JP4330888B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に、自動二輪等、車両に搭載される車両用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図20に示すような車両に搭載される車両用表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
まず、構成から説明すると、このメータ1は、複数のメータを1つのクラスタ1a内に設けたコンビネーションメータで、車速等の測定値をアナログ表示するための指針3を有するアナログメータ部2が設けられている。
【0004】
このアナログメータ部2の目盛り部4が設けられた文字盤部5には、略長方形の窓部5a,5bが形成されている。
【0005】
そして、走行距離等の情報をデジタル表示する液晶表示装置6,7が、これらの窓部5a,5b内側に埋設されている。
【0006】
このように構成された従来のメータ1では、前記文字盤部5の裏面側に設けられた図示省略の文字盤バックライト光源が、この文字盤部5の表面側に向けて、前記目盛り部4の半透明の文字及びゲージを透過する透過光を照射する。
【0007】
また、前記液晶表示装置6,7の裏面側に設けられた図示省略の液晶バックライト光源が、前記液晶表示装置のガラス部分を透過する透過光を照光することにより、このメータの照明が行われる。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−271100号公報(図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用のメータ1では、図中二点鎖線で示すように、液晶表示装置7の表示領域を拡大して前記目盛り部4を跨ぐように水平方向に延長しようとすると、前記文字盤部5の裏面側に設けられた文字盤バックライト光源の照光が、例えば、図中「0」等の文字及び対応するゲージ部分周縁等に届かないといった問題があった。
【0010】
また、前記液晶表示装置7の裏面側に設けられた液晶バックライト光源を用いて、この目盛り部4の前記「0」等の文字及び対応するゲージ部分を照明しようとすると、液晶表示装置7のガラス部分端面7aを通過する照明光によって、前記文字盤部5及び液晶表示装置の表示面の図中一点鎖線で示される領域8に、他の部分よりも明るい部分や暗い部分が現れて、明暗ムラとなってしまうといった問題があった。
【0011】
更に、図中破線で示す領域9略全面に、面積の大きな液晶表示装置を設けて、液晶表示装置の液晶バックライトのみを用いて、明暗のムラを無くすことも考えられるが、この場合、表示に用いない液晶表示装置の面積の割合が大きくなり、製造コストが、表示される情報量に比して増大してしまうといった問題があった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、表示する情報量に応じた液晶表示装置の大きさを設定して製造コストの上昇を抑制すると共に、アナログメータと液晶表示装置との組み合わせレイアウトの自由度を向上させて、文字盤部に発生する明暗ムラを抑制することにより、均質な照光を得ることができる車両用表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたもので、請求項1に係る発明では、液晶表示を行う液晶表示ガラス部材が設けられた液晶表示装置と、該液晶表示装置に隣接して配置され、該液晶表示装置の表面側に、延長目盛り部を少なくとも一部重複させる目盛り部を設けて、文字盤部を、前記液晶表示装置の上側に有するアナログ表示装置と、前記文字盤部の裏面側に設けられて、前記文字盤部の表面側に透過光を照光する文字盤バックライト点光源が設けられる基板とを有し、前記液晶表示ガラス部材の前記文字盤バックライト点光源側の上縁部には、正面視で、前記文字盤部内の裏面側に位置するように、前記アナログ表示装置内空間に露出された端面が形成されている車両用表示装置であって、前記文字盤バックライト点光源からの照光を調整するように、前記文字盤バックライト点光源の上部を覆って前記文字盤部への直接の照光を防止する遮蔽板部材が、前記文字盤バックライト点光源挿通る開口部を裏面側に形成し拡散反射部材に一体に設けられると共に、拡散反射部材が前記基板と、前記液晶表示装置及び前記アナログ表示装置との間に組み付けられ前記液晶表示ガラス部材の上縁部の端面のうち、前記文字盤部内の前記目盛り部から延設される延長目盛り部の裏面側に位置する部分と前記文字盤バックライト点光源との間に、前記文字盤部方向に、前記基板から一定高さを有する前記遮蔽板部材を介在させて、前記文字盤バックライト点光源からの照光を遮蔽することにより、該上縁部の端面を介して、前記液晶表示ガラス部材内に直接、入射しないように構成した車両用表示装置を特徴としている。
