JP4330739B2 - Aluminum nitride powder for resin filling and its use - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂充填用窒化アルミニウム粉末及及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、窒化アルミニウム粉末の良好な熱伝導性を利用し、それを樹脂に充填した成型体を電子機器の放熱部材とする提案が多くある(特開平3−14873号公報、特開平3−295863号公報、特開平6−164174号公報等)。
【0003】
しかしながら、樹脂中の窒化アルミニウム粉末は、水分と加水分解を起こし、水酸化アルミニウムとアンモニアガスを発生する。水酸化アルミニウムは、熱伝導率が窒化アルミニウムよりもかなり小さく、またアンモニアガスはそのまま気泡として残存するので、いずれの場合も放熱部材の放熱特性が低下し、窒化アルミニウム粉末の良好な熱伝導性を充分に生かすことができていない。
【0004】
ここで、放熱部材とは、シリコーン等の絶縁性樹脂に窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、アルミナ等の熱伝導性フィラーが充填されたものであり、IC、LSI等の半導体素子から発生した熱を効率よく系外に除去するため、例えば半導体素子と放熱基板等との隙間に組み込まれて使用されているものであり、そのサイズ、硬さ、用途等の違いによって、放熱板、放熱シート、放熱スペーサー等がある。
【0005】
そこで、上記問題を解決するため、窒化アルミニウム焼結体の粉砕物を用いることが提案されている(特開平6−209057号公報)。窒化アルミニウム焼結体は、焼結によって窒化アルミニウム粒子の格子欠陥が取り除かれているため、耐加水分解性は高められているが、その粉砕によって得られた窒化アルミニウム粉末には再び格子欠陥が発生するので、期待したほどの改善効果はない。
【0006】
同様の考え方から、球状窒化アルミニウム焼結体粒子を用いることの提案がある(特開平4−174910号公報、特開平11−269302号公報)。この技術は、原料窒化アルミニウム粒子サイズをあらかじめ造粒等によって焼結粒子サイズに調整しておくものであり、粉砕工程を経ないことが特徴である。このようにして製造された球状粒子をフィラーとすることによって、樹脂の熱伝導率が向上し、また樹脂の流動性や成型時の金型摩耗をも改善させることができるので、確かに理想的なフィラーといえる。しかし、この球状粒子を工業的規模で生産するには、製造技術面でクリアすべき課題が多い。例えば、造粒時に有機系バインダー及び溶剤を用いること、焼成時に焼結助剤の溶出により球状粒子同士が合着・凝集することなどである。
【0007】
放熱部材の熱伝導率の向上にはフィラー粒度の影響が大きく、大粒径フィラーの方が有利と言われている。小粒径フィラーでは、粒子間の接触抵抗が増大し、放熱部材の熱伝導率が低下するからである。
【0008】
しかし、大粒径フィラーを充填し熱伝導率を向上させる技術においても限界があり、一定の充填量まで熱伝導率は向上するが、それをこえて充填すると熱伝導率は低下する。これは、充填量が一定量をこえると放熱部材の表面に凹凸が生じ、発熱性電子部品等の発熱体に実装させたとき、発熱体との密着性が悪くなり、効果的な伝熱ができなくなるためである。
【0009】
近年、発熱性電子部品は高密度化により、放熱部材の更なる放熱特性の要求が益々高まり、これまでの限界をこえる領域に達しつつある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導性を更に向上させることができる窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末と良熱伝導性超微粉からなる混合粉末、及びそれらが充填されてなる樹脂組成物、特に放熱部材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(請求項1) 窒化アルミニウム焼結体の粉砕物からなり、平均粒子径が50μm超であることを特徴とする樹脂充填用窒化アルミニウム粉末。
(請求項2) 不均一歪みが0.005以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂充填用窒化アルミニウム粉末。
(請求項3) 請求項1又は2記載の窒化アルミニウム粉末と、平均粒子径が3μm以下の、窒化アルミニウム、窒化けい素、窒化ホウ素、炭化けい素、黒鉛、アルミニウム、シリコン、銅、銀及び金から選ばれた1種又は2種以上の良熱伝導性超微粉とからなり、良熱伝導性超微微粉の含有率が60%以下であることを特徴とする樹脂充填用混合粉末。
(請求項4) 不均一歪みが0.005以下であることを特徴とする請求項3記載の混合粉末。
(請求項5) 請求項1又は2記載の窒化アルミニウム粉末を50〜85体積%含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
(請求項6) 請求項3又は4記載の混合粉末を50〜85体積%含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
(請求項7) 請求項5又は6記載の樹脂組成物の成型体からなることを特徴とする発熱性電子部品の放熱部材。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0013】
本発明において、重要なことは、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導率向上させるために、フィラーとして窒化アルミニウム粉末の焼結体を粉砕して得られた粉末(以下、「焼結体粉末」ともいう。)を用い、その粒度構成を平均粒子径50μm超としたことである。
【0014】
