本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、図1および図2に示すように、直方体状にパッケージされているタバコパックTや、複数のタバコパックTが直方体状にパッケージされたタバコカートンKを、陳列するために利用される。
このため、タバコ陳列システム1000は、前後方向に細長い上面開口のボックス状に形成されていて上下方向に細長く前後方向に扁平な状態で前後方向に配列された複数のタバコパックTを保持する形状の複数のマガジンユニット100と、上面開口のボックス状に形成されていて左右方向に五列に配列された複数のマガジンユニット100を着脱自在に保持するとともに左右方向に細長く配置されたタバコカートンKが載置される形状に形成されている複数のトレーユニット200と、複数のトレーユニット200を上下左右に配列するシステム本体と、を有する。
また、システム本体は、図2(a)に示すように、前面開口のボックス状に形成されていて上下方向に離間した配置で複数のトレーユニット200を着脱自在に保持する形状の複数のフレームユニット300で形成されている。
または、システム本体は、図2(b)に示すように、前後方向に扁平な平板状に形成されていて前面に所定形状の凹凸が形成されている複数のウォールユニット500と、ウォールユニット500の凹凸に着脱自在に係合する係合機構が後部に形成されていてトレーユニット200を保持する複数のトレーアタッチメント600と、ウォールユニット500の凹凸に着脱自在に係合する係合機構630とフレームユニット300を懸架するフレーム懸架部701とを有するフレームアタッチメント700と、で形成されている。
より詳細には、タバコ陳列システム1000は、図2に示すように、直方体状に形成されているタバコパックT、複数のタバコパックTが直方体状にパックされたタバコカートンK、タバコパックTがオマケとともにパックされたキャンペーンパックP、等を陳列する。なお、このキャンペーンパックPは、例えば、厚紙で形成された簡易什器Fとともに店舗に提供される。
現在、タバコパックTは、上下高に多少の高低はあるものの、一般的に前後長と左右幅が共通した直方体状に形成されている。そして、本実施の形態では、タバコパックTの最大面を前面および後面、最小面を上面および下面、と規定する。
なお、一般的にタバコパックTは前面(および後面)を代表面として銘柄などが表記されている。このため、その前面が前方に位置する適正な方向の状態で陳列されることが好ましい。そして、マガジンユニット100は、上述のように方向が適正な状態の複数のタバコパックTを前後方向に配列した状態で収容する。
ただし、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、図3に示すように、前後長が大きく13個のタバコパックTを保持するマガジンユニット100aと、前後長が小さく7個のタバコパックTを保持するマガジンユニット100bと、がある。
なお、マガジンユニット100は、無色透明な樹脂で形成されている。また、マガジンユニット100の前端および後端には、上面が開口したポケット101,102が形成されている。
前方のポケット101には、例えば、図22(a)に示すように、顧客に提示するタバコパックTの値札や宣伝カードCなどが収容される。後方のポケット102には、例えば、店員が確認するタバコパックTの情報カードなどが収容される。
マガジンユニット100の底部には、前後方向に細長い開口孔104が形成されており、この開口孔104にスライダ部材110が前後方向にスライド自在に装着されている。
スライダ部材110は、巻回された板バネ111が付勢機構として後部に装着されている。この板バネ111の一端はスライダ部材110の底面から引き出されてマガジンユニット100の前部に装着されている。
このため、スライダ部材110は板バネ111により弾発的に前方に付勢されている。なお、図4に示すように、スライダ部材110から引き出された板バネ111は、マガジンユニット100の開口孔104の内部に位置するため、マガジンユニット100に収容されるタバコパックTの底面に接触しない。
マガジンユニット100の底面後部には、ストッパ段部105が形成されている。このストッパ段部105に係合することにより、スライダ部材110は板バネ111の張力に抗して停止する。
また、マガジンユニット100の底面前部には、左右方向と直交する断面形状が三角形のマガジン凸部107が形成されている。このマガジン凸部107は一個のタバコパックTの前後長と同一の前後長に形成されている。
このため、マガジンユニット100に収容されてスライダ部材110により前方に圧接された複数のタバコパックTは、図5に示すように、最前部の一個のみ上方に突出した状態となる。
マガジンユニット100は、上述のように底面前部にマガジン凸部107が形成されているが、これより後方のスライダ部材110がスライド移動する範囲では底面が凸部を有しない平面からなる。
