JP4341278B2 - 工作機械のワーク位置決め方法およびワーク位置決め装置 - Google Patents

工作機械のワーク位置決め方法およびワーク位置決め装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マシニングセンタに代表されるような工作機械のワーク位置決め方法およびワーク位置決め装置に関し、特に仕様が異なる複数種類のワークを同一工作機械にて加工するにあたり、各仕様ごとに相違する治具を手作業による段取り替えによって併用しながら各仕様のワークを共通のワークベースに位置決めクランプするようにしたワーク位置決め方法およびワーク位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
自動車用エンジンのシリンダヘッドのように外観形状がほとんど同一であっても細部の構造が微妙に相違する複数仕様のワークをマシニングセンタ等の共通のの工作機械にて加工する場合、その仕様の相違のために位置決め基準位置やクランプ位置が少しずつ異なるために、予め各仕様ごとに設定した位置決め治具を用いてワークベースにワークを位置決め固定することが有効であるとされている。特にマシニングセンタのように加工自由度が大きい工作機械とチルト回転による割り出し機能を備えたワークベースとを組み合わせて使用するような場合にはその傾向が一層顕著となる。
【0003】
しかしながら、位置決め治具には少なくともロケート機能やクランプ機能およびリフト機能が必要不可欠であることから治具全体が複雑且つ大がかりなものとならざるを得ず、このような位置決め治具を各仕様ごとに用意したのでは設備費の著しい高騰を招くだけでなく、治具交換装置が必要となり好ましくない。特に、ワークのセットを作業者の手作業にて行うことを前提とした場合には、ワークの仕様ごとに交換することになる位置決め治具もまた作業者が取り扱いやすいものであることが望ましい。
【0004】
その一方、例えば特許文献1に記載のように、シリンダヘッドの切削加工に際して同一の回転テーブル上に二つのシリンダヘッドを異なる姿勢で位置決めクランプした上で、加工の種類に応じていずれかのシリンダヘッドを加工位置に割り出すようにしたものも提案されているが、シリンダヘッドの仕様ごとに位置決め基準位置やクランプ位置が少しずつ異なるような場合には柔軟に対応することができず、設備の汎用性の面でなおも課題を残している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−155201号公報 (図2) 本発明はこのような課題に着目してなされたもので、特にワークの搬出入や各仕様ごとの治具の交換(段取り替え)を作業者の手作業にて行うことを前提としつつも、ワークのクランプ機能は全ての仕様のワークに共通して使用できるようにする一方、ワークの仕様ごとに交換することになる治具は作業者が取り扱い容易なようにきわめて簡素な構造を可能としたワーク位置決め方法とワーク位置決め装置を提供しようとするものである。
【0006】
なお、本発明は本出願人が先に提案している特願2001−312512号に記載の発明と関連している。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、仕様が異なる複数種類のワークのうちいずれか一つをワークベースに位置決めクランプして共通の工作機械にて機械加工を施すにあたり、ワークベースに対する位置決め基準部がワークの仕様の違いにかかわらず共通化されていて且つワークに対する位置決め基準部がワークの仕様ごとに相違するように設定された特定の仕様のカセット治具を上記ワークベースに着脱可能に位置決め固定し、このカセット治具を基準として該当する仕様のワークを位置決めするとともに、ワークにはそのワークの仕様の違いにかかわらずクランプ部位を共通化させるための相互に連結した少なくとも左右一対のドリフト治具を着脱可能に装着し、このドリフト治具をクランプ部位として、ワークベースに設けられたクランプ機構にてワークをワークベースにクランプすることを特徴としている。
【0008】
加工対象となるワークは例えば自動車用エンジンのシリンダヘッドとし、ドリフト治具を装着すべき部位は例えば各ワークに設定されたヘッドボルト取付穴(シリンダヘッドをシリンダブロックに固定するためのボルトを挿入する穴)の座面とする。
【0009】
この場合、請求項2に記載のように、少なくとも左右一対のドリフト治具を例えば板ばねの如き可撓性を有する連結部材にて相互に連結することがドリフト治具相互間のピッチを保ちつつ各ドリフト治具に所定の自由度を持たせる上で望ましく、また請求項3に記載のように、各ドリフト治具は、ワークの特定の穴の座面に着座する一対のクランプピンとそれらクランプピン同士を連結しているクランプバーとから構成されているものとする。さらに、請求項4に記載のように、ワークと各ドリフト治具が正規の相対位置関係にあるときにのみそのワークへのドリフト治具のセットを可能とするべく、ワークと各ドリフト治具の相対位置関係が正規状態に対して180度異なる状態ではワークに対するドリフト治具のセットが不能となるように、少なくともいずれかのドリフト治具に規制部材を設けることが望ましい。
