JP4335051B2 - 殺菌剤製造用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、殺菌剤製造用組成物、殺菌剤組成物及び殺菌方法に関する。
現在、漂白や殺菌、消毒等の作用を示す薬剤はさまざまなものが知られているが、特に塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、酸素系殺菌剤として過酸化水素や水中で過酸化水素を発生する過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等が主として使用されている。しかしながら、これらの殺菌剤は様々な課題を有しており、例えば次亜塩素酸塩は金属等に対する腐食の問題や誤使用による塩素ガス発生の問題があり、過酸化水素は高度の殺菌効果を得るためには高濃度での使用や長時間の接触を要するといった問題がある。過酸化水素を使用する場合、これらの問題を解消するために、活性化剤を併用して使用時に有機過酸を発生させることで殺菌効果を高める等の対応がとられている。そのような殺菌剤組成物として、特許文献1では、無機過酸化物、多価アルコールの有機酸不完全エステル、アルカリ土類金属塩を含有する殺菌剤組成物が開示されているが、pH7未満での使用の記載はなく、薬品耐性のより高い芽胞、カビ胞子についての殺菌効果は更に改善の余地がある。また、殺菌剤として有機過酸を適用する方法としては、特許文献2、3が挙げられるが、これらは殺菌剤組成物として過酢酸と酢酸と過酸化水素の濃厚な併用が基本となっており、強い刺激臭を伴い取り扱いにくいものである。更に、特許文献4では有機過酸発生系においてpHを調整し漂白効果を向上させる方法を提案しているが、薬品耐性のより高い芽胞、カビ胞子についての殺菌力の向上は期待できない。また、特許文献5には、過酸化水素、カルボン酸、及び過酸化水素に対して特定比率の過カルボン酸を含有する組成物が、芽胞ないし芽胞形成微生物に対して抗菌作用を示すことが開示されているが、特許文献2、3同様、刺激臭を伴うものであり、取り扱い性に問題がある。
特開平6−305920号公報 特表平8−500843号公報 特開平8−311495号公報 特開平5−25497号公報 国際公開第01/70030号パンフレット
本発明は、高濃度の有機過酸を使用時に効率よく安定に発生させ、高い殺菌力を示す殺菌剤組成物が得られる殺菌剤製造用組成物、及び高い殺菌力を示す殺菌剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステル及び(B1)過酸化水素を含有し、水分含有量が1〜25重量%である殺菌剤製造用組成物(以下、第1の殺菌剤製造用組成物という)に関する。
また、本発明は、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステル、及び(B1)過酸化水素又は(B2)水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物を、(A)と(B1)又は(A)と(B2)から発生する(B1)のモル比が(A)/(B1)=1/10〜20/1で含有する殺菌剤製造用組成物であって、pHを8〜12とした後、pHを1以上7未満として調製された水溶液として用いられる殺菌剤製造用組成物(以下、第2の殺菌剤製造用組成物という)に関する。
また、本発明は、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステル、及び(B1)過酸化水素又は(B2)水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物を、(A)と(B1)又は(A)と(B2)から発生する(B1)のモル比が(A)/(B1)=1/10〜20/1で配合して得られる殺菌剤製造用組成物であって、pHを8〜12とした後、pHを1以上7未満として調製された水溶液として用いられる殺菌剤製造用組成物(以下、第3の殺菌剤製造用組成物という)に関する。
また、本発明は、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステルと(B1)過酸化水素とを、水中で、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、且つpH8〜12で反応させて得られた有機過酸、並びに水を含有し、25℃におけるpHが1以上7未満である殺菌剤組成物(以下、第1の殺菌剤組成物という)に関する。
また、本発明は、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステルと(B1)過酸化水素とを、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、水中でpH8〜12で反応させ、次いで当該反応系をpH1以上7未満として得られた、有機過酸を含有する水溶液を、被殺菌物と接触させる殺菌方法に関する。
