JP4339037B2 - パターン検出装置、パターン検出方法、パターン検出プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態に係るパターン検出装置を図7に基づいて説明する。図7に示すパターン検出装置は、外部から画像データを入力する入力画像記憶部1と、パターン検出すべき登録画像を記憶する登録画像記憶部2と、これら入力画像記憶部1および登録画像記憶部2に接続されて各々の画像データを読み取り、パターン検出に必要な各種の処理を行う画像処理部3と、画像処理部3でパターン検出を行うための制御や必要な設定を行うための制御部4と、パターン検出結果を表示するための表示部5と、ユーザがパターン検出装置の操作や設定を行うための入力部6とを備える。なお、相互の部材同士の関係や接続形態は図7に示す例に限定されず、例えば画像処理部3と制御部4を入れ替えたり、入力部6と表示部5を共通としたりすることも可能である。
次に、本発明の実施の形態1に係る位相限定相関法を用いたパターン検出方法について、図8および図9のフローチャートに基づき説明する。パターンマッチングまたはパターンサーチは、予め検索したい登録画像を登録しておき、サーチ対象領域である入力画像を走査して登録されたパターンを検索していく画像の検索方法である。本実施の形態では、位相限定相関を応用して回転不変な画像間相関に基づくパターン検出を行っている。具体的には、対象となる登録画像を極座標系に変換し、円周方向に離散フーリエ変換を行った後、位相限定相関を用いて回転ずれによる画像間の位相差を補正することにより、回転不変な画像間相関値を求める。以下、基本原理を図8に基づき説明する。
まず、パターン検出の対象となる入力画像と事前に登録された登録画像を、それぞれ極座標系で表現する。ステップS1では、外部の画像ソースなどから取得された入力画像が入力画像記憶部から画像処理部に取得され、直交座標系(x,y)上でI1(x,y)、登録画像記憶部から取得された登録画像がI2(x,y)として与えられる。ステップS2で、これらの直交座標を以下の数2に基づき極座標(ρ,θ)上に変換し、極座標上の入力画像をI1(ρ,θ)、登録画像をI2(ρ,θ)として表現する。ここでρは絶対値、θは偏角である。なお、入力画像と登録画像が直交座標を介さず直接極座標系で与えられる場合は、ステップS1は省略できる。
次にステップS3では極座標の離散化を行う。具体的には、入力画像I1(ρ,θ)、登録画像I2(ρ,θ)のそれぞれについて、半径方向(距離または変位)にサンプリング間隔TrでM個、円周方向(角度または位相)に2π/NでN個のサンプリングを行い、離散値I’1(r,t)、I’2(r,t)(r=0,1,...,M−1;t=0,1,...,N−1)を得る。さらにステップS4で、この離散値に対して、位相tに沿って離散フーリエ変換を行う。この結果、次式数3で示すF1(r,s)、F2(r,s)が得られる。
次にステップS5で、入力画像I1および登録画像I2の離散フーリエ変換F1およびF2に基づき、これらの位相限定合成R(s)を数6に基づいて演算する。数6に示すように、F1(r,s)にF2(r,s)の複素共役を乗算したものを振幅成分で除算することにより、大きさが1とされる、言い換えると振幅成分、ここでは画像の輝度情報が正規化により無視され、角度毎の位相成分のみが抽出されることになる。
数6から、各周波数sにおける回転角θ1による位相のずれを抽出することができる。そしてステップS6で、上記のR(s)を用いて入力画像F1を数7のように補正し、回転による位相差の影響を排除した形の入力画像F’1(r,s)に戻すことができる。数7は、フーリエ変換したF1(r,s)に数6で得られたR(s)の複素共役を乗算したものである。したがって、この状態でステップS7にて入力画像と登録画像との相関値を求めれば、回転による影響を排除した状態での相関値を求めることができる。そしてステップS8にて、相関値に基づいて制御部が画像の検出を行い、必要に応じて表示部への出力等を行う。
以上の方法によって、回転による位相のずれを解除した相関値を得ることができる。ただし、実際には画像取得時のノイズや量子化誤差の他、画像データが通常は直交座標上で離散的に得られること等から、極座標系への変換時に誤差が発生する。そこで、以上の基本原理を考慮して、実際に画像間の相関値を計算するためのアルゴリズムを、以下図9に基づき説明する。
