JP4332637B2 - 放電表面処理方法および放電表面処理装置。 - Google Patents

放電表面処理方法および放電表面処理装置。 Download PDF

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Description

本発明は、金属粉末あるいは金属の化合物の粉末、あるいは、セラミックスの粉末を圧縮成形した圧粉体を電極として、電極とワークとの間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギにより、ワーク表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギにより反応した物質からなる被膜を形成する放電表面処理に関するものである。
航空機用ガスタービンエンジンのタービンブレードなどの表面には、高温環境下での強度と潤滑性を持った材料をコーティングあるいは肉盛りする必要がある。
高温環境下でCr(クロム)やMo(モリブデン)が酸化されて酸化物となることで潤滑性を発揮することがわかってきていることから、Co(コバルト)をベースとし、CrやMoを含んだ材料を溶接・溶射などの方法で被膜を厚く盛り上げている。
ここで、溶接とは、ワークと溶接棒との間の放電により溶接棒の材料をワークに溶融付着させる方法であり、溶射とは、金属材料を溶かした状態にし、スプレー状にワークに吹き付け皮膜を形成させる方法である。
しかしながら、この溶接・溶射の何れの方法も人手による作業であり、熟練を要するため、作業をライン化することが困難であり、コストが高くなるという問題がある。
また、特に溶接は、熱が集中してワークに入る方法であるため、厚みの薄い材料を処理する場合や、単結晶合金・一方向凝固合金など方向制御合金のように割れやすい材料では、溶接割れが発生しやすく歩留まりが低いという問題もある。
一方、高温環境下での強度と潤滑性を有する溶接・溶射等の表面処理方法とは異なるが、その他の表面処理技術としては、例えば国際公開WO99/58744等に示されるように放電加工による表面処理も確立している。
国際公開WO99/58744号公報
放電表面処理による厚膜の形成では、電極側からの材料の供給とその供給された材料のワーク表面での溶融及びワーク材料との結合の仕方が被膜性能に最も影響を与える。
国際公開WO99/58744号公報に示された電極製造方法では、電極にはある程度の硬さを持たせつつ放電による電極材料の供給を抑え、供給された材料を十分溶融させることによりワーク表面に硬質セラミックス被膜を形成している。
この方法では、形成される被膜は10μm程度までの薄膜に限定される。
しかしながら、高温環境下での強度と潤滑性を必要とされるような用途など、緻密で比較的厚い被膜(100μmのオーダー以上の厚膜)の形成が求められている。
本発明は、高温環境下での強度と潤滑性を必要とされる被膜や部品の補修などの肉盛りなど、緻密で比較的厚膜の表面処理方法を確立することを目的とする。
第1の発明に係わる放電表面処理方法は、金属粉末または金属の化合物の粉末、或いはセラミックスの粉末を圧縮成形した圧粉体を電極として、加工液中あるいは気中において電極とワークとの極間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギにより、ワーク表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギにより反応した物質からなる被膜を形成する放電表面処理において、上記極間に放電を発生させるための電圧を印加する工程と、電圧印加に伴い上記極間に放電が発生したことを検出する工程と、上記電圧印加に伴い極間に流れる第一の放電電流より、高い電流値をもつ第二の電流を供給する工程と、と備え、表面処理を行うものである。
本発明に係わる放電表面処理方法は、電極の状態に応じて電極から極間に供給される電極材料の量を制御することができるようになうため、緻密な被膜の形成を効率よく行なうことができる。
従来の放電表面処理に用いられる電極成分は、炭化物を形成しやすい材料の割合が多く含まれており、例えばTi等の材料が油中での放電により化学反応し、工作物表面の材質が、鋼材(鋼材に処理する場合)からセラミックスであるTiC(炭化チタン)という硬質の炭化物に変わり、熱伝導・融点などの特性が変化する放電表面処理が行われてきた。
そして、発明者らの実験により、油を加工液として使用する場合には、電極材質の成分に炭化し難い(炭化物を生成しにくい)材料を電極に加えることで、金属のまま被膜に残る材料が増え、放電表面処理により得られる被膜を厚くできることが見出され、厚膜形成のために電極の材料的条件が重要であることがわかってきた。
具体的には、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)などの炭化物を形成し難い材料の割合を増すことで厚膜が形成しやすくなるのである。
