JP4345085B2 - 杭用ジェットノズルの取付装置 - Google Patents
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Description
高圧紿水ホースhの先端に、ノズルソケット3を介してジェットノズル2が装着されている。
上記のジェットノズル2は、杭1の下端を基準として所定の位置に固定されなければならない。このため、前記ノズルソケット3に設けられている周溝(図では隠れている)に鋼製のバンド4を巻き掛けて、その両端部4a,4bを杭1に対して溶接してある。本発明において巻き掛けるとは、円柱面の約半周の部分に対してほぼ面接触させることをいう。また、水とは必ずしも純水に限らず海水や稀薄な泥水を含む意である。
ところが、この従来例のジェットノズル装着技術においては、次に述べるように、バンド4の両端部4a,4bの溶接が非常に難しいという問題が有る。
ところが、前記バンド4の両端部4a,4bの溶接強度が強すぎると、高圧給水ホースhを上方へ引っ張っても該溶接部が剥がれない。
溶接が剥がれなければジェットノズル2、ノズルソケット3、および高圧給水ホースhを回収することができず、いわゆる埋め捨てを余儀なくされる。これらの部材は高価であり、特に高圧給水ホースを捨てることの経済的損失は多大である。
このような不具合を解消するため、特開平8−92955(特許第2739290号)公報に係るジェットノズル固定装置が提案されている。
この発明(以下、特許発明と略称する)は、杭に対する溶接強度を制約することなく、充分の強度を持たせて杭に溶接した保持部材に対して、ジェットノズルを「剪断可能な係合部材」で係着したものである。要約すれば、ジェットノズルをシャーピンで取り付けたものである。
このため、比較的硬い地盤の中へ、圧入式杭打機によって杭を圧入する場合には、前記の特許発明が広く賞用されている。
その理由は次のとおりである。すなわち、振動式の杭打工法は、杭に対して長手方向の激しい振動を与えて杭を沈下させる。杭に振動を与えることによって地盤中に貫入せしめ得ることの理論は本発明と直接的な関係が無いので詳述を省略するが、当業者で言うところの「振動によって杭と土との摩擦を切る」という現象を利用する。初等力学用語を以てするならば、静止摩擦を動摩擦に変換すると言うこともできる。
いずれにせよ、振動杭打ちの場合には、杭に対して激しい振動が与えられるので、ジェットノズルを杭に対して取り付けている部材に対しても激しい振動が伝えられる。
耐剪力によってジェットノズルを保持する方式は、非振動杭打ちにおいては容易かつ正確に破断所要力を制御することができるが、これに比して振動杭打ちの場合は金属疲労と降伏現象とが加わって非常に複雑になる。
その結果、ジェットノズルを杭に対してシャーピン止めして振動杭打ちを行なうと、杭を打ち込んでいる途中でシャーピンが剪断され、ジェットノズルが外れてしまう。
そこで高圧水の送給を止めて高圧給水ホースを引き抜いてみると、その先端に接続されているジェットノズルが一緒に引き出されるので、シャーピンが意に反して破断されたことが判明する。
応急的な対策としてシャーピンの本数を増し、またはシャーピンの径を太くして再度杭打ちを行なってみても、シャーピンの途中破断は容易に防止できない。
(注)振動杭打と圧入杭打とは作業条件が異なるので単純に比較はできないが概要的に、シャーピンの断面積を2倍にしてみても振動杭打には耐え難いことが実験的に確認された。
高圧給水ホースの引抜力を増加すればシャーピンを剪断できたであろうけれど、引抜力を増加しようとすると、先ず高圧給水ホースの仕様を変え、巻取リールの容量を増大しなければならない。これは非常に高価な改造であって、経済的な負担に耐え難い。
読図の便宜上、バンド13に斑点を付して示してある。この斑点は断面を表すものではない。
バルブボディ12の中にバルブスプール14が収納されている。12bは、図外の高圧給水ホースを接続するための管用オネジである。
一方、杭に対してバルブボディホルダ11が溶接11aされ、このバルブボディホルダ11の中にバルブボディ12の先端部(下端部)が差し込まれている。
前記バルブスプール14には、中心孔14bの下端に直噴口14cが形成されるとともに、該中心孔14bに連通する側噴口14dが設けられている。