ステップS’1およびS’2では、図8と同様に入力画像と登録画像の取得および直交座標から極座標への変換を行う。そしてステップS’3−1では極座標で得られたデータを離散化し、集約化する。ここでは、入力画像から、登録画像と同じ大きさの範囲を切り出し、数2とサンプリング間隔Tr、2π/Nを用いて直交座標から極座標への変換と、離散化を行った。この際、上述の各種誤差を軽減するため、次式数8の関係を満たす直交座標(x,y)上の点を、対応する極座標(r,t)上の点に各画素の輝度値を加算することによって集約化した。これによって離散化された画像データは、離散化された極座標上の刻幅に集約されることになる。
さらにステップS’3−2において、極座標上において任意の画素の周辺4近傍を用いた平滑化を、次式数9のように行う。この例では、図10に示すような平滑化フィルタを用いている。すなわち、対象となる画素に対して、その上下左右に隣接する画素を1/4倍して平滑化している。
ステップS’4では極座標に変換された画像データに対して、数3に従って円周方向に離散フーリエ変換を行う。さらにステップS’5において、数6に基づき位相限定合成を求める。ただし、本来は同一の画像が一定角度回転している場合、半径方向に対して数6の値は不変となるはずであるが、実際には各種誤差のために変動が生じる。よってステップS’5では、半径方向の平均を求め、以下の演算ではこの平均値Rave(s)を数6の値とする。
ステップS’6では、数7を用いて入力画像を補正しF’1(r,s)を得る。そしてステップS’7において、補正後の入力画像F’1(r,s)と登録画像F2(r,s)の相互相関c(r)を、次式数10より演算する。この相関値に基づき、ステップS’8にて回転不変な画像検出が実行される。
次に、上記で説明した手法を用いた場合の有効性を確認すべく、各種画像に対するパターン検出のシミュレーション実験を行った結果を示す。
まず、図11および図12に示す単純な図形を含むテスト画像1およびテスト画像2それぞれについて、上記実施の形態に係るパターン検出方法により相関の評価を行い、この手法が回転に対し一意性を備えること、および似通った図形との相関値の差異について検証を行った。なお、本実施の形態で用いた各画像は、128×128画素の二値画像であり、極座標での格子点数は、半径方向、円周方向とも32としている。ここでは、テスト画像1を登録された登録画像とし、テスト画像1、テスト画像2を各々入力画像1、2として、入力画像を0〜π/2まで、π/18刻みで回転した場合について相関値を求めた。
次に、より高度な画像検出においても上記実施の形態に係るパターン検出方法が有効であることを確認するため、図14および図15のような画像をテスト画像として相関値を演算し、図14に示すテスト画像3を登録画像とした場合の自己相関、および図15に示すテスト画像4を入力画像とした場合の相関値とを比較した。その結果を図16のグラフに示す。図14および図15のテスト画像はそれぞれ、画像の中心から一定の半径の位置では画素数の分布が同一となっている。このため、入力登録画像3と入力画像4を通常の相関値で評価すれば同一と判定されてしまう。よって、中心から同一半径における画素分布を周波数領域で見る場合、位相成分を考慮しなければ判別ができないことになり、高度なパターン検出が要求される。このような高度な画像検出においても、図16に示すとおりすべての角度において自己相関との間に明確な相関値の差が認められ、入力画像3と入力画像4の相関値の最大値と自己相関の最低値と間においても明確な開きが認められ、位相成分を考慮した相関値の手法の有効性が確認できた。
次に、画像に含まれるノイズに対する耐性を評価するため、図11に示した画像に対してランダムに500点の画素を選択し、選択された画素の画素値を反転させることにより、ノイズの付加を行った。ノイズ付加後の画像をテスト画像5として、図17に示す。実際の製品検査等の場合、CCDカメラより取得した原画像にこのようなスパイクノイズが直接含まれることは考え難い。ただ、多値画像として画像を取得後、前処理としてSobelフィルタ等を用いてエッジ検出を行った場合に、原画像における画像の濃淡むらがこのようなノイズとなることも起こり得る。同様に入力画像2にも同様の処理を行い、入力画像6(図示せず)として、上記と同様の相関値の評価試験を行った。その結果を図18のグラフに示す。
次に、より実際的な場合のシミュレーションとして、図19に示すように複数の文字が含まれるテスト画像7中から、対象となる文字を抽出する場合について評価を行った。ここでは、複数のアルファベットを斜め、水平に配置した入力画像中から、登録画像として図20に示すテスト画像8の「F」を検索することとした。図19のテスト画像7には、様々な傾きの「F」が3つ含まれている。なお、図19のみ、画像の大きさは512×512画素とし、図20は上記と同様128×128画素とした。この評価試験では、実施の形態に係るパターン検出方法の回転不変性の評価を目的としているので、縦、横方向のパターン走査については、単純に1画素毎に順次探索を行っている。走査の高速化を図るため、実際のアプリケーションにおいては、既知の、あるいは将来開発される他の手法と組み合わせることができる。この演算結果を図21のグラフに示す。