本発明で使用される焼結体粉末は、例えば、窒化アルミニウム粉末にイットリア等の焼結助剤を0.5〜10%程度添加し、成形後、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下、温度1600〜2000℃程度で焼結された窒化アルミニウム焼結体を粉砕して得られたものである。窒化アルミニウム焼結体の相対密度の違いによって、樹脂への最大可能充填量、ひいては放熱部材の熱伝導率が相違するので、相対密度は90%以上であることが好ましい。相対密度が90%未満であると、焼結体粉末が嵩高くなり、最大充填可能量は相対密度にほぼ比例して多くなるが、その絶対量は少ない。これに対し、相対密度が90%以上であると、最大充填可能量は相対密度にあまり関係せずにその絶対量は多くなる。例えば、相対密度94%の焼結体粉末の最大充填可能量は66体積%程度であるのに対して、相対密度86%の焼結体粉末のそれは57体積%程度である。このような現象は、本発明者が初めて見いだしたものであり、本発明はこの知見に基づいている。
【0015】
本発明の焼結体粉末の平均粒子径は、以下の2つの理由から50μm超でなければならない。その第1の理由は、粒子径が大きいフィラーの方が熱伝導率の向上に有利なことである。平均粒子径が50μm以下では、粒子径が小さくなる分、フィラー粒子間に接触抵抗が生じ、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導率を更に向上させることが困難となる。
【0016】
第2の理由は、窒化アルミニウムの微粉が耐加水分解性に劣ることである。特に粉砕により発生する3μm以下の超微粉は著しく耐加水分解性に劣る。これは、粉末の比表面積の増大に起因するだけでなく、粉砕力により、窒化アルミニウム粉末中に格子歪みが発生したことが原因である。従って、平均粒子径が50μm以下であると、3μm以下の超微粉量が増え、樹脂中の水分によって加水分解を受けたり、樹脂組成物特に放熱部材を製造する際に、空気中の水分と加水分解をして、熱伝導率の小さい水酸化アルミニウムとアンモニアガスが発生し、高熱伝導化に悪影響を与える。
【0017】
本発明において、焼結体粉末の平均粒子径の上限値は、放熱部材の厚みに対して相対的に決めれば良く、特に制限はない。焼結体粉末の最大粒子径は、放熱部材の厚みの90%程度以下であり、しかもできるだけ大きな平均粒子径であることが望ましい。本発明の焼結体粉末が、このような大きな平均粒子径で構成してよい理由は、他の良熱伝導性超微粉と併用することによって、発熱性電子部品等の発熱体との密着性を確保することができるからである。
【0018】
すなわち、放熱部材の厚みに対して90%程度をこえる粒子径をもつ大きなィラーの充填された放熱部材では、表面に凹凸が発生し、放熱部材との密着性が低下して、効率的な放熱ができなくなる。しかしながら、良熱伝導性超微粉の適切量と併用することにより、これを改善することができる。良熱伝導性超微粉の平均粒子径は、3μm以下が好ましい。良熱伝導性超微粉の材質は、窒化アルミニウム、窒化けい素、窒化ホウ素、炭化けい素、黒鉛、アルミニウム、シリコン、銅、銀及び金であることが好ましい。
【0019】
本発明において、焼結体粉末、又は焼結体粉末と良熱伝導性超微粉からなる混合粉末の不均一歪みは0.005以下、特に0.003以下であることが好ましい。不均一歪みが0.005超であると耐加水分解性が著しく劣り、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導率を逆に低下させてしまう。
【0020】
良熱伝導性超微粉として、窒化アルミニウム超微粉を用いる場合、その不均一歪みについても0.005以下、特に0.003以下であることが好ましい。このような窒化アルミニウム超微粉は、ビルドアップ法で合成した易粉砕性窒化アルミニウムインゴットを解砕することによって製造することができる。その易粉砕性インゴットは、アルミナ粉末の炭素還元窒化法や、金属アルミニウム粉末の直接窒化法、例えば金属アルミニウム粉末に窒化アルミニウム粉末を混合し、それを時間当たりの反応量が2%以下となるように温度・雰囲気等をコントロールして金属アルミニウム粉末を窒化することによって製造することができる。
【0021】
本発明でいう不均一歪みとは、窒化アルミニウム粉末結晶の不完全性を表す指標である(例えば「X線回折の手引き 改訂第四版」 理学電気株式会社発行 1993年6月15日 第76頁参照)。窒化アルミニウム粉末製造時、例えば合成や粉砕等のプロセスを経る間に、結晶格子中に欠陥や転移が生じたり、酸素が固溶することによって変化する。不均一歪みの値が大きい場合、粉末の耐加水分解性と熱伝導性が劣ることとなる。不均一歪みの測定法については、後記実施例で説明する。
【0022】
焼結体粉末と良熱伝導性超微粉からなる混合粉末中の良熱伝導性超微粉の含有率は60%以下であることが好ましい。60%をこえると、混合粉末の接触抵抗増大により、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導率は大きく向上しない。
【0023】
本発明の焼結体粉末又は混合粉末の樹脂組成物への充填量は、50〜85体積%、特に72〜80体積%であることが好ましい。50体積%未満では、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導率は向上せず、また85体積%をこえると放熱部材等の樹脂組成物成型体の製造が困難となる。
【0024】
窒化アルミニウム焼結体を粉砕し、本発明の焼結体粉末を製造するには、ボールミル、振動ミル、ローラーミル、媒体攪拌ミル等の粉砕機が用いられる。また、焼結体粉末と良熱伝導性超微粉からなる混合粉末の調合には、ボールミル、振動ミル等の混合機が使用される。
【0025】
本発明の樹脂組成物で使用される樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン)樹脂等をあげることができる。
【0026】
樹脂がエポキシ樹脂である場合、その硬化剤については、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミンなどがある。
【0027】
これらの中で、放熱部材のマトリックスとなる樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、天然ゴム、シリコーン系樹脂が好適であり、アスカーC硬度が50程度以下の高柔軟性放熱部材の場合には、以下のシリコーン原料の加硫物であることが好ましい。
【0028】
