JP4345573B2 - 熱エネルギ回収装置 - Google Patents

熱エネルギ回収装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4345573B2
JP4345573B2 JP2004148261A JP2004148261A JP4345573B2 JP 4345573 B2 JP4345573 B2 JP 4345573B2 JP 2004148261 A JP2004148261 A JP 2004148261A JP 2004148261 A JP2004148261 A JP 2004148261A JP 4345573 B2 JP4345573 B2 JP 4345573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
exhaust
compressor
expander
intake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004148261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005330846A (ja
Inventor
信一 三谷
大作 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004148261A priority Critical patent/JP4345573B2/ja
Publication of JP2005330846A publication Critical patent/JP2005330846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4345573B2 publication Critical patent/JP4345573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は、熱交換器で吸熱した熱エネルギを機械エネルギに変換する熱エネルギ回収装置に関する。
従来、熱エネルギを機械エネルギに変換する機関が存在する。例えば、この種の機関としては、図20に示すブレイトンサイクル機関がある。
この図20に示すブレイトンサイクル機関は、吸入した作動流体(作動ガス)を断熱圧縮する圧縮機110と、この圧縮機110で断熱圧縮された作動流体に高温流体の熱を等圧力で吸熱させる熱交換器120と、この熱交換器120で等圧受熱された作動流体を断熱膨張させる膨張機130とを備えている。
ここで、上記圧縮機110は、容積Vcompが一定のシリンダ111と、このシリンダ111内を往復移動するピストン112とを備える。このピストン112は、コネクティングロッド113を介してクランクシャフト140に連結されている。
また、この圧縮機110には、逆止弁116を介して作動ガスをシリンダ111内に導く吸気流路114と、そのシリンダ111内で断熱圧縮された作動ガスを熱交換器120の第2流路122に逆止弁117を介して導く排気流路115とが設けられている。
続いて、上記熱交換器120には、例えば内燃機関の排気流路170から送られてきた高温流体が流れる第1流路121と、圧縮機110で断熱圧縮された作動ガスが流れる第2流路122とを備えている。
続いて、上記膨張機130は、容積Vexpが一定のシリンダ131と、このシリンダ131内を往復移動するピストン132とを備える。このピストン132は、コネクティングロッド133を介して上記圧縮機110のピストン112と同一のクランクシャフト140に連結されている。
また、この膨張機130には、開閉弁136を介して熱交換器120で等圧受熱された作動ガスをシリンダ131内に導く吸気流路134と、開閉弁137を介して断熱膨張後の作動ガスをシリンダ131の外に導く排気流路135とが設けられている。
このブレイトンサイクル機関においては、図21−1のP−V線図や図21−2のT−s線図に示す如く、圧縮機110が圧力P1,体積V1(=Vcomp),温度T1,エントロピs1の作動ガスを断熱圧縮し、この断熱圧縮された圧力P2,体積V2,温度T2,エントロピs1の作動ガスが熱交換器120で等圧受熱される。
そして、この等圧受熱された圧力P2,体積V3,温度T3,エントロピs2の作動ガスは、膨張機130のピストン132を下降させつつ断熱膨張し、この断熱膨張した圧力P1,体積V4,温度T4,エントロピs2の作動ガスが膨張機130から排気(等圧放熱)される。
このブレイトンサイクル機関においては、このような作動ガスの流れによりクランクシャフト140を回転させる。例えば、その回転力は、そのクランクシャフト140に結合されたフライホイール160を介して内燃機関の駆動力補助用として利用することができ、また、発電機(図示略)を駆動させて蓄電池へ蓄電させることもできる。このことから、このブレイトンサイクル機関を例えば内燃機関の排気ガスの排気熱回収装置(熱エネルギ回収装置)として構築することができる。
ここで、この種の圧縮機及び膨張機を有する機関に類するものとしては、下記の特許文献1,2に開示されている。
特開平6−173702号公報 特開2000−265853号公報
ところで、排気熱の回収効率は、圧縮機の圧縮比,膨張機の膨張比,作動ガスへの入熱量(高温流体の温度)に依存する。
しかしながら、上記特許文献1に開示された熱機関においては、圧縮比及び膨張比が一定である為、作動ガスへの入熱量が増加した際に、その増加量如何では熱エネルギの回収効率(熱エネルギから機械エネルギへの変換効率)が悪い、という不都合があった。
また、上記特許文献2に開示された熱機関は圧縮比及び膨張比を選択し得るよう構成されているが、その為に別途高温シリンダと低温シリンダを設けなければならず、圧縮機や膨張機自体で圧縮比や膨張比を可変させることができない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、入熱量に応じた熱エネルギを効率良く回収し得る熱エネルギ回収装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、吸入した作動流体を圧縮するピストンを備えた圧縮機と、この圧縮機で圧縮された作動流体に高温流体の熱を吸熱させる熱交換器と、その吸熱された作動流体の膨張により押動されるピストンを備えた膨張機とを有するブレイトンサイクル機関からなり、圧縮比を可変させる圧縮比可変装置を前記圧縮機に設けると共に当該圧縮機に吸入される作動流体の温度若しくは前記膨張機に導かれる作動流体の温度に応じて膨張比を可変させる膨張比可変装置を前記膨張機に設け、又は前記膨張機のみに前記膨張比可変装置を設けている。
この請求項1記載の発明によれば、圧縮比や膨張比を最適なものへと可変させることができるので、例えば熱交換器の高温流体の温度が一定で且つ圧縮機に吸入された作動流体の温度が異なる場合においても、熱エネルギを効率良く回収することができる。即ち、圧縮機に吸入される作動流体の温度が高い場合には熱交換器での熱交換量が少ないので、膨張比は小さい方が回収の効率が良く、その逆に、作動流体の温度が低い場合には熱交換器での熱交換量が多いので、膨張比は大きい方が回収の効率が良い。本発明は、そのような場合においても、圧縮比や膨張比の最適化が図れるので良好に熱エネルギを回収することができる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の熱エネルギ回収装置において、前記高温流体は内燃機関から排出されたものであり、この内燃機関の負荷状態に応じて前記圧縮比可変装置及び膨張比可変装置を作動させる制御手段を設けている。
この請求項2記載の発明によれば、内燃機関の負荷状態,即ち高温流体からの入熱量に応じた圧縮比や膨張比を設定し、より好適な熱エネルギの回収効率を達成することができる。これが為、例えば自動車の排気ガスの排気熱を高温流体として利用する場合のように、熱交換器の高温流体の温度が内燃機関の負荷に応じて変化する場合にあっても、良好に熱エネルギを回収することができる。
ここで、上述した各請求項1又は2に記載の熱エネルギ回収装置において、例えば、請求項3に記載の発明の如く、前記圧縮機は、作動流体を流入させる吸気側開閉弁と、ピストンにより圧縮された作動流体を排出させる排気側開閉弁とを備え、その吸気側開閉弁と排気側開閉弁の夫々の開閉タイミングを変更することによって圧縮比を変更するものであり、前記膨張機は、熱交換器で吸熱された作動流体を流入させる吸気側開閉弁と、膨張後の作動流体を排出させる排気側開閉弁とを備え、その吸気側開閉弁と排気側開閉弁の夫々の開閉タイミングを変更することによって膨張比を変更するものである。
本発明に係る熱エネルギ回収装置は、最適な圧縮比や膨張比を設定することができ、これが為、例えば、定容方式の圧縮機や膨張機であっても熱エネルギを効率良く回収することができる。
以下に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例1を図1から図3に基づいて説明する。尚、ここでは、熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
この排気熱回収装置は、排気熱を利用して作動流体を断熱圧縮→等圧受熱→断熱膨張→等圧放熱させて駆動力を得るブレイトンサイクル機関であって、図1に示す如く、吸入した作動流体を断熱圧縮する圧縮機10と、この圧縮機10で断熱圧縮された作動流体に高温流体(排気ガス)の熱を等圧力で吸熱させる熱交換器20と、この熱交換器20で等圧受熱された作動流体を断熱膨張させる膨張機30とを備えている。
ここで、本実施例1にあっては、圧縮機10へと吸入される作動流体として大気圧の空気(以下「作動ガス」という。)を例示する。
先ず、本実施例1の熱交換器20について説明する。
この熱交換器20は、高温流体が流れる第1流路21と、圧縮機10で断熱圧縮された作動ガスが流れる第2流路22とを備えている。ここで、その第1及び第2の流路21,22は、作動ガスへの吸熱効率(熱交換器効率)を高める為に高温流体の流れ方向と作動ガスの流れ方向とが逆になるよう配置することが好ましい。
本実施例1にあっては、内燃機関の排気熱回収用として適用された排気熱回収装置を例示している。これが為、本実施例1の熱交換器20は、その第1流路21に内燃機関の排気ガスが流入するよう図1に示す内燃機関の排気流路70上に配置される。ここで、本実施例1の高温流体たる排気ガスの排気熱を有効利用する為には、熱交換器20が可能な限り内燃機関の燃焼室に近い位置(排気流路70の上流側)へ配置されることが好ましい。そこで、本実施例1の熱交換器20は、例えば排気マニホルドの集合部分に配置する。
続いて、本実施例1の圧縮機10について説明する。
この圧縮機10は、容積Vcompが一定のシリンダ11と、このシリンダ11内を往復移動するピストン12とを備えている。このピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクシャフト40に連結される。