トレーユニット200も、図6ないし図9に示すように、上面が開口したボックス状に無色透明な樹脂で形成されている。トレーユニット200には、複数のマガジンユニット100が左右方向に配列された状態でトレーユニット200に収容される。ただし、マガジンユニット100a,100bは、前述のように前後長が相違する二種類がある。
そこで、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、前後長が大きいマガジンユニット100aを五個収容するトレーユニット200a、前後長が大きいマガジンユニット100aを三個収容するトレーユニット200b、前後長が小さいマガジンユニット100bを五個収容するトレーユニット200c、前後長が小さいマガジンユニット100bを三個収容するトレーユニット200d、がある。
そして、上述のようにマガジンユニット100を左右方向に五列に保持するトレーユニット200a,bは、図1および図2に示すように、左右方向に細長く配置されたタバコカートンKを収容する左右幅に形成されている。
さらに、十三個のタバコパックTを収容するマガジンユニット100aを左右方向に五列に保持するトレーユニット200aは、図2に示すように、前後方向に細長く配置されたタバコカートンKを収容する前後長に形成されている。その場合、トレーユニット200aは、上下方向に扁平に配置されたタバコカートンKを左右方向に三列に保持することができる。
トレーユニット200は、底面両側にトレー凸部201が形成されている。ただし、トレーユニット200は、上述のように二種類の横幅と二種類の前後長との組み合わせの四種類があるが、トレー凸部201と前面との距離は共通である。
また、トレーユニット200の前部にも、詳細には後述するが、図22(b)等に示すように、複数のタバコパックTの宣伝カードCなどが収容されるポケット202が形成されている。
フレームユニット300は、図10ないし図14に示すように、一対の本体フレーム310と複数の支持フレーム320からなる。本体フレーム310は、前面形状が矩形の枠状となるように曲折された金属の板材からなり、一対が前後方向に配列されている。
支持フレーム320は、トレーユニット200を支持する前後方向に細長いレール状に形成された金属の板材からなり、複数が上下方向に配列されて一対の本体フレーム310の内側面に接合されている。
ただし、トレーユニット200は、前述のように二種類の左右幅がある。そこで、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、図10ないし図13に示すように、左右幅が大きいトレーユニット200a,200cを三個保持するフレームユニット300a、左右幅が大きいトレーユニット200a,200cを二個保持するフレームユニット300b、左右幅が小さいトレーユニット200b,200dを三個保持するフレームユニット300c、左右幅が小さいトレーユニット200b,200dを二個保持するフレームユニット300d、がある。
ただし、フレームユニット300は、図26に示すように、上下方向に細長く配置されたタバコパックTの上下高の一倍以上かつ二倍以下のピッチで複数のトレーユニット200を上下方向に配列するとともに、前後方向に細長く上下方向に扁平に配置されたタバコカートンKの上下高の二倍以上かつ三倍以下のピッチで複数のトレーユニット200を上下方向に配列する。
また、フレームユニット300は、支持フレーム320にガイド凹部321が形成されている。このガイド凹部321にトレーユニット200のトレー凸部201が係合する。なお、前述のようにトレーユニット200は二種類の前後長があるが、その前面からトレー凸部201までの距離は共通である。
また、四種類のフレームユニット300も、その各々の前面からガイド凹部321までの距離は共通である。このため、図2(a)および図14に示すように、フレームユニット300に保持されたトレーユニット200の前面の位置は同一となる。
さらに、図15(a)に示すように、フレームユニット300は、交互に前後反転されて本体フレーム310が前後方向に隣接する配置で複数が左右方向に配列されると、各々のガイド凹部321の前後位置が同一となる。
つまり、複数のフレームユニット300を左右方向に配列するとき、その奇数番目と偶数番目で交互に前後を反転させ、本体フレーム310が前後方向に隣接するように配置すると、各々のガイド凹部321の前後位置が同一となる。従って、このように配置されたフレームユニット300にトレーユニット200が装着されても、図15(b)に示すように、その前面の位置は同一となる。
なお、フレームユニット300は、本体フレーム310の上面両側と下面両側とに、フレーム連結機構となる面ファスナ311が装着されている。また、本体フレーム310の下面中央には、フレーム凹部となるフレーム貫通孔313が形成されている。本体フレーム310の上面中央には、フレーム凸部となる凸部材314が装着されている。
