JP4330650B2 - 投薬支援プログラム - Google Patents
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Description
また、安定した血糖コントロールを得るためには、さらに内因性インスリン分泌量も含めた体内インスリン濃度を考慮することが必要であるが、これを連続測定することは実質的に不可能である。なお、投薬支援装置に関する文献としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
製剤毎単位時間流入量演算手段により、個体について、投与条件変更前の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第1の手順、
単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第1の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更前において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第2の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第2の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更前の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更前における総インスリン流入量の時系列データである変更前インスリン流入量時系列データを作成する第3の手順、
前記製剤毎単位時間流入量演算手段により、前記個体について、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第4の手順、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第4の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更後において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第5の手順、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第5の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更後の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更後における総インスリン流入量の時系列データである変更後インスリン流入量時系列データを作成する第6の手順、
変更前後インスリン流入量差分演算手段により、前記変更前インスリン流入量時系列データと前記変更後インスリン流入量時系列データとの差分を時系列で演算し、投与条件変更前と投与条件変更後における単位時間毎の総インスリン流入量の差分データを、変更前後インスリン流入量差分解析データとして、対応メモリとしての記憶手段の変更前後インスリン流入量差分解析データ格納領域に格納する第7の手順、
サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更前の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第8の手順、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更後の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第9の手順、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記各測定時刻における前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データと前記変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとの差分データを算出し、変更前後血糖値差分解析データとして記憶手段に格納する第10の手順、
サンプリング部により、前記変更前後インスリン流入量差分解析データと前記変更前後血糖値差分解析データとに基づき、特定時間帯における前記投与条件変更前と前記投与条件変更後との間での個体血中へのインスリン流入量の変化分がもたらした当該個体の血糖値の変化分を、それらの比であるインスリン感受性値として演算し、インスリン感受性データとして記憶手段に格納する第11の手順、
インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記測定時刻毎の変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データの推移パターンを前記個体の血糖値推移パターンとして取得する血糖値推移パターン取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、前記第11の手順で前記記憶手段に格納した前記個体に固有のインスリン感受性データを取得する感受性データ取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、インスリンの投与回数・投与時刻を示すインスリン投与回数・時刻候補と、インスリン製剤種類を示す複数のインスリン製剤種類候補との全ての組合せからなる複数のインスリン投与条件候補を取得するインスリン投与条件候補取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、前記複数のインスリン投与条件候補から任意の一つのインスリン投与条件候補を選択し、当該選択した一つのインスリン投与条件候補について、特定の測定時刻の血糖値として目標とする血糖値である目標血糖値を所定の記憶領域から取得する目標血糖値取得手順、及び、
前記インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記インスリン感受性値(X)と、前記特定の測定時刻における前記目標血糖値と前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値との間の差分(Y)と、前記特定の測定時刻より前の時刻において前記目標血糖値を満足するために必要なインスリン製剤投与量である目標インスリン流入量と前記投与条件変更前のインスリン流入量との差分(Z)との関係を示す演算式であるZ=Y/Xを使用して、前記差分(Z)を求め、前記差分(Z)と前記投与条件変更前のインスリン流入量とから、前記目標インスリン流入量を求める目標インスリン流入量手順。
投与時刻設定手段及び変更前製剤種類選択手段により、投与条件変更前のインスリン製剤の投与時刻及び各投与時刻におけるインスリン製剤の種類を対応メモリに記憶する第1の手順、
変更前製剤投与量選択手段により、前記投与条件変更前のインスリン製剤の前記投与時刻毎の投与量を対応メモリに記憶する第2の手順、
製剤毎特性取得手段により、前記投与条件変更前のインスリン製剤の前記投与時刻毎の種類に応じて当該インスリン製剤の個体血中へのインスリン流入曲線を記憶手段の製剤特性データ記憶領域から取得する第3の手順、
前記投与時刻設定手段により記憶した前記投与時刻の各々について、変更後製剤種類選択手段により、投与条件変更後のインスリン製剤の種類を対応メモリに記憶する第4の手順、
変更後製剤投与量選択手段により、前記投与条件変更後のインスリン製剤の前記投与時刻毎の投与量を対応メモリに記憶する第5の手順、
製剤毎特性取得手段により、前記投与条件変更後のインスリン製剤の前記投与時刻毎の種類に応じて当該インスリン製剤の個体血中へのインスリン流入曲線を記憶手段の製剤特性データ記憶領域から取得する第6の手順、
製剤毎単位時間流入量演算手段により、個体について、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第7の手順、
単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第7の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更前において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第8の手順、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第8の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更前の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更前における総インスリン流入量の時系列データである変更前インスリン流入量時系列データを作成する第9の手順、
前記製剤毎単位時間流入量演算手段により、前記個体について、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第10の手順、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第10の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更後において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第11の手順、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第11の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更後の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更後における総インスリン流入量の時系列データである変更後インスリン流入量時系列データを作成する第12の手順、
変更前後インスリン流入量差分演算手段により、前記変更前インスリン流入量時系列データと前記変更後インスリン流入量時系列データとの差分を時系列で演算し、投与条件変更前と投与条件変更後における単位時間毎の総インスリン流入量の差分データを、変更前後インスリン流入量差分解析データとして、対応メモリとしての記憶手段の変更前後インスリン流入量差分解析データ格納領域に格納する第13の手順、
サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更前の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第14の手順、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更後の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第15の手順、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記各測定時刻における前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データと前記変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとの差分データを算出し、変更前後血糖値差分解析データとして記憶手段に格納する第16の手順、
サンプリング部により、前記変更前後インスリン流入量差分解析データと前記変更前後血糖値差分解析データとに基づき、特定時間帯における前記投与条件変更前と前記投与条件変更後との間での個体血中へのインスリン流入量の変化分がもたらした当該個体の血糖値の変化分を、それらの比であるインスリン感受性値として演算し、インスリン感受性データとして記憶手段に格納する第17の手順、
インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記測定時刻毎の変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データの推移パターンを前記個体の血糖値推移パターンとして取得する血糖値推移パターン取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、前記第17の手順で前記記憶手段に格納した前記個体に固有のインスリン感受性データを取得する感受性データ取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、インスリンの投与回数・投与時刻を示すインスリン投与回数・時刻候補と、インスリン製剤種類を示す複数のインスリン製剤種類候補との全ての組合せからなる複数のインスリン投与条件候補を取得するインスリン投与条件候補取得手順、
前記インスリン療法案演算手段により、前記複数のインスリン投与条件候補から任意の一つのインスリン投与条件候補を選択し、当該選択した一つのインスリン投与条件候補について、特定の測定時刻の血糖値として目標とする血糖値である目標血糖値を所定の記憶領域から取得する目標血糖値取得手順、及び、
前記インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記インスリン感受性値(X)と、前記特定の測定時刻における前記目標血糖値と前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値との間の差分(Y)と、前記特定の測定時刻より前の時刻において前記目標血糖値を満足するために必要なインスリン製剤投与量である目標インスリン流入量と前記投与条件変更前のインスリン流入量との差分(Z)との関係を示す演算式であるZ=Y/Xを使用して、前記差分(Z)を求め、前記差分(Z)と前記投与条件変更前のインスリン流入量とから、前記目標インスリン流入量を求める目標インスリン流入量演算手順。
前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択したインスリン投与条件候補の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第18の手順、
前記第18の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した前記新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補により前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第19の手順、
前記第19の手順で前記単位時間毎に演算した前記新規投与条件下での単位時間総インスリン流入量に基づき、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した前記新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補による総インスリン流入量の時系列データである新規インスリン流入量時系列データを作成する第20の手順、及び、
前記インスリン感受性データと前記新規インスリン流入量時系列データとに基づき、各測定時刻における前記新規投与条件下での血糖予測値を演算する第21の手順。
また、前記第21の手順では、前記投与条件変更前後において、特定時間帯の開始時から終了時までに、インスリン流入量が、第1の量(X1)だけ上昇し、それに対応して、血糖値が、第1の量(Y1)だけ低下するときに、これらの比(Y1/X1)を、前記特定時間帯における感受性データとして演算し、その一方、前記変更前投与条件を前記変更後投与条件から更に前記新規投与条件へと変更した場合において、前記特定時間帯の開始時から終了時までに、前記インスリン流入量が、第2の量(X2)だけ上昇したときに、前記感受性データ(Y1/X1)に基づき、前記変更前投与条件と前記変更後投与条件間でのインスリン流入量の差分と前記血糖値の差分との比である感受性データ(Y1/X1)が、前記変更前投与条件と前記新規投与条件間での前記インスリン流入量の差分と前記血糖値の差分との比である感受性データ(Y2/X2)と同一値となることを利用して、Y2/X2=Y1/X1からY2の値を演算式であるY2=X2*Y1/X2により求め、前記変更前投与条件下での血糖値から前記Y2を減算して、前記新規投与条件下での血糖予測値を演算する。
100:製剤登録部
200:予備シミュレーション部
300:解析部
400:本シミュレーション部
500:補助部
1.投薬支援装置
1−1.全体構成概略
本発明の投薬支援装置を具現化した一実施の形態に係る投薬支援装置の全体構成について説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るインスリン製剤用の投薬支援装置の全体的システム構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、実施の形態1に係る投薬支援装置10は、インスリン製剤用の投薬支援装置に具体化される。このインスリン製剤用の投薬支援装置は、製剤登録部100と、予備シミュレーション部200と、解析部300と、本シミュレーション部400と、補助部500とを備える。投薬支援装置10は、概説すると、個体(糖尿病患者患者)に対してインスリン療法を行う場合において、インスリン製剤の投与条件(種類、投与量、投与時刻等)を変更する場合に、その投与条件変更前後におけるインスリン作用(個体の血糖値変化)をシミュレーションするものである。投薬支援装置10は、CPU、ROM、RAM、バス、入出力装置等の公知のハードウェア構成を有するコンピュータ装置を使用して、以下の各機能を実現する。
図2は本発明の実施の形態1に係る投薬支援装置の予備シミュレーション部のシステム構成の詳細を示す機能ブロック図である。
予備シミュレーション部200は、変更前投与条件入力部210と、変更後投与条件入力部220と、変更前インスリン流入量シミュレーション部(SIM部)230と、変更後インスリン流入量SIM部240と、記憶手段250と、インスリン流入グラフ描画部260と、表示部270とを含む。詳細には、変更前投与条件入力部210は、図2に示すように、投与時刻設定手段211と、変更前単発製剤種類選択手段212と、変更前持続製剤種類選択手段213と、変更前単発製剤投与量選択手段214と、変更前持続製剤投与量選択手段215とを有する。また、変更後投与条件入力部220は、投与時刻設定手段221と、変更後単発製剤種類選択手段222と、変更後持続製剤種類選択手段223と、変更後単発製剤投与量選択手段224と、変更後持続製剤投与量選択手段225とを有する。一方、変更前インスリン流入量SIM部230は、製剤毎特性取得手段231と、製剤毎単位時間流入量演算手段232と、単位時間総インスリン(IN)流入量演算手段233とを有する。また、変更後インスリン流入量SIM部240は、製剤毎特性取得手段241と、製剤毎単位時間流入量演算手段242と、単位時間総製剤流入量演算手段243とを有する。更に、記憶手段250は、変更前インスリン流入量時系列データ記憶領域251と、変更後インスリン流入量時系列データ記憶領域252とを有する。また、インスリン流入グラフ描画部260は、インスリン(IN)流入量推移グラフ描画手段261と、表示日数切替え手段262とを有する。
ックスより選択・入力する機能とを選択的に実現する。更に、変更前持続製剤種類選択手段213は、投与条件変更前の持続インスリン製剤の種類(名称)を直接入力する機能と、リストボックス等より選択・入力する機能とを選択的に実現する。なお、前記投与時刻設定手段211により設定した一または複数の投与時刻の各々において、変更前単発製剤種類選択手段212により、変更前の単発製剤を指定可能である。例えば、この場合、変更前単発製剤種類選択手段212の単発製剤名称入力リストボックスのリスト表示内容としては、「Lispro」、「R」、「50R」、「40R」、「30R」、「20R」、「10R」、「N」、「Glargine」等がある。なお、「Lispro」は、超速効型インスリン製剤を示し、「R」は速効型インスリン製剤を示し、「N」は中間型インスリン製剤を示し、「Glargine」は持続型インスリン製剤を示す。また、混合型インスリン製剤は、一般に、速効型インスリン製剤と中間型インスリン製剤とを所定の混合比率(混合割合)で混合したものであり、混合型インスリン製剤についての「50R」、「40R」等の数字部分は、速効型インスリン製剤の混合比率を示す。例えば、「40R」は、40%の速効型インスリン製剤(R)と60%の中間型インスリン製剤(N)とからなる混合型インスリン製剤を表している。
図3は本発明の実施の形態1に係る投薬支援装置の解析部のシステム構成の詳細を示す機能ブロック図である。
解析部300は、変更前後インスリン(IN)流入量差分解析部310と、変更前後血糖値入力・演算部320と、血糖値差分解析部330と、記憶手段340と、サンプリング部350と、デフォルトIR部360と、記憶手段370と、血糖値グラフ描画部380と、表示部390とを含む。詳細には、図3に示すように、変更前後IN流入量差分解析部310は、変更前後IN流入量差分演算手段311を有する。また、血糖値入力・演算部320は、血糖値測定時刻入力手段321と、変更前測定血糖値入力手段322と、変更後測定血糖値入力手段323と、サンプリング用血糖値演算手段324と、糖毒性解除過程判別手段325と、HbA1c演算手段326とを有する。更に、血糖値差分解析部330は、変更前後血糖値差分解析手段331を有する。また、記憶手段340は、変更前後IN流入量差分解析データ記憶領域341と、変更前後血糖値差分解析データ記憶領域342と、サンプリング用血糖値データ記憶領域343とを有する。更に、サンプリング部350は、午前サンプリング手段351と、全日サンプリング手段352とを有する。また、デフォルトIR部360は、デフォルトIR設定手段361と、デフォルトIR選択手段362とを有する。更に、記憶手段370は、インスリン感受性データ記憶領域371と、デフォルトIRデータ記憶領域372とを有する。また、血糖値グラフ描画部380は、目標血糖値範囲設定手段381と、表示項目切替手段382と、血糖値推移グラフ描画手段383と、表示日数切替手段384とを有する。
HOMA−R=IRI(μU/ml)×空腹時血糖値(mg/dl)/405
なお、式中、「IRI」はブドウ糖負荷試験後の血中インスリン量(血中インスリン濃度)(単位=マイクロユニット/ミリリットル)を示す。
即ち、デフォルトIR設定手段361は、デフォルト値として、HOMA−R=1程度のインスリン抵抗性を有している個体のインスリン感受性に該当するデフォルトIRデータとしての「IR1」と、HOMA−R=3程度のインスリン抵抗性を有している個体のインスリン感受性に該当するデフォルトIRデータとしての「IR3」と、HOMA−R=5程度のインスリン抵抗性を有している個体のインスリン感受性に該当するデフォルトIRデータとしての「IR5」とを格納する。ここで、健常者は、例えば、血糖値が約90〜100mg/dlで血中インスリン量が約4〜5μU/ml程度であり、HOMA−R=1程度となる。また、インスリン抵抗性を有する糖尿病患者は、これよりも高い値を示す。例えば、境界型の人(糖負荷試験で、糖尿病にも正常型にも属さない血糖値を示す人)は、血糖値が約120mg/dlで血中インスリン量が約12μU/ml程度であり、HOMA−R=3程度となる。更に、重症の糖尿病患者は、インスリン抵抗性がHOMA−R=5程度となる。したがって、本実施の形態では、デオフォルト値としてのIR1は、HOMA−R=1程度のインスリン抵抗性を有している個体の場合のインスリン感受性データに該当し、IR3は、HOMA−R=3程度のインスリン抵抗性を有している個体の場合のインスリン感受性データに該当し、IR5は、HOMA−R=5程度のインスリン抵抗性を有している個体の場合のインスリン感受性データに該当する。即ち、IR1からIR5へと行くにしたがって、インスリン抵抗性が大きくなり、インスリン感受性が低くなる。