【0010】
したがって、この請求項1に記載の発明では、ワークの仕様ごとに設定したカセット治具を併用することでワークベースに対するワークの位置決めがなされ、同時にドリフト治具を併用することでワークの仕様の違いにかかわらず共通のクランプ機構をもってワークがワークベースにクランプされる。これにより、各仕様ごとのカセット治具にクランプ機構を付帯させる必要がなくなるとともに、複数のドリフト治具が互いに連結されているために一回のドリフト治具の取り付けもしくは取り外し作業をもって必要数分のドリフト治具を取り付けたり取り外したりすることが可能となる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、各仕様ごとに設定したカセット治具とともにドリフト治具を併用して、ワークの仕様の違いにかかわらずクランプ部位を共通化したことにより、各カセット治具にクランプ機構を付帯させる必要がないだけでなく、ワークベースに設けたクランプ機構を全てのワークのクランプに共通して使用することができ、各仕様ごとのカセット治具の構造を簡素化できるとともに、設備費の低減化に寄与できる。また、複数のドリフト治具が相互に連結されているので、必要数分のドリフト治具の取り付けもしくは取り外し作業が一回で済み、作業性が向上するほか、各ドリフト治具の取り付け間違いの発生を未然に防止できる効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明の好ましい第1の実施の形態を示す図であって、マシニングセンタによる自動車エンジン用のシリンダヘッド(以下、これをワークと称する)の加工工程を示している。
【0013】
図1〜3に示すように、主軸2との間での自動工具交換機能を有する横型のマシニングセンタ1に隣接してチルト式のワーク位置決め治具3が配置されているとともに、そのワーク位置決め治具3の外側にワーク搬送用のローラコンベヤ4が配置されている。そして、図1のステップ5の上に作業者Mが立ち、ローラコンベヤ4とワーク位置決め治具3との間でワークWの搬出入を行うようになっている。すなわち、ローラコンベヤ4を使って前工程から送られてきたワークWをワーク位置決め治具3にセットしてマシニングセンタ1による加工に供する一方、加工を終えたワークWをそのワーク位置決め治具3からローラコンベヤ4側に取り出して次工程に送り出すことになる。
【0014】
ワーク位置決め治具3は、図4〜6に示すように、脚状の治具フレーム6にブラケット7を介して略上向きコ字状をなすワークベース8を両持ち状態で軸受支持させたものであって、サーボモータ等を主体とするチルト駆動手段9のはたらきにより水平なチルト中心Cを回転中心として360°の任意の位置まで回転させることが可能であり、同時にその任意の位置に割り出して位置決めすることができるようになっている。
【0015】
ここで、本実施の形態では、後述するようにワークベース8を仕様が異なる複数種類のワークWに共通して使用するために、各々のワークWを直接ワークベース8に位置決めすることはせずに、各ワークWの仕様に応じて予め用意されたカセット治具10を介してワークWをワークベース8に位置決めするようになっている。同時に、ワークWのクランプに際しても共通のクランパー11にて各仕様のワークWに対応するために、後述するように直接ワークWをクランプすることなく各ワークWの仕様ごとに予め用意されたドリフト治具21を介してクランプするようになっている。
【0016】
図7〜9には上記ワークベース8の詳細を示す。なお、構造の理解を容易にするためにワークベース8のみを取り出した状態を図10〜12に示す。これらの図7〜9および図10〜12に示すように、ワークベース8にはクランプ機構として左右一対のクランパー11が設けられているほか、中央部に窓部12が開口形成された基準シート面8aには各ワークWの仕様ごとのカセット治具10を位置決めするにあたってその位置決め基準部となる複数の基準ブロック13と同じく複数の偏心クランプナット14が設けられている。なお、各仕様ごとのカセット治具10の母体となる矩形状の治具プレート15はその外形状およびサイズがワークWの仕様の違いにかかわらず予め共通化されている。
【0017】
上記クランパー11は、クランプシリンダ(油圧シリンダ)16の伸縮作動に応じてクランプアーム17が90°程度旋回しながら基準シート面8aに対し接近離間動作すなわちクランプ,アンクランプ動作する公知の構造のものである。また、上記偏心クランプナット14は、相手側のねじの回転操作によりその偏心量に応じて相対変位して、六角形のいずれかの平坦面を当接面として上記カセット治具10を基準ブロック13に押し付けてクランプするものである。したがって、後述するようにいずれの仕様のカセット治具10であっても基準ブロック13を位置決め基準部として基準シート面8a上の同一位置に位置決めクランプされるようになっている。
【0018】