そこで、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、図2に示すように、横幅が同一の複数のフレームユニット300を上下方向に設置すると、その複数のフレームユニット300が面ファスナ311により連結される。このとき、フレーム貫通孔313と凸部材314とが係合する。
また、タバコ陳列システム1000は、図16に示すように、前述のように交互に前後反転されて左右方向に配列された複数のフレームユニット300を保持する左右連結機構としてクリップ部材331とファスナ部材332とを有する。
クリップ部材331はバネ材により形成されており、前述のように前後方向に隣接された本体フレーム310を弾発的に保持する。ファスナ部材332は、樹脂板の下面に一対の面ファスナが装着された構造からなり、上述のように配置された複数のフレームユニット300の上面の隣接する面ファスナ311に接合される。
また、ウォールユニット500は、図17に示すように、ベースウォール500aとパネルウォール500bとがある。ベースウォール500aとパネルウォール500bとは、前後方向に扁平な平板状のウォール部510を有する。
ベースウォール500aは、ウォール部510の下端に台座520が一体に形成されており、ウォール部510の上端にウォール連結機構が搭載されている。パネルウォール500bは、上端と下端とにウォール連結機構が搭載されている。
より具体的には、ウォールユニット500は、後面左右に補強を兼用した断面矩形の金属管531が装着されている。そして、パネルウォール500bでは、その金属管531の下端に、一回り小径の金属管532が固定されている。
そして、パネルウォール500bの下端の金属管532が、ベースウォール500aやパネルウォール500bの上端の金属管531に上方から係脱自在に係合する。そこで、これらの金属管531,532からなるウォール連結機構により、パネルウォール500bは、複数を上下方向に連結することができ、ベースウォール500aの上端に連結することもできる。
また、ベースウォール500aとパネルウォール500bとのウォール部510は、前面に所定形状の凹凸が形成されている。より具体的には、凹凸として、左右方向に連通する凹溝511が上下方向に所定間隔で配列された形状に形成されている。その凹溝511は、例えば、図11に示すように、後部が下方に曲折したL字型の断面形状に形成されている。
トレーアタッチメント600a〜600dは、図18および図19に示すように、トレーユニット200a〜200dを個々に保持する構造に形成されている。より詳細には、トレーアタッチメント600は、前後方向に細長い一対の支持フレーム610を有する。
支持フレーム610は、トレーユニット200を支持する前後方向に細長いレール状に形成された金属の板材からなる。その一対の支持フレーム610は、左右方向に細長い連結フレーム620により下面前後で連結されている。
ただし、トレーユニット200は、前述のように二種類の左右幅と二種類の前後長との組み合わせの四種類がある。そこで、トレーアタッチメント600a〜600dも、トレーユニット200に対応して二種類の左右幅と二種類の前後長との組み合わせの四種類がある。
また、トレーアタッチメント600a〜600dは、支持フレーム610にガイド凹部611が形成されている。このガイド凹部611にトレーユニット200のトレー凸部201が係合する。
なお、四種類のトレーユニット200と四種類のトレーアタッチメント600とは、装着により後部の位置が一致するように、トレー凸部201とガイド凹部611とが形成されている。また、支持フレーム610の後端には、ウォールユニット500の凹溝511に着脱自在に係合する係合機構630が後部に形成されている。
なお、上述のようにトレーユニット200およびトレーアタッチメント600は、二種類の左右幅に形成されている。このため、図20に示すように、ウォールユニット500は、幅広のトレーアタッチメント600a,600cに対応した左右幅に形成されている。
また、前述のようにトレーユニット200は前後長が二種類なので、ベースウォール500aの台座520は、前後長が最大のトレーユニット200a,200bに対応した前後長に形成されている。従って、何れのトレーユニット200を利用する場合にも、トレーユニット200がベースウォール500aの台座520より前方に突出することがない。
また、図2(b)および図21に示すように、フレームユニット300は、一対のフレームアタッチメント700によりウォールユニット500の前面に装着される。フレームアタッチメント700は、前後方向に細長い断面L字型の支持部701と、この支持部701の後部に形成されている係合機構630と、からなる。
なお、本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、図2等に示すように、上述したトレーユニット200以外にも、ウォールユニット500に着脱自在に装着される各種のユニットを有する。