シリコーン原料としては、付加反応型液状シリコーンゴム、過酸化物を用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーンゴム等が使用されるが、電子部品の放熱部材では、発熱電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーンゴムが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどがあり、市販品としては、東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」等がある。シリコーン硬化物の柔軟性は、シリコーンの架橋密度や熱伝導性フィラーの充填量によって調整することができる。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、上記諸材料をブレンダーやミキサーで混合することによって製造することができる。
【0030】
本発明の樹脂組成物の用途は、それを成形してなる放熱部材があるが、何らこれに限られることはない。放熱部材は、プレス成形法、押し出し成形法、ドクダーブレード法によって、樹脂組成物を成形し、それを加熱硬化させることによって製造することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0032】
実施例1〜2 比較例1
質量基準で、平均粒子径4.1μmの窒化アルミニウム粉末(電気化学工業社製「AP−50」)100部と酸化イットリウム粉末(三菱化学社製、比表面積20m2/g)5部の混合粉を、圧力20MPaをかけて直径50mmの成型体をつくり、窒素雰囲気中、温度1950℃で焼成した。得られた窒化アルミニウム焼結体の相対密度は92%であった。この焼結体を以下に従って粉砕・分級し、各種の焼結体粉末を製造した。
【0033】
先ず、窒化アルミニウム焼結体をジョークラッシャー、ロールクラッシャーの順で粗粉砕した後、JIS篩により150μm以下の粉末を回収し、篩上粗粉は再度ロールクラッシャーで粉砕した後150μm篩下に整えた。150μm篩下の収率が80〜90%程度になるまでこの操作を繰り返して行い、回収された焼結体粉末を実施例1とした。また、実施例1と同様の方法で、篩目開き106μmの篩を用いて焼結体粉末を調整し、実施例2の粉末とした。更に、実施例2の焼結体粉末をボールミルを用いて微粉砕し、粉砕時間にて粒度を調整して比較例1の焼結体粉末とした。
【0034】
上記で得られた焼結体粉末について、以下に従い、平均粒子径、3μm以下の微粉の含有率を表1に、不均一歪み、加水分解度、試作した放熱部材の熱伝導率の測定結果を表2に示す。
【0035】
(1)平均粒子径及び3μm以下の微粉含有率:
実施例1及び2の平均粒子径は、JIS篩を用いたロータップ法により測定した。また、3μm以下の粒子の含有率は、先ず45μm篩いにより45μm以下の粉末を回収し、これを用いてレーザー回折式粒度分布法(測定装置:Leed&Northrup社製「マイクロトラックSPA」)で測定した。比較例1では、平均粒子径、3μm以下の微粉含有率共に、レーザー回折式粒度分布法により測定した。
【0036】
(2)不均一歪み:
X線回折法による修正Hall法により測定した。粉末のKα1とKα2の回折線を多重ピーク分離し、真の半値幅βは、実測半値幅Bと機械的半価幅bに対して、β2=B2−b2であるとする。bはSiO2の回折線から求める。βは結晶子径と不均一歪みより決まり、歪みがGauss分布に従うとすると、β2/tan2θ=Kλβ/(εtanθ・sinθ)+4η2の関係がある。ここでK:定数(=0.9)、λ:CuKα線の波長(1.54Å)、η:不均一歪み、ε:結晶子径である。従って、Kλβ/(εtanθ・sinθ)とβ2/tan2θをプロットし、その切片より4η2を求め、粉末の不均一歪みが求まる。
【0037】
(3)加水分解度:
焼結体粉末を温度80℃、相対湿度95%以上の条件下に24時間静置した後、粉末の酸素量を測定して評価した。試験前後の酸素量の差が、式、AlN+3H2O=Al(OH)3 +NH3 、に従い、窒化アルミニウムが水酸化アルミニウムに変化したと仮定し、試験前後の酸素量の差を窒化アルミニウムが水酸化アルミニウムに変化したときの理論酸素量(61.5%)で割った値を、加水分解度とした。
【0038】
(4)熱伝導率:
焼結体粉末:シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製商品名「TSE3070」)との体積比を60:40として、ラボプラストミルを用いて両者を混練りした。この混練り物を金板2枚に挟んで、10MPaの圧力をかけて厚さ1.0mmのシート状に成型し、これを乾燥機中、150℃の温度で5時間保持して加硫させ、放熱部材を試作した。熱伝導率は、このシート状の放熱部材をTO−3型銅製ヒーターケースと銅板の間に挟み、締め付けトルク300kPaでセットした後、ヒーターケースに電力15Wをかけて5分間保持した後、ヒーターケースと銅板の温度差を測定し、TO−3型の伝熱面積0.0006m2から、式、熱伝導率(W/mK)=〔電力(W)×シート厚さ(0.0005m)〕/〔伝熱面積(0.0006m2)×温度差(℃)〕から算出した。
【0039】
なお、放熱部材の熱伝導率の測定方法には幾通りもあるが、上記測定法は、柔軟性を持つ放熱部材を発熱性電子部品等の発熱体に実装させたときの状態を最も正確に反映させた方法である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
表1、表2に示すとおり、同一の窒化アルミニウム焼結体を粉砕し、粒度構成の異なる焼結体粉末を種々調整したところ、その粒度構成によって、不均一歪みと加水分解度に大きな差があることが確認された。特に、平均粒子径が50μm超の粉末には、不均一歪みがなく、加水分解度が小さいことが示された。また、放熱部材の熱伝導率は、焼結体粉末の平均粒子径とほぼ相関性が認められ、特に平均粒子径50μm超の焼結体粉末を用いると、顕著に向上した。これに対して、焼結体粉末の平均粒子径が50μm以下である比較例1では、3μm以下の微粉が多いためか、不均一歪みがあり、加水分解度が著しく大きいものであった。また、熱伝導率も小さいものであった。その原因を、放熱部材の断面をSEM写真により調べたところ、実施例では樹脂中に焼結体粉末が均質に分散していたのに対し、比較例のものは、窒化アルミニウム微粉の加水分解により発生したアンモニアガスによるものと考えられる空隙が、樹脂と焼結体粉末との間に存在していた。