図13,14には特定の仕様のカセット治具の詳細を示す。なお、図13,14は構造の理解を容易にするために図7〜9からカセット治具10のみを取り出した状態を示している。図7〜9および図13,14に示すように、仕様の違いにかかわらず共通形状とされた矩形状の治具プレート15の中央部にはワークベース8と同様に窓部18が開口形成されているとともに、その治具プレート15にはワーク着座面となる複数のシートパッド19のほか同じく複数のロケートピン20が固定されている。これらのシートパッド19およびロケートピン20はいずれも当該カセット治具10上に位置決めされることになるワークWの位置決め基準部として機能するもので、各部の寸法L1〜L3はワークWの仕様に応じて少しずつ異なっている。つまり、仕様が異なるカセット治具10,10同士を比較した場合に、母体となる治具プレート15の形状は共通であってもシートパッド19やロケートピン20の配置はワークWの仕様に応じて個々に異なっていることになる。そして、上記シートパッド19やロケートピン20を基準としてカセット治具10上に位置決めされたワークWは、図7〜9および図10〜12に示すようにそのワークWに予め装着されるドリフト治具21を介してクランパー11によりカセット治具10とともにワークベース8にクランプされるようになっている。なお、上記ドリフト治具21はワークWの仕様毎に専用化されたものが予め用意されており、その詳細については後述する。
【0019】
また、カセット治具10の治具プレート15上には左右一対のワーク用レール22が配置されている。これらのワーク用レール22は図5,6に示すようにワークベース8側からワーク搬送用のローラコンベヤ4側に向かって延びており、後述するようにそのローラコンベヤ4とワークベース8との間でのワークWの搬出入に際してワーク送給路として機能するようになっている。各ワーク用レール22は、図15に示すように治具プレート15に固定されたホルダ23にブッシュ24とガイドロッド25とを介して所定ストロークαだけ昇降可能に案内支持されていて、上記シートパッド19やロケートピン20によってワークWが位置決めされた状態ではそのワークWに接触しないように設定されている。そして、これらのワーク用レール22は後述する昇降駆動手段としてのリフトシリンダ34およびリフタテーブル31とともにワークリフタ26を形成していて、加工完了後に所定ストロークαだけリフトアップすることによりロケートピン20とワークWとの相互嵌合を解除しつつカセット治具10からワークWを浮上させることができるようになっている。
【0020】
なお、上記一対のワーク用レール22はワークWの底面に接触してこれを支えるものであるが、図7〜9に示すように治具ベース15には一対のワーク用レール22とは別にワークWの側面に接触してこれを案内する別のサイドレール27が設けられている。また、上記ワーク用レール22と平行となるようにワークベース8側にも左右一対の治具用レール28が形成されており、この治具用レール28は後述するようにカセット治具10の交換の際に使用される。
【0021】
ここで、上記カセット治具10と併用されるドリフト治具21について説明すると、図9,12のほか図17〜19に示すように、このドリフト治具21はいずれの仕様のものも左右一対の段付き軸状のクランプピン59,59を断面矩形状のクランプバー30にて相互に連結して略コ字状もしくはU字状のものとして形成したもので、図17から明らかなように、ワークWの仕様の違いにかかわらず一つのワークWについて左右一対のドリフト治具21,21が平面視にて略ハの字状の配置となるようにワークWの上面から斜めに装着された上で使用される。
【0022】
なお、図16,18から明らかなように、各ドリフト治具21を形成しているクランプピン59は大径軸部40と小径のロケートピン部41をもって段付き軸状のものとして形成されているが故に両者の境界部に段状部たるショルダー部42が形成されている。また、左右一対のドリフト治具21,21の略ハの字状の配置は図13に示したシートバッド19,19同士を結んだ線の配置と一致しており、これによりシートパッド19,19…の真上からワークWのクランプ力が付与されるように設定されている。
【0023】
上記のように、一つのワークWについて同時使用されることになるその左右一対のドリフト治具21,21同士はクランプバー30同士の間に架橋的に配置された可撓性を有する連結部材例えば所定厚みのばね板鋼等からなる連結バー43を介して相互に連結されている。より詳しくは、各ドリフト治具21におけるクランプバー30には両側の把手部44とともに板状のブラケット45がボルト46により共締め固定されており、これらのブラケット45,45同士が連結部材である連結バー43を介してボルト47により相互に連結されている。これにより、同時使用される二つのドリフト治具21,21同士は先に述べたハの字状の配置形態が自己保持される。なお、左右のドリフト治具21,21同士を連結している連結バー43の両端にはそれぞれにボルト47を挿入するための複数の取付穴が形成されているが、一方の取付穴は長穴48(図17参照)となっていて、ドリフト治具21,21同士のなす間隔が微調整可能となっている。また、各ドリフト治具21におけるクランプバー44の両側面に装着される把手部44は図20のように断面略三角形状のものとなっている。