次に、本発明の実施の形態に係るパターン検出方法の処理速度について検討を行う。本発明の方法に依らず、一般的な正規化相関法を用いて回転によるずれを含む画像の検出を行う場合は、上述したように登録画像を適当な刻幅によって順次回転し、回転後の登録画像と、入力画像との相互相関をとることが行われる。この場合、回転の刻幅を小さくするに応じて処理時間が増大するが、2分検索等と併用して用いられるため、必ずしも、刻幅に反比例して処理時間が増大するという訳ではない。ただ、画像の回転変換に要する処理時間は必ず必要となる。ここでは、本実施の形態に係るパターン検出方法によって、従来の正規化相関法と比較して処理速度が向上されたことを確認するため、同じ画像の組に対して一回の相互相関を求めるために必要な処理時間を、本実施の形態に係るパターン検出方法と、画像の回転変換に正規化相関を演算するリピートマッチング検索法とで比較した。比較に用いた画像は、上記のテスト画像1とテスト画像2の組み合わせとした。各々、1000回の処理を行い、その平均値を求めて比較している。本発明の実施の形態に係るパターン検出方法では、極座標変換時に画像の大きさを1/16としてるため、正規化相関についても同様に縦横それぞれ1/4となるよう縮小を行っている。
また、極座標変換と併せて、半径方向にlog変換を行うことにより、登録画像の回転のみならず、拡大・縮小に対しても対応可能とすることができる。log変換による拡大・縮小については、上述した非特許文献1等、既知の手法や将来開発される手法が適宜利用できる。これによって、登録画像の回転、拡大、縮小に対しても高速かつロバストなパターン検出が実現される。以下、本発明の実施の形態2として、拡大縮小および回転に対して不変なパターン検出の一例について説明する。
まず、パターン検出の対象となる入力画像と事前に登録された登録画像を、それぞれ対数・極座標系で表現する。ステップS”1では、外部の画像ソースなどから取得された入力画像が入力画像記憶部から画像処理部に取得され、直交座標系(x,y)上でI1(x,y)、登録画像記憶部から取得された登録画像がI2(x,y)として与えられる。ステップS”2で、これらの直交座標を以下の数12に基づき対数・極座標(ρ,θ)上に変換し、対数・極座標上の入力画像をI1(ρ,θ)、登録画像をI2(ρ,θ)として表現する。ここでρは絶対値、θは偏角である。数2と異なり、ρ=0は特異点となる。なお、入力画像と登録画像が直交座標を介さず直接、対数・極座標系で与えられる場合は、ステップS”1は省略できる。
次にステップS”3では、図8と同様に対数・極座標の離散化を行う。半径方向(距離または変位)にサンプリング間隔TrでM個、円周方向(角度または位相)に2π/NでN個のサンプリングを行い、離散値I’1(r,t)、I’2(r,t)(r=0,1,...,M−1;t=0,1,...,N−1)を得る。さらにステップS”4では、得られた離散値に対してr、tに沿って二次元離散フーリエ変換を行う。この結果、次式数13で示すF1(u,s)、F2(u,s)が得られ、半径方向成分と円周方向成分の項が現れる。
次にステップS”5で、入力画像I1および登録画像I2の離散フーリエ変換F1およびF2に基づき、これらの位相限定合成R(u,s)を数16に基づいて演算する。数16に示すように、F1(u,s)にF2(u,s)の複素共役を乗算したものを振幅成分で除算することにより、大きさが1とされる、言い換えると振幅成分、ここでは画像の輝度情報が正規化により無視され、角度毎の位相成分のみが抽出されることになる。
数16から、各周波数u、sにおける拡大縮小率ρ1、回転角θ1による位相のずれを抽出することができる。そしてステップS”6で、上記のR(u,s)を用いて入力画像F1を数17のように補正し、拡大縮小・回転による位相差の影響を排除した形の入力画像F’1(u,s)に戻すことができる。数17は、フーリエ変換したF1(u,s)に数16で得られたR(u,s)の複素共役を乗算したものである。したがって、この状態でステップS”7にて入力画像と登録画像との相関値を求めれば、拡大縮小・回転による影響を排除した状態での相関値を求めることができる。そしてステップS”8にて、相関値に基づいて制御部が画像の検出を行い、必要に応じて表示部への出力等を行う。