以下、(A)多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステルを(A)成分として、(B1)過酸化水素を(B1)成分として、(B2)水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物を(B2)成分とし、(B1)成分と(B2)成分を合わせて(B)成分として説明する。
なお、(B)成分のうち、(B2)成分から発生する過酸化水素のモル数とは、過マンガン酸滴定法により求められる(B2)成分中の過酸化水素濃度(重量%)に、組成物中の(B2)成分の配合量(g)を乗じて、過酸化水素の分子量である34で除することにより求められる値である。
本発明の殺菌剤製造用組成物により得られた殺菌剤組成物もしくは本発明の殺菌剤組成物は、殺菌効果が高くしかもその持続性にも優れている。本発明によって、食品工場等の工業的な殺菌から家庭内での殺菌まで幅広い分野において優れた殺菌効果を示す殺菌方法が提供される。
<(A)成分>
(A)成分の多価アルコールと水酸基を有していても良い炭化水素基を有する有機酸とのエステルは、過酸化水素と反応して有機過酸を生じるものである。
(A)成分を構成するための多価アルコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類、グルコース、ショ糖、果糖、ソルビトール、ペンタエリスリトール、アルキルポリグリコシド、アルキルフラノシド等の糖類が挙げられる。
また、(A)成分を構成するための有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、オクタン酸等の脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の水酸基を有するヒドロキシカルボン酸等が挙げられるが、好ましくは炭素数1〜8の飽和又は不飽和の脂肪族モノ又はジカルボン酸が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜8の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸が挙げられ、更に好ましくは炭素数1〜8の脂肪酸が挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜8の脂肪酸が挙げられる。(A)成分のエステル化度は限定されない。
具体的な(A)成分としては、グリセリンと炭素数1〜8の脂肪族モノカルボン酸のエステルが好ましく、なかでもトリアセチンが好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、(B1)成分の過酸化水素、又は(B2)成分の水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物であり、組成物が液状の場合は過酸化水素が、粒状、粉状等、固体状の場合は、過炭酸塩、過ホウ酸塩が好ましく、特に過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムが好ましい。
<第1の殺菌剤製造用組成物>
本発明の第1の殺菌剤製造用組成物は、(A)成分と(B1)成分とを含有するが、貯蔵中の(A)成分と(B1)成分の反応を抑制して組成物の安定性を維持する点から、組成物中の水分含有量は1〜25重量%であり、更に5〜20重量%、特に5〜15重量%が好ましい。
本発明の第1の殺菌剤製造用組成物は、有機過酸を得るための成分を含有する1液型の液状組成物であるので、例えば、後述する本発明の第1の殺菌剤組成物や本発明の殺菌方法で用いる殺菌用水溶液の製造に好適である。第1の殺菌剤製造用組成物中の(A)成分の含有量は、20〜90重量%、更に30〜90重量%、特に40〜80重量%が好ましく、(B1)成分の含有量は、1〜30重量%、更に5〜25重量%、特に10〜25重量%が好ましい。また、(A)成分と(B1)成分のモル比は、(A)/(B1)=1/10〜20/1、更に1/10〜10/1、特に1/5〜10/1であることが好ましい。また、(A)成分のエステル基1個あたりの(B1)成分のモル比は、効率的に有機過酸を生成し、かつ未反応の過酸化水素を低減させる観点から、2倍モル以下が好ましく、特に0.3〜2倍モルが好ましい。