【0024】
各ドリフト治具21のクランプバー30の先端には例えばナイロン(登録商標)に代表されるような樹脂製で且つ平面視にて略L字状のパッド49がボルト50(図19参照)にて装着されているとともに、一方のドリフト治具21(図17では右側のドリフト治具21)におけるクランプバー30の側面に把手部44とともに共締め固定されたブラケット51の先端には同じく樹脂製で且つ円柱状のパッド52が図外のボルトにて装着されている。これらの各パッド49,52は、図17の平面視にて各ドリフト治具21をワークWの正規位置に装着した状態ではワークWの周縁部の縦壁面に内接するように設定されており、例えばワークWに左右のドリフト治具21,21を装着する際に作業者が誤ってその向きを逆にして装着しようとしても、各パッド49,52がワークWの周縁部の縦壁面に内接せず且つ各ドリフト治具21,21のクランプピン59が後述する相手側の穴に正しく挿入されないように妨害する規制部材として機能する。
【0025】
すなわち、図17の平面視をもって示したようにワークWに対する各ドリフト治具21の正規装着状態においては、後述するようにそのワークWに設定された多数のヘッドボルト取付穴53,53…のうち対角線上にある二つのヘッドボルト取付穴53,53に対して各ドリフト治具21のロケートピン部41を挿入して着座させるものであるから、左右一対のドリフト治具21,21を連結バー43で相互に連結しただけでは、図17のワークWに対して、連結バー43にて連結された左右一対のドリフト治具21,21の向きが180度反転していることに気付かずに装着したとしても、正規装着位置以外でも対角線上に位置する二つのヘッドボルト取付穴53,53同士のピッチが同じであるので、正規位置以外でも各ドリフト治具21,21のロケートピン部41がいずれかのヘッドボルト取付穴53,53…に正規取付状態と同様に挿入されてしまう可能性がある。
【0026】
そして、上記のような左右一対のドリフト治具21,21の反転姿勢による装着を妨害してこれを排除しようとしているのは、そのドリフト治具21,21の反転状態のままで各ドリフト治具21,21を介してワークWをクランプしてしまうと、先に述べたようにシートパッド19(図13参照)の真上からワークWをクランプすることができずに、クランプ力によってワークWを変形させてしまって加工精度の低下を招くおそれがあるためである。
【0027】
上記ドリフト治具21は、図16に示すように一対のクランプピン59のロケートピン部41をワークW側のボルト穴例えばワークに形成されている多数のヘッドボルト取付穴53,53…のうち特定のものを選択して嵌合させることで位置決めするようになっている。すなわち、同図に示すように各クランプピン59のロケートピン部41をヘッドボルト取付穴(ワークであるシリンダヘッドWを相手側のシリンダブロックに固定するためのヘッドボルトを挿入するボルト穴)53に挿入して、そのクランプピン59側のショルダー部42をヘッドボルト取付穴53の座面53aに着座させることでワークWと各ドリフト治具21との三次元方向の相対位置決めがなされるようになっている。
【0028】
つまり、各ドリフト治具21は、例えば図12に示すようにワークWの仕様に応じて各部の寸法L4,L5等が微妙に異なっていたとしても、クランプに必要な寸法LをワークWの仕様にかかわらず一定の値のものにする機能を有している。その結果として、ワークWの仕様ごとにそれ専用のカセット治具10およびドリフト治具21を使用することを前提として、共通のクランパー11にていずれの仕様のワークWをも確実にクランプすることができるようになっている。
【0029】
図7,8および図10に示すように、上記ワークベース8の基準シート面8aのうちカセット治具10の左右両端部に相当する位置には左右一対のプッシュロッド29が設けられている。このプッシュロッド29はワークベース8に対し上下動可能に支持されているものの、基準シート面8a上にカセット治具10が位置している状態ではその上端が基準シート面8aよりも突出しないように圧縮コイルスプリング30にて下方に付勢されている。
【0030】
一方、図4〜6および図7に示すように、上記ワークベース8を支持している治具フレーム6側には、ワークベース8および各カセット治具10の窓部12,18を通して昇降可能なリフタテーブル31と、治具リフタとして治具リフトシリンダ32が設けられている。
【0031】
リフタテーブル31は左右一対のガイドロッド33にて案内されながらリフトシリンダ34の伸縮動作に応じて昇降動作するようになっていて、先に述べたカセット治具10側の一対のワーク用レール22とともにワークリフタ26を形成している。したがって、図15に示すように、少なくともカセット治具10上のワークWがアンクランプ状態にあるとき、ワークベース8および各カセット治具10の各窓部12,18を通してリフタテーブル31を上昇させることにより、リフタテーブル31はワークWを直接リフトアップさせながら同時に左右一対のワーク用レール22をストロークαだけリフトアップせるようになっている。