【0014】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記照光調整手段が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を、直接、該端面に入射しないように調整する。
【0015】
このため、前記端面に、入射する照光は、遮蔽されるか或いは、間接光となり、前記文字盤部に発生する明暗ムラが抑制されて、均質な照光を得ることが出来る。
【0016】
従って、前記アナログメータと前記液晶表示装置との組み合わせレイアウトの自由度が向上し、また、表示する情報量に応じた液晶表示装置の大きさを設定して製造コストの上昇を抑制することができる。
【0018】
また、前記文字盤バックライト光源の上部を覆う遮蔽板部材が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を、直接、該端面に入射しないように遮蔽する。
【0019】
このため、前記端面に、入射する照光は、遮られて間接光による照光が行われるため、前記文字盤部に発生する明暗ムラが抑制される。
【0021】
更に、前記遮蔽板部材が、前記文字板部への直接の照光を防止する点光源化緩和部材であるので、前記文字盤バックライト光源としてLED又は電球等の点光源を用いても、前記文字盤部に間接光が照光される。
【0022】
このため、更に外観品質が良好である。
【0023】
また、請求項に記載されたものでは、前記遮蔽板部材は、前記文字盤バックライト光源の照光をガイドする拡散反射部材と一体に成形されて、前記文字盤バックライト光源の上部を覆う傘状形状を呈している請求項1記載の車両用表示装置を特徴としている。
【0024】
このように構成された請求項2記載のものでは、前記拡散反射部材と一体となるように、前記文字盤バックライト光源の上部を覆う傘状形状を呈して前記遮蔽板部材が、形成されている。
【0025】
このため、前記拡散反射部材を成形する際に、同時に、該遮蔽板部材を形成出来、別途、別部材で調光手段を構成する必要がないので、部品点数の増大が抑制されて、この点においても製造コストの上昇が抑制される。
【0026】
更に、請求項に記載されたものでは、前記遮蔽板部材には、周縁部から垂下された縦壁部が一体に設けられている請求項記載の車両用表示装置を特徴としている。
【0027】
このように構成された請求項3記載のものでは、前記周縁部から垂下された縦壁部が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を調整する。
【0035】
【発明の実施の形態1】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態1の車両用表示装置を示すものである。
【0036】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0037】
まず、構成から説明すると、この実施の形態1の車両用表示装置では、二輪車等の車両に搭載されるメータ10が、ハウジング12及び窓開口部にガラスカバー13aが嵌設されてなるケース枠体13によって構成された筐体11と、この筐体11内に収納される基板14,拡散反射部材15,液晶表示装置16及び、この液晶表示装置16の上側に隣接して設けられるアナログメータ17等とを主に有して構成されている。
【0038】
このうち、アナログメータ17の文字盤部17aには、表面に目盛り部17dが設けられている。この目盛り部17dには、前記液晶表示装置16の表面側に重複された延長目盛り部17eが設けられている。
【0039】
また、前記基板14には、前記アナログメータ17の指針17bを動かすムーブメント17cが設けられている。
【0040】
更に、前記液晶表示装置16には、図7に示すように、液晶表示を行う液晶文字列16aが、前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cによって挟持されると共に、これらの前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cの周縁の合わせ面がエポキシ樹脂によって封止されている。
【0041】
この実施の形態1では、前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cを合わせた厚みを約2.2mmとしている。
【0042】
そして、これらの前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cの上縁部には、一部に前記文字盤部17a内に位置するように、端面16h,16iが形成されている。
【0043】
また、前側液晶表示ガラス部材16bの表面側には、一部に切欠部16eを有する偏光板16dが設けられている。この切欠部16eは、前記文字盤部17aの目盛り部17dのうち、前記液晶表示装置16の表面側に少なくとも一部重複するように延設される延設目盛り部17eの形状に沿わせて切り欠かれている。
【0044】
この実施の形態1の延設目盛り部17eは、図2に示すように、「0」「1」「2」等の文字と、この文字に対応するゲージ部分の表示が記載されている箇所である。
