JP4343563B2 - 流速検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流速検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
流路を流れる流体をスポット的に加熱し、その暖められた流体部分の移動速度を基に流体の速度を検出する熱式流速検出装置が知られている。例えば、管内を流れる流体の流量を求めるために、流体をスポット的に温度上昇させるヒータを管の上流に設けその下流に2つのサーミスタを間隔をおいて設置して流量検出装置を構成することが提案されている。この流量検出装置では、管内を通常の流速で流体が流れる場合は、上流および下流のサーミスタの検出波形からヒータでスポット温度上昇された流体の通過時間を求め、通過時間と上流サーミスタと下流サーミスタ間の距離と管の断面積から単位時間あたりの流量を求め、管内の流体の流速が低下した場合には、サーミスタによる検出信号の波形が著しくなだらかになって精度が低下するため、ヒータの駆動時間から上流側サーミスタをスポット温度上昇した流体が通過するまでの時間と、ヒータと上流側サーミスタとの距離および管の断面積から単位時間あたりの流量を求めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、管の上流側と下流側にそれぞれ温度センサを設け、管の上流側温度センサより上流部分に第1の冷却機構、管の下流側温度センサより下流部分に第2の冷却機構を設け、流量が少ない場合にも過度の温度の上昇を防止することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、第1および第2の冷却機構を動作させることによって、上流側センサおよび下流側センサ間の管が両側から冷却されて管および流体の温度上昇が抑制され、管および流体の温度が一定値以下に維持されるので、流体として液体を用いる場合にも、流体の沸騰を防止して安全性を向上でき、さらに気泡の発生を防止して測定精度の向上を図ることができる。
【0004】
また、本発明の出願人は、「温度揺らぎを利用した静電容量式流速検出装置」の発明を平成14年2月27日に出願している(特許文献3参照)。この流速検出装置は、流体が流れる管に近接して2個のコンデンサを設け、コンデンサの漏れ電場によって流体に自然に生じた温度揺らぎによる比誘電率の変化を検出して温度変化を検出し、この温度変化によって流体の流速を算出する方法である。この方法は、流体内に検出器を挿入することなく流体に非接触方式で流速を検出できるという特徴を有している。
【0005】
しかしながら、特許文献1の流量検出装置では、加熱をスポット的に行うものの流量が微小な場合流体への熱の移行が問題となることが考えられる。また、流量計のダイナミックレンジを大きく取るために温度検知部が複数必要なことと、どちらの温度検知部で得られた流速を採用するかを選択する手段が必要となるという問題を有している。
【0006】
特許文献2では、冷却機構を持つことで流体の加熱は防止できるものの、冷却部と加熱部とを別に持つなど、構成が複雑となるという問題を有している。
【0007】
特許文献3では、実験室内の微小薬液流のような流体の場合には流体の温度揺らぎがほとんどないので、計測が困難になるという問題を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−046610号公報
【特許文献2】
特開平5−079875号公報
【特許文献3】
特開2003−254987号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、流体に非接触で流速を検知する熱式の流速検知装置において、低流速時や流れがない場合でも流体の温度が上昇する現象を発生しない、簡単な構成で広いダイナミックレンジを有する流速検知装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、流体が流れる管に接して加熱/冷却手段を、該加熱/冷却手段の下流側に流体の温度を検出する温度検出手段を設け、加熱/冷却手段に印加した加熱/冷却信号と、温度検出手段が検出した信号の位相を比較して流速を検知する。