JP4346327B2 - 順次走査変換装置及び順次走査変換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば2:1のインターレース方式の映像信号を順次走査方式の映像信号に変換するための順次走査変換装置及び順次走査変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターレース方式の映像信号を順次走査方式の映像信号に変換する場合、動画部分での画質劣化を防ぐために、映像信号の動きベクトルを検出してそれに基づき、補間信号を生成するという技術が広く実施されており、例えば特許文献1あるいは特許文献2に示されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に示された技術は、映像信号の現在のフィールドに対して前のフレーム間と後ろのフレーム間でそれぞれ動きベクトルを検出し、前フィールド及び後フィールドの映像信号を、それぞれ検出したベクトルの1/2だけ移動させる。そして、移動させた映像信号を現フィールドの映像と相関を取ることで、前フレーム間の動きベクトルと後ろフレーム間の動きベクトルのうち、どちらの動きベクトルが有効かを判定し、有効なベクトルに基づいて移動した映像信号を補間信号として利用するにようにしたものである。
【0004】
また特許文献2には、インターレース映像信号から、ブロックマッチング法によって映像の動きベクトルを検出する際に、フレーム間差分とフィールド間差分の両者からマッチング誤差の評価関数を合成し、最小の評価関数を与える動きをそのブロックの動きベクトルとして検出するようにした技術が示されている。
【0005】
特許文献1に示された技術では、動きベクトルを前フレームと後フレームで検出しているため、連続するフィールド間すなわち、フレーム間で映像の動きが等速度でない場合、移動回路で移動する映像を本来の位置とは異なった位置に移動してしまうという問題がある。
【0006】
また特許文献2に示された技術では、フィールド間の動きベクトル検出結果と、フレーム間の動きベクトル検出結果を比較して最も小さい値が得られる動きベクトル検出結果を選択するようにしている。この結果、補間のミスを減少させることができるが、フレーム間の動きベクトルに基づき補間信号を生成する場合があり、その際に映像の動きが等速でないと同様に補間ミスが発生する。
【0007】
特許文献1,2における問題点をさらに詳細に説明する。従来、例えば特殊効果で、スロー・モーション映像を発生させる場合、映像信号を例えばフィールド単位で所定期間づつ連続して出力するように構成する場合がある。また、DVD(Digital Versatile Disk)の映画素材では24フレーム/秒の映画の映像をテレビジョン標準方式の60フィールド/秒の映像に変換する際に、いわゆる2−3プルダウンと呼ばれる手法が用いられることがある。図12は2−3プルダウン手法によって60フィールド/秒の映像信号に変換する過程を説明する図である。
【0008】
すなわち、図12(a)は24フレーム/秒の映画のフレーム映像であり、A〜Dとして示されている。図12(b)は、図12(a)の映像を60フィールド/秒に変換したものであり、映画のフレーム映像Aから2つのフィールドa,a’(ダッシュを付したフィールドは偶数フィールド、以下同じ)を生成し、次いでフレーム映像Bから3つのフィールドb,b’,bを生成し、フレーム映像Cから2つのフィールドc’,cを生成し、フレーム映像Dから3つのフィールドd’,d,d’を生成している。
【0009】
図12(b)に示すフィールドの内、aとa’は、同じフレーム映像Aから生成されたものであり、2つの映像間には動きはない。同様にb,b’間、c,c’間及びd,d’間にはそれぞれ動きがない。このように、2−3プルダウンで変換された映像は、フィールド間で動きのない映像が周期的に発生することになる。しかしながら、aとb間では、フレーム映像Aとフレーム映像B間で動きがあれば、当然動きがある。
【0010】
図12(b)に示す連続した2つのフィールドa’,bにおいて、フレーム間で検出した動きベクトルとフィールド間で検出した動きベクトルでは、その向きが異なることになる。
その状況を図13に模式的に示す。図13では、横軸に時間をとり、縦軸に画面水平(x)方向の動きを示す。フィールドaとフィールドa’は同じフレームAから生成され、フィールドbはフレームBから生成される。フィールドaからフィールドbでは四角で示した物体の動きベクトルはVAで示されるが、フィールドa’からフィールドbでは動きベクトルはVBで示される。したがって、フィールドa’に走査線を補間する場合、フィールドaとフィールドbとの間で検出した動きベクトルVA、すなわちフレーム間の動きベクトルにしたがって補間すると図13の白抜き四角で示す位置に補間されてしまうことになる。
【0011】
このように、物体の動きが等速でない場合、フレーム間で検出した動きベクトルで補間すると補間位置を誤ることになる。
上記特許文献1では、もっぱらフレーム間で検出した動きベクトルに基づいて補間信号を生成するために、誤った補間信号を生成してしまうという問題を有している。
また、特許文献2では、図14に示すように、補間画素を発生する補間フィールドnに対して、補間フィールドnと前フィールド(n−1)の間と、補間フィールドnと前々フィールド(n−2)との間でそれぞれ動きベクトルを検出する。垂直方向のベクトル成分が偶数ライン/フィールドの動きの場合には、前フィールドでは走査線内挿によって三角で示す位置に相当する走査線を発生する。補間画素はフィールドnのWである。
フレーム間の動きベクトル検出では、Vy=2ライン/フィールドに対応するフレーム間差分(e−v),(f−w)の差分がゼロであるので、ベクトルとしてVy=2ライン/フィールドが選択される。一方、Vy=0ライン/フィールドに相当するフレーム間差分(c−v),(d−w)は大きな値を持つ。
【0012】
フィールド間の動きベクトル検出では、Vy=2ライン/フィールドに対応するフィールド間差分は(Q−v)と(R−w)であり、Vy=0ライン/フィールドに対応するフィールド間差分は(P−v)と(Q−w)である。Vy=2ライン/フィールドに対応するフィールド間差分(R−w)は、Vy=0のフレーム間差分(d−w)に等しく、Vy=2ライン/フィールドに対応するフィールド間差分(Q−v)は、Vy=0のフィールド間差分(Q−w)と略等しい値であるが、Vy=0に対応するフレーム間差分(c−v)は大きな値を持つので、フィールド間差分とフレーム間差分の加算値で選択すれば、Vy=2が選択されることになる。