また、この圧縮機10には、作動ガスをシリンダ11内に導く吸気流路14と、そのシリンダ11内でピストン12により断熱圧縮された作動ガスを熱交換器20の第2流路22へと導く排気流路15と、その吸気流路14の開閉を行う吸気側開閉弁16と、その排気流路15の開閉を行う排気側開閉弁17とが設けられている。
ここで、本実施例1にあっては、その吸気側開閉弁16を任意に作動させ得る吸気側可変動弁機構18と、その排気側開閉弁17を任意に作動させ得る排気側可変動弁機構19とを設けている。
その吸気側可変動弁機構18としては、例えば、駆動源たる電動モータと、この電動モータの駆動力を吸気側開閉弁16に伝達する歯車群とで構成されたものがある。このような電動モータを駆動源とする吸気側可変動弁機構18は、例えば、電動モータを正転させることで吸気側開閉弁16を下降させてシリンダ11内と吸気流路14とを連通させる一方、電動モータを逆転させることで吸気側開閉弁16を上昇させてシリンダ11内と吸気流路14とを閉塞させる。排気側可変動弁機構19についても同様に構成することができる。
尚、これら吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19は、必ずしも電動モータを駆動源とするものに限定されず、例えば油圧を駆動源としたものであってもよい。
これら吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19は、後述するが如く、その動作が制御手段たる電子制御装置(ECU)50によって制御される。
このような、吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17並びに吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19によって、この圧縮機10の圧縮比可変装置が構成される。即ち、この圧縮機10は、その吸気側開閉弁16と排気側開閉弁17の夫々の開閉タイミングを変更することによって圧縮比を変更するものである。
続いて、上記膨張機30について説明する。
この膨張機30は、容積Vexp(ここではVexp≧Vcomp)が一定のシリンダ31と、このシリンダ31内を往復移動するピストン32とを備えている。このピストン32は、コネクティングロッド33を介して圧縮機10と同一のクランクシャフト40に連結される。
また、この膨張機30には、熱交換器20で等圧受熱された作動ガスをシリンダ31内に導く吸気流路34と、断熱膨張後の作動ガスをシリンダ31の外に導く排気流路35と、その吸気流路34の開閉を行う吸気側開閉弁36と、その排気流路35の開閉を行う排気側開閉弁37とが設けられている。
ここで、この膨張機30においても、圧縮機10と同様に、吸気側開閉弁36を任意に作動させ得る吸気側可変動弁機構38と、排気側開閉弁37を任意に作動させ得る排気側可変動弁機構39とが設けられており、その吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37並びに吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39によって、膨張比可変装置が構成される。即ち、この膨張機30は、その吸気側開閉弁36と排気側開閉弁37の夫々の開閉タイミングを変更することによって膨張比を変更するものである。
以上示した本実施例1の排気熱回収装置には、クランクシャフト40の回転角度を検出するクランク角度センサ61と、圧縮機10の吸気流路14における作動ガスの圧力(以下「圧縮機入口圧力」という。)Pincompを検出する圧縮機入口圧力センサ62と、圧縮機10の排気流路15における作動ガスの圧力(以下「圧縮機出口圧力」という。)Poutcompを検出する圧縮機出口圧力センサ63と、膨張機30の吸気流路34における作動ガスの温度(以下「膨張機入口温度」という。)Tinexpを検出する膨張機入口温度センサ64と、膨張機30の排気流路35における作動ガスの圧力(以下「膨張機出口圧力」という。)Poutexpを検出する膨張機出口圧力センサ65とが設けられている。
これら各センサ61〜65の検出信号は電子制御装置(ECU)50に出力され、その夫々の検出値に基づいて、電子制御装置50が圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19並びに膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を制御する。
この電子制御装置50は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
本実施例1の電子制御装置50には、上記夫々の可変動弁機構18,19,38,39の動作を制御する制御機能として、最も排気熱の回収効率が良い圧縮機10の圧力比(以下「最適圧力比」という。)rbcompを算出する最適圧力比算出機能と、最も排気熱の回収効率が良い膨張機30の膨張比(以下「最適膨張比」という。)rbexpを算出する最適膨張比算出機能とが設けられている。
ここでいう圧縮機10の圧力比rcompとは、圧縮機入口圧力Pincompと圧縮機出口圧力Poutcompとの比(=Pincomp/Poutcomp)のことをいう。また、膨張機30の膨張比rexpとは、膨張機入口圧力Pinexpと膨張機出口圧力Poutexpとの比(=Pinexp/Poutexp)のことをいう。
ここで、本実施例1にあっては大気圧Paの作動ガスが圧縮機10に吸気されるので、圧縮機入口圧力Pincompは「Pincomp=Pa」となる。また、圧縮機10と膨張機30との間で作動ガスが等圧受熱されるので、圧縮機出口圧力Poutcompと膨張機入口圧力Pinexpは同一(Poutcomp=Pinexp)になる。
これが為、上記圧縮機10の圧力比rcompは下記の式1の如く表され、上記膨張機30の膨張比rexpは下記の式2の如く表される。
comp=Pincomp/Poutcomp=Pa/Poutcomp … 式1
exp=Pinexp/Poutexp=Poutcomp/Poutexp … 式2
先ず、最適圧力比算出機能について説明する。
圧縮機10の最適圧力比rbcompは、内燃機関の負荷状態(排気ガスの温度)により異なる。ここで、その排気ガスの温度は、膨張機入口温度Tinexpと略同等である。これが為、圧縮機10の最適圧力比rbcompは、図2に示す如く膨張機入口温度(≒排気熱温度)Tinexpに依存し、この膨張機入口温度Tinexp毎に異なる。これが為、予め実験等で求めた膨張機入口温度Tinexp毎の圧力比rcompのデータ(例えば図2に示す如き最適圧力比算出マップ)をバックアップRAMに格納しておき、そのデータと膨張機入口温度Tinexpとから最適圧力比算出機能に最適圧力比rbcompを求めさせる。
続いて、最適膨張比算出機能について説明する。
この最適膨張比算出機能は、上記最適圧力比算出機能により求められた最適圧力比rbcompに基づいて最適膨張比rbexpを算出する。
即ち、本実施例1の如きブレイトンサイクル機関においては、吸気された大気圧Paの作動ガスが最適圧力比rbcompで断熱圧縮され、最適膨張比rbexpで断熱膨張されると、その断熱膨張後の作動ガスの膨張機出口圧力Poutexpは大気圧Paになる。これが為、「Poutexp=Pa」を上記の式2に代入すると、膨張機30の膨張比rexpは、「rexp=Poutcomp/Pa」となり、これと上記の式1とから下記の式3の如く表される。
exp=1/rcomp … 式3
そこで、この最適膨張比算出機能は、最適圧力比rbcompを用いて最適膨張比rbexp(=1/rbcomp)を求めることができる。
尚、膨張機30の最適膨張比rbexpについても、圧縮機10の最適圧力比rbcompと同様に膨張機入口温度Tinexpに依存する。これが為、予め実験等で求めた膨張機入口温度Tinexp毎の膨張比rexpのデータ(最適膨張比算出マップ)をバックアップRAMに格納しておき、そのデータと膨張機入口温度Tinexpとから最適膨張比算出機能に最適膨張比rbexpを求めさせてもよい。
また、この電子制御装置50には、最適圧力比rbcompになるよう圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させる圧縮機側可変動弁機構制御機能と、最適膨張比rbexpになるよう膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させる膨張機側可変動弁機構制御機能とが設けられている。
先ず、圧縮機側可変動弁機構制御機能について説明する。
この圧縮機側可変動弁機構制御機能は、最適圧力比rbcompとなる吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17のクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を下記の圧縮機側弁タイミングマップ(図示略)から読み込み、そのクランク角度位置において吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させるものである。
上記圧縮機側弁タイミングマップとは、クランクシャフト40のクランク角度位置と当該クランク角度位置における吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17の開弁タイミング又は閉弁タイミングの対応情報を圧力比rcomp毎に予め実験やシミュレーション等で求めたものであり、バックアップRAMに格納されている。
また、膨張機30側についても同様に膨張機側弁タイミングマップ(図示略)がバックアップRAMに格納されており、膨張機側可変動弁機構制御機能は、最適膨張比rbexpとなる吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37のクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を膨張機側弁タイミングマップから読み込み、そのクランク角度位置において吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させる。
その膨張機側弁タイミングマップとは、クランクシャフト40のクランク角度位置と当該クランク角度位置における吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開弁タイミング又は閉弁タイミングの対応情報を膨張比rexp毎に予め実験やシミュレーション等で求めたものである。
更に、本実施例1の電子制御装置50には、実際に最適圧力比rbcomp及び最適膨張比rbexpとなっているかを判定してフィードバック制御を行うフィードバック制御機能が設けられている。