【0043】
実施例3〜12
次に、実施例1で使用した焼結体粉末と、表3に示される各種の良熱伝導性超微粉とを混合して混合粉末となし、混合粉末:シリコーン樹脂の体積比を75:25の混練り物を混練し、シート暑さの方向に300MPaの圧力をかけて成形したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状成型物を製造した。それらの結果を表4に示す。
【0044】
なお、ここで用いられた良熱伝導性超微粉の窒化アルミニウム超微粉は、平均粒子径1.8μm、不均一歪み0.000の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製「Hグレード」)である。その他の超微粉、窒化けい素(電気化学工業製「SN−9FW」)、窒化ホウ素(電気化学工業製「GP粉」)などは、市販品をそのまま、又は平均粒子径が3μmをこえるものについては、それを粉砕・分級して平均粒子径3μm以下に調整して使用した。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
表4から明らかなように、焼結体粉末と良熱伝導性超微粉との混合粉末を用いることによって密着性が高まり、放熱部材の熱伝導率が一段と向上した。これは、混合粉末の不均一歪みが小さいこと、加水分解度が小さいことに原因していると考えられる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂組成物特に放熱部材の熱伝導性を更に向上させることができる窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末と良熱伝導性微粉からなる混合粉末、及びそれが充填されてなる樹脂組成物、特に放熱部材が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aluminum nitride powder for resin filling and its use.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, there have been many proposals that use a good thermal conductivity of aluminum nitride powder and use a molded body filled with resin as a heat radiating member of an electronic device (Japanese Patent Laid-Open Nos. 3-14873 and 3-295863). No., JP-A-6-164174, etc.).
[0003]
However, the aluminum nitride powder in the resin causes moisture and hydrolysis to generate aluminum hydroxide and ammonia gas. Aluminum hydroxide has a much lower thermal conductivity than aluminum nitride, and ammonia gas remains as bubbles as it is, so in either case the heat dissipation characteristics of the heat dissipation member are reduced, and the aluminum nitride powder has good thermal conductivity. I have not been able to make full use of it.
[0004]
Here, the heat radiating member is a material in which an insulating resin such as silicone is filled with a heat conductive filler such as aluminum nitride powder, boron nitride powder or alumina, and heat generated from a semiconductor element such as an IC or LSI. For efficient removal outside the system, for example, it is used by being embedded in the gap between the semiconductor element and the heat dissipation board, etc., depending on the size, hardness, application, etc., heat sink, heat dissipation sheet, heat dissipation There are spacers.
[0005]
In order to solve the above problem, it has been proposed to use a pulverized product of an aluminum nitride sintered body (Japanese Patent Laid-Open No. 6-209057). The aluminum nitride sintered body has improved the hydrolysis resistance since the lattice defects of the aluminum nitride particles have been removed by the sintering, but the aluminum nitride powder obtained by the pulverization again generates lattice defects. Therefore, the improvement effect is not as much as expected.
[0006]
From the same concept, there is a proposal to use spherical aluminum nitride sintered particles (Japanese Patent Laid-Open Nos. 4-174910 and 11-269302). This technique is characterized in that the raw material aluminum nitride particle size is adjusted in advance to a sintered particle size by granulation or the like and does not go through a pulverization step. By using the spherical particles produced in this way as fillers, the thermal conductivity of the resin can be improved, and the fluidity of the resin and mold wear during molding can be improved. It can be said to be a filler. However, in order to produce the spherical particles on an industrial scale, there are many problems to be solved in terms of manufacturing technology. For example, an organic binder and a solvent are used at the time of granulation, and spherical particles are coalesced and aggregated by elution of a sintering aid at the time of firing.
[0007]
In order to improve the thermal conductivity of the heat radiating member, the influence of the filler particle size is large, and it is said that the large particle size filler is more advantageous. This is because the contact resistance between the particles increases and the thermal conductivity of the heat dissipation member decreases with the small particle size filler.
[0008]
However, there is a limit in the technology for improving the thermal conductivity by filling the filler with a large particle size, and the thermal conductivity is improved up to a certain filling amount, but if it is filled beyond that, the thermal conductivity is lowered. This is because when the filling amount exceeds a certain amount, the surface of the heat radiating member becomes uneven, and when mounted on a heat generating body such as a heat generating electronic component, the adhesion with the heat generating body is deteriorated, and effective heat transfer is achieved. It is because it becomes impossible.
[0009]
In recent years, as the density of heat-generating electronic components has been increased, the demand for further heat dissipation characteristics of the heat dissipating members has been increasing, and has reached an area that exceeds the limits of the past.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above, and an object thereof is from an aluminum nitride powder, an aluminum nitride powder, and a highly heat conductive ultrafine powder that can further improve the thermal conductivity of a resin composition, particularly a heat dissipation member. An object of the present invention is to provide a mixed powder and a resin composition filled with them, particularly a heat dissipation member.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is as follows.
(Claim 1) A resin-filled aluminum nitride powder comprising a pulverized product of an aluminum nitride sintered body and having an average particle diameter of more than 50 µm.
(Claim 2) The aluminum nitride powder for filling a resin according to claim 1, wherein the non-uniform strain is 0.005 or less.
(Claim 3) Aluminum nitride powder according to claim 1 or 2, and aluminum nitride, silicon nitride, boron nitride, silicon carbide, graphite, aluminum, silicon, copper, silver and gold having an average particle size of 3 μm or less A resin-filled mixed powder characterized by comprising one or two or more types of highly heat conductive ultrafine powders selected from the above, wherein the content of the good heat conductive ultrafine powders is 60% or less.
(Claim 4) The mixed powder according to claim 3, wherein the non-uniform strain is 0.005 or less.
(Claim 5) A resin composition comprising 50 to 85% by volume of the aluminum nitride powder according to claim 1 or 2.
(Claim 6) A resin composition comprising 50 to 85% by volume of the mixed powder according to claim 3 or 4.
(Claim 7) A heat dissipating member for a heat-generating electronic component, comprising a molded body of the resin composition according to claim 5 or 6.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0013]
In the present invention, what is important is a powder obtained by pulverizing a sintered body of aluminum nitride powder as a filler (hereinafter referred to as “sintered body powder”) in order to improve the thermal conductivity of the resin composition, in particular, the heat dissipation member. And the particle size constitution is set to an average particle size exceeding 50 μm.
[0014]
The sintered body powder used in the present invention includes, for example, about 0.5 to 10% of a sintering aid such as yttria added to aluminum nitride powder, and after molding, in a non-oxidizing atmosphere such as nitrogen and argon, It is obtained by pulverizing an aluminum nitride sintered body sintered at a temperature of about 1600 to 2000 ° C. Since the maximum possible filling amount into the resin, and hence the thermal conductivity of the heat radiating member, varies depending on the relative density of the aluminum nitride sintered body, the relative density is preferably 90% or more. When the relative density is less than 90%, the sintered body powder becomes bulky, and the maximum filling amount increases in proportion to the relative density, but the absolute amount is small. On the other hand, when the relative density is 90% or more, the maximum amount that can be filled does not greatly relate to the relative density, and the absolute amount increases. For example, the maximum filling amount of a sintered body powder having a relative density of 94% is about 66% by volume, whereas that of a sintered body powder having a relative density of 86% is about 57% by volume. Such a phenomenon has been found for the first time by the present inventors, and the present invention is based on this finding.
[0015]
The average particle size of the sintered body powder of the present invention must be more than 50 μm for the following two reasons. The first reason is that a filler having a larger particle size is advantageous for improving the thermal conductivity. When the average particle size is 50 μm or less, the contact resistance is generated between the filler particles because the particle size is small, and it is difficult to further improve the thermal conductivity of the resin composition, particularly the heat dissipation member.