【0032】
また、上記リフタテーブル31の両側に設けられた左右一対の治具リフトシリンダ32は図7,10に示したワークベース8側のプッシュロッド29の位置と一致していて、後述するように治具リフトシリンダ32にてプッシュロッド29を突き上げることによりワークベース8の基準シート面8aに対してカセット治具10が所定量だけリフトアップされるようになっている。
【0033】
次に、以上のように構成された設備におけるワーク搬出入の手順について説明する。
【0034】
最初に、ワークベース8には特定の仕様のカセット治具10が予め位置決めクランプされていて、且つ一対のクランパー11がアンクランプ状態にあるものとすると、図1,2に示したように作業者Mはローラコンベヤ4上を送られてくる該当する仕様のワークWを手作業にてカセット治具10上に搬入することになる。なお、この時にはワークベース8の基準シート面8aが水平となるような位置すなわち図4,6に示す状態となるようにワークベース8が割り出されて停止している。
【0035】
このワークWの搬入に先立って、作業者Mは図9〜12および図17〜19に示すようにワークWの所定位置に該当する仕様の左右一対のドリフト治具21をセットする。すなわち、連結バー43にて相互に連結されている左右一対のドリフト治具21,21の把手部44を持った上で、各ドリフト治具21のクランプピン59を該当するヘッドボルト取付穴53に挿入して、図16に拡大して示すようにクランプピン59側のショルダー部42をヘッドボルト取付穴53の座面53aに着座させて位置決めする。この時、先に説明したように左右一対のドリフト治具21の向きが180度反転していることに気付かずにそのまま装着しようとしたとしても、ワークWに対して各パッド49,52が正しく内接しないため、各ドリフト治具21の誤った姿勢での装着を未然に阻止することができる。
【0036】
同時にこの段階では、ワークリフタ26を形成しているリフタテーブル31が図4,7に示す上昇限位置Q1で停止しており、その結果として図6および図15に示すようにカセット治具10のワーク用レール22は所定ストロークαだけリフトアップされて、そのワーク用レール22はローラコンベヤ4の搬送レベルと同一高さ位置となっている。
【0037】
作業者Mはローラコンベア4上のワークWをワークベース8側に押し込み、そのワークWをカセット治具10の上に位置させる。すなわち、ワークWを図7〜9に示したサイドレール27に沿わせながらワーク送給路として機能する一対のワーク用レール22上にて滑らせるようにして押し込むことで、そのワークWはスムーズにカセット治具10上に搬入され、最終的にはワークWはリフタテーブル31と一対のワーク用レール22によって支えられることになる。
【0038】
特定仕様のワークWがカセット治具10上に搬入されたならば、リフタテーブル31を下降させる。このリフタテーブル31の下降に伴いワーク用レール22も図15の所定ストロークαだけ下降することから、ワークWはカセット治具10上のロケートピン20に自律的に嵌合しながらそのロケートピン20によって位置決めされて、最終的にはシートパッド19に着座した位置決め状態となる。この後、ワークベース8に付設されている一対のクランパー11がクランプ動作して、図9〜12に示すようにワークWに予めセットされているドリフト治具21を介してワークWをカセット治具10とともにワークベース8に堅固にクランプする。
【0039】
以上をもってワークベース8に対するワークWの位置決めクランプが完了し、ワークWはワーク位置決め治具3自体のチルト機能によって適宜姿勢を変更しながら図1〜3に示したマシニングセンタ1による切削加工に供されることになる。なお、このような動作は、ワークWの仕様が他の仕様のものであっても全く同様である。
【0040】
マシニングセンタ1による加工が終了すると、ワークベース8は再び図4,6の状態となるように割り出されて停止する。この時のワークベース8とローラコンベヤ4との相対位置関係はワーク搬入時と全く同様であり、したがってワーク搬入時とは全く逆の手順で加工済みのワークWの搬出を行う。
【0041】
このワーク搬出作業に先立って、一対のクランパー11をアンクランプ動作させた上で、リフタテーブル31を上昇限位置まで上昇動作させる。これにより、先に述べたようにリフタテーブル31はカセット治具10上の加工済みのワークWとともに一対のワーク用レール22をリフトアップさせ、そのカセット治具10上のロケートピン20とワークWとの嵌合を解除しながら、ワーク用レール22の高さをローラコンベヤ4の搬送レベルに揃えるかたちとなる。これにより、そのワーク用レール22上を滑らせるようにして加工済みのワークWをワークベース8からローラコンベヤ4側に引き出せば容易にその搬出が行える。
【0042】