以下に、本実施例1における排気熱回収装置の動作を図3のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置50は、クランク角度センサ61からクランクシャフト40のクランク角度位置を検出する(ステップST1)。
続いて、この電子制御装置50は、最適圧力比算出機能が膨張機入口温度センサ64の出力信号から膨張機入口温度Tinexpを検出し(ステップST2)、この膨張機入口温度Tinexpに基づいてバックアップRAMの最適圧力比算出マップから最適圧力比rbcompを求める(ステップST3)。更に、この電子制御装置50は、最適膨張比算出機能が上記ステップST3で求めた最適圧力比rbcompを上述した式3に代入して、最適膨張比rbexp(=1/rbcomp)を求める(ステップST4)。
しかる後、この電子制御装置50は、圧縮機側可変動弁機構制御機能により、上記ステップST3で求めた最適圧力比rbcompをパラメータとして、圧縮機側弁タイミングマップから圧縮機10における吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17のクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を読み込み、そのクランク角度位置において吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させて吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる(ステップST5)。
一方、この電子制御装置50は、膨張機側可変動弁機構制御機能により、上記ステップST4で求めた最適膨張比rbexpをパラメータとして、膨張機側弁タイミングマップから膨張機30における吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37のクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を読み込み、そのクランク角度位置において吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST6)。
このステップST5,ST6により、排気熱回収装置は、最適圧力比rbcomp及び最適膨張比rbexpで効率的に排気熱を回収し、その際のクランクシャフト40の回転力を利用して内燃機関の駆動力を補填したり、発電機(図示略)を駆動させて蓄電池へ蓄電させたりする。
ここで、本実施例1の電子制御装置50は、上記ステップST5,ST6の処理を終えた後、フィードバック制御機能によるフィードバック制御を行う。
具体的には、先ず、そのフィードバック制御機能は、圧縮機入口圧力センサ62から圧縮機入口圧力Pincomp(=Pa)を検出する(ステップST7)。
続いて、このフィードバック制御機能は、圧縮機出口圧力センサ63から圧縮機出口圧力Poutcompを検出すると共に、膨張機出口圧力センサ65から膨張機出口圧力Poutexpを検出する(ステップST8,ST9)。
しかる後、このフィードバック制御機能は、検出した圧縮機入口圧力Pincompと圧縮機出口圧力Poutcompを前述した式1に代入し、その結果得られた圧力比rcompが上記ステップST3で求めた最適圧力比rbcompになっているか否かを判定すると共に、検出した圧縮機出口圧力Poutcompと膨張機出口圧力Poutexpを前述した式2に代入し、その結果得られた膨張比rexpが上記ステップST4で求めた最適膨張比rbexpになっているか否かを判定する(ステップST10)。
ここで、最適圧力比rbcompで且つ最適膨張比rbexpになっていれば、一先ず本処理を終了して上記ステップST1に戻る。また、最適圧力比rbcompで且つ最適膨張比rbexpになっていなければ、上記ステップST2に戻り、再度同様の処理を繰り返す。
尚、最適膨張比rbexpになっているか否かの判定は、検出した膨張機出口圧力Poutexpが大気圧Paとなっているか否かによって行ってもよく、かかる場合、その膨張機出口圧力Poutexpが大気圧Paであれば最適膨張比rbexpになっていると判断する。
このように、本実施例1によれば、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17並びに膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の動作タイミングを、熱交換器20での作動ガスへの入熱量と相関を持つ膨張機入口温度Tinexpに応じて最適制御することによって、その圧縮機10と膨張機30においては夫々最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpが実現されるので、排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。
即ち、圧縮機10に吸入される作動流体の温度が高い場合には熱交換器20での熱交換量が少ないので、膨張比は小さい方が回収の効率が良く、その逆に、作動流体の温度が低い場合には熱交換器20での熱交換量が多いので、膨張比は大きい方が回収の効率が良い。そのような場合においても、本実施例1の排気熱回収装置は、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpが得られるので良好に熱エネルギを回収することができる。これが為、例えば、自動車のように寒冷地や灼熱地等の圧縮機10に吸入される作動流体の温度が異なる様々な環境下において使用される場合、一地域であったとしても季節や気候の変化により作動流体の温度が変化する場合等において、有効に熱エネルギを回収することができる。
更に、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpで運転されているかを監視して、その最適値での運転を行うようにフィードバック制御しているので、常に排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例2を図4及び図5に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例2の排気熱回収装置は、前述した実施例1の排気熱回収装置から圧縮機入口圧力センサ62,圧縮機出口圧力センサ63及び膨張機出口圧力センサ65を取り除き、更に、電子制御装置(ECU)50からフィードバック制御機能を取り除いたものであり、その他の構成については実施例1と同じである。
この本実施例2の排気熱回収装置における電子制御装置50は、図5のフローチャートに示す如く、実施例1のステップST1〜ST6と同様の動作を行う。
即ち、先ず、クランクシャフト40のクランク角度位置を検出する(ステップST11)。そして、膨張機入口温度Tinexpを検出し(ステップST12)、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを求める(ステップST13,ST14)。
しかる後、この電子制御装置50は、圧縮機側可変動弁機構制御機能が圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させて吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方(ステップST15)、膨張機側可変動弁機構制御機能が膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST16)。
このように、本実施例2によれば、フィードバック制御は行えないが、圧縮機入口圧力センサ62,圧縮機出口圧力センサ63及び膨張機出口圧力センサ65が不要になるので、実施例1よりも低コストで最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを実現することができ、排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例3を図6及び図7に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例3の排気熱回収装置は、前述した実施例2の排気熱回収装置から膨張機入口温度センサ64を更に取り除き、電子制御装置(ECU)50に膨張機入口温度Tinexpを推定する為の下記の機能を追加したものであり、その他の構成については実施例2と同じである。
本実施例3にあっては、上述したが如く膨張機入口温度センサ64を設けていないので、膨張機入口温度Tinexpを直接検出することができない。ここで、その膨張機入口温度Tinexpは、圧縮機10の排気流路15における作動ガスの温度(以下「圧縮機出口温度」という。)Toutcompと熱交換器20の熱交換器効率eがわかれば推定することができる。
そこで、本実施例3の電子制御装置50には、圧縮機出口温度推定機能,熱交換器効率推定機能及び膨張機入口温度推定機能が設けられている。
先ず、上記圧縮機出口温度推定機能は、圧縮機10における吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17の開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報と前述した圧縮機側弁タイミングマップとから現在の圧縮機10における最適圧力比rbcompを求め、この最適圧力比rbcompを前述した式1に代入して圧縮機出口圧力Poutcompを推定する機能を備えている。
この圧縮機出口温度推定機能は、推定した圧縮機出口圧力Poutcompを下記の式4に代入して圧縮機出口温度Toutcompを推定する。尚、この式4において、「V」は断熱圧縮後の作動ガスの体積であり、「n」はモル数であり、「R」は気体定数である。
Toutcomp=Poutcomp×V/nR … 式4
続いて、上記熱交換器効率推定機能は、内燃機関の機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷情報から機関負荷を算出し、この機関負荷に基づいて排気流路70へと流入する内燃機関の排気ガスの温度を推定する機能を備えている。
ここでは、機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷情報と機関負荷との対応関係を表す機関負荷マップ(図示略),及び機関負荷と排気ガス温度との対応関係を表す排気ガス温度マップ(図示略)がバックアップRAMに予め格納されており、これらのマップにより排気ガス温度の推定を行う。尚、内燃機関が予め排気ガス温度センサを具備しているのであれば、その排気ガス温度センサの出力信号から排気ガス温度の情報を取得してもよい。