【0045】
更に、後側液晶表示ガラス部材16cの裏面側にも一部に切欠部16gを有する偏光板16fが設けられている。この切欠部16gも、前記延設目盛り部17eの形状に沿わせて切り欠かれている。
【0046】
また、前記基板14には、前記液晶表示装置16の前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cを透過する透過光を照光する液晶バックライト光源としての液晶用LED20…が、所定間隔を置いて、水平方向に沿って複数設けられている。
【0047】
そして、前記拡散反射部材15には、これらの液晶用LED20…が、挿通されるLED用開口部15a…が、これらの液晶用LED20…の取付位置に対応して、所定間隔を置いて、水平方向に沿って複数個、開口形成されている。
【0048】
更に、前記偏光板16fの裏面側には、第1拡散板18が、間隔を設けることなく、密接されて貼設されている。この第1拡散板18は、主に、透明なポリカーボネートシートによって構成されていて、前記液晶用LED20に対応する部分を白色印刷によって着色すると共に、前記液晶用LED20から離れた部分を透明として、この着色された部分と透明部分との中間部分には、必要に応じてグラディエーション印刷が施されている。
【0049】
そして、この第1拡散板18の裏面側には、図3に示すように、所定間隔Dをおいて第2拡散板19が設けられている。
【0050】
この第2拡散板19は、図1に示すように、高さ方向寸法H2を、前記第1拡散板18の高さ方向寸法H1に比して、小さく設定されることにより、前記第1拡散板18よりも小さい面積を有して、略長方形形状を呈するように構成されている。
【0051】
また、この第2拡散板19は、主に、透明なポリカーボネートシートによって構成されていて、前記液晶用LED20に対応する部分を白色印刷によって着色すると共に、前記液晶用LED20から離れた部分を透明として、この着色された部分と透明部分との中間部分には、必要に応じてグラディエーション印刷が施されている。
【0052】
そして、図3に示すように、この実施の形態1では、これらの第1拡散板18の上部18a及び第2拡散板19の上部19aが、前記端面16h,16iと、前記液晶用LED20との間に位置して、この液晶用LED20からの照光が、図中一点鎖線で示す方向から、前記端面16h,16i近傍の前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cに直接、入射しないように構成されている。
【0053】
また、前記基板14には、文字盤部17aの裏面側に設けられて、前記文字盤部17aの表面側に透過光を照射する文字盤バックライト光源としての文字盤用LED21…が、前記指針17bの回転中心から半径方向に略等距離となるように周上で所定間隔を置いて複数個、設けられている。
【0054】
そして、前記拡散反射部材15の裏面側には、これらの文字盤用LED21…が、挿通されるLED用開口部15b…が、これらの文字盤用LED21…の取付位置に対応して、所定間隔を置いて、複数個、開口形成されている。
【0055】
これらの前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16c、偏光板16d,16f、第1拡散板18,及び第2拡散板19が、液晶保持部材16kに順次装着されると共に、前面部16nに形成された左,右窓部16o,16pから液晶表示が視認可能となるように、保持される。
【0056】
そして、この液晶保持部材16kに設けられた係止脚部16m…が、基板14に係着されることにより、前記液晶表示装置16が、前記基板14の下辺部に沿って固定されるように構成されている。
【0057】
また、この実施の形態1の前記液晶保持部材16kには、前記左窓部16o及び右窓部16pの間に、光導通凹部16qが設けられていて、前記液晶用LED20の照光を、この光導通凹部16qを介して、前記延設目盛り部17e裏面側まで、導くように開口形成されている。
【0058】
更に、この実施の形態1では、前記液晶保持部材16kの上面部には、この光導通凹部16qと連設される上側開口部16sが形成されている。
【0059】
この上側開口部16sからは、前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cの端面16h,16iが、正面視で、前記文字盤部17a内に位置するように、前記アナログメータ17内空間に露出されている。
【0060】
そして、前記拡散反射部材15のLED用開口部15b…の上部には、この端面16h,16iと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光を調整する照光調整手段としての遮蔽板部材22が、この拡散反射部材15と一体となるように設けられている。
【0061】
この実施の形態1の遮蔽板部材22は、前記拡散反射部材15の背面側に開口形成されたLED用開口部15bに対応するように設けられている。