上記バルブスプール14の下半部はバルブボディ12のスプール案内孔12aに摺動自在に挿通され、バルブボディホルダ11の底部開口11bの周辺部に当接していて、前記バルブボディ12がバルブボディホルダ11に差し込まれている状態では図示の位置から下降できない。
バンド13は、Ω字状に成形されていて、バルブボディ12に巻き掛けられ、杭に対して溶接13aされている。
バンド13の上側の縁に舌片13eが形成され、該舌片13e付近に係合孔13fが穿たれている。
上記係合孔13fの中に位置せしめて係合突起12dが設けられ、取付ネジによってバルブボディ12に固着されている。この係合突起12dは、バルブボディ12と一体に形成しても良い。
符号10を付して示したのはOリングである。
図5に示されている状態で、バルブボディホルダ11は杭に溶接11aされ、バルブボディ12は該バルブボディホルダ11に差し込まれ、バンド13によって抜け止めされている。
上記のバンド13は杭に溶接13aされている。
抜け止め作用は、バルブボディ12に一体的に固着された係合突起12dが、バンド13の係合孔13fに嵌まり合うことによって為されている。
バルブボディ12が杭に対して上昇しようとすると、係合突起12dの上端が係合孔13fの上方の縁に当接して上昇を阻止される。
このとき、バルブスプール14はウォータージェット用のノズルとしての役目を果たしている。
該バルブスプール14は、水圧によってバルブボディ12から下方へ押し出されようとするが、バルブボディホルダ11の底部開口11bの周囲部分に当接して下降を阻止され、図示の位置を保つ。
上述のようにしてバルブスプール14の直噴口14cから高圧水を噴出しながら杭打ちが行なわれる。
係合突起12dは係合孔13fの上側の縁を強く押圧し、舌片13eを破断して上昇する。
この場合の破断の様相は、舌片13e、係合孔13f、および係合突起12dの形状によって変化する。
上記3つの構成部分の形状的条件によっては、符号tを付した箇所が引張り破断され、または符号cを付した箇所が切断(機械加工における切削に類する態様)され、これらの破断に塑性変形が加わる。
しかし、前記の係合突起12dは充分な強度を有しているので、該係合突起12dが剪断されることはない(というよりは、この特許文献発明を実施する際、上記係合突起が剪断されることのないよう、充分な強度を与えておくものとされている。
ところが、杭を打ち込む際、杭に対して相対的にバルブボディ12を上昇させようとする力が作用する。
圧入杭打ちの場合に作用する抜出し力は、主として噴出水流の反力、および地盤からの抵抗であるが、振動杭打ちの場合は振動による衝撃力が高周波で繰り返して加えられる。
その理由は、繰り返して剪断力を受けると鉄鋼材料は結晶間すべり現象を生じるので、余程強固な抜け止め部材でなければ耐え得ないからである。
抜け止め部材が強固に過ぎると、抜け止め部材を剪断してのジェットノズル(として機能する部材)の回収ができなくなる。
特許文献発明は、抜け止め部材を準切削破断することにより、杭打ち途中の破断を防止して、しかも引抜き力による破断を可能ならしめた。
その上、バルブボディの中に「側噴孔を備えたバルブスプール」を内蔵しているので、杭に対する溶接が剥がれたりしても高圧給水ホースが首を振って跳ね回る虞れがなくて安全である。
上記特許文献発明(図5)が世に出してから今日までの2年間に、ウォータジエットを併用した振動杭打ち工事が普及した陰に、この特許文献発明が在ったことを見落とせない。
その半面、2年に及ぶ実績の中から、更なる改良の必要性も発見された。
この特許文献発明の基本的原理が「係合突起12dをたがねとして機能させ、切削に準じる破断を行なう」ものであるから、たがねの刃先に相当する箇所が点接触に近くなることは避け難い。
点接触に近い状態では著しい応力集中を生じるので、杭打作業中の破断が僅少ながら発生する(例えば破断発生率2%)。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とする処は、
振動杭打ち作業に適用しても、杭打ち中の意に反した破断を完全に防止することができ、しかも、特許文献発明におけると同程度の引抜き力(高圧給水ホースに掛かるテンション)で、確実にノズルを引き抜いて回収することのできる技術を提供するにある。