ここで、熱交換器20の熱交換器効率eは、排気ガス温度の高低に依存するものであり、その排気ガス温度に応じて一意に定められる。そこで、本実施例3にあっては、その熱交換器効率eと排気ガス温度との対応関係を表す熱交換器効率マップ(図示略)を予め実験等を行いバックアップRAM等に用意しておく。そして、熱交換器効率推定機能は、求めた排気ガス温度に応じた熱交換器効率eを熱交換器効率マップから推定する。
本実施例3の膨張機入口温度推定機能は、上記圧縮機出口温度推定機能により推定された圧縮機出口温度Toutcompと上記熱交換器効率推定機能により推定された熱交換器効率eとを乗算(式5)し、膨張機入口温度Tinexpの推定を行うものである。
Tinexp=Toutcomp×e … 式5
以下に、本実施例3における排気熱回収装置の動作を図7のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置50は、クランク角度センサ61からクランクシャフト40のクランク角度位置を検出する(ステップST31)。
続いて、この電子制御装置50は、熱交換器効率推定機能により、内燃機関の機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷情報と機関負荷マップとから機関負荷を算出し(ステップST32)、この機関負荷と排気ガス温度マップとから内燃機関の排気ガス温度を推定する(ステップST33)。
しかる後、この熱交換器効率推定機能は、熱交換器効率マップをバックアップRAMから読み込み、上記ステップST33で推定した排気ガス温度に対応する熱交換器効率eを推定する(ステップST34)。
続いて、電子制御装置50は、圧縮機出口温度推定機能により、圧縮機側弁タイミングマップをバックアップRAMから読み込み、この圧縮機側弁タイミングマップから圧縮機10における現在の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17の開弁タイミング又は閉弁タイミングに対応する最適圧力比rbcompを求め、この最適圧力比rbcompを前述した式1に代入して圧縮機出口圧力Poutcompを推定する(ステップST35)。
しかる後、この圧縮機出口温度推定機能は、上記ステップST35で推定した圧縮機出口圧力Poutcompを式4に代入して圧縮機出口温度Toutcompを推定する(ステップST36)。
そして、電子制御装置50は、膨張機入口温度推定機能により、上記ステップST34で推定した熱交換器効率eと上記ステップST36で推定した圧縮機出口温度Toutcompとを乗算し、膨張機入口温度Tinexpを推定する(ステップST37)。
本実施例3の電子制御装置50は、その推定した膨張機入口温度Tinexpに基づいて実施例2と同様に最適圧力比算出マップから最適圧力比rbcompを求め(ステップST38)、更に、最適膨張比rbexpを求める(ステップST39)。
以降、この電子制御装置50は、実施例2のステップST15〜ST16と同様にして、圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させて吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方(ステップST40)、膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST41)。
このように、本実施例3によれば、内燃機関においては機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷情報を得る為のセンサを通常具備しており、このセンサの出力信号を利用することで更に膨張機入口温度センサ64も不要になるので、より低コストで実施例2と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例4を図8に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例4の排気熱回収装置は、前述した実施例1において、クランクシャフト40の回転に対する圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17と膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の動作回数(以下、夫々「圧縮機開閉弁動作回数」、「膨張機開閉弁動作回数」という。)が同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合の処理動作を追加したものである。
例えば、クランクシャフト40が1回転するに当たり、圧縮機10において所定の開弁タイミング又は閉弁タイミングで吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を夫々1回ずつ開閉動作させると、作動ガスが最適圧力比rbcompで断熱圧縮されるものとする。かかる場合に熱交換器20での入熱量が大きすぎると、膨張機30において所定の開弁タイミング又は閉弁タイミングで吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を夫々1回ずつ開閉動作させただけでは最適な断熱膨張が行われないときがある。
そこで、本実施例4の電子制御装置(ECU)50には、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままで最適な断熱膨張を行い得るか否かを判定する判定機能を設ける。
具体的に、この判定機能には熱交換器20での入熱量を算出する機能が設けられており、この判定機能は、算出した入熱量と所定の閾値とを比較して、算出した入熱量が閾値よりも大きければ、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは最適な断熱膨張を行い得ないとの判定を行う。
ここで、本実施例4の所定の閾値としては、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままで最適な断熱膨張を行い得る入熱量の最大値を予め求めて設定しておく。
また、上記の入熱量の算出機能は、内燃機関から排出された排気ガス(高温流体)の排気エネルギと熱交換器20の熱交換器効率eとを乗算することにより入熱量を求める。
これが為、本実施例4の電子制御装置50には、その排気エネルギを算出する機能と、熱交換器効率eを算出する機能とが設けられている。
本実施例4における排気エネルギの算出機能は、内燃機関の負荷の状態から排気エネルギを求めるものであり、例えば、機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷状態を表す情報をパラメータとする排気エネルギのマップ(図示略)を予め実験等を行いバックアップRAM等に用意しておき、その排気エネルギマップから熱交換器20に流入する排気エネルギを求める。
尚、本実施例4における熱交換器効率eの算出機能は、前述した実施例3と同様のものを用いる。
更に、本実施例4の電子制御装置(ECU)50には、入熱量に応じた圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数との比(圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比)を求める機能も設けられており、本実施例4の圧縮機側可変動弁機構制御機能と膨張機側可変動弁機構制御機能は、その圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比も考慮して夫々の可変動弁機構18,19,38,39の動作を制御する。
以下に、本実施例4における排気熱回収装置の動作を図8のフローチャートに基づき説明する。
この本実施例4の排気熱回収装置における電子制御装置50は、先ず、実施例1のステップST1〜ST4と同様の処理動作を行い、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを求める(ステップST51〜ST54)。
その後、本実施例4にあっては、上記判定機能が熱交換器20への入熱量を算出し、この入熱量と所定の閾値とを比較して、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままで最適な断熱膨張を行い得るか否かを判定する(ステップST55)。
ここで、最適な断熱膨張を行い得るとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、実施例1のステップST5〜ST6と同様にして、圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させて吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方(ステップST56)、膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST57)。この場合、クランクシャフト40の回転に対する圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数は、例えば、クランクシャフト40の回転に応じて、夫々1回,2回等、同一回数で動作する。
また、上記ステップST55にて圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは最適な断熱膨張を行い得ないとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、その入熱量に応じた圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比を求める(ステップST58)。ここでの圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比は、「圧縮機開閉弁動作回数<膨張機開閉弁動作回数」となるよう設定される。
そして、その圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比となるように、上記ステップST56,ST57にて、圧縮機10の吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を作動させて吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方、膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる。
例えば、クランクシャフト40が2回転するに当たり、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17は1回ずつ開閉させ、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37は2回ずつ開閉させる。