【0013】
したがって、補間画素Wには、フィールドn−1の画素qが補間されることになり、本来黒点であるべきところに白点が補間されてしまうので画質が大きく劣化する。
以上のように、従来の順次走査変換装置においては、フレーム間の動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、あるいはフィールド間の動きベクトルを用いる場合でも、フレーム間動きベクトルに基づいて補間信号を生成することがあるため、映像の動きがフイールド間で異なって等速度でない場合には、補間位置を誤り画質の劣化を招くことがある。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−334186号公報(第3頁〜第4頁[0014]〜[0026]、図1)
【特許文献2】
特開平8−251547号公報(第3頁〜第5頁[0015]〜[0041]、図1,1,3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の順次走査変換装置においては、動きが等速でない場合に、補間誤差が発生して画像が劣化するという問題を有していた。
本発明は、以上の点に対処してなされたものであり、フィールド間及びフレーム間の動き検出結果から動きが等速度であるか否かを判別して、補間用の信号を生成するように構成したことにより、適切な補間信号を生成することを可能とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基本的に入力端に供給されるインターレース方式の映像信号のフィールド間の動きベクトルを検出して補間信号生成のための第1の候補ベクトル群を得ると共に、前記映像信号のフレーム間の動きベクトルを検出して補間信号生成のための第2の候補ベクトル群を得る動きベクトル検出手段と、前記動きベクトル検出手段で検出された動きベクトルに基づいて前記映像信号がその連続するフィールドで動きが等速であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって連続するフィールドの映像信号の動きが等速であると判定された際に前記第1の候補ベクトル群と前記第2の候補ベクトル群のうち、一致する動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、等速でないと判定された際には前記第1の候補ベクトル群のいずれかから選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成する補間信号生成手段と、前記補間信号生成手段で生成された補間信号を前記入力端に供給される映像信号に対して補間する補間手段と、を具備したことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の順次走査変換装置10の機能的回路ブロック図である。
入力端子11には、2:1のインターレース方式の映像信号が供給される。入力端子11は第1のフィールド遅延回路12に接続され、さらに第1のフィールド遅延回路12は、第2のフィールド遅延回路13に接続されている。第1のフィールド遅延回路12の入力端と第2のフィールド遅延回路13の入力端及び出力端は、補間信号生成回路14に接続されている。その結果、補間信号生成回路14には、入力端子11に供給されている映像信号(以下、現映像信号とも称す)と、その映像信号に対して1フィールド遅延された映像信号と、2フィールド(1フレーム)遅延された映像信号が供給される。
【0028】
補間信号生成回路14は、現映像信号と1フィールド遅延映像信号から、第1のフィールド間動きベクトルを検出し、1フィールド遅延映像信号と2フィールド遅延映像信号から第2のフィールド間動きベクトルを検出し、さらに現映像信号と2フィールド遅延映像信号とからフレーム間動きベクトルを検出する。そしてそれら検出した動きベクトルの中から補間信号を生成するに適正な動きベクトルを特定して抽出し、抽出した動きベクトルに基づいて補間信号が生成される。
【0029】
第1のフィールド遅延回路12の出力は、出力端子15を介して第1の時間圧縮回路16に供給され、この第1の時間圧縮回路16で各水平走査線が1/2の時間に圧縮されて切換え回路17に供給される。
また、補間信号生成回路14の出力は、出力端子18を介して第2の時間圧縮回路19に供給され、この第2の時間圧縮回路19で同様に各水平走査線が1/2の時間に圧縮されて切換え回路17に供給される。
切換え回路17は、入力端子11に供給される映像信号の水平周期の1/2の周期で第1及び第2の時間圧縮回路16,19の出力を交互に選択することで、第1のフィールド遅延回路12から出力される映像信号の水平走査線の間に、補間信号生成回路14の出力の水平走査線が挿入されて順次走査に変換された映像信号が出力端子20から出力される。
【0030】
図2に補間信号生成回路14の具体的回路ブロックを示す。図2において、点線で囲んだ部分が補間信号生成回路14であり、点線外の回路は、図1と同じであり、同じ符号を付す。
図2において、第1のフィールド遅延回路12の出力が補間フィールド映像信号Cであり、この信号に対して補間が実行される。第2のフィールド遅延回路13の出力が補間フィールドに対して1フィールド前の前フィールド映像信号Fであり、入力端子11に供給された映像信号は、補間フィールドに対して1フィールド後に存在する後フィールド映像信号Bである。
【0031】
補間信号生成回路14は、補間フィールド映像信号Cが供給される走査線内挿回路21を備える。走査線内挿回路21は、例えば、いわゆるフィールド内補間回路で構成することができる。すなわち、入力映像信号を1H(水平走査期間)遅延させ、遅延させない入力映像信号と加算し、加算出力に1/2の係数を掛けて出力したものである。したがって、走査線内挿回路21の出力は、画面上の走査線の位置が前後のフィールドと同じ位置となる映像信号であり、補間フィールドに対しては補間走査線となるタイミングの映像信号を有する。
【0032】
さらに補間信号生成回路14は、後フィールド映像信号Bと走査線内挿回路21の出力が供給される第1の動きベクトル検出回路22と、走査線内挿回路21の出力と前フィールド映像信号Fが供給される第2の動きベクトル検出回路23と、後フィールド映像信号Bと前フィールド映像信号Fが供給される第3の動きベクトル検出回路24を備える。
【0033】
