部113aが中心線500からC方向の一方側にずらされた分だけワイヤボンド部115aを中心線500により近づけて配置することができる。これにより、半導体レーザ素子95の基台70の上面70aに対する傾きがC方向にも最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部115aにワイヤボンドを行うことができる。また、ワイヤボンド時に、ワイヤボンド部115aに上方から加えられる衝撃荷重が、半導体レーザ素子95の幅方向(C方向)に偏って加えられるのを抑制することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図19は、本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図9、図18および図19を参照して、この第5実施形態における半導体レーザ装置180では、上記第4実施形態と異なり、半導体レーザ素子95が、共振器の光反射面110b近傍における基台70との間の距離が、光出射面110a近傍における距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
ここで、第5実施形態による半導体レーザ装置180では、図9に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子95は、共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図9の距離H5に相当する)が、共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図9の距離H6に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子95は、上記第4実施形態と同様に、C方向の反りよりもB方向(共振器方向)の反りが大きい。したがって、半導体レーザ素子95は、図9に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して、反りの凸側(基板100側)が基台70に固定されるのが好ましい。
また、第5実施形態では、図18に示した半導体レーザ素子95のC方向の断面形状と同様に、共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H9に相当する)は、共振器端面に沿った方向(C方向)の端部95aおよび95b近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H10に相当する)よりも小さい。なお、半導体レーザ素子95は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられるのが好ましい。
また、第5実施形態では、図19に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光反射面110b近傍の絶縁膜114の上面上に設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子95と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH5(図9参照)かつH9(図18参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。
なお、第5実施形態による半導体レーザ装置180のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。また、第5実施形態の効果は、上記第4実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図20は、本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図13、図18および図20を参照して、この第6実施形態における半導体レーザ装置190では、上記第4実施形態と異なり、半導体レーザ素子95が、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における基台70との間の距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
ここで、第6実施形態による半導体レーザ装置190では、図13に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子95は、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(図13の距離H7に相当する)が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図13の距離H8に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子95は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、図13に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して基台70に固定されるのが好ましい。
また、第6実施形態では、図18に示した半導体レーザ素子95のC方向の断面形状と同様に、共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H9に相当する)は、共振器端面に沿った方向(C方向)の端部95a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H10に相当する)よりも小さい。
また、第6実施形態では、図20に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、共振器の中央部近傍に対応するように設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子95と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH7(図13参照)かつH9(図18参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、半導体レーザ素子95は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられるのが好ましい。
なお、第6実施形態による半導体レーザ装置190のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。