【0062】
また、この遮蔽板部材22は、この拡散反射部材15の背面側に開口形成されたLED用開口部15bの上部に位置し、図3に示すように、組み付け状態で、文字盤部17a方向に、前記基板14から一定高さh1を有するように形成されている。
【0063】
更に、この実施の形態1では、前記LED用開口部15b内に前記文字盤用LED21が、挿入された組み付け状態で、前記遮蔽板部材22が、この文字盤用LED21の上部を覆う平円板傘状形状を呈して、前記文字盤部17aへの直接の照光を防止する点光源化緩和部材としての機能を兼ねている。
【0064】
そして、前記基板14を前記拡散反射部材15に装着した状態では、前記LED用開口部15b内に挿入された各文字盤用LED21…の上部を、これらの遮蔽板部材22…が、各々覆うように構成されている。
【0065】
この実施の形態1では、図3に示すように、この遮蔽板部材22の下縁部22aが、前記端面16h,16iと、前記文字盤用LED21との間に位置して、この文字盤用LED21からの照光が、図中二点鎖線で示す方向から、前記端面16h,16iを介して前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16c内に直接、入射しないように構成されている。
【0066】
次に、この実施の形態1の車両用表示装置の作用について説明する。
【0067】
例えば、図18に示すように、前記液晶用LED20からの照光が、前記端面16h,16iで反射及び屈折されることにより、前記文字盤部17aでは、領域Aを普通とすると、領域Bは明るく、領域Cは普通、領域Dは暗くなると共に、領域Eは普通といった輝度勾配を有する。
【0068】
このような明度のムラは、図17に示すように、ガラス内から空気中に入射する光の臨海角度は、図16に示す空気中からガラスに入射する光の場合と比して、比較的浅い角度で全反射を開始することから、領域Dに向かう照光が、略全反射して、領域Bの輝度を約2倍となると共に、領域Dでは、約0となることに基づいている。ここで、ガラスの屈折率を1.5としている。
【0069】
また、図19に示すように、文字盤用LED21からの照光は、前記端面16h,16i近傍で、反射及び屈折されることにより、前記文字盤部17aでは、領域Aを普通とすると、領域Bは暗く、領域Cは普通といった輝度勾配を有する。
【0070】
すなわち、前記端面16h,16iから入光すると、前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cの表裏面で全反射して前記文字盤部17aには、到達しない。この領域Bの幅は、板厚t=2.2mmであるので、略同幅と考えられて狭くなる。
【0071】
この実施の形態1では、図3に示すように、前記遮蔽板部22の下縁部22aが、前記端面16h,16iと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光が、直接、これらの端面16h,16iに入射しない。
【0072】
このため、前記端面16h,16iに、入射する照光は、この下縁部22aによって、遮蔽されるか或いは、他の部分によって一旦反射された間接光となり、前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cを通過して、反射或いは屈折されてから前記文字盤部17aの裏面側に到達する光量が減少する。従って、前記文字盤部17aに発生する明暗ムラが抑制されて、均質な照光を得ることが出来る。
【0073】
従って、前記アナログメータ17と前記液晶表示装置16との組み合わせレイアウトの自由度が向上し、また、表示する情報量に応じた液晶表示装置16の大きさを設定出来、従来のように、必要とされる部分に比して大きな面積の液晶表示装置を必要としない。このため、液晶表示装置16の大きさを減少させることが出来、製造コストの上昇を抑制することができる。
【0074】
更に、前記遮蔽板部材22が、前記文字盤部17aへの直接の照光を防止する点光源化緩和部材でもあるので、前記文字盤用の光源として文字盤用LED21又は電球等の点光源を用いても、前記文字盤部17aに間接光が照光される。
【0075】
このため、文字盤部17aでは、面状に略均一なバックライト照明が得られ、更に外観品質が良好である。
【0076】
また、前記拡散反射部材15と一体となるように、前記文字盤用LEDの上部を覆う平円板傘状形状を呈した前記遮蔽板部材22が、この拡散反射部材15の背面側に開口形成されたLED用開口部15bの上部で、文字盤部17a方向に、前記基板14から一定高さh1を有するように形成されている。
【0077】
このため、前記LED用開口部15bが開放されていて、例えば、拡散反射部材15の面内外方向への型抜きが容易に行える。従って、前記拡散反射部材15を成形する際に、同時に、この遮蔽板部材22を形成出来、別途、別部材で調光手段を構成する必要がないので、部品点数の増大が抑制されて、この点においても製造コストの上昇が抑制される。