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、内部に流体が流れる管の外側に接して加熱/冷却手段を設け、前記管において前記加熱/冷却手段の下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段とを備えた流速検知装置において、前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該サーモモジュールの一方の伝熱面が前記管に接して設けられ、前記加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に供給する電源と、前記温度検出手段の出力から流速を算出する流速演算手段とを備えた。また、前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極を前記管に近接して設置した。さらに、前記流速演算手段を前記電源から前記加熱/冷却手段に供給される電圧の位相と温度検出手段が検出した温度の位相とを比較して時間差を出力する位相検出手段と、該位相検出手段が出力した時間差に基づいて流速を演算する演算手段とから構成した。
【0012】
また、本発明は、内部に流体が流れる管の外側に接して2個の加熱/冷却手段を上流側と下流側に所定の距離離して設け、前記管の下流側の加熱/冷却手段のさらに下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段とを備えた流速検知装置において、前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該2個のサーモモジュールのそれぞれいずれか一方の伝熱面がそれぞれ前記管に接して設けられ、前記2個の加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に、かつ一方のサーモモジュールを加熱または冷却するときには他方のサーモモジュールを冷却または加熱するように電圧を供給する電源と、前記温度検出手段が検出する流体の温度揺らぎが最小となるように上流側の加熱冷却手段の加熱または冷却より下流側の加熱冷却手段の冷却または加熱を所定の時間遅れるように前記電源の動作を制御する制御装置と、該制御装置からの時間遅れ量を用いて速度を算出する流速演算手段とを備えた。さらに、前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極を前記管に近接して設置した。
【0013】
さらに、本発明は、内部に流体が流れる管の外側に接して加熱/冷却手段を設け、前記管において前記加熱/冷却手段の下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段とを備えた流速検知装置において、前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該サーモモジュールの一方の伝熱面が前記管に接して設けられ、前記加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に供給する電源と、前記温度検出手段の出力から電源の周波数を制御するPLL回路と、該PLL回路の出力から流速を算出する流速演算手段とを備えた。また、前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極を前記管に近接して設置した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる、流速検知装置の構成と測定原理を、図を用いて説明する。図1は、本発明にかかる流速検知装置の構成の概要を説明する図である。
【0015】
本発明は、内部を流体Rが流れる管1に接触して設けた加熱/冷却手段2と、該加熱/冷却手段の下流側に設けた温度検出手段3と、加熱/冷却手段2に加熱電力と冷却電力を供給する電源4と、加熱/冷却手段2に供給する加熱/冷却電力の位相と温度検出手段2が検出した温度の変化の位相を比較して時間差を算出する位相比較手段5と、位相比較手段の出力により流速を算出する速度演算手段6から構成される。加熱/冷却手段2と温度検出手段3は、所定の間隔L1を保持して管1に配置されている。
【0016】
管1は、内部に液体などの流体Rが流れる管路である。管1は、加熱/冷却手段2が接する部分では熱伝導率の大きな材料を用いることが望ましい。
【0017】
加熱/冷却手段2は、ペルチェ素子からなるサーモモジュールから構成され、直流電圧を所定の方向から印加することによって、前記一方の電極に接した伝熱面から発熱して熱電発熱し、一方の電極に接した伝熱面から吸熱して熱電冷却する。印加する直流電圧の方向を変えることによって吸熱と発熱の方向を変えることができる。この吸熱または発熱は、管1内の流体Rに伝えられる。印加する電圧の方向を周期的に変化させることによって、加熱と冷却が繰り返えされ、流体R全体の温度上昇を抑えることができる。なお、加熱方向の電圧とは、管1に接する伝熱面が発熱する方向の電圧をいい、冷却方向の電圧とは管1に接する伝熱面が吸熱する方向の電圧を言う。
【0018】
電源4は、加熱/冷却手段2に直流電力を供給する手段であり、所定の周期Tで加熱方向と冷却方向の直流電圧を出力する。
【0019】
位相比較手段5は、加熱/冷却手段2に印加される直流電圧Eの位相と温度検出手段3が検出した温度の変化Sの位相との差を比較して時間差tを得る手段である。
【0020】
速度演算手段6は、位相比較手段4が検出した時間差tと加熱/冷却手段2と温度検出手段3の距離L1を用いて流速vを算出する手段である。
【0021】
温度検出手段3は、熱電対など周知の温度測定手段を用いることができ、熱電対などを管1の外壁部分や、可能であれば流体Rに直接接するように適宜設置して流体Rの温度を検出する。特に、前記特許文献3に開示された「温度揺らぎを利用した静電容量式流速検出装置」に用いた温度検出手段を用いれば、流体Rに非接触で温度を検出することができるため温度検出手段の設置の自由度が増すなど都合がよい。その際管1の該静電容量式流速検出装置に用いた温度検出手段が配置される部分は管やその周辺材料において誘電率の低い材料を用いることが望ましい。さらに、温度検出手段3は、検出した温度変化を矩形波に整形して位相比較手段5の一方の入力へ出力する働きを有している。
【0022】
この非接触方式の温度検出手段の構成例および温度を検出する原理を、図2、図3を用いて説明する。図2に示すように、温度検出手段3は、平板状の誘電体313の両表面に設けた静電電極板311,312からなるコンデンサ31を管1に近接して配置して構成される。さらに、コンデンサ31の静電電極311,312には発振回路32が接続され静電容量検出手段として構成される。コンデンサの一方の電極311と他方の電極312に高周波電圧を印加すると、誘電体313に高周波の電場が生じるが、実際には、さらに電極の縁を廻り込む電場も生じる。この外部に漏れる電場がコンデンサ31の近傍に設けた管1を流れる流体Rを通過するときには、管1に流れる流体Rの比誘電率がコンデンサ1の静電容量に影響を与える。流体Rの比誘電率は温度に依存するので流体Rの温度が変化すればコンデンサ31の静電容量に変化が生じる。
【0023】
図3に示すように、静電容量検出手段を構成する発振回路32は、例えばRC発振回路として構成され、直列に接続された2個の排他的論理和素子321.322と、直列に接続された2個の抵抗323,324を互いに並列に接続し、排他的論理和素子321,322の接続点および抵抗323,324の接続点間にコンデンサ31を接続して構成される。排他的論理和素子321の一方の入力は接地され、他方は抵抗323に接続される。排他的論理和素子322の一方の入力は電源Vccに接続され、他方は排他的論理和素子321の出力とコンデンサ31に接続される。コンデンサ31の容量Cが変化すると発振回路32の発振周波数fが変化して、容量が変化したことすなわち管1内を流れる流体Rの温度が変化したことを知ることができる。
【0024】
図1において、電源4からの直流電圧Eの印加方向を周期Tで変えることにより加熱/冷却手段2が周期Tで管1内の流体Rの加熱と冷却を繰り返す。温度揺らぎを与えられた流体Rの温度変化を温度検出手段3が検出する。温度検出手段3は、検出した温度変化を矩形波に整形して位相比較手段5の一方の入力へ出力する。位相比較手段5は印加電圧Eと検出した温度変化を比較して時間差tを出力する。速度演算手段6は、時間差tと距離L1を用いて流速を算出する。
【0025】
この図1の流速検知手段を用いて管1内を流れる流体Rの流速vを検出した結果を、図4、図5を用いて説明する。図1において管1は外径が6mm、内径が4mmであり、加熱/冷却手段2の伝熱面は4cm×4cmである。コンデンサ(電極の大きさ;5cm×5cm)と発振器からなる温度検出手段3を加熱冷却手段2の下流側25cmのところに配置した。また、比較に供するために温度測定手段3のさらに下流側17cmのところに熱電対を管1内に挿入して直接流体Rの温度を測定した。
【0026】
加熱/冷却手段2に印加する電圧8V、電流1.8Aとして、加熱を20秒行った後に20秒間加熱停止しその後20秒間加熱することを繰り返した。温度測定手段3および管内に挿入した熱電対から得られた信号を図4に示す。図4において、熱電対の検出温度変化をA、温度検出手段3が検出した信号の変化をBで示している。図示のとおり、温度検出手段3の信号の変化は熱電対が検出した温度変化の波形とほぼ同様で、温度検出手段3は加熱/冷却手段2で発生させた温度変化を非接触方式によって確実に検出していることが解る。
【0027】
前述の条件において、加熱/冷却手段2が発生した温度変化に対して温度検出手段3が計測した検出周波数の変化の位相差(時間的なずれ)は1.97秒であった。これにより流体Rの流速は12.69cm/secと算出される。また、加熱/冷却手段2が発生した温度変化に対して熱電対が計測した温度変化の位相差(時間的なずれ)は3,3秒であった。これにより流体Rの流速は12.7cm/secと算出される。ここで、別途計測した流体Rの流量が1.6cm3/secであることから、管1の断面積より流速は12.73cm/secとなり前述の変化の位相差から算出されたものと良い一致となっており、本発明で、流体の流速が測定できることが示された。
【0028】
しかし、図4より明らかなように、加熱/冷却手段2の動作が加熱20秒と加熱停止20秒の繰り返しでは、本条件下において流体Rの温度が徐々に上昇していくことが解る。これは、加熱/冷却手段2で発生した熱が流体Rに100%移行するのではなく、加熱/冷却手段2自体やその周辺の部材に蓄熱していき、その後徐々に流体Rに熱が拡散していくためと考えられる。流体Rの温度があまり問題にならない場合はこのままでも測定可能であるが、温度上昇が問題となるような流体の場合都合が悪い。
【0029】
前述した図1の条件下で加熱/冷却を20秒毎に繰り返した場合の流体Rの温度変化を熱電対を用いて検出した結果を図5に示す。図示のとおり、検出温度に多少のばらつきがあるものの、流体Rの温度はほぼ一定の温度域に保たれている。このことより、図4に示した間隔をおいて加熱を繰り返す場合に比較して、図4に示した加熱/冷却を繰り返す方法は流体Rの不必要な温度上昇を阻止できる点で都合がよい。なお、加熱/冷却手段2が発生した温度変化と図5に示した温度変化の位相差より流速が検出できるのは前述のとおりである。
【0030】
以上のように、この流速検知装置によれば、管内を流れる流体Rの速度を非接触で検知することができ、間隔をおいて繰り返し流体Rを加熱する場合に比べ、加熱と冷却を繰り返すので、流体Rの系の温度上昇を防ぐことができるとともに、加熱時と冷却時の温度差を大きく取れるので、測定精度を向上させることができる。
【0031】
図6および図7を用いて、本発明第2の実施の形態を説明する。この実施の形態は、加熱/冷却手段2を管1に接して所定の間隔L2を置いて2個設けるとともに、2個の加熱冷却手段2−1,2−2の加熱/冷却を制御する制御装置7を設けている。制御装置7は、第1の加熱/冷却手段2−1における加熱または冷却と第2の加熱/冷却手段2−2における加熱または冷却をそれぞれ逆に行ない、温度検出手段3において流体の温度の揺らぎを検出しないように、第2の加熱/冷却手段2−2における加熱/冷却を第1の加熱冷却手段2−1の加熱/冷却より所定の時間tだけ遅らせて行うように制御する。温度検出手段3が検出した温度揺らぎが最小となる時間差tと2個の加熱/冷却手段2−1.2−2間の距離L2を用いて流速を算出する。第1の加熱冷却手段2−1と第2の加熱冷却手段2−2は同一構造のペルチェ素子で構成することができ、第1の加熱/冷却手段の第1の伝熱面と第2の加熱/冷却手段の第1の伝熱面を管に接触させるときには、第1の加熱/冷却手段と第2の加熱/冷却手段に印加する電圧の方向を逆とすることによって、それぞれ異なる状態に加熱または冷却することができる。また、第1の加熱/冷却手段の第1の伝熱面と第2の加熱/冷却手段の第2の伝熱面を管に接触させるときには、第1の加熱/冷却手段と第2の加熱/冷却手段に印加する電圧の方向を同じとすることによって、それぞれ異なる状態に加熱または冷却することができる。いずれの場合も下流側の加熱/冷却手段2−2は、第1の加熱/冷却手段2−1よりも時間tだけ遅れて逆の加熱冷却を行えば、温度検出手段3での温度揺らぎの検出を最小とすることができる。ここで、温度検出手段3は、熱電対など周知の手段が利用可能だが、図示したコンデンサと発振器から構成される温度検出手段によれば流体に非接触で検出が可能であるという利点がある。
【0032】
すなわち、この実施の形態になる流速検知手段では、加熱/冷却手段2−1で熱が授受されて温度揺らぎを与えられた流体Rが、加熱/冷却手段2−2で温度揺らぎを打ち消す方向に熱が授受され、温度検出手段3に到達した時点では温度揺らぎを持っていないように制御するので、流体系の温度変動を小さくすることができる。
【0033】
図6は、第2の実施の形態にかかる流速検知装置の構成の概要を示すブロック図であり、図7は加熱/冷却手段に与えられる電力および流体の温度と温度検出手段で検出した温度変化を、横軸を時間軸として説明する図である。第1の加熱/冷却手段2−1に印加されるエネルギーを破線E1で流体Rの温度を実線P1で、第2の加熱/冷却手段2−2に印加されるエネルギーを破線E2で流体Rの温度を実線P2で示し、Sは温度検出手段3における検出温度を示している。加熱/冷却手段2−1と加熱/冷却手段2−2に互いに逆位相となる電力E1,E2を供給したときに、流速が無限大の場合には、図7(F)に示すように加熱/冷却手段2−1の加熱(冷却)と加熱/冷却手段2−2の冷却(加熱)と冷却が打ち消しあい温度検出手段3が検出した流体Rの検出温度の揺らぎは最小となる。
【0034】
しかながら、流体Rの速度がある値vであるときには、加熱/冷却手段2−1で加熱(冷却)してから時間t=L2/v後に加熱/冷却手段2−2の到達する流体の温度変化は図7(C)に示すように図7(A)に比較して時間tだけ遅れている。これに対し、第2の加熱/冷却手段2−2において、図7(B)のタイミングで冷却(加熱)すると、温度検出手段3では図7(D)に示すように温度の揺らぎを検出する。この結果、第2の加熱/冷却手段2−2において、第1の加熱/冷却手段2−1での加熱(冷却)開始から検出した温度が変化する時間差tだけ位相をずらした図7(E)に示すように時間差t分遅延して第1の加熱/冷却手段2−1における加熱(冷却)と逆位相で冷却(加熱)することにより、図7(F)に示すように、流体Rの熱の揺らぎをなくすことができる。
【0035】
第2の加熱/冷却手段2−2で時間差tだけ遅延させて冷却(加熱)することにより温度検出手段3での検出温度に揺らぎがなくなった場合、速度演算手段6において、時間差tと予め決まっている距離L2とを、流速v=t/L2に代入することによって流速vを演算して、流体Rの流速を検知することができる。
【0036】
本発明第3の実施の形態にかかる流速検知装置の構成とその動作を、図8を用いて説明する。第3の実施の形態にかかる流速検知装置は、PLL(フェイズロックループ)回路8を用いて流速を検知するものであり、第1の実施の形態にかかる流速検知装置が位相比較器5の結果を用いて速度演算手段6において流速を検出するのに対して、PLL回路8の出力fによって流速vを検出する点で異なっている。PLL回路8は、位相比較器81と、LPF82と、VCO83を図示のように接続して構成され、LPF82からVCO83に入力される信号が最小になるようにVCO83の出力fを制御する。この回路では、VCO83の出力fと温度検出手段3の出力Sの位相差がπ/2のときPLL回路8の出力が最小となる。したがって、加熱/冷却手段2の駆動は周波数fでなされ、そのときの周波数fと位相差tとの関係は、t=1/4fで示され、流速v=t/L1となる。
【0037】
この実施の形態によれば、周波数が連続的に自動的に調整されるので、流速計測範囲が連続したものとなり、ダイナミックレンジを広く取ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で、流体系の温度上昇を防止しながら流速検知が可能で、また、温度検知手段に静電容量式の手段を用いれば、流体に非接触で流速検知が可能であるという優れた効果をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる流速検知装置の構成の概要を説明するブロック図。
【図2】本発明に用いる温度検出手段の構成を説明する概念図。
【図3】本発明に用いる発振器の構成の概要を説明する図。
【図4】従来の技術による温度検出の状態を説明する図。