[0016]
The second reason is that the aluminum nitride fine powder is inferior in hydrolysis resistance. In particular, ultrafine powder of 3 μm or less generated by pulverization is extremely inferior in hydrolysis resistance. This is not only due to an increase in the specific surface area of the powder, but also due to the occurrence of lattice distortion in the aluminum nitride powder due to the grinding force. Therefore, when the average particle size is 50 μm or less, the amount of ultrafine powder of 3 μm or less increases, and when the resin composition undergoes hydrolysis due to moisture in the resin, or when producing a resin composition, particularly a heat dissipation member, When decomposed, aluminum hydroxide and ammonia gas with low thermal conductivity are generated, which adversely affects high thermal conductivity.
[0017]
In the present invention, the upper limit value of the average particle diameter of the sintered body powder may be determined relative to the thickness of the heat dissipation member, and is not particularly limited. The maximum particle diameter of the sintered powder is preferably about 90% or less of the thickness of the heat dissipation member, and it is desirable that the average particle diameter is as large as possible. The reason why the sintered body powder of the present invention may be configured with such a large average particle diameter is that it can be used in combination with other heat-conductive ultrafine powders to adhere to a heat-generating body such as a heat-generating electronic component. This is because it can be secured.
[0018]
That is, in a heat radiating member filled with a large filler having a particle diameter exceeding about 90% of the thickness of the heat radiating member, unevenness is generated on the surface, the adhesion to the heat radiating member is lowered, and efficient heat dissipation is achieved. Can not be. However, this can be improved by using it together with an appropriate amount of good heat conductive ultrafine powder. The average particle size of the good heat conductive ultrafine powder is preferably 3 μm or less. The material of the heat conductive ultrafine powder is preferably aluminum nitride, silicon nitride, boron nitride, silicon carbide, graphite, aluminum, silicon, copper, silver and gold.
[0019]
In the present invention, the non-uniform distortion of the sintered body powder or the mixed powder composed of the sintered body powder and the fine heat conductive ultrafine powder is preferably 0.005 or less, particularly preferably 0.003 or less. If the non-uniform strain is more than 0.005, the hydrolysis resistance is remarkably inferior, and the thermal conductivity of the resin composition, particularly the heat radiating member, is reduced.
[0020]
When aluminum nitride ultrafine powder is used as the good heat conductive ultrafine powder, the non-uniform strain is preferably 0.005 or less, particularly preferably 0.003 or less. Such an aluminum nitride ultrafine powder can be produced by crushing an easily grindable aluminum nitride ingot synthesized by a build-up method. The easily grindable ingot is a carbon reduction nitriding method of alumina powder or a direct nitriding method of metal aluminum powder, for example, aluminum nitride powder is mixed with metal aluminum powder so that the reaction amount per hour is 2% or less. Further, it can be produced by nitriding the metal aluminum powder while controlling the temperature and atmosphere.
[0021]
The nonuniform strain referred to in the present invention is an index representing imperfection of an aluminum nitride powder crystal (for example, “Guidelines for X-ray diffraction, revised fourth edition”, published by Rigaku Denki Co., Ltd., June 15, 1993, page 76). reference). During the production of aluminum nitride powder, for example, during a process such as synthesis or pulverization, defects and transition occur in the crystal lattice or change due to solid solution of oxygen. When the value of the non-uniform strain is large, the powder has poor hydrolysis resistance and thermal conductivity. The method for measuring the non-uniform strain will be described in Examples below.
[0022]
The content of the good heat conductive ultrafine powder in the mixed powder composed of the sintered powder and the good heat conductive ultrafine powder is preferably 60% or less. When it exceeds 60%, the thermal conductivity of the resin composition, particularly the heat radiating member, is not greatly improved due to an increase in the contact resistance of the mixed powder.
[0023]
The filling amount of the sintered body powder or mixed powder of the present invention into the resin composition is preferably 50 to 85% by volume, particularly preferably 72 to 80% by volume. If it is less than 50% by volume, the thermal conductivity of the resin composition, particularly the heat radiating member, is not improved, and if it exceeds 85% by volume, it is difficult to produce a resin composition molded body such as a heat radiating member.
[0024]
In order to pulverize the aluminum nitride sintered body and produce the sintered body powder of the present invention, a pulverizer such as a ball mill, a vibration mill, a roller mill, or a medium stirring mill is used. In addition, a mixer such as a ball mill or a vibration mill is used to prepare the mixed powder composed of the sintered body powder and the highly heat conductive ultrafine powder.
[0025]
Examples of the resin used in the resin composition of the present invention include epoxy resins, silicone resins, phenol resins, melamine resins, urea resins, unsaturated polyesters, fluororesins, polyimides, polyamideimides, polyetherimides, and other polyamides, polybutylenes Polyester such as terephthalate and polyethylene terephthalate, polyphenylene sulfide, wholly aromatic polyester, polysulfone, liquid crystal polymer, polyethersulfone, polycarbonate, maleimide modified resin, ABS resin, AAS (acrylonitrile-acrylic rubber / styrene) resin, AES (acrylonitrile / ethylene) And propylene / diene rubber / styrene) resin.