図4は本発明の実施の形態1に係る投薬支援装置の本シミュレーション部のシステム構成の詳細を示す機能ブロック図である。
本シミュレーション部400は、新規製剤投与条件入力部410と、経口摂取量入力部420と、新規インスリン(IN)流入量シミュレーション(SIM)部430と、経口摂取量変換部440と、記憶手段450と、血糖値予測部460と、血糖予測値データ記憶手段470と、グラフ描画部480と、表示部490とを含む。詳細には、図4に示すように、新規製剤投与条件入力部410は、新規単発製剤投与条件入力手段411と、新規持続製剤投与条件入力手段412とを有する。また、経口摂取量入力部420は、各回食事・間食時間入力手段421と、各回食事量入力手段422と、各回間食種類・カロリー入力手段423とを有する。更に、新規IN流入量SIM部430は、新規製剤毎単位時間流入量演算手段431と、単位時間総インスリン(IN)流入量演算手段432とを有する。また、経口摂取量変換部440は、各回食事・間食反映血糖値演算手段としての経口摂取変換演算手段442を有する。更に、記憶手段450は、新規インスリン(IN)流入量時系列データ記憶領域451と、食事・血糖値変換テーブル452と、経口摂取量変換データ記憶領域453とを有する。また、血糖値予測部460は、新規血糖値予測演算手段461を有する。更に、グラフ描画部480は、目標血糖値範囲設定手段481と、表示項目切替手段482と、推移グラフ描画手段483と、表示日数切替手段484とを有する。
図5は本発明の実施の形態1に係る投薬支援装置の補助部のシステム構成の詳細を示す機能ブロック図である。
補助部500は、投薬支援データ記録手段510と、投薬支援データ記憶手段511と、設定値繰上手段512と、設定値繰下手段513と、相談・問合せ手段514と、通信手段515と、糖尿病型選択手段520と、警告手段521と、画面拡大縮小手段522と、低血糖判定手段523と、低血糖警告手段524と、表示部525とを含む。
2−1.全体画面構成
次に、本実施の形態の投薬支援装置のユーザインタフェイス(操作画面)について図6図10に従って説明する。図6は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置のユーザインタフェイス例の全体画面構成を示す説明図である。図7は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置のユーザインタフェイスの製剤登録部及び投与条件入力部等を示す説明図である。図8は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置のユーザインタフェイスの血糖値情報入力部及び経口摂取情報入力部等を示す説明図である。図9は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置のユーザインタフェイスのグラフ表示部を示す説明図である。図10は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置のユーザインタフェイスの入力データ表示部を示す説明図である。
本実施の形態の投薬支援装置は、例えば、図6〜図9に示すユーザインタフェイス(UI)を作成してディスプレイに表示するためのUI作成手段を備える。図6に示すように、本実施の形態の投薬支援装置のユーザインタフェイスは、製剤情報入力部(図7)と、血糖値情報入力部(図8)と、グラフ表示部(図9)とを備える。なお、本実施の形態の投薬支援装置は、前記ユーザインタフェイスの近傍位置に入力データ表示部(図10)を表示するようにしてもよい。
図7に詳細に示すように、製剤情報入力部は、製剤登録部、投与条件入力部等を含む。製剤登録部は、前記予備シミュレーション部100の製剤登録部110の単発製剤情報登録部110に対応して設けられるものであり、単発製剤登録部1110からなる。単発製剤登録部1110は、超速効型単発IN製剤(Short)、速効型単発IN製剤(Regular)、中間型単発IN製剤(NPH)及び持続型単発IN製剤(Long)の4種類の単発インスリン製剤について、その特性を登録するようになっている。本実施の形態では、単発製剤登録部1110により各種類の単発IN製剤の作用持続時間を直接テキスト入力、スピンボタン、リストボックス等により入力すると、前記単発製剤登録部110が、設定された製剤種類及び作用持続時間の各データに基づき、対応する各種類の単発IN製剤のその他の特性を図示しない特性テーブルから取得して、各種類の単発IN製剤の全ての製剤特性データを記憶手段130に登録するようになっている。このとき、最大作用時間については、作用持続時間から自動的に概略値を演算すると共に、吸収曲線については、簡単なモデル式を利用して描画する。なお、単発製剤登録部1110により各種類の単発IN製剤の作用持続時間を直接入力する場合において、その型の単発インスリン製剤により特定される作用持続時間の範囲外の作用時間を入力すると、製剤登録部110がエラーメッセージを表示し、正しい入力を求めるようになっている。なお、本実施の形態では、持続製剤(CSII)用の製剤登録部は設けていないが、単発製剤の場合と同様にして、予備シミュレーション部100の製剤登録部110の持続製剤情報登録部120に対応して設けてもよい。
図8に示すように、血糖値情報入力部は、血糖値測定時刻設定部1321と、変更前測定血糖値入力部1322と、変更後測定血糖値入力部1323と、サンプリング用血糖値表示部1324と、HbA1c表示部1326と、目標血糖値範囲設定部1381とを含む。血糖値測定時刻設定部1321は、前記血糖値入力・演算部320の血糖値測定時刻入力手段321に対応して設けられ、使用者が、直接入力、1時間単位の時間入力を可能にするスピンボタン入力、血糖値測定時刻を30分単位で入力できるリストボックス入力等により、任意の時刻を設定自在となっている。図8では、血糖値測定時刻設定部1321は、1日8回までの時刻設定を行えるよう、8つの時刻設定部を有している(図8では「7(時)」、「10(時)」、「13(時)」、「15(時)」、「18(時)」、「22(時)」、「24(時)」、「3(時)」を表示)。そして、使用者が血糖値測定時刻設定部1211の各時刻設定部に所望の時刻を選択入力することにより、前記血糖値測定時刻入力手段321が各時刻設定部に対応して投与時刻を設定する。変更前測定血糖値入力部1322は、前記血糖値入力・演算部320の変更前測定血糖値入力手段322に対応して設けられている。変更前測定血糖値入力部1322は、3日間(1日目(Day1)、2日目(Day2)及び3日目(Day3))の測定血糖値入力欄を有している。そして、使用者が、直接入力等により、変更前測定血糖値入力部1322の各日付の各測定血糖値入力欄における各測定時刻部分に任意の数値を入力することにより、前記変更前測定血糖入力手段322が、各測定日の各測定時刻に対応して、その入力数値を出力するようになっている。また、変更後測定血糖値入力部1323は、変更前測定血糖値入力部1322と同様、血糖値入力・演算部320の変更後測定血糖値入力手段323に対応して設けられ、3日間(4日目(Day4)、5日目(Day5)及び6日目(Day6))の測定血糖値入力欄を有している。そして、使用者が、直接入力等により、変更後測定血糖値入力部1323の各日付の各測定血糖値入力欄における各測定時刻部分に任意の数値を入力することにより、前記変更後測定血糖入力手段323が、各測定日の各測定時刻に対応して、その入力数値を出力するようになっている。即ち、本実施の形態では、製剤の投与条件変更前において、変更前測定血糖値入力部1322を使用して最高3日間(1日目〜3日目)の実測血糖値を入力すると共に、製剤の投与条件変更後において、変更後測定血糖値入力部1323を使用して最高3日間(4日目〜6日目)の実測血糖値を入力する。
図10に示すように、入力データ表示部1510は、前記補助部500の投薬支援データ記録手段510に対応して設けられる。入力データ表示部1510は、前記投与条件入力部(図7)の入力データと、血糖値情報入力部(図8)の入力データとを、それらの表示態様に準じた態様で表示する。即ち、入力データ表示部1510は、インスリン製剤の変更前投与条件に関する入力データをテキスト表示する表示部1511と、インスリン製剤の新規投与条件に関する入力データをテキスト表示する表示部1512と、投与条件変更前の血糖値情報をテキスト表示する表示部1513と、新規投与条件における血糖値情報をテキスト表示する表示部1514とを有している。そして、前記入力データ表示部1510の記録データに基づき、図7に示す設定値繰上部(「Tomorrow」ボタン)1512または設定値繰下部(「Back」ボタン)1513を介して、設定値繰上手段512または設定値繰下手段513が機能を実現する。なお、設定値繰上手段512または設定値繰下手段513の各機能では、所定の記憶領域に設定情報を仮記憶し、その借り記憶した設定情報を、繰上げまたは繰下げする際に抽出するようにしてもよい。
次に、本実施の形態の投薬支援装置の投薬支援プログラム処理の流れについて説明する。本投薬支援プログラムは、コンピュータ装置の補助記憶装置(HDD)等に格納される。そして、コンピュータ装置が、本投薬支援プログラムをRAM等の記憶装置に適宜読み込み、CPUの制御下、その処理を実行する。
図11は一般的な各型のインスリン製剤のインスリン分泌パターン(インスリン流入曲線)を、健常者のインスリン分泌パターン及び血糖値パターンと共に示すグラフである。図12はインスリン製剤によるインスリン流入曲線の重なりを模式的に示すグラフである。図13は本発明の一実施の形態に係る投薬支援装置の投薬支援プログラムの全体処理を示すフローチャートである。
本投薬支援プログラムについて説明する前に、投薬支援の前提としてのインスリン分泌と血糖値との関係、並びに、一般的な各型のインスリン製剤のインスリン吸収特性について説明する。まず、健常者のインスリン分泌は、図11中に破線で示すような略一定量の基礎分泌と、実線で示すような追加分泌とからなる。また、健常者の血糖値は、各食後において上昇するカーブを描く。そして、これに対応して、健常者のすい臓からインスリンが追加分泌され、血糖値が一定の正常範囲に減少する。また、前記単発インスリン製剤は、各型に応じて、図11に示すようなインスリン流入曲線を描く。例えば、超速効型インスリン製剤は、前記追加分泌に相当するようなインスリン吸収特性を有する。また、混合型インスリン製剤は、速効型インスリン製剤のインスリン吸収特性と中間型インスリン製剤のインスリン吸収特性とを、その混合割合に応じて積算したようなインスリン吸収特性を有する。そして、インスリン療法においては、糖尿病患者に対して、前記健常者のインスリン分泌と近似したインスリン分泌となるよう、各食前等の所定時間に、所定の型のインスリン製剤を所定量投与する。したがって、各型のインスリン製剤の組み合わせに応じて、それらのインスリン流入曲線を時系列で積算した形のインスリン流入曲線が得られる。
易ではない。かかる課題を解決するため、本投薬支援プログラムは、コンピュータを使用して、以下の処理(手順)を上記投薬支援装置に実行させることにより、総インスリン流入曲線をシミュレーションによりグラフ表示すると共に、その結果として得られる血糖値パターンをシミュレーションによりグラフ表示する。
図14は図13の起動処理の詳細を示すフローチャートである。
図14に示すように、起動処理STEP100では、まず、自動的に使用者の認証画面がディスプレイに表示する。即ち、まず、STEP110で、投薬支援プログラムの使用者が、使用権限を有する使用者であるか否か、例えば、特定の医師のみに使用権限を付与した場合、医師であるか否かが判断される(使用者の認証)。例えば、ディスプレイには、使用者を識別するための文字列(以下、「ID」という。)を入力するための入力テキ