【0078】
また、この実施の形態1では、前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16c内に入射された照光は、前記遮蔽板部材22によって、遮蔽されて前記文字盤用LED21からの直接の照光が無い。
【0079】
このために、他の部分で反射された間接光と、2枚の第1拡散板18及び第2拡散板19によって散乱された液晶用LED20の照光のみが、前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16c内に入射する。
【0080】
このため、前記液晶表示装置16では、均質なバックライト照光が得られて、前記液晶文字列16aの視認性が良好である。
【0081】
また、前記アナログメータ17では、文字盤部17aの裏面側に設けられた前記文字盤用LED21…が、前記文字盤部17aを裏面側から照光して、文字盤部17aのバックライト照明となる。
【0082】
この際、前記文字盤用LED21…の上部に設けられた前記遮蔽板部材22,22によって、直接、文字盤部17aの裏面側に到達することが無く、照光が他の部分で反射されて間接光となってから、前記文字盤部17aの裏面側に到達する。
【0083】
従って、前記文字盤部17aでも均質なバックライト照光が得られて、前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cの端面16h,16iが、正面視で前記文字盤部17a内(図2中、数字「2」と「3」との間)に位置しても、液晶表示装置16と、アナログメータ17との境界部分の前記目盛り部17d,延設目盛り部17e及びこれらの目盛り部17d等の近傍の文字盤部17aに到達する照光は、均一化されて明暗のムラの発生が抑制される。
【0084】
従って、アナログメータ17に隣接させて液晶表示装置16を配置しなければならない等、限られたスペースに、複数のメータ表示部を設ける場合でも、表示する情報量に応じた液晶表示装置16の大きさで車両用表示装置を構成出来るため、製造コストの上昇を抑制することが出来る。
【0085】
更に、この実施の形態1では、液晶表示装置16の表示領域を水平方向に拡大して前記延長目盛り部17eを跨ぐように一つの液晶表示装置16で表示できるので、延長目盛り部17eの上,下にも、液晶文字列16a,16aを配置出来る。このため、液晶表示装置16の数量を増大させることなく、製造コストの上昇が抑制されると共に、レイアウトの自由度が向上する。
【0086】
また、この実施の形態1では、前記第1拡散板18及びこの第1拡散板18の高さ方向寸法H1に比して、小さく設定される高さ方向寸法H2を有し、前記第2拡散板19が、前記第1拡散板18よりも小さい面積を有する略長方形形状を呈するように構成されていて、前記液晶保持部材16kに順次装着される際の組み付け性が、拡散部として凸形状等を有するものに比して良好である。
【0087】
しかも、前記第1拡散板18の裏面側に、所定間隔Dをおいて第2拡散板19が設けられているので、前記第2拡散板19が、前記第1拡散板18よりも小さい面積であっても、前記液晶用LED20からの照光を拡散させることができる。
【0088】
この点においても、前記第2拡散板19を撓ませて、前記液晶保持部材16kに装着する必要が減少して、形状を変形させる虞が減少すると共に、前記第2拡散板19の組み付け性を良好なものとする事が出来る。
【0089】
【実施の形態2】
図8及び図9は、この発明の実施の形態2の車両用表示装置を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0090】
まず、構成を説明すると、この実施の形態2の車両用表示装置としてのメータ110では、液晶表示装置16の液晶バックライト光源としての液晶用LED20…のうち、前記延設目盛り部17eの裏面側に位置する液晶用LED20が省略されている。
【0091】
また、前記端面16h,16iに近接して配置される文字盤用LED21では、上部を覆う照光調整手段としての遮蔽板部材22が、この文字盤用LED21の周囲に設けられて、放射状に長手方向を延設することにより、前記文字盤用LED21からの照光を調整する3枚の支持板部材22c…によって、前記拡散反射部材15と一体となるように支持されている。
【0092】
これらの支持板部材22c,22c間の角度αは、均等に配置された場合には、正面視で、120度ずつとなる(図9中二点鎖線で示す位置)が、この実施の形態1では、前記端面16h,16iに最も近接した支持板部材22cを図9中、白抜き矢印に示すように、目盛り部17d方向に移動させて設定して、支持板部材22c,22c間の角度αを約160〜170度としている。
【0093】
更に、この実施の形態2では、前記端面16h,16iから離間した支持板部材22cを図9中、白抜き矢印に示すように、目盛り部17d方向に移動させて設定して、支持板部材22c,22c間の角度βを約160〜170度としている。