かかる場合、クランクシャフト40の1回転目の回転時に、圧縮機10においては吸気側開閉弁16を開弁させて吸気行程を行った後、吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を閉弁状態にして断熱圧縮行程を行う一方、膨張機30においては吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開閉により断熱膨張行程と等圧放熱行程を行う。そして、クランクシャフト40の2回転目の回転時に、圧縮機10においては排気側開閉弁17を開弁させて排気行程を行った後、吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を閉弁状態にする一方、膨張機30においては吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開閉により断熱膨張行程と等圧放熱行程を行う。
また、他のパターンとしては次のものも考えられる。先ず、クランクシャフト40の1回転目の回転時に、圧縮機10においては吸気側開閉弁16を開弁させて吸気行程を行い、吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を閉弁状態にして断熱圧縮行程を行った後、排気側開閉弁17を開弁させて排気行程を行う一方、膨張機30においては吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開閉により断熱膨張行程と等圧放熱行程を行う。そして、クランクシャフト40の2回転目の回転時に、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を閉弁状態のままにし、膨張機30において吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開閉による断熱膨張行程と等圧放熱行程を行う。
そのようにして圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17と膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37が設定された後、本実施例4の電子制御装置50は、実施例1のステップST7〜ST10と同様にしてフィードバック制御を行う(ステップST59〜ST62)。
このように、本実施例4によれば、前述した実施例1と同様の効果を奏するだけでなく、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数が同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合においても最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを実現することができ、実施例1よりも有効に排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。これが為、例えば本実施例4の如く自動車の排気ガスの排気熱を高温流体として利用する場合においては、熱交換器20の高温流体の温度が内燃機関の負荷に応じて変化しても、良好に熱エネルギを回収することができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例5を図9に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例5の排気熱回収装置は、前述した実施例2においてクランクシャフト40の回転に対する圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合の処理動作を追加したものであり、前述した実施例4と同様の処理機能を設けたものである。
この本実施例5の排気熱回収装置における電子制御装置50は、先ず、実施例2のステップST11〜ST14と同様の処理動作を行い、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを求める(ステップST71〜ST74)。
その後、本実施例5にあっては、実施例4のステップST55と同様に、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままで最適な断熱膨張を行い得るか否かを判定する(ステップST75)。
ここで、最適な断熱膨張を行い得るとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、実施例2のステップST15〜ST16と同様にして、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方(ステップST76)、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST77)。この場合、クランクシャフト40の回転に対する圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数は、例えば、クランクシャフト40の回転に応じて、夫々1回,2回等、同一回数で動作する。
また、上記ステップST75にて圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは最適な断熱膨張を行い得ないとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、実施例4のステップST58と同様に、その入熱量に応じた圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比を求める(ステップST78)。ここでも、圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比は、「圧縮機開閉弁動作回数<膨張機開閉弁動作回数」となるよう設定される。
そして、その圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比となるように、上記ステップST76,ST77にて、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる。例えば、クランクシャフト40が2回転するに当たり、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17は1回ずつ開閉させ、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37は2回ずつ開閉させる。
このように、本実施例5によれば、前述した実施例2と同様の効果を奏するだけでなく、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数が同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合においても最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを実現することができ、実施例2よりも有効に排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例6を図10に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例6の排気熱回収装置は、前述した実施例3においてクランクシャフト40の回転に対する圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合の処理動作を追加したものであり、前述した実施例4と同様の処理機能を設けたものである。
この本実施例6の排気熱回収装置における電子制御装置50は、先ず、実施例3のステップST31〜ST39と同様の処理動作を行い、最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを求める(ステップST81〜ST89)。
その後、本実施例6にあっては、実施例4のステップST55と同様に、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままで最適な断熱膨張を行い得るか否かを判定する(ステップST90)。
ここで、最適な断熱膨張を行い得るとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、実施例3のステップST40〜ST41と同様にして、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方(ステップST91)、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST92)。この場合、クランクシャフト40の回転に対する圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数は、例えば、クランクシャフト40の回転に応じて、夫々1回,2回等、同一回数で動作する。
また、上記ステップST90にて圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数とが同一のままでは最適な断熱膨張を行い得ないとの判定結果が出た場合、この電子制御装置50は、実施例4のステップST58と同様に、その入熱量に応じた圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比を求める(ステップST93)。ここでも、圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比は、「圧縮機開閉弁動作回数<膨張機開閉弁動作回数」となるよう設定される。
そして、その圧縮機開閉弁/膨張機開閉弁動作回数比となるように、上記ステップST91,ST92にて、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を開弁又は閉弁させる一方、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる。例えば、クランクシャフト40が2回転するに当たり、圧縮機10の吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17は1回ずつ開閉させ、膨張機30の吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37は2回ずつ開閉させる。