ストボックスと、パスワード入力用のテキストボックスとが表示される。そして、STEP110で、ID及びパスワード等により使用権限が認証されると、STEP120で、本投薬支援プログラムによる投薬シミュレーション処理を実行するか、或いは、製剤登録・変更・削除処理を行うかの確認メッセージが画面表示される、使用者の判断を促す。STEP120で、使用者が、投薬シミュレーション処理を実行することを選択した場合、STEP130で、前回の投薬シミュレーションを終了する直前の状態に復帰させるか否かの確認メッセージが画面表示され、使用者の判断を促す。STEP130で、使用者が、前回の投薬シミュレーションのデータを引き続き利用したい場合等、前回の終了直前の状態に復帰することを選択した場合、STEP140で、履歴データの取得処理が実行される。続いて、STEP500で、投薬シミュレーションの開始画面(前記入力画面)の準備処理が実行され、上記のように、STEP510で、入力画面がディスプレイに表示される。
図15は図14の製剤登録・変更・削除処理の詳細を示すフローチャートである。
前記STEP120で、使用者が、製剤登録・変更・削除処理の実行を選択した場合、STEP200で、図15に示すような製剤登録・変更・削除処理が実行される。製剤登録・変更・削除処理では、まず、STEP210で、製剤登録・変更・削除用の操作画面がディスプレイに表示される。この操作画面を使用して、使用者は、STEP220の製剤新規登録処理、STEP290の製剤選択・特性データ変更処理及びSTEP300の製剤選択・データ削除処理を選択的に実行することができる。まず、使用者が、STEP220の製剤新規登録処理を選択すると、STEP230で、新規登録しようとするインスリン製剤が単発インスリン製剤であるか否かを確認するメッセージが画面表示される。使用者が、STEP230でYESを選択した場合、STEP240で、新規登録するインスリン製剤が混合型インスリン製剤であるか否かを確認するメッセージが画面表示される。使用者が、STEP240でYESを選択した場合、STEP250で、混合型単発インスリン製剤の選択処理が実行されると共に、その混合型インスリン製剤における製剤の混合比(例えば、速効型製剤と中間型との混合比)の登録処理が実行される。このとき、使用者が、混合型インスリン製剤における製剤の混合比を、所定の入力欄に入力すると、その混合型インスリン製剤に関連付けてその混合比が記憶及び登録される。なお、STEP230及びSTEP240では、確認メッセージを表示することなく、単発製剤、混合製剤及び持続製剤(CSII)のそれぞれのデータ登録部乃至データ入力部を入力画面に設け、使用者が、単発製剤、混合製剤及び持続製剤(CSII)のそれぞれのデータ登録部乃至データ入力部に直接データ入力をするようにしてもよい。
00の製剤選択・データ削除処理を使用して、STEP220〜STEP260で登録したインスリン製剤に関し、データ削除処理を行うことができる。この場合、使用者は、前記操作画面を使用して製剤選択・特性データ削除処理を呼び出し、削除したいインスリン製剤を選択し、選択したインスリン製剤の特性データを削除する。なお、使用者は、前記単発製剤情報登録部110及び持続製剤情報登録部120を使用して、以上の製剤登録・変更・削除処理を行うことができ、登録・変更・削除内容は、それぞれ、前記記憶手段130の単発製剤特性データ記憶領域及び持続製剤特性データ記憶領域の内容に反映される。
図16は図14の患者情報初期化処理の詳細を示すフローチャートである。
前記起動処理のSTEP130がNOの場合、STEP400で、図15に示すような患者情報初期化処理が実行される。この場合、まず、STEP410で、本投薬支援プログラムは、患者情報(氏名、住所、年齢、性別、通院歴、病歴、投薬歴等)に関する履歴データの記憶領域を検索し、患者情報に関する履歴データの有無を判断する。STEP410で履歴データがないと判断された場合、例えば、本投薬支援プログラムを使用して初めて投薬シミュレーションを行う患者の場合、STEP420で、使用者は、患者情報初期化処理用の操作画面を使用して、患者情報作成用のデータ(患者データ)、即ち、患者の氏名等を入力する。次に、STEP430で、入力した患者データの有効性が判断される。入力データが有効な場合、STEP440で、入力した患者データに基づき、履歴データが作成される。一方、STEP430で、入力データが有効でないと判断された場合、STEP470で、エラーメッセージが表示され、使用者に注意及び患者データの再入力を促す。一方、STEP410で、患者情報の履歴データがあると判断された場合、STEP450で、使用者は、以前の患者情報の履歴データの中から、初期表示として表示させたい患者データを選択する。すると、STEP460で、使用者が選択した患者データを参照して、履歴データの記憶領域から履歴データが取得される。最後に、STEP440またはSTEP460のいずれか一方の処理終了後、STEP480で、デフォルトデータが準備され、患者情報初期化処理が終了する。
図17は図13の変更前・変更後各製剤投与条件入力処理の詳細を示すフローチャートである。
STEP600の変更前・変更後各製剤投与条件入力処理は、例えば、図7の入力画面を使用して実行することができる。図17に示すように、STEP600の変更前・変更後各製剤投与条件入力処理では、まず、STEP610で、前記記憶手段130(図1)の単発製剤特性データ記憶領域に登録された各単発インスリン製剤の作用時間を変更するか否かについて、確認メッセージが画面表示される。そして、使用者は、単発インスリン製剤の作用時間を変更する必要があるか否か判断する。即ち、前記STEP200の製剤登録・変更・削除処理で登録した各単発インスリン製剤の作用時間は、個体差を考慮しない一般的なケースにおける作用時間である一方、患者の身体的特徴(体格、身長、体重等)や年齢等の個体差に応じて、単発インスリン製剤の実際の作用時間や効き具合は異なる。よって、医師等の使用者は、患者の個体差を考慮して、その患者に対する単発インスリン製剤の作用時間(効き具合)を調整する必要があるか否か判断する。STEP610がYESの場合、STEP620で、使用者は、単発インスリン製剤の作用時間の入力または変更処理を実行する。ここで、上記のように、単発インスリン製剤については、製剤登録部110(図7)において、超速効型等の各型に応じたそれぞれの作用持続時間が予め設定され、記憶手段130の単発製剤特性データ記憶領域に記憶されている。例えば、デフォルトの作用持続時間として、超速効型(Short)は3時間、速効型(Regular)は5時間、中間型(NPH)は14時間、持続型(Long)は26時間というように設定されている。よって、使用者は、製剤登録部110(図7)のスピンボタン等を使用して、患者の個体差に応じて、必要な単発インスリン製剤の作用持続時間を増減変更する。
まず、時間をt、最大作用時間をp、作用持続時間を(p+q)、未知の係数をAとBとすると、皮下からのインスリン流入速度(y)は、
(−p<=t<=0) y=A(t−p)(t+p) ―――(1)
(0<=t<=q) y=B(t−q)(t+q) ―――(2)
と表わすことができる(図18)。
この二つの非対称性放物線は共通する変曲点を有しており、これを(0,H)とすると、上記の(1)、(2)に(0,H)を代入して、
H=−Ap2―――(3)
H=−Bq2―――(4)
が得られる。
吸収されたインスリン量(s)は、y>0部分の面積の総和に相当するので、
s=−2(Ap3+Bq3)/3 ―――(5)
と表わすことができる。
未知数A、B、Hは連立方程式(3)〜(5)の解として得られる。
A=−3s/〔2p2(p+q)〕
B=−3s/〔2q2(p+q)〕
H=3s/〔(p+q)〕
即ち、投与インスリン量sと最大作用時間p並びに作用持続時間(p+q)によって、インスリン流入曲線yを表わすことができる。
ここで、作用発現時間がiへずれると、インスリン流入速度I(t)は、次式のように表される(図19)。
(i<=t<=i+p) I(t)=A(t−i)〔t−(i+2p)〕
(i+p<=t<=i+p+q) I(t)=B〔t-(i+p−q)〕〔t−(i+p+q)〕
図20は図17の投与条件変更前後インスリン流入量・差分演算処理の詳細を示すフローチャートである。
図20に示すように、STEP800の投与条件変更前後インスリン流入量・差分演算処理では、STEP810〜STEP830の処理とSTEP840〜STEP860の処理とが平行処理される。まず、STEP810では、前記製剤毎単位時間流入量演算手段232が、STEP640で取得したインスリン製剤毎の投与時刻データとSTEP650で取得したインスリン製剤毎の特性データ(インスリン流入曲線等)とSTEP660で取得したインスリン製剤毎の投与量データとに基づき、投与条件変更前のインスリン製剤投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン流入量(単位時間IN流入量)を、投与したインスリン製剤毎に演算する。続いて、前記単位時間総IN流入量演算手段233が、製剤毎に演算した単位時間IN流入量(製剤毎単位時間IN流入量)に基づき、STEP820で、投与条件変更前において一定単位時間内に個体の血中へ流入する総インスリン流入量(単位時間総IN流入量)を演算する。更に、前記単位時間総IN流入量演算手段233は、STEP830で、前記単位時間毎に演算した単位時間総IN流入量に基づき、投与条件変更前における総インスリン流入量の時系列データ(変更前IN流入量時系列データ)を作成する。一方、STEP840では、前記製剤毎単位時間流入量演算手段242が、STEP640で取得した製剤毎の投与時刻データとSTEP670で取得した製剤毎の特性データ(インスリン流入曲線等)とSTEP680で取得した製剤毎の投与量データとに基づき、投与条件変更後のインスリン製剤投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン流入量(単位時間IN流入量)を、投与したインスリン製剤毎に演算する。続いて、前記単位時間総IN流入量演算手段243が、製剤毎に演算した単位時間IN流入量(製剤毎単位時間IN流入量)に基づき、STEP850で、投与条件変更後において一定単位時間内に個体の血中へ流入する総インスリン流入量(単位時間総IN流入量)を演算する。更に、前記単位時間総IN流入量演算手段243は、STEP860で、前記単位時間毎に演算した単位時間総IN流入量に基づき、投与条件変更後における総インスリン流入量の時系列データ(変更後IN流入量時系列データ)を作成する。
図21は図13の条件変更前後血糖値情報入力処理の詳細を示すフローチャートである。
図21に示すように、STEP1000の条件変更前後血糖値情報入力処理では、まず、STEP1010で、使用者は、前記血糖値測定時刻入力部1321を使用して血糖値測定時刻を入力する。すると、血糖値測定時刻入力手段321が、その測定時刻データを前記記憶手段340のサンプリング用血糖値データ記憶領域343に出力して格納する。続いて、STEP1020で、使用者は、前記変更前測定血糖値入力部1322を使用して、投与条件変更前の実測血糖値を入力する。次に、STEP1030で、投与条件変更後の実測血糖値がある場合、使用者は、STEP1040で、変更後測定血糖値入力部1323を使用して、投与条件変更後の実測血糖値を入力する。次に、STEP1050で、本投薬支援プログラムにより、STEP1030及びSTEP1040の各入力データの有効性が判断される。入力データが有効な場合、前記変更前測定血糖値入力手段322が、その実測血糖値データを記憶手段340のサンプリング用血糖値データ記憶領域343に出力して格納すると共に、前記変更後測定血糖値入力手段323が、その実測血糖値データを記憶手段340のサンプリング用血糖値データ記憶領域343に出力して格納する。入力データが有効でない場合(例えば、入力血糖値が異常に高い場合等)、STEP1070でエラーメッセージが画面表示され、使用者の再入力を促す。
図22は図21のサンプリング用血糖値演算処理の詳細を示すフローチャートである。