上述のような構成において、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、図2(a)に示すように、四種類のフレームユニット300を上下左右に組み合わせても、図2(b)に示すように、二種類のウォールユニット500を上下左右に組み合わせても、全体を形成することができ、その上下高と左右幅とを自在に調節することができる。
このため、本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、設置する空間に対応した外形とすることができる。従って、空間を有効に利用することができ、デッドスペースの発生を良好に抑制することができる。
そして、上述のようにタバコ陳列システム100をフレームユニット300で形成した場合でもウォールユニット500で形成した場合でも、四種類のトレーユニット200、二種類のマガジンユニット100、を共用して自在に組み込むことができる。
このため、少品種のユニット100〜600等を大量生産するだけで、極めて多様なタバコ陳列システム1000を店舗に提供することができる。さらに、店舗がタバコパックTを多様に陳列することができ、店舗にタバコパックTを供給する企業も多様な陳列形態を提案することができる。
また、タバコ陳列システム1000は、図1(a)および図2に示すように、左右方向に配列されたマガジンユニット100をトレーユニット200に保持させることにより、代表面を前面とした状態でタバコパックTを陳列することができる。
さらに、図1(b)および図2に示すように、幅広のトレーユニット200からマガジンユニット100を取り外すことにより、代表面を前面とした状態でタバコカートンKを幅広のトレーユニット200に横長に陳列することもできる。
つまり、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、タバコパックTもタバコカートンKも良好に陳列することができる。このため、タバコパックTだけでなくタバコカートンKの販売も促進することができる。
しかも、上述のようにマガジンユニット100を着脱するだけで、共通のトレーユニット200によりタバコパックTもタバコカートンKも保持することができる。このため、トレーユニット200の利用効率が良好であり、システム全体の生産性も良好である。
特に、縦長に代表面を前面として左右方向に五列に配置したタバコパックTと、横長に配置したタバコカートンKとは、左右幅が同等である。このため、マガジンユニット100を左右五列に保持するトレーユニット200a,200cは、良好なスペース効率でタバコパックTとタバコカートンKとを収容することができる。
さらに、十三個のタバコパックTを収容するマガジンユニット100aとタバコカートンKとの長手方向の全長も同等である。また、縦長に代表面を前面として左右方向に五列に配置したタバコパックTと、代表面を上面として前後方向に細長く左右三列に配置したタバコカートンKとも、左右幅が同等である。
このため、上述のマガジンユニット100aを左右五列に保持するトレーユニット200aは、図1(a)に示すように、代表面を上面として前後方向に細長く左右三列に配置したタバコカートンKを、良好なスペース効率で収容することもできる。
しかも、フレームユニット300に支持された複数のトレーユニット200は、図26に示すように、上下方向に細長く配置されたタバコパックTの上下高の一倍以上かつ二倍以下のピッチで上下方向に配列されるとともに、前後方向に細長く上下方向に扁平に配置されたタバコカートンKの上下高の二倍以上かつ三倍以下のピッチで上下方向に配列される。
このため、本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、フレームユニット300に支持された複数のトレーユニット200により、上下方向にも良好なスペース効率でタバコパックTとタバコカートンKとを収容して陳列することができる。
なお、図2(a)(b)に示すように、上述のようにマガジンユニット100を取り外したトレーユニット200には、キャンペーンパックPの簡易什器Fなどを保持させることもできる。
また、図2(a)に示すように、上述の簡易什器Fはフレームユニット300の上面に載置することもでき、トレーユニット200をセットしていないフレームユニット300の内部に配置することもできる(図示せず)。
また、図22(a)に示すように、マガジンユニット100は、従来と同様に、宣伝カードCなどを設置できるポケット101が前部に個々に形成されている。このため、収容するタバコパックTごとに宣伝を実施して販売を促進するようなことができる。
しかも、従来とは相違して、トレーユニット200の前部にも、宣伝カードCなどを設置できるポケット202が形成されている。このため、図22(b)に示すように、シリーズ販売される複数種類のタバコパックTをトレーユニット200に収容し、その一連のタバコパックTに共通する宣伝を実施するようなことができる。
