JP4341201B2 - 有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法、電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法、電子機器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピューターやテレビジョンなどの情報端末や、電気製品の表示部に用いる表示装置等として好適に使用される、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略称する。)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示装置でカラー表示を行う従来の方法としては、▲1▼各発光色毎に発光層を形成する方法、▲2▼白色発光層でパネル全面を発光させ、その上にカラーフィルターを配置してカラー表示する方法、▲3▼青色に発光する発光層でパネル全面を発光させ、その上に色変換層を配置して緑、赤の発光を得る方法等が挙げられる。
【0003】
これらの方法のうち、▲1▼の各発光色毎に発光層を形成する方法が、消費電力と色度の点から、最も良く研究されている。また、製造方法が簡単な事から、発光層の材料として高分子を用い、発光層を所定パターンで形成する方法としてインクジェット法が用いられている。
カラー有機EL表示装置を▲1▼の方法で形成する場合には、例えば以下の工程が行われる。
【0004】
先ず、透明なガラス基板上に、透明な陽極(画素電極)として、ITO(In23 −SnO2 )を所定パターンで製膜する。次に、基板面の全面に、正孔注入/輸送層をスピンコート法またはインクジェット法で形成する。
次に、赤、緑、青に発光する材料(発光層形成材料)を、各画素位置にそれぞれインクジェット法等で配置することにより、各画素位置に各色の発光層を形成する。次に、必要に応じて電子注入層を全面に形成した後に、陰極層を全面に形成する。次に、少なくとも陰極層の上面全体を封止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、カラー有機EL表示装置を▲1▼の方法で形成する場合、従来の技術では、電子注入層や陰極層を、各色の発光層に対してすべて同じ材料で基板全面に形成していた。すなわち、各色の発光層毎に、電子注入層や陰極層の構成を変えること(電子注入層の有無、陰極材料の変更等)が行われていなかった。そのため、発光層の電気光学特性が各色毎に最適化されてはいなかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、発光層の電気光学特性が各発光領域(例えば各色の発光領域)毎に最適化された有機EL装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかる有機エレクトロルミネセッセンス装置は、第1陰極と、第1陽極と、前記第1陰極と前記第1陽極との間に位置する第1発光層と、第2陰極と、第2陽極と、前記第2陰極と前記第2陽極との間に位置する第2発光層と、第3陰極と、第3陽極と、前記第3陰極と前記第3陽極との間に位置する第3発光層とからなり、前記第1陰極と前記第1発光層との間にフッ化リチウムから成る電子注入層が形成され、前記第1発光層の色と前記第2発光層の色と前記第3発光層の色とが異なり、
前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料と前記第3陰極の構成材料とが異なり、前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料と前記第3陰極の構成材料は、順に、前記第1発光層の構成材料と前記第2発光層の構成材料と前記第3発光層の構成材料に応じた構成となっている、ことを特徴とする。
また、上記有機エレクトロルミネセッセンス装置において、前記第1発光層が青色を発光するものであることを特徴とする。
本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基板上に第1陽極と第2陽極と第3陽極を形成する第1工程と、前記第1陽極上に第1発光層を、前記第2陽極上に第2発光層を、前記第3陽極上に第3発光層をそれぞれ形成する第2工程と、前記第1発光層上にフッ化リチウムの水溶液をインクジェット法で塗布し、電子注入層を形成する第3工程と、お互いに異なる構成材料からなり、前記第1発光層に応じた材料からなる第1陰極を前記電子注入層上に、前記第2発光層に応じた材料からなる第2陰極を前記第2発光層上に、前記第3発光層に応じた材料からなる第3陰極を前記第3発光層上にそれぞれ形成する第4工程と、
を含むことを特徴とする。
上記有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記第1発光層が青色を発光するものであることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置は、第1陰極と、第1陽極と、前記第1陰極と前記第1陽極との間に位置する第1発光層と、第2陰極と、第2陽極と、前記第2陰極と前記第2陽極との間に位置する第2発光層と、を含み、前記第1発光層の仕事関数が前記第2発光層の仕事関数より大きく、前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料とが異なることを特徴とする。
【0008】