以上の方法によって、拡大縮小・回転による位相のずれを解除した相関値を得ることができる。ただし、実際には画像取得時のノイズや量子化誤差の他、画像データが通常は直交座標上で離散的に得られること等から、対数・極座標系への変換時に誤差が発生する。そこで、以上の基本原理を考慮して、実際に画像間の相関値を計算するためのアルゴリズムを、以下図23に基づき説明する。
ステップS”’1およびS”’2では、図22と同様に入力画像と登録画像の取得および直交座標から対数・極座標への変換を行う。そしてステップS”’3−1では対数・極座標で得られたデータを離散化し、集約化する。ここでは、入力画像から、登録画像と同じ大きさの範囲を切り出し、数12とサンプリング間隔Tr、2π/Nを用いて直交座標から対数・極座標への変換と、離散化を行った。この際、上述の各種誤差を軽減するため、次式数18の関係を満たす直交座標(x,y)上の点を、対応する対数・極座標(r,t)上の点に各画素の輝度値を加算することによって集約化した。これによって離散化された画像データは、離散化された対数・極座標上の刻幅に集約されることになる。
さらにステップS”’3−2において、対数・極座標上において任意の画素の周辺4近傍を用いた平滑化を、上記数9のように行う。この例でも、図10に示すような平滑化フィルタを用いて、対象となる画素に対してその上下左右に隣接する画素を1/4倍して平滑化している。
ステップS”’4では対数・極座標に変換された画像データに対して、数13に従って半径・円周方向に二次元離散フーリエ変換を行う。さらにステップS”’5において、数16に基づき位相限定合成を求める。ここで、同一の画像が一定の倍率で拡大縮小され、一定角度回転している場合、数16は拡大縮小のみの成分と回転のみの成分とに分離して、次式数19で表現できる。
ステップS”’6では、数17を用いて入力画像を補正しF’1(u,s)を得る。そしてステップS”’7において、補正後の入力画像F’1(u,s)と登録画像F2(u,s)の相互相関cを、次式数20より演算する。この相関値に基づき、ステップS”’8にて拡大縮小・回転不変な画像検出が実行される。
次に、上記で説明した手法を用いた場合の有効性を確認すべく、各種画像に対するパターン検出のシミュレーション実験を行った結果を示す。
まず、上記と同様の図11および図12に示す図形を含むテスト画像1およびテスト画像2それぞれについて、上記実施の形態2に係るパターン検出方法により相関の評価を行い、この手法が拡大縮小・回転に対し一意性を備えること、および似通った図形との相関値の差異について検証を行った。ここでは、テスト画像1を登録された登録画像とし、テスト画像1、テスト画像2を各々入力画像として、入力画像を登録画像に対して0.8倍、1.0倍、1.2倍に拡大縮小し、さらに0〜π/2まで、π/18刻みで回転した場合について相関値を求めた。この結果を図24〜図26のグラフに示す。図24は0.8倍に縮小、図25は拡大縮小しない1.0倍、図26は1.2倍に拡大した入力画像につき、それぞれ回転角度毎に得られた相関値をグラフ上に示している。これらの図において、上方の折れ線がテスト画像1の自己相関であり、下方の折れ線がテスト画像1とテスト画像2との相互相関をそれぞれ示している。
次に、位相成分を用いることについての上記実施の形態2に係るパターン検出方法の有効性を確認するため、位相成分を考慮しないで相関値を演算した。具体的には、上記と同じく図11および図12のテスト画像を登録画像・入力画像として、拡大縮小率、回転角などの条件は図24〜図26と同じとし、数20のe(u,s)を1とした場合の相関値を演算した。この結果を図27〜図29に示す。これらの図から明らかなように、この方法では位相情報を用いず振幅情報のみでの比較となるため、全体として画像間の差異が減少し、相関値が高くなった。しかしながら、テスト画像1自身に対する相関値の最小値が、テスト画像2に対する相関値の最大値を下回っているため、単一の閾値でテスト画像1とテスト画像2を区別することはできない。このことから、上記実施の形態2に係るパターン検出方法による位相成分を考慮した相関値による有効性が確認できた。
次に、画像に含まれるノイズに対する耐性を評価するため、入力画像の背景を無地でなく特定のパターンを持たせてパターン検出を行った。ここでは、図12に示す画像に対して、図30に示すように斜線の背景パターンを合成したテスト画像9を入力画像とし、図11のテスト画像1を登録画像として相関値を演算した。なお、図11を図30と直接相関値を演算した場合、登録画像の無地の部分に対して背景パターンの面積が大きいため、相関値が著しく低下する。そこで、この例では背景パターンは既知であると仮定し、入力画像と背景パターンとの差分を取り、これを相関の対象としている。この結果を図31〜図33に示す。なお、図31〜図33において比較対象となる図11のテスト画像1においては、同じく背景と合成したものを入力画像として相関を演算しているため、倍率1.0、回転角0の場合でも相関値は1とならない。これらの図に示す結果を上記図24〜図26と比較すると、背景部分を除去したことによる画像の劣化により、テスト画像1自身に対する相関値が低下し、図30のテスト画像9に対する相関値が一部で増加している。このため、背景のない場合に比較して峻別がより困難となっているが、この例でも閾値を0.85に設定することによって両者の識別は十分可能である。