第1の動きベクトル検出回路22は、走査線内挿回路21から出力される映像信号の各画素と後フィールド映像信号Bの各画素とを例えば2走査線単位で比較して差分を求め、最も差分が小さくなる1個もしくは複数の動きベクトルを特定して、それを補間信号生成のための候補ベクトル群として出力する。第2の動きベクトル検出回路23は、走査線内挿回路21の出力と前フィールド映像信号Fとの差分を同様に求め、最も差分が小さくなる1個もしくは複数の動きベクトルを特定して、それを補間信号生成のための候補ベクトル群として出力する。さらに第3の動きベクトル検出回路24は、補間フィールドを中心にその前後のフィールドを構成する前フィールド映像信号Fと後フィールド映像信号Bとの差分を同様に求め、最も差分が小さくなる1個もしくは複数の動きベクトルを特定して、補間信号生成のための候補ベクトル群として出力する。
【0034】
すなわち、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23はそれぞれ連続するフィールド間の動きベクトルから候補ベクトル群を特定して出力し、第3の動きベクトル検出回路24は、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23で動きベクトルが検出される連続するフィールドで構成されるフレーム間の動きベクトルから候補ベクトル群を特定して出力する。
【0035】
第1〜3の動きベクトル検出回路22,23,24から出力される候補ベクトル群は、判定回路25に供給され、この判定回路25で第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトル群と、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトル群とを比較して一致する動きベクトルが存在するか否か判定し、判定結果を出力する。
【0036】
判定回路25の判定結果は、切換え回路26に供給され、切換え回路26は、判定回路25の判定結果に基づいて、各動きベクトル検出回路22,23,24から供給される候補ベクトルを選択して移動回路27に供給する。移動回路27は、切換え回路26から供給される候補ベクトルによって、前フィールド映像信号Fの位置を移動して補間信号として出力18から出力する。
【0037】
切換え回路26は、判定回路25の制御の下、判定回路25で一致する候補ベクトルが存在することが判定されたら、その一致した候補ベクトルを移動回路27に供給し、一致する候補ベクトルが存在しない場合には、第2の動きベクトル検出回路23から供給される候補ベクトル群のベクトルを移動回路27に供給するように動作する。
【0038】
図2に示す補間信号生成回路14の動作を図3及び図4を参照してさらに詳細に説明する。
図3において、横方向に時間軸tが設定され、縦軸は画面垂直方向の距離yを示す。すなわち、図3では、前フィールドと補間フィールドと後フィールドの各映像信号をそれぞれ一部抽出して模式的に示すもので、横方向はフィールド間隔、縦方向は各水平走査線をそれを代表する画素として示している。また、補間フィールドは、補間フィールド映像信号Cに対して走査線内挿回路21の出力が加わった状態で示されている。
【0039】
図3は、前フィールドとして水平走査線a〜gが示され、それら水平走査線のうちeとfの画素が黒丸で示され、他は白丸で示されている。また、補間フィールドでは、三角で示す走査線のM,N,P〜Tが走査線内挿回路21で内挿された走査線の画素を示し、走査線m,n,p〜sが補間フィールド映像信号Cそのものである。なお、内挿された走査線のうち、斜線が付された三角で示す走査線の画素p,rは、白丸と黒丸の走査線から生成された画素であり、灰色の概念を有する。
【0040】
仮に、サーチのブロックサイズを2走査線とし、補間画素をPとQとして、各動きベクトル検出回路22,23,24におけるベクトル群を特定する処理の状況を説明する。
第1の動きベクトル検出回路22では、画素PとQを後フィールドの各走査線(画素)t〜zと比較し、差分が最も小さくなるベクトルを特定する。ベクトルはその垂直方向成分をVyで表し、単位は(フレーム内走査線数/フィールド)である。すなわち、図3の例では、Vy=0に相当する(P−v)、(Q−w)とVy=2に相当する(P−u)、(Q−v)が最もフィールド間差分が小さくなり、Vy=0とVy=2を候補ベクトル群として出力する。
【0041】
第2の動きベクトル検出回路23では、同様に画素PとQを前フィールドの各走査線(画素)a〜gと比較し、差分が最も小さくなるベクトルを特定する。すなわち、Vy=2に相当する(d−P)、(e−Q)とVy=4に相当する(e−P),(f−Q)が最もフィールド間差分が小さくなり、Vy=2とVy=4を候補ベクトル群として出力する。
【0042】
さらに第3の動きベクトル検出回路24では、補間フィールドの補間画素P,Qを中心にして、前後のフィールドを対称にサーチしてベクトルを検出する。すなわち、画素P,Qを中心にして対称となる前後フィールドの走査線(画素)(c−v)(d−w)(b−w)(c−x)(d−u)(e−v)…を比較して最も差分の小さくなるベクトルを特定する。図3の例では、Vy=2に相当する(d−u)と(e−v)が最も差分が小さくなり、Vy=2を候補ベクトルとして出力する。
【0043】
判定回路25では、各動きベクトル検出回路22,23,24からの候補ベクトル群を比較し、一致するベクトルが存在するか否かの判定を行なう。図3の場合では、Vy=2が一致するベクトルであり、判定回路25は、それを選択するように切換え回路26を制御する。切換え回路26からはベクトルVy=2が導出されて、移動回路27に供給される。
【0044】
移動回路27では、前フィールド映像信号の対応する画素に対してVy=2に示すベクトル量の移動処理を実行して補間信号を生成する。図3の例では、画素Pに画素dが補間され、画素Qとして画素eが補間されることになる。すなわち、画素Qは黒で補間されるため画質の劣化は発生しない。また、画素Pは白で補間されるが白の画素nと黒の画素pの間であるため、画質を劣化させるものではない。
【0045】
ここで、各動きベクトル検出回路で、Vy=2という同じ動きベクトルが候補ベクトルとして検出されたということは、前フィールド映像信号F対補間フィールド映像信号C及び補間フィールド映像信号C対後フィールド映像信号Bの動きがそれぞれ等しく、いわゆる等速であることを示している。
【0046】
次に図4に示す例に基づいて補間信号生成過程を説明する。この場合も、補間画素を走査線内挿回路21の出力の画素P,Qとし、サーチを2走査線ブロックで行なうものとする。