上記有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1陰極と前記第1発光層との間に前記第1陰極及び前記第1発光層より仕事関数の大きい電子注入層が形成され、前記第2陰極と前記第2発光層との間に前記第2陰極及び前記第2発光層より仕事関数の大きい電子注入層が形成されていないことが好ましい。
【0009】
上記有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記電子注入層がアルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物を含む材料からなることが好ましい。
【0010】
上記有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1発光層の色と前記第2発光層の色とが異なるものであることが好ましい。また、前記第1発光層が青色を発光するものであることが好ましい。
【0011】
本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置は、第1陰極と、第1陽極と、前記第1陰極と前記第1陽極との間に位置する第1発光層と、第2陰極と、第2陽極と、前記第2陰極と前記第2陽極との間に位置する第2発光層と、を含み、前記第1陰極と前記第1発光層との間に電子注入層が形成され、前記第1発光層の色と前記第2発光層の色とが異なり、前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料とが異なることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基板上に第1陽極と第2陽極とを形成する第1工程と、前記第1陽極上に第1発光層を、前記第2陽極上に第2発光層をそれぞれ形成する第2工程と、前記第1発光層上にフッ化リチウムの水溶液をインクジェット法で塗布し、電子注入層を形成する第3工程と、前記電子注入層上に第1陰極を、前記第2発光層上に第2陰極をそれぞれ形成する第4工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基板上に第1陽極を形成する第1工程と、前記第1陽極上に第1発光層を形成する第2工程と、前記第1発光層上にフッ化リチウムの水溶液をインクジェット法で塗布し、電子注入層を形成する第3工程と、前記電子注入層上に第1陰極を形成する第4工程と、を含むことを特徴とするものであってもよい。
【0014】
上記有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記第1発光層が青色を発光するものであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に相当する有機EL装置を示す断面図である。
この有機EL装置はカラー有機EL表示装置であり、赤色発光領域(赤色発光層を有する有機EL素子)R、青色発光領域(青色発光層を有する有機EL素子)B、および緑色発光領域(緑色発光層を有する有機EL素子)Gを、それぞれ画素として多数個、所定配置でパネル面(基板面)内に備えている。そして、各画素毎に、ガラス基板1の上にTFT素子2が、絶縁層3を介してITOからなる陽極4が形成されている。
【0016】
また、ポリアミドからなる隔壁5で囲われた各画素領域内に、赤色発光領域Rでは、バイエル社の「バイトロンP(登録商標)」からなる正孔注入層6と赤色発光材料であるMEH−PPV(poly (Methoxy-(2-ethyl)hexyloxy-paraphenylenevinylene)からなる赤色発光層7Rが、この順に形成されている。
青色発光領域Bでは、バイエル社の「バイトロンP(登録商標)」からなる正孔注入層6、青色発光材料であるポリジオクチルフルオレンからなる青色発光層7B、およびフッ化リチウムからなる電子注入層8が、この順に形成されている。緑色発光領域Gでは、バイエル社の「バイトロンP(登録商標)」からなる正孔注入層6と緑色発光材料であるPPVからなる緑色発光層7Gが、この順に形成されている。
【0017】
そして、赤色発光領域Rおよび緑色発光領域Gでは赤色発光層7Rおよび緑色発光層7Gの上(反基板側の面:ガラス基板1とは反対側の面)に、青色発光領域Bでは電子注入層8上に、カルシウム薄膜(20nm)とアルミニウム薄膜(200nm)とからなる積層構造(基板側がカルシウム薄膜)の陰極9が形成されている。
【0018】
この陰極9の上面全体および端面とパネル面の周縁位置にある隔壁5の外側面とが、端子部Tとして露出させる部分を除いて、エポキシ樹脂製の封止材10で覆われている。さらに、この封止材10の上面に、封止用のガラス板11が固定されている。なお、端子部Tとしては、図1で断面となっていない部分に、各陽極4に接続された各画素毎の陽極端子と、共通の陰極9に接続された一つの陰極端子が形成されている。
【0019】
このカラー有機EL表示装置を以下の方法で作製した。この方法を図2を用いて説明する。
先ず、ガラス基板1の上に、各画素毎のTFT素子2を形成した後、絶縁層3を介して、各画素位置にITOからなる陽極4を形成した。各陽極4の形成は、絶縁層3に各画素用のTFT素子2と陽極4とを接続する配線を形成した後に、絶縁層3上の全面にITO薄膜を形成し、このITO薄膜をフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程によりパターニングすることで行った。また、この陽極4の形成と同時に、各陽極4毎の陽極端子と陰極端子を端子部Tへ形成することと、各陽極と陽極端子を接続する配線の形成を行った。