次に、より実際的な場合のシミュレーションとして、図34に示すように複数の文字が様々なサイズ、傾きで含まれるテスト画像10中から、対象となる文字を抽出する場合について評価を行った。ここでは、複数のアルファベットを斜め、水平に配置した入力画像中から、登録画像として図35に示すテスト画像11の「F」を検索することとした。図34のテスト画像10には、他のアルファベットに混じって様々な傾きの「F」が3つ含まれている。なお、図34は画像の大きさを512×512画素とし、図35は上記と同様128×128画素とした。この評価試験では、本発明の実施の形態2に係るパターン検出方法の拡大縮小・回転不変性の評価を目的としているので、縦、横方向のパターン走査については、単純に1画素毎に順次探索を行っている。走査の高速化を図るため、実際のアプリケーションにおいては、既知の、あるいは将来開発される他の手法と組み合わせることができる。この演算結果を図36のグラフに示す。
最後に、本発明の実施の形態2のパターン検出方法の処理速度について検討を行う。ここでも上記実施の形態1と同様、実施の形態2に係るパターン検出方法によって、従来の正規化相関法と比較して処理速度が向上されたことを確認するため、同じ画像の組に対して一回の相互相関を求めるために必要な処理時間を、本実施の形態2に係るパターン検出方法と、画像の拡大縮小・回転変換に正規化相関を演算するリピートマッチング検索法とで比較した。比較に用いた画像は、上記のテスト画像1とテスト画像2の組み合わせとし、各々1000回の処理を行い、その平均値を求めて比較している。本発明の実施の形態2に係るパターン検出方法では、対数・極座標変換時に画像の大きさを1/16としてるため、正規化相関についても同様に縦横それぞれ1/4とし、相関を求める際の大きさは同じく原画像の1/16となるように縮小を行っている。なお処理時間の計測に使用した計算機も、実施の形態1と同様とした。
2・・・登録画像記憶部
3・・・画像処理部
4・・・制御部
5・・・表示部
6・・・入力部
7・・・画像ソース
Claims (20)
- 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出を行うパターン検出装置であって、
外部から入力画像を入力し保持するための入力画像記憶部(1)と、
検出すべき登録画像を記憶するための登録画像記憶部(2)と、
前記入力画像記憶部(1)および登録画像記憶部(2)から各々の画像データを読み取り、登録画像および入力画像を構成する各画素の極座標に基づきそれぞれフーリエ変換し、フーリエ変換された登録画像および入力画像に基づき位相成分を抽出して、位相成分を合成して得られる位相限定合成の複素共役をフーリエ変換された入力画像に積算して入力画像を補正し、補正された入力画像と登録画像との相関値を演算し、演算された相関値に基づき入力画像中から登録画像のパターン検出を行うための画像処理部(3)と、
を備えることを特徴とするパターン検出装置。 - 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出を行うパターン検出装置であって、
外部から入力画像を入力し保持するための入力画像記憶部(1)と、
検出すべき登録画像を記憶するための登録画像記憶部(2)と、
前記入力画像記憶部(1)および登録画像記憶部(2)から各々の画像データを読み取り、登録画像および入力画像を構成する各画素の直交座標をそれぞれ極座標に変換する極座標変換部と、
前記極座標変換部で変換された登録画像および入力画像の極座標を、それぞれ所定のサンプリング周期でサンプリングするサンプリング部と、
前記サンプリング部でサンプリングされた登録画像および入力画像をそれぞれ離散フーリエ変換する離散フーリエ変換部と、
前記離散フーリエ変換部でフーリエ変換された登録画像および入力画像に基づき、位相限定合成を演算する位相限定合成部と、
前記フーリエ変換部でフーリエ変換された入力画像に前記位相限定合成部で演算された位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力画像を演算するための複素共役積算部と、