ここで、次に加工すべきワークWの仕様がその前の仕様のものと異なる場合には、その次のワークWの搬入前にカセット治具10を該当する仕様のものと交換する必要がある。
【0043】
カセット治具10の交換は、上記のような加工済みワークWの搬出後に行うものとし、現在ワークベース8上に在席しているカセット治具10をクランプしている偏心クランプナット14(図8参照)をアンクランプ状態とした上で、ワークリフタ26のリフタテーブル31を上昇限位置Q1まで上昇させ、さらに図4,7に示した治具フレーム6側の治具リフトシリンダ32を伸長動作させて、その上方に位置するワークベース8側のプッシュロッド29を所定ストロークだけ突き上げる。その結果、カセット治具10は左右一対のワーク用レール22とともにワークベース8から完全に浮上した状態となり、図7,8に示すようにカセット治具10の下面とリフタテーブル31の中央部上面、およびワークベース8側の治具用レール28とがほぼ同一高さ位置となる。
【0044】
この状態で、カセット治具10を一対のワーク用レール22とともにリフタテーブル31上にて滑らせるようにして引き出しながら、左右一対の治具用レール28に乗り移らせることで、これらリフタテーブル31や治具用レール28を使ってカセット治具10をローラコンベヤ4側にスムーズに引き出すことができる。
【0045】
こうして、加工済みワークWのカセット治具10を引き出し終えたならば、上記とは全く逆の手順で次に加工すべきワークWの仕様に応じたカセット治具10(一対のワーク用レール22を含む)をワークベース8上に移載してクランプする。このカセット治具10の交換が完了した段階では、治具リフトシリンダ32の収縮動作によって一対のプッシュロッド29は下降してはいても、ワークリフタ26側のリフタテーブル31はなおも上昇限位置Q1にあり、先に述べたようにこのリフタテーブル31を有効に使って次に加工すべきワークWをカセット治具10上に搬入して位置決めクランプし、以降は上記と同様の加工サイクルを繰り返すことになる。
【0046】
このように本実施の形態によれば、マシニングセンタ1での加工対象となるワークWの搬出入を手作業にて行うにあたり、そのワークWの仕様に応じて治具の一部を交換する必要がある場合に、各仕様ごとのドリフト治具21およびカセット治具10として駆動源を持たないきわめて簡易な構造のものとすることができる。その上、左右一対のドリフト治具21,21同士を連結バー43にて相互に連結してあるので、ワークWへのドリフト治具21,21のセット作業は一回で済み、作業性が良好なものとなるほか、連結バー43にて相互に連結してある左右一対のドリフト治具21,21には異なる向きでの装着を阻止する機能を有しているので、ワークWの加工精度の低下につながるような各ドリフト治具21,21の誤装着を未然に防止できるようになる。しかも、左右一対のドリフト治具21,21同士は連結バー43にて相互に連結されてはいても、連結バー自体の可撓性のために各ドリフト治具21単独での自由度は確保されているため、ヘッドボルト取付穴53の座面53aに対するクランプピン59の密着性も向上する。
【0047】
図21以下の図面は本発明の第2の実施の形態を示し、ワークWの仕様ごとに専用化されたドリフト治具の別の例を示している。なお、先の第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0048】
図17において、第1の実施の形態でのワークWのクランプ状態を前提とした上で、ワークWの仕様によってはマシニングセンタ1での加工として例えば特開平6−297282号公報に記載のようなバルブフィニッシャー加工と称される加工を行うことがある。このバルブフィニッシャー加工は、図9にも示すようにワークベース8の下面側からカッタースピンドル60を挿入して、給排気バルブ用バルブガイド63(図22参照)のバルブガイド穴63aの仕上げリーマ加工と、バルブガイド63と同一軸線上に位置することになるバルブシートのシート面の仕上げ切削加工とを同時に行うもので、その際に加工工具であるリーマ61の溝部を使ってツールホルダ62側からリーマ61の先端に向けて切削液を例えば2〜3MPa程度の圧力で噴射,供給することが行われる。その結果として、バルブガイド穴63aから上方に向けて切り屑とともに切削液が勢いよく噴射することになる。
【0049】
ここで、図17において、多数のバルブガイド63,63…のうち左右両端のバルブガイド63Aに着目した場合、バルブガイド63Aは平面視にてドリフト治具21のクランプバー30とオーバーラップしていることから、図22にも示すようにバルブガイド63Aのバルブガイド穴63aから噴射された切削液はクランプバー30と衝突して跳ね返り、そのままバルブガイド63Aに近接しているヘッドボルト取付穴53に対するクランプピン59の着座部を指向するようになる。ヘッドボルト取付穴53の座面53aとクランプピン59のショルダー部42とは均等に圧接しているのが理想ではあるが、それぞれの加工精度のばらつきのためにクランプ力を付与すると両者の間にわずかな隙間が発生することがある。
【0050】