ウォータージェット工法に用いられるジェットノズルを杭に取り付ける技術を改良して、杭打作業中に意に反して離脱する虞れを無くし、しかも杭を打ち込んだ後にジェットノズルを確実に回収できるようにするため、
ノズルホルダ5を杭1に溶接するとともに、図外の高圧給水ホースに接続されたノズル本体6の先端部を上記ノズルホルダに差し込み、かつ、上記双方の部材(ノズルホルダ5とノズル本体6)とを、『所定の引張力で破断されるように作られた抜け止め部材である連結部材(テンションエレメント8)』によって連結する。その連結方法は、テンションエレメント8のフック係合孔8bを「ノズル本体に固着されたエレメントフック7」に引っ掛けるとともに、該テンションエレメントの1端をノズルホルダ5に対してボルト(又はピン)で取り付ける。
杭(1)に溶接された筒状のノズルホルダ(5)の中へ、
高圧給水ホースに接続されているジェットノズル(6)の先端を差し込み、
上記高圧給水ホースに所定の大きさの引張力が掛かったとき、ジェットノズルがノズルホルダから抜き出される程度に抜け止めする装置において、
前記ジェットノズルを差し込む方向の長さを有する板状をなし、長手方向の中央付近に断面積の小さい箇所が形成されて、所定の引張力を受けると該小断面積の箇所が破断するように構成された連結部材(8)を具備し、
上記連結部材の片方の端がジェットノズルに取り付けられるようになっており、該連結部材の他方の端がノズルホルダに取り付けられるようになっていることを特徴とする。
杭を打ち終ってから高圧給水ホースを地上から引っ張って、該ジェットノズルに引抜力を与えたとき、引き抜きを阻止しようとする連結部材に掛かる引張力が所定の力を超えると該連結部材が引張り破断して、ジェットノズルの抜け出しを許容する。
このようにして、杭打作業中にはジェットノズルが意に反してノズルホルダから抜け出す虞れが無く、杭を打ち終えた後は確実にジェットノズルを引き抜いて回収し、再使用に供することができる。
上記バルブボディに設けられたスプール案内孔(12a)に嵌め合わされたバルブスプール(14)とから成り、
上記バルブボディの先端を差し込まれて、前記ノズルホルダとして機能するバルブボディホルダ(11)を備えていることを特徴とする。
その上、何らかの手違いで高圧給水ホースに高圧水を送給しながらジェットノズル(バルブボディとバルブスプールとから成っている)を地上に引き抜いてしまっても、該ジェットノズルを装着された高圧給水ホースが首を振って跳ね回る虞れがないので安全である。
前記の連結部材(テンションエレメント8)の片方の端付近にフック係合孔(8a)が形成されるとともに、
前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)にフック状の突起(エレメントフック7)が形成されていて、
上記フック係合孔をフック状突起に引っかけることによって連結部材(テンションエレメント8)をジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)に取り付けるようになっていることを特徴とする。
この工程は、フックに孔を引っ掛けるだけであるから別段の工具を必要としない。その上、引っ掛けられた箇所は杭打ち作業中に外れる虞れが無い。
前記連結部材(テンションエレメント8)の他方の端付近に1個または2個の透孔が穿たれるとともに、
前記ノズルホルダ(5)またはバルブボディホルダ(11)に1個のメネジ穴、または2個のリーマ穴もしくはリーマ穴に準ずる精度の穴が穿たれていて、
連結部材の透孔に挿通した1本のボルトを上記メネジ孔に螺合して緊定し、
または、連結部材の透孔に挿通した2本のピンを前記のリーマ穴に圧入することによって、該連結部材がノズルホルダまたはバルブボディホルダに取り付けられるようになっていることを特徴とする。
この「1本のボルト、または2本のピン」という構成は、計算によって導かれたものでもなく、理論的に斯くあらねばならないというものでもない。この構成は、発明者の多年に亙る経験的知識の蓄積と、本発明のための試験研究との結果により、装置の作動信頼性・操作容易性・製作コスト等、あらゆる要素を勘案して、最も実用的価値の高い構成として創作したものである。
前記フック状の突起(7)が、ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)と別体に構成されていて、着脱可能な構造であり、
