JP4345653B2 - 相関型の電子透かしによる印刷物の真贋チェック方法、装置及びプログラム - Google Patents

相関型の電子透かしによる印刷物の真贋チェック方法、装置及びプログラム Download PDF

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Description

この発明は、印刷データに相関型の電子透かしを埋め込んで印刷された印刷物の真贋チェック方法、装置及びプログラムに関する。
従来、正規に印刷された印刷物をスキャナ、デジタルカメラ等を用いて画像データとしてパソコン等に取り込んで不正に印刷された印刷物を判定するため、電子透かしが用いられている。これは、正規品の印刷に用いる印刷データに電子透かしを埋め込んでおき、判定対象の印刷物をスキャンした画像データから、埋め込んだ電子透かしが検出されるか否かにより真贋チェックを行うものである。
なお、従来技術として特許文献1〜4が知られている。
特開平10−250029号公報 特開2001−134672号公報 特開2003−137348号公報 特開2003−337683号公報
しかし、従来の電子透かしの有無による真贋チェックは、印刷物を精巧にスキャンした後、印刷したコピー品を検出することが難しかった。図7は、9種類の異なる画像について、各画像から電子透かしが検出されたブロック数をグラフにしたものである。グラフの横軸は、9種類の画像に番号を付けて並べてものであり、縦軸は、各画像を100のブロックに分けて各々に電子透かしを埋め込んだときに、その中で電子透かしが検出されたブロック数を表す。また、グラフの凡例の意味は次の通りである。「基準」とは、正規に印刷された印刷物をスキャンして検出されたブロック数である。「正規」とは、「基準」と同様に正規品をスキャンして検出を行ったものであるが、同じ正規品であっても検出されるブロック数にばらつきがあるため、複数の正規品による検出結果を平均した値を示す。「コピー1」とは、正規品をスキャンし、さらに印刷したものをスキャンして検出されたブロック数である。「コピー2」とは、正規品をスキャンし、例えば画質が劣化した部分を補修するような画像処理を行い、さらに印刷したものをスキャンして検出されたブロック数である。このグラフによれば、画像によって検出ブロック数は異なるものの、正規品もコピー品も検出ブロック数に大きな違いがない場合が多く、電子透かしの検出の有無や検出ブロック数だけでは正規品とコピー品を区別することは困難である。
また、図8は上記を詳しく説明するもので、電子透かし検出ブロック数の例を示す。これらは、印刷物の一部分であるが、縦に5ブロック、横に4ブロックの合計20ブロックに分けて、各ブロックに電子透かしが埋め込まれた印刷物からの検出結果を示す。「正規品」とは、正規品をスキャンした場合の検出結果である。「コピー品1」、「コピー品2」の意味は前述と同様である。「コピー品のコピー」とは、「コピー品1」をスキャンし、さらに印刷したものをスキャンした場合の検出結果である。このように「コピー品のコピー」は誤って検出されるブロックがあるが、「コピー品1」、「コピー品2」であっても、各ブロックで「正規品」と同様に電子透かしが正しく検出されることがある。
この発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、印刷物の正規品とコピー品を高い精度で判定する、相関型の電子透かしによる印刷物の真贋チェック方法、装置及びプログラムを提供することである。
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、発明は、相関型の電子透かしが埋め込まれた印刷データにより印刷された正規品と前記正規品をもとに偽造したコピー品とを判定する印刷物の真贋チェック方法において、取込機器により基準となる正規品と複数の正規品からなるテスト正規品から画像データを取り込み、前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、前記テスト正規品の各正規品からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める第1の過程と、前記取込機器により真贋チェック対象の印刷物から画像データを取り込み、前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、取り込んだ前記画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める第2の過程と、前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする第3の過程と、を有する印刷物の真贋チェック方法である。
発明は、上述の印刷物の真贋チェック方法において、前記第1の過程において、基準となる正規品と単数または複数のテスト正規品を選択し、前記基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度と、前記テスト正規品から検出した電子透かしの検出強度との差に基づいて信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求めることを特徴とする。
発明は、上述の印刷物の真贋チェック方法において、前記基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度は、基準となる正規品を複数選択して検出した各々の電子透かしの検出強度の平均とすることを特徴とする。
本発明は、上述のいずれかの項に記載の印刷物の真贋チェック方法において、前記第2の過程における信頼度は、基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度と、前記真贋チェック対象の印刷物から検出した電子透かしの検出強度との差に基づいて求めることを特徴とする。
発明は、取込機器により取り込まれた基準となる正規品の画像データと相関型の電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、複数の正規品の各々からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める手段と、前記取込機器により取り込まれた前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく検出強度と、前記取込機器により取り込まれた真贋チェック対象の印刷物の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める手段と、前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする手段と、を具備した印刷物の真贋チェック装置である。
本発明は、取込機器により取り込まれた取込機器により取り込まれた基準となる正規品の画像データと相関型の電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、複数の正規品の各々からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める処理と、前記取込機器により取り込まれた前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、前記取込機器により取り込まれた真贋チェック対象の印刷物の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める処理と、前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
発明によれば、正規に印刷された印刷物を精巧にスキャンした後、印刷したコピー品であっても検出することができ、印刷物の真贋チェックの精度を高めることができるので、印刷物の偽造の防止及び抑止に効果が期待できる。
発明によれば、正規品から検出した電子透かしの検出強度にばらつきがある場合でも、これを抑えて判別しきい値を求めることができる。
記載の発明によれば、基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度にばらつきがある場合でも、これを抑えて判別しきい値を求めることができる。
記載の発明によれば、基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度と、真贋チェック対象の印刷物から検出した電子透かしの検出強度との差の大小を数値化して評価することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。まず、この発明による印刷物の真贋チェックにおいて用いる相関型の電子透かしについて、電子透かし情報の埋め込み方法及び検出方法の1例、次に、検出された電子透かしの信頼度及び判別しきい値について説明する。
まず、相関型の電子透かしによる電子透かし情報の埋め込み方法の1例について説明する。ここで、埋め込み対象画像における画素ごとの値を表す関数をIn(x)とする。これは、印刷データを複数のブロックに分けてブロック毎に電子透かしを埋め込む場合に、例えば1つのブロックがN個の画素(例えば横にP個、縦にQ個の画素)からなるとき、画素ごとに番号を付けるとxは0からN−1の値をとり、In(x)はN個の画素のうちx番目の画素の値を表す。また、電子透かし情報をwとする。この電子透かし情報wをスペクトル拡散により、広帯域に分散している弱いノイズに拡散させる。電子透かし情報wを拡散するにあたっては、適切な拡散系列を選択する必要がある。拡散系列として、同期を容易に確立できるように、同じ信号に対して鋭い自己相関性を有し、また異なる信号に対して区別がつくように小さい相互相関性を有する系列が望ましい。例えば[数1]の条件を満たす±1からなるM個の長さLの拡散系列Sj(t),j=0,1,・・・,M−1,t=0,1,・・・,L−1を生成する。ここでM、Lは、w<M≦N、w<L≦Nを満たすように定める。
Figure 0004345653
拡散系列Sj(t)は、ゼロ自己平均、ゼロ相互相関、定数の自己相関を有する±1からなる列である。例えば、[数2]に示すように、±1で構成される直交変換であるウォルシュ変換の変換列を用いることができる。[数2]はM=8,L=8の場合のウォルシュ変換の変換列である。
Figure 0004345653
この拡散系列Sj(t)を用いて電子透かし情報wを拡散した電子透かし列W(t)は[数3]のように表される。ここでαは電子透かしの強さを調節するパラメータである。
Figure 0004345653
ここで埋め込み対象画像In(x)の離散フーリエ成分F_in(u)に電子透かし情報を埋め込む。離散フーリエ成分F_in(u)は[数4]のように表される。
Figure 0004345653
0≦u≦N/2−1からL個をランダムに選択し、これをutとする。ただし、t=0,1,・・・L−1である。これを用いて[数5]により電子透かしの埋め込みを行う。
Figure 0004345653
[数5]によって得られるF’_in(u)の逆離散フーリエ変換により、[数6]に示すような電子透かし入りの画像データIn’(x)が得られる。
Figure 0004345653
次に、上記のようにして埋め込まれた電子透かし情報の検出方法について説明する。電子透かし情報が検証される対象画像をIn’(x)とする。この離散フーリエ成分F’_in(u)は[数7]のように表される。
Figure 0004345653
電子透かし情報の埋め込みにおいて用いた拡散系列である、[数1]の条件を満たす±1からなるM個の長さLの拡散系列Sj(t),j=0,1,・・・,M−1,t=0,1,・・・,L−1を生成する。次に、電子透かし情報の埋め込みにおいて0≦u≦N/2−1からL個を選択したut,t=0,1,・・・L−1を用いて、F’_in(ut)からその平均成分を取り除く。すなわち、F0をF’_in(ut),t=0,1,・・・L−1の平均値として、[数8]を計算する。
Figure 0004345653
このF’’_in(ut)と拡散系列Sj(t)とを用いて[数9]の相関列B(j)を計算し、電子透かしの検出を行う。
Figure 0004345653
[数9]の相関列B(j),j=0,1,・・・,M−1が最大値を取るjの値が検出された電子透かし情報wである。なお、[数9]の相関列は正規化されているが、分母の項はパラメータjと関係無く定数であるため、実際電子透かし検出に用いる相関列は[数10]により計算される。
Figure 0004345653
ここで、上記で説明した相関型の電子透かしの検出結果の例を示す。図2の上段のグラフは、電子透かしが埋め込まれた正規品をスキャンし、上記のようにして相関列B(j)を計算した結果の一例を示す。グラフの横軸はjの値、縦軸はB(j)の値を示し、前述のようにB(j)が最大値を取るjの値が検出された電子透かしである。
図2の中段のグラフは、正規品をスキャンして印刷したコピー品について、これをスキャンして上記のようにして相関列B(j)を計算した結果の例である。B(j)が最大値をとるjの値は正しく検出されたものの、B(j)の最大値が弱くなっている。
図2の下段のグラフは、コピー品のコピー品、すなわち、コピー品をスキャンして印刷したものについて、これをスキャンして上記のようにして相関列B(j)を計算した結果の例である。この場合は、B(j)が最大値をとるjの値は正しく検出されなかった。
以上の例から分かるように、ここで用いる相関型の電子透かしは正規品とコピー品において検出される相関列B(j)の最大値あるいは最大値をとるjの値が異なる。相関型の電子透かしのこのような特性に基づいて、以下、真贋チェックにおいて用いる信頼度及び判別しきい値を求める。
以上、離散フーリエ変換の成分への電子透かしの埋め込みおよび検出を例としてあげたが、離散フーリエ変換やその他の変換を利用せず、直接画像データに相関型の電子透かしを埋め込み、または、直接画像データから相関型の電子透かしを検出するものも含まれる。あるいは、その他変換を利用した相関型の電子透かし埋め込みと検出の手法も含まれる。
まず、信頼度の求め方を説明する。[数10]により得られるシーケンスB(j),j=0,1,・・・,M−1について、平均及び標準偏差を求め、それぞれμ、σとする。これを用いて、電子透かしの検出強度を[数11]で定める。すなわち、[数11]は、シーケンスB(j)の最大値から平均μを引き、シーケンスの標準偏差σで割った値を検出強度Dとする。
Figure 0004345653
次に、この検出強度Dを用いて、電子透かしの信頼度を[数12]で定義する。
Figure 0004345653
[数12]のΦ(x)は[数13]で定義される関数である。これは正規分布における0からxまでの累積密度関数であり、図3はこの関数による値をグラフに表したものである。
Figure 0004345653
[数12]においてDrは、正規品のうち基準として定めたものについての、[数11]による電子透かしの検出強度である。しかし、同一の印刷機により印刷された正規品であっても、電子透かしを検出した場合には検出強度にばらつきがある。これを考慮して、基準となる正規品を複数選択してこれらの検出強度を求め、その平均を計算してDrとしてもよい。
次に、判別しきい値の求め方を説明する。この判別しきい値は、印刷機Pと取込機器Sのペアに対して正規品を用いて求める。ここで、印刷機Pは正規品を印刷した印刷機であり、取込機器Sは、電子透かしの信頼度及び判別しきい値を求めるときに正規品をスキャンする機器である。まず、正規品の中から基準となる1つの正規品A、及び、N個のテスト正規品Bi,i=1,2,・・・,Nを選択する。次に、[数11]により基準となる正規品Aの検出強度Drを求め、このDrを用いて[数12]によりN個のテスト正規品について信頼度Ri,i=1,2,・・・,Nを求める。次に、Ri,i=1,2,・・・,Nの平均Av_R及び標準偏差σ_Rを求め、[数14]により判別しきい値T_psを求める。
Figure 0004345653
[数14]においてλは判別誤差を調整するパラメータであり、偽造品判定率を上げるには、λを1.0より小さく設定する。ただし、この場合は正規品拒否率も上げることになる。逆に、偽造品判定率を下げるには、λを1.0より大きく設定する。標準では、λ=1.0とする。T_psは印刷された画像の種類毎に判別しきい値を定めると、より判別精度が高められる。
なお、上記で基準となる正規品Aを1つ選択し、基準となる正規品の検出強度Drを求めたが、上記と同様に検出強度のばらつきを考慮して、基準となる正規品Aを複数選択してこれらの検出強度を求め、その平均を計算してDrとしてもよい。
以上のようにして印刷機Pと取込機器Sのペアに対して定めた判別しきい値T_psを用いて、印刷物の真贋判定を行う。すなわち、判定対象の印刷物による信頼度Rが判別しきい値T_psより大きい場合は正規品と判定し、そうでない場合はコピー品と判定する。この判別しきい値T_psは、印刷機Pと取込機器Sのペアを定めて求めたので、真贋チェックを行うときは、読取機器Sを用いて判定対象の印刷物の画像データを取り込む。印刷機P、読取機器Sは、同一の機器、すなわち、シリアル番号が同じものであることが望ましいが、機種が同一であれば同一の判別しきい値を用いてもよい。したがって、印刷データが同一であっても印刷機の機種または読取機器の機種が異なれば、そのペアに対して個別に判別しきい値を求める必要がある。
以上を踏まえて、図1を参照して印刷物の真贋チェック方法について説明する。図1はこの実施の形態における印刷物の真贋チェックの全体フローを示す図である。この全体フローは、印刷物を印刷して流通にのせるブロック10、正規品をもとに真贋チェックで用いられる判別しきい値を決定するブロック20、流通物について真贋チェックを行うブロック30から構成される。
まず、ブロック10のステップS11において、印刷機Pによる印刷が行われる。これは、印刷データに相関型の電子透かしを埋め込み、その印刷データを用いて印刷機Pにより紙、プラスチック等の印刷媒体、及び、インク等を使用して印刷を行うものである。印刷された電子透かしチェック機能入り印刷物40は、例えば、写真または画像付きのカード類、雑誌類、パッケージ類である。このような正規に印刷された正規品が流通すると、これをスキャナ、デジタルカメラ等により画像データとして取り込んでから印刷したり、コピー機でコピーしたりするなど、偽造品が作成されることがある。なお、ここで偽造品にはステップS11において使用されたオリジナル印刷データが漏洩した場合に、これを用いて印刷されたものは含まない。
上記のように流通している印刷物が正規品であるか偽造品であるか判定するため、ブロック20において判定に用いる判別しきい値を求める。まず、基準となる正規品の選択(ステップS21)、及び、テスト正規品の選択(ステップS22)を行い、取込機器Sによりこれらの画像を取り込み(ステップS23)、取り込まれた画像データから電子透かしを検出して得られる検出強度をもとに、前述のようにして判別しきい値T_psを求める(ステップS24)。ブロック30において、この判別しきい値を用いてチェック対象の印刷物について取込機器Sにより画像を取り込み(ステップS31)、判別しきい値T_psによる判定を行う。ここで、判別しきい値T_psは、印刷機Pと取込機器Sのペアに対応するものを用いる。
上記のブロック20、及び、ブロック30におけるフローについて、それぞれ図4、図5を参照して詳しく説明する。
図4は、印刷物の真贋チェックに用いる値を計算するフローチャートである。まず、印刷機Pにより印刷された電子透かしチェック機能入り印刷物40から、基準となる正規品A、及び、テスト正規品Bi,i=1,2,・・・,Nを選択する(ステップS201)。次に、取込機器Sによりこれらをデジタル化して画像データとして取り込む(ステップS202)。次に、取り込まれた画像データから電子透かしを検出し、[数11]により、基準となる正規品Aの検出強度Dr、及び、テスト正規品Biの検出強度Di,i=1,2,・・・,Nを計算し、これをもとに[数12]により信頼度Ri,i=1,2,・・・,Nを計算する(ステップS203)。次に、Riの平均Av_Rと標準偏差σ_Rを計算する(ステップS204)。また、これらから[数14]により判別しきい値T_psを求める。
図5は、印刷物の真贋チェックのフローチャートである。ここでは、チェック対象の印刷物は、電子透かしチェック機能入り印刷物40であるか、コピー品であるかを判定する。コピー品である場合は、ステップS301に入力される印刷物が、電子透かしチェック機能入り印刷物40をスキャンして印刷したコピー品等となる。
まず、取込機器Sにより判定対象の印刷物をデジタル化して画像データとして取り込む(ステップS301)。次に、取り込まれた画像データから電子透かしの検出、及び、検出強度Dの計算を行う(ステップS302)。次に、ステップS302で電子透かしが正しく検出できたか判定する(ステップS303)。判定結果が「NO」の場合はコピー品である。判定結果が「YES」の場合は、図4のステップS203で計算して求めた基準となる正規品の検出強度Drを用いて[数12]により信頼度Rを計算する(ステップS304)。次に、検出した信頼度Rが判別しきい値T_psより大きいか判定する(ステップS305)。判定結果が「NO」の場合はコピー品である。判定結果が「YES」の場合は正規品である。
図6は、9種類の異なる画像について、正規品、コピー品1、コピー品2から電子透かしを検出し、その信頼度Rを計算した結果である。ここで、正規品の信頼度は、基準となる正規品、テスト正規品を選択して信頼度、及び、判別しきい値を計算した後、これらと別の正規品について電子透かしを検出して計算した値である。同一の印刷機Pで印刷した正規品であっても画像によってはばらつきがあるため、1.0より小さい値となっているものもある。また、コピー品1、コピー品2の意味は、図7の凡例の説明において既に説明した通りである。点線は判別しきい値T_psを表す。コピー品1、コピー品2の信頼度はこれを下回っている。
なお、上記の真贋チェックはコンピュータ又は内部にコンピュータを有する専用の装置を用いて行ってもよい。すなわち、コンピュータ又は内部にコンピュータを有する専用の装置を用いて、ステップS202において取り込まれた画像データについて、ステップS203、ステップS204、[数14]により判別しきい値を求める処理、すなわち、取込機器により取り込まれた正規品の画像データから検出した相関型の電子透かしの検出強度に基づいて判別しきい値を求める処理を行い、ステップS301において取り込まれた画像データについて、ステップS302、ステップS303、ステップS304により信頼度を求める処理、すなわち、取込機器により取り込まれた真贋チェック対象の印刷物の画像データから検出した相関型の電子透かしの検出強度に基づいて信頼度を求める処理を行ってもよい。
これらの動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ROMの他に、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の可搬媒体、コンピュータに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のシステムやクライアントとなるコンピュータ内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
この発明は、印刷データをもとに印刷される印刷物の真贋チェックに用いられる。
この実施の形態における印刷物の真贋チェックの全体フローを示す図である。 相関型の電子透かし検出時の相関値を示すグラフである。 電子透かしの検出信頼度の定義に用いる累積密度分布のグラフである。 印刷物の真贋チェックに用いる値を計算するフローチャートである。 印刷物の真贋チェックのフローチャートである。 真贋チェック結果の例を示すグラフである。 電子透かし検出ブロック数の例を示すグラフである。 電子透かし検出ブロック数の例を示す図である。
符号の説明
10、20、30…全体フローを分類するブロック
40…電子透かしチェック機能入り印刷物

Claims (4)

  1. 相関型の電子透かしが埋め込まれた印刷データにより印刷された正規品と前記正規品をもとに偽造したコピー品とを判定する印刷物の真贋チェック方法において、
    取込機器により基準となる正規品と複数の正規品からなるテスト正規品とから画像データを取り込み、前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、前記テスト正規品の各正規品からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める第1の過程と、
    前記取込機器により真贋チェック対象の印刷物から画像データを取り込み、前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、取り込んだ前記画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める第2の過程と、
    前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする第3の過程と、
    を有する印刷物の真贋チェック方法。
  2. 前記基準となる正規品から検出した電子透かしの検出強度は、基準となる正規品を複数選択して検出した各々の電子透かしの検出強度の平均とすることを特徴とする請求項に記載の印刷物の真贋チェック方法。
  3. 取込機器により取り込まれた基準となる正規品の画像データと相関型の電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、複数の正規品からなるテスト正規品の各正規品からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める手段と、
    前記取込機器により取り込まれた前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく検出強度と、前記取込機器により取り込まれた真贋チェック対象の印刷物の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める手段と、
    前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする手段と、
    を具備した印刷物の真贋チェック装置。
  4. 取込機器により取り込まれた基準となる正規品の画像データと相関型の電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、複数の正規品からなるテスト正規品の各正規品からの画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求め、前記信頼度の平均及び標準偏差に基づいて判別しきい値を求める処理と、
    前記取込機器により取り込まれた前記基準となる正規品の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度と、前記取込機器により取り込まれた真贋チェック対象の印刷物の画像データと前記電子透かしの拡散系列との相関列および該相関列中の最大値に基づく電子透かしの検出強度との差に応じた信頼度を求める処理と、
    前記判別しきい値と前記信頼度とを比較して前記印刷物の真贋チェックをする処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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