図4に示す例では、前フィールド映像信号Fと後フィールド映像信号Bは図3に示すものと同じであるが、補間フィールドCの映像信号が異なっており、走査線n,pに黒丸が存在し、補間画素Pは黒であり、補間画素Qは灰色である。すなわち、前フィールド対補間フィールド間の映像信号の動きと、補間フィールド対後フィールド間の映像信号の動きが異なり、等速ではない状態にあることを示している。
【0047】
補間フィールドと後フィールド間では、Vy=0に対応する(P−v),(Q−w)とVy=−2に相当する(P−w),(Q−x)が最もフィールド間差分が小さくなり、第1の動きベクトル検出回路22は、Vy=0とVy=−2を候補ベクトルとして出力する。
【0048】
前フィールドと補間フィールド間では、Vy=4に相当する(e−P),(f−Q)とVy=6に相当する(f−P),(g−Q)が最もフィールド間差分が小さくなり、第2の動きベクトル検出回路23は、Vy=4とVy=6を候補ベクトルとして出力する。
【0049】
さらに、前フィールドと後フィールド間では、Vy=2に相当する(d−u),(e−v)が最もフレーム間差分が小さくなり、第3の動きベクトル検出回路24は、Vy=2を候補ベクトルとして出力する。
判定回路25は、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルVy=2と同じベクトルが、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23から出力されていないので、第2の動きベクトル検出回路23から出力されたベクトルVy=4、Vy=6のうちいずれかのベクトルを選択するように切換え回路26を制御し、ベクトルVy=4あるいはVy=6が移動回路27に導出される。ベクトルVy=4,Vy=6のうちいずれを選択するかは、他の画素との関連に基づいて行なわれる。
【0050】
移動回路27は、切換え回路26から供給されるベクトルに基づいて、前フィールド映像信号Fの位置を変えて補間信号を生成する。Vy=4の場合には、画素Pに前フィールドの画素eが補間され、画素Qに画素fが補間される。また、Vy=6の場合には、画素Pに前フィールドの画素fが補間され、画素Qに画素gが補間される。画素Pに関しては、いずれも黒が補間されるため、画質が劣化することはない。また、画素Qに関しては、画素f(黒)か画素g(白)が補間されるが、画素p(黒)と画素q(白)の間であり、どちらが補間されても著しく画質を劣化させるものではない。
【0051】
図5に本発明の補間信号生成回路14の他の実施の形態を示す。図5において、図2と同一ブロックに同一符号を付して詳細な説明は省略する。図5の補間信号生成回路14では、後フィールド映像信号Bの画素を移動させる移動回路51と、移動回路27の出力か移動回路51の出力かを選択して出力端子18に出力する切換え回路52を備え、さらにその回路の追加に合せて図2の判定回路25に対して機能を追加した判定回路53と、図2の切換え回路26に対して機能を追加した切換え回路54を設けた点が、図2の回路と異なる。
【0052】
判定回路54は、第3の動きベクトル検出回路24で検出された候補ベクトルと、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23で検出された候補ベクトルを比較し、一致するベクトルが存在する場合には、図2の実施の形態同様に、そのベクトルに基づいて、前フィールド映像信号Fの画素を移動させて補間信号を生成し、それが出力端子18から出力されるように切換え回路52を制御する。あるいは、一致するベクトルに基づいて、移動回路51で後フィールド映像信号Bの画素を移動させて補間信号を生成し、それが出力端子18から出力されるように切換え回路52を制御する。
【0053】
図6に判定回路53の具体的回路構成を示す。すなわち、判定回路53は、各動きベクトル検出回路22,23,24の候補ベクトルが供給される一致判定回路61と、同じく各動きベクトル検出回路22,23,24の候補ベクトルが供給される動きベクトル絶対値検出回路62と、一致判定回路61と動きベクトル絶対値検出回路62の出力を受ける論理回路63とで構成される。
【0054】
一致判定回路61は、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23から供給される候補ベクトル群と第3の動きベクトル検出回路24から供給される候補ベクトル群とを比較して、一致するベクトルが存在するか否かを判定する。
また、動きベクトル絶対値検出回路62は、各動きベクトル検出回路22,23,24から供給される各候補ベクトルの絶対値を求めると共に、求めた絶対値から、補間すべき画素位置と候補ベクトルによって移動される画素位置との間の空間距離を測定して出力する。論理回路63は、一致判定回路61の判定結果と動きベクトル絶対値検出回路62の検出結果を論理演算し、各動きベクトル検出回路22,23,24から出力される候補ベクトルの中から一つのベクトルが選択されるように切換え回路52,54を制御する信号を出力する。
【0055】
第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルとの間に一致するベクトルが存在する場合、判定回路53は、移動回路27で、一致するベクトルに基づいて映像信号の画素位置が移動された前フィールドの映像信号を補間信号として出力端子18から出力するように、切換え回路52,54を制御する。
【0056】
また、判定回路53は、その際、一致するベクトルが複数存在する場合には、動きベクトル絶対値検出回路62によって測定された絶対値の最も小さいベクトル、すなわち測定された補間画素位置から最も空間距離が短い補間信号を生成するベクトルが選択されるように切換え回路52,54を制御する信号を出力する。
【0057】
すなわち、第1の動きベクトル検出回路22で検出された動きベクトルの絶対値が最も小さい場合には、そのベクトルが移動回路51に供給されてそれに基づき、後フィールド映像信号Bの位置が移動された信号が補間信号として出力されるように切換え回路52が切換えられる。
【0058】
また、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルとの間に一致するベクトルが存在しない場合、判定回路53は、第1及び第2の動き検出回路22,23から供給される複数の動きベクトルの中で、動きベクトル絶対値検出回路62によって絶対値が最も小さいベクトル、すなわち測定された補間画素位置から最も空間距離が短い補間信号を生成するベクトルが選択されるように切換え回路52,54を制御する信号を出力する。