第6実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子95のB方向(共振器方向)のみならずC方向(幅方向)の中央部近傍に設けることによって、半導体レーザ装置190の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aと略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90がワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドされるために、p側電極115のワイヤボンドを確実に行うことができる。なお、第6実施形態の効果は、上記第4実施形態と同様である。
(第7実施形態)
図21〜図23は、それぞれ、本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図21〜図23を参照して、この第7実施形態では、上記第4実施形態と異なり、レーザ素子の幅方向(共振器の延びる方向と直交する方向(C方向))にのみ反りを有する半導体レーザ素子95を、基台70に固定する場合について説明する。なお、図22は、図21に示した半導体レーザ装置200の共振器方向に沿った断面図であり、図23は、図21に示した半導体レーザ装置200の300−300線に沿った断面図である。
第7実施形態による半導体レーザ装置200を備えた半導体レーザでは、図22および図23に示すように、半導体レーザ素子95が、導電性接着層60を介して基台70に固定されている。
ここで、第7実施形態では、半導体レーザ素子95は、共振器の幅方向(C方向)に沿ってのみ反りを有する。すなわち、図23に示すように、半導体レーザ素子95は、半導体レーザ素子95の共振器端面(光出射面110a)に沿った方向(C1方向)の端部95a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H12が、半導体レーザ素子95のC2方向の端部95b近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H13よりも小さくなるように基台70に固定されている。そして、ワイヤボンド部115aは、C1方向における半導体レーザ素子95と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子95の端部95aの近傍に設けられている。なお、第7実施形態では、図22に示すように、半導体レーザ素子95は、共振器の延びる方向(B方向)には反りを有していない。したがって、B方向(図22参照)に沿った半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H11は、略同じである。これにより、半導体レーザ素子95は、反りを有するC方向の形状を考慮して基台70に固定されている。
また、第7実施形態では、図21に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、p側電極115の延びる方向(B方向)に沿って所定の距離だけ延びるように形成されている。したがって、半導体レーザの製造プロセスにおけるAuワイヤ90は、ワイヤボンド部115a上であればB方向のどの位置にワイヤボンドされてもよい。すなわち、Auワイヤ90は、ワイヤボンド部115aの光出射面110a近傍、光反射面110b近傍およびB方向の中央部近傍のいずれの位置にワイヤボンドされてもよい。なお、図21では、Auワイヤ90をB方向の中央部近傍にワイヤボンドした例を示している。
なお、第7実施形態による半導体レーザ装置200のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。
第7実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子95が、反りを有するC方向に対する基台70への固定状態を考慮して基台70に固定されるので、半導体レーザ素子95の基台70の上面70aに対する傾きが最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部115aに容易にAuワイヤ90のワイヤボンドを行うことができる。
また、第7実施形態では、ワイヤボンド部115aを、C1方向における半導体レーザ素子95と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子95の端部95aの近傍に設けることによって、半導体レーザ装置200の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aと略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90をワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドすることができるので、p側電極115へのワイヤボンドを確実に行うことができる。
また、第7実施形態では、ワイヤボンド部115aを、p側電極115の延びる方向(B方向)に沿って所定の距離だけ延びるように形成することによって、Auワイヤ90のB方向におけるワイヤボンドの位置の自由度を向上させることができる。また、ワイヤボンド部115aのB方向の表面積をより大きく確保することができるので、p側電極115を利用して半導体レーザ素子95の放熱性を向上させることができる。
(第8実施形態)
図24および図25は、それぞれ、本発明の第8実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図24および図25を参照して、この第8実施形態では、上記第7実施形態と異なり、光出射面110a側からみてC2方向側にワイヤボンド部115aが形成される場合について説明する。なお、図25は、図24に示した半導体レーザ装置210の300−300線に沿った断面図である。
第8実施形態による半導体レーザ装置210を備えた半導体レーザでは、図24および図25に示すように、半導体レーザ素子95が、導電性接着層60(図25参照)を介して、基台70に固定されている。
ここで、第8実施形態では、図25に示すように、半導体レーザ素子95は、半導体レーザ素子95の共振器端面(光出射面110a)に沿った方向(C2方向)の端部95b近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H14が、半導体レーザ素子95のC1方向の端部95a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H15よりも小さくなるように基台70に固定されている。そして、ワイヤボンド部115aは、C2方向における半導体レーザ素子95と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子95の端部95bの近傍に設けられている。