【0094】
次に、この実施の形態2の作用効果について説明する。
【0095】
この実施の形態2では、前記遮蔽板部材22を支持する支持板部材22c,22cが、前記文字盤用LED21の周囲に設けられて、放射状に長手方向を延設している。
【0096】
この実施の形態1では、前記支持板部材22c,22c間の角度αが、約160〜170度と通常の均等に配置される角度α=120度よりも大きく設定されることにより、反射される光量が調整されて、前記端面16h,16iに入射する照光が調整される。
【0097】
また、前記延設目盛り部17eの左,右に位置する液晶用LED20,20によって、延設目盛り部17eは、裏面側から照光される。このため、前記液晶用LED20…のうち、前記延設目盛り部17eの裏面側に位置する液晶用LED20が省略されていても、前記延設目盛り部17eのバックライト光量を充分に確保することができる。
【0098】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0099】
【実施の形態3】
図10及び図11は、この発明の実施の形態3の車両用表示装置を示すものである。なお、前記実施の形態1,2と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0100】
まず、構成を説明すると、この実施の形態3の車両用表示装置としてのメータ210では、前記文字盤用LED21の上部を覆う照光調整手段としての遮蔽板部材222には、前記端面16h,16iに近接した周縁部222aから縦壁部222bが、一体となるように垂下されて設けられている。
【0101】
次に、この実施の形態3の作用効果について説明する。
【0102】
この実施の形態3では、前記実施の形態1,2の作用効果に加えて、更に、前記遮蔽板部材222の周縁部222aから垂下された縦壁部222bが、前記端面16i,16hと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光を調整する。
【0103】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1,2と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0104】
【実施の形態4】
図12は、この発明の実施の形態4の車両用表示装置を示すものである。なお、前記実施の形態1乃至3と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0105】
まず、構成を説明すると、この実施の形態4の車両用表示装置としてのメータ310では、前記文字盤用LED21の上部を覆う照光調整手段としての遮蔽板部材322には、前記端面16h,16iに近接した周縁部322aに、左,右一対の角隅部322b,322bが、一体となるように延設されていて、前記端面16h,16iに近接した周縁部322aの正面視形状を略方形としている。
【0106】
次に、この実施の形態4の作用効果について説明する。
【0107】
この実施の形態4では、前記端面16h,16iに近接した周縁部322aに、左,右一対の角隅部322b,322bが、一体となるように延設されて、この略方形の周縁部322aが、前記端面16i,16hと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光を調整する。
【0108】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1乃至3と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0109】
【実施の形態5】
図13乃至図14は、この発明の実施の形態5の車両用表示装置を示すものである。なお、前記実施の形態1乃至4と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0110】
まず、構成を説明すると、この実施の形態5の車両用表示装置としてのメータ410では、前記拡散反射部材15のうち、前記液晶表示装置16が配設される部分と、アナログメータ17が配設される部分との間に位置して境界を構成する前記端面16h,16iの裏面側に、この拡散反射部材15と一体となるように、水平方向に長手方向を延設する横板部材15cが設けられていて、前記端面16h,16iと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光を調整するように構成されている。
【0111】
次に、この実施の形態4の作用効果について説明する。
【0112】
この実施の形態5では、前記端面16h,16iに近接した前記拡散反射部材15の一部に前記横板部材15cが、一体となるように設けられていて、前記端面16i,16hと前記文字盤用LED21との間に介在して、前記文字盤用LED21からの照光を調整する。
【0113】