図22に示すように、STEP1100のサンプリング用血糖値演算処理では、STEP1110で、前記サンプリング用血糖値演算手段324が、まず、投与条件変更前の実測血糖値データが2日間以上入力されているか否か判断する。実測血糖値データが2日間以上入力されていない場合、STEP1150で、エラーメッセージが画面表示され、使用者に入力を促す。即ち、サンプリング用血糖値演算処理では、少なくとも、実測血糖値データが2日間以上入力されていることが必須条件となる。STEP1110で、実測血糖値データが2日間以上入力されていると判断した場合、更に、サンプリング用血糖値演算手段324は、STEP1120で、投与条件変更前の実測血糖値データが3日間以上入力されているか否か判断する。実測血糖値データが3日間以上入力されていると判断した場合、STEP1130で、糖毒性解除過程判別手段325により、シミュレーション対象の患者が、現在、糖毒性解除過程にあるか否かが判断される。例えば、糖毒性解除過程判別手段325は、図9の糖毒性解除過程選択部1325にチェックが入れてある場合、シミュレーション対象の患者が、現在、糖毒性解除過程にあると判断し、チェックが入れてない場合、シミュレーション対象の患者が、現在、糖毒性解除過程にないと判断する。そして、糖毒性解除過程判別手段325は、その判断結果をサンプリング用血糖値演算手段1324に出力する。すると、サンプリング用血糖値演算手段1324は、患者が糖毒性解除過程にある場合、STEP1140で、投与条件変更前の各測定時刻におけるサンプリング用血糖値を、Pearson線形分析法等の相関演算を用いて演算する。即ち、サンプリング用血糖値演算手段1324は、STEP1120で入力された3日間以上(n日間)の血糖値データに基づき、第1日目〜第n日目の各同一測定時刻における血糖値の相関値を、将来の同一時刻における予測血糖値(サンプリング用血糖値)として演算する。一方、サンプリング用血糖値演算手段1324は、患者が糖毒性解除過程にない場合、STEP1160で、投与条件変更前の各測定時刻における平均値を、サンプリング用血糖値として演算する。即ち、サンプリング用血糖値演算手段1324は、STEP1120で入力された3日間以上の血糖値データに基づき、第1日目〜第n日目の各同一測定時刻における血糖値の平均値を、将来の同一時刻における予測血糖値(サンプリング用血糖値)として演算する。なお、STEP1130で実測血糖値が3日間以上入力されていない場合、即ち、2日間のみ入力されている場合も、STEP1160へと進み、各測定時刻における血糖値の平均値がサンプリング用血糖値として演算される。
図23は図21のHbA1c演算処理の詳細を示すフローチャートである。
図23に示すように、STEP1200のHbA1c演算処理では、まず、STEP1210で、前記HbA1c演算手段326が、前記STEP1140またはSTEP1160で演算した投与条件変更前のサンプリング用血糖値データ(朝血糖値、昼血糖値、夕血糖値、就寝前血糖値)を取得し、STEP1220で、新規投与条件下の各測定時刻における血糖予測値データ(朝血糖値、昼血糖値、夕血糖値、就寝前血糖値)を前記血糖予測値記憶手段470から取得する。次に、STEP1230で、HbA1c演算手段326は、取得した血糖値データが十分か否かを判断し、十分な場合には、STEP1240で、以下の式を用いてHbA1c演算処理を実行する。
HbA1c=((朝血糖値+昼血糖値*2+夕血糖値+就寝前血糖値*2)*4/6+300)/125
即ち、図8に示すように、投与条件変更前のサンプリング用血糖値が、朝血糖値=153、昼血糖値=250、夕血糖値=214、就寝前血糖値=199の場合、
HbA1c=((153+250*2+214+199*2)*4/6+300)/125≒9.2となり、
新規投与条件下の血糖予測値が、朝血糖値=153、昼血糖値=195、夕血糖値=154、就寝前血糖値=149の場合、
HbA1c=((153+195*2+154+149*2)*4/6+300)/125≒7.7となる。
HbA1c=((朝血糖値+昼血糖値*2+夕血糖値+昼血糖値*2)*4/6+300)/125
この演算式は以下のように表すこともできる。
HbA1c=((朝血糖値+昼血糖値*4+夕血糖値)*4/6+300)/125
この場合、HbA1c演算において就寝前血糖値を昼血糖値で代用するため、就寝前血糖値の測定または予測演算が不要となる。
なお、上記演算式は、各回の血糖値に重み付け、即ち、昼血糖値及び就寝前血糖値を朝血糖値及び夕血糖値の2倍に重み付けし、合計6回の食事を摂取したことにして、それらの血糖値の合計値を食事数の「6」で除算することにより、各回の食事前の血糖値の平均値(各回食事の平均血糖値)を算出し、その各回食事の平均血糖値に定数(4/125)を乗算すると共に、定数(300/125)を加算した演算式となっている。即ち、上記演算式は以下のように表すことができる。
Y=ax+b
ここで、YはHbA1c、aは定数(4/125=0.032)、xは各回食事の平均血糖値(朝血糖値+昼血糖値*2+夕血糖値+就寝前血糖値(または昼血糖値)*2)/6)、bは定数(300/125=2.4)。
このように、HbA1cは各回食事の平均血糖値と一次相関を有すると定義することができる。
また、HbA1c演算手段326は、STEP1240で、x(各回食事の平均血糖値)として、上記演算式の代わりに以下の演算式を用いてもよい。
各回食事の平均血糖値=朝血糖値+昼血糖値+夕血糖値+就寝前血糖値(または昼血糖値)/4
この場合、各回の血糖値に重み付けすることなく、各回の血糖値を単純に等分して平均血糖値を算出することになる。
定数a:
2/125(0.016)<=a<=6/125(0.048)
なお、好ましくは、定数aの値は、以下の範囲とする。
3/125(0.024)<=a<=5/125(0.040)
更に好ましくは、定数aの値は、以下の範囲とする。
7/250(0.028)<=a<=9/250(0.036)
定数b:
175/125(1.4)<=b<=425/125(3.4)
なお、好ましくは、定数bの値は、以下の範囲とする。
225/125(1.8)<=b<=375/125(3.0)
更に好ましくは、定数bの値は、以下の範囲とする。
275/125(2.2)<=b<=325/125(2.6)
そして、これらのHbA1cデータは、前記HbA1c表示部1326に表示される。
なお、STEP1230でデータが十分でないと判断された場合、STEP1250で、エラーメッセージが画面表示され、使用者にデータの再入力を促したり、或いは、そのまま処理を終了したりする。
図24は図12のインスリン感受性情報演算処理の詳細を示すフローチャートである。
図24に示すように、STEP1300のインスリン感受性情報演算処理では、まず、STEP1310で、前記変更前後血糖値差分解析手段331が、記憶手段340のサンプリング用血糖値データ記憶領域341から、投与条件変更前のサンプリング用血糖値データを取得し、続けて、STEP1320で投与条件変更後のサンプリング用血糖値データを取得する。次に、変更前後血糖値差分解析手段331は、STEP1330で、投与条件変更前のサンプリング用血糖値データと投与条件変更後のサンプリング用血糖値データとの差分を演算し、STEP1340で、その変更前後差分解析データを対応メモリとしての記憶手段340の変更前後血糖値差分解析データ記憶領域342に出力して格納する。次に、STEP1350で、前記サンプリング部350が、午前サンプリング手段351または全日サンプリング手段352により、記憶手段340から変更前後IN流入量差分解析データを取得し、STEP1360で、その変更前後IN流入量差分解析データと前記変更前後血糖値差分解析データとに基づき、投与条件変更前後のインスリン感受性データを演算する。サンプリング部350は、STEP1370で、演算結果であるインスリン感受性データを、対応メモリとしての記憶手段370のインスリン感受性データ記憶領域371に出力して格納する。
図25は図13の新規製剤投与条件入力処理の詳細を示すフローチャートである。
図25に示すように、STEP1400の新規製剤投与条件入力処理では、まず、STEP1410で、使用者が、例えば、前記変更後投与条件入力部1220を使用して、新規製剤投与条件を入力する。この場合、変更後投与条件入力部1220は、新規投与条件入力部として兼用される。このSTEP1410は、前記新規単発製剤投与条件入力手段411及び新規持続製剤投与条件入力手段412により、前記STEP600の変更前・変更後各製剤投与条件入力処理のSTEP640〜STEP680と同様にして実行される。すると、新規単発製剤投与条件入力手段411及び新規持続製剤投与条件入力手段412が、それぞれの投与条件データ(投与時刻、製剤種類、投与量等)を互いに関連付けて新規製剤毎単位時間流入量演算手段431に出力する。即ち、新規投与条件下、各投与時刻について、単発製剤毎の投与量データと持続製剤の投与量データとが、新規製剤毎単位時間流入量演算手段431に出力される。次に、STEP1410で入力したデータの有効性を、STEP1420で判断する。入力データが有効な場合、STEP1430で、入力データを対応メモリに格納する。一方、入力データが無効である場合(例えば、投与量が通常設定値より異常に高い場合等)、STEP1490で、エラーメッセージを画面表示し、使用者の再入力を促す。
図26は図13の経口摂取情報入力処理の詳細を示すフローチャートである。
図26に示すように、STEP1500の経口摂取情報入力処理では、まず、STEP1510で、食事や間食の時間(時刻)が入力される。なお、図8に示すように、食事及び間食の時間は、前記血糖値測定時刻入力部1321を使用して設定した血糖値測定時刻と兼用されるが、別個の食事・間食時間入力部を設けて、別個に入力するようにしても良い。次に、使用者が、STEP1520で、前記各回食事量入力部1422を使用して各回の食事量を入力し、STEP1530で、前記各回間食種類・カロリー入力部1423を使用して各回の間食の種類・カロリーを入力すると、STEP1540で、入力データの有効性が判断される。入力データが有効な場合、STEP1550で、その入力データが対応メモリに格納される一方、入力データが無効な場合、STEP1580でエラーメッセージが表示され、使用者に再入力等を促す。次に、STEP1560では、前記経口摂取量変換手段442が、前記入力データを取得し、前記食事・血糖値変換テーブル452を参照して、経口摂取量変換演算処理を実行し、STEP1570で、経口摂取量変換データを作成する。この経口摂取量変換データは、前記記憶手段450の経口摂取量変換データ記憶領域453に格納される。
図27は図13の新規血糖値予測演算処理の詳細を示すフローチャートである。
図27に示すように、STEP1600の新規血糖値予測演算処理では、まず、STEP1610で、前記新規血糖値予測演算手段461が、記憶手段370からインスリン感受性データを取得する。ここで、STEP1000の条件変更前後血糖値情報入力処理で述べたように、実測血糖値がない等の理由により、使用者が、STEP1060で、デフォルトIR選択部1362を使用し、患者の個体差を考慮して最適なデフォルトIRを選択した場合、新規血糖値予測演算手段461は、そのデフォルトIRデータを記憶手段370から取得する。次に、STEP1620で、新規血糖値予測演算手段461は、記憶手段450から新規インスリン流入量時系列データを取得する。次に、STEP1630で、新規血糖値予測演算手段461は、記憶手段450から経口摂取量変更データを取得する。そして、新規血糖値予測演算手段461は、STEP1640で、新規IN流入量時系列データと、経口摂取量変換データと、インスリン感受性データとに基づき、新規投与条件下における予測血糖値(新規血糖値)を予測演算する。その後、新規血糖値予測演算手段461は、演算結果の血糖予測値データを、対応メモリとしての前記血糖予測値データ記憶手段470に出力して格納する。