このように、本実施例6によれば、前述した実施例3と同様の効果を奏するだけでなく、圧縮機開閉弁動作回数と膨張機開閉弁動作回数が同一のままでは膨張機30で最適な断熱膨張を行うことができない場合においても最適圧力比rbcompと最適膨張比rbexpを実現することができ、実施例3よりも有効に排気熱回収装置を入熱量に応じた最適な機関効率で動作させることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例7を図11及び図12に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例7の排気熱回収装置は、前述した実施例1の排気熱回収装置から圧縮機入口圧力センサ62及び圧縮機出口圧力センサ63を取り除くと共に、圧縮機10を図11に示す圧縮機10Aへと変更し、更に、これに伴って電子制御装置(ECU)50の制御機能を変更したものであり、その他の構成については実施例1と同じである。
最初に、本実施例7の圧縮機10Aについて説明する。
前述した実施例1の圧縮機10においては、吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19により開閉動作が行われる吸気側開閉弁16及び排気側開閉弁17を具備している。このような圧縮機10は、吸気側可変動弁機構18及び排気側可変動弁機構19を制御することにより圧力比rcompの調整が図れるので有用であるが、その一方で構造が複雑になると共に高コスト化を招来してしまう。
そこで、本実施例7の圧縮機10Aは、圧力比rcompの調整を行うことはできないが簡易構造で低コスト化を図り得るリード弁16A,17Aを吸気側と排気側に適用する。吸気側リード弁16Aは、吸気流路14上に配設され、圧力差により作動ガスをシリンダ11内に流入させる一方、その作動ガスの吸気流路14への逆流を防ぐものである。また、排気側リード弁17Aは、排気流路15上に配設され、断熱圧縮された作動ガスを圧力差により熱交換器20の第2流路22に流入させる一方、シリンダ11内への逆流を防ぐものである。
このようなリード弁16A,17Aを用いることによってクランクシャフト40の回転に同期させる機構を別途設ける必要が無いので、簡易且つ低コストな信頼性の高い圧縮機10Aの弁構造を構築することができる。
続いて、本実施例7の電子制御装置(ECU)50について説明する。
本実施例7の電子制御装置50には、膨張機30における最適膨張比rbexpを算出する最適膨張比算出機能と、その最適膨張比rbexpになるよう膨張機30の吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させる膨張機側可変動弁機構制御機能と、実際に最適膨張比rbexpとなっているかを判定してフィードバック制御を行うフィードバック制御機能とが設けられている。
先ず、本実施例7の最適膨張比算出機能は、予め実験等で求めてバックアップRAMに格納されている膨張機入口温度Tinexp毎の膨張比rexpのデータ(最適膨張比算出マップ)と膨張機入口温度センサ64から検出した膨張機入口温度Tinexpとから最適膨張比rbexpを求めるものである。
また、本実施例7の膨張機側可変動弁機構制御機能は、実施例1と同様に、膨張機側弁タイミングマップからクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を読み込み、吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させるものである。
また、本実施例7のフィードバック制御機能は、膨張機出口圧力センサ65から検出した膨張機出口圧力Poutexpが大気圧Paであれば最適膨張比rbexpになっていると判断し、大気圧Paになっていなければ、再度膨張機30における吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37の開弁タイミング又は閉弁タイミングを設定させるものである。
以下に、本実施例7における排気熱回収装置の動作を図12のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置50は、実施例1と同様に、クランク角度センサ61からクランクシャフト40のクランク角度位置を検出し(ステップST101)、膨張機入口温度センサ64の出力信号から膨張機入口温度Tinexpを検出する(ステップST102)。
続いて、この電子制御装置50は、最適膨張比算出機能により、上記ステップST102で検出された膨張機入口温度Tinexpに基づいてバックアップRAMの最適膨張比算出マップから最適膨張比rbexpを求める(ステップST103)。
しかる後、この電子制御装置50は、膨張機側可変動弁機構制御機能により、上記ステップST103で求めた最適膨張比rbexpをパラメータとして、膨張機側弁タイミングマップから膨張機30における吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37のクランク角度位置に応じた開弁タイミング又は閉弁タイミングの情報を読み込み、そのクランク角度位置において吸気側可変動弁機構38及び排気側可変動弁機構39を作動させて吸気側開閉弁36及び排気側開閉弁37を開弁又は閉弁させる(ステップST104)。
これにより、排気熱回収装置は、最適膨張比rbexpで効率的に排気熱を回収し、その際のクランクシャフト40の回転力を利用して内燃機関の駆動力を補填したり、発電機(図示略)を駆動させて蓄電池へ蓄電させたりする。
ここで、本実施例7の電子制御装置50は、フィードバック制御機能により、膨張機出口圧力センサ65から膨張機出口圧力Poutexpを検出する(ステップST105)。そして、この膨張機出口圧力Poutexpが大気圧Paとなっているか否か(最適膨張比rbexpか否か)を判定し(ステップST106)、大気圧Pa(最適膨張比rbexp)になっていれば、一先ず本処理を終了して上記ステップST101に戻り、大気圧Pa(最適膨張比rbexp)になっていなければ、上記ステップST102に戻り、再度同様の処理を繰り返す。
このように、本実施例7によれば、圧縮機10Aにリード弁16A,17Aを用いることによって弁構造を簡易構造にし、実施例1と同様に排気熱回収装置の機関効率の向上を図りつつ、コストの低下と信頼性の向上をも図ることができる。
尚、実施例2と同様にフィードバック制御は行えないが、膨張機出口圧力センサ65も取り除いて更なる低コスト化を図ってもよい。
また、実施例3と同様に膨張機入口温度センサ64も取り除くことによって更なる低コスト化を図ってもよい。かかる場合は、実施例3と同様に、内燃機関の機関回転数Neやアクセル開度θth等の負荷情報を用いて内燃機関の排気ガスの温度を推定し、熱交換器20の熱交換器効率eを考慮して膨張機入口温度Tinexpの推定を行う。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例8を図13から図15に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例8の排気熱回収装置は、圧縮機の数量に対して膨張機の数量を多くしたものであり、図13に示す如く、吸入した作動ガスを断熱圧縮する前述した実施例7の圧縮機10Aと、この圧縮機10Aで断熱圧縮された作動ガスに高温流体(排気ガス)の熱を等圧力で吸熱させる前述した実施例1〜7と同様の熱交換器20と、この熱交換器20で等圧受熱された作動ガスを断熱膨張させる第1及び第2の膨張機30A,30Bとを備えている。
以下に、本実施例8の第1及び第2の膨張機30A,30Bについて詳述する。
本実施例8の第1及び第2の膨張機30A,30Bには、容積Vexp(ここではVexp=Vcomp)が一定のシリンダ31A,31Bと、このシリンダ31A,31B内を往復移動するピストン32A,32Bと、熱交換器20で等圧受熱された作動ガスをシリンダ31A,31B内に導く吸気流路34A,34Bと、断熱膨張後の作動ガスをシリンダ31A,31Bの外に導く排気流路35A,35Bと、その吸気流路34A,34Bの開閉を行う吸気側開閉弁36A,36Bと、その排気流路35A,35Bの開閉を行う排気側開閉弁37A,37Bとが夫々設けられている。
ここで、第1及び第2の膨張機30A,30Bのピストン32A,32Bは、夫々コネクティングロッド33A,33Bを介して圧縮機10Aと同一のクランクシャフト41に連結され、第1膨張機30Aのピストン32Aが下死点に位置するときには第2膨張機30Bのピストン32Bも下死点に位置し、ピストン32Aが上死点に位置するときにはピストン32Bも上死点に位置するが如く同一のタイミングで上下動する。
また、本実施例8の吸気側開閉弁36A,36B及び排気側開閉弁37A,37Bとしては、クランクシャフト41の回転に同期して開閉動作を行う図14に示すポペット弁を用いる。以下、吸気側開閉弁36A,36Bを「吸気側ポペット弁36A,36B」と、排気側開閉弁37A,37Bを「排気側ポペット弁37A,37B」という。
ここでは、ピストン32A,32Bが上死点から下死点に移動する間において、吸気側ポペット弁36A,36Bが開弁し、排気側ポペット弁37A,37Bが閉弁するよう設定する。一方、ピストン32A,32Bが下死点から上死点に移動する間においては、吸気側ポペット弁36A,36Bが閉弁し、排気側ポペット弁37A,37Bが開弁するよう設定する。
これら吸気側ポペット弁36A,36B及び排気側ポペット弁37A,37Bは、例えば、クランクシャフト41の回転に伴ってチェーン駆動するカムシャフト(図示略)によりカム駆動される。
この本実施例8の如く1つの圧縮機10Aに対して2つの膨張機30A,30Bを設けることによって、熱交換器20での入熱量が増加しても、定容方式の圧縮機10Aと第1及び第2の膨張機30A,30Bを採用しつつ最適な排気熱回収装置の機関効率を得ることができる。
また、このように単体効率が高い定容方式の圧縮機10A及び第1及び第2の膨張機30A,30Bを適用することができるので、排気熱回収装置の機関効率を向上させることができる。
更に、圧縮機10Aにおいてはリード弁16A,17Aを、第1及び第2の膨張機30A,30Bにおいてはクランクシャフト41の回転に同期する吸気側ポペット弁36A,36B及び排気側ポペット弁37A,37Bを用いているので、前述した実施例1〜7の如き可変動弁機構18,19,38,39や当該可変動弁機構18,19,38,39の制御機能(電子制御装置50)が不要になる。これが為、簡易且つ低コストな信頼性の高い圧縮機10A並びに第1及び第2の膨張機30A,30Bの弁構造を構築することができる。
尚、本実施例8にあっては圧縮機10Aの容積Vcompと第1及び第2の膨張機30A,30Bの容積Vexpを同一のものとして例示したが、必ずしも本態様に限定するものではない。また、第1膨張機30Aの容積Vexpと第2膨張機30Bの容積Vexpについても同一のものとして例示したが、必ずしも本態様に限定するものではない。
ここで、上述した本実施例8にあっては吸気側開閉弁36A,36B及び排気側開閉弁37A,37Bとしてポペット弁を用いているが、その吸気側開閉弁36A,36B及び排気側開閉弁37A,37Bとしては、図15に示すロータリー弁45を用いてもよい。