また、この実施の形態5では、前記実施の形態1乃至4の車両用表示装置で用いられていた遮蔽板部材22が、省略できる。
【0114】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1乃至4と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0115】
【実施の形態6】
図15は、この発明の実施の形態6の車両用表示装置を示すものである。なお、前記実施の形態1乃至5と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0116】
まず、構成を説明すると、この実施の形態6の車両用表示装置としてのメータ510では、前記拡散反射部材15の液晶表示装置16が、装着される部分には、前記液晶用LED20,20よりも前記前,後側液晶表示ガラス部材16b,16cに位置して、前記端面16h,16iと前記液晶用LED20,20との間に介在して、前記液晶用LED20,20からの照光を遮蔽する照光調整手段としての曲面縦壁部15d,15eが、この拡散反射部材15と一体となるように設けられている。
【0117】
次に、この実施の形態6の作用について説明する。
【0118】
この実施の形態6では、前記曲面縦壁部15d,15eが、前記端面16h,16iと前記液晶用LED20,20との間に介在して、前記液晶用LED20,20からの照光を遮蔽する。
【0119】
このため、前記液晶用LED20,20から入射する照光によって、前記端面16h,16iで発生する虞のある明暗ムラは、無くなり文字盤部17aの表面では、均一な照明光が得られる。
【0120】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1乃至5と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0121】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態1の車両用表示装置を詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0122】
例えば、前記実施の形態1では、液晶バックライト光源として液晶用LED20…を、前記文字盤バックライト光源として文字盤用LED21…を用いるものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、電球や蛍光灯、或いはこれらとLEDとの組み合わせによって構成される光源であってもよい。
【0123】
【発明の効果】
上述してきたように、請求項1記載のものでは、前記照光調整手段が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を、直接、該端面に入射しないように調整する。
【0124】
このため、前記端面に、入射する照光は、遮蔽されるか或いは、間接光となり、前記文字盤部に発生する明暗ムラが抑制されて、均質な照光を得ることが出来る。
【0125】
従って、前記アナログメータと前記液晶表示装置との組み合わせレイアウトの自由度が向上し、また、表示する情報量に応じた液晶表示装置の大きさを設定して製造コストの上昇を抑制することができる。
【0126】
また、前記文字盤バックライト光源の上部を覆う遮蔽板部材が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を、直接、該端面に入射しないように遮蔽する。
【0127】
このため、前記端面に、入射する照光は、遮られて間接光による照光が行われるため、前記文字盤部に発生する明暗ムラが抑制される。
【0128】
更に、前記遮蔽板部材が、前記文字盤部への直接の照光を防止する点光源化緩和部材であるので、前記文字盤バックライト光源としてLED又は電球等の点光源を用いても、前記文字盤部に間接光が照光される。
【0129】
このため、更に外観品質が良好である。
【0130】
また、請求項2に記載されたものでは、前記拡散反射部材と一体となるように、前記文字盤バックライト光源の上部を覆う傘状形状を呈して前記遮蔽板部材が、形成されている。
【0131】
このため、前記拡散反射部材を成形する際に、同時に、該遮蔽板部材を形成出来、別途、別部材で調光手段を構成する必要がないので、部品点数の増大が抑制されて、この点においても製造コストの上昇が抑制される。
【0132】
更に、請求項3に記載されたものでは、前記周縁部から垂下された縦壁部が、前記端面と前記文字盤バックライト光源との間に介在して、前記文字盤バックライト光源からの照光を調整する、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の車両用表示装置で、全体の構成を説明する分解斜視図である。
【図2】実施の形態1の車両用表示装置で、メータの正面図である。