そのため、上記のようにクランプバー30で跳ね返った切削液がヘッドボルト取付穴53に対するクランプピン59の着座部を指向することによって、切削液に含まれる切り屑がクランプピン59とヘッドボルト取付穴53の座面53aとの間に入り込む可能性がある。そして、例えばクランプピン59のショルダー部42に切り屑が付着しているのを知らずにそのドリフト治具21を繰り返し使用すると、ヘッドボルト取付穴53の座面53aに圧痕や傷を発生させることとなって好ましくない。
【0051】
なお、上記のような切り屑の噛み込みによる圧痕や傷の発生は、ワークWをクランパー11にてクランプしている状態においても起こる可能性がある。例えば、クランパー11によるワークWのクランプ中においてクランプシリンダ16によるクランプ力が微妙に変動するようなことがあると、クランプピン59のショルダー部42とワークWのヘッドボルト取付穴53の座面53aとの間にわずかな隙間が発生する。そして、その隙間に上記のように切削液とともに勢いよく噴射された切り屑を噛み込んでしまい、クランプ力の変動によってヘッドボルト取付穴53の座面53aに圧痕や傷が発生してしまうことになる。
【0052】
そこで、この第2の実施の形態では、図21,22に示すように左右一対のドリフト治具121に切り屑排出ガイド64を設けて、特定のバルブガイド63Aのバルブガイド穴63aから噴射される切削液が各ドリフト治具121のクランプパー30と衝突しないように考慮してある。なお、図21において、左右のドリフト治具121,121同士は図17〜19と同様に連結バー43にて相互に連結される一方、クランプバー30には複数のパッド49,52や把手部44等が付帯することになるが、それらのパッド49,52や把手部44等は図面の錯綜化を避けるために図示省略してある。
【0053】
すなわち、図21〜24に示すように、各ドリフト治具121のクランプバー30のうち正規装着状態において特定のバルブガイド63Aに対応する部分にはそのバルブガイド63Aに臨むように略パイプ状の切り屑排出ガイド64を設けてある。この切り屑排出ガイド64は、パイプ状のガイド本体65のうちその上端部を直角に切除してクランプバー30に対する取付凹部66を形成する一方、ガイド本体65うち円周方向の四分の一に相当する部分(図26のβ相当部分)を切除することにより開口部67を形成して、この開口部67をもって外部に開口させてある。
【0054】
さらに、上記取付凹部66の開口平面に沿って同方向に延長するかのような形態で板状の取付ブラケット68を溶接固定するとともに、取付凹部66の直下であって且つ開口部67と反対側に相当する位置には傾斜板69を溶接固定してある。そして、図21〜23から明らかなように、切り屑排出ガイド64を取付ブラケット68とボルト70とをもって各ドリフト治具121のクランプバー30に固定した状態では、各切り屑排出ガイド64の開口部67同士が互いに向き合うようにして、言い換えるならば、図21に示すようにワークWに対する各ドリフト治具121の正規装着状態において、各開口部67が切り屑排出ガイド64に近接するクランプピン59の位置に対してほぼ反対方向を指向しつつ外部に開口するように設定してある。
【0055】
したがって、図22に示したように、特定のバルブガイド63Aのバルブガイド穴63aの仕上げ加工の際にそのバルブガイド穴63aからクランプバー30側に向かって切り屑を含んだ切削液Qが噴射したとしても、その切削液Qは図25に示すように傾斜板69に衝突することでその向きを変え、開口部67からスムーズに外部に排出される。これにより、切り屑を含んだ切削液Qが特定のヘッドボルト取付穴53とクランプピン59との着座接触部側に噴射されることがなくなり、同着座接触部への切り屑の付着を未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい第1の実施の形態として、マシニングセンタによるシリンダヘッドの加工工程の概略を示す正面説明図。
【図2】図1の平面説明図。
【図3】同じく図1の左側面説明図。
【図4】図3に示すワーク位置決め治具の要部拡大説明図。
【図5】図4の平面説明図。
【図6】図4の右側面説明図。
【図7】図4におけるワークベース部の拡大説明図。
【図8】図7の平面説明図。
【図9】図7の垂直断面説明図。
【図10】図7の構造を模式化した構成説明図。
【図11】同じく図8の構造を模式化した構成説明図。
【図12】同じく図9の構造を模式化した構成説明図。
【図13】図8に示したカセット治具のみの模式化した構成説明図。
【図14】図13の正面説明図。
【図15】図9の要部拡大説明図。
【図16】図9のB部拡大説明図。
【図17】ワークであるシリンダヘッドとドリフト治具との関係を示す平面図。
【図18】図17の正面説明図。
【図19】図17の右側面説明図。
【図20】図17に示すクランプバーの断面説明図。
【図21】本発明の第2の実施の形態としてワークであるシリンダヘッドとドリフト治具との関係を示す平面図。
【図22】図21におけるM方向矢視説明図。
【図23】図21におけるJ方向矢視説明図。