また、第8実施形態では、図24に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、p側電極115の延びる方向(B方向)に沿って所定の距離だけ延びるように形成されている。したがって、半導体レーザの製造プロセスにおけるAuワイヤ90は、ワイヤボンド部115a上であればB方向のどの位置にワイヤボンドされてもよい。すなわち、Auワイヤ90は、ワイヤボンド部115aの光出射面110a近傍、光反射面110b近傍およびB方向の中央部近傍のいずれの位置にワイヤボンドされてもよい。なお、図24では、Auワイヤ90をB方向の中央部近傍にワイヤボンドした例を示している。
なお、第8実施形態による半導体レーザ装置210のその他の構造および製造プロセスは、上記第7実施形態と同様である。
第8実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子95が、反りを有するC方向に対する基台70への固定状態を考慮して基台70に固定されるので、半導体レーザ素子95の基台70の上面70aに対する傾きが最も小さい領域に設けられたワイヤボンド部115aに容易にAuワイヤ90のワイヤボンドを行うことができる。
また、第8実施形態では、ワイヤボンド部115aを、C2方向における半導体レーザ素子95と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子95の端部95bの近傍に設けることによって、半導体レーザ装置210の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aと略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90をワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドすることができるので、p側電極115へのワイヤボンドを確実に行うことができる。なお、第8実施形態のその他の効果は、上記第7実施形態と同様である。
(第9実施形態)
図26は、本発明の第9実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図18、図22および図26を参照して、この第9実施形態では、上記第4実施形態と異なり、p側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、p側電極115の延びる方向(B方向)に沿って所定の距離だけ延びるように形成される場合について説明する。
第9実施形態による半導体レーザ装置220を備えた半導体レーザでは、図18および図26に示すように、半導体レーザ素子95が、導電性接着層60(図18参照)を介して、基台70に固定されている。
ここで、第9実施形態では、図26に示すように、半導体レーザ素子95のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、p側電極115の延びる方向(B方向)に沿って所定の距離だけ延びるように形成されている。したがって、半導体レーザの製造プロセスにおけるAuワイヤ90は、ワイヤボンド部115a上であればB方向のどの位置にワイヤボンドされてもよい。すなわち、Auワイヤ90は、ワイヤボンド部115aの光出射面110a近傍、光反射面110b近傍およびB方向の中央部近傍のいずれの位置にワイヤボンドされてもよい。
また、第9実施形態では、図18に示した半導体レーザ素子95のC方向の断面形状と同様に、共振器端面に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H9に相当する)は、共振器端面に沿った方向(C方向)の端部95a近傍における半導体レーザ素子95と基台70との間の距離(図18の距離H10に相当する)よりも小さい。したがって、第9実施形態では、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子95と基台70との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH9(図18参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、図26では、Auワイヤ90をB方向の光反射面110b近傍にワイヤボンドした例を示している。
なお、第9実施形態による半導体レーザ装置220のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。
第9実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子95のB方向(共振器方向)のみならずC方向(幅方向)の中央部近傍に設けることによって、半導体レーザ装置220の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aとB方向およびC方向に略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90がワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドされるために、p側電極115のワイヤボンドを確実に行うことができる。なお、第9実施形態の効果は、上記第7実施形態と同様である。
(第10実施形態)
図27および図28は、それぞれ、本発明の第10実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図3、図27および図28を参照して、この第10実施形態では、上記第1実施形態と異なり、共振器の延びる方向(B方向)およびレーザ素子の幅方向(C方向)に反りを有する1つの半導体レーザ素子が、素子の幅方向(C方向に)5つ繋げられてアレイ化された半導体レーザ素子105を、基台70に固定する場合について説明する。なお、図28は、図27に示した半導体レーザ装置230の300−300線に沿った断面図である。
第10実施形態による半導体レーザ装置230を備えた半導体レーザでは、図27および図28に示すように、リッジ部113aが形成された1つの半導体レーザ素子をC方向に5つ繋げることによりアレイ化された半導体レーザ素子105が、導電性接着層60(図28参照)を介して、基台70に固定されている。すなわち、半導体レーザ素子105には、5本のリッジ部113aがC方向に所定の間隔(約200μm)を隔てて形成されている。また、半導体レーザ素子105は、約1000μmの幅(W6)と、約900μmの長さ(L4)と、約100μmの厚み(t1)とを有する。また、基台70は、約1200μmの幅(W7)と、約1000μmの長さ(L5)と、約250μmの厚み(t3)とを有する。なお、半導体レーザ素子105の共振器の延びる方向(B方向)に沿った断面形状は、図3に示した半導体レーザ素子50の断面形状と同様の断面形状を有している。
ここで、第10実施形態では、図28に示すように、アレイ化された半導体レーザ素子105は、共振器の延びる方向(図27のB方向)に加えて、共振器の幅方向(C方向)に沿って反りを有する。したがって、半導体レーザ素子部110は、基板100とは反対側の表面が共振器の幅方向(C方向)にも凹状に形成されており、半導体レーザ素子105は、B方向およびC方向における反りの凸側(基板100側)が基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、図3に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して基台70に固定されるのが好ましい。
また、第10実施形態では、図28に示すように、共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H16は、半導体レーザ素子105の共振器端面に沿った方向(C方向)の端部105aおよび105b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H17よりも小さい。
また、第10実施形態では、図27に示すように、半導体レーザ素子105のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光出射面110a近傍の絶縁膜114の上面上に設けられている。また、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子105と基台70との間の距離のうち、B方向およびC方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH3(図3参照)かつH16(図28参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられるのが好ましい。
また、第10実施形態では、図27に示すように、半導体レーザ素子105には、半導体レーザ素子105の複数(5本)のp側電極115をC方向に繋ぐための複数の接続部115bが形成されている。これにより、複数(5本)のp側電極115は、接続部115bを介して導通されている。また、複数の接続部115bは、ワイヤボンド部115aが形成された共振器方向(B方向)の位置に対応するようにC方向に沿って形成されている。したがって、図27に示すように、半導体レーザ装置230のC方向の中央部近傍に位置する1箇所のワイヤボンド部115aにAuワイヤ90をワイヤボンドすることによって、全ての半導体レーザ素子に電流が供給されることが可能に構成されている。
なお、第10実施形態による半導体レーザ装置230のその他の構造および製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。
第10実施形態では、上記のように、アレイ化された半導体レーザ素子105についても、半導体レーザ素子105の反りの凸側と基台70との間の距離が、各共振器の延びる方向(B方向)および各共振器の幅方向(C方向)に沿って半導体レーザ素子105の反りに応じて変化するように基台70に固定することによって、半導体レーザ素子105の反りにばらつきがあったとしても、半導体レーザ素子105を、半導体レーザ素子105自体の反りを矯正することなく基台70に対して固定することができる。これにより、半導体レーザ素子105に反りの矯正に起因する過度な応力が発生するのを抑制することができる。これにより、レーザ特性の劣化および半導体レーザ素子105の破損が発生するのを抑制することができる。
また、第10実施形態では、半導体レーザ素子105に、p側電極115をC方向に繋ぐための複数の接続部115bを形成することによって、複数(5本)のp側電極115を接続部115bを介して容易に導通させることができる。
また、第10実施形態では、複数の接続部115bを、ワイヤボンド部115aが形成された共振器方向(B方向)の位置に対応する領域にC方向に延びるように形成することによって、ワイヤボンド部115aと複数の接続部115bとがC方向に略直線状に配置されるので、半導体レーザ素子105を上面から観察することにより、半導体レーザ素子105のレーザ光の出射方向(光出射面110aの位置)を容易に識別することができる。なお、第10実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第11実施形態)
図29は、本発明の第11実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図9、図28および図29を参照して、この第11実施形態における半導体レーザ装置240では、上記第10実施形態と異なり、アレイ化された半導体レーザ素子105が、共振器の光反射面110b近傍における基台70との間の距離が、光出射面110a近傍における距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
ここで、第11実施形態による半導体レーザ装置240では、図9に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子105は、共振器の光反射面110b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図9の距離H5に相当する)が、共振器の光出射面110a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図9の距離H6に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、図9に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して基台70に固定されるのが好ましい。
また、第11実施形態では、図28に示した半導体レーザ素子105のC方向の断面形状と同様に、共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図28の距離H16に相当する)は、共振器端面に沿った方向(C方向)の端部105aおよび105b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図28の距離H17に相当する)よりも小さい。
また、第11実施形態では、図29に示すように、半導体レーザ素子105のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、光反射面110b近傍の絶縁膜114の上面上に設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子105と基台70との間の距離のうち、B方向およびC方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH5(図9参照)かつH16(図28参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられるのが好ましい。