このロータリー弁45は、シリンダ31A(31B)に固定された円柱状の内部空間を有するアウターケース45aと、このアウターケース45aの内部空間で軸受45cを介して回動する円柱状のインナーロータ45bとを備えている。
ここで、上記アウターケース45aには、その内部空間と吸気流路34A(34B)とを連通させる第1貫通孔45a1と、その内部空間と排気流路35A(35B)とを連通させる第2貫通孔45a2と、その内部空間とシリンダ31A(31B)内とを連通させる第3及び第4の貫通孔45a3,45a4とが形成されている。
また、上記インナーロータ45bには、その軸方向と直交する第1及び第2の貫通孔45b1,45b2が形成されている。
このロータリー弁45は、インナーロータ45bを所定の位置まで回転させることによって、その第1貫通孔45b1がアウターケース45aの第1貫通孔45a1と第3貫通孔45a3とを連通状態にする一方、その第2貫通孔45b2がアウターケース45aの第2貫通孔45a2と第4貫通孔45a4とを閉塞状態にする。
本実施例8にあっては、この状態からインナーロータ45bを90°回転させることによって、その第1貫通孔45b1がアウターケース45aの第1貫通孔45a1と第3貫通孔45a3とを閉塞状態にする一方、その第2貫通孔45b2がアウターケース45aの第2貫通孔45a2と第4貫通孔45a4とを連通状態にする。
このように、このロータリー弁45は、インナーロータ45bが90°回転する毎にシリンダ31A(31B)内と連通する流路34A(34B),35A(35B)を交互に切り替えるものであり、図13に示す吸気側開閉弁36A(36B)と排気側開閉弁37A(37B)とを一体構造に構成したものである。
即ち、このロータリー弁45は、第1膨張機30Aに適用されると、アウターケース45aの第1貫通孔45a1及び第3貫通孔45a3並びにインナーロータ45bの第1貫通孔45b1が吸気側開閉弁36Aを成し、アウターケース45aの第2貫通孔45a2及び第4貫通孔45a4並びにインナーロータ45bの第2貫通孔45b2が排気側開閉弁37Aを成す。また、第2膨張機30Bに適用されると、アウターケース45aの第1貫通孔45a1及び第3貫通孔45a3並びにインナーロータ45bの第1貫通孔45b1が吸気側開閉弁36Bを成し、アウターケース45aの第2貫通孔45a2及び第4貫通孔45a4並びにインナーロータ45bの第2貫通孔45b2が排気側開閉弁37Bを成す。
ここで、インナーロータ45bは、電動モータや減速機等を介して回転させてもよく、チェーンやコグドベルト等を介してクランクシャフト40の回転に同期するよう回転させてもよい。
このように、ポペット弁からロータリー弁45へと変更することにより、排気熱回収装置の機関効率の向上や、簡易且つ低コストな信頼性の高い圧縮機10A並びに第1及び第2の膨張機30A,30Bの弁構造を構築することができるだけでなく、ポペット弁の動作時に生じる着座音の解消をも図ることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例9を図16に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例9の排気熱回収装置は、前述した実施例8の第1及び第2の膨張機30A,30Bを図16に示す第1及び第2の膨張機30C,30Dへと変更したものである。以下に、本実施例9の第1及び第2の膨張機30C,30Dについて詳述する。
本実施例9の第1及び第2の膨張機30C,30Dは、実施例8の第1及び第2の膨張機30A,30Bと同様に、容積Vexp(ここではVexp=Vcomp)が一定のシリンダ31C,31Dと、このシリンダ31C,31D内を往復移動するピストン32C,32Dとを夫々備えており、各ピストン32C,32Dが夫々コネクティングロッド33C,33Dを介して圧縮機10Aと同一のクランクシャフト41に連結され、同一のタイミングで上下動する。
本実施例9にあっては、第1膨張機30Cに吸気流路34Cが設けられる一方、第2膨張機30Dに吸気流路34Dが設けられており、これら吸気流路34C,34Dが第1吸気流路34a及び吸気側開閉弁36C及び第2吸気流路34bを介して熱交換器20の第2流路22と連通している。
また、本実施例9にあっては、第1膨張機30Cに排気流路35Cが設けられる一方、第2膨張機30Dに排気流路35Dが設けられており、これら排気流路35C,35Dが第1排気流路35a及び排気側開閉弁37C及び第2排気流路35bを介してシリンダ31C,31Dの外部と連通している。
ここで、本実施例9の吸気側開閉弁36C及び排気側開閉弁37Cとしては、クランクシャフト41の回転に同期して開閉動作を行う前述した実施例8の図14に示すポペット弁を用いてもよく、図15に示すロータリー弁45を用いてもよい。
尚、ロータリー弁45を適用する場合には、そのアウターケース45aの第1貫通孔45a1と第2吸気流路34bとを連通させる一方、第3貫通孔45a3と第1吸気流路34aとを連通させて吸気側開閉弁36Cを構成する。また、アウターケース45aの第2貫通孔45a2と第2排気流路35bとを連通させる一方、第4貫通孔45a4と第1排気流路35aとを連通させて排気側開閉弁37Cを構成する。
このように、本実施例9によれば、前述した実施例8と同様の効果を奏するだけでなく、第1及び第2の膨張機30C,30Dの開閉弁の数量を減らすことができるので、より簡易な弁構造にできると共に更なる低コスト化を図ることができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例10を図17に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例10の排気熱回収装置は、図17に示す如く、吸入した作動ガスを断熱圧縮する前述した実施例7の圧縮機10Aと、この圧縮機10Aで断熱圧縮された作動ガスに高温流体(排気ガス)の熱を等圧力で吸熱させる前述した実施例1〜9と同様の熱交換器20と、この熱交換器20で等圧受熱された作動ガスを断熱膨張させる膨張機30Eとを備えている。
本実施例10の膨張機30Eには、容積Vexpが一定のシリンダ31Eと、このシリンダ31E内を往復移動するピストン32Eと、熱交換器20で等圧受熱された作動ガスをシリンダ31E内に導く吸気流路34Eと、断熱膨張後の作動ガスをシリンダ31Eの外に導く排気流路35Eと、その吸気流路34Eの開閉を行う吸気側開閉弁36Eと、その排気流路35Eの開閉を行う排気側開閉弁37Eとが設けられている。そのピストン32Eは、コネクティングロッド33Eを介して圧縮機10Aと同一のクランクシャフト40に連結される。
ここで、本実施例10の吸気側開閉弁36E及び排気側開閉弁37Eとしては、クランクシャフト40の回転に同期して開閉動作を行う前述した実施例8の図14に示すポペット弁を用いてもよく、図15に示すロータリー弁45を用いてもよい。
また、本実施例10の膨張機30Eは、そのシリンダ31Eのボア径D2が圧縮機10Aのシリンダ11のボア径D1よりも大きく設定され、その容積Vexpが圧縮機10Aの容積Vcompよりも拡大されている。尚、ここでは、膨張機30Eと圧縮機10Aのストロークを同一にしている。
このように、圧縮機10Aのボア径D1よりも膨張機30Eのボア径D2を大きくすることによって、熱交換器20での入熱量が増加しても膨張機30Eにおいて作動ガスを大気圧Paにまで断熱膨張させることができるので、排気熱回収装置の機関効率の向上が図れる。
また、このように単体効率が高い定容方式の圧縮機10A及び膨張機30Eを適用することができるので、排気熱回収装置の機関効率を更に向上させることができる。
更に、圧縮機10Aにおいてはリード弁16A,17Aを、膨張機30Eにおいては吸気側開閉弁36E及び排気側開閉弁37Eとしてポペット弁又はロータリー弁45を用いているので、前述した実施例8,9と同様に、簡易且つ低コストな信頼性の高い圧縮機10A及び膨張機30Eの弁構造を構築することができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例11を図18に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
本実施例11の排気熱回収装置は、前述した実施例10の膨張機30Eを図18に示す膨張機30Fに変更したものであり、その他の構成については実施例10と同じである。
本実施例11の膨張機30Fは、実施例10の膨張機30Eと同様に、容積Vexpが一定のシリンダ31Fと、このシリンダ31F内を往復移動するピストン32Fと、熱交換器20で等圧受熱された作動ガスをシリンダ31F内に導く吸気流路34Fと、断熱膨張後の作動ガスをシリンダ31Fの外に導く排気流路35Fと、その吸気流路34Fの開閉を行う吸気側開閉弁36Fと、その排気流路35Fの開閉を行う排気側開閉弁37Fとが設けられている。
ここで、そのピストン32Fは、実施例10と同様に、コネクティングロッド33Fを介して圧縮機10Aと同一のクランクシャフト40に連結される。また、その吸気側開閉弁36F及び排気側開閉弁37Fについても、実施例10と同様に、クランクシャフト40の回転に同期して開閉動作を行う前述した実施例8の図14に示すポペット弁を用いてもよく、図15に示すロータリー弁45を用いてもよい。
本実施例11にあっては、実施例10と異なり、膨張機30EのストロークS2を圧縮機10AのストロークS1よりも長く設定して、膨張機30Eの容積Vexpを圧縮機10Aの容積Vcompよりも拡大している。尚、ここでは、膨張機30Eと圧縮機10Aのボア径を同一にしている。
このように、膨張機30EのストロークS2を圧縮機10AのストロークS1より長くしても、実施例10と同様に、熱交換器20での入熱量が増加した際に膨張機30Fにおいて作動ガスを大気圧Paにまで断熱膨張させることができる。
これが為、本実施例11においても排気熱回収装置の機関効率の向上が図れ、実施例10と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例12を図19−1及び図19−2に基づいて説明する。尚、ここでも、その熱エネルギ回収装置として、内燃機関(図示略)の排気熱を回収する排気熱回収装置を例に挙げる。
前述した各実施例1〜11においては、内燃機関の排気ガスの排気熱を有効利用する為に、熱交換器20を可能な限り内燃機関の燃焼室に近い位置(排気流路70の上流側)へ配置したものとして例示した。しかしながら、車輌のエンジンコンパートメントには内燃機関のみならず多種多様の部品が配備されており、必ずしも最適な位置(排気流路70の上流側)に熱交換器20を配置できるとは限らない。
そこで、本実施例12にあっては、一端を内燃機関の燃焼室に近い位置(排気流路70の上流側)へ配置すると共に、他端を熱交換器20の第2流路22に近接させた熱伝導装置80を設け、排気直後の質の高い排気熱を熱交換器20に伝達させる。