また、図23に示すように、タバコカートンKに対応した宣伝カードCをトレーユニット200のポケット202に設置し、横長に収容するタバコカートンKを良好に宣伝するようなこともできる。
さらに、図24に示すように、シリーズ販売される複数種類のタバコカートンKに対応した宣伝カードCをトレーユニット200のポケット202に設置し、左右三列に収容する一連のタバコカートンKに共通する宣伝を実施するようなこともできる。
このため、本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、各種に陳列するタバコパックTとタバコカートンKとを、各々に最適な状態で宣伝して販売を促進することもできる。
なお、従来のタバコ陳列システム(図示せず)では、複数のマガジンユニットが上下左右に配列されているが、トレーユニットに相当する構造がない。このため、上述のようにタバコカートンを収容することもできず、タバコカートンに対応した宣伝カードCを設置することもできなかった。
また、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、前述のように全体形状をフレームユニット300かウォールユニット500かで形成することができ、トレーユニット200やマガジンユニット100を共用することができる。
タバコ陳列システム1000を利用する店舗は、ウォールユニット500とフレームユニット300との利用を一方から他方に切り換えるような場合でも、トレーユニット200やマガジンユニット100の利用を継続することができる。
また、複数の売場の一部ではフレームユニット300で構築したタバコ陳列システム1000を利用し、他部ではウォールユニット500で構築したタバコ陳列システム1000を利用するような場合でも、トレーユニット200やマガジンユニット100を共用することができる。しかも、ウォールユニット500でタバコ陳列システム1000を形成した場合、その部品としてフレームユニット300を利用することができる。
なお、フレーム構造の場合、タバコパックTを五列に保持する幅広のフレームユニット300a,300bと三列に保持する幅狭のフレームユニット300c,300dとがあるので、設置スペースの左右幅に良好に対応することができる。
さらに、タバコパックTを三行に保持する背高のフレームユニット300a,300cと二行に保持する背低のフレームユニット300b,300dとがあるので、設置スペースの上下高にも良好に対応することができる。
なお、フレームユニット300a〜300dは、横幅が同一の組み合わせで上下方向に連結される。ただし、左右方向に配列するフレームユニット300a〜300dの組み合わせに制限はない。
トレーユニット200a〜200dは、左右幅が対応したフレームユニット300a〜300dに保持される。ただし、フレームユニット300に保持させるトレーユニット200の前後長に制限はない。
また、フレームユニット300には二個または三個のトレーユニット200が保持される。フレームユニット300に保持させるトレーユニット200の最少個数に制限はない。
また、トレーユニット200a〜200dは、左右幅が対応したトレーアタッチメント600a〜600dに保持される。ただし、ウォールユニット500では、その前面のトレーアタッチメント600で装着されるトレーユニット200の位置および個数に制限はない。
また、フレームユニット300は、面ファスナ311により上下方向に接合される。このため、工具などを必要とすることなく簡単に複数のフレームユニット300を上下方向に連結することができる。
さらに、前述のように交互に前後反転されて左右方向に配列された複数のフレームユニット300は、図16に示すように、クリップ部材331とファスナ部材332とで左右方向にも連結することができる。
このため、工具などを必要とすることなく簡単に複数のフレームユニット300を左右方向にも連結することができる。しかも、前述のようにフレームユニット300を上下方向に連結するための面ファスナ311を左右方向への連結にも利用するので、部品の利用効率が良好である。
そして、上述のように工具を使用することなく上下左右に組み立てたフレームユニット300に、トレーユニット200でマガジンユニット100を組み付けることができる。
また、ウォールユニット500は、金属管531,532の係合により上下方向に接合される。このため、工具などを必要とすることなく簡単かつ強固に複数のウォールユニット500を上下方向に連結することができる。
そして、このように上下方向に連結したウォールユニット500を左右方向に配列させて設置することができる。そして、上述のように工具を使用することなく上下左右に組み立てたウォールユニット500に、トレーアタッチメント600とトレーユニット200とでマガジンユニット100を組み付けることができる。
本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、上述のようにフレームユニット300で形成した場合でもウォールユニット500で形成した場合でも、工具を使用することなく簡単に組み立てることができる。
