JP4344694B2 - 脳のパラメータを測定するための装置 - Google Patents

Description

人の脳の脳圧又は他のパラメータを測定するために硬膜上又は硬膜下にプローブを移植することは、公知の技術である。これらプローブは脳圧を測定する測定センサーを備えており、それを電気信号に変換し、ケーブル接続によりそれを患者モニターに伝送する。

そこで測定値が処理され、数字として読むことができるように示され、また曲線として図式に示される。

しかしながら、患者モニターは異なる設計のソケットを有し、操作によって壊れやすいので、測定センサーを有するプローブと患者モニターの間のケーブル接続はかなりの努力によってのみ作られる。さらに、ほとんど全ての診断測定要素は特別なケーブルを必要とし、それで特に集中的なケアユニットでは患者は紛らわしい数のケーブルに接続される。これは患者のケアを複雑にし、患者にリスクをもたらす。

これは、特に、患者をストレスのある状況で治療しなければならないとき、又は輸送しなければならないときに当てはまる。

欠陥のある測定又は測定プローブの全体の故障が起こり得る。その結果、新しい測定プローブを移植しなければならない。

全般に、ケーブル接続の使用は費用がかかり、特定の場合にはそれは患者の高いリスクと結びつく。

移植のための一体型測定センサーを有するこのタイプのプローブは、例えば、REHAU AG+CO.社、ジョンソンアンドジョンソン社、カミノ社、メドトロニック社によって作られる。

特許文献１の主題は、例えばニューロモニターのための、無線医療診断及びモニターシステムである。システムは評価ステーションと、患者の皮膚の表面に取り付けられた１つ又は複数の電極を有する。

電極は、アンテナを有するデジタル送信ユニット、オプションとして受信ユニット、電源ユニット及び少なくとも１個の半導体センサーを有する。半導体センサーは、特にＥＥＧ又はＥＫＧ信号の検出に用いられる。

この解決法は、患者の皮膚表面に取り付けられた電極しか使用できないという欠点を有する。

恒久的に又は外来患者に基づいて、水頭症の治療のためにシャントシステムにおいて脳圧測定を実行する試みにより、移植された測定プローブとセンサーが結合された。センサーの測定信号は遠隔式に所与の評価ユニットに連結している。

例えば特許文献２は、特に脳圧の測定のための移植可能な測定ユニットについて記述している。その中で、センサー要素と遠隔ユニットは軟質フィルムに固定されている。遠隔ユニットは外側のコイル有し、移植された回路基板は誘導的に電力を供給され、さらに送信機要素で測定されたデータが誘導的に評価ユニットに送信される。

欠点は、このようなデータ又は電力の誘導無線送信は非常に短い距離−２，３ミリメートル−しか機能せず、それで硬膜上での測定と、場合によっては硬膜下での測定しか可能でないことである。特許文献３は、外側の寸法が１．０×１．０×０．６ｍｍよりも小さい、特に小さい移植可能な装置について記述している。それは、人間又は動物の体又は器官の圧力及び／又は流れ及び／又は温度の連続的な測定に適している。この装置はネットワークの値又は測定信号を経皮的に、ケーブルシステムなしで本体の外側に位置する受信機に送信する。本体は測定信号を処理し、それらをディスプレイに運ぶ。

チップに一体化された、すなわちしっかり連結されたこのようなセンサー遠隔ユニットシステムは、指示のために最適な位置で所望のパラメータ（例えば、脳圧、温度）を測定するのに適していない。

その理由は、それら（システム）が問題なく硬膜上にのみ、また場合によっては硬膜下にも移植できることである。測定により適する位置に、すなわち実質（柔組織）又は脳室にそれらを移植することは可能ではない。

これらの領域では、誘導又はＨＦフィールドを用いた外部電源も実質的に不可能である。その結果、測定及び送信機ユニットは短い時間の間しか機能しない。

さらには、磁気共鳴画像法のような画像法をしばしば必要に応じて付加的に用いることは、移植された制御及び調節テクノロジーの機能障害や、回路システムの誘導電流を生じさせ、また忘れてはならないのであるが、インプラントを取り囲む組織の加熱及びダメージを生じさせる。