[0026]
When the resin is an epoxy resin, the curing agent is not particularly limited as long as it is cured by reacting with the epoxy resin. For example, phenol, cresol, xylenol, resorcinol, chlorophenol, t-butylphenol, nonylphenol, Novolac type resin, polyparahydroxystyrene resin, bisphenol A, and the like obtained by reacting one or more mixtures selected from the group of isopropylphenol, octylphenol and the like together with formaldehyde, paraformaldehyde or paraxylene under an oxidation catalyst Bisphenol compounds such as bisphenol S, trifunctional phenols such as pyrogallol and phloroglucinol, acid anhydrides such as maleic anhydride, phthalic anhydride and pyromellitic anhydride, metaphenylenediamine, dia Bruno diphenylmethane, and the like aromatic amines such as diaminodiphenyl sulfone.
[0027]
Among these, as the resin serving as the matrix of the heat dissipation member, for example, epoxy resin, polyurethane resin, natural rubber, and silicone resin are suitable, and in the case of a highly flexible heat dissipation member having an Asker C hardness of about 50 or less The following silicone raw material vulcanizates are preferred.
[0028]
As the silicone raw material, addition reaction type liquid silicone rubber, heat vulcanization type millable type silicone rubber using peroxide, etc. are used. Therefore, addition reaction type liquid silicone rubber is desirable. Specific examples thereof include one-part silicone having both vinyl group and H-Si group in one molecule, organopolysiloxane having vinyl group at the terminal or side chain, and two or more terminals or side chain. There are two-part silicones with organopolysiloxanes having H-Si groups, and commercially available products include “SE-1885” manufactured by Toray Dow Corning. The flexibility of the silicone cured product can be adjusted by the crosslinking density of the silicone and the filling amount of the thermally conductive filler.
[0029]
The resin composition of the present invention can be produced by mixing the above materials with a blender or a mixer.
[0030]
The use of the resin composition of the present invention is a heat radiating member formed by molding it, but is not limited to this. The heat radiating member can be manufactured by molding a resin composition by a press molding method, an extrusion molding method, or a doctor blade method, and curing the resin composition.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples.
[0032]
Examples 1-2 Comparative Example 1
Mixed powder of 100 parts of aluminum nitride powder (“AP-50” manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd.) having an average particle size of 4.1 μm and 5 parts of yttrium oxide powder (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, specific surface area 20 m 2 / g) on a mass basis A molded body having a diameter of 50 mm was produced by applying a pressure of 20 MPa, and fired at a temperature of 1950 ° C. in a nitrogen atmosphere. The relative density of the obtained aluminum nitride sintered body was 92%. This sintered body was pulverized and classified according to the following to produce various sintered body powders.
[0033]
First, the aluminum nitride sintered body was coarsely pulverized in the order of jaw crusher and roll crusher, and then a powder of 150 μm or less was collected with a JIS sieve, and the coarse powder on the sieve was again pulverized with a roll crusher and arranged under a 150 μm sieve. . This operation was repeated until the yield under the 150 μm sieve was about 80 to 90%, and the recovered sintered body powder was taken as Example 1. Further, in the same manner as in Example 1, the sintered body powder was adjusted using a sieve having a sieve opening of 106 μm to obtain the powder of Example 2. Furthermore, the sintered body powder of Example 2 was finely pulverized using a ball mill, and the particle size was adjusted by the pulverization time to obtain the sintered body powder of Comparative Example 1.
[0034]
About the sintered compact powder obtained above, according to the following, the average particle size, the content of fine powder of 3 μm or less is shown in Table 1, the nonuniform strain, the degree of hydrolysis, the measurement results of the thermal conductivity of the prototyped heat dissipation member It shows in Table 2.
[0035]
(1) Average particle size and fine powder content of 3 μm or less:
The average particle diameter of Examples 1 and 2 was measured by a low tap method using a JIS sieve. Further, the content of particles of 3 μm or less was first measured by a laser diffraction particle size distribution method (measuring device: “Microtrac SPA” manufactured by Leed & Northrup) using a 45 μm sieve to collect a powder of 45 μm or less. In Comparative Example 1, both the average particle diameter and the fine powder content of 3 μm or less were measured by a laser diffraction particle size distribution method.
[0036]
(2) Non-uniform distortion:
The measurement was made by the modified Hall method using an X-ray diffraction method. The diffraction lines of Kα1 and Kα2 of the powder are subjected to multiple peak separation, and the true half width β is assumed to be β 2 = B 2 −b 2 with respect to the measured half width B and mechanical half width b. b is obtained from the diffraction line of SiO 2 . β is determined by the crystallite diameter and the non-uniform strain. If the strain follows a Gaussian distribution, there is a relationship of β 2 / tan 2 θ = Kλβ / (εtan θ · sin θ) + 4η 2 . Here, K: constant (= 0.9), λ: wavelength of CuKα ray (1.541.5), η: nonuniform strain, ε: crystallite diameter. Thus, by plotting the β 2 / tan 2 θ and Kλβ / (εtanθ · sinθ), obtains the 4Ita 2 from the section, the irregular distortion of the powder is obtained.