【0020】
次に、このガラス基板1の上に、各発光領域に対応させた開口部51を有する隔壁5を、基板面の端子部Tとする部分を除いた範囲で、ポリアミドにより形成した。次に、図2(a)に示すように、全開口部51内の陽極4の上に、インクジェット法で正孔注入層6を形成した。すなわち、バイトロンPを溶媒(イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、1,3ジメチルーイミダゾリノン)に溶解させた溶液を全ての開口部51内に滴下して、溶媒を蒸発させた。
【0021】
次に、図2(b)に示すように、各開口部51内の正孔注入層6の上に、対応する各色の発光層7R,7G,7Bをインクジェット法で形成した。すなわち、各色発光領域用に、対応する前記発光材料をキシレンに溶解させて1重量%溶液を調製し、各溶液を対応する各色発光領域の開口部51内に滴下して、キシレンを蒸発させた。
【0022】
次に、図2(c)に示すように、所定位置に開口部Kを有するマスクMを用いて、真空蒸着法により電子注入層8をなすフッ化リチウム薄膜を形成した。マスクMの開口部Kは、隔壁5の開口部51の、青色発光層7Bが形成されている部分に対応する位置にのみ設けた。このようにして、青色発光層7Bの上にのみ電子注入層8を形成し、赤色発光層7Rおよび緑色発光層7Gの上には電子注入層8を形成しなかった。
【0023】
次に、このガラス基板1の上に、基板面の隔壁5が形成されている範囲内で、カルシウム薄膜(20nm)とアルミニウム薄膜(200nm)を真空蒸着法で順次形成した。これにより、図2(d)に示すように、前記範囲内に、カルシウム/アルミニウム積層薄膜からなる陰極9が形成された。次に、この陰極9と端子部Tに形成されている前記陰極端子を配線で接続した。
【0024】
次に、陰極9の上面全体および端面と基板面の周縁位置にある隔壁5の外側面とに、端子部Tとして露出させる部分を除いて、エポキシ樹脂系接着剤を所定厚さで塗布し、その上にガラス板11を載せた状態でこの接着剤を硬化させた。これにより封止材10およびガラス板11による封止を行った。図2(e)はこの状態を示す。
【0025】
このようにして得られたカラー有機EL表示装置の端子部Tに駆動回路を接続して、この表示装置を駆動したところ、青色発光領域Bで20Cd/m2 の発光輝度を得るために必要な消費電力は60mWであった。これに対して、青色発光領域Bに電子注入層8をしない以外は全て同じ方法で作製したカラー有機EL表示装置では、青色発光領域Bで20Cd/m2 の発光輝度を得るために必要な消費電力は200mWであった。また、この実施形態で得られた図1の構成のカラー有機EL表示装置において、赤色発光領域Rおよび緑色発光領域Gで20Cd/m2 の発光輝度を得るために必要な消費電力は共に60mWであった。
【0026】
これにより、青色発光領域Bにのみ電子注入層8を形成し、赤色発光領域Rおよび緑色発光領域Gには電子注入層8を形成しない構成とすること(すなわち、発光層より陰極側の構成を各発光領域の発光層形成材料に対応させた構成とすること)で、各色発光領域毎に電気光学特性の最適化が図られたことが分かる。
図1の構成のカラー有機EL表示装置は、図2に示す方法に代えて、図3に示す方法で作製することもできる。
【0027】
この方法は、図3(c)に示す工程が図2(c)に示す工程と異なるだけで、他の工程は図2の方法と同じである。すなわち、青色発光領域Bにのみ電子注入層8を形成する工程を、図3の方法では、マスクMを用いた真空蒸着法ではなくインクジェット法にて行っている。具体的には、フッ化リチウムの水溶液をインクジェット法で隔壁5の開口部51に配置した後、溶媒を蒸発させることによって電子注入層8を形成している。
【0028】
図4は、本発明の別の実施形態に相当するカラー有機EL表示装置であり、この装置は、陰極の構成を発光領域の色によって異なるものとしている。それ以外の点は図1の装置と同じである。
各色発光領域用の陰極の構成としては、青色発光領域Bの陰極9BをCa/Al(Caを発光層側とした積層膜)、赤色発光領域Rの陰極9RをLi−Al合金、緑色発光領域Gの陰極9GをLi/Al(Liを発光層側とした積層膜)とすることによって、各色発光領域毎に電気光学特性の最適化を図ることができる。また、各色発光領域毎の陰極9B,9R,9Gの形成は、各陰極に対応する開口部を有するマスクを用いた成膜方法で行うことができる。
【0029】
なお、上記実施形態では、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の発光領域を有するカラー有機EL表示装置について記載されているが、これ以外に、例えば(シアン、マゼンタ、イエロー)の3色の発光領域を有するカラー有機EL表示装置も本発明に含まれる。また、カラー有機EL表示装置としての色の種類が3色以外のもの(例えば、2色や4色等)も本発明に含まれる。
【0030】
また、本発明の有機EL装置は、表示装置にも限定されず、部分的に色が異なるように構成された光源も含まれる。さらに、色の違いに限定されず、発光層形成材料の違いによって最適な電気光学特性となる有機EL素子の構成が異なる場合に、各有機EL素子をその構成とした有機EL装置も本発明に含まれる。
なお、基板としては、ガラス基板1のほか、プラスチック基板、シリコン、ステンレスなどの金属、金属酸化物などを用いることもできる。
【0031】
また、陽極4としては、ITO以外にも、出光興産株式会社製IDIXO(In23 −ZnO)膜など、導電性を有する透明導電膜、仕事関数の高い金属、たとえば金、銀、プラチナなどを使用することができる。また、正孔注入層6としては、前記実施形態で用いた「バイトロン」のほか、ポリアニリン、金属フタロシアニン等を使用することができる。