また、第1の殺菌剤製造用組成物は、必要に応じて、キレート剤、pH調整剤、溶剤等を含有することができる。FeやCr等の金属イオンの微量混入による触媒的分解を抑制するためにキレート剤は有用である。第1の殺菌剤製造用組成物の原液pH(20℃)は、貯蔵安定性の点から、0.5〜6が好ましく、さらに1〜5が好ましく、特に1〜4が好ましい。pH調整剤としての作用とキレート剤としての作用を兼ね備えたものが好ましく、具体的には、リン酸、重合リン酸、有機ホスホン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、若しくはこれらの塩が好ましい。中でも、有機ホスホン酸若しくはその塩が好ましい。溶剤としては、多価アルコール溶剤が好ましく、プロピレングリコール等のグリコール溶剤が特に好ましい。
<第2の殺菌剤製造用組成物>
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、(A)成分と(B)成分を含有するが、両者の比率は、(B1)成分と(A)成分が効率的に反応する範囲であることが好ましく、有機過酸生成効率、殺菌効果、製剤安定性等を考慮すると、(A)成分と(B1)成分とのモル比が、(A)/(B1)=1/10〜20/1であり、1/10〜10/1、更に1/5〜10/1であることが好ましい。また、(A)成分のエステル基1個あたりの(B1)成分のモル比は、効率的に有機過酸を生成し、かつ未反応の過酸化水素を低減させる観点から、2倍モル以下が好ましく、特に0.3〜2倍モルが好ましい。(B2)成分を用いる場合も、上記範囲の(B1)成分を発生する量で配合することが好ましい。
好ましくはこのモル比を満たした上で、本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、(A)成分を0.1〜90重量%、更に0.5〜70重量%、特に1〜50重量%、(B)成分を、(B1)成分として、0.1〜50重量%、更に0.1〜30重量%、特に0.1〜20重量%含有することが好ましい。
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、使用時には、pHを8〜12、好ましくは9〜11とし(第一工程)、次いでpH1以上7未満、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5とすることで(第二工程)、殺菌剤組成物である水溶液が調製される。第一工程では、アルカリ性のpH調整剤を、第二工程では酸性のpH調整剤を用いるのが好ましい。このpHは、使用時のものでよいが、好ましくは25℃において上記pHを満たすことである。なお、上記した本発明の第1の殺菌剤製造用組成物も同様に使用することができる。
アルカリ性のpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩、リン酸3ナトリウム等のアルカリ性を呈するリン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩が挙げられるが、アルカリ度や水溶性の観点より水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、リン酸3ナトリウムやリン酸3カリウム等のリン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩が好ましい。また、酸性のpH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸等の有機酸が挙げられるが、酸度や水溶性の観点より硫酸やリン酸等の液体無機酸やクエン酸や酢酸等の高水溶性有機酸が好ましい。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらpH調整剤は、そのまま本発明の第2の殺菌剤製造用組成物中に存在してよい。なお、上記した本発明の第1の殺菌剤製造用組成物にもこれらpH調整剤を存在させることができる。
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、(A)成分、(B)成分以外にも、界面活性剤、無機又は有機の塩類、キレート剤、香料、顔料、染料等を含有することができる。なお、上記した本発明の第1の殺菌剤製造用組成物にもこれら成分を存在させることができる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEと記す)アルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン・POE(ブロック又はランダム)アルキルエーテル、POEアリールフェニルエーテル、POEスチレン化フェニルエーテル、POEトリベンジルフェニルエーテル等の1価アルコール誘導体型非イオン性界面活性剤;(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド等の多価アルコール誘導体型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、リグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、POEアルキルスルホン酸塩、POEアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、POEアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、POEアリールフェニルエーテルスルホン酸塩、POEアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、POEトリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩、POEトリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル(炭素数8〜18)トリメチルアンモニウムクロライド、ジ長鎖アルキル(炭素数8〜18)ジメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルアミノトリメチルグリシン、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、多価アルコール誘導体型非イオン性界面活性剤がより好ましい。また、界面活性剤は、本発明の第2の殺菌剤製造用組成物中に0〜20重量%、更に0〜10重量%含有されることが好ましい。
塩類は、pH調整剤として用いられる他に、主として殺菌薬剤の安定化の目的で用いられ、具体的には、コハク酸、マロン酸、クエン酸、グルコン酸、グルタル酸等のカルボン酸金属塩等の有機塩、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、リン酸等のリン酸化合物金属塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩等の無機塩が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリポリリン酸、ポリヒドロキシアクリル酸、有機ホスホン酸等又はこれらの塩が挙げられる。
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物はさまざまな形態をとることができるが、液状の場合、流動性の高いものが好ましく、水溶液の他、流動性のあるスラリー、ゲル、ペースト状等であってもよい。また、固体状の場合、粒状、粉状、顆粒状、ペレット状等の形状が挙げられる。
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、配合成分のすべてをまとめて包装したものでもよいが、安定性の観点から、(A)成分と(B)成分とを別々に包装した複数剤型のものが好ましい。例えば、(A)成分を含む組成物の包装体(1)と、(B)成分を含む組成物の包装体(2)と、最終的にpHを1以上7未満とするためのpH調整剤(クエン酸等の酸性pH調整剤)を含む組成物の包装体(3)とからなる三剤型の殺菌剤製造用組成物とすることができる。この場合、包装体(2)にアルカリ剤を配合しておき、包装体(1)と包装体(2)の混合物がpH8〜12となるように調整することが好ましい。また、特に粉末の組成物の場合、(A)成分と(B)成分が1つの包装体中に共存することも可能であり、例えば、(A)成分と(B)成分とpHを8〜12に調整するためのアルカリ剤とを含む組成物の包装体(I)と、最終的にpHを1以上7未満とするためのpH調整剤(クエン酸等の酸性pH調整剤)を含む組成物の包装体(II)とからなる二剤型の殺菌剤製造用組成物とすることができる。
本発明の第2の殺菌剤製造用組成物は、使用時には、先の第一工程、第二工程によりpHを調整することで、有機過酸を含有する殺菌剤組成物である水溶液が調製される。当該水溶液中の有機過酸濃度は、10〜20,000ppm(重量比、以下同様)、更に10〜10,000ppmであることが好ましい。また、当該水溶液中の過酸化水素含有量は0.5重量%以下、更に0.3重量%以下、特に0.2重量%以下であることが、殺菌効果の点で好ましい。これらの知見は、上記した本発明の第1の殺菌剤製造用組成物においても同様である。
<第3の殺菌剤製造用組成物>
本発明の第3の殺菌剤製造用組成物は、上記本発明の(A)成分と(B)成分とを配合して得られるものであり、第2の殺菌剤製造用組成物同様、(A)成分と(B)成分由来の(B1)成分とのモル比が、(A)/(B1)=1/10〜20/1であり、pHを8〜12とした後、pHを1以上7未満として調製された水溶液として用いられるものである。(A)成分、(B)成分の具体的な化合物や、好ましい(A)/(B1)のモル比も第2の殺菌剤製造用組成物と同様である。また、第3の殺菌剤製造用組成物にも、前記した界面活性剤、無機又は有機の塩類、キレート剤、香料、顔料、染料等を含有することができ、包装の態様も同様とすることができる。