かつ、交換用のフック状突起が準備されていて、使用に伴って損耗したフック状突起を取り外して交換用部材と取り替え得るようになっていることを特徴とする。
すなわち、前記所定の力は、例えば5トンといったように巨大な力である(これだけの力に耐えないと、杭打ち作業中に意に反して破断する虞れ無しとしない)。従って、ジェットノズルもしくはバルブボディに設けられたフック状突起は、この巨大な引張力を連結部材(テンションエレメント)に与えるので、使用に伴って損耗する。
そこで本請求項5の発明を適用して、該フック状突起を着脱交換可能な構造にしておくと、損耗したフック状突起を新品(補給パーツとして準備される)と交換することによって再生し、何十回の反復使用に耐えさせることができる。
前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)に、複数個のフック埋込溝(12c,12d)が設けられるとともに、前記の別体に構成されたフック状の突起(7)が上記フック埋込溝に半ば埋め込まれた形に嵌め合わされて取り付けられており、
使用に伴ってフック埋込溝が変形したときは、未だ変形していないフック埋込溝を使用してフック状の突起(7)を取り付け得るようになっていることを特徴とする。
すなわち、請求項5の構成を活用してフック状突起を何十回も交換していると、その取付部が次第に損傷してくる。
本請求項6を適用して該フック状突起の取付部分を、キー溝状の凹部に半ば埋め込んだ構造にすると、該取付部分の耐力が格段に増大する。
それでも、きわめて多数回の繰返し使用によってキー溝状の凹部が変形してくると、予備のキー溝状凹部に付け替えて、再び新品同様に復元することができる。
前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)と、前記高圧給水ホースとの間に、スイベルジョイント(16)が介挿接続されており、
かつ、このスイベルジョイントは、前記所定の引張力に耐え得る構造であることを特徴とする。
すなわち、連結部材によってジェットノズル(またはバルブボディ)とノズルホルダ(またはバルブボディホルダ)とを連結するには、単にジェットノズルをノズルホルダに差し込むだけでなく、双方の部材の相対的な回転(角位置)を合わさなければならない。
ところが、ノズルホルダは杭に溶接されていて手易く動かせない上に、ジェットノズルは高圧給水ホースに接続されていて手易く回すことはできない(100キログラム以上の圧力と数トンの引張力とに耐えるホースは、作業員の腕力に比してさながら剛体である)
そこで本請求項7を適用して介挿されているスイベルジョイントを利用して、高圧給水ホースに対するジェットノズルの取付位置を回すことにより、ノズルホルダに対するジェットノズルの回転角位置合わせを容易に行なうことができるので、連結部材(テンションエレメント)の取付操作を迅速容易に遂行することができる。
杭を打ち終ってから高圧給水ホースを地上から引っ張って、該ジェットノズルに引抜力を与えたとき、引き抜きを阻止しようとする連結部材に掛かる引張力が所定の力を超えると該連結部材が引張り破断して、ジェットノズルの抜け出しを許容する。
このようにして、杭打作業中にはジェットノズルが意に反してノズルホルダから抜け出す虞れが無く、杭を打ち終えた後は確実にジェットノズルを引き抜いて回収し、再使用に供することができる。
その上、何らかの手違いで高圧給水ホースに高圧水を送給しながらジェットノズル(バルブボディとバルブスプールとから成っている)を地上に引き抜いてしまっても、該ジェットノズルを装着された高圧給水ホースが首を振って跳ね回る虞れがないので安全である。
この工程は、フックに孔を引っ掛けるだけであるから別段の工具を必要としない。その上、引っ掛けられた箇所は杭打ち作業中に外れる虞れが無い。
この「1本のボルトまたは2本のピン]という構成は、計算によって導かれたものでもなく、理論的に斯くあらねばならないというものでもない。この構成は、発明者の多年に亙る経験的知識の蓄積と、本発明のための試験研究との結果により、装置の作動信頼性・操作容易性・製作コスト等、あらゆる要素を勘案して、最も実用的価値の高い構成として創作したものである。
