JP4334069B2 - 3次元画像検出装置のレーザ発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元画像検出装置において用いられる測距用のレーザ発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来3次元画像検出装置による3次元計測は、光、電波あるいは音を被計測物体に照射する能動方式と、光等を照射しない受動方式とに分類される。能動方式には光伝播時間測定法、変調した光波を用いる位相差測定法、三角測量法、モアレ法、干渉法等が知られており、受動方式には、ステレオ視法、レンズ焦点法等が知れている。
【0003】
能動方式は受動方式に比べ、レーザ光等を照射するための機構が必要なためにその規模が大きくなるが、距離分解能、計測時間、計測空間範囲等の点において優れており、産業応用分野において広く用いられてきている。「Measurement Science and Technology」(S. Christie 他、vol.6, p1301-1308, 1995 年)に記載された3次元画像入力装置では、パルス変調され拡散されたレーザ光が被計測物体の全体に照射され、その反射光がイメージインテンシファイアが取付けられた2次元CCDセンサによって受光され、電気信号に変換される。イメージインテンシファイアはレーザ光のパルス発光に同期したゲートパルスによってシャッタ制御される。この構成によれば、遠い被計測物体からの反射光による受光量は近い被計測物体からの反射光による受光量に比べて小さいので、被計測物体の距離に応じた出力がCCDの各画素毎に得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように拡散されたレーザ光を照射して3次元計測を行なう構成において、被計測物体付近に作業者がいる場合などレーザ光照射領域内に人が存在するとき、レーザ光がその作業者の目に入ると照射されたレーザ光によって網膜等に障害を及ぼす虞れがあるので、作業者はレーザ光を見ないように充分に注意をしなければならない。
【0005】
本発明は、レーザ光を照射して3次元計測を行なう3次元画像検出装置において、レーザ光が目に入っても悪影響を及ぼすことのない、レーザ発光装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の3次元画像検出装置におけるレーザ発光装置は、被写体に測距用のレーザ光を照射するための複数のレーザ光源から成る所定のグループによって構成されるレーザ発光手段と、所定のグループ毎に同時にレーザ光を照射するようにレーザ光源を制御する照射制御手段とを備え、各グループに含まれる各レーザ光源が重ならないように配置され、各レーザ光源から照射されるレーザ光の被写体における各照射領域が相互に重なる領域を有することを特徴としている。
【0007】
各グループは好ましくは、異なるタイミングでレーザ光を照射する。またレーザ光源は好ましくは、撮像レンズを囲んで円環状に等間隔で配置されるか、所定方向に直線的に等間隔で配列され、グループ内の各レーザ光源は他のグループのレーザ光源を挟んで等間隔に配置される。
【0008】
例えば6個のレーザ光源を円環状に等間隔で配列し、円環の中心を挟んで相対する1対のレーザ光源を各々1つのグループとする。また、6個のレーザ光源を所定方向に直線的に等間隔で配列し、2個置きのレーザ光源を各々1つのグループとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態であるカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図である。
【0010】
カメラ本体10の前面において、撮影レンズ11の左上にはファインダ窓12が設けられ、右上にはストロボ13が設けられている。撮像レンズ11の外周縁には円環状のレーザ発光装置22が配設されている。発光装置22の前面には6個の光源(レーザ光源)14が円環に沿って等間隔に並んでいる。カメラ本体10の左上面にはレリーズスイッチ15と液晶表示パネル16が設けられ、右上面にはモード切替ダイヤル17とV/Dモード切替スイッチ18が設けられている。カメラ本体10の側面には、ICメモリカードを挿入するためのカード挿入口19が形成され、また、ビデオ出力端子20とインターフェースコネクタ21が設けられている。
【0011】
図2は、図1に示すカメラ型の3次元画像検出装置の回路構成を示すブロック図である。
撮影レンズ11の中には絞り25が設けられている。絞り25の開度はアイリス駆動回路26によって調整される。撮影レンズ11の焦点調節動作およびズーミング動作はレンズ駆動回路27によって制御される。
【0012】
撮影レンズ11の光軸上には撮像素子(CCD)28が配設されている。CCD28には、撮影レンズ11によって被写体像が形成され、被写体像に対応した電荷が発生する。CCD28における電荷の蓄積動作、電荷の読出動作等の動作はCCD駆動回路30によって制御される。CCD28から読み出された電荷信号すなわち画像信号はアンプ31において増幅され、A/D変換器32においてアナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタルの画像信号は撮像信号処理回路33においてガンマ補正等の処理を施され、画像メモリ34に一時的に格納される。アイリス駆動回路26、レンズ駆動回路27、CCD駆動回路30、撮像信号処理回路33はシステムコントロール回路35によって制御される。
【0013】
画像信号は画像メモリ34から読み出され、LCD駆動回路36に供給される。LCD駆動回路36は画像信号に応じて動作し、これにより画像表示LCDパネル37には、画像信号に対応した画像が表示される。
【0014】
また画像メモリ34から読み出された画像信号はTV信号エンコーダ38に送られ、ビデオ出力端子20を介して、カメラ本体10の外部に設けられたモニタ装置39に伝送可能である。システムコントロール回路35はインターフェース回路40に接続され、インターフェース回路40はインターフェースコネクタ21に接続されている。したがって画像メモリ34から読み出された画像信号は、インターフェースコネクタ21に接続されたコンピュータ41に伝送可能である。またシステムコントロール回路35は、記録媒体制御回路42を介して画像記録装置43に接続されている。したがって画像メモリ34から読み出された画像信号は、画像記録装置43に装着されたICメモリカード等の記録媒体Mに記録可能である。
【0015】
システムコントロール回路35には、発光素子制御回路44が接続されている。発光装置22の前面に円環状に並べられた光源14は、レーザダイオード(LD)14aと照明レンズ14bで構成されている。発光素子14aの発光動作は発光素子制御回路44によって制御される。発光素子14aは測距光であるレーザ光を照射するものであり、このレーザ光は照明レンズ14bを介して被写体の全体に照射される。被写体において反射した光は撮影レンズ11に入射し、この光をCCD28によって検出することにより、後述するように被写体の距離が計測される。なお、この計測において、CCD28における転送動作のタイミング等の制御はシステムコントロール回路35とCCD駆動回路30によって行なわれる。
【0016】
システムコントロール回路35には、レリーズスイッチ15、モード切替ダイヤル17、V/Dモード切替スイッチ18から成るスイッチ群45と、液晶表示パネル16とが接続されている。
【0017】
次に図3および図4を参照して、本実施形態における距離測定の原理を説明する。なお図4において横軸は時間tである。
【0018】
距離測定装置Bから出力された測距光は被写体Sにおいて反射し、図示しないCCDによって受光される。測距光は所定のパルス幅Hを有するパルス状の光であり、したがって被写体Sからの反射光も、同じパルス幅Hを有するパルス状の光である。また反射光のパルスの立ち上がりは、測距光のパルスの立ち上がりよりも時間δ・t(δは遅延係数)だけ遅れる。測距光と反射光は距離計測装置Tと被写体Sの間の2倍の距離rを進んだことになるから、その距離rは
r=δ・t・C/2 ・・・(1)
により得られる。ただしCは光速である。
【0019】
例えば測距光のパルスの立ち上がりから反射光を検知可能な状態に定め、反射光のパルスが立ち下がる前に検知不可能な状態に切換えるようにすると、すなわち反射光検知期間Tを設けると、この反射光検知期間Tにおける受光量Aは距離rの関数である。すなわち受光量Aは、距離rが大きくなるほど(時間δ・tが大きくなるほど)小さくなる。
【0020】
本実施形態では上述した原理を利用して、CCD28に設けられ、2次元的に配列された複数のフォトダイオード(光電変換素子)においてそれぞれ受光量Aを検出することにより、カメラ本体10から被写体Sの表面の各点までの距離をそれぞれ検出し、被写体Sの表面形状に関する3次元画像のデータを一括して入力している。
【0021】
図5は、CCD28に設けられるフォトダイオード51と垂直転送部52の配置を示す図である。図6は、CCD28を基板53に垂直な平面で切断して示す断面図である。このCCD28は従来公知のインターライン型CCDであり、不要電荷の掃出しにVOD(縦型オーバーフロードレイン)方式を用いたものである。
【0022】
フォトダイオード51と垂直転送部(信号電荷保持部)52はn型基板53の面に沿って形成されている。フォトダイオード51は2次元的に格子状に配列され、垂直転送部52は所定の方向(図5において上下方向)に1列に並ぶフォトダイオード51に隣接して設けられている。垂直転送部52は、1つのフォトダイオード51に対して4つの垂直転送電極52a,52b,52c,52dを有している。したがって垂直転送部52では、4つのポテンシャルの井戸が形成可能であり、従来公知のように、これらの井戸の深さを制御することによって、信号電荷をCCD28から出力することができる。なお、垂直転送電極の数は目的に応じて自由に変更できる。
【0023】
基板53の表面に形成されたp型井戸の中にフォトダイオード51が形成され、p型井戸とn型基板53の間に印加される逆バイアス電圧によってp型井戸が完全空乏化される。この状態において、入射光(被写体からの反射光)の光量に応じた電荷がフォトダイオード51において蓄積される。基板電圧Vsub を所定値以上に大きくすると、フォトダイオード51に蓄積した電荷は、基板53側に掃出される。これに対し、転送ゲート部54に電荷転送信号(電圧信号)が印加されたとき、フォトダイオード51に蓄積した電荷は垂直転送部52に転送される。すなわち電荷掃出し信号によって電荷を基板53側に掃出した後、フォトダイオード51に蓄積した信号電荷が、電荷転送信号によって垂直転送部52側に転送される。このような動作を繰り返することにより、垂直転送部52において信号電荷が積分され、いわゆる電子シャッタ動作が実現される。
【0024】
図7は、被写体の表面の各点までの距離に関するデータを検出する距離情報検出動作のタイミングチャートである。図1、図2、図5〜図7を参照して距離情報検出動作を説明する。なお本実施形態の距離検出動作では、外光の影響による雑音を低減するために、図4を参照して行なった距離測定原理の説明とは異なり、測距光のパルスの立ち下がりから反射光を検知可能な状態に定め、反射光のパルスが立ち下がった後に検知不可能な状態に切換えるようにタイミングチャートを構成しているが原理的には何ら異なるものではない。
【0025】
垂直同期信号(図示せず)の出力に同期して電荷掃出し信号(パルス信号)S1が出力され、これによりフォトダイオード51に蓄積していた不要電荷が基板53の方向に掃出され、フォトダイオード51における蓄積電荷量はゼロになる(符号S2)。電荷掃出し信号S1の出力の開始の後、一定のパルス幅を有するパルス状の測距光S3が出力される。測距光S3が出力される期間(パルス幅)は調整可能であり、図示例では、電荷掃出し信号S1の出力と同時に測距光S3がオフするように調整されている。
【0026】
測距光S3は被写体において反射し、CCD28に入射する。すなわちCCD28によって被写体からの反射光S4が受光されるが、電荷掃出し信号S1が出力されている間は、フォトダイオード51において電荷は蓄積されない(符号S2)。電荷掃出し信号S1の出力が停止されると、フォトダイオード51では、反射光S4の受光によって電荷蓄積が開始され、反射光S4と外光に起因する信号電荷S5が発生する。反射光S4が消滅すると(符号S6)フォトダイオード51では、反射光に基く電荷蓄積は終了するが(符号S7)、外光のみに起因する電荷蓄積が継続する(符号S8)。
【0027】
その後、電荷転送信号S9が出力されると、フォトダイオード51に蓄積された電荷が垂直転送部52に転送される。この電荷転送は、電荷転送信号の出力の終了(符号S10)によって完了する。すなわち、外光が存在するためにフォトダイオード51では電荷蓄積が継続するが、電荷転送信号の出力が終了するまでフォトダイオード51に蓄積されていた信号電荷S11が垂直転送部52へ転送される。電荷転送信号の出力終了後に蓄積している電荷S14は、そのままフォトダイオード51に残留する。
【0028】
このように電荷掃出し信号S1の出力の終了から電荷転送信号S9の出力が終了するまでの期間TU1(電荷蓄積期間)の間、フォトダイオード51には、被写体までの距離に対応した信号電荷が蓄積される。そして、反射光S4の受光終了(符号S6)までフォトダイオード51に蓄積している電荷が、外光と被写体の距離情報とに対応した信号電荷S12として垂直転送部52へ転送され、その他の信号電荷S13は外光のみに起因するものである。
【0029】
電荷転送信号S9の出力から一定時間が経過した後、再び電荷掃出し信号S1が出力され、垂直転送部52への信号電荷の転送後にフォトダイオード51に蓄積された不要電荷が基板53の方向へ掃出される。すなわち、フォトダイオード51において新たに信号電荷の蓄積が開始する。そして、上述したのと同様に、電荷蓄積期間TU1が経過したとき、信号電荷は垂直転送部52へ転送される。
【0030】
このような信号電荷S11の垂直転送部52への転送動作は、次の垂直同期信号が出力されるまで、繰り返し実行される。これにより垂直転送部52において、信号電荷S11が積分される。1フィールドの期間(2つの垂直同期信号によって挟まれる期間)に積分された信号電荷S11には、その期間被写体が静止していると見做せれば、被写体までの距離情報に対応する信号電荷S12と、外光により蓄積した信号電荷S13が含まれている。ここで信号電荷S13の電荷量は信号電荷S12の電荷量に比べて微小であり、したがって信号電荷S11から距離情報を求めることができる。すなわち、計測物体の表面で反射した測距光の受光時間TD と信号電荷S11との間の関係を求めておけば、受光時間TD は式(1)のδ・tに対応するので信号電荷S11から距離rを求めることができる。
【0031】
以上説明した信号電荷S11の検出動作は1つのフォトダイオード51に関するものであり、垂直転送電極52aを有する全てのフォトダイオード51においてこのような検出動作が行なわれる。1フィールドの期間における検出動作の結果、垂直転送電極52aを有するフォトダイオード51に隣接した垂直転送部には、そのフォトダイオード51によって検出された距離情報が保持される。この距離情報は垂直転送部52における垂直転送動作および図示しない水平転送部における水平転送動作によってCCD28の外部へ出力される。
【0032】
次に6個の光源14の発光タイミングについて図8および図9を参照して説明する。
【0033】
図8は円環状の発光装置22を正面から見たときの模式図である。円環状に等間隔に配置された6個の光源14に、12時方向に配置された光源から時計周りにa、b、c、a’、b’、c’と符号を付すと、aとa’、bとb’、cとc’はそれぞれ円環の中心を挟んで相対する位置に配置されており、それぞれ1つのグループを構成している。図9は信号電荷の蓄積期間と6個の光源から照射されるパルス状の測距光の発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0034】
まず光源a、a’からパルス状の測距光Sa、Sa’が同時に照射され、測距光Sa、Sa’が立ち下がったと略同時に第1の蓄積期間が開始する。測距光Sa、Sa’が立ち下がった後、光源b、b’からパルス状の測距光Sb、Sb’が同時に照射され、測距光Sb、Sb’が立ち下がったと略同時に第2の蓄積期間が開始する。また同様に、測距光Sb、Sb’が立ち下がった後、光源c、c’からパルス状の測距光Sc、Sc’が同時に照射され、測距光Sc、Sc’が立ち下がったと略同時に第3の蓄積期間が開始する。
【0035】
以下同様に1フィールド期間の間、3組の光源aとa’、bとb’、cとc’からパルス状の測距光が繰り返し出力され、その都度距離情報を含む信号電荷が蓄積される。なお3組の光源としてaとa’、bとb’、cとc’の組を用いたのは、次に述べるように、2つの光源を同時に発光した際、その2つの発光中心がなるべく離れるようにするためである。
【0036】
図10は光源a、a’を同時に発光したときに光源a、a’から照射される測距光の照射領域を図示したものである。光源a、a’から照射される2つの測距光は、被写体が配置された距離において略同一の領域Uに照射される。すなわち2つの測距光の照射領域の中心である点P、P’は領域Uにおいて略一致する。また、照射領域Uの全体にわたって各光源からの放射照度は略均一であり、1つの光源から照射されるレーザ光の放射パワーを測距に必要な放射パワーの半分にしても、2つの測距光が重なりあった照射領域Uでは、測距に必要な放射パワーが得られる。なお図は光源a、a’が照射されたときの状態を例示しているが、光源bとb’、cとc’が照射された場合についても同様である。
【0037】
図11は、光源a、a’から照射された測距光が、人の眼に入射した状態を模式的に表している。
【0038】
本実施形態における測距光は、波長が400〜1400nmのレーザ光であり、より好ましくは近赤外レーザ光である。このときレーザ光は眼の角膜Cや水晶体Lでは吸収されずほとんど網膜Rに達する。したがってレーザ放射に対する眼の最大許容露光量(MPE)は網膜Rでの値となる。光源a、a’から照射される測距光は、被写体全体を照射するように拡散して照射されるが、人間の眼は無意識に焦点を合わせるため、1つの光源から照射された測距光は、網膜R上の一点に集光しビーム内観察状態となる。すなわち光源aから照射された測距光は、角膜Cと水晶体Lを透過して眼球Eの網膜R上の点Qへ集光され、光源a’から照射された測距光も同様の過程を経て網膜R上の点Q’へ集光される。
【0039】
このように光源a、a’から照射された測距光は、網膜R上では別々の点Qと点Q’へ集光され、1つの光源から照射されるレーザ光の放射パワーは測距に必要な放射パワーの半分に低減されているので、点Q、Q’それぞれに集光される光の放射輝度も、1つの光源を用いて測距を行なうときの約半分となる。したがって2つの光源a、a’の各々から測距に必要な半分の放射パワーの測距光を同時にかつ同一領域に照射することにより、測距に必要な光量を確保するとともに1つの光源に対応する集光点(QまたはQ’)での放射輝度を約半分に低減できる。なお光源a、a’の発光中心の距離が離れる程、点Qと点Q’との距離も離れる。
【0040】
また本実施形態では光源を3つの組aとa’、bとb’、cとc’に分け、各組の光源を図9のように順次発光させている。すなわち各組の光源から照射されるレーザ光の網膜Rにおける集光点は順次移動し、網膜R上の1点にレーザ光が集光している時間は短くなる。したがって網膜R上の1つの集光点が受光する積分放射輝度は低減されるので、網膜RでのMPEを満たしながら、測距に十分な光量を得ることができる。
【0041】
図12は、図9で示したタイミングで各光源を発光したときに、フォトダイオード51において受光される反射光と蓄積時間との関係を示したものであり、横軸は時間を表している。図の斜線部は、受光されたパルス状の反射光のうち、フォトダイオード51に信号電荷として蓄積される部分である。各光源から照射されるレーザ光の放射パワーは、測距に必要な放射パワーの約半分であるため、各光源に対応する反射光によりフォトダイオード51に蓄積される信号電荷も約半分となっている。しかし1蓄積期間に蓄積される距離情報に対応する信号電荷は、例えば斜線部S20とS21のように2つの光源a、a’から照射される測距光によるものなので、全体としては測距に必要な信号電荷を蓄積することができる。
【0042】
以上のように本実施形態によれば3次元画像検出装置において、測距に必要な十分な光量を得ながらも、各光源による網膜上の集光点での積分放射輝度の低減によりレーザ照射領域にいるに人物の目に対する安全性を向上させることができる。
【0043】
次に図13及び図14を参照して第2の実施形態について説明する。
図13は第2の実施形態におけるカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図である。第2の実施形態と第1の実施形態との違いは、発光装置22の形状やその配置と、発光装置22に設けられた光源14の配置のみである。その他については第1の実施形態と全く同様である。
【0044】
第2の実施形態では、発光装置22はカメラ本体10の上面上に上面が前面となす稜線に沿って直線状に設けられており、発光装置22の前面には6個の光源14が等間隔を隔てて一列に並んで配置されている。図14に示すように6個の光源に左から順にa、b、c、a’、b’、c’と符号を付け、第1の実施形態と同様に光源aとa’、bとb’、cとc’とをそれぞれ1組(グループ)の光源として扱う。すなわち、各組の光源はそれぞれ2個の光源を挟んで配置されている。第1の実施形態のように各光源を各組毎に発光制御すると第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