まず、この点について説明する。
放電表面処理により厚膜を形成するのには、電極材質の成分に炭化し難い(炭化物を生成しにくい)材料が存在して、(油中の放電によっても炭化物にならずに)金属のまま被膜に残る材料があることが重要であることがわかった。
図16に示すように、炭化物であるCr(炭化クロム)と炭化物を形成しにくい材料であるCo(コバルト)とを混合した粉末を圧縮成形し、その後に電極強度を増すため加熱して電極を製作した場合、炭化物を形成しにくいCoの量を変化させることで厚膜の形成しやすさが変わっていく。
ここでの、放電のパルスは条件は、ピーク電流値ie=10A、放電持続時間(放電パルス幅)te=64μs、休止時間to=128μs、15mm×15mmの面積の電極において、処理時間は15分で被膜を形成した。
なお、極性は、電極がマイナス、ワークがプラスの極性を使用した。
このようなパルス条件に基づいて被膜を形成した場合、製作した電極内にあって、Coが含有する体積%によってワーク上に形成される被膜の厚さが異なり、図16によれば、Co含有量が低い場合には10μm程の膜厚であったものが、Co含有量30体積%程度から次第に厚くなり、Co含有量50体積%を過ぎたころから10000μm近くにまで厚くなることを示している。
なお、図16のグラフには、Co量30体積%程度から滑らかに膜厚が上昇するように記載しているが、これは、複数回の試験を行なった平均値であり、実際には、Co量が30体積%程度の場合には、厚く被膜が盛り上がらない場合があったり、厚く盛りあがった場合でも、被膜の強度が弱い、すなわち、金属片などで強く擦ると除去されてしまう場合などもあり、安定しない。
別の観点から説明すると、上記のような条件に基づいてワーク上に被膜を形成した場合、電極内のCoが0%の場合、すなわち、Crが100重量%の場合には、形成できる被膜の厚さは10μm程度が限界であり、それ以上厚みを増すことはできない。
そして、Coの如き炭化物を形成しにくい材料が電極内にない場合の処理時間に対する被膜の厚さの様子は図17のようになる。
図17によれば、処理の初期は、被膜が時間とともに成長して厚くなり、あるところ(約5分/cm)で飽和する。
その後しばらく膜厚は成長しないが、ある時間(20分/cm程度)以上処理を続けると今度は被膜の厚みが減少しはじめ、最後には被膜高さはマイナス、すなわち掘り込みに変わってしまう。
ただし、掘り込んだ状態でも被膜は存在しており、その厚み自体は10μm程度であり、適切な時間で処理した状態とほとんど変わらない。
つまり、このように被膜中に金属として残る材料を多くすることにより、炭化物になっていない金属成分を含む被膜を形成することができ、安定して厚膜が形成しやすくなる。
ここでいう体積%は混合するそれぞれ粉末の重量をそれぞれの材料の密度で割った値の比率のことであり、粉末全体の材料の体積中においてその材料が占める体積の割合である。
電極中におけるCoの含有量が70体積%の場合、厚さ2mm程度の厚膜を形成できた。
この被膜は15分の処理時間で形成されたものであるが、処理時間を増せばさらに厚い被膜にすることができる。
このようにして、電極内にCo等の炭化しにくい材料あるいは炭化しない材料を40体積%以上含有する電極を用いることによって、放電表面処理によりワーク表面に安定して厚い被膜を形成することができる。
より好ましくはCo量が50体積%を超えるとよく、このように被膜中に金属として残る材料を多くすることにより、炭化物になっていない金属成分を含む被膜を形成することができ、安定して厚膜が形成しやすくなる。
上記においては、炭化物を形成しにくい材料としてCoを用いた場合について説明したが、Ni、Feなども同様の結果を得られる材料であり、本発明に用いて好適である。
以上のように放電表面処理方法により緻密な厚膜を形成する必要条件がわかったので、以上の結果をふまえ、実際に被膜形成を行ないたい材料により被膜を形成する方法について以下に説明する。
一例として、Co合金の粉末を圧縮形成した圧粉体電極を用いて厚膜を形成する場合の例を示す。
図1は、Co合金の粉末を圧縮成形して電極を成形するプロセスの説明図である。
圧粉体電極の成形プロセスとしては、金型の上パンチ2、金型の下パンチ3、金型のダイ4で囲まれた空間に、粒径1〜2μm程度のCo(コバルト)合金粉末1と成形性を良くするためのワックス(重量で2%から10%)を混合した混合物を充填し、約150MPa程度のプレス圧をかけて圧縮形成することにより圧粉体電極を形成する。
そして、この形成された圧粉体電極は、強度を増すために600℃から800℃の範囲で加熱することにより、電極自身の強度を増すと共に、混合したワックスを除去する。ただし、適切な加熱温度は、粉末の材料・粒径・圧縮の際のプレス圧などにより変化する。