【図3】実施の形態1の車両用表示装置で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態1の車両用表示装置で、拡散反射部材に、液晶表示装置の液晶保持部材を仮組みした状態での斜視図である。
【図5】実施の形態1の車両用表示装置で、メータの要部の正面図である。
【図6】実施の形態1の車両用表示装置で、液晶文字列が封止された前,後側液晶表示ガラス部材と、第1,第2拡散部材とを液晶保持部材に組み付ける様子を説明する分解斜視図である。
【図7】実施の形態1の車両用表示装置で、液晶文字列を封止する前,後側液晶表示ガラス部材の分解斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2の車両用表示装置で、全体の構成を説明する一部透過斜視図である。
【図9】実施の形態2の車両用表示装置で、メータの一部透過正面図である。
【図10】本発明の実施の形態3の車両用表示装置で、拡散反射部材の斜視図である。
【図11】実施の形態3の車両用表示装置で、要部の拡大斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態4の車両用表示装置で、拡散反射部材の斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態5の車両用表示装置で、拡散反射部材の斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態5の車両用表示装置で、拡散反射部材の要部の拡大斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態6の車両用表示装置で、拡散反射部材の斜視図である。
【図16】空気中からガラスに入射する光の入射角度と反射率との関係の一例を、相互に90度異なる偏光Rs、Rpでプロットして説明するグラフ図である。
【図17】ガラス内から空気中に入射する光の入射角度と反射率との関係の一例を、相互に90度異なる偏光Rs、Rpでプロットして説明するグラフ図である。
【図18】液晶用LEDを光源とした場合の文字盤表面の明暗ムラの発生を説明する模式図である。
【図19】文字盤用LEDを光源とした場合の文字盤表面の明暗ムラの発生を説明する模式図である。
【図20】従来例の車両用表示装置で、全体の構成を説明する正面図である。
【符号の説明】
10 メータ(車両用表示装置)
15 拡散反射部材
16 液晶表示装置
16h,16i 端面
17 アナログメータ
17a 文字盤部(メータ目盛り表示部)
17d 目盛り部
17e 延設目盛り部
20 液晶用LED(液晶バックライト光源)
21 文字盤用LED(文字盤バックライト光源)
照光調整手段
22,222,322 遮蔽板部材
222a 周縁部
222b 縦壁部
15c 横板部材
15d,15e 曲面縦壁部

Claims (3)

  1. 液晶表示を行う液晶表示ガラス部材が設けられた液晶表示装置と、
    該液晶表示装置に隣接して配置され、該液晶表示装置の表面側に、延長目盛り部を少なくとも一部重複させる目盛り部を設けて、文字盤部を、前記液晶表示装置の上側に有するアナログ表示装置と、
    前記文字盤部の裏面側に設けられて、前記文字盤部の表面側に透過光を照光する文字盤バックライト点光源が設けられる基板とを有し、
    前記液晶表示ガラス部材の前記文字盤バックライト点光源側の上縁部には、正面視で、前記文字盤部内の裏面側に位置するように、前記アナログ表示装置内空間に露出された端面が形成されている車両用表示装置であって、
    前記文字盤バックライト点光源からの照光を調整するように、前記文字盤バックライト点光源の上部を覆って前記文字盤部への直接の照光を防止する遮蔽板部材が、前記文字盤バックライト点光源挿通る開口部を裏面側に形成し拡散反射部材に一体に設けられると共に、拡散反射部材が前記基板と、前記液晶表示装置及び前記アナログ表示装置との間に組み付けられ前記液晶表示ガラス部材の上縁部の端面のうち、前記文字盤部内の前記目盛り部から延設される延長目盛り部の裏面側に位置する部分と前記文字盤バックライト点光源との間に、前記文字盤部方向に、前記基板から一定高さを有する前記遮蔽板部材を介在させて、前記文字盤バックライト点光源からの照光を遮蔽することにより、該上縁部の端面を介して、前記液晶表示ガラス部材内に直接、入射しないように構成したことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記遮蔽板部材は、前記文字盤バックライト点光源の照光をガイドする拡散反射部材と一体に成形されて、前記文字盤バックライト点光源の上部を覆う傘状形状を呈していることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
  3. 前記遮蔽板部材には、周縁部から垂下された縦壁部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
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