ここで、インスリン製剤を必要とする2型糖尿病患者の場合、内因性インスリン分泌の分泌量は推測が困難である。更に、個体の血中インスリン濃度を実測したとしても、インスリン濃度とインスリン効果(血糖値低下)とが正比例するわけではない。一方、内因性インスリン分泌の分泌量には日差変動が少ないことが知られている。また、インスリン製剤投与による外来性インスリンの血中流入量は、本投薬支援プログラムを使用して上記のようにシミュレーション可能である。これらの点に着目して、本実施の形態では、インスリン製剤の投与条件変更前後で、個体の血中に流入するインスリン量の差分解析(サブトラクション)を行う。すると、内因性インスリン分泌は相殺されて、インスリン投与量(外来性インスリン流入量)の差分のみが血糖値の差分に反映したとみなすことができる。本実施の形態では、この差分結果から、インスリン感受性(血糖値・インスリン比)を求め、その後のインスリン製剤の投与条件変更によって生じる血糖値の変動を予測することが可能となる。まず、差分解析では、投与条件変更前後における内因性インスリン量をAとし、投与条件変更前におけるインスリン製剤投与による外来性インスリン量をB1とすると共に、投与条件変更後におけるインスリン製剤投与による外来性インスリン量をB2とすると、投与条件変更前後におけるインスリン量の差分解析は、次式のようになり、内因性インスリン量は差分演算により相殺されて、外来性インスリン量のみが、血糖値低下に反映したとみなすことができる。
(1) A+B1
(2) A+B2
(1)−(2)=B1−B2
図28に基づき、上記投薬支援プログラムの各処理についてより具体的に説明する。通常、インスリン療法において、インスリン製剤は1日2〜4回皮下注射されるが、例えば、1日7回のインスリン製剤を皮下注射する場合を想定する。また、インスリン製剤として、投与条件変更前は、A,B,C,D,E,F,Gという7つのインスリン製剤を使用すると共に、投与条件変更後は、H,I,J,K,L,M,Nという7つのインスリン製剤を使用し、かつ、特定の時間帯をt1〜tnの数の単位時間に区分した場合において、前記インスリン製剤A〜G,H〜Nによる外来性インスリンが、前記特定時間帯の多数の単位時間(t1〜tn)の各々において個体の血中に流入すると想定する。
記憶手段340に格納する。ここで、BS1は、変更前投与条件下における第1回目(7時)の測定血糖値、BS8は、変更前投与条件下における第8回目(翌日の3時)の測定血糖値を示す。同様に、変更後測定血糖値入力手段323から入力された投与条件変更後の複数日にわたる測定血糖値に基づき、サンプリング用血糖値演算手段324が、測定時刻毎の平均値演算またはPearson線形分析法等による相関演算により得た予測値(BS9,BS10,BS11,BS12,BS13,BS14,BS15,BS16)を、変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段340に格納する。ここで、BS9は、変更前投与条件下における第1回目(7時)の測定血糖値、BS16は、変更前投与条件下における第8回目(翌日の3時)の測定血糖値を示す。
ータとして演算される。よって、変更前投与条件を前記変更後投与条件から更に新規投与条件へと変更した場合において、特定時間帯の開始時t1から終了時tnまでに、インスリン流入量が、四角(□)の位置から三角(△)の位置まで第2の量X2(図28中の破線A〜Gと一点鎖線O〜Uとの間の面積に相当する量)だけ上昇した場合、新規血糖値予測演算手段461は、前記感受性データ(Y1/X1)に基づき、血糖予測値を演算する。即ち、変更前投与条件と変更後投与条件間でのインスリン流入量の差分と血糖値の差分との比である感受性データ(Y1/X1)は、変更前投与条件と新規投与条件間でのインスリン流入量の差分と血糖値の差分との比である感受性データ(Y2/X2)と同一値となる。よって、新規血糖値予測演算手段461は、Y2/X2=Y1/X1からY2の値を求め(Y2=X2*Y1/X2)、変更前投与条件下での血糖値からY2を減算して、新規投与条件下での血糖予測値を求める。この血糖値予測演算によれば、図28(b)中、血糖値が、四角(□)の位置の値から三角(△)の位置の値まで第2の量Y2だけ低下することになる。
本実施の形態に係る投薬支援装置及び投薬支援プログラムによれば、インスリン作用をコンピュータ画面上でシミュレーションすることができる。ここで、上記のように、インスリン作用持続時間は個人差が大きく、その作用の途絶や重なりを予測することは、専門医にとって重要な仕事の一つであるが、時としてそれは困難な作業となる。本実施の形態に係る投薬支援装置及び投薬支援プログラムは、インスリン作用の予測を簡易に行うことができ、特にインスリン強化療法が推奨され、作用時間の異なる新規のインスリン製剤が登場しつつある昨今の状況から見ても非常に有用なものとなる。即ち、本実施の形態に係る投薬支援装置及び投薬支援プログラムによれば、コンピュータ画面上でインスリン作用の重なりをシミュレーションすることができ、インスリン製剤の変更に伴うインスリン流入量の変化と血糖値の変化とを関連付けた値を、インスリン感受性の指標としてサンプリングすることにより、その後のインスリン製剤変更に伴う血糖値の変化を簡単に予測することができる。こうすることにより、より適切なインスリン製剤や投与量の選択を容易に行うことができる。
ところで、本発明は、上記実施の形態に係るインスリン製剤の投薬支援装置及び投薬支援プログラムとして具体化する以外に、インスリン製剤以外の製剤の投薬支援装置及び投薬支援プログラムとして具体化することもできる。また、上記実施の形態の投薬支援プログラムは、現存のインスリン製剤以外のインスリン製剤についても対応することができる。例えば、超速効型インスリン製剤と中間型インスリン製剤とを所定の混合率(例えば、3対7の割合)で混合した混合型インスリン製剤が現在開発中であるが、この場合も、インスリン吸収特性(インスリン流入曲線)は、上記と同様、各インスリン製剤の吸収特性を加算したものとなるため、上記実施の形態の投薬支援プログラムにより上記と同様にしてシミュレーションを行うことができる。なお、この場合も、糖尿病治療の専門知識を有する医師が、診察所見により、患者の個体差を考慮して、適当と思われるデフォルト値(作用持続時間等)を選択入力することができる。更に、本発明は、以下のように実施することもできる。
本発明は、上記投薬支援プログラムの一部の処理(モジュール)について具体化することもできる。例えば、前記STEP1300のインスリン感受性情報演算処理や、STEP1200のHbA1c演算処理等に具体化することもできる。更に、上記実施の形態では、変更前投与条件入力部210と、変更後投与条件入力部220と、新規投与条件入力部410とを別個に設けているが、これらを単一の投与条件入力部により兼用してもよい。この場合、単一の投与条件入力部に、異なる入力パラメータ(投与時刻、製剤種類等)、即ち、投与条件変更前のパラメータ、投与条件変更後のパラメータまたは新規投与条件下のパラメータを入力することになる。同様に、上記実施の形態では、変更前IN流入量SIM部230と、変更後IN流入量SIM部240と、新規IN流入量SIM部430とを別個に設けているが、これらを単一のIN流入量SIM部により兼用してもよい。この場合、単一のIN流入量SIM部が、異なる入力パラメータ(投与時刻、製剤種類等)、即ち、投与条件変更前のパラメータ、投与条件変更後のパラメータまたは新規投与条件下のパラメータに基づき、変更前IN流入量時系列データ、変更後IN流入量時系列データまたは新規IN流入量時系列データを出力することになる。
更にまた、本発明は、インスリン流入量推移グラフの任意の位置をカーソルによりドラッグして、インスリン流入曲線を変形させることにより、その変更を前記新規IN流入量時系列データに反映するように構成することもできる。この場合、前記新規血糖値予測演算手段461が、自動的に、その変更インスリン量を反映して血糖予測値を演算し、新たな血糖値推移グラフを描画するように構成することもできる。この場合、新規投与条件下における新規血糖値の予測を一層簡単に行うことができる。一方、血糖値推移グラフの任意の位置をカーソルによりドラッグして、インスリン流入曲線を変形させることにより、その変更を前記サンプリング用血糖値データに反映するように構成することもできる。この場合、前記新規IN流入量SIM部430が、自動的に、その変更血糖値を反映して、その血糖値変更のために必要な新規IN流入量時系列データを演算し、新たなインスリン流入推移グラフを描画するように構成することもできる。同時に、そのようなインスリン流入推移グラフ(インスリン流入曲線)を得るために必要な新規投与条件を演算し、その新規投与条件に対応するよう、インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量を表示するよう構成することもできる。この場合、望ましい血糖値とするために、新規投与条件をどのようにすればよいか、即ち、どの時刻にどの種類のインスリン製剤をどれだけの投与量だけ投与すればよいかを、一層容易に把握することができる。
また、インスリン治療中の患者では、治療効果を高めるため、適切な時間に食事・捕食をすることが必要であるため、前記経口摂取量入力部420に、食事療法の遵守の程度を定期的にチェックするための構成を追加することもできる。更に、食事時間を変更したり、食事量を変更したりした場合等の影響を予測をするための構成を追加することもできる。即ち、経口摂取量入力部420の入力結果より、1日の指示単位を増減する等の「食事指示」が必要な場合には、メッセージ表示等で患者に指示を促すよう構成することもできる。加えて、食品をカロリー換算する場合の患者の負担や、統合医療(西洋医学を含めて、伝統医療、代替医療等の様々な医療体系や医療手法乃至技術を、患者の価値観や精神的・社会的要因に十分配慮して個々の最適な形で組み合わせて提供する医療)の観点から、治療における医師と患者の協力のため、食事等の自己管理も患者自身が簡単に行えることが望ましい。そこで、前記各回食事・間食カロリー演算手段441のような手段により、食事・間食のメニューを入力するだけで自動的にカロリー換算する機能を持つよう構成することが好ましい。
更に、本発明に係る投薬支援プログラムは、上記インスリン療法用の投薬支援プログラム以外にも、製剤に対する個体の感受性データを抽出でき、かつ、その感受性データと製剤種類データ及び投与量データと製剤作用との間に相関関係が存在するような任意の製剤の投薬支援支援プログラムに具体化することができる。例えば、本発明は、メチリシン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療に用いられる抗生物質製剤であるバンコマイシン(VCM)の投薬支援プログラムに具体化することができる。この場合、バンコマイシンは、通常2〜3週間にわたって投与され、治療効果に優れる一方、レッドネック(red neck)症候群や腎障害等の副作用が報告されており、肝機能にも影響を与えるとの報告もある。このことから、バンコマイシンの使用に際しては、血中濃度モニタリング(TDM)を実施し、バンコマイシンの血中濃度が一定範囲となるよう、バンコマイシンを投与することが望ましいとされている。このとき、血中濃度モニタリングの目安としては、例えば、バンコマイシンの点滴(静脈注射)終了後1〜2時間後の採血による血中濃度ピーク値が25〜40μg/mlの範囲となり、採血による血中濃度トラフ値(次回製剤投与前の最低血中濃度)が10μg/ml未満となるよう、単位時間当たり投与量を調節乃至制御している。
また、上記実施の形態は、主に、2型糖尿病について説明してきたが、本発明は、1型糖尿病や、その他の特定の機序・疾患による糖尿病及び妊娠糖尿病にも適用することができる。なお、本発明をインスリンの基礎分泌が枯渇する1型糖尿病に適用する場合、インスリン分泌がゼロとなることを確実に防止するため、血糖値を24時間連続測定する連続モニタリング装置を使用したり、CSIIにより基礎分泌を確実に補完したりする等の手当てを講じる必要がある。