すなわち、前記所定の力は、例えば5トンといったように巨大な力である(これだけの力に耐えないと、杭打ち作業中に意に反して破断する虞れ無しとしない)。従って、ジェットノズルもしくはバルブボディに設けられたフック状突起は、この巨大な引張力を連結部材(テンションエレメント)に与えるので、使用に伴って損耗する。
そこで本請求項5の発明を適用して、該フック状突起を着脱交換可能な構造にしておくと、損耗したフック状突起を新品(補給パーツとして準備される)と交換することによって再生し、何十回の反復使用に耐えさせることができる。
すなわち、請求項5の構成を活用してフック状突起を何十回も交換していると、その取付部が次第に損傷してくる。
本請求項6を適用して該フック状突起の取付部分を、キー溝状の凹部に半ば埋め込んだ構造にすると、該取付部分の耐力が格段に増大する。
それでも、きわめて多数回の繰返し使用によってキー溝状の凹部が変形してくると、予備のキー溝状凹部に付け替えて、再び新品同様に復元することができる。
すなわち、連結部材によってジェットノズル(またはバルブボディ)とノズルホルダ(またはバルブボディホルダ)とを連結するには、単にジェットノズルをノズルホルダに差し込むだけでなく、双方の部材の相対的な回転(角位置)を合わさなければならない。
ところが、ノズルホルダは杭に溶接されていて手易く動かせない上に、ジェットノズルは高圧給水ホースに接続されていて手易く回すことはできない(100キログラム以上の圧力と数トンの引張力とに耐えるホースは、作業員の腕力に比してさながら剛体である)
そこで本請求項7を適用して介挿されているスイベルジョイントを利用して、高圧給水ホースに対するジェットノズルの取付位置を回すことにより、ノズルホルダに対するジェットノズルの回転角位置合わせを容易に行なうことができるので、連結部材(テンションエレメント)の取付操作を迅速容易に遂行することができる。
符号6を付して示したのはジェットノズルのノズル本体部分であって、その片方の端に管用オネジ6bが形成されていて、図外の高圧給水ホースに接続される。
一方、符号5を付して示したのはノズルホルダであって、杭1に対して溶接5bで固着されている。
前記ノズル本体6の先端は筒状のノズルホルダ5に差し込まれている。
上記ノズルホルダ5とノズル本体6とは符号8の部材で連結されている。
この符号8の部材は、次に述べるように、その役目について言えば連結部材であり、その特性について言えばテンションエレメント(引張力を受ける素子)である。
この部材は中央部付近を細くして、所定の張力を受けたとき破断するように構成されている。本例においては、図の左右方向に長さを有する板状の部材であって、その中央付近に断面積の小さい箇所(いわゆる、くびれ)を形成して破断部8aが構成されている。
上記エレメントフックは、ノズル本体6に固着された突起であり、本例のエレメントフック7は1本のボルトと1本の皿頭ネジで取り付けられている。
上記エレメントフック7の図示右端部は1本のボルトでノズルホルダ5に取り付けられている。
図から理解できるように、上記のエレメントフック7をノズルホルダ5に取り付けるボルトを螺合すべきメネジ孔は、その深さ寸法を大きくとることが困難である。その理由は、筒状の部材であるノズルホルダ5の筒壁厚さ寸法よりも大きい深さ寸法が得られないからである。
2本以上のボルトを用いたり、3本以上の圧入ピンを用いたりしても構わないが、連結部材取付操作の迅速,容易性を考えると、充分な取付強度が得られることを条件として、本数は少ないことが望ましい。
(図1参照)、ノズル本体6を、図示しない高圧給水ホースの先端に接続するとともに、該ノズル本体6に対してエレメントフック7をボルトで取り付けて、フック状の突起を形成する。
一方、杭1に対してノズルホルダ5を溶接する。
杭1に溶接されたノズルホルダに、ノズル本体6の先端を差し込む。
ノズル本体に固着されているエレメントフック7に、テンションエレメント8のフック係合孔8bを掛け合わせる。
ノズル本体がノズルホルダから抜け出そうとすると、双方の部材を連結しているテンションエレメント8が抜け止めとして作用し、このテンションエレメントには引張力が掛かる(テンションエレメントに引張応力が発生する)。
現在本邦内で供給されている鉄鋼材料はJISで規格化されており、鋼種を指定すれば抗張力(単位断面積が耐え得る引張力)が正確に分かる。従って、所定の力(例えば10トン)で引張破断するテンションエレメント8を作ろうとすれば、破断部8aの断面積を設計計算的に求めて容易に、かつ比較的安価に製作することができる。