<第1の殺菌剤組成物>
本発明の第1の殺菌剤組成物は、(A)成分と(B1)成分とを、水中で、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、且つpH8〜12で反応させて得られた有機過酸、並びに水を含有し、25℃におけるpHが1以上7未満のものである。本発明の第1の殺菌剤組成物は、上記の通り、(A)成分と(B1)成分とを、水中で、特定のモル比で、且つpH8〜12で反応させ、次いでpHを1以上7未満、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5に調整してなるものである。(A)成分、(B)成分の具体的な化合物や、好ましい(A)/(B1)のモル比は、上記した本発明の第2の殺菌剤製造用組成物と同様である。また、第1の殺菌剤組成物にも、前記した界面活性剤、無機又は有機の塩類、キレート剤、香料、顔料、染料等を含有することができる。水の量は、組成物中、50重量%以上100重量%未満、更に60重量%以上100重量%未満、特に70重量%以上100重量%未満が好ましい。上記本発明の殺菌剤製造用組成物から得られた水溶液同様、本発明の第1の殺菌剤組成物は、有機過酸を含有する水溶液であり、当該水溶液中の有機過酸濃度は、10〜20,000ppm、更に10〜10,000ppmであることが好ましい。また、本発明の第1の殺菌剤組成物は、過酸化水素含有量が0.5重量%以下、更に0.3重量%以下、特に0.2重量%以下であることが、殺菌効果の点で好ましい。この過酸化水素含有量は、当該組成物の調製直後、更には使用時に達成されることが好ましい。
<殺菌方法>
本発明の殺菌方法は、(A)成分と(B1)成分とを、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、水中でpH8〜12で反応させ、次いで当該反応系をpH1以上7未満、好ましくはpH1〜6、より好ましくはpH1〜5として得られた、有機過酸を含有する水溶液(以下、殺菌用水溶液という)を、被殺菌物と接触させるものであり、これには上記した本発明の殺菌剤組成物もしくは本発明の殺菌剤製造用組成物から得られた水溶液が好適に用いられる。
本発明の殺菌方法は、
(I)(A)成分と(B1)成分とを、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、水中でpH8〜12で反応させて有機過酸を含有する水溶液を得る工程
(II)次いで当該水溶液のpHを1以上7未満、好ましくはpH1〜6、より好ましくはpH1〜5として殺菌用水溶液を得る工程
(III)殺菌用水溶液を被殺菌物と接触させる工程
を含むことができる。
上記(I)の工程は、例えば5〜50℃の水中に、所定量の(A)成分、(B1)成分、pH8〜12を与えるpH調整剤(アルカリ剤)を添加し(A)成分と(B1)成分とを反応させて行うことができる。上記(II)の工程は、かかる混合系にpH1以上7未満を与えるpH調整剤(酸剤)を添加して行うことができる。
殺菌用水溶液を被殺菌物と接触させる方法としては、当該水溶液を散布、浸漬、充填、塗布する等の方法が挙げられる。散布する場合は噴霧することが好ましい。また、適当な担体に当該水溶液を含浸させて対象物をふき取っても良い。接触時間は限定されないが、被殺菌物によっては30秒以内、特に10秒以内という短時間でも十分な効果が得られる。また、接触させる際の当該水溶液の温度も限定されないが、10〜90℃が好ましく、15〜80℃がより好ましい。
本発明の殺菌剤組成物もしくは殺菌剤製造用組成物から得られた殺菌剤(殺菌用水溶液)や殺菌方法は、高い殺菌効果を有するために、種々の微生物が存在する様々な被殺菌物を殺菌対象とすることができる。例えば、細菌類では大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、緑濃菌等の食中毒や院内感染等の起因菌、黒コウジカビ、カンジダ菌等の真菌類、更には殺菌剤に強い耐性を有する枯草菌等の細菌芽胞や黒コウジカビ等の真菌胞子が挙げられる。このうち、細菌芽胞とは、増殖に適さない環境において作られる耐久性を有する休眠細胞であり、菌体の外側には多重の層状外殻を有している。このような細菌芽胞は薬剤や熱などに対する耐久性が非常に高く、一般的な殺菌では完全に死滅させることは困難である。しかし、本発明の殺菌剤組成物や殺菌方法によれば、このような細菌芽胞に対しても十分な殺菌効果が得られる。
このように、本発明の殺菌剤組成物もしくは殺菌剤製造用組成物から得られた殺菌剤(殺菌用水溶液)や殺菌方法は、殺菌スペクトルが広く、細菌類のみならず、真菌類や芽胞に対する効果も高いため、幅広い分野での殺菌に有用である。例えば、病院、養護施設、食品加工工場、クリーニング施設、厨房等の壁、床、窓等あるいはそれらで用いられる器具、備品、及び製品用(例えば飲料用)容器等の殺菌に用いられる。