【0059】
図4の例で説明すると、第1の動きベクトル検出回路22からは、候補ベクトルとしてVy=0とVy=−2が出力され、第2の動きベクトル検出回路23からは、候補ベクトルとしてVy=4とVy=6が出力されるため、判定回路53は、候補ベクトルVy=0が供給される移動回路51の出力を選択するように切換え回路52を制御する。その結果、Vy=0に基づいて画素が移動された後フィールド映像信号が補間信号として出力端子18から出力される。
【0060】
すなわち、図5に示す実施の形態では、空間的に近い方のフィールドの映像を位置移動して補間信号を生成するように動作するものである。
図7は、本発明に係る補間信号生成回路14のさらに他の実施の形態を示すものである。図7においては、図2に示す第1の動きベクトル検出回路22を削除し、それに合せた判定回路71と切換え回路72を備えている。
判定回路71は、第2の動きベクトル検出回路23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルの比較を行い、一致するものがあれば、そのベクトルを選択するように切換え回路72を制御する。また、一致するベクトルが存在しない場合には、第2の動きベクトル検出回路23で検出された候補ベクトルを選択するように切換え回路72を制御する。
【0061】
図4の例で説明すると、第2の動きベクトル検出回路23から出力される候補ベクトルはVy=4,6であり、第3の動きベクトル検出回路24から出力される候補ベクトルは、Vy=2であるので、Vy=4とVy=6のいずれかが、移動回路27に供給されて前フィールド映像信号Fの画素が移動されたものが補間信号として出力される。
【0062】
なお、図7の実施の形態では、図2における第1の動きベクトル検出回路22を削除したが、代わりに第2の動きベクトル検出回路23を削除するようにしてもよい。その場合、移動回路は、後フィールド映像信号の画素を移動するように構成され、各動きベクトル検出回路22,24からの候補ベクトルに一致が見られない場合には、第1の動きベクトル検出回路22からの候補ベクトルが移動回路に供給されるように動作する。図4の例では、第1の動きベクトル検出回路22から出力されるVy=0,−2によって後フィールド映像信号の画素が移動されて補間信号として出力される。
【0063】
図8は本発明の補間信号生成回路14のさらに他の実施の形態を示すものであり、図5に示す実施の形態に対して、移動回路27,51の各出力と、走査線内挿回路21の出力とから、候補ベクトルの中で、移動回路27,51によって動き補償された映像信号のフレーム間差分もしくはフィールド間差分が最も小さくなるベクトルを選択するための動き補償差分検出回路81と最小値検出回路82を備える。
【0064】
さらに最小値検出回路82の検出結果に基づいて移動回路27の出力を選択するかあるいは移動回路51の出力を選択するか切換える切換え回路83を備えると共に、図5の判定回路53に対して、動き補償差分検出回路81を制御する機能が追加された判定回路84を備えた点が異なる。
【0065】
判定回路84は、図5で説明した動作と同様に、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルとを比較し、一致するベクトルが存在するか否かを判定して、その結果に基づいて切換え回路54と、動き補償差分検出回路81を制御する。
【0066】
移動回路27は、切換え回路54で選択されたベクトルに基づいて前フィールド映像信号Fの画素を移動させて出力する。すなわち、前フィールド信号に対して動き補償処理を行って出力する。同様に、移動回路51は、切換え回路54で選択されたベクトルに基づいて後フィールド映像信号Bの画素を移動させて出力する。すなわち、後フィールド信号に対して動き補償処理を行って出力する。
【0067】
動き補償差分検出回路81は、移動回路27の出力と、移動回路51の出力と、走査線内挿回路21の出力が供給されると共に判定回路84からの制御信号によって、走査線内挿回路21の出力と移動回路27の出力間または走査線内挿回路21の出力と移動回路51の出力間の差分である動き補償フィールド間差分を検出し、それをブロック単位で累積して出力するか、あるいは移動回路27の出力と移動回路51の出力間の差分である動き補償フレーム間差分を検出し、それをブロック単位で累積して出力する。
【0068】
最小値検出回路82は、移動回路27,51の各出力の内、ブロック単位で累積した差分信号が最小となる信号を選択して出力端子18から出力するように切換え回路83を制御する。
第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルとが一致する場合、判定回路84は、そのベクトルが移動回路27,51に供給されるように切換え回路54を切換える。また、動き補償差分検出回路81が、動き補償フレーム間差分を検出し、それをブロック単位で累積するように制御する。複数の一致ベクトルが存在することが判定された場合、各ベクトルについて同様に動き補償フレーム間差分を検出し、ブロック単位で累積して、結果を最小検出回路82に出力する。
【0069】
最小回路検出回路82は、ブロック単位で累積した累積した差分信号が最小となる信号を出力するように切換え回路83を制御する。
また、第1及び第2の動きベクトル検出回路22,23からの候補ベクトルと、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルとが一致しない場合、判定回路84は、第1の動きベクトル検出回路22からの候補ベクトルが移動回路51に、また第2の動きベクトル検出回路23からの候補ベクトルが移動回路27にそれぞれ供給されるように切換えると共に、動き補償差分検出回路81をフィールド間差分を検出するように制御する。それによって、動き補償差分検出回路81は、走査線内挿回路21の出力と、移動回路27あるいは移動回路51の出力間の差分を検出し、それをブロック単位で累積して出力する。
【0070】
最小値検出回路82は、移動回路27及び移動回路51の出力の内、ブロック単位で累積した差分信号が最小となる方の出力を選択するように切換え回路83を制御する。
図9は補間信号生成回路14のさらに他の実施の形態を示すものであり、各フィールド映像信号の画素を候補ベクトルに基づいて移動した映像信号から候補ベクトルの信頼度を判定する機能を備えたものである。
図9において、図5に示す実施の形態の回路ブロックと同一回路ブロックに同一符号を付して詳細な説明は省略する。図9の実施の形態では、移動回路91,92,93が設けられている。移動回路91は、後フィールド映像信号Bの画素を第3の動きベクトル検出回路24からのフレーム間の候補ベクトルの1/2だけ移動する。移動回路92は、前フィールド映像信号Fの画素を第3の動きベクトル検出回路24からのフレーム間の候補ベクトルの1/2だけ移動する。また移動回路93は、前フィールド映像信号Fの画素を第2の動きベクトル検出回路23からの候補ベクトルにしたがって移動する。
【0071】
移動回路91,92の出力は、合成回路94に供給されて合成される。合成回路94は、画素が移動された前フィールド映像信号と後フィールド映像信号を合成して信頼度判定回路95に供給する。
信頼度判定回路95には、合成回路94の出力と共に、走査線内挿回路21の出力が供給され、走査線内挿回路21の出力である補間画素の上下走査線に位置する画素と、候補ベクトルに基づいて位置移動した前後フィールドの映像信号との相関判定を行なう。相関判定は、上下走査線の画素の平均値と、位置移動した補間画素との差分値の絶対値を所定値(ref)と比較して、絶対値が所定値を超える場合は、信頼度が低いと判定し、所定値以下の場合は信頼度が高いと判定する。
【0072】
信頼度判定回路95で信頼度が高いと判定した場合には、切換え回路96に対して、合成回路94の出力を選択して補間信号として出力端子18から出力するように制御する。また、信頼度が低いと判定した場合には、移動回路93の出力が選択されて補間信号として出力されるように制御する。
【0073】
図9の回路ブロックの動作を図4の例を参照して説明する。第3の動きベクトル検出回路24では、補間すべき画素Pに対して、Vy=2に相当する画素(d−u)の差分が最も小さくなるので、合成回路94は、前フィールドの画素dと後フィールドの画素yを合成して信頼度判定回路95に出力する。信頼度判定回路95は、補間すべき画素Pの上下の走査線の画素n,pの平均値(n+p)/2と画素dとの差分の絶対値|(n+p)/2−d|を所定値(ref)と比較する。|(n+p)/2−d|の値は大きいので、この場合信頼度なしと判定する。
【0074】
したがって、信頼度判定回路95は、第2の動きベクトル検出回路23で検出された候補ベクトルである、Vy=4あるいはVy=6によって前フィールドの映像信号が移動された移動回路93の出力を選択して出力端子18に導出するように切換え回路96を制御する。
【0075】
すなわち、補間されるべき画素Pに対してVy=4の場合には、画素eが補完され、Vy=6の場合には、画素fが補間されるがいずれの場合にも黒が補間されることになり、画質が劣化することはない。
なお、図9に示す補間信号生成回路14において、移動回路91と合成回路94は、必ずしも設ける必要はない。それらを省略する場合、移動回路92の出力を信頼度判定回路95と切換え回路96に供給する。信頼度判定回路95は、走査線内挿回路21の出力である補間フィールド信号と、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルによって移動回路92で位置移動された前フィールド信号Fとを前述と同様に比較して信頼度を判定する。
【0076】
図10に本発明の補間信号生成回路14のさらに他の実施の形態を示す。図10の実施の形態では、信頼度判定回路101が、移動回路91と移動回路92の出力を比較して信頼性の判定を行う他は、図9の実施の形態と同じ回路ブロックで構成されるものであり、図9のブロックと同じブロックに同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
図10の実施の形態では、第3の動きベクトル検出回路24からの候補ベクトルによって、移動回路92で移動された前フィールド映像信号Fと、移動回路91で移動された後フィールド映像信号Bとを、信頼度判定回路101で比較する。比較の結果、差分信号が所定値(ref)より小さい場合は、第3の動きベクトル検出回路24で検出した動きベクトルの信頼度は高いと判定し、切換え回路96を合成回路94の出力を選択して出力するように切換える。また、差分信号が所定値より大きい場合は、第3の動きベクトル検出回路24で検出した動きベクトルの信頼度は低いと判定し、切換え回路96を移動回路93からの信号を選択して出力するように切換える。
【0078】
図11は、本発明の順次走査変換装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図11において、ステップ11aで開始され、ステップ11bで映像信号を1フィールド遅延させて補間フィールド信号を得る。次いで、ステップ11cによって補間フィールド信号をさらに1フィールド遅延させて前フィールド信号を得る。
次に、ステップ11dで補間フィールド信号と前フィールド信号、または補間フィールド信号とそれに続く後フィールド信号間からフィールド間動きベクトルを検出し、次いで、ステップ11eで検出した動きベクトルから補間信号生成用の候補ベクトルを抽出する。
【0079】
同様にステップ11fで補間フィールドの前後のフィールド信号からフレーム間動きベクトルを検出し、ステップ11gで抽出した動きベクトルから補間信号生成用の候補ベクトルを抽出する。
次に、ステップ11hで、ステップ11eとステップ11Gで抽出した両候補ベクトルを比較し、ステップ11iで一致するベクトルがあるか否か判定する。ステップ11iで、一致するベクトルが存在することが判定されたら、ステップ11jで一致するベクトルに基づいて補間信号を生成し、ステップ11Kで生成された補間信号を映像信号に補間し、ステップ11Lで修了となる。
【0080】
ステップ11Iで一致するベクトルが存在しないと判定されたら、ステップ11Mでフィールド間動きベクトル候補のいずれかを選択して補間信号を生成し、ステップ11Nで生成された補間信号を映像信号に補間し、ステップ11Lで修了となる。
【0081】
なお、以上説明した実施の形態では、判定回路25,53によって候補ベクトル群を比較して一致するベクトルの存在を判定する旨説明したが、その判定においては、必ずしも全く同一であるか否かによって判定結果を得る必要はなく、例えば、フレーム間動きベクトル候補の垂直方向のベクトル値をFrとしたとき、フィールド間動きベクトル候補の垂直方向のベクトル値Fiが(Fr−1≦Fi≦Fr+1(ライン/フィールド))の関係にある場合に、フレーム間動きベクトルとフィールド間動きベクトルが一致するものであると判定するようにしてもよいものである。
【0082】
以上のように本発明によれば、フィールド間動きベクトル検出回路から検出された補間信号を生成するための候補ベクトル群と、フレーム間動きベクトル検出回路から検出された補間信号を生成するための候補ベクトル群との間で一致するベクトルの有無を判定して、一致ベクトルがある場合にはそのベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルがない場合にはフィールド間動きベクトルに基づいて補間信号を生成するように構成したので、連続するフィールド間で映像の動きが等速でない場合においても、誤った補間が行なわれることはない。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明の順次走査変換装置は、フィールド間動きベクトル検出回路から検出された、補間信号を生成するための候補ベクトル群と、フレーム間動きベクトル検出回路から検出された補間信号を生成するための候補ベクトル群との間で一致するベクトルがあるか否か判定して、一致ベクトルがある場合にはそのベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルがない場合にはフィールド間動きベクトルに基づいて補間信号を生成するように構成したので、連続するフィールド間で映像の動きが等速でない場合においても、誤った補間が行なわれることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る順次走査変換装置の構成を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示す装置の要部の一実施の形態を示す回路ブロック図。
【図3】 本発明に係る順次走査変換装置の動作を説明するための図。
【図4】 本発明に係る順次走査変換装置の動作を説明するための図。
【図5】 図1に示す装置の要部の他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図6】 図5に示す回路ブロック図の要部の具体的回路ブロック図。
【図7】 図1に示す装置の要部のさらに他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図8】 図1に示す装置の要部のさらに他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図9】 図1に示す装置の要部のさらに他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図10】 図1に示す装置の要部のさらに他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図11】 図1に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図12】 一般的なテレシネ装置の動作を説明するための特性図。
【図13】 従来の順次走査変換装置の動作を説明するための図。
【図14】 従来の順次走査変換装置の動作を説明するための図。
【符号の説明】
10…順次走査変換装置
11…入力端子
12,13…フィールド遅延回路
14…補間信号生成回路
15…補間フィールド信号出力端子
16,19…時間圧縮回路
17…切換え回路
18…補間信号出力端子
20…出力端子
21…走査線内挿回路
22…第1の動きベクトル検出回路
23…第2の動きベクトル検出回路
24…第3の動きベクトル検出回路
25…判定回路
26…切換え回路
27,51…移動回路
Claims (9)
- 入力端に供給されるインターレース方式の映像信号のフィールド間の動きベクトルを検出して補間信号生成のための第1の候補ベクトル群を得ると共に、前記映像信号のフレーム間の動きベクトルを検出して補間信号生成のための第2の候補ベクトル群を得る動きベクトル検出手段と、
前記動きベクトル検出手段で検出された動きベクトルに基づいて前記映像信号がその連続するフィールドで動きが等速であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって連続するフィールドの映像信号の動きが等速であると判定された際に前記第1の候補ベクトル群と前記第2の候補ベクトル群のうち、一致する動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、等速でないと判定された際には前記第1の候補ベクトル群のいずれかから選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成する補間信号生成手段と、
前記補間信号生成手段で生成された補間信号を前記入力端に供給される映像信号に対して補間する補間手段と、
を具備したことを特徴とする順次走査変換装置。 - 前記補間信号生成手段は、前記判定手段によって連続するフィールドの映像信号の動きが等速でないと判定された際には前記第1の候補ベクトル群のいずれかから、他の画素との関連に基いて選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の順次走査変換装置。 - 入力端に供給されるインターレース方式の映像信号を1フィールド及び2フィールド遅延させる遅延手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第1の候補ベクトル群を得る第1の動きベクトル検出手段と、
前記遅延手段による2フィールド遅延信号と1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第2の候補ベクトル群を得る第2の動きベクトル検出手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による2フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第3の候補ベクトル群を得る第3の動きベクトル検出手段と、
前記第1の候補ベクトル群及び前記第2の候補ベクトル群の中に前記第3の候補ベクトル群と一致するベクトルが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、一致するベクトルが存在したら、この動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルが存在しなかったら前記第1の候補ベクトル群のベクトルまたは第2の候補ベクトル群のいずれかから選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成する補間信号生成手段と、
前記補間信号生成手段で生成された補間信号を前記入力端に供給される映像信号に対して補間する補間手段と、
を具備したことを特徴とする順次走査変換装置。 - 入力端に供給されるインターレース方式の映像信号を1フィールド及び2フィールド遅延させる遅延手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第1の候補ベクトル群を得るかもしくは前記遅延手段による2フィールド遅延信号と1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第2の候補ベクトル群を得る第1の動きベクトル検出手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による2フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第3の候補ベクトル群を得る第2の動きベクトル検出手段と、
前記第1の候補ベクトル群もしくは前記第2の候補ベクトル群の中に前記第3の候補ベクトル群と一致するベクトルが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、一致するベクトルが存在したら、この動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルが存在しなかったら前記第1の動きベクトル検出手段から得られる候補ベクトルに基づいて補間信号を生成する補間信号生成手段と、
前記補間信号生成手段で生成された補間信号を前記入力端に供給される映像信号に対して補間する補間手段と、
を具備したことを特徴とする順次走査変換装置。 - 前記補間信号生成手段は、前記判定手段によって一致するベクトルが存在すると判定された際に、一致ベクトルの中で補間すべき画素位置に空間的に近くなる動き補償映像を生成する動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルが存在しないと判定された際に、第1の動きベクトル検出手段から得られる候補ベクトルの中で補間すべき画素位置に空間的に近くなる動き補償映像を生成する動きベクトルに基づいて補間信号を生成するものであることを特徴とする請求項3または4に記載の順次走査変換装置。
- 入力端に供給されるインターレース方式の映像信号を1フィールド及び2フィールド遅延させる遅延手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第1の候補ベクトル群を得る第1の動きベクトル検出手段と、
前記遅延手段による2フィールド遅延信号と1フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第2の候補ベクトル群を得る第2の動きベクトル検出手段と、
前記入力端に供給された映像信号と前記遅延手段による2フィールド遅延信号との間の動きベクトルを検出して補間信号を生成するための第3の候補ベクトル群を得る第3の動きベクトル検出手段と、
前記映像信号に対して前記動きベクトル検出手段で検出された動きベクトルで動き補償を行なう動き補償手段と、
前記第1の候補ベクトル群及び前記第2の候補ベクトル群の中に前記第3の候補ベクトル群と一致するベクトルが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、一致するベクトルが存在したらその一致ベクトルの内、前記動き補償手段で動き補償された映像信号のフィールド間差分またはフレーム間差分が最も小さくなるベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルが存在しなかったら前記第1の候補ベクトル群のベクトルまたは第2の候補ベクトル群のベクトルの内、前記動き補償手段で動き補償された映像信号のフィールド間差分が最も小さくなるベクトルに基づいて補間信号を生成する補間信号生成手段と、
前記補間信号生成手段で生成された補間信号を前記入力端に供給される映像信号に対して補間する補間手段と、
を具備したことを特徴とする順次走査変換装置。 - 前記判定手段は、フレーム間動きベクトル候補の垂直方向のベクトル値をFrとしたとき、フィールド間動きベクトル候補の垂直方向のベクトル値Fiが(Fr−1≦Fi≦Fr+1(ライン/フィールド))の関係にある場合に、フレーム間動きベクトルとフィールド間動きベクトルが一致するものであると判定するものであることを特徴とする請求項3または4または5または6のいずれかに記載の順次走査変換装置。
- インターレース方式の映像信号のフィールド間動きベクトルを検出して補間信号生成のための第1の候補ベクトル群を得ると共に、前記映像信号のフレーム間動きベクトルを検出して補間信号生成のための第2の候補ベクトル群を得るステップと、
前記検出された動きベクトルに基づいて前記映像信号がその連続するフィールドで動きが等速であるか否かを判定するステップと、
前記連続するフィールドの映像信号の動きが等速であると判定された際に前記第1の候補ベクトル群と前記第2の候補ベクトル群のうち一致する動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、等速でないと判定された際には、前記第1の候補ベクトル群のいずれかから選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成するステップと、
前記生成された補間信号を前記インターレース方式の映像信号に対して補間するステップと、
を具備したことを特徴とする順次走査変換方法。 - 入力端に供給されるインターレース方式の映像信号のフィールド間動きベクトルを検出して補間信号生成のための第1の候補ベクトル群を得るステップと、
前記映像信号のフレーム間動きベクトルを検出して補間信号生成のための第2の候補ベクトル群を得るステップと、
前記第1及び第2の候補ベクトル群を比較して一致するベクトルが存在するか否か判定するステップと、
一致するベクトルが存在する際に、この動きベクトルに基づいて補間信号を生成し、一致するベクトルが存在しない場合に、前記第1の候補ベクトル群のいずれかから選択されたベクトルに基づいて補間信号を生成するステップと、
前記生成された補間信号を前記インターレース方式の映像信号に対して補間するステップと、
を具備したことを特徴とする順次走査変換方法。
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