【図24】図21におけるK方向矢視説明図。
【図25】図21におけるL方向矢視説明図。
【図26】図25の平面説明図。
【符号の説明】
1…マシニングセンタ(工作機械)
3…ワーク位置決め治具
4…ローラコンベヤ
6…治具フレーム
8…ワークベース
8a…基準シート面
10…カセット治具
11…クランパー(クランプ機構)
13…基準ブロック(位置決め基準部)
14…偏心クランプナット
15…治具プレート
19…シートパッド(位置決め基準部)
20…ロケートピン(位置決め基準部)
21…ドリフト治具
22…ワーク用レール
26…ワークリフタ
28…治具用レール
30…クランプバー
31…リフタテーブル
32…治具リフトシリンダ(治具リフタ)
34…リフトシリンダ(昇降駆動手段)
43…連結バー(連結部材)
49…パッド(規制部材)
52…パッド(規制部材)
53…ヘッドボルト取付穴
53a…座面
59…クランプピン
64…切り屑排出ガイド
121…ドリフト治具
W…ワーク(シリンダヘッド)

Claims (8)

  1. 仕様が異なる複数種類のワークのうちいずれか一つをワークベースに位置決めクランプして共通の工作機械にて機械加工を施すにあたり、
    ワークベースに対する位置決め基準部がワークの仕様の違いにかかわらず共通化されていて且つワークに対する位置決め基準部がワークの仕様ごとに相違するように設定された特定の仕様のカセット治具を上記ワークベースに着脱可能に位置決め固定し、
    このカセット治具を基準として該当する仕様のワークを位置決めするとともに、
    ワークにはそのワークの仕様の違いにかかわらずクランプ部位を共通化させるための相互に連結した少なくとも左右一対のドリフト治具を着脱可能に装着し、
    このドリフト治具をクランプ部位として、ワークベースに設けられたクランプ機構にてワークをワークベースにクランプすることを特徴とする工作機械のワーク位置決め方法。
  2. 請求項1に記載のワーク位置決め方法に用いる工作機械のワーク位置決め装置であって、
    少なくとも左右一対のドリフト治具を可撓性を有する連結部材にて相互に連結してあることを特徴とする工作機械のワーク位置決め装置。
  3. 各ドリフト治具は、ワークの特定の穴の座面に着座する一対のクランプピンとそれらクランプピン同士を連結しているクランプバーとから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械のワーク位置決め装置。
  4. ワークと各ドリフト治具が正規の相対位置関係にあるときにのみそのワークへのドリフト治具のセットを可能とするべく、ワークと各ドリフト治具の相対位置関係が正規状態に対して180度異なる状態ではワークに対するドリフト治具のセットが不能となるように、少なくともいずれかのドリフト治具に規制部材を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の工作機械のワーク位置決め装置。
  5. 機械加工時にドリフト治具に向かって排出されることになる切り屑をドリフト治具以外の領域に案内する切り屑排出ガイドをそのドリフト治具に設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに工作機械のワーク位置決め装置。
  6. 上記ワークベースに隣接してワーク搬送用のコンベヤが配置されているとともに、ワークベースにはカセット治具に対してワークを昇降させるためのワークリフタが設けられていて、
    このワークリフタは、
    ワークベース側に設けられた昇降駆動手段と、
    カセット治具のうちワークよりも下方位置に昇降可能に案内支持されているとともに上記昇降駆動手段によって昇降駆動され、ワークベースと上記コンベヤとの間でのワークの搬出入に際してそのワーク送給路として機能するべくコンベヤ側に向かって延びているワーク用レールと、
    を備えていて、
    上記ワーク用レールが上昇した状態ではその高さ位置が上記コンベヤの搬送レベルと同一高さとなるように設定されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の工作機械のワーク位置決め装置。
  7. 上記ワークベースには、カセット治具の交換に際してワークベース上のカセット治具をコンベヤの搬送レベルと同一の高さ位置まで押し上げる治具リフタが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の工作機械のワーク位置決め装置。
  8. 上記ワークベースは、治具フレームに対し水平な軸を回転中心として回転可能で且つ任意の回転位置に割り出し可能に支持されたチルト式のものとなっていて、
    上記ワークリフタの昇降駆動手段および治具リフタは治具フレーム側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の工作機械のワーク位置決め装置。
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