<殺菌剤キット>
本発明の殺菌剤組成物を得るための好適な殺菌剤キットは、本発明の殺菌剤製造用組成物と、該組成物によってもたらされる(A)成分と(B1)成分の反応を開始させる反応開始剤〔以下、(C)成分という〕と、pH調整剤〔以下、(D)成分という〕とを含んで構成される。また、殺菌剤キットは、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含んで構成されることもできる。
本発明の殺菌剤組成物を得るための殺菌剤キットは、有機過酸製造時の簡便性を考慮して、配合成分の全てをまとめて包装した1剤型でもよいが、貯蔵時の安定性を考慮して、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分とを個別に包装した複数剤型であってもよい。好ましい殺菌剤キットの剤型としては、有機過酸製造時の簡便性と製造用組成物の貯蔵安定性との両観点を考慮して、(A)〜(D)成分のうち2成分以上を含む組成物を包装した包装体を含む2剤型、若しくは3剤型等の複数剤型である。
(A)成分と(B1)成分は、水中ではアルカリ条件(水温5〜50が好適)で反応して有機過酸を生成するため、(C)成分として、このようなpHを与える成分が使用できる。具体的には、アルカリ性のpH調整剤として例示した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩、リン酸3ナトリウム等のアルカリ性を呈するリン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩が挙げられるが、アルカリ度や水溶性の観点より水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、リン酸3ナトリウムやリン酸3カリウム等のリン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩が好ましい。
一方、有機過酸を含有する殺菌剤は、酸性であることが殺菌効果の点で好ましいため、(D)成分は(C)成分によりアルカリ領域にあったpHを酸性領域にできる成分が使用される。具体的には、酸性のpH調整剤として例示した塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸等の有機酸が挙げられるが、酸度や水溶性の観点より硫酸やリン酸等の液体無機酸やクエン酸や酢酸等の高水溶性有機酸が好ましい。
殺菌剤キットの具体的な剤型としては、
(I)(A)成分と(B)成分とを含有する殺菌剤製造用組成物の包装体(X1)、(C)成分を含有する組成物の包装体(X2)、(D)成分を含有する組成物の包装体(X3)を含む3型以上の剤型
(II)(A)成分を含有する組成物の包装体(Y1)、(B)成分と(C)成分とを含有する組成物の包装体(Y2)、(D)成分を含有する組成物の包装体(X3)を含む3型以上の剤型
(III)(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有する組成物の包装体(Z1)、(D)成分を含有する組成物の包装体(Z2)を含む2剤型以上の剤型
が挙げられる。
(I)の剤型では、殺菌剤製造用組成物の形態は、粉末状、固体状、液状等、限定されるものではないが、簡便性の観点から液状がより好ましい。液状の形態をとる場合、貯蔵中の(A)成分と(B)成分の反応を抑制して安定性を維持するために、当該液状組成物中の水分含有量は1〜25重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%であり、5〜15重量%が更により好ましい。また、必要に応じて、当該液状組成物にキレート剤、溶剤を添加することができる。FeやCr等の金属イオンの微量混入による触媒的分解を抑制するためにキレート剤は有用である。また、当該液状組成物の原液pH(20℃)は、貯蔵安定性に関与するため、0.5〜6が好ましく、より好ましくは1〜5で、1〜4が更により好ましい。前記の通り、pH調整剤としての作用とキレート剤としての作用を兼ね備えた成分を用いることが好ましく、具体的には、リン酸、重合リン酸、有機ホスホン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、若しくはこれらの塩が好ましい。中でも、有機ホスホン酸若しくはその塩が好ましい。溶剤としては、多価アルコール溶剤が好ましく、プロピレングリコール等のグリコール溶剤が特に好ましい。