一般的に、移植されたセンサーからの信号の遠隔送信に関連して記述した従来技術の点から、それらの成功した実用的な実行に関する報告はこれまでのところ手に入らないと言ってよい。

DE 4329898 A1 DE 19705474 A1 DE 4341903 A1

ゆえに、感応式の特定のセンサーの設計に加えて、特に測定位置が人の脳における生理学的データを正確に測定するのにきわめて重要であることを考えれば、本発明の目的は、以下の特徴を有する脳のパラメータを測定するための装置を提供することである：
−所望のパラメータの測定が通常通りに、古典的な医学的に認められた位置、すなわち実質及び／又は脳室で可能である。必要ならば、硬膜上又は硬膜下での測定も可能である。
−患者データの送信及び処理はデジタルで遠隔装置を介して行われる。
−モジュラーシステムが利用でき、測定装置が−所与の条件しだいで−注文により組み立てられる。
−電子ユニットはその殺菌後に再利用可能である。

この目的は本発明によって以下のようにして達成された。
−センサーがポリマー材料のカテーテルの中に配設され、オプションとして液体排水用の少なくとも１つのルーメンを含む。
−カテーテルが、環状固定要素によってベースプレートの中心の切抜部にしっかりときつく、しかし着脱可能に固定される。
−センサーユニット及び電子ユニットがマイクロプラグによって互いに接続されている。
−カテーテル及びセンサーを有する測定ユニット、ベースプレートに設けられた電源を有する電子ユニット、及びこれらの上の着脱可能なカバーが頭骨の上で完全に頭皮の下に配置され、外に向けて完全に閉じられている。

本発明を以下により詳細に説明する。

ベースプレートはセミフレキシブルであり、中央の切抜部を有する。切抜部は接続ピースと一体化した環状固定要素を有する。もう１つの選択肢として、少なくとも２つの異なるサイズのカテーテルにとって適切で、ベースプレートにカテーテルを傾けて取り付けられるバルブを有する球形筐体が、その位置に備えられる。

電子ユニット及びカテーテルを完備した後、ベースプレートは移植のためにフレキシブルでしっかりフィットする着脱可能なカバーを備えられる。

センサーユニットはカテーテルを有する。カテーテルは、例えば、脳圧、温度、ＣＯ_２浸透又はｐＨなどを測定するために１つ又は複数のセンサーを有する。液体排水のために、少なくとも１つのルーメンがカテーテルに一体化している。カテーテルは基部の端に電子ユニットと接続したマイクロプラグを有し、それで測定信号が獲得され、評価ユニットに伝えられる。

セミフレキシブルなカバーの下に位置する電子ユニットは再殺菌可能であり、従ってベースプレートを分解して、マイクロプラグを抜くことによりカテーテルを分離した後、再利用できる。

本発明の装置の具体的な利点は、モジュラーの設計のために、構成要素がすぐに使えるように組み立てられることである。例えばＣＨ３の直径を有する短いカテーテルは実質の測定に用いられ、ＣＨ６の直径を有する短いカテーテルは液体排水による脳室領域の測定に用いられる。

本発明によれば、センサーユニットと電子ユニットが初めに互いに分離していること、すなわちモジュールに細分されていることに特に利点がある。ゆえに、センサー／複数のセンサーを含むカテーテルは、最適な測定位置、すなわち脳室又は実質に、通常の態様で、例えばスリーブ又はマンドリンによって−頭皮を開き、頭骨に穴を開けた後−最小限に侵襲して配置される。
次に、カテーテルの基部の端がベースプレートの中心の切抜部を介して固定要素に螺子止めされ、マイクロプラグによって電子ユニットと接続される。最後に、このようにして完備されたベースプレートはセミフレキシブルカバーにしっかり繋がれ、頭皮は再び閉じられる。

センサーを埋め込み、ワイヤーをカテーテルと非金属センサー筐体に接続することにより、周りの組織の熱の増加と測定位置のずれが防止され、従って特に磁気共鳴映像（ＭＲＩ）において、測定と画像診断の使用の間におけるアーチファクトの発生が防止される。
再充電可能なバッテリーが使用されれば、誘導熱電の又はＨＦフィールド充電がこのように保証される。これらの機能は、ＭＲＩ試験の間、構成要素を遮蔽し又はセンサーユニットのスイッチを切ることによって保護される。