上記破断部8a以外の箇所は、所定の力に耐え得るように製作することが必要である。
このように簡単な構成で係着することは、杭打ち現場の作業を容易ならしめるという点で実用価値が高い。
前記テンションエレメントのフック係合孔8bとエレメントフック7との当接部は、なるべく面接触、または面接触に近い状態とし、局部的な応力集中を生じないようにする。
このように応力集中を避けて、局部的な切削現象を防止する点が、前記の特殊文献発明(図5)に比しての基本的な差異である。
焼入鋼製であっても、何十回かの繰り返し使用に伴って次第に損耗が進行するので、使用に耐えなくなると新品と交換する。この交換作業は1本のボルトと1本のネジとを着脱するだけであるから特殊工具を必要としない。
図1と異なる点は、(a)バルブ構造のジェットノズルを用いたこと、および、(b)エレメントフック7の取付座を複数箇所に設けたこと、である。以下、順次に説明する。
図5の特殊文献発明と図2の実施形態とに共通して、次のような構成を具備している。
バルブボディ12のスプール案内孔12aの中に管状のバルブスプール14が収納されており、このバルブスプールは直噴口11cと側噴口14dとを備えている。
上記バルブボディ12は、図外の高圧給水ホースに接続され、バルブスプールの直噴口14cからジェット水流を噴出する。
こうした機能から理解できるように、バルブスプール14を内蔵したバルブボディ12はジェットノズルである。
しかし、前述のごとくバルブボディ12はジェットノズル(の主要構成部材)であるから、このバルブボディホルダ11は図1の実施形態におけるノズルホルダ5と実質的に同一の構成部分である。
ただし、図5の特許文献発明においては、バルブボディホルダ11とバルブボディ12とが直接的に連結されていないのに比して、図2の実施形態においてはバルブボディホルダ11とバルブボディ12とがテンションエレメント8によって直接的に連結されているから、装置全体としては基本的に異なっている。
図1の実施形態では、ノズル本体6にキー溝状の凹部を削成して、埋込キーに類似した形にエレメントフック7を半ば埋設してある。
図2の実施形態では、上記キー溝状の凹部が複数の箇所に設けられている。すなわち、この図の状態で使用されているフック埋込溝12cの他に、フック埋込予備溝12eが削成されている。この予備のフック埋込溝12eは、盲蓋15で覆われている。15aは抜き取り用のタップ孔である。
何百回何千回の繰返し使用によってフック埋込溝12cが変形した場合、フック埋込予備溝12eと交替させて、更に繰返し使用を継続することができる。
(図1参照)テンションエレメント8は、バルブボディホルダ11に対してボルトで固着される。
上記のボルトを螺入するため、バルブボディホルダ11にはメネジ孔が穿たれている。
従って、該バルブボディホルダ11に対するテンションエレメント8の取付位置は、上記メネジ孔を介して定まっている。
図3に仮想線で示したテンションエレメント8は、バルブボディホルダ11に対してメネジ孔iを介して定まっている取付位置である。
バルブボディ12を回して合わそうとしても、該バルブボディは高圧給水ホース17に接続されている。この高圧給水ホースは耐圧耐張力の丈夫なもので、作業員の手で容易に捩り方向に回せるものではない。
一方、バルブボディホルダ11は杭に溶接固着されているので動かすことはできない。
そこで、この改良例では、バルブボディ12と高圧給水ホース17との間にスイベルジョイント16を介装してある。
このように構成しておくと、バルブボディ12を中心線周りに回動させて、エレメントフック7の位置を任意に動かすことができる。
2…ジェットノズル
3…ノズルソケット
4…バンド
4a,4b…バンドの端部
5…ノズルホルダ
5a…先端孔
5b…溶接部
6…ノズル本体
6b…管用オネジ
7…フック状突起としてのエレメントフック
8…連結部材としてのテンションエレメント
10…Oリング
11…ノズルホルダとして機能するバルブボディホルダ
11b…底部開口
12…ジェットノズルとして機能するバルブのボディ
12a…スプール案内孔
12c…フック埋込溝
12e…フック埋込予備溝
13…バンド
13a…溶接
13f…係合孔
14…ジェットノズルノとして機能するバルブのスプール