また、(I)の剤型で殺菌剤製造用組成物が粉末、固形状の形態をとる場合は、(B)成分として過炭酸ナトリウムや過硼酸ナトリウム等を用いることが好ましい。同様に、(II)の剤型や(III)の剤型でも、貯蔵安定性の観点から、(B)成分を含む組成物は、(B)成分として過炭酸ナトリウムや過硼酸ナトリウム等を用いた粉末、固形状の形態が好適である。
これら各剤型における(A)〜(D)成分の含有量は、前記した本発明の第1〜第3の殺菌剤製造用組成物の用法に基づき、それぞれに適した範囲を選定することができる。また、(A)〜(D)成分以外の成分は、これら(A)〜(D)成分を含む何れかの包装体に配合しても、他の包装体に配合しても、何れでも良い。
実施例1
表1〜5に示す量の(A)成分、(B)成分及び50gのイオン交換水と適量のアルカリ性pH調整剤〔炭酸ナトリウム〕とを、200mLビーカー内で20分間攪拌混合した。その際のpHは8〜12となるようにした。その後、更に酸性pH調整剤〔クエン酸〕を用いて目的のpHに調整し、殺菌剤組成物を得た。その際の経時的な有機過酸濃度の変化を測定した。有機過酸濃度は、以下の方法で測定した。結果を表1〜5に示す。
(1)有機過酸濃度の測定方法
(1−1)過酸化水素の定量
200mLのコニカルビーカーに、殺菌剤組成物w1g(目安として1〜50g)を精秤し、20%硫酸水溶液10mLと氷片2〜3個を加えて溶液を冷却し、触媒として飽和硫酸マンガン水溶液を1〜2滴加えた後、0.1mol/L(1/2規定)過マンガン酸カリウム水溶液で滴定する。溶液が淡いピンク色を1〜10秒間呈するところを終点とする。過酸化水素濃度は下記式(1−1)により算出される。
Figure 0004335051
1:0.1mol/L過マンガン酸カリウム水溶液の滴定所要量(mL)
1:0.1mol/L過マンガン酸カリウム水溶液のファクター
1:殺菌剤組成物の重量(g)
(1−2)有機過酸の定量
300mL共栓付三角フラスコに、殺菌剤組成物w2g(目安として1〜50g)を精秤し、20%硫酸水溶液10mL、純水20mL及び飽和ヨウ化カリウム水溶液2mLを加えて密栓した後、フラスコを軽く振盪する。これを冷暗所に5分間静置した後、0.2mol/L(1/5規定)チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する。溶液が淡黄色を示したところで2%澱粉水溶液を数滴加えて滴定を続ける。溶液の青紫色が消失したところを終点とする。有機過酸濃度は下記式(1−2)により算出される。
Figure 0004335051
2:0.2mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴定所要量(mL)
2:0.2mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液のファクター
H:(1−1)式で求めた過酸化水素濃度(重量%)
2:殺菌剤組成物の重量(g)
Figure 0004335051
(注)配合成分の( )内の数値はモル数であり、(B)成分の( )内のモル数は、過酸化水素としての量である(以下同様)。(A)/(B)モル比は、(A)成分と過酸化水素のモル比である(以下同様)。また、有機過酸残存率は、(pH調整直後の有機過酸濃度)/(pH調整120分後の有機過酸濃度)×100により算出されるものである(以下同様)。また、(A)成分のうち、グリセリン脂肪酸エステル〔商品名:ホモテックスPT、花王(株)製〕の脂肪酸は、炭素数8のものである(以下同様)。なお、過炭酸ナトリウムは、過酸化水素を22重量%含有し、過ホウ酸ナトリウムは、過酸化水素を20重量%含有していた。
Figure 0004335051
Figure 0004335051
Figure 0004335051
Figure 0004335051
実施例2
表6〜9に示す量の(A)成分、(B)成分及び50gのイオン交換水と適量のアルカリ性pH調整剤〔炭酸ナトリウム〕とを、200mLビーカー内で20分間攪拌混合した。その際のpHは8〜12となるようにした。その後、更に酸性pH調整剤〔クエン酸〕を用いて目的のpHに調整し、殺菌剤組成物を得た。得られた殺菌剤組成物を用いて、以下の方法で殺菌効果を測定した。結果を表6〜9に示す。
(1)細菌芽胞の殺滅効果
芽胞形成細菌である、枯草菌(Bacillus subtilis var. niger)とサーキュランス菌(Bacillus circulans IFO3967)とを、それぞれSCD寒天培地(日本製薬(株)製)に30℃で約4週間前培養した後、寒天培地上に形成されたコロニーを適量かきとって1mLの滅菌水に懸濁し、検鏡して細菌芽胞(以下、芽胞という)の形成を確認した。この懸濁液を2回遠心洗浄後、適量の滅菌水で約108〜109cell/mLの菌濃度に調整した(芽胞液1)。この芽胞液1の0.1mlを、表6〜9の殺菌剤組成物2mLに接種し、25℃にて120秒間作用させた。その後、直ちに、芽胞液1を含む殺菌剤組成物の0.1mLを、1.0%チオ硫酸ナトリウムを加えたSCDLP培地(日本製薬(株))中に添加して、殺菌剤組成物を不活性化した(芽胞液2)。芽胞液2を、直径9cmの標準寒天培地に0.2mL塗抹して、35℃で36時間培養して、培地上に形成されたコロニー数をカウントすることで残菌数を確認した。