更に、本発明をインスリン製剤の投薬支援に適用する場合、以下のように、インスリン製剤が個別の個体に対して発揮するインスリン作用時間(個別作用時間)を予測する機能を実現するインスリン作用時間予測手段を設けてもよい。即ち、インスリン製剤は、上記のように、平均的個体に対する作用時間(作用発現時間、最大作用時間、作用持続時間)を有しているが、インスリン作用時間は、個人差が大きいため、これを個体差に応じて調節することが好ましい。こうすれば、個体毎に、より正確な血糖予測値のシミュレーションを行うことができる。この場合、まず、個別作用時間を、その個体の血糖値パターンから予測する。詳細には、特定のインスリン製剤の各個人に対する実際の作用持続時間は、そのインスリン製剤の平均的個体に対する作用持続時間(平均作用時間)と、個体毎に異なるインスリン感受性(またはインスリン抵抗性)とにより左右される。例えば、平均作用時間が12時間であるインスリン製剤(中間型単発製剤等)の場合、朝食前(例えば午前8時)にこのインスリン製剤を投与した場合、ある個体(個体A)に対しては8時間しか作用が持続しない(作用持続時間が4時間少なくなる)一方、別の個体(個体B)に対して16時間作用が持続する(作用持続時間が4時間多くなる)ことがある。この場合、個体A及び個体Bの血糖値パターンを見ると、経験則から、個体Aの場合、昼血糖値から朝血糖値と夕血糖値との平均血糖値((朝血糖値+夕血糖値)/2)を減算した値(持続時間減少時の変動値)が、前記平均血糖値より約10%以上少ない血糖値となり、個体Bの場合、昼血糖値から朝血糖値と夕血糖値との平均血糖値を減算した値(持続時間増加時の変動値)が、前記平均血糖値より約20%以上多い血糖値となることを、発明者は知得した。よって、IN作用時間予測手段は、平均作用時間Taが12時間のインスリン製剤について、個別作用時間としてのTiを、特定の個体の朝血糖値、昼血糖値及び夕血糖値に基づき、以下の演算式により演算するようにした。
(昼血糖値−平均血糖値)/平均血糖値<(平均血糖値*0.1) ⇒ Ti=8(時間)
(昼血糖値−平均血糖値)/平均血糖値>(平均血糖値*0.2) ⇒ Ti=16(時間)
図29において、x軸は平均作用時間が12時間のインスリン製剤投与時における中央血糖値の平均血糖値からの変動値を示し、y軸はインスリン製剤の個別作用時間を示す。この場合、IN作用時間予測手段は、個別作用時間が平均作用時間(12時間)以上であるか未満であるかにより、以下の2種類の演算式を使用して、インスリン製剤の個別作用時間yをそれぞれ演算する。
y>=12(時間) ⇒ y=√ax+b
y<12(時間) ⇒ y=√−2ax+b
ここで、a=80、x=(中央血糖値−平均血糖値)/平均血糖値、b=12
即ち、yが12(時間)以上のときは、axの平方根に定数bを加算してyを算出する。一方、yが12(時間)未満のときは、−2axの平方根に定数bを加算してyを算出する。そして、上記式を満足する放物線により、インスリン製剤の作用持続時間とそのインスリン製剤投与時の中央血糖値の平均血糖値からの変動値との相関関係を近似的に表し、インスリン製剤投与時の中央血糖値の平均血糖値からの変動値から、そのインスリン製剤の作用持続時間の予測値を算出することができる。
なお、上記演算式において、a及びbを以下の範囲としても、同様に、インスリン製剤の個別作用時間yを演算することができる。
60<=a<=100、8<=b<=16
例えば、平均作用時間がTa(例えば6時間)の速効型インスリン製剤や超速効型インスリン製剤の場合、IN作用時間予測手段は、始点血糖値として朝血糖値(例えば午前7時の血糖値)を取得し、終点血糖値として昼血糖値(例えば午後1時の血糖値)を取得し、中央血糖値として前記始点血糖値と終点血糖値との間の略中央時間帯における血糖値(例えば、午前10時の血糖値)を取得し、それらに基づいて変動値を演算すると共に、個別作用時間yを演算するようにする。
y>=Ta ⇒ y=√ax+b
y<Ta ⇒ y=√−2ax+b
ここで、100<=a<=180、x=(中央血糖値−平均血糖値)/平均血糖値、4<=b<=8
即ち、yがTa(時間)以上のときは、axの平方根に定数bを加算してyを算出する。一方、yがTa(時間)未満のときは、−2axの平方根に定数bを加算してyを算出する。
上記「5−2.IN流入曲線・・・」でも述べたように、好適または最適な血糖値推移グラフを得るべく、インスリン流入推移グラフ(インスリン流入曲線)を得るために必要な新規投与条件(インスリン療法案)を演算し、その新規投与条件に対応するインスリン製剤の投与時刻、種類、投与量等を演算して表示するよう構成することが好ましい。この観点から、本発明は、インスリン療法案提示手段を追加して設けている。詳細には、インスリン療法案提示手段は、上記インスリン感受性の値を演算または取得すると共に、サンプリング用血糖値を演算または取得し、それらの値に基づき、好ましいまたは最適なインスリン療法(インスリン投与条件)を演算して出力する機能を実現する。図30は本発明の一実施の形態に係る投薬支援プログラムのインスリン療法案提示手段で使用するランク付血糖値推移グラフである。図31は本発明の一実施の形態に係る投薬支援プログラムのインスリン療法案提示手段に機能を実現させるためのインスリン療法案演算処理の第1の処理例(結合子Dまで)を示すフローチャートである。図32は本発明の一実施の形態に係る投薬支援プログラムのインスリン療法案提示手段に機能を実現させるためのインスリン療法案演算処理の第1の処理例(結合子D以降)を示すフローチャートである。図33は本発明の一実施の形態に係る投薬支援プログラムのインスリン療法案演算処理の第1の処理例のインスリン投与条件候補演算処理を示すフローチャートである。
Claims (5)
- 個体の体内にインスリン製剤を投与する場合に前記インスリン製剤の投与をコンピュータにより支援する投薬支援プログラムであって、
製剤毎単位時間流入量演算手段により、個体について、投与条件変更前の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第1の手順と、
単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第1の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更前において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第2の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第2の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更前の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更前における総インスリン流入量の時系列データである変更前インスリン流入量時系列データを作成する第3の手順と、
前記製剤毎単位時間流入量演算手段により、前記個体について、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第4の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第4の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更後において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第5の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第5の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更後の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更後における総インスリン流入量の時系列データである変更後インスリン流入量時系列データを作成する第6の手順と、
変更前後インスリン流入量差分演算手段により、前記変更前インスリン流入量時系列データと前記変更後インスリン流入量時系列データとの差分を時系列で演算し、投与条件変更前と投与条件変更後における単位時間毎の総インスリン流入量の差分データを、変更前後インスリン流入量差分解析データとして、対応メモリとしての記憶手段の変更前後インスリン流入量差分解析データ格納領域に格納する第7の手順と、
サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更前の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第8の手順と、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更後の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第9の手順と、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記各測定時刻における前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データと前記変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとの差分データを算出し、変更前後血糖値差分解析データとして記憶手段に格納する第10の手順と、
サンプリング部により、前記変更前後インスリン流入量差分解析データと前記変更前後血糖値差分解析データとに基づき、特定時間帯における前記投与条件変更前と前記投与条件変更後との間での個体血中へのインスリン流入量の変化分がもたらした当該個体の血糖値の変化分を、それらの比であるインスリン感受性値として演算し、インスリン感受性データとして記憶手段に格納する第11の手順と、
インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記測定時刻毎の変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データの推移パターンを前記個体の血糖値推移パターンとして取得する血糖値推移パターン取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記第11の手順で前記記憶手段に格納した前記個体に固有のインスリン感受性データを取得する感受性データ取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、インスリンの投与回数・投与時刻を示すインスリン投与回数・時刻候補と、インスリン製剤種類を示す複数のインスリン製剤種類候補との全ての組合せからなる複数のインスリン投与条件候補を取得するインスリン投与条件候補取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記複数のインスリン投与条件候補から任意の一つのインスリン投与条件候補を選択し、当該選択した一つのインスリン投与条件候補について、特定の測定時刻の血糖値として目標とする血糖値である目標血糖値を所定の記憶領域から取得する目標血糖値取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記インスリン感受性値(X)と、前記特定の測定時刻における前記目標血糖値と前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値との間の差分(Y)と、前記特定の測定時刻より前の時刻において前記目標血糖値を満足するために必要なインスリン製剤投与量である目標インスリン流入量と前記投与条件変更前のインスリン流入量との差分(Z)との関係を示す演算式であるZ=Y/Xを使用して、前記差分(Z)を求め、前記差分(Z)と前記投与条件変更前のインスリン流入量とから、前記目標インスリン流入量を求める目標インスリン流入量手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする投薬支援プログラム。 - 個体の体内にインスリン製剤を投与する場合に前記インスリン製剤の投与をコンピュータにより支援する投薬支援プログラムであって、
投与時刻設定手段及び変更前製剤種類選択手段により、投与条件変更前のインスリン製剤の投与時刻及び各投与時刻におけるインスリン製剤の種類を対応メモリに記憶する第1の手順と、