従って、搬入や設置を迅速に省スペースで実行することができる。例えば、24時間営業のコンビニエンスストアなどでは、タバコ陳列システム1000の搬入や設置を、顧客に店舗を開放している状態で実行する必要がある。
しかし、タバコ陳列システム1000は、上述のように搬入や設置を迅速に省スペースで実行することができるので、コンビニエンスストアなどの販売業務を阻害することがない。
さらに、フレームユニット300では、上述の面ファスナ311として自動車部品の接合などに利用されている製品を使用することができる。その場合、面ファスナ311により複数のフレームユニット300を強固に連結することができる。
また、上述のように複数のフレームユニット300を上下方向に連結させるとき、下側のフレームユニット300の一対の凸部材314が上側のフレームユニット300の一対のフレーム貫通孔313に係合する。このため、上下方向に連結される複数のフレームユニット300の前後左右の相対位置を簡単かつ確実に適正とすることができる。
また、ウォールユニット500では、その上下方向の連結に使用される金属管531,532が構造の補強を兼用している。このため、ウォールユニット500は、部品点数が必要最小限とされており、軽量で生産性も良好である。
さらに、前述のようにフレームユニット300にトレーユニット200を保持させると、そのガイド凹部321にトレー凸部201が係合する。このため、トレーユニット200がフレームユニット300に簡単かつ確実に適正な位置で保持される。
しかも、トレーユニット200は前後長が相違する複数種類があるが、その前面からトレー凸部201までの距離は共通である。また、複数種類のフレームユニット300も、その前面からガイド凹部321までの距離は共通である。このため、複数種類のフレームユニット300に複数種類のトレーユニット200を保持させても、そのトレーユニット200の前面の位置は同一となる。
しかも、前述のように左右方向に複数のフレームユニット300が配列されるとき、その前後を交互に反転させても支持フレーム320のガイド凹部321の前後位置は同一となる。
このため、上述のように左右方向に配列された複数のフレームユニット300にトレーユニット200を保持させても、そのトレーユニット200の前面の位置は同一となる。
従って、本実施の形態のタバコ陳列システム1000では、フレームユニット300で全体を構築した場合、複数のユニット100〜300で保持されて陳列されるタバコパックTの前面の位置を同一とすることができ、美麗にタバコパックTを陳列することができる。
特に、マガジンユニット100は、収容された複数のタバコパックTをスライダ部材110により前方に押圧する。このため、複数のマガジンユニット100に収容しているタバコパックTを、共通の位置に自動的に陳列することができる。
さらに、マガジンユニット100とトレーユニット200とが無色透明な樹脂で形成されている。このため、トレーユニット200に収容されたタバコカートンKや、トレーユニット200にマガジンユニット100で収容されたタバコパックTを、良好に視認できる状態に陳列することができる。
しかも、マガジンユニット100は、収容している複数のタバコパックTをマガジン凸部107により最前部の一個のみ上方に突出させる。このため、収容されている複数のタバコパックTから一個を容易に取り出すことができる。
また、マガジンユニット100は、図4に示すように、後方にスライド移動させたスライダ部材110をストッパ段部105に係合させることにより、板バネ111の張力に抗して停止させることができる。このため、マガジンユニット100に複数のタバコパックTを容易に補充することができる。
さらに、前述のように前後が交互に反転された状態で複数のフレームユニット300が左右方向に配列されると、左右方向に配列されている複数のフレームユニット300の隙間を最少とすることができる。このため、タバコパックTを陳列する密度を向上させることができる。
また、フレームユニット300は、トレーユニット200を各々支持する複数の支持フレーム320が一対の本体フレーム310で上下方向に配列されて支持されており、その一対の本体フレーム310は複数の支持フレーム320で前後方向に配列されて支持されている。
つまり、フレームユニット300が、機能部品と構造体とを兼用した必要最小限のフレーム310,320で形成されている。このため、フレームユニット300は生産性が良好で軽量である。
特に、支持フレーム320はコ字状の断面形状に曲折されているので、高剛性である。本体フレーム310は枠状に閉じた形状に形成されているので、高剛性である。そして、これらのフレーム310,320が立体的に接合されている。このため、金属の棒材などで形成されていた従来の什器などに比較して、フレームユニット300は極めて高剛性である。
また、本実施の形態のタバコ陳列システム1000は、上述のようにフレームユニット300やウォールユニット500やトレーユニット200やマガジンユニット100を自由に組み合わせて組み立てることができるので、その一部を分解して清掃するようなことも容易である。