14c…直噴口
14d…側噴口
15…盲蓋
15a…タップ孔
16…スイベルジョイント
17…高圧給水ホース
i…テンションエレメント取付ボルト用のメネジ孔
Claims (7)
- 杭(1)に溶接された筒状のノズルホルダ(5)の中へ、
高圧給水ホースに接続されているジェットノズル(6)の先端を差し込み、
上記高圧給水ホースに所定の大きさの引張力が掛かったとき、ジェットノズルがノズルホルダから抜き出される程度に抜け止めする装置において、
前記ジェットノズルを差し込む方向の長さを有する板状をなし、長手方向の中央付近に断面積の小さい箇所が形成されて、所定の引張力を受けると該小断面積の箇所が破断するように構成された連結部材(8)を具備し、
上記連結部材の片方の端がジェットノズルに取り付けられるようになっており、該連結部材の他方の端がノズルホルダに取り付けられるようになっていることを特徴とする、杭用ジェットノズルの取付装置。 - 前記のジェットノズルは、高圧給水ホースに接続されるバルブボディ(12)と、
上記バルブボディに設けられたスプール案内孔(12a)に嵌め合わされたバルブスプール(14)とから成り、
上記バルブボディの先端を差し込まれて、前記ノズルホルダとして機能するバルブボディホルダ(11)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載した杭用ジェットノズルの取付装置。 - 前記の連結部材(8)の片方の端付近にフック係合孔(8a)が形成されるとともに、前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)にフック状の突起(7)が形成されていて、
上記フック係合孔をフック状突起に引っかけることによって連結部材(8)をジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)に取り付けるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した杭用ジェットノズル取付装置。 - 前記連結部材(8)の他方の端付近に1個または2個の透孔が穿たれるとともに、
前記ノズルホルダ(5)またはバルブボディホルダ(11)に1個のメネジ穴、または2個のリーマ穴もしくはリーマ穴に準ずる精度の穴が穿たれていて、
連結部材の透孔に挿通した1本のボルトを上記メネジ孔に螺合して緊定し、
または、連結部材の透孔に挿通した2本のピンを前記のリーマ穴に圧入することによって、該連結部材がノズルホルダまたはバルブボディホルダに取り付けられるようになっていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内のいずれか一つに記載した杭用ジェットノズルの取付装置。 - 前記フック状の突起(7)が、ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)と別体に構成されていて、着脱可能な構造であり、
かつ、交換用のフック状突起が準備されていて、使用に伴って損耗したフック状突起を取り外して交換用部材と取り替え得るようになっていることを特徴とする、請求項3に記載した杭用ジェットノズルの取付装置。 - 前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)に、複数個のフック埋込溝(12c,12d)が設けられるとともに、前記の別体に構成されたフック状の突起(7)が上記フック埋込溝に半ば埋め込まれた形に嵌め合わされて取り付けられており、
使用に伴ってフック埋込溝が変形したときは、未だ変形していないフック埋込溝を使用してフック状の突起(7)を取り付け得るようになっていることを特徴とする、請求項5に記載した杭用ジェットノズルの取付装置。 - 前記ジェットノズル(6)またはバルブボディ(12)と、前記高圧給水ホースとの間に、スイベルジョイント(16)が介挿接続されており、
かつ、このスイベルジョイントは、前記所定の引張力に耐え得る構造であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6の内の何れか一つに記載した杭用ジェットノズルの取付装置。
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