例えば、本実施例12の熱伝導装置80としては、図19−1に示すヒートパイプ80を利用する。このヒートパイプ80は、例えば、金属パイプと、この金属パイプの中に内張りされた毛細管材料(ウィック)と、この金属パイプ内に封入された少量の液体とを具備しており、一端が熱せられると液体が蒸気流となって低温の他端へと移動し、その蒸気が他端で冷却されると、凝縮した液体が毛細管現象で一端へと環流するものである。
これにより、質の高い排気熱を蒸気流と共に熱交換器20へと伝達させることができるので、熱交換器20の搭載位置に制約がある場合においても前述した各実施例1〜11の有用な効果を損なわずとも済む。
ここで、このヒートパイプ80は、外気よりも高温のエンジンコンパートメント内に配備されているので、熱交換器20側での冷却性の悪化により蒸気が残存してしまい(全ての蒸気が液化されず)、熱伝導性能が悪化する虞もある。
そこで、かかる場合には、熱交換器20の表面に図19−2に示す放熱用フィン23を設けて冷却性を向上させ、ヒートパイプ80内の蒸気の液化を促進させることが好ましい。
尚、上述した各実施例1〜12においてはピストン方式の圧縮機を例示したが、可変容量型のタービン方式の圧縮機を使用してもよい。例えば、この種の可変容量型のタービン方式圧縮機としては、従来より周知の可変入口案内翼を具備するものが考えられる。
以上のように、本発明に係る熱エネルギ回収装置は、圧縮比や膨張比を可変させて、又は膨張機の容量を増加させて熱エネルギの回収効率を向上させる技術に適している。
本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例1の構成を示す図である。 圧力比と排気熱回収効率と膨張機入口温度との関係を示すグラフである。 実施例1の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例2の構成を示す図である。 実施例2の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例3の構成を示す図である。 実施例3の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例4の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例5の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例6の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例7の構成を示す図である。 実施例7の熱エネルギ回収装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例8の構成を示す図である。 実施例8の膨張機に適用されるポペット弁について説明する図である。 実施例8の膨張機に適用されるロータリー弁について説明する図である。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例9の構成を示す図である。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例10の構成を示す図である。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例11の構成を示す図である。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例12の構成を示す図である。 本発明に係る熱エネルギ回収装置の実施例12の他の構成を示す図である。 従来の熱エネルギ回収装置の構成を示す図である。 ブレイトンサイクル機関について説明するP−V線図である。 ブレイトンサイクル機関について説明するT−s線図である。
符号の説明
10,10A 圧縮機
11 シリンダ
12 ピストン
16 吸気側開閉弁
17 排気側開閉弁
18 吸気側可変動弁機構
19 排気側可変動弁機構
20 熱交換器
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F 膨張機
31,31A,31B,31C,31D,31E,31F シリンダ
32,32A,32B,32C,32D,32E,32F ピストン
36,36A,36B,36C,36E,36F 吸気側開閉弁
37,37A,37B,37C,37E,37F 排気側開閉弁
38 吸気側可変動弁機構
39 排気側可変動弁機構
50 電子制御装置(制御手段)

Claims (3)

  1. 吸入した作動流体を圧縮するピストンを備えた圧縮機と、該圧縮機で圧縮された作動流体に高温流体の熱を吸熱させる熱交換器と、該吸熱された作動流体の膨張により押動されるピストンを備えた膨張機とを有するブレイトンサイクル機関からなり、圧縮比を可変させる圧縮比可変装置を前記圧縮機に設けると共に当該圧縮機に吸入される作動流体の温度若しくは前記膨張機に導かれる作動流体の温度に応じて膨張比を可変させる膨張比可変装置を前記膨張機に設け、又は前記膨張機のみに前記膨張比可変装置を設けたことを特徴とする熱エネルギ回収装置。
  2. 前記高温流体は内燃機関から排出されたものであり、該内燃機関の負荷状態に応じて前記圧縮比可変装置及び膨張比可変装置を作動させる制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の熱エネルギ回収装置。
  3. 前記圧縮機は、前記作動流体を流入させる吸気側開閉弁と、前記ピストンにより圧縮された作動流体を排出させる排気側開閉弁とを備え、該吸気側開閉弁と排気側開閉弁の夫々の開閉タイミングを変更することによって前記圧縮比を変更するものであり、
    前記膨張機は、前記熱交換器で吸熱された作動流体を流入させる吸気側開閉弁と、膨張後の作動流体を排出させる排気側開閉弁とを備え、該吸気側開閉弁と排気側開閉弁の夫々の開閉タイミングを変更することによって前記膨張比を変更するものであることを特徴とした請求項1又は2に記載の熱エネルギ回収装置。
JP2004148261A 2004-05-18 2004-05-18 熱エネルギ回収装置 Expired - Fee Related JP4345573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004148261A JP4345573B2 (ja) 2004-05-18 2004-05-18 熱エネルギ回収装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004148261A JP4345573B2 (ja) 2004-05-18 2004-05-18 熱エネルギ回収装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005330846A JP2005330846A (ja) 2005-12-02
JP4345573B2 true JP4345573B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=35485699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004148261A Expired - Fee Related JP4345573B2 (ja) 2004-05-18 2004-05-18 熱エネルギ回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4345573B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4577261B2 (ja) * 2006-04-26 2010-11-10 トヨタ自動車株式会社 熱エネルギ回収装置
JP5391381B2 (ja) * 2010-04-12 2014-01-15 和子 杉田 圧縮空気往復機関

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005330846A (ja) 2005-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8613193B2 (en) Vehicle waste heat recovery device
US7784300B2 (en) Refrigerator
US6928820B2 (en) Waste heat collecting system having rankine cycle and heating cycle
US5924305A (en) Thermodynamic system and process for producing heat, refrigeration, or work
US20130091884A1 (en) Heat Powered Reciprocating Piston Engine
US6138457A (en) Combustion powered cooling system
WO2010088149A2 (en) Heat engine and method of operation
US20080085198A1 (en) Fluid Pump
JP4345573B2 (ja) 熱エネルギ回収装置
US20120288391A1 (en) Heat Engine
US20160024923A1 (en) Enhanced waste heat recovery system
JP4434286B2 (ja) 外燃機関
US6003312A (en) Engine
US20070277522A1 (en) Brayton Cycle Device And Exhaust Heat Energy Recovery Device For Internal Combustion Engine
JP2010071481A (ja) 熱式圧縮機および冷暖房装置
KR100654660B1 (ko) 냉각장치
KR20060071827A (ko) 엔진실린더, 재생기와 냉각기가 일체형으로 결합된외연열기관
US10208599B2 (en) Heat engine with linear actuators
JP3676945B2 (ja) 冷却装置
JP2005325711A (ja) 熱エネルギ回収装置
JP3351800B2 (ja) 熱機関
JP3586555B2 (ja) 冷凍システム
JP2007322095A (ja) 冷凍サイクル装置
KR20120080522A (ko) 스털링 사이클 기반의 열기관 시스템
KR200435918Y1 (ko) 엔진실린더, 재생기와 냉각기가 일체형으로 결합된외연열기관

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090706

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees