JP4342784B2 - 分岐体のcpr画像表示処理方法、分岐体のcpr画像表示処理装置及びプログラム - Google Patents

分岐体のcpr画像表示処理方法、分岐体のcpr画像表示処理装置及びプログラム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理方法、分岐体のCPR画像表示処理装置及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CT画像を用いた医療診断では、血管の太さと長さを血管に沿って見ていって血管が太くなった異常箇所を発見することが行われる。このための表示処理方法として、CT画像(3次元データ)から血管のうねりに沿って切った切断曲面を表示する画像処理方法として「CPR」(curved-planar reformation)と呼ばれる手法がとられている。CPRには、切断曲面を2次元平面画像に表示する手法として、投影CPR(Projected CPR)、伸張CPR(Stretched CPR)、直線化CPR(Straightened CPR)の3つがある。それぞれ診断の用途に応じて使い分けられる。CPRで表示された画像では、うねる血管の太さの様子を1つの画像で見ることができる。
【0003】
但し、従来のCPRでは1度に1本の血管しか表示できず、分岐する2本の血管(枝)を1枚の画像に表示することができなかった。すなわち、血管が分岐する場合、切断曲面は分岐した2本の血管に沿って別々に切る必要があるため、分岐した2本の血管は別々の画像としてしか表示できなかった。この場合、血管に沿って画像を見ていって分岐がある度に、どちらか一方の血管しか追うことができず、血管を一通り見終えるまでに時間がかかるという問題があった。また、1枚の画像で分岐の全体の様子を把握することができなかった。
【0004】
例えば、論文(例えば非特許文献1)には、2つの切断曲面を合成して分岐する2本の血管を1つの画像で表示する表示処理方法が報告されている。すなわち、分岐する血管別に複数のCPR画像を生成し、各CPR画像を適切に1枚の画像に合成する。この画像処理方法を図17〜19に示す。
【0005】
図17,図18に示すように、CT画像データは多数枚のスライス画像SDから構成され、この3次元画像空間内にある2本の血管(枝)10a,10bに分岐する血管10の各スライス画像SD上における中心点座標はCT画像データから計算により求まる。この中心点座標が分かれば、各血管10a,10bの中心線を通る面で画像空間を切断できる。1本の血管10aに沿った切断曲面CP1を取得したら、分岐した残りもう1本の血管10bに沿った切断曲面CP2も取得する(図19(a),(b))。こうして分岐する2本の血管10a,10bに沿った2枚の切断曲面CP1,CP2を得ると、次に切断曲面CP1,CP2を平面に表示するために投影処理や伸張処理などの平面化処理を行う。すると、図19(c),(d)に示す2枚の切断平面(1本ずつのCPR画像)FP1,FP2が得られる。
【0006】
次に2枚の切断平面FP1,FP2のそれぞれを、画像の共通領域(上段領域)と、非共通領域(下段領域)とに分け、さらに非共通領域については図19(e)に示すように血管10a,10bのうち切断の対象とされた一方を含む領域(ハッチング領域)とそれを含まない領域とに分ける。こうして得られた2枚のマスクm1,m2はそれら各領域が双方で排他的になるように分割される。非共通領域を2つに分ける分割線(同図における破線)には、2本の血管10a,10bの中心線間を2等分する二等分線が採用されていた。そして、2枚のマスクm1,m2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、1枚の画像に合成する(同図(f))。この画像処理方法で得られたCPR画像を見れば、分岐した2本の血管10a,10bも1枚の画像上でみることができるので、診断に時間を要しなくなる。
【0007】
【非特許文献1】
He S,Dai R,Lu B,Cao C,Bai H,and Jing B,”Medial Axis Reformation:A New Visualization Method for CT Angiography”,Academic Radiology,vol.8,pp.726-733,2001.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分岐した2本の血管10a,10bが、図20に示すように交差したり、図21に示すように重なったりした場合(同図における左側からの視点)、前記論文に報告された画像処理方法を用いても、その交差や重なりの部分については、血管10a,10bの太さが正確に表現されないという問題がある。
【0009】
血管10a,10bが交差する場合は、図22に示すように、分岐する2本の血管10a,10bについて2枚の切断曲面CP1,CP2を取得し(同図(a),(b))、次に2枚の切断曲面CP1,CP2を平面に表示するための処理を施して2枚の切断平面FP1,FP2を取得する(同図(c),(d))。そして、2枚の切断平面FP1,FP2を、2本の血管10a,10bの中心線の間を2等分する二等分線を分割線として、血管10a,10bのうち一方のみをそれぞれ含む二領域(ハッチングを施した画像領域)に排他的に分割する(同図(e))。この排他的に分割した画像領域のそれぞれを有する2枚のマスクm1,m2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、1枚の画像20に合成する(同図(f))。
【0010】
また、血管10a,10bが重なる場合は、図23に示すように、分岐する2本の血管10a,10bについて2枚の切断曲面CP1,CP2を取得し(同図(a),(b))、次に2枚の切断曲線CP1,CP2を平面に表示するための処理を施して2枚の切断平面FP1,FP2を取得する(同図(c),(d))。そして、2枚の切断平面FP1,FP2を、2本の血管10a,10bの中心線の間を等分する二等分線を分割線として、血管10a,10bのうち一方のみをそれぞれ含む二領域(ハッチングを施した画像領域)に排他的に分割する(同図(e))。この排他的に分割した画像領域のそれぞれを有する2枚のマスクm1,m2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、1枚の画像20に合成する(同図(f))。
【0011】
しかし、この画像処理方法で得られたCPR画像においては、図24に示すように、血管10a,10bの交差部分では、2本の血管10a,10bが一部ずつ混じり合った画像となり、実際の血管10a,10bと太さが異なるように表現されていた。また交差の周辺で血管10aの画像が一部欠けて表現されていた。このため、交差部分やその周辺においては実際の血管10aの太さを調べることができないという問題があった。
【0012】
また、図25に示すように、血管10a,10bの重なり部分(ハッチング領域内)では、一方の血管10aのみが表示された画像となり、重なり部分の他方の血管10bを見ることができなかった。また重なり部分近傍では2本の血管10a,10bが一部ずつ混じり合って実際より太く表現されていた。このため、重なり部分やその近傍においても実際の血管10a,10bの太さを調べることができないという問題があった。このため、分岐する2本の血管10a,10bが交差または重なるときは、交差や重なりを生じない向きに血管の画像を回転させる操作が必要であった。交差や重なりを生じないような画像の向きを探し、調節する操作は煩雑で、向きを変更する度にCPR画像が生成され直すため時間がかかるという問題があった。また、交差や重なりが解消されるような画像の向きが存在しない場合は問題を解決することが不可能であった。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐体の複数の枝を一つの画像に表現できるとともに、各枝の交差または重なりの部分も正確に表現できる分岐体のCPR画像表示処理方法、CPR画像表示処理装置及びプログラムを提供することにある。
【0016】
上記課題を解決するために、請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理方法であって、前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、各保護領域を1つの画像に合成したときに枝同士の交差又は重なりが生じないように、各切断平面における保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる当該枝の分岐点を中心に当該切断平面上で回転させる段階と、前記所定領域のうち少なくとも一つを回転させた後の前記各切断平面から、前記各保護領域を含むとともに1つの画像に合成するための所定領域を各切断平面間で排他的に取り出し、該取り出した所定領域を一つの画像に合成して表示する段階とを備えたことを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、画像データの画像空間を、枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、各切断平面上に交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定する。各保護領域を1つの画像に合成したときに枝同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つをその所定領域に含まれる当該枝の分岐点を中心に少なくとも枝間の交差又は重なりが生じないように当該切断平面上で回転させる。所定領域のうち少なくとも一つを回転させた後の各切断平面から、各保護領域を含むとともに1つの画像に合成するための所定領域が各切断平面間で排他的に取り出される。そして、これら取り出された所定領域が一つの画像に合成されて表示される。従って、分岐体の複数の枝に交差又は重なりがある場合でも、交差又は重なりをなくした枝の配置で画像が表示されるため、各枝を表示しても枝の全てを正確に見ることができる。また、複数分岐全体を表示することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を1つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理方法であって、前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定し、当該各保護領域のうちいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する段階と、前記手前にくる保護領域の奥に隠れた枝が選択された旨の信号が入力されると、当該選択された枝を含む保護領域が手前にくる画像に切り替える段階とを備えたことを要旨とする。
【0019】
この発明によれば、画像データの画像空間を、枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該切断平面上に交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する。各保護領域のうちいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する。手前にくる保護領域の奥に隠れた枝が選択された旨の信号が入力されると、当該選択された枝を含む保護領域が手前にくる画像に切り替えられる。従って、分岐した各枝に交差や重なりがある場合、見たい枝を選択すれば画像上でその枝を正確に見ることができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理装置であって、前記画像データの画像空間を、前記複数の枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に、前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、前記保護領域同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における前記保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる枝の分岐点を中心に回転させる展開手段と、前記展開手段による前記回転後の前記各所定領域を1つの画像に合成して表示する画像表示手段とを備えたことを要旨とする。
【0021】
この発明によれば、画像データの画像空間を、複数の枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に、交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定する。展開手段は、保護領域同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる枝の分岐点を中心に回転させる。画像表示手段は、展開手段による回転後の各所定領域を1つの画像に合成して表示する。従って、請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0022】
請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理装置であって、前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求める切断手段と、前記各切断曲面を切断平面に変換する平面化手段と、前記各切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する設定手段と、前記各切断平面から前記保護領域を含む所定領域を排他的に取り出して一枚の画像に合成するとともに、前記各保護領域のうち指定されたいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する画像表示手段と、見る対象とされる枝の選択に応じて前記画像表示手段に指令して該選択された枝を含む前記保護領域が手前にくる画像に切り替える切替手段とを備えたことを要旨とする。
【0023】
この発明によれば、切断手段は、画像データの画像空間を、枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求める。平面化手段は、各切断曲面を切断平面に変換する。設定手段は、前記各切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する。画像表示手段は、前記各切断平面から前記保護領域を含む所定領域を排他的に取り出して一枚の画像に合成するとともに、前記各保護領域のうち指定されたいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する。切替手段は、見る対象とされる枝の選択に応じて画像表示手段に指令して該選択された枝を含む保護領域が手前にくる画像に切り替える。従って、請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0024】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の分岐体のCPR画像表示処理装置において、前記一つの画像は、前記切断平面を枝別に分割線で区画する各分割画像に、前記保護領域を上書きして合成されることを要旨とする。
【0025】
この発明によれば、請求項又はに記載の発明の作用効果に加え、一つの画像は、切断平面を枝別に分割線で区画する各分割画像に、前記保護領域を上書きして合成される。従って、分岐する各枝だけでなくその背景画像もさほど違和感のない自然な状態で表示できる。
【0026】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の分岐体のCPR画像表示処理装置において、交差又は重なりをもつ複数本の枝は第1枝と第2枝を含み、前記第1枝についての前記保護領域と前記第1枝を含む前記分割画像との両データをOR演算して得られる第1対象画像と、前記第2枝を含む前記分割画像から前記第1枝についての前記保護領域を差し引く差分演算して得られる第1背景画像とを合成して第1枝が選択されたときに表示する第1画像を形成する第1画像形成手段と、前記第2枝についての前記保護領域と前記第2枝を含む前記分割画像との両データをOR演算して得られる第2対象画像と、前記第1枝についての分割画像から前記第2枝についての前記保護領域を差し引く差分演算して得られる第2背景画像とを合成して第2枝が選択されたときに表示する第2画像を形成する第2画像形成手段と、前記切替手段は前記第1画像と第2画像とを外部から入力される枝選択信号に応じて切り替えることを要旨とする。
【0027】
この発明によれば、請求項又はに記載の発明の作用効果に加え、第1画像形成手段は、第1枝についての保護領域と第1枝を含む分割画像との両データをOR演算して得られる第1対象画像と、第2枝を含む分割画像から第1枝についての保護領域を差し引く差分演算して得られる第1背景画像とを合成して第1枝が選択されたときに表示する第1画像を形成する。一方、第2画像形成手段は、第2枝についての保護領域と第2枝を含む分割画像との両データをOR演算して得られる第2対象画像と、第1枝についての分割画像から第2枝についての保護領域を差し引く差分演算して得られる第2背景画像とを合成して第2枝が選択されたときに表示する第2画像を形成する。切替手段は第1画像と第2画像とを外部から入力される枝選択信号に応じて切り替える。従って、第1枝と第2枝だけでなくその背景画像もさほど違和感のない自然な状態で表示できる。
【0028】
請求項に記載の発明は、請求項のいずれか一項に記載の分岐体のCPR画像表示処理装置において、前記各枝の保護領域は、前記各枝の分岐に至るまで枝に沿って延びる領域に設定されるとともに、分岐付近では分岐点を通るように両枝間を分割する分割線を境界とすることを要旨とする。
【0029】
この発明によれば、請求項のいずれか一項に記載の発明おいて、各枝の保護領域は、各枝の分岐に至るまで枝に沿って延びる領域に設定される。分岐付近では分岐点を通るように両枝間を分割する分割線を境界としている。従って、各保護領域を合成して得られた画像において、分岐付近で各枝が正確に表現される。
【0030】
請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータが前記画像データの画像空間を、前記複数の枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、前記保護領域同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における前記保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる枝の分岐点を中心に回転させる段階と、コンピュータが前記回転後の前記各所定領域を一つの画像に合成して表示する段階とをコンピュータに実行させることを要旨とする。
【0031】
この発明によれば、このプログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項に記載の発明は、CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータが前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求める段階と、コンピュータが前記各切断曲面を切断平面に変換する段階と、コンピュータが前記各切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する段階と、コンピュータが前記各切断平面から前記保護領域を含む所定領域を排他的に取り出して一枚の画像に合成するとともに、前記各保護領域のうち指定されたいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する段階と、コンピュータが見る対象とされる枝の選択に応じて該選択された枝を含む前記保護領域が手前にくる画像に切り替える段階とをコンピュータに実行させることを要旨とする。
【0032】
この発明によれば、このプログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1に示すように、画像表示装置1は、データベース2からCT画像撮影装置により撮影されたCT画像データを読み取って、CPR画像をはじめとする医療診断用の各種画像を生成し画面に表示する。本実施形態では、CPR画像の画像表示処理に特徴がある。使用される画像データは、CT画像に限らず、MR画像でも勿論よいが、本実施形態ではCT画像を例に説明する。
【0034】
画像表示装置1は、計算機3(ワークステーションやパーソナルコンピュータ)と、表示装置4と、キーボード5及びマウス6などの入力装置とを備えている。計算機3はデータベース2と接続されている。
【0035】
図2は、画像表示装置の概略構成を示す。計算機(コンピュータ)3にはCPU(中央処理装置)7、ハードディスク等からなるメモリ8が備えられており、メモリ8には、CPR画像処理を実行するためのプログラム(アプリケーションソフト)9が記憶されている。メモリ8はデータベース2又はハードディスクから読み取ったCT画像の画像データ(ボリュームデータ)を一時記憶するメモリ部8aと、CPU7がプログラム9を実行し、画像データ(3D座標データ含む)を用いて行われる画像処理によって生成された画像処理データを一時記憶するメモリ部8bとを備えている。CPU7は、このプログラムを実行することにより、データベース2から取得したCT画像データを用いて所定のCPR画像を生成する画像処理を実行する。画像データは、患者等の人体を断層撮影したもので、血管をCPR画像で表示し、血管が異常に太くなった異常箇所(動脈瘤など)を発見する画像診断に使用する。この画像診断では、血管の長さと太さを正確に知る必要があり、血管の分岐からの距離(長さ)をみることで診断している位置を特定し、血管の太さをみることで異常箇所を発見する。但し、診断している位置が特定できれば長さは必ずしも正確である必要はないため、血管の中心線の長さが保存される伸張CPR、直線化CPRだけでなく、血管の中心線の長さが保存されない投影CPRも採用できる。
【0036】
本実施形態におけるCPR画像処理は、従来技術で述べた処理と同じ処理(図22(a)〜(e),図23(a)〜(e))を途中まで使い、2枚の切断平面を合成する処理が異なっている。つまり、(1)血管10a,10bに沿って切断曲面CP1,CP2を生成する処理、(2)切断曲面CP1,CP2から切断平面FP1,FP2へ変換する処理(平面化処理)、(3)2本の血管10a,10bを同時に表示する画像の合成に使うマスクm1,m2の作成処理については同様である。そして、交差や重なりのある2本の血管10a,10bを同時に表示する本実施形態の画像の合成に使う新規マスクは、マスクm1,m2とその他後述する2枚のマスクを用いて作成する。従って、上記(1)〜(3)の処理については、従来技術の説明に使った図面(図22,図23)を用いて簡単に説明し、主にマスク作成処理、画像合成処理、画像切替処理について詳しく説明する。なお、この実施形態では、分岐体(樹状体)として管状体である血管10a,10bを例とするが、血管10a,10b以外の気管支や骨などの枝状組織の画像表示にも勿論利用可能である。
【0037】
まずユーザは表示装置4の画面上でキーボード5やマウス6を操作して患者の所定の画像ファイルを選択しCT画像を表示するとともに、画面上でCPR画像表示モードを選択し、さらに診断する血管10a,10bをマウス6等で選択する。このとき、血管10a,10bを見る向きは、マウス6等で操作でき、血管10a,10bを見る向きを変えたければマウス6を操作して所望する向きに画像を回転させるなどする。血管10a,10bを見る向きが決まれば、それをもとに切断曲面CP1,CP2を切断する。なお、CT画像データには、CT撮影装置によりCTスキャンされた人体の断層画像(スライス画像)の座標データもすべてあり、血管の中心線を導出する複雑なアルゴリズムで血管10a,10bの中心線を計算している。また、血管の断面は円とは限らないので、通常長軸と短軸を計算して直径の代わりにしている。
【0038】
本実施形態の画像表示処理では、分岐する血管10a,10bに交差又は重なりがある場合、画面上に表示された画像において2本の血管10a,10bのうち観察したい方を選択する。これにより、選択した方の血管が画面の手前側に表示された画像に切り替わり、交差や重なりの部分においても選択した血管については正確な画像が提供される。
【0039】
CPU7が図12にフローチャートで示すプログラムを実行することにより、この画像表示処理が行われる。以下、この画像表示処理の処理内容について詳しく説明する。
【0040】
図3に示すように、分岐した2本の血管10a,10bが交差する場合を例にして説明する。まず見る向きをもとに、2本の血管10a,10bの中心線に沿って(つまり各スライス画像における血管10a,10bの中心点座標を通るように)切断して2枚の切断曲面CP1,CP2を取得する。図22(a),(b)に示すような2枚の切断曲面CP1,CP2が求まる。2枚の切断曲面CP1,CP2は、血管10a,10bが分岐する前の1本となった部分10cで共通で、2本に分岐している部分が異なる。
【0041】
次に、所定の前処理をした後、切断曲面CP1,CP2を切断平面へ変換する処理を実行する。例えば投影CPR(Projected CPR)または伸張CPR(Stretched CPR)の処理が実行される。その結果、図22(c),(d)に示す2枚の切断平面FP1,FP2が求まる。この次からの処理が従来技術のものと異なる。
【0042】
まず図4に示すように、2枚の切断平面FP1,FP2において、血管10a,10bに沿って所定の幅Wの保護領域S1,S2を設定する。所定の幅Wは、血管10a,10bの太さ(幅)以上の値に設定されており、この保護領域S1,S2内に血管10a,10bの径方向におけるすべてが含まれる。この例では、ストリップの幅Wは、血管10a,10bの太さよりも広い一定幅に設定され、ストリップS1,S2の中心線は血管10a,10bの中心線と一致する。この血管10a,10bに沿って長く延びる短冊形状の保護領域S1,S2のことを、この明細書では「ストリップ(Strip)」と呼ぶことにする。ストリップS1,S2は、血管10の分岐する血管10a,10bの部分だけに設定している。ストリップS1,S2は、画像として保護する領域となる。
【0043】
次に2つのストリップS1,S2が設定された2枚の切断平面FP1,FP2と、従来技術で述べた手法で作成された2枚のマスクm1,m2とを用いて、枝に交差または重なりがある血管10の画像表示に使用するマスクM1〜M4を作成する(図7,図8参照)。そして、図9(a)に示すようにマスクM1,M2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、血管10aを含むストリップS1が手前に表示された1枚の画像20aに合成する。また、図9(b)に示すようにマスクM3,M4をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、血管10bを含むストリップS2が手前に表示された1枚の画像20bに合成する。例えばデフォルトでは実際の血管10a,10bの前後関係に合わせて視点により近い方の血管10bが手前にくる画像20bが表示されるようになっており、血管10aを見たいときにはマウス6で画像20b上の血管10aを選択すると、血管10aが手前にくる画像20aに切り替わる。手前にくる血管が選択される度に、その選択された血管が手前にくる画像を作成するためのマスクがその都度作成される。すなわち、血管10aが選択されると、その血管10aが手前にくる画像を作成するためのマスクM1,M2が作成され、一方、血管10bが選択されると、その血管10bが手前にくる画像を作成するためのマスクM3,M4が作成される。
【0044】
ここで、図5(a)に示すように、血管10の分岐点Pに至るまで所定幅Wのストリップを設定すると、作成された画像が同図(b)に示すように、分岐点P付近で他方の血管10bの一部がストリップS1に隠れて表示されなくなる。これを回避するため、本実施形態では、図6(a)に示すように、分岐点P付近におけるストリップS1,S2の境界線を、血管10a,10bの中心線間を所定比(本例では1:1)に分割(二等分)する分割線(二等分線)SLとするように設定している。こうすることで図6(b)に示すように画像20aでは、分岐点P付近でも他方の血管10bが分岐点Pに至るまで途切れなく表示されるようにしている。ストリップS1,S2の設定時にはこのような前処理も行われる。
【0045】
次にマスクM1〜M4の作成処理について図7,図8に基づいて説明する。
ここで、図7がマスクM1,M2の作成処理を示し、図8がマスクM3,M4の作成処理を示す。いずれもマスクm1,m2とストリップマスクMS1,MS2を用いる。なお、マスクm1,m2,MS1,MS2,M1〜M4は、「0」か「1」の2値情報で切断平面のFP1,FP2の各ピクセルに対応している。
【0046】
まず図7(a)に示すように、マスクm1とストリップマスクMS1とのOR演算をすることによりマスクM1を作成する。また同図(b)に示すように、マスクm2からストリップマスクMS1を差し引く演算をすることによりマスクM2を作成する。そして、マスクM1とマスクM2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、図9(a)に示すように血管10aが手前に表示される1枚の画像20aに合成する。
【0047】
一方、図8(a)に示すように、マスクm1からストリップマスクMS2を差し引く演算をすることによりマスクM3を作成する。また同図(b)に示すように、マスクm2とストリップマスクMS2とのOR演算をすることによりマスクM4を作成する。そして、マスクM3とマスクM4をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、図9(b)示すように血管10bが手前に表示される1枚の画像20bを合成する。よって、血管10a,10bが交差する部分についても正確な血管10a,10bの太さを調べることができる。なお、2本の血管10a,10bに重なりがある場合も、その画像処理内容は交差があるときと同様の処理がなされる。この場合、例えばデフォルトでは実際に手前にある血管10b(ストリップS2)が手前になるように画像が表示され、その後、その画像において他方の血管10aをマウス6で選択すると、その選択された血管10aが手前となる画像に切り替わる。よって、血管10a,10bの重なり部分についても血管10a,10bの太さを正確に調べることができる。
【0048】
ところで、図9に示す2枚の画像20a,20bにおいて、血管10a,10bの交差付近では、手前に表示される血管10a(10b)と交差する奥側の血管10b(10a)がストリップS1(S2)に隠れて途切れている。これはストリップの幅をやや誇張して広めに描いているからで、実際には血管10a,10bの太さ(直径)に所定値(血管径の5〜30%程度)を加えた値程度に設定するため、奥側の血管10a,10bの途切れはほとんど目立たない。もちろん、手前に表示されている血管10a(10b)が一目で分かるように、故意に他方の血管10b(10a)の途切れを強調させてもよい。
【0049】
図10は、ストリップの領域を設定する方法を示す。同図(a)は、血管10aの中心線に沿って一定の幅WとなるようにストリップSを設定する。同図(b)は、血管10aの径(直径)に等しい幅となるようにストリップSを設定する。血管10aの太さ(径)は中心線計算時に取得したものを使用し、血管10aの太さの変化に応じてストリップSの幅も変化する。これらは枝毎に幅を設定する。また、同図(c)は、血管10a,10bの最大径Wamax,Wbmaxに等しい幅となるようにストリップSを設定する。
【0050】
図11は分割線の設定方法を示す。分割線SLは、同図(a)に破線で示す分割線SLのように、2本の血管10a,10bの中心線間を1:1に分割する二等分線に限定されず、同図に一点鎖線で示すように2本の血管10a,10bの中心線間を任意の比(この例では3:7)で分割する分割線SLを設定することもできる。また血管10a,10bの中心線間を所定の比率に分割する方法に限らず、同図(b)に示すように、ストリップS1,S2の境界を基準線とし、その間を所定の比率(この例では1:1)に分割する分割線SLを設定することもできる。もちろん所定の比率は1:1に限定されず、任意の比率を設定してよい。
【0051】
次にプログラムについて説明する。図12にフローチャートで示したものが本実施形態の画像表示処理プログラム(分岐表示用画像処理ルーチン)である。CPU7がこのプログラムを実行することで図2〜図9等に示す処理が実行される。なお、血管10に分岐があるかどうかは事前に演算により調べられ、分岐がある場合に以下の処理を実行する。
【0052】
まずステップ(以下単に「S」と記す)10では、分岐する2本の血管10a,10bについて2枚の切断曲面CP1,CP2を作成する。
次のS20では、この2枚の切断曲面CP1,CP2を平面に引き伸ばす平面化処理をして2枚の切断平面FP1,FP2を作成する。
【0053】
S30では、分岐表示用のマスクm1,m2を作成する。すなわち、2枚の切断平面FP1,FP2のそれぞれにおいて、2本の血管10a,10bの中心線間を二等分する二等分線を分割線SLとする分割をする。分岐する2本の血管10a,10bの属する領域で、分割線SLにより排他的に2つに分割(区画)された分割領域(ハッチング領域)が設定される。こうして図7に示す2つのマスクm1,m2が作成される。
【0054】
S40では、分岐した2本の血管10a,10bに「交差」または「重なり」があるか否かを判断する。交差または重なりがあるかどうかは、2本の血管10a,10bの切断平面FP1,FP2上の中心線の座標から判定する。交差および重なりがない場合は、S50に進んで、交差および重なりがない場合の通常処理を実行する。一方、交差または重なりがある場合は、S60に進む。
【0055】
S50では、分岐表示用のマスクm1,m2を用いて画像合成する通常処理を実行する。この通常処理は図19(e),(f)に示す処理であり、この通常処理が実行されることにより、分岐する2本の血管10a,10bが1枚の画像上に表示される。
【0056】
S60では、ストリップマスクMS1,MS2を作成する。すなわち、まず2枚の切断平面FP1,FP2において、血管10a,10bに沿ってストリップS1,S2を設定する。このとき分岐点P付近における2本の中心線間を二等分する分割線(二等分線)を計算してその分割線を2つのストリップS1,S1の境界とする。そして、これらをストリップマスクMS1,MS2とする。
【0057】
S70では、分岐表示用マスクとストリップマスクを用いて交差表示用マスクM1,M2またはマスクM3,M4を作成する。すなわち、血管10aが手前にくる画像を合成するときはマスクM1,M2を作成し、血管10bが手前にくる画像を合成するときはマスクM3,M4を作成する。マスクM1,M2を作成するときは、図7(a)に示すように、マスクm1とストリップマスクMS1とのOR演算をすることによりマスクM1を作成し、また同図(b)に示すように、マスクm2からストリップマスクMS1を差し引く演算をすることによりマスクM2を作成する。一方、マスクM3,M4を作成するときは、図8(a)に示すように、マスクm1からストリップマスクMS2を差し引く演算をすることによりマスクM3を作成し、また同図(b)に示すように、マスクm2とストリップマスクMS2とのOR演算をすることによりマスクM4を作成する。
【0058】
S80では、交差表示用マスクを用いて画像合成処理を行う。すなわち、前のS70でマスクM1,M2が合成された場合は、マスクM1とマスクM2をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、図9(a)示すように血管10aが手前に表示される1枚の画像20aに合成する。一方、前のS70でマスクM3,M4が合成された場合は、マスクM3とマスクM4をもとに対応する切断平面FP1,FP2から所定領域を取り出し、同図(b)示すように血管10bが手前に表示される1枚の画像20bに合成する。
【0059】
そしてS90では、画像を表示する。例えばデフォルトでは実際の血管10a,10bの前後関係に合わせて血管10bが手前に表示される画像20bが初期画像として表示される(図9(b))。
【0060】
S100では、奥側に表示された血管10a(10b)が選択されたか否かを判断する。奥側の血管10a(10b)がマウス6により選択された選択信号を入力するとS70に移行し、特に選択されず選択信号の入力がなければS110に進み、現在の画像表示処理を終了させる旨の信号を入力するまで現在の画像を表示したまま待機する。
【0061】
S100において、奥側の血管10a(10b)がマウス6により選択された選択信号を入力したと判断すると、選択された血管10a(10b)を手前に表示する画像に切り替える旨の設定がなされるとともに、S70に移行する。
【0062】
そしてS70では、マウス6で選択された奥側の血管10a(10b)が手前にくる画像を合成するために使用される交差表示用マスクM1,M2(又はM3,M4)を分岐表示用マスクとストリップマスクを用いて作成する。
【0063】
次いでS80では、交差表示用マスクM1,M2(又はM3,M4)を用いて画像合成処理がなされ、S90においてその合成された画像の画像表示がさなれる。
【0064】
例えばデフォルトの画面20bにおいてマウス6で血管10aを選択すると、その選択された血管10a(つまりストリップS1)が手前にくる画像20aに切り替わる。こうして、交差または重なりがある場合でも、血管10a,10bのうち手前にくる一方を選択することで、2本の血管10a,10bの太さを正確に見ることができる。
【0065】
以上説明したように本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)分岐する血管10a,10bにおいても、1枚の画像に分岐する2本の血管10a,10bが同時に表示されるCPR画像が得られる。しかも血管10a,10bの太さを検査するとき、たとえ2本の血管10a,10bに交差または重なりがあっても、その部分では検査の対象としている血管10b(10a)が手前に表示される。一方、他方の血管10a(10b)を検査したい場合には他方の血管10a(10b)が手前に表示される画像に切り替えればよい。よって、血管10a,10bの交差または重なりの部分についても血管10a,10bの太さを正確に調べることができる。
【0066】
(2)分岐点P付近では血管10a,10bの中心線間の二等分線をストリップの境界として2つのストリップS1,S2を設定した。よって、分岐点P付近においても血管10a,10bの途切れのない画像を提供できる。
【0067】
(3)マスクm1,m2とストリップS1,S2を用いてマスクM1〜M4を作成したので、画像20a,20bにおいて血管10a,10bの背景が不自然ではない。
【0068】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。
図14は、第2の実施形態で採用する2種類の表示モードで表示された画像を示す。分岐する血管10a,10bに交差又は重なりがある場合、ユーザは、血管の各枝を閉じたままでCPR画像を生成する同図(a)に示す「閉じモード」と、血管の各枝を開く同図(b)に示す「開きモード」の2種類の表示モードから1つを、キーボード5やマウス6を操作することにより選択することができる。
【0069】
図14(a)に示す「閉じモード」は、前記第1の実施形態の表示方式のことで血管10a,10bに交差又は重なりのあるまま画像を表示する。一方、同図(b)に示す「開きモード」は、血管10a,10bの分岐角度を交差又は重なりのなくなるまで開く処理を行ってから画像を表示する。「閉じモード」では前記第1の実施形態と同様に、ユーザは図14(a)の画像上における血管10a,10bのうち交差で下側になっている方をマウス6で選択すると、その選択された側の血管10a(10b)が上側(画面手前側)に表示される画像に切り替わる。
【0070】
「開きモード」では、まず血管10a,10b毎の切断平面作成後、各切断平面上において血管10a,10bのストリップS1,S2を設定する。そして分岐する血管10a,10bのうち少なくとも一方(この例では血管10a)を、ストリップS1,S2同士の交差又は重なりが生じなくなるまで、分岐点Pを中心に、血管10a,10bの分岐角を広げる調節をする。これにより図14に示すように、血管10a,10b毎に設定したストリップS1,S2同士の交差および重なりがなくなるように事前にレイアウト調整される。この血管の各枝(つまりストリップ)を開く(広げる)展開処理により、分岐する2本の血管10a,10bをその交差および重なりがなくなってそのすべてを同時に見られるとともに、診断の対象とする血管10a,10bの長さおよび太さの必要情報については維持される。よって、展開処理によってストリップS1,S2を除く部分の画像に多少のゆがみが生じたり、他の臓器との血管の相対位置が不正確なものとはなるが、血管の必要情報が維持されることから正確な診断を行うことができる。
【0071】
画像表示装置1の構成は、前記第1の実施形態と同じであり、画像処理を行うプログラムの内容のみが異なる。メモリ8に記憶されるプログラム9には、図12に示すプログラムの他、図16にフローチャートで示すプログラムも含まれる。以下、CPU7がこのプログラムを実行したときの処理内容を、図12,図16に基づいて説明する。
【0072】
S210では、分岐した2本の血管10a,10bに交差または重なりがあるか否かを判断する。交差または重なりがあるかどうかは、2本の血管10a,10bの切断平面FP1,FP2上の中心線の座標から判定する。交差および重なりがない場合は、S280に進んで、分岐表示用画像処理ルーチン(図12のS30以降の処理)へ移行し、交差および重なりがない場合の通常処理(S30〜S50,S90)を実行する。一方、交差または重なりがある場合は、S220に進む。
【0073】
S220では、交差および重なりを無くすように画像が回転可能かどうかを判断する。そのような回転が可能であればS230に進み、そのような回転が不可能であればS240に進む。
【0074】
S230では、回転処理を実行する。つまり交差または重なりが無くなるように血管10を見る方向を変える。この回転処理の後は、S280へ移行し、分岐表示用画像処理ルーチン(図12におけるS10以降の処理)を実行する。この場合、前記第1の実施形態と同様の処理が行われる。
【0075】
S240では、分岐する2本の血管10a,10bについて2枚の切断曲面CP1,CP2を作成する。
次のS250では、この2枚の切断曲面CP1,CP2を平面に引き伸ばす平面化処理をして2枚の切断平面FP1,FP2を作成する。
【0076】
S260では、表示モードを判断する。すなわち、ユーザによりキーボード5やマウス6を操作して選択された表示モードが「閉じモード」か「開きモード」かを判断する。「閉じモード」であればS280に進み、一方「開きモード」であればS270に進む。
【0077】
S270では、交差または重なりが無くなるように分岐角を広げる展開処理を実行する。この展開処理を説明すると次のようになる。まず図13(a)と同図(b)の左側図に示すように、各切断平面FP1,FP2上にストリップS1,S2を設定する(図4参照)。次に、各切断平面FP1,FP2を1枚の画像に合成したときにストリップS1,S2に交差または重なりが生じなくなるまで、各切断平面FP1,FP2のうち少なくとも一方についてストリップS1,S2を含む所定領域を、分岐点Pを中心に血管10a,10bの分岐角を広げる方向へ回転させる。この例では、図13(b)に示す切断平面FP2におけるストリップS2を含む所定領域(ハッチング領域)を、分岐点Pを中心に他方の切断平面FP1における血管10aから離れる方向へ所定角度だけ回転させる。すなわち、図13(b)における左側図の状態から同図右側図の状態へ所定領域を回転させる展開処理を行う。この展開処理後の各切断平面FP1,FP2からストリップS1,S2を含む所定領域(図13における各切断平面上のハッチング領域)を切り取って合成することで、両ストリップS1,S2に交差または重なりの無い図14(b)に示すような合成画像を以降の処理で得る。このための前処理として展開処理は行われる。つまり、各切断平面FP1,FP2から保護領域を含むように所定領域を切り取って、その切り取った所定領域を適宜回転させてから1枚の画像に合成するために、所定領域について分岐点を中心に回転させて分岐角を広げる展開処理を行う。
【0078】
もちろん展開処理は、一方の切断平面FP2におけるストリップS2を含む所定領域のみ回転させる展開処理に限定されず、各切断平面FP1,FP2においてストリップS1,S2をそれぞれ含む2つの所定領域を共に各血管10a,10bの分岐を開く(分岐角を広げる)方向へほぼ均等に開く展開処理としてもよい。この展開処理に伴って血管10a,10bの分岐角の他、背景画像も若干不自然となるが診断上必要な情報は得られるので特に問題はない。
【0079】
所定領域は、展開処理後に各所定領域をマスクとして合成した際、各所定領域を区画する各境界線SL1,SL2,SL3が、血管10a,10bと血管10b,10cと血管10c,10aのそれぞれの中心線をそれぞれ二等分するように設定される。また、図13(b)では、所定領域を回転させた際、画像枠内の収まるように所定領域を設定しており、図13(b)右側図では所定領域はストリップS2の全てを含んでいない。もちろん、血管の全体像を表示するためストリップS2を含むように画像枠を拡張してもよい。
【0080】
この展開処理の後、S280へ移行し、分岐表示用画像処理ルーチン(図12におけるS30以降の処理)を実行する。この場合、展開処理後の画像データ(画像空間)に対する分岐表示用マスク作成処理(S30)は、次のように行われる。図13(b)に示す血管10a,10b間、および血管10b,10c間をそれぞれ等分割する分割線SL1,SL2と、分岐点Pを通る水平線とにより3本の血管10a,10b,10cがそれぞれ属する3つの分割領域に区画する。そして、これら各分割領域を排他的にもつ、図13(a),同図(b)における右側図,同図(c)に示す3つのマスクME1,ME2,ME3を作成する。この場合、展開処理後で交差または重なりがないと判断され(S40)、これら3つのマスクME1,ME2,ME3を1枚の画像に合成する(S50:画像合成処理)。この結果、血管10が1枚の画像上で2本の血管10a,10bに交差も重なりもない状態で表示される(S90:画像表示)。
【0081】
図15は、血管10が複数に分岐している例である。このように複雑に分岐する血管10であっても、血管10a,10b,10d,10e毎に設定したストリップS1〜S4の交差または重なりが無くなるように展開処理をする。つまり、分岐した各血管10a,10b,10d,10e毎の切断平面についてストリップS1〜S4を含む所定領域を、各分岐点P1,P2を中心にその分岐角を広げる方向へ開く展開処理を行う。そして、展開処理後の所定領域を1枚の画像に合成することにより、同図(b)に示すように交差も重なりもない画像を表示できる。同図は投影CPR(Projected CPR)または伸張CPR(Stretched CPR)を適用した例となるが、直線化CPR(Straightened CPR)を適用した場合は、同図(c)に示すような画像が得られる。
【0082】
従って、この第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4)各切断平面についてストリップS1,S2を含む所定領域のうち少なくとも一つを分岐点Pを中心に分岐角を広げる方向へ回転させる展開処理を採用し、展開処理後の所定領域をマスクとして一枚の画像に合成する。よって、交差または重なりがある血管10a,10bを有する血管10を、交差も重なりもない状態で画像表示することができる。従って、元々交差または重なりのある血管10を、交差も重なりもない状態に画像表示できることから、交差または重なりのある血管10a,10bの一方の全体を見るために前記第1の実施形態で必要であったマウス6等による選択操作を不要とすることができる。
【0083】
なお、実施の形態は上記に限定されず、以下の変形例も採用できる。
・ 前記第1の実施形態では、分岐体の枝の全エリアに保護領域(ストリップ)を設定したが、各枝が交差又は重なるエリアのみに保護領域(ストリップ)を設定してもよい。その他、保護領域の設定の仕方は、枝の表示したい部分が保護される領域であれば適宜設定してよい。
【0084】
・交差または重なりの部分だけは、ストリップの幅をそれ以外の部分の幅より相対的に狭く設定するストリップ設定方法を採用することができる。交差または重なりの部分では、ストリップの幅を血管10a,10bの直径に等しくとったり、その直径よりは広いが他の部分の幅より相対的に狭くとったりする。このようにストリップを設定すれば、血管10a,10bの交差または重なりの部分で奥側に表示される血管10a(又は10b)の途切れを目立たなくすることができる。
【0085】
・分岐体は、血管や気管支、骨等に限定されない。CT撮影等が可能であればリンパ管や神経などの枝状組織であっても構わない。また特に人体や動物、植物等の生物の管状組織に限らず、機械、装置類に使用される枝状に延びたパイプなどの配管やケーブルなどの配線、電気回路で使用される信号線などの配線を、分岐体とする画像処理に適用することもできる。
【0086】
以下、前記各実施形態及び変形例から把握される技術的思想を記載する。
(1) 前記保護領域は、前記枝と中心線を共通としつつかつ当該枝の太さに応じた幅で当該枝に沿うように設定されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の分岐体のCPR画像表示処理装置。
【0087】
(2) 請求項又は請求項に記載の発明おいて、前記分割画像は、前記切断平面において、分岐する両枝の分岐点を通るとともに両枝間を所定の比率に分割する分割線で分割されることを特徴とする分岐体のCPR画像表示処理装置。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、分岐体の複数の枝を一つの画像に表現できるとともに、各枝の交差または重なりの部分も正確に表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1、第2の実施形態における画像表示装置の概略構成図。
【図2】 画像表示装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】 分岐した血管が交差する状態を示す模式図。
【図4】 マスクを示す模式図。
【図5】 血管が途切れる例を示す画像図。
【図6】 血管が途切れない処理を説明する画像図。
【図7】 マスクを作成する演算処理を説明する画像図。
【図8】 同じく画像図。
【図9】 マスクを合成した画像を表示する説明図。
【図10】 ストリップの設定方法を説明するマスク図。
【図11】 分割線の設定方法を説明するマスク図。
【図12】 分岐表示用画像処理ルーチンを示すフローチャート。
【図13】 第2の実施形態におけるマスク図。
【図14】 分岐した血管の画像を示し、(a)は閉じモードの画像図、(b)は開きモードの画像図。
【図15】 複数分岐した血管を開く展開処理の説明図。
【図16】 展開処理を含む画像表示処理を示すフローチャート。
【図17】 従来技術における画像データを示す模式図。
【図18】 切断曲面を示す模式図。
【図19】 画像生成手順を示す説明図。
【図20】 分岐した血管が交差する状態を示す模式図。
【図21】 分岐した血管が重なる状態を示す模式図。
【図22】 交差する血管の画像生成手順を示す説明図。
【図23】 重なる血管の画像生成手順を示す説明図。
【図24】 血管の交差部分を示す画像図。
【図25】 血管の重なり部分を示す画像図。
【符号の説明】
1…画像表示装置、2…データベース、3…CPR画像表示処理装置、コンピュータ、展開手段、画像表示手段、切断手段、平面化手段、設定手段、切替手段、第1画像形成手段及び第2画像形成手段としての計算機、4…表示装置、5…キーボード、6…マウス、7…CPU、8…メモリ、9…プログラム、10…分岐体としての血管、10a,10b…枝としての血管、20a,20b…画像、S1,S2…保護領域としてのストリップ、SL,SL1,SL2…分割線、P,P1,P2…分岐点、CP1,CP2…切断曲面、FP1,FP2…切断平面、m1,m2…マスク、MS,MS1,MS2…ストリップマスク、M1,M2,M3,M4…マスク、ME1,ME2,ME3…マスク。

Claims (9)

  1. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理方法であって、
    前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、各保護領域を1つの画像に合成したときに枝同士の交差又は重なりが生じないように、各切断平面における保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる当該枝の分岐点を中心に当該切断平面上で回転させる段階と、
    前記所定領域のうち少なくとも一つを回転させた後の前記各切断平面から、前記各保護領域を含むとともに1つの画像に合成するための所定領域を各切断平面間で排他的に取り出し、該取り出した所定領域を一つの画像に合成して表示する段階と
    を備えたことを特徴とする分岐体のCPR画像表示処理方法。
  2. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を1つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理方法であって、
    前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定し、当該各保護領域のうちいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する段階と、
    前記手前にくる保護領域の奥に隠れた枝が選択された旨の信号が入力されると、当該選択された枝を含む保護領域が手前にくる画像に切り替える段階と
    を備えたことを特徴とする分岐体のCPR画像表示処理方法。
  3. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理装置であって、
    前記画像データの画像空間を、前記複数の枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に、前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、前記保護領域同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における前記保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる枝の分岐点を中心に回転させる展開手段と、
    前記展開手段による前記回転後の前記各所定領域を1つの画像に合成して表示する画像表示手段と
    を備えたことを特徴とする分岐体のCPR画像表示処理装置。
  4. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理装置であって、
    前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求める切断手段と、
    前記各切断曲面を切断平面に変換する平面化手段と、
    前記各切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する設定手段と、
    前記各切断平面から前記保護領域を含む所定領域を排他的に取り出して一枚の画像に合成するとともに、前記各保護領域のうち指定されたいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する画像表示手段と、
    見る対象とされる枝の選択に応じて前記画像表示手段に指令して該選択された枝を含む前記保護領域が手前にくる画像に切り替える切替手段と
    を備えたことを特徴とする分岐体のCPR画像表示処理装置。
  5. 前記一つの画像は、前記切断平面を枝別に分割線で区画する各分割画像に、前記保護領域を上書きして合成されることを特徴とする請求項4又は5のいずれか一項に記載の分岐体のCPR画像表示処理装置。
  6. 交差又は重なりをもつ複数本の枝は第1枝と第2枝を含み、前記第1枝についての前記保護領域と前記第1枝を含む前記分割画像との両データをOR演算して得られる第1対象画像と、前記第2枝を含む前記分割画像から前記第1枝についての前記保護領域を差し引く差分演算して得られる第1背景画像とを合成して第1枝が選択されたときに表示する第1画像を形成する第1画像形成手段と、
    前記第2枝についての前記保護領域と前記第2枝を含む前記分割画像との両データをOR演算して得られる第2対象画像と、前記第1枝についての分割画像から前記第2枝についての前記保護領域を差し引く差分演算して得られる第2背景画像とを合成して第2枝が選択されたときに表示する第2画像を形成する第2画像形成手段と、
    前記切替手段は前記第1画像と第2画像とを外部から入力される枝選択信号に応じて切り替えることを特徴とする請求項5又は6に記載の分岐体のCPR画像表示処理装置。
  7. 前記各枝の保護領域は、前記各枝の分岐に至るまで枝に沿って延びる領域に設定されるとともに、分岐付近では分岐点を通るように両枝間を分割する分割線を境界とすることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の分岐体のCPR画像表示処理装置。
  8. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりがある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    コンピュータが前記画像データの画像空間を、前記複数の枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求めるとともに、これら切断曲面を平面化処理して切断平面に変換後、当該各切断平面上に前記交差又は重なりを含む枝の保護領域を枝毎に設定し、前記保護領域同士の交差又は重なりが生じないように各切断平面における前記保護領域を含む所定領域のうち少なくとも一つを、その所定領域に含まれる枝の分岐点を中心に回転させる段階と、
    コンピュータが前記回転後の前記各所定領域を一つの画像に合成して表示する段階と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  9. CTやMR等の画像撮影装置により撮影された画像データを用いて、分岐体の交差又は重なりのある複数の枝を一つの画像に表示する分岐体のCPR画像表示処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    コンピュータが前記画像データの画像空間を、前記枝の経路に沿って切断した切断曲面を枝毎に求める段階と、
    コンピュータが前記各切断曲面を切断平面に変換する段階と、
    コンピュータが前記各切断平面上に前記交差又は重なり部分を含む枝の保護領域を枝毎に設定する段階と、
    コンピュータが前記各切断平面から前記保護領域を含む所定領域を排他的に取り出して一枚の画像に合成するとともに、前記各保護領域のうち指定されたいずれか一つが手前にくる画像を作成して表示する段階と、
    コンピュータが見る対象とされる枝の選択に応じて該選択された枝を含む前記保護領域が手前にくる画像に切り替える段階と
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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