前記複素共役積算部で補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する相関演算部と、
前記相関演算部で演算された相関値に基づき、入力画像中から登録画像のパターン検出を行うパターン検出部と、
を備えることを特徴とするパターン検出装置。 - 請求項1または2のパターン検出装置であって、
前記極座標変換部が各画素の直交座標をそれぞれ対数・極座標に変換することを特徴とするパターン検出装置。 - 予め登録された登録データを入力データ中から検索するパターン検出方法であって、
登録データを構成する各データの極座標に基づいてフーリエ変換を行うステップと、
入力データを構成する各データの極座標に基づいてフーリエ変換を行うステップと、
前記フーリエ変換された登録データおよび入力データから位相限定合成を演算するステップと、
前記フーリエ変換された入力データに位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力データを演算するステップと、
補正された入力データと登録データとの相関値を演算するステップと、
演算された相関値に基づき、入力データ中から登録データの検出を行うステップと、
を備えることを特徴とするパターン検出方法。 - 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出方法であって、
登録画像を構成する各画素の極座標に基づいてフーリエ変換を行うステップと、
入力画像を構成する各画素の極座標に基づいてフーリエ変換を行うステップと、
前記フーリエ変換された登録画像および入力画像から位相限定合成を演算するステップと、
前記フーリエ変換された入力画像に位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力画像を演算するステップと、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算するステップと、
演算された相関値に基づき、入力画像中から登録画像のパターン検出を行うステップと、
を備えることを特徴とするパターン検出方法。 - 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出方法であって、
登録画像および入力画像を構成する各画素の直交座標をそれぞれ極座標に変換するステップと、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化するステップと、
離散化された登録画像および入力画像をそれぞれ離散フーリエ変換するステップと、
離散フーリエ変換された登録画像および入力画像に基づき、位相限定合成を演算するステップと、
前記離散フーリエ変換された入力画像に位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力画像を演算するステップと、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算するステップと、
演算された相関値に基づき、入力画像中から登録画像のパターン検出を行うステップと、
を備えることを特徴とするパターン検出方法。 - 請求項6のパターン検出方法であって、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化する際、サンプリングされた登録画像および入力画像それぞれの画素に対し、その画素の周辺の画素の周辺の画素に基づいて平滑化を行うことを特徴とするパターン検出方法。 - 請求項6または7のパターン検出方法であって、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化する際、サンプリングされた登録画像および入力画像それぞれの画素に対し、所定の条件を満たす直交座標上の点を、対応する極座標上の点に各画素の振幅成分を加算することによって集約化することを特徴とするパターン検出方法。 - 請求項5から8のいずれかのパターン検出方法であって、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する際、振幅成分が所定の閾値以上の画素について積算することことを特徴とするパターン検出方法。 - 請求項5から9のいずれかのパターン検出方法であって、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する際、各画素の振幅成分の変位量に基づき加重平均をとることにより、振幅成分に基づく強調処理を行うことを特徴とするパターン検出方法。 - 請求項4から10のいずれかのパターン検出方法であって、