変更前製剤投与量選択手段により、前記投与条件変更前のインスリン製剤の前記投与時刻毎の投与量を対応メモリに記憶する第2の手順と、
製剤毎特性取得手段により、前記投与条件変更前のインスリン製剤の前記投与時刻毎の種類に応じて当該インスリン製剤の個体血中へのインスリン流入曲線を記憶手段の製剤特性データ記憶領域から取得する第3の手順と、
前記投与時刻設定手段により記憶した前記投与時刻の各々について、変更後製剤種類選択手段により、投与条件変更後のインスリン製剤の種類を対応メモリに記憶する第4の手順と、
変更後製剤投与量選択手段により、前記投与条件変更後のインスリン製剤の前記投与時刻毎の投与量を対応メモリに記憶する第5の手順と、
製剤毎特性取得手段により、前記投与条件変更後のインスリン製剤の前記投与時刻毎の種類に応じて当該インスリン製剤の個体血中へのインスリン流入曲線を記憶手段の製剤特性データ記憶領域から取得する第6の手順と、
製剤毎単位時間流入量演算手段により、個体について、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更前の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第7の手順と、
単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第7の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更前において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第8の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第8の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更前の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更前における総インスリン流入量の時系列データである変更前インスリン流入量時系列データを作成する第9の手順と、
前記製剤毎単位時間流入量演算手段により、前記個体について、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記投与条件変更後の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第10の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第10の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、投与条件変更後において前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第11の手順と、
前記単位時間総インスリン流入量演算手段により、前記第11の手順で前記単位時間毎に演算した投与条件変更後の単位時間総インスリン流入量に基づき、投与条件変更後における総インスリン流入量の時系列データである変更後インスリン流入量時系列データを作成する第12の手順と、
変更前後インスリン流入量差分演算手段により、前記変更前インスリン流入量時系列データと前記変更後インスリン流入量時系列データとの差分を時系列で演算し、投与条件変更前と投与条件変更後における単位時間毎の総インスリン流入量の差分データを、変更前後インスリン流入量差分解析データとして、対応メモリとしての記憶手段の変更前後インスリン流入量差分解析データ格納領域に格納する第13の手順と、
サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更前の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第14の手順と、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記個体について、投与条件変更後の複数日にわたる測定時刻毎の測定血糖値の平均値演算または相関演算により得た予測値を、変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとして記憶手段に格納する第15の手順と、
前記サンプリング用血糖値演算手段により、前記各測定時刻における前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データと前記変更後投与条件下でのサンプリング用血糖値データとの差分データを算出し、変更前後血糖値差分解析データとして記憶手段に格納する第16の手順と、
サンプリング部により、前記変更前後インスリン流入量差分解析データと前記変更前後血糖値差分解析データとに基づき、特定時間帯における前記投与条件変更前と前記投与条件変更後との間での個体血中へのインスリン流入量の変化分がもたらした当該個体の血糖値の変化分を、それらの比であるインスリン感受性値として演算し、インスリン感受性データとして記憶手段に格納する第17の手順と、
インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記測定時刻毎の変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値データの推移パターンを前記個体の血糖値推移パターンとして取得する血糖値推移パターン取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記第17の手順で前記記憶手段に格納した前記個体に固有のインスリン感受性データを取得する感受性データ取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、インスリンの投与回数・投与時刻を示すインスリン投与回数・時刻候補と、インスリン製剤種類を示す複数のインスリン製剤種類候補との全ての組合せからなる複数のインスリン投与条件候補を取得するインスリン投与条件候補取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記複数のインスリン投与条件候補から任意の一つのインスリン投与条件候補を選択し、当該選択した一つのインスリン投与条件候補について、特定の測定時刻の血糖値として目標とする血糖値である目標血糖値を所定の記憶領域から取得する目標血糖値取得手順と、
前記インスリン療法案演算手段により、前記個体について、前記インスリン感受性値(X)と、前記特定の測定時刻における前記目標血糖値と前記変更前投与条件下でのサンプリング用血糖値との間の差分(Y)と、前記特定の測定時刻より前の時刻において前記目標血糖値を満足するために必要なインスリン製剤投与量である目標インスリン流入量と前記投与条件変更前のインスリン流入量との差分(Z)との関係を示す演算式であるZ=Y/Xを使用して、前記差分(Z)を求め、前記差分(Z)と前記投与条件変更前のインスリン流入量とから、前記目標インスリン流入量を求める目標インスリン流入量演算手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする投薬支援プログラム。 - 更に、
前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補の各インスリン製剤の投与時刻、種類、投与量及びインスリン流入曲線に基づき、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択したインスリン投与条件候補の各インスリン製剤の投与により単位時間当りに個体の血中へ流入するインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を演算する第18の手順と、
前記第18の手順で演算したインスリン製剤毎の単位時間インスリン流入量を合計して、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した前記新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補により前記単位時間内に個体の血中へ流入する単位時間総インスリン流入量を演算する第19の手順と、
前記第19の手順で前記単位時間毎に演算した前記新規投与条件下での単位時間総インスリン流入量に基づき、前記インスリン投与条件候補取得手順で選択した前記新規投与条件としての前記インスリン投与条件候補による総インスリン流入量の時系列データである新規インスリン流入量時系列データを作成する第20の手順と、
前記インスリン感受性データと前記新規インスリン流入量時系列データとに基づき、各測定時刻における前記新規投与条件下での血糖予測値を演算する第21の手順とをコンピュータに実行させ、
前記第21の手順では、前記投与条件変更前後において、特定時間帯の開始時から終了時までに、インスリン流入量が、第1の量(X1)だけ上昇し、それに対応して、血糖値が、第1の量(Y1)だけ低下するときに、これらの比(Y1/X1)を、前記特定時間帯における感受性データとして演算し、その一方、前記変更前投与条件を前記変更後投与条件から更に前記新規投与条件へと変更した場合において、前記特定時間帯の開始時から終了時までに、前記インスリン流入量が、第2の量(X2)だけ上昇したときに、前記感受性データ(Y1/X1)に基づき、前記変更前投与条件と前記変更後投与条件間でのインスリン流入量の差分と前記血糖値の差分との比である感受性データ(Y1/X1)が、前記変更前投与条件と前記新規投与条件間での前記インスリン流入量の差分と前記血糖値の差分との比である感受性データ(Y2/X2)と同一値となることを利用して、Y2/X2=Y1/X1からY2の値を演算式であるY2=X2*Y1/X2により求め、前記変更前投与条件下での血糖値から前記Y2を減算して、前記新規投与条件下での血糖予測値を演算することを特徴とする請求項2記載の投薬支援プログラム。 - 前記インスリン療法案演算手段により、前記インスリン投与条件候補取得手順で取得した全てのインスリン投与条件候補の各々について、前記目標血糖値取得手順、前記目標インスリン流入量演算手順、前記第18の手順、前記第19の手順、前記第20の手順及び前記第21の手順をコンピュータに実行させ、
更に、
前記インスリン療法案演算手段により、最適血糖値範囲と、前記最適血糖値範囲より上下のそれぞれの範囲に設けた許容血糖値範囲と、前記許容血糖値範囲より上下のそれぞれの範囲に設けた不可血糖値範囲とを設定すると共に、前記インスリン投与条件候補取得手順で取得した全てのインスリン投与条件候補の各々について演算した前記新規投与条件下での血糖予測値について、前記最適血糖値範囲に入った前記新規投与条件下での血糖予測値である新規血糖値についてはそのランクを表す点数として最も低い点数を付与し、前記許容血糖値範囲に入った前記新規血糖値についてはそのランクを表す点数として前記最適血糖値範囲の次に低い点数を付与し、前記不可血糖値範囲に入った前記新規血糖値についてはそのランクを表す点数として最も高い点数を付与し、各測定時刻の新規血糖値が全て前記最適血糖値範囲または前記許容血糖値範囲に入っている場合は、それらの新規血糖値に付与された前記点数を積算して前記インスリン投与条件候補をランク付けし、その積算値の低い順に前記インスリン投与条件候補を並び替えて出力するランク付け処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項3記載の投薬支援プログラム。 - 更に、
前記インスリン療法案演算手段により、前記インスリン投与条件候補の各々について、前記ランク付け処理において、前記測定時刻の新規血糖値の少なくとも一つが前記不可血糖値範囲に入っているか否か判断し、当該不可血糖値範囲に入っている新規血糖値を有するインスリン投与条件候補を前記出力の対象から削除する候補削除処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項4記載の投薬支援プログラム。
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