なお、第11実施形態による半導体レーザ装置240のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。また、第11実施形態の効果は、上記第10実施形態と同様である。
(第12実施形態)
図30は、本発明の第12実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図13、図28および図30を参照して、この第12実施形態における半導体レーザ装置250では、上記第10実施形態と異なり、アレイ化された半導体レーザ素子105が、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における基台70との間の距離よりも小さくなるように基台70に固定されている場合について説明する。
ここで、第12実施形態による半導体レーザ装置250では、図13に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子105は、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(図13の距離H7に相当する)が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図13の距離H8に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、図13に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して基台70に固定されるのが好ましい。
また、第12実施形態では、図28に示した半導体レーザ素子105のC方向の断面形状と同様に、共振器端面(光出射面110aまたは光反射面110b)に沿った方向(C方向)の中央部近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図28の距離H16に相当する)は、共振器端面に沿った方向(C方向)の端部105aおよび105b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図28の距離H17に相当する)よりも小さい。
また、第12実施形態では、図30に示すように、半導体レーザ素子105のp側電極115に設けられたワイヤボンド部115aは、共振器の中央部近傍に対応するように設けられている。すなわち、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子105と基台70との間の距離のうち、B方向およびC方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH7(図13参照)かつH16(図28参照)である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、ワイヤボンド部115aは、反りの大きいB方向のうちの導電性接着層60の厚みが最も小さい部分に対応するp側電極115の部分の近傍に設けられるのが好ましい。
なお、第12実施形態による半導体レーザ装置250のその他の構造および製造プロセスは、上記第4実施形態と同様である。また、第12実施形態の効果は、上記第10実施形態と同様である。
(第13実施形態)
図31および図32は、それぞれ、本発明の第13実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図13、図31および図32を参照して、この第13実施形態では、上記第12実施形態と異なり、共振器の幅方向(C方向)に反りを有するアレイ化された半導体レーザ素子105の光出射面110a側からみてC1方向側の端部105aの近傍に、ワイヤボンド部115aが形成される場合について説明する。なお、図32は、図31に示した半導体レーザ装置260の300−300線に沿った断面図である。
ここで、第13実施形態による半導体レーザ装置260では、図13に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子105は、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(図13の距離H7に相当する)が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図13の距離H8に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。なお、半導体レーザ素子105は、C方向の反りよりもB方向の反りが大きいので、図13に示した形状のように、反りの大きいB方向の形状を優先して基台70に固定されるのが好ましい。
また、第13実施形態では、図32に示すように、半導体レーザ素子105は、半導体レーザ素子105の共振器端面(光出射面110a)に沿った方向(C1方向)の端部105a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H18が、半導体レーザ素子105のC2方向の端部105b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H19よりも小さくなるように基台70に固定されている。したがって、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子105と基台70との間の距離のうち、C方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH18である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。また、ワイヤボンド部115aは、C1方向における半導体レーザ素子105と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子105の端部105aの近傍に設けられている。
なお、第13実施形態による半導体レーザ装置260のその他の構造および製造プロセスは、上記第12実施形態と同様である。
第13実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、C1方向における半導体レーザ素子105と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子105の端部105aの近傍に設けることによって、半導体レーザ装置260の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aと略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90をワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドすることができるので、p側電極115へのワイヤボンドを確実に行うことができる。なお、第13実施形態のその他の効果は、上記第10実施形態と同様である。