測定センサーと液体排水用のルーメンが組み込まれたカテーテルの場合、接続ピースがベースプレートと一体化している。ベースプレートはルーメンを測定ユニットから離れて患者の近くにガイドし、それを患者の胸腔や腹腔に入ったカテーテルと接続する。シャントバルブとの接続も可能である。
ゆえに、全てのシステムアセンブリは原則として閉鎖系として設計される。

移植されたシステムの電源のための興味深い本発明のオプションは以下のようである：

脳圧が脳室で測定される場合、液体の流れは小型発電機による電力発生のために用いられる。この目的のために、流入・流出開口を有するチャンバーがセンサー筐体に一体化している。それらの間に、接続された発電機を有するタービンが設けられている。

本発明を例示の実施形態で詳細に説明する。図１の説明のための拡大図を参照せよ。

モジュラーシステム設計における移植された装置はカテーテル１から構成され、カテーテルは先端に温度センサー２と圧力センサー３を有しており、頭骨５を通って脳組織４に延びる。
螺子１４で頭骨５に固定されたベースプレート６が、電子ユニットと内部の糸を有する一体型固定要素７とを有する。この糸によって、螺子９はシール８に力を加え、セミフレキシブルカバー１２とベースプレート６の間のスペースは脳組織４に対してしっかり閉じられる。同時に、カテーテル１はベースプレート６に固定され、従って頭骨５に固定される。カテーテル１の基部の端に位置するマイクロプラグ１０は、コード１６を介して電子ユニット１１に接続している。
無線信号が機能性のために装置を試験するために用いられる。その後、セミフレキシブルカバー１２は螺子１５によってしっかり、しかし着脱可能にベースプレート６に接続している。
頭皮１３は上に伸び、移植された装置を保護する。

本発明の脳のパラメータを測定するための装置を示す図である。

符号の説明

１，２，３ センサーユニット
４ 脳組織
５ 頭骨
６ ベースプレート
７ 固定要素
８ シール
９，１４，１５ 螺子
１０ マイクロプラグ
１１ 電子ユニット
１２ セミフレキシブルカバー
１３ 頭皮
１６ コード

Claims (8)

1. 実質及び／又は脳室に先端を最小限に侵襲して移植することができ、かつベースプレート（６）の中心に配設された固定要素（７）に基部を担持されるように設計されたセンサーユニット（１，２，３）を有する脳のパラメータを測定するための装置において、
   センサーユニット（１，２，３）がマイクロプラグ（１０）により電子ユニット（１１）と電気的に接続しており、
   測定装置が、固定要素（７）、固定要素（７）に担持されたセンサーユニット（１，２，３）の部分、電子ユニット（１１）及びマイクロプラグ（１０）を有する基部のアセンブリを有し、
   基部のアセンブリ（１，２，３，７，１０，１１）は、セミフレキシブルカバー（１２）によってしっかりきつく、しかし着脱可能に接続され、頭骨と頭皮の間に配置できるように実現される
   ことを特徴とする装置。
2. モジュールに細分されていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 電子ユニット（１１）が、主要構成要素として電源、送信機、受信機、制御ユニット及びマイクロプラグソケットを有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
4. センサーユニット（１，２，３）がポリマー材料のカテーテル（１）と、脳圧、温度、ＣＯ_２分圧、酸素分圧の群の１つを測定するために少なくとも１個のセンサー（２，３）とを有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
5. カテーテル（１）が、センサー構成要素のための少なくとも１つのルーメンと、さらにオプションとして液体排出用の少なくとも１つのルーメンとを有することを特徴とする、請求項４に記載の装置。
6. 液体排出用のルーメンを有するカテーテル（１）が、ベースプレートの接続ピースによって患者の腹腔に配置された別なカテーテルに接続しており、別なカテーテルと共に閉鎖系を形成することを特徴とする、請求項４に記載の装置。
7. 電子ユニット（１１）が殺菌可能であり、再利用可能であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
8. 電子ユニット（１１）は、クモ膜下腔のナノタービン、熱素子又は圧電装置の群の１つを利用することにより内生的エネルギーを使用することを特徴とする、請求項１に記載の装置。

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