JP4327994B2

JP4327994B2 - 複合機能埋設標識具及び音圧データ検出装置

Info

Publication number: JP4327994B2
Application number: JP2000173674A
Authority: JP
Inventors: 賢一鈴木
Original assignee: Fuji Tecom Inc
Current assignee: Fuji Tecom Inc
Priority date: 2000-06-09
Filing date: 2000-06-09
Publication date: 2009-09-09
Anticipated expiration: 2020-06-09
Also published as: JP2001349954A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中埋設物を地上から探知するための標識具としての機能と、漏水検出用のセンサとしての機能の双方を備えた埋設標識具及びこれを用いて埋設管路の音圧データを簡易に検出できるように構成した装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
水道管などの地中埋設物を地上から探知する器具として埋設標識具が用いられている。これは、特定の周波数で共振する共振素子を内蔵して形成され、埋設物とともに要所に埋め込み、地上で磁界を発生する探知器を操作して標識具を検知することにより、埋設物の位置や深さを探知するものである。
【０００３】
また、給配水管の漏水の有無やその位置の検出には、漏洩音を検知するセンサを具備した漏水検出装置が用いられている。これは、消火栓などの管路の弁栓に加速度センサを設置して管路の音圧データを収集し、収集したデータを解析して漏洩音を識別し、漏水の有無を予測、特定するものである。
【０００４】
このように、測定対象によって埋設標識具と漏水検出装置は使い分けられているが、埋設標識具は常時給配水管の近傍に設置されるものであるから、標識具が漏洩音を検出するセンサとしての機能を具備し、そこから音圧データの収集が可能であれば、漏水を検出する都度にセンサを設置・回収する手間が省け、また、常時音圧データの収集が可能となるので管路に異常が発生しているか否かの監視も簡易に行えることとなる。
しかし、現状の埋設標識具は地上から埋設物を探知するためにのみ用いられ、埋設管の漏水の有無を検出したり漏水位置を特定したりすることはできない。
【０００５】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、埋設標識具に漏水検出用のセンサとしての機能を装備させ、埋設管路の音圧データの検出を簡易に行えるようにすることを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の複合機能埋設標識具は、特定周波数で共振する共振素子を内蔵し、その外周面にこの共振素子を取り巻くように誘導コイルを巻き回すとともに、その上面に加速度センサを取り付けたセンサ収納体を筐体内に収納し、この筐体の一端部を埋設管路の外周面に接合させ、前記誘導コイルの一端をロケーティングワイヤに接続し、その他端を前記筐体の一端部に設けた接地端子に接続し、前記加速度センサを前記ロケーティングワイヤに接続し、前記ロケーティングワイヤを前記筐体の他端部から延出させて構成した。
【０００７】
この標識具は、埋設管の外周上面に筐体の一端部を接合させて取り付け、埋設管とともに地中に埋め込み、筐体から延出したロケーティングワイヤを管路に沿って配線して使用する。
【０００８】
埋設管の位置や深さなどの探知は、地上で探知器を操作し、標識具内の共振素子による誘導磁界を検知することにより、又はロケーティングワイヤの周りに誘導される磁界を検知することにより行われる。
又は、ロケーティングワイヤに発信器などの信号出力手段を接続し、信号出力手段の出力信号を誘導コイルに供給することにより共振素子に磁束を誘導せしめ、この磁束を探知器で検知することにより行われる。
【０００９】
一方、管路の漏洩の有無やその特定は、ロケーティングワイヤに信号検出手段を接続し、検出手段が標識具内の加速度センサから出力される管路を伝播する音圧信号を検出し、これを処理することにより行われる。
【００１０】
埋設管が給配水管である場合、前記構成の標識具を、筐体外面を給配水本管の外周上面に接合させて取り付け、標識具から延出したロケーティングワイヤを当該本管から分岐した供給管に沿って配線し、好ましくはメータボックス内まで取り入れ、供給管路上に設置した信号検出手段によって加速度センサから出力される音圧データを検出できるようにすることで音圧データ検出装置が構成される。
【００１１】
前記構成において、信号検出手段は、センサから出力される音圧データを処理する手段であって、漏水を検出する手法に応じた適宜な手段が用いられる。例えば管路を伝播する音圧データを検出して漏水位置を特定する相関式探知器のデータ受信器などがこれに該当する。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施例を図面を参照して説明する。
図１は本発明の一実施例の埋設標識具の断面と回路構成を示している。
この標識具１は、筐体１１内に、共振素子１３と加速度センサ１４を装備したセンサ収納体１２を収納して構成されている。
【００１３】