(第14実施形態)
図33および図34は、それぞれ、本発明の第14実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図および断面図である。図13、図33および図34を参照して、この第14実施形態では、上記第13実施形態と異なり、共振器の幅方向(C方向)に反りを有するアレイ化された半導体レーザ素子105の光出射面110a側からみてC2方向側の端部105bの近傍に、ワイヤボンド部115aが形成される場合について説明する。なお、図34は、図33に示した半導体レーザ装置270の300−300線に沿った断面図である。
ここで、第14実施形態による半導体レーザ装置270では、図13に示した半導体レーザ素子50のB方向の断面形状と同様に、半導体レーザ素子105は、共振器の中央部近傍における基台70との間の距離(図13の距離H7に相当する)が、共振器の光反射面110b近傍および光出射面110a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(図13の距離H8に相当する)よりも小さくなるように形成された導電性接着層60を介して基台70に固定されている。
また、第14実施形態では、図34に示すように、半導体レーザ素子105は、半導体レーザ素子105の共振器端面(光出射面110a)に沿った方向(C2方向)の端部105b近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H20が、半導体レーザ素子105のC1方向の端部105a近傍における半導体レーザ素子105と基台70との間の距離(導電性接着層60の厚み)H21よりも小さくなるように基台70に固定されている。したがって、ワイヤボンド部115aは、半導体レーザ素子105と基台70との間の距離のうち、C方向に実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(導電性接着層60の厚みが実質的にH20である領域)に対応するp側電極115の部分に設けられている。また、ワイヤボンド部115aは、C2方向における半導体レーザ素子105と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子105の端部105bの近傍に設けられている。
なお、第14実施形態による半導体レーザ装置270のその他の構造および製造プロセスは、上記第13実施形態と同様である。
第14実施形態では、上記のように、ワイヤボンド部115aを、C2方向における半導体レーザ素子105と基台70とが略平行に配置された領域に対応する半導体レーザ素子105の端部105bの近傍に設けることによって、半導体レーザ装置250の製造プロセスにおいて、基台70の上面70aと略平行なワイヤボンド部115aの直上から、Auワイヤ90をワイヤボンド部115aに対してワイヤボンドすることができるので、p側電極115へのワイヤボンドを確実に行うことができる。なお、第14実施形態のその他の効果は、上記第10実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、半導体レーザ素子部を、窒化物系半導体層により構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子部を、窒化物系半導体層以外の半導体層により構成してもよい。
また、上記実施形態では、半導体レーザ素子を基台に固定する融着層を、半田からなる導電性接着層とした例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子を基台に固定する融着層を、半田以外の材料からなる導電性接着層を使用してもよい。
また、上記第1実施形態では、半導体レーザ素子の光出射面側を、基台の上面と略平行に配置した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子の光出射面側を、基台の上面と略平行に配置しなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、半導体レーザ素子の光反射面側を、基台の上面と略平行に配置した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子の光反射面側を、基台の上面と略平行に配置しなくてもよい。
また、上記第3実施形態では、半導体レーザ素子の共振器の中央部近傍を、基台の上面と略平行に配置した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子の共振器の中央部近傍を、基台の上面と略平行に配置しなくてもよい。
また、上記実施形態では、半導体レーザ素子を基台に固定する際に、コレットを用いて半導体レーザ素子を基台に押圧した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子を基台に固定する際に、コレット以外の部材を用いて半導体レーザ素子を基台に押圧してもよい。
また、上記実施形態では、製造プロセスにおいて、導電性接着層の厚みを、共振器の長さ方向に3通り(3段階)および2通り(2段階)に変化させるようにして基台の上面に配置した例について示したが、本発明はこれに限らず、導電性接着層の厚みを、共振器の長さ方向に3通り(3段階)および2通り(2段階)以外に変化させるようにして基台の上面に配置してもよい。
また、上記実施形態では、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子の幅方向(C方向)の中央部近傍に対応するp側電極115の部分の近傍に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子の幅方向(C方向)に反りを有する半導体レーザ素子が、半導体レーザ素子のC方向の端部と基台との距離が実質的に最も小さい距離を有するように基台に固定される場合には、ワイヤボンド部を、半導体レーザ素子のC方向の端部近傍に対応するp側電極の部分の近傍に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子と基台70との距離が実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する位置に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、ワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子と基台70との距離が実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応するp側電極115の位置の近傍(所定の範囲内の位置)に設けるようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、半導体レーザ素子のp側電極115のワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子と基台70との距離が実質的に最も小さい距離となる領域近傍に対応する位置であり、かつ、p側電極115から半導体レーザ素子の幅方向(C方向)に突出するようにp側電極115に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、図35に示した第1変形例のように、半導体レーザ装置280のワイヤボンド部115cを、半導体レーザ素子50のp側電極115の延びる方向(B方向)の全ての領域にわたって延びるように形成してもよい。