なお本実施形態で照射されるレーザ光は、被写体の全体を照射するように拡散して照射されるので、光源からの距離によりレーザ光の放射照度は異なるが、被写体面での放射照度が一定となるように光源の放射パワーを距離に応じて調整できる。
【0046】
本実施形態において、発光装置に設けられた光源は6個であったが、もっと多くとも少なくともよい。また本実施形態では、2個1組の光源を同期させて発光させたが、例えば光源a、c、b’を1組の光源とし、もう1組の光源をb、a’、c’としてもよい。
【0047】
また本実施形態では、1つの組(グループ)に含まれる光源は、他のグループの光源を挟んで一定の距離をおいて配置されているが、他のグループの光源を挟まずに配置されてもよい。このときグループ内の光源同士が隣接(光源同士の距離が0)していてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、レーザ光を照射して3次元計測を行なう3次元画像検出装置において、レーザ光が目に入っても悪影響を及ぼすことのないレーザ発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図である。
【図2】図1に示すカメラ型の3次元画像検出装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】測距光による距離測定の原理を説明するための図である。
【図4】測距光、反射光、ゲートパルス、およびCCDが受光する光量分布を示す図である。
【図5】CCDに設けられるフォトダイオードと垂直転送部の配置を示す図である。
【図6】CCDを基板に垂直な平面で切断して示す断面図である。
【図7】被写体までの距離に関するデータを検出する距離情報検出動作のタイミングチャートである。
【図8】第1の実施形態における発光装置を正面から見たときの模式図である。
【図9】発光装置に設けられている光源の発光のタイミングを示す図である。
【図10】第1の実施形態における1組の光源を発光したときに照射される領域と、その中心ピークの位置を示す模式図である。
【図11】測距光が眼に入射したときの状態を模式的に表した図である。
【図12】各光源に対応する反射光の受光パルスと蓄積期間との関係を示す図である。
【図13】第2の実施形態におけるカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図である。
【図14】第2の実施形態における発光装置を正面から見たときの模式図である。
【符号の説明】
10 カメラ本体
14 光源
22 発光装置
Claims (3)
- 被写体に測距用のレーザ光を照射する複数のレーザ光源と、
前記レーザ光源を各々複数含む複数のグループによって構成されるレーザ発光手段と、
前記グループ毎に同時に、かつ前記各グループが異なるタイミングでレーザ光を照射するように前記レーザ光源を制御する照射制御手段とを備え、
前記レーザ光源は、撮像レンズを囲んで円環状に等間隔で、または所定方向に直線的に等間隔で配列され、前記グループ内の前記各レーザ光源が他のグループの前記レーザ光源を挟んで配置され、
前記各レーザ光源から照射されるレーザ光は被写体全体を照射するように拡散されるとともに、被写体における各照射領域が相互に重なる領域を有する
ことを特徴とする3次元画像検出装置のレーザ発光装置。 - 6個の前記レーザ光源が、円環状に等間隔で配列され、円環の中心を挟んで相対した1対の前記レーザ光源を各々1つのグループとしたことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像検出装置のレーザ発光装置。
- 6個の前記レーザ光源が、所定方向に直線的に等間隔で配列され、2個置きの前記レーザ光源を各々1つのグループとしたことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像検出装置のレーザ発光装置。
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