[0037]
(3) Degree of hydrolysis:
The sintered body powder was allowed to stand for 24 hours under conditions of a temperature of 80 ° C. and a relative humidity of 95% or more, and then the oxygen content of the powder was measured and evaluated. Assuming that the difference in oxygen amount before and after the test is in accordance with the formula AlN + 3H 2 O = Al (OH) 3 + NH 3 , the aluminum nitride was changed to aluminum hydroxide, and the difference in oxygen amount before and after the test was The value obtained by dividing by the theoretical oxygen amount (61.5%) when changed to aluminum oxide was taken as the degree of hydrolysis.
[0038]
(4) Thermal conductivity:
Both were knead | mixed using the lab plast mill by making volume ratio 60:40 with sintered compact powder: silicone resin (Toshiba silicone company make brand name "TSE3070"). This kneaded product is sandwiched between two metal plates and molded into a sheet having a thickness of 1.0 mm by applying a pressure of 10 MPa, and this is held in a dryer at a temperature of 150 ° C. for 5 hours to vulcanize, A heat dissipation member was prototyped. The thermal conductivity is determined by sandwiching this sheet-like heat dissipation member between a TO-3 type copper heater case and a copper plate, setting it with a tightening torque of 300 kPa, holding the heater case with power 15 W, and holding it for 5 minutes. And the temperature difference between the copper plate and the TO-3 type heat transfer area of 0.0006 m 2 , formula, thermal conductivity (W / mK) = [power (W) × sheet thickness (0.0005 m)] / It was calculated from [heat transfer area (0.0006 m 2 ) × temperature difference (° C.)].
[0039]
Although there are various methods for measuring the thermal conductivity of the heat dissipation member, the above measurement method is most accurate when the flexible heat dissipation member is mounted on a heating element such as a heat-generating electronic component. This is a reflected method.
[0040]
[Table 1]
[0041]
[Table 2]
[0042]
As shown in Table 1 and Table 2, when the same aluminum nitride sintered body was pulverized and various sintered body powders having different particle size configurations were prepared, there was a large difference in non-uniform strain and degree of hydrolysis depending on the particle size configuration. It was confirmed that there was. In particular, it was shown that the powder having an average particle diameter of more than 50 μm has no non-uniform distortion and a low degree of hydrolysis. Further, the thermal conductivity of the heat radiating member was found to be substantially correlated with the average particle diameter of the sintered powder, and particularly improved when a sintered powder having an average particle diameter of more than 50 μm was used. On the other hand, in Comparative Example 1 in which the average particle size of the sintered body powder is 50 μm or less, there is a large amount of fine powder of 3 μm or less, or there is uneven strain and the degree of hydrolysis is extremely large. Also, the thermal conductivity was small. The cause was examined by SEM photographs of the cross section of the heat dissipation member. In the examples, the sintered powder was homogeneously dispersed in the resin, whereas in the comparative example, hydrolysis of aluminum nitride fine powder was performed. There was a gap between the resin and the sintered powder that was thought to be due to the generated ammonia gas.
[0043]
Examples 3-12
Next, the sintered compact powder used in Example 1 and various heat conductive ultrafine powders shown in Table 3 were mixed to form a mixed powder, and the volume ratio of the mixed powder: silicone resin was 75:25. A sheet-like molded product was produced in the same manner as in Example 1 except that the kneaded product was kneaded and molded by applying a pressure of 300 MPa in the direction of the sheet heat. The results are shown in Table 4.
[0044]
The aluminum nitride ultrafine powder of good thermal conductivity used here is an aluminum nitride powder (“H grade” manufactured by Tokuyama Corporation) having an average particle size of 1.8 μm and nonuniform strain of 0.000. Other ultra fine powders, silicon nitride (“SN-9FW” manufactured by Denki Kagaku Kogyo), boron nitride (“GP powder” manufactured by Denki Kagaku Kogyo), etc., are commercially available or those with an average particle diameter exceeding 3 μm. Were used after being pulverized and classified to an average particle size of 3 μm or less.
[0045]
[Table 3]
[0046]
[Table 4]
[0047]
As is clear from Table 4, the use of a mixed powder of the sintered body powder and the good heat conductive ultrafine powder improved the adhesion and further improved the thermal conductivity of the heat radiating member. This is considered to be caused by the fact that the nonuniform strain of the mixed powder is small and the degree of hydrolysis is small.
[0048]
【The invention's effect】
According to the present invention, an aluminum nitride powder that can further improve the thermal conductivity of a resin composition, particularly a heat radiating member, a mixed powder composed of an aluminum nitride powder and a good thermal conductive fine powder, and a resin composition filled with the powder Objects, in particular heat dissipation members, are provided.
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