登録データおよび入力データを構成する各データの座標をそれぞれ対数・極座標に変換することを特徴とするパターン検出方法。 - 予め登録された登録データを入力データ中から検索するパターン検出プログラムであって、コンピュータに、
登録データを構成する各データの極座標に基づいてフーリエ変換を行う機能と、
入力データを構成する各データの極座標に基づいてフーリエ変換を行う機能と、
前記フーリエ変換された登録データおよび入力データから位相限定合成を演算する機能と、
前記フーリエ変換された入力データに位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力データを演算する機能と、
補正された入力データと登録データとの相関値を演算する機能と、
演算された相関値に基づき、入力データ中から登録データの検出を行う機能と、
を実現させるためのパターン検出プログラム。 - 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出プログラムであって、コンピュータに、
登録画像を構成する各画素の極座標に基づいてフーリエ変換を行う機能と、
入力画像を構成する各画素の極座標に基づいてフーリエ変換を行う機能と、
前記フーリエ変換された登録画像および入力画像から位相限定合成を演算する機能と、
前記フーリエ変換された入力画像に位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力画像を演算する機能と、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する機能と、
演算された相関値に基づき、入力画像中から登録画像のパターン検出を行う機能と、
を実現させるためのパターン検出プログラム。 - 予め登録された登録画像を入力画像中から検索する画像処理におけるパターン検出プログラムであって、コンピュータに、
登録画像および入力画像を構成する各画素の直交座標をそれぞれ極座標に変換する機能と、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化する機能と、
離散化された登録画像および入力画像をそれぞれ離散フーリエ変換する機能と、
離散フーリエ変換された登録画像および入力画像に基づき、位相限定合成を演算する機能と、
前記離散フーリエ変換された入力画像に位相限定合成の複素共役を積算して、補正された入力画像を演算する機能と、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する機能と、
演算された相関値に基づき、入力画像中から登録画像のパターン検出を行う機能と、
を実現させるためのパターン検出プログラム。 - 請求項14のパターン検出プログラムであって、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化する際、サンプリングされた登録画像および入力画像それぞれの画素に対し、その画素の周辺の画素の周辺の画素に基づいて平滑化を行うことを特徴とするパターン検出プログラム。 - 請求項14または15のパターン検出プログラムであって、
極座標で表示される登録画像および入力画像をそれぞれ所定のサンプリング周期で離散化する際、サンプリングされた登録画像および入力画像それぞれの画素に対し、所定の条件を満たす直交座標上の点を、対応する極座標上の点に各画素の振幅成分を加算することによって集約化することを特徴とするパターン検出プログラム。 - 請求項14から16のいずれかのパターン検出プログラムであって、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する際、振幅成分が所定の閾値以上の画素について積算することことを特徴とするパターン検出プログラム。 - 請求項14から17のいずれかのパターン検出プログラムであって、
補正された入力画像と登録画像との相関値を演算する際、各画素の振幅成分の変位量に基づき加重平均をとることにより、振幅成分に基づく強調処理を行うことを特徴とするパターン検出プログラム。 - 請求項12から18のいずれかのパターン検出プログラムであって、
登録データおよび入力データを構成する各データの座標をそれぞれ対数・極座標に変換することを特徴とするパターン検出プログラム。 - 請求項12から19のいずれかのパターン検出プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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