筐体１１は、合成樹脂を用い、本体１１１と蓋体１１２からなる中空の円柱箱状に形成されている。本体１１１は、上端が開口し、下端が先細り状に尖った外形状に形成されており、この尖った下端部には後述する誘導コイルが接続される導電性の接地端子１５を取り付けてある。蓋体１１２は、その下端部にフランジ部１１２ａを備え、その中央部にロケーティングワイヤ１６を上下両面に貫通させて設けてある。蓋体１１２は、そのフランジ部１１２ａを本体１１１の上端周縁に接合させて取り付けられて筐体内を密閉する。
なお、筐体１１は、その外表面が水道管やガス管など利用管路の種類に応じて異なる色で着色してあれば、地中掘削中に埋設されていた標識具１の色を確認することにより埋設管の種類を判別することができて好ましい。
【００１４】
センサ収納体１２は、合成樹脂を用い、筐体１１内に装填可能な大きさを有する有底円筒状の本体部１２１と本体部の上端開口を閉鎖する蓋部１２２からなり、内部に共振素子１３を収納し、上面に加速度センサ１４を取り付けて形成されている。
詳しくは、共振素子１３は、有心コイル１３１とコンデンサ１３２を接続して特定の周波数で共振するように設けられ、蓋部１２２の装着によって密閉される本体部１２１の内空間部に収納されている。加速度センサ１４は、蓋部１２２の上面の略中央に固着されている。また、本体部１３１の上側外周面には凹部１２１ａが形成され、この凹部に、共振素子１３を取り巻くようにして、誘導コイル１７が巻き付けられている。
【００１５】
筐体１１内で、センサ収納体１２は、本体部１２１の下端部を筐体内底面に当接させ、且つ蓋部１２２の上面を、前記蓋体１１２のフランジ部１１２ａに当接させて固定されている。また、加速度センサ１４は、その信号入出力端子がロケーティングワイヤ１６の内部導体１６ａ，１６ａと電気的に接続してあり、誘導コイル１７は、その一端がロケーティングワイヤ１６の外部導体１６ｂと接続し、他端が前記接地端子１５と電気的に接続してある。
【００１６】
このように構成された標識具１は、例えば図２に示されているように、給配水本管２の外周上面に標識具１の端部１ａを接合させて取り付けるとともに、他端部１ｂから延出したロケーティングワイヤ１６を本管２から分岐した供給管３に沿って配線した状態で管路とともに地中に埋設され、埋設管の位置及び漏水の検出にあたり以下のように使用される。
なお、ロケーティングワイヤ１６はメータボックス内まで取り入れておき、標識具１は本管２から供給管３が分岐している各箇所に各々設置される。
【００１７】
先ず、埋設管又は管路の分岐位置などの探知は、磁界を発生する探知器を地上で操作し、前記磁界によって標識具１内の共振素子１３に誘導される磁界を検知することにより、或いはロケーティングワイヤ１６の誘導電流によってワイヤの周りに誘導される磁界を探知することにより行われる。
或いは、ロケーティングワイヤ１６にシグナルジェネレータを接続し、その出力信号を誘導コイル１７に供給することにより共振素子１３に磁束を誘導せしめ、この磁束を探知器で検知することにより行ってもよい。
【００１８】
また、埋設管に漏水が発生しているか否かの判別は、図２に示されているように、メータボックス内まで配線されたロケーティングワイヤ１６にデータロガーなどのデータ収集機４を接続して音圧データ検出装置を構成し、管路２を伝播する音を加速度センサ１４で検出し、加速度センサ１４の出力信号を音圧データとして適宜な時間に渡って収集し、これをコンピュータなどの処理装置で解析、処理して行われる。
【００１９】
埋設管に漏水が発生している場合にその位置の特定は、図３に示されているように、本管２の漏水の疑いの濃い箇所を挟んだ両側位置に埋設された標識具１，１の両ロケーティングワイヤ１６に加速度センサ１４から出力される信号を受信する受信器５ａ，５ａをそれぞれ接続し、両受信器で検出され漏水音の音圧データの時間差を相関式探知器５で測定し、標識具１，１の埋設位置から管路の漏水点までの距離を演算処理して行うことができる。
【００２０】
【発明の効果】
本発明の埋設標識具は、漏水検出用のセンサとしての機能も具備しているので、埋設管路の音圧データの検出を簡易に行えて漏水探知に要する作業効率を向上させ、常時音圧データの収集を可能とし、管路に異常が発生しているか否かの簡易も簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の埋設標識具を示し、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は内部回路の構成図である。
【図２】図１の埋設標識具を給配水管に取り付ける系統を示した図である。
【図３】図１の埋設標識具で漏水位置を検出する系統を示した図である。
【符号の説明】
１埋設標識具
１１筐体
１２センサ収納体
１３共振素子
１４加速度センサ
１５接地端子
１６ロケーティングワイヤ
１７誘導コイル
２給配水管本体
３供給管
４データ収集機
５相関式探知器本体

Claims

特定周波数で共振する共振素子を内蔵し、その外周面にこの共振素子を取り巻くように誘導コイルを巻き回すとともに、その上面に加速度センサを取り付けたセンサ収納体を筐体内に収納し、この筐体の一端部を埋設管路の外周面に接合させ、前記誘導コイルの一端をロケーティングワイヤに接続し、その他端を前記筐体の一端部に設けた接地端子に接続し、前記加速度センサを前記ロケーティングワイヤに接続し、前記ロケーティングワイヤを前記筐体の他端部から延出させた構成を有する複合機能埋設標識具。
請求項１に記載の埋設標識具を、前記筐体の一端部を給配水本管の外周面に接合させて取り付け、前記埋設標識具から延出した前記ロケーティングワイヤを前記給配水本管から分岐した供給管に沿って配線し、前記供給管上又は管路端部に設置した信号検出手段によって前記加速度センサから出力される音圧データを検出できるように構成した埋設管路の音圧データ検出装置。