【0032】
また、前記実施形態では正孔注入層6の形成方法としてインクジェット法を採用したが、水または有機溶剤に溶解しない材料を用いる場合には、蒸着法等によって形成することができる。また、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層を形成する場合には、その材料としてフェニルアミン系材料を用いることができる。
また、前記実施形態では発光層の形成方法としてインクジェット法を採用したが、水または有機溶剤に溶解しない材料を用いる場合には、蒸着法等によって形成することができる。
【0033】
また、前記実施形態では、陰極9として、カルシウム/アルミニウム積層膜を形成したが、仕事関数が4eV以下の金属であれば用いる事ができる。
また、前記実施形態では、電子注入層8としてフッ化リチウムを使用しているが、これ以外のアルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物を使用してもよい。
【0034】
また、封止構造としては、前記実施形態の構造以外に、ガスバリア性の高い保護膜を製膜する方法、パネル周辺部と脱酸素材または脱水材を含む缶を張り合わせる方法などを採用することができる。
また、前記実施形態では、TFT素子2として低温ポリシリコンTFT素子を用い、基板周辺部にドライバー回路を形成したが、XYドライバーのどちらかだけを形成しても良いし、いずれのドライバーを形成せず、ドライバーを外付けとしても良い。また、TFT素子を画素内に作らず、単純マトリックス構造となるように陽極群を短冊形に形成しても良い。
【0035】
また、前記各実施形態では、基板として透明なガラス基板1を用い、基板側に透明な陽極4を設け、陰極9を不透明にしているため、発光層7B、7R、7Gで生じた光は陰極9で反射されてガラス基板1側に出射されるが、基板側の電極(第1電極)を不透明とし第2電極を透明とすることで、発光層で生じた光を基板とは反対側に出射させるようにしてもよい。
【0036】
この場合の陰極の材料としては、ITOの他に、金、銀、銅や仕事関数の低いカルシウム、マグネシウム、セシウム、ストロンチウム、ルビジウムなどの金属材料を透明性を有するように薄膜化したものを用いることができる。または、マグネシウムと銀や、アルミニウムとリチウムの合金を薄膜化したのものを用いることもできる。
【0037】
この場合、第1電極が不透明であることから、基板面内の画素位置にTFT素子を形成することが可能となるため、TFT素子を画素間位置に形成する必要のある図1の構造よりも、全画素面積の基板面積に対する比率を大きくすることができる。また、不透明な基板が使用できるため、シリコン基板等の半導体基板を使用することも可能になる。
【0038】
また、前記各実施形態では、基板側の電極(第1電極)を陽極とし、基板とは反対側の電極(第2電極)を陰極としているが、第1電極を陰極、第2電極を陽極としてもよい。基板を基準とした各層の位置関係が、前記各実施形態に記載された構造とは逆転する。
さらに、本発明の有機EL装置は、例えば、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、ディジタルスチルカメラ等の各種電子機器に適用することができる。
【0039】
図5は、モバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
図5において、パーソナルコンピュータ100は、キーボード102を備えた本体部104と、本発明の有機EL装置からなる表示ユニット106とから構成されている。
図6は、携帯電話の斜視図である。図6において、携帯電話200は、複数の操作ボタン202の他、受話口204、送話口206と共に、本発明の有機EL装置からなる表示パネル208を備えている。
【0040】
図7は、ディジタルスチルカメラ300の構成を示す斜視図である。なお、外部機器との接続についても簡易的に示している。通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ300は、被写体の光像をCCD(Charge coupled device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号を生成するものである。
【0041】
ここで、ディジタルスチルカメラ300におけるケース302の背面には、本発明の有機EL装置からなる表示パネル304が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて、表示を行う構成となっている。このため、表示パネル304は、被写体を表示するファイダとして機能する。また、302の観察側(図においては裏面側)には、光学レンズやCCD等を含んだ受光ユニット306が設けられている。
【0042】
ここで、撮影者が表示パネル304に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン308を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板310のメモリに転送されて格納される。また、このディジタルスチルカメラ300にあっては、ケース302の側面にビデオ信号出力端子312と、データ通信用の入出力端子314とが設けられている。
【0043】