ここで、Co合金粉末1の合金の配合比率は、Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)である。
放電表面処理加工に当たっては、この圧粉体が放電電極となる。
Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)の比率は、高温環境下での耐磨耗のための材料として使用される組み合わせである。このような比率で配合された電極は、材料の持つ硬さと、高温環境下でCr(クロム)が酸化してできるCr(酸化クロム)が潤滑性を発揮することから耐磨耗の効果を発揮する。
なお、圧粉体電極における同様の材料としては、他に「Mo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)」、または「Cr(クロム)20重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)15重量%、残Co(コバルト)」などのステライト系合金などが挙げられる。
ステライトは耐蝕性、高温硬さに優れるため、通常これらの性質の必要な部分に溶接などによりコーティング処理がなされる材料であり、耐蝕性、高温硬さを要する際のコーティング処理に好適である。
このような機能を要求されず、部品の補修など厚膜を形成するだけの用途であれば、たとえば、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)などの粉末のみで作った電極を使用しても厚膜を形成することができる。
次に、上記工程により作られた圧粉体電極を用いて放電表面処理を行なう様子を図2を用いて説明する。
油の加工液13中に電極11とワーク12を配置し、放電表面処理用電源14から電極11とワーク12の間にパルス状の放電を発生させると、放電のエネルギーにより放電アーク柱15が発生し、電極材料が放出されワーク表面に達する。
この際、電極材料の一部は放電のエネルギーにより溶融しワーク表面に凝固し、被膜となる。
緻密な厚膜を放電表面処理により形成するためには、放電のパルスによる電極材料の極間(その後はワーク表面)への供給量が適切であり、かつ、供給された電極材料がその放電パルスにより溶融されてワーク表面に強固に結合することが必要である。
図2で示される加工は、ピーク電流値ie=10A、放電持続時間(放電パルス幅)te=64μs、休止時間to=128μs、電極がマイナス、ワークがプラスの極性の条件で被膜を形成した場合を示している。
図において、電流波形として矩形波の図を示してあるが、実際には、電流の流れる経路のインダクタンスにより電流の立ちあがりは緩やかではあるが、10μA/μs程度の立ちあがりの電流パルスとなる。
ここで、被膜形成のメカニズムに関して、図3を用いて説明する。
放電が発生すると電極・ワークともに放電のエネルギーにより加熱されるが、電極は粉末から構成されているため熱伝導が悪く、熱がアークの足付近にこもり集中し、一部は気化するまでになり、気化による爆発力で、熱により溶融した電極の粉末物質を放出する。
一方、ワーク側は放電のエネルギーによりアークの部分は溶融するが、大部分の放電熱エネルギーは金属であるワーク自身を伝わって発散してしまうため、ワーク側材質の放出は少ない。
そのため、電極材料の気化による爆発力と、溶融した電極材料が電磁気的な力によって引っ張られる力(溶接の際に溶接棒の材料がワーク側へ移行する際に働く力と同じ)により、電極材料側がワーク材料側に移行し、被膜を形成すると推察できる。
次に、加工により形成される被加工物上の被膜の断面写真及び表面写真を図4に示す。
図4からわかるように、このような矩形波状の電流パルスを使用した場合、ある程度緻密な強固な厚膜が形成されているが、被膜中に空間が多くあるのが観察される。
被膜中に空間が多くできるのは、電極からワーク側へ材料が供給される際に、十分に溶融していない材料が供給されていることが原因と考えられる。
つまり、図3に示した「熱の影響が最も大きな」部分のみがワーク側へ移行して被膜になればしっかり溶融した緻密な被膜が形成できるが、実際には、図4に示したような被膜が形成されるような場合には、「熱の影響が大きな」部分や「熱の影響のややある」部分もワーク側へ一緒に移行してしまうために被膜に隙間ができてしまうと考えられる。
図4の被膜の表面写真を見ても、溶融していない細かな粉末が存在しているのが観察される。
この粉末は、必ずしも電極を構成している粉末のままである場合ばかりではなく、放電の熱エネルギーによりいくつかの粉末が溶融して融合する程度の熱エネルギーを受けているものも観察される。
これらの溶融できていない粉末の上に放電が発生すると粉末の一部は溶融し、さらに溶融した材料が電極側から供給され、隙間を作りながら成膜が進むと考えられる。
このような被膜形成に際して、発明者らは多くの実験結果に基づき、放電により電極材料がワーク側に移行される際に完全に溶融しない材料が移行する割合は、放電のパルス幅に大きく影響をうけると推察した。
すなわち、パルス幅が長くなると、溶融していない材料が多い割合で電極側からワーク側に移行し、パルス幅が短くなると、溶融していない材料の割合が減り、完全に溶融した材料が供給される割合が増えると考えている。
これは、パルス幅が長くなると、電極側に放電により入熱する時間が長くなり、アーク直下の完全に溶融する部分から熱の影響する範囲が広がり、完全には溶融しないが、電極の粉末の結合を弱める程度のエネルギーを与えられる範囲が広がり、完全に溶融しないが、ワーク側へ移行する電極材料が増えることになる。
反対に、パルス幅が短くなると、熱の影響が広がらず、完全に溶融した材料がワーク側へ移行するため、緻密な膜を形成することができる。
しかし、パルス幅が短くなると、次のような問題が起きてくる。すなわちパルス幅が短くなると放電パルスの放電パルスのエネルギーが小さくなるため、電極材料に大きな粒径の粉末がある場合には溶融させられなくなる場合が生じる。また、放電パルスのエネルギーが小さいため、十分な量の電極材料をワーク側へ移行させることが困難になり、被膜の形成速度が著しく遅くなる場合もある。
このような問題を解決するためには、短いパルス幅でありながら放電パルスのエネルギーをあげること、すなわち、ピーク電流値を上げることが有効であることが発明者らの実験により明かとなってきた。
本実施の形態では、加工速度を向上させると共に緻密な被膜を形成する手法について詳述する。
実施の形態1.
図5は、本発明の第1の発明の実施例を実現するための回路構成図である。
図において、21はCr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)のコバルト合金粉末を圧縮成形した放電表面処理用電極、22はニッケル合金からなるワーク(被処理材)、23は第一の電源、24は第一の電源のスイッチング素子群、25は第一の電源の抵抗器群、26は第一の電源のスイッチング素子群24及び第二の電源のスイッチング素子9のON/OFF制御を行う制御回路、27は加工液、28は第二の電源、29は第ニの電源のスイッチング素子、30は第ニの電源の抵抗器である。
後述するように、第一の電源23は極間に放電を発生させることが目的であり、第二の電源28は立ちあがりの速い電流パルスを発生させることが目的の電源である。
従って、第二の電源28の方が電源電圧が高いのが望ましい。
次に図5で示した回路の動作について説明する。
放電表面処理用電極21とワーク22を加工液27中において対向させ、図示しない駆動装置によりある距離を保つ。
制御回路26によりオン状態となったスイッチング素子24により、放電表面処理用電極21とワーク22との極間に、第一の電源23から電圧が印加され、放電遅れ時間Td経過後、放電が発生する。
放電表面処理用電極21とワーク22の極間の電圧を検出する放電検出回路(図示せず)は、極間の電圧をモニタリングし、電圧が所定値より低下することにより極間に放電が発生したと認識し、放電検出信号を制御回路26に送信する。
制御回路26では、放電発生直後の放電エネルギーを増加させるために、第二の電源のスイッチング素子29をオンし、放電発生にともない第一の電源23から流れる矩形波状の電流に加えて、第二の電源28から電流を供給し、第一の電源23と第二の電源28の電流値がプラスされた電流が極間に流れる。
ここで、第二の電源の抵抗器30は、第一の電源の抵抗器25よりも小さな値(或いは、抵抗器30を接続しない)としてあり、短い時間で高い電流値、例えば10A〜30Aを流すことができる。
この回路により得られる電圧・電流波形、制御回路26の信号のタイミングを図6に示す。信号のタイミングチャートでは信号が上(H)の場合にONで、下(L)の場合にOFFである。
図では電圧波形は、電極側がマイナス、ワーク側がプラスの極性をプラスとして図示している。また、電流は、図中の向きに流れる場合をプラスとして図示している。
図では電流波形を三角形の形状の波形としたが、電流の立ちあがりは第二の電源28の電圧と電流が流れる経路の回路のインダクタンスから決まる傾きとなる。
パルス幅が短くピーク値の高い電流パルスを発生させるためには、回路のインダクタンスは小さいほど好ましいが、現実的にはあるインダクタンスの値を持つので回路の抵抗値をできるだけ小さくして(抵抗器を入れないなど)所定の時間スイッチング素子をONさせることで三角形の波形とすることが高いピーク値を得るよい方法である。
回路のインダクタンスを理想的に小さくできれば、電流値を抵抗器で制限し矩形形状の高ピークの電流値とすることもできる。
前に述べたように、被膜を緻密にするには、短時間に電極材料の必要な部分のみを十分に溶融させるような電流パルスが必要であり、そのためには電流の立ちあがり速度の速い高ピーク短パルスの波形が必要である。