なお、ワイヤボンド部115cを含めたp側電極115は、C方向に約110μmの幅W8を有する。この場合、半導体レーザの製造プロセスにおけるワイヤボンドの際、共振器方向(B方向)に反りを有する半導体レーザ素子50と基台70との距離が実質的に最も小さい距離を有する領域近傍に対応する位置のワイヤボンド部115cの部分にAuワイヤ90のワイヤボンドを行えばよい。なお、図35では、Auワイヤ90をB方向の中央部近傍のワイヤボンド部115cの部分にワイヤボンドした例を示している。この第1変形例のように構成すれば、上記実施形態の効果に加えて、ワイヤボンド部115cを含むp側電極115の表面積を増加させることができるので、p側電極115を利用して半導体レーザ素子の放熱性を向上させることができる。
また、上記第1〜第3実施形態では、半導体レーザ素子のp側電極115のワイヤボンド部115aを、実際にAuワイヤ90をワイヤボンドする位置にのみp側電極115からC方向に突出するようにp側電極115に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、図36に示した第2変形例のように、半導体レーザ装置290のワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50のp側電極115の延びる方向(B方向)に所定の間隔を隔てて複数(3箇所)形成してもよい。なお、半導体レーザ素子の共振器方向の反りが図3に示した断面形状である場合、Auワイヤ90を図36に示す位置Pにおけるワイヤボンド部115aの部分にワイヤボンドを行えばよい。また、半導体レーザ素子の共振器方向の反りが図9に示した断面形状である場合、Auワイヤ90を図36に示す位置Qにおけるワイヤボンド部115aの部分にワイヤボンドを行えばよい。また、半導体レーザ素子の共振器方向の反りが図13に示した断面形状である場合、Auワイヤ90を図36に示す位置Rにおけるワイヤボンド部115aの部分にワイヤボンドを行えばよい。第2変形例のように構成すれば、半導体レーザ装置290の設計条件に応じて、半導体レーザ素子50の反りの凸側と基台70との間の最も小さい距離を有する領域近傍のワイヤボンド部115aにワイヤボンドを容易に行うことができる。
また、上記第4〜第6実施形態では、B方向およびC方向に反りを有する半導体レーザ素子のp側電極115のワイヤボンド部115aを、p側電極115からC方向(C1方向またはC2方向)に幅W3だけ突出するようにp側電極115に設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、図37に示した第3変形例のように、半導体レーザ装置295のワイヤボンド部115aを、半導体レーザ素子50のC1方向およびC2方向にそれぞれ幅W9およびW10だけ突出させて、半導体レーザ素子95のC方向の端部95aおよび95bの近傍に対応する位置まで延びるように形成してもよい。ここで、半導体レーザ素子の共振器方向(B方向)の反りが図9に示した断面形状である場合、Auワイヤ90を図37に示す位置S1におけるワイヤボンド部115aの部分にワイヤボンドを行うのが最も好ましい。なお、Auワイヤ90を図37に示す位置S2または位置S3におけるワイヤボンド部115aの部分にワイヤボンドを行ってもよい。また、半導体レーザ素子の共振器方向(B方向)の反りがそれぞれ図3および図13に示した断面形状である場合、半導体レーザ装置295のワイヤボンド部115a(図37参照)を、半導体レーザ素子の共振器方向(B方向)における半導体レーザ素子と基台との間の距離のうち、実質的に最も小さい距離を有する領域近傍(光出射面110aまたは光反射面110b近傍)に対応するp側電極115の部分からC方向に突出させるように形成するのが好ましい。第3変形例のように構成すれば、半導体レーザ装置295の設計条件に応じて、Auワイヤ90のC方向におけるワイヤボンドの位置の自由度を向上させることができる。
また、上記第9実施形態では、ワイヤボンド部115aを、光出射面110aからみてp側電極115からC2方向側に突出するように形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、ワイヤボンド部115aを、光出射面110aからみてp側電極115からC1方向側に突出するように形成してもよい。この場合、半導体レーザ素子95のリッジ部113a(p側電極115)は、中心線500のC2方向側に形成される。
また、上記実施形態では、図2に示すように、1本のAuワイヤ90を用いて半導体レーザ素子50のp側電極115(ワイヤボンド部115a)とステム80側のリード端子83とを接続した例について示したが、本発明はこれに限らず、複数本(たとえば3本など)のAuワイヤを用いてp側電極115とリード端子83とを接続してもよい。この第2変形例のように構成すれば、p側電極115に接続されるAuワイヤの本数が増加するので、上記実施形態および上記実施形態の第1変形例の効果に加えて、半導体レーザ素子の発熱を、複数のAuワイヤおよびリード端子を介して半導体レーザ装置の外部に効果的に放熱させることができる。
1、40、130、150、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、295 半導体レーザ装置
10、50、95、105 半導体レーザ素子
10a、110a 光出射面(光出射端)
10b、110b 光反射面(光反射端)
20、60、140、160 導電性接着層(融着層)
30、70 基台
95a、95b、105a、105b 端部
100 基板
110 半導体レーザ素子部
111 n型AlGaNクラッド層(窒化物系半導体層)
112 活性層(窒化物系半導体層)
113 p型AlGaNクラッド層(窒化物系半導体層)
113a リッジ部
115 p側電極(電極層)
115a、115c ワイヤボンド部