特に、本実施の形態のマガジンユニット100は、少なくともスライダ部材110がスライド移動する範囲では底面が凸部を有しない平面からなる。このため、タバコパックTが直接に載置されて汚損しやすいマガジンユニット100の底面を、簡単に洗浄や清掃等することができる。
なお、現在ではタバコパックTやタバコカートンKはダンボール箱に梱包されて店舗に提供され、店舗でタバコ陳列システム1000のマガジンユニット100やトレーユニット200に補充されている。
しかし、タバコパックTが充填されたマガジンユニット100やタバコカートンKが充填されたトレーユニット200を店舗に提供し、店舗から空のマガジンユニット100やトレーユニット200を回収することもできる。この場合、店舗ではタバコパックTやタバコカートンKをマガジンユニット100やトレーユニット200に補充する作業が無用となるので、販売効率を向上させることができる。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではタバコ陳列システム1000の全体形状がフレームユニット300かウォールユニット500で形成されることを例示した。
しかし、図26および図27に示すように、タバコ陳列システム1000が、ストッカユニット400やテーブルユニット410を、さらに有してもよい。ストッカユニット400は、少なくとも上面が平坦で前面が開閉自在なボックス状に形成されている。
テーブルユニット410は、上面が平坦で上下方向に扁平なボックス状に形成されている。テーブルユニット410は、ユニットボックス411にテーブル部材412が前後方向にスライド自在に収容されている。このため、テーブル部材412を前方に突出させて作業に利用することができる。
そして、図26に示すように、前述のようにフレームユニット300は左右幅が二種類なので、上述のストッカユニット400とテーブルユニット410とは、フレームユニット300に対応した二種類の左右幅に形成されている。
このため、使用するフレームユニット300に対応してストッカユニット400やテーブルユニット410も組み合わせることができる。従って、タバコ陳列システム1000の全体を統一感のある外観とすることができ、デッドスペースの発生を有効に防止することができる。
一方、前述のようにウォールユニット500は、台座520の左右幅と前後長とが最大のトレーユニット200に対応している。このため、図27に示すように、幅広のストッカユニット400やテーブルユニット410と組み合わせることにより、やはりタバコ陳列システム1000の全体を統一感のある外観とすることができる。
さらに、前述のようにトレーユニット200は前後長が二種類なので、上述のストッカユニット400とテーブルユニット410とは、前後長が最大のトレーユニット200a,200bに対応した前後長に形成されている。従って、何れのトレーユニット200を利用する場合にも、トレーユニット200がストッカユニット400より外側に突出するようなことがない。
上述のようなストッカユニット400を利用することにより、カウンタなどがない場所にも、タバコ陳列システム1000を適正な状態に設置することができる。さらに、上述のようなテーブルユニット410を利用することにより、タバコパックTの補充などの作業性を向上させることができ、それでいて使用しないときに邪魔となることもない。
なお、上述のようなストッカユニット400やテーブルユニット410は、例えば、フレームユニット300やウォールユニット500と同様に、上面と下面とに形成されている凹凸や面ファスナなどにより、上下方向に連結される構造とすることができる(図示せず)。
その場合、例えば、凹凸や面ファスナの位置や構造もフレームユニット300と共通としておくことにより、ストッカユニット400やテーブルユニット410にフレームユニット300を適正に簡単かつ強固に設置することができる。この場合、ウォールユニット500の台座520の下面に面ファスナを装着しておくことがよい(図示せず)。
また、上記形態ではマガジンユニット100にタバコパックTを板バネ111の弾発力により前方に押圧するスライダ部材110が装着されており、トレーユニット200にタバコカートンKを直接に収容できることを例示した。
しかし、タバコカートンKを板バネ111の弾発力により前方に押圧するスライダ部材110をトレーユニット200に搭載することもできる。その場合、図28および図29に示すように、トレーユニット200に着脱自在なスライダユニット430を用意する。
このスライダユニット430は、図28に示すように、ガイドレール431の前後に樹脂部品432,433が装着されている。ガイドレール431にスライダ部材110がスライド自在に支持されており、このスライダ部材110の後部に巻回されている板バネ111の一端が前方の樹脂部品432に連結されている。また、樹脂部品432,433の下面には、物性によりトレーユニット200に吸着する吸着部材(図示せず)が装着されている。