そのため、本実施の形態では、第一の電源23に基づき発生する放電を検出すると、第二の電源28を所定時間だけ(例えば、1μs以下)ONすることにより、第一の電源23による電流に第二の電源28からの電流を加えることで、立ち上がり速度の早い高ピークかつ短パルスの電流を極間に流し、放電表面処理を行うものである。
第二の電源をONする時間は、回路のインダクタンスと必要なピーク電流値とから決める。
なお、本発明者らの実験により、パルス幅1μs以下でピーク電流値10〜30A程度以上になると、被膜の緻密化が促進されることがわかった。
図7はピーク電流値を約20Aとしたときのパルス幅と被膜の緻密さとの関係のグラフである。
緻密さは、顕微鏡の断面写真を観察して空間率をしようした。
ここでは空間率を断面写真の穴の部分(写真の黒い部分)が占める面積のことをいっている。
図より、パルス幅が長い場合には、被膜の空間率は、20〜30%程度であるが、パルス幅が1μs程度になると10%程度以下になり、さらにパルス幅が0.5μs程度になると数%程度の空間率になる。
三角形状の電流パルスの場合、パルス幅1μsの場合で、電流の立ちあがり立下りが同じ時間とすると立ちあがり速度は40A/μsである。
より緻密にするためには、その倍の80A/μs以上が望ましい。
立ちあがり速度80A/μs、パルス幅1μs(第2の電源からのパルスのパルス幅は0.5μs)の電流パルスにより成形した被膜の断面写真を図8に示す。
図からわかるように、緻密な被膜が形成されていることがわかる。
本実施の形態によれば、立ち上がり速度の早い高ピークかつ短パルスの電流による加工を行うので、被膜の空間率を下げ緻密な被膜を形成することができる効果がある。
なお、本実施の形態では、図5のように2つの電源を使用した方式であるが、回路の持つインダクタンスを小さくするか、第1の電源の電圧値を第2の電源程度以上に上げれば、第2の電源は必ずしも必要ではなく、第1の電源のみでも実現可能である。
実施の形態2.
実施の形態1では、電極材質として比較的溶融させやすい材料であるCo合金(Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト))を使用した。
このように溶融しやすい材料の場合には、実施の形態1に示したような高ピーク短パルスの電流パルスにより緻密な被膜が形成できるが、電極として、溶融し難い材料、あるいは、溶融しやすい材料であっても電極を構成する粉末の粒径が大きいなど溶融しにくい状態にある場合には、このような電流パルスを使用しても溶融しない材料が被膜中に残り十分に強度のある緻密な被膜を形成できない場合がある。
例えば後述するMo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)の合金は融け難い材料である。
図9にCr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)とMo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)の電極を使用し、同一の放電条件(ピーク電流値ie=10A、放電持続時間(放電パルス幅)te=8μs)にて被膜を形成した、被膜表面のSEM写真を示す。
Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)の場合には、溶融している部分が多いが、Mo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)の電極の場合には、十分溶融せず粒のまま残る材料が多いことがわかる。
これは他の条件でも同様の傾向にあり、Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)の合金は溶融しやすく、Mo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)の合金は溶融し難いということができる。
図10は、Co合金(Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト))の電極により形成した被膜表面を表した図であるが、実施の形態1とは異なり、電極を構成する粉末は、粒径1μm〜2μm程度のものに、6μm程度の粉末を混合したものを使用して、実施の形態1に示した電源で形成して被膜を示している。
大きなサイズの粉末を混合したのは、プレスにより電極を成形する際に成形性がよくなるためである。
これは、小径の粉末のみでは、プレスの後、圧力を開放すると成形体である圧粉体が膨張してしまうが、球形の大径の粉末を混合することで、粉末の流れが向上し、プレスの圧力が均一に電極(成形体)に伝わり、圧力解放後の電極の膨張もほとんどなくなることが発明者らの実験によりあきらかになったためである。
図10の被膜について考察すると、一見緻密な被膜は形成できているが、図10のように電子顕微鏡で詳細に観察すると、大きなサイズの粉末を混合することで、被膜には溶融していない電極材料が多く含まれていることがわかる。
同様の現象が、電極を構成する粉末の粒径が小さい場合でも材質が溶融し難い場合にも見られる。
溶融し難い材料としては、Co合金の場合では例えば、Mo(モリブデン)28重量%、Cr(クロム)17重量%、Si(シリコン)3重量%、残Co(コバルト)などがある。
これらの状況では、実施の形態1に示したような高ピーク短パルスの電流パルスの電流によって電極のアーク中付近の部分が溶融してワーク側に移動するが、完全に溶融しない部分が混ざって移動するため、未溶融の部分が残った状態で被膜となってしまう。
本実施の形態2は、このような問題を解決することを目的としている。
本実施の形態における放電表面処理装置について説明する。
図11は実施の形態2の放電表面処理装置の電圧電流波形を示した説明図である。
図11の電圧電流波形を実現するための回路図は、基本的には、図5と同一であり、回路のスイッチング素子をオンオフするタイミングが異なる。
図5を用いて回路の動作について説明する。
放電表面処理用電極21とワーク22を加工液27中において対向させ、図示しない駆動装置によりある距離を保つ。
制御回路26によりオン状態となったスイッチング素子24により、放電表面処理用電極21とワーク22との間に電圧が印加され、しばらくすると放電が発生する。
極間の電圧を検出する放電検出回路は、極間の電圧をモニタリングし、電圧が所定値より低下することにより極間に放電が発生したと認識し、放電検出信号を制御回路26に送信する。
制御回路26では、放電発生直後の放電エネルギーを増加させるために、第二の電源のスイッチング素子29をオンし、第一の電源23から流れる矩形波状の電流値に第二の電源28から流れる電流がプラスされた電流が流れる。
ここで、第二の電源の抵抗器30は、第一の電源の抵抗器25よりも小さな値(或いは、抵抗器30を接続しない)としてあり、短い時間で高い電流値(例えば10A〜30A)を流すことができる。
しばらくして第二の電源のスイッチング素子29をオフすると、第二の電源28から流れる電流は急速に減少し、やがて0になり、三角形状の電流パルスを形作る。
その後も第一の電源のスイッチング素子704はしばらくオンとし、三角形状の電流パルスの後に低い電流値(例えば、1〜5A程度)の電流パルスを付加する。
なお、図11における電圧波形は、電極側がマイナス、ワーク側がプラスの極性をプラスとして図示している。
また、電流は、図中の向きに流れる場合をプラスとして図示している。
本例では第一の電源から流れる電流値は放電中一定であるが、途中で変更してもよい。
例えば、放電が発生した直後は高く、その後、低い値に変更するなどできる。
第一の電源から流れる電流値を放電が発生した直後は高く、その後低い値に変更するのは次のような意味がある。
放電が発生する前の極間の電圧は、図5からわかるように第一の電源23の電圧となる。しかし、回路のインピーダンス、すなわち、第一の電源の抵抗器25の値が大きい場合には、極間の影響を受けやすい状態になり、極間が加工屑などで汚れると電圧が降下しやすくなる。
そこで、放電が発生するまでは、第一の電源の抵抗器25の値を比較的小さくしておき、放電の発生後に大きな値に切りかえることで、安定して放電を発生しやすくすることができる。
図12に示すように電流値20A程度、パルス幅0.6μs程度の高ピーク短パルスの電流に電流値5A程度、パルス幅5μs程度の低ピーク長パルスの電流値を組み合わせた放電パルスにより形成した被膜の表面写真、断面写真を図13に示す。
図8と比較しても被膜の断面写真に黒い部分(空間)がすくなく、非常に緻密な被膜になっていることが確認できる。
緻密な被膜を形成するためには、低ピーク長パルスの波形に最適値があり、短すぎる場合には、前述のように溶融しない材料が増えて被膜に空間ができるが、長すぎる場合には、放電のエネルギーが電極に溜まるため低ピークの電流値といえども電極材料をワーク側に移行させ、同様に空間を形成してしまう。
また、高ピーク短パルスの部分にも最適値があり、小さすぎると電極を溶融させて崩せないため被膜の形成が困難になる。
反対に大きすぎると電極の溶融しない部分まで多く崩してワーク側に移行させてしまうため空間の多い弱い被膜になってしまう。
尚、これらの最適値は電極の構成により大きく影響を受ける。
電極が弱い場合、すなわち、電極の粉末粒子間の結合の弱い場合には、高ピーク短パルスの部分が低くても被膜形成ができるが、電極が強い場合、すなわち、電極の粉末粒子間の結合の強い場合には、その粉末粒子間の結合を切断するために高ピーク短パルスの部分を大きくする必要がある。
なお、本実施の形態のパルスにおける高ピーク短パルスの部分と低ピークの部分の役割はおおよそ次のように考えられる。
すなわち、高ピークの部分は、短時間でのエネルギーにより電極を崩し、電極材料をワーク側に移行させ、後ろに続く低ピークの部分で移行した材料を過熱しつづけ溶融を進めるということである。
低ピーク部分では電極材料を移行させる働きは小さく、例えば低ピーク部分のパルス幅を変更してもパルスあたりの電極消耗量は大きくは変わらない。
また、被膜を緻密化することで、被膜の剥離を防ぐことができる。
被膜の剥離の例を図14に示す。
被膜の剥離は、放電表面処理により形成される被膜が空間の多いポーラスな状態の場合に起きる現象である。
剥離の原因について、図15を用いて説明する。
被膜は処理時間とともに膜厚が増えるので、初期の段階は(a)のように薄い状態にある。薄い状態では、被膜は母材に密着している。
しかし、被膜厚さが増えると、膜の上の部分が形成される際の放電の電流が初期に形成された被膜の下の部分を流れる際に、空間が多いすなわち電気抵抗の高い部分を加熱し、緻密化する現象が起きる。
被膜が緻密化されると収縮するので、被膜に歪が生じ母材との界面近くのところで剥離(被膜の割れ)が生じる。
以上のように、放電表面処理による被膜の剥離現象は、被膜がポーラスであることに起因しているため、緻密な被膜が初めから形成できれば発生しない問題である。
本実施例に示した装置によれば、緻密な被膜を形成できるため、このような剥離現象を防止することができる。
本実施の形態によれば、放電表面処理により緻密に被膜を形成するのが困難な材料でも、高ピーク短パルスの放電電流により溶融する圧粉体電極を適度に崩せ、さらに第二の電源からの放電電流供給後も第一の電源から所定時間低ピーク長パルスの放電電流が供給されることにより、被膜の空間率を下げ緻密な被膜を形成することができる効果がある。
なお、本実施の形態では図5のように2つの電源を使用した方式であるが、回路の持つインダクタンスを小さくするか、第1の電源の電圧値を第2の電源程度以上に上げれば第2の電源は必ずしも必要ではなく、第1の電源のみでも実現可能である。
この場合、高ピークの電流の部分では、抵抗器のうち抵抗値の小さいものをON氏、低ピークの電流の部分で抵抗値の大きい抵抗器に切り換えることになる。
放電表面処理装置に使用する電極製造のプロセスを示す図である。 放電表面処理を行なう様子を示す図である。 放電表面処理を行なう様子を示す図である。 矩形波状の電流パルスを使用して形成された被膜の写真である。 本実施の形態を実現するための回路構成図である。 制御回路の信号のタイミングを示す図である。 ピーク電流値を約20Aとしたときのパルス幅と被膜の緻密さとの関係のグラフである。 本実施の形態の放電表面処理装置による被膜の写真である。 本実施の形態の放電表面処理装置による被膜の写真である。 本実施の形態の放電表面処理装置による被膜の写真である。 本実施の形態2での極間電圧・電流波形の例を示す図である。 本実施の形態2での極間電圧・電流波形の例を示す図である。 本実施の形態2の放電表面処理装置による被膜の写真である。 被膜の剥離(割れ)の現象の説明図である。 被膜の剥離(割れ)の現象の説明図である。 Co含有量の差による被膜堆積状況を示す図である。 Cr粉末の電極により加工を行った際の加工時間と被膜厚さの関係を示す図である。
符号の説明
1 Co合金粉末、2 金型の上パンチ、3 金型の下パンチ、4 金型のダイ、11 電極、12 ワーク、13 加工液、14 放電表面処理用電源、15 放電のアーク柱、23 第一の電源、24 第一の電源のスイッチング素子群、25 第一の電源の抵抗器群、26 制御回路、28 第二の電源、29 第ニの電源のスイッチング素子、30 第ニの電源の抵抗器。

Claims (20)

  1. 金属粉末または金属の化合物の粉末、或いはセラミックスの粉末を圧縮成形した圧粉体を電極として、加工液中あるいは気中において電極とワークとの間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギにより、ワーク表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギにより反応した物質からなる被膜を形成する放電表面処理において、
    放電が発生したときに40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流パルスを流す工程と、
    所定時間経過後に電流を遮断する工程と、
    を備え、表面処理を行うことを特徴とする放電表面処理方法。
  2. 極間に放電を発生させるための電圧を印加する工程と、
    電圧印加に伴い極間に放電が発生したことを検出する工程と、
    電圧印加に伴い極間に流れる第一の放電電流より、高い電流値をもつ第二の電流を供給する工程とを備えた請求項1に記載の放電表面処理方法。
  3. 極間に放電を発生させるための第一の電源とは異なる第二の電源を、放電発生時に、上記極間に対して上記第一の電源と並列に接続することにより、第二の電流を供給することを特徴とする請求項2に記載の放電表面処理方法。