(2)カビ胞子の殺滅効果
黒コウジカビ(Aspergillus niger IFO6341)を、ポテトデキストロース寒天培地(日本製薬(株))に25℃で約4週間前培養した。培地上に発生した菌体をかき取って5mlの滅菌水に懸濁し、ガラスホモジナイザーを用いて懸濁菌液を均一にした。本懸濁液を2回遠心洗浄後、適量の滅菌水で約108〜109cell/mLの菌濃度に調整した(胞子液1)。この胞子液1の0.1mLを、表6〜9の殺菌剤組成物2mlに接種し、25℃にて120秒作用させた。その後、直ちに、胞子液1を含む殺菌剤組成物の0.1mlを、1.0%チオ硫酸ナトリウムを加えたSCDLP培地(日本製薬(株))中に添加して、殺菌剤組成物を不活性化した(胞子液2)。胞子液2を、直径9cmのポテトデキストロース寒天培地に0.2mL塗抹して、25℃で3〜4日間培養して、培地上に形成されたコロニー数をカウントすることで残菌数を確認した。
Figure 0004335051
Figure 0004335051
Figure 0004335051
Figure 0004335051
実施例3
表10に示す重量の(A)成分、(B)成分、有機ホスホン酸〔商品名:ディクエスト2010(ソルーシアジャパン(株)製)〕、アルカリ性pH調整剤に、イオン交換水を加えて全重量を100gとした。これを200mLビーカー内で約10分間攪拌混合した。その際のpHは8〜12であった。その後、速やかに表10に示す重量の酸性pH調整剤を用いて目的のpHに調整し、さらにイオン交換水を添加して全量を110gにした。この時点(調製直後とする)での有機過酸濃度および過酸化水素濃度を測定するとともに、攪拌から約30分後の殺菌用水溶液を有機過酸濃度として3000ppmに調整して殺菌効果を確認した。なお、過酸化水素濃度及び有機過酸濃度の測定方法は実施例1の有機過酸濃度の測定方法に従った。また、殺菌試験方法は実施例2の細菌芽胞の殺滅効果に従ったが、本例では殺菌用水溶液と菌の接触温度および接触時間を60℃20秒間とし、対象菌としてBacillus cereus IFO13494ならびにBacillus subtilis var. nigerを用いた。結果を表10に示す。
Figure 0004335051
実施例4
表11に示す組成の殺菌剤製造用組成物を調製し、以下の方法で貯蔵安定性を評価した。結果を表11に示す。
<貯蔵安定性試験方法>
殺菌剤製造用組成物150mlを容量200mlのガラス瓶(無色透明)に充填し、蓋をして50℃にて保存する。4週間経過した後、組成物中の過酸化水素濃度を、実施例1の有機過酸濃度の測定方法に準じて測定して、保存後の過酸化水素濃度とする。過酸化水素残存率を次式にて求め、貯蔵安定性の指標とした。なお、調整直後の過酸化水素濃度は、過酸化水素の仕込み量に基づく組成物中の濃度を採用できる。
過酸化水素残存率(%)=〔(保存後の過酸化水素濃度)÷(調製直後の過酸化水素濃度)〕×100
Figure 0004335051

Claims (3)

  1. (A)グリセリンと炭素数1〜8の脂肪族モノカルボン酸とのエステルと(B1)過酸化水素とを、(A)/(B1)=1/10〜20/1のモル比で、水中でpH8〜12で反応させ、次いで当該反応系をpH1〜5として得られた、有機過酸を含有する水溶液を、被殺菌物と接触させる殺菌方法。
  2. 下記(I)〜(II)の何れかの組成物を用いて前記水溶液を得る請求項記載の殺菌方法。
    (I):(A)グリセリンと炭素数1〜8の脂肪族モノカルボン酸とのエステル、及び(B1)過酸化水素又は(B2)水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物を、(A)と(B1)又は(A)と(B2)から発生する(B1)のモル比が(A)/(B1)=1/10〜20/1で含有する殺菌剤製造用組成物
    (II):(A)グリセリンと炭素数1〜8の脂肪族モノカルボン酸とのエステル、及び(B1)過酸化水素又は(B2)水中で過酸化水素を放出する無機過酸化物を、(A)と(B1)又は(A)と(B2)から発生する(B1)のモル比が(A)/(B1)=1/10〜20/1で配合して得られる殺菌剤製造用組成物
  3. (B2)が、過炭酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムから選ばれる無機過酸化物である請求項記載の殺菌方法
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