【図5】本発明による温度検出の状態を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる流速検知装置の構成の概要を説明するブロック図。
【図7】第2の実施の形態における温度検出の状態を説明するタイムチャート。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる流速検知装置の構成の概要を説明するブロック図。
【符号の説明】
1 管
2 加熱/冷却手段
3 温度検出手段
31 コンデンサ
32 発振器
4 電源
5 位相差検出手段
6 速度演算手段
7 制御装置
8 PLL回路
81 位相差検出手段
82 LPF
83 VCO
Claims (7)
- 内部に流体が流れる管の外側に接して加熱/冷却手段を設け、前記管の前記加熱/冷却手段の下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段を前記管に近接して備えた流速検知装置において、
前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該サーモモジュールの一方の伝熱面が前記管に接して設けられ、
前記加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に供給する電源と、
前記温度検出手段の出力から流速を算出する流速演算手段とを備えたことを特徴とする流速検知装置。 - 前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極が前記管に近接して設置されることを特徴とする請求項1に記載の流速検知装置。
- 前記流速演算手段が前記電源から前記加熱/冷却手段に供給される電圧の位相と温度検出手段が検出した温度の位相とを比較して時間差を出力する位相検出手段と、該位相検出手段が出力した時間差に基づいて流速を演算する演算手段とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流速検知装置。
- 内部に流体が流れる管の外側に接して2個の加熱/冷却手段を上流側と下流側に所定の距離離して設け、前記管の下流側の加熱/冷却手段のさらに下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段とを備えた流速検知装置において、
前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該2個のサーモモジュールのそれぞれいずれか一方の伝熱面がそれぞれ前記管に接して設けられ、
前記2個の加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に、かつ一方のサーモモジュールを加熱または冷却するときには他方のサーモモジュールを冷却または加熱するように電圧を供給する電源と、
前記温度検出手段が検出する流体の温度揺らぎが最小となるように上流側の加熱冷却手段の加熱または冷却より下流側の加熱冷却手段の冷却または加熱を所定の時間遅れるように前記電源の動作を制御する制御装置と、
該制御装置からの時間遅れ量を用いて速度を算出する流速演算手段と
を備えたことを特徴とする流速検知装置。 - 前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極が前記管に近接して設置されることを特徴とする請求項4に記載の流速検知装置。
- 内部に流体が流れる管の外側に接して加熱/冷却手段を設け、前記管において前記加熱/冷却手段の下流側に前記流体の温度を検出する温度検出手段とを備えた流速検知装置において、
前記加熱/冷却手段がペルチェ素子から構成されたサーモモジュールであり該サーモモジュールの一方の伝熱面が前記管に接して設けられ、
前記加熱/冷却手段に加熱方向の電圧と冷却方向の電圧を交互に供給する電源と、
前記温度検出手段の出力から前記電源の周波数を制御するPLL回路と、
該PLL回路の出力から流速を算出する流速演算手段と
を備えたことを特徴とする流速検知装置。 - 前記温度検出手段が、発振器を構成するコンデンサで構成されるとともに、該コンデンサの一方の電極が前記管に近接して設置されることを特徴とする請求項6に記載の流速検知装置。
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