  4. 極間に電流値10〜30A、パルス幅1μs以下で供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の放電表面処理方法。
  5. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流パルスのパルス幅が1μs以下であることを特徴とする請求項4に記載の放電表面処理方法。
  6. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流の後に、低い電流値の電流を流すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の放電表面処理方法。
  7. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流を第二の電源から、後に続く低い電流値の電流を第一の電源から流すことを特徴とする請求項6記載の放電表面処理方法。
  8. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流と後に続く低い電流値の電流の接続を回路のインピーダンスを切り換えることで行うことを特徴とする請求項6に記載の放電表面処理方法。
  9. 電極材料として炭化物を形成しにくい金属材料を40体積%以上含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の放電表面処理方法。
  10. 炭化物を形成しにくい金属材料が、Co、Ni、Feのいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の放電表面処理方法。
  11. 金属粉末または金属の化合物の粉末、或いはセラミックスの粉末を圧縮成形した圧粉体を電極として、加工液中あるいは気中において電極とワークとの極間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギにより、ワーク表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギにより反応した物質からなる被膜を形成する放電表面処理において、
    上記極間へ電圧の印加をON/OFFするためのスイッチング手段と、
    上記極間へ40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流パルスを流す電流供給手段と、
    を備え、表面処理を行うことを特徴とする放電表面処理装置。
  12. 極間へ電圧を印加するための電源手段と、
    上記極間の放電を検出する放電検出手段と、
    この放電検出手段により放電を検出すると、放電発生に伴い極間に流れる第一の放電電流より、高い電流値をもつ第二の電流を供給する高電流供給手段と、
    と備えたことを特徴とする請求項11放電表面処理装置。
  13. 高電流供給手段は、放電検出時に上記極間に対して電源手段と並列に接続されることにより、電源手段からの放電電流に電流を重畳する第二の電源から構成されることを特徴とする請求項12に記載の放電表面処理装置。
  14. 極間に、電流値15〜30A、パルス幅1μs以下の放電電流パルスを供給することを特徴とする請求項11または13に記載の放電表面処理装置。
  15. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流パルスのパルス幅が1μs以下であることを特徴とする請求項14に記載の放電表面処理装置。
  16. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流の後に、低い電流値の電流を流すことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の放電表面処理装置。
  17. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流を第二の電源から、後に続く低い電流値の電流を第一の電源から流すことを特徴とする請求項16記載の放電表面処理装置。
  18. 40A/μs以上の立ち上がり速度をもつ放電電流と後に続く低い電流値の電流の接続を回路のインピーダンスを切り換えることで行うことを特徴とする請求項16に記載の放電表面処理装置。
  19. 電極材料として炭化物を形成しにくい金属材料を40体積%以上含むことを特徴とする請求項11〜18のいずれか一項に記載の放電表面処理装置。
  20. 炭化物を形成しにくい金属材料が、Co、Ni、Feのいずれかであることを特徴とする請求項19に記載の放電表面処理装置。
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