そして、図示されているように、ビデオ信号出力端子312にはテレビモニタ430が、データ通信用の入出力端子314にはパーソナルコンピュータ440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作によって、回路基板310のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ430やパーソナルコンピュータ440に出力される構成となっている。
【0044】
なお、本発明の有機EL装置を表示部等として適用できる電子機器としては、図5のパーソナルコンピュータ、図6の携帯電話、および図7のディジタルスチルカメラの他にも、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、およびタッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発光層の電気光学特性が各発光領域毎に最適化された有機EL装置が得られる。
特に、請求項4および5の有機EL装置によれば、発光層の電気光学特性が各色の有機EL素子毎に最適化されたものとすることができる。
【0046】
また、本発明の方法によれば、本発明の有機EL装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当する有機EL装置を示す断面図である。
【図2】図1の有機EL装置の製造方法の一例を説明する工程図である。
【図3】図1の有機EL装置の製造方法の別の例を説明する工程図である。
【図4】本発明の別の実施形態に相当する有機EL装置を示す断面図である。
【図5】本発明の有機EL装置を適用した電子機器の一例に相当するパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の有機EL装置を適用した電子機器の一例に相当する携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の有機EL装置を適用した電子機器の一例に相当するディジタルスチルカメラの背面側の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 TFT素子
3 絶縁層
4 陽極
5 隔壁
51 隔壁の開口部
6 正孔注入層
7R 赤色発光層
7G 緑色発光層
7B 青色発光層
8 電子注入層
9 陰極
9R 赤色発光領域の陰極
9G 緑色発光領域の陰極
9B 青色発光領域の陰極
10 エポキシ樹脂からなる封止材
11 封止用のガラス板
M マスク
K マスクの開口部
T 端子
R 赤色発光領域(赤色発光層を有する有機EL素子)
G 緑色発光領域(緑色発光層を有する有機EL素子)
B 青色発光領域(青色発光層を有する有機EL素子)
100 パーソナルコンピュータ
102 キーボード
104 本体部
106 表示ユニット
200 携帯電話
202 操作ボタン
204 受話口
206 送話口
208 表示パネル
300 ディジタルスチルカメラ
302 ケース
304 表示パネル
308 シャッタボタン
310 回路基板
312 ビデオ信号出力端子
314 データ通信用の入出力端子
430 テレビモニタ
440 パーソナルコンピュータ

Claims (5)

  1. 第1陰極と、第1陽極と、前記第1陰極と前記第1陽極との間に位置する第1発光層と、第2陰極と、第2陽極と、前記第2陰極と前記第2陽極との間に位置する第2発光層と、第3陰極と、第3陽極と、前記第3陰極と前記第3陽極との間に位置する第3発光層とからなり、
    前記第1陰極と前記第1発光層との間にフッ化リチウムから成る電子注入層が形成され、
    前記第1発光層の色と前記第2発光層の色と前記第3発光層の色とが異なり、
    前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料と前記第3陰極の構成材料とが異なり、
    前記第1陰極の構成材料と前記第2陰極の構成材料と前記第3陰極の構成材料は、順に、前記第1発光層の構成材料と前記第2発光層の構成材料と前記第3発光層の構成材料に応じた構成となっている、
    有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 請求項1において、前記第1発光層が青色を発光するものである、有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を含む、電子機器。
  4. 基板上に第1陽極と第2陽極と第3陽極を形成する第1工程と、
    前記第1陽極上に第1発光層を、前記第2陽極上に第2発光層を、前記第3陽極上に第3発光層をそれぞれ形成する第2工程と、
    前記第1発光層上にフッ化リチウムの水溶液をインクジェット法で塗布し、電子注入層を形成する第3工程と、
    お互いに異なる構成材料からなり、前記第1発光層に応じた材料からなる第1陰極を前記電子注入層上に、前記第2発光層に応じた材料からなる第2陰極を前記第2発光層上に、前記第3発光層に応じた材料からなる第3陰極を前記第3発光層上にそれぞれ形成する第4工程と、
    を含む、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 請求項4において、前記第1発光層が青色を発光するものである、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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