そこで、図29に示すように、一対のスライダユニット430をトレーユニット200の底面に装着することにより、そこに収容される複数のタバコカートンKを前方に押圧してトレーユニット200の最前部に常時位置させることができる。
また、上記形態ではトレーユニット200にマガジンユニット100でタバコパックTを直立させて収容することを例示した。しかし、図30に示すように、波形に曲折した形状の樹脂パネル440などをトレーユニット200の底面にセットし、タバコパックTをマガジンユニット100とともに傾斜させた状態で収容してもよい。
この場合、タバコパックTを五列に収容できるトレーユニット200に四列しか収容できないので、収容の効率は低下する。しかし、タバコパックTの陳列に変化を持たせることができる。
さらに、上記形態ではマガジンユニット100やトレーユニット200が無色透明な樹脂で形成されていることを例示した。しかし、蛍光色の樹脂でマガジンユニット100などを形成しておいてもよい。
その場合、例えば、通常のタバコパックTは無色透明なマガジンユニット100に収容して陳列し、新発売などのタバコパックTを蛍光色のマガジンユニット100に収容して陳列するようなことができる。この場合、特定のタバコパックTを良好にアピールすることができる。
なお、現在ではタバコ陳列システム1000に陳列されているタバコパックTなどが販売されるとき、その販売情報が電子キャッシュレジスタ(図示せず)により収集されている。また、タバコパックTなどがタバコ陳列システム1000に補充されるとき、その補充情報や在庫情報もハンディターミナル(図示せず)などにより収集されている。
しかし、このような販売情報や補充情報や在庫情報を収集する機能をタバコ陳列システム1000に搭載することもできる。例えば、現在ではタバコパックTなどの各種の商品にRFID(Radio Frequency Identification)チップ(図示せず)を搭載することが検討されている。
そこで、タバコ陳列システム1000にRFIDリーダ(図示せず)を搭載することにより、タバコ陳列システム1000でタバコパックTの販売情報や補充情報や在庫情報を収集することが可能となる。
なお、上述のようなRFIDリーダは、例えば、マガジンユニット100、トレーユニット200、フレームユニット300、ウォールユニット500、などに搭載してもよく、マガジンユニット100、トレーユニット200、フレームユニット300、ウォールユニット500、などに着脱自在なユニットとしてもよい。
なお、タバコ陳列システム1000を店舗に提供する場合、当然ながら店舗により必要なユニット100〜500の組み合わせは相違する。その場合、店舗で必要なユニット100〜500を検討することになるが、その検討を支援するための陳列シミュレータ800を店舗に提供することもできる。
例えば、フレーム構造用の陳列シミュレータ800aは、図31に示すように、フレームユニット300の前面形状を所定の縮尺で模した平板状のユニット模型810、これと同一の縮尺で店舗のカウンタ(図示せず)の前面形状を模したカウンタ模型820、同一の縮尺でストッカユニット400の前面形状を模したストッカ模型830、同一の縮尺でテーブルユニット410の前面形状を模したテーブル模型840、同一の縮尺で人間の前面形状を模した平板状の人間模型850、複数の模型810〜840がレイアウトされて着脱自在に装着されるとともに人間模型が着脱自在に装着されるレイアウト台紙860、からなる。
レイアウト台紙860は磁性シートで形成されており、模型810〜850はマグネットシートで形成されている。このような陳列シミュレータ800aが提供された店舗では、図32に示すように、レイアウト台紙860に各種の模型810〜830をレイアウトすることにより、タバコ陳列システム1000の各種ユニット100〜500等の組み合わせを検討することができる。
しかも、この陳列シミュレータ800aでは、統一の縮尺で人間模型850もあるので、タバコ陳列システム1000と人間との相対関係も確認することができる。特に、人間模型850は、腕部が回動自在に形成されている。このため、人間が作業できる範囲にタバコ陳列システム1000を構築できるかなども確認することができる。
さらに、店舗でレイアウト台紙860に各種模型810〜830がレイアウトされた陳列シミュレータ800をタバコ陳列システム1000のメーカが回収し、そのレイアウトに対応して各種ユニット100〜500等をメーカが店舗に提供するようなこともできる。
なお、当然ながら、図33に示すように、ウォールユニット500の前面形状を所定の縮尺で模した平板状のユニット模型870を有する陳列シミュレータ800bも同様に形成することができる。
さらに、上述のようなフレームユニット300とウォールユニット500とのユニット模型810,870が両方とも用意されている陳列シミュレータ(図示せず)を店舗に提供することもできる。