JP4327830B2 - 電力系統の周波数異常に対する保護制御システム - Google Patents

電力系統の周波数異常に対する保護制御システム Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の周波数を規定範囲内に維持することができるようにした電力系統の周波数異常に対する保護制御システムに関する。
電力系統の周波数が規定範囲から逸脱した状態、すなわち、周波数異常に陥ると需要家や電力系統内の各種機器、設備の運転に種々の悪影響を及ぼすため、通常、電力系統には周波数が異常状態になることを防止して周波数を規定範囲内に維持するための保護制御システムが設置されている。
周波数異常は、電源の脱落や連系送電線の分離、需要の変動などに起因して電力系統内の発電量と負荷量のバランス(すなわち、電力の需要と供給のバランス。以下、需給バランスと略す)が崩れることによって生じる。
周波数異常には、基準周波数に対して低下する場合と上昇する場合の両側面があるが、いずれの場合も保護制御システムで需給バランスをとるための制御を行うことにより周波数を規定範囲内に維持することができる。
電力系統の周波数を規定範囲内に維持するための保護制御システムは大別して、周波数保護継電装置と周波数安定化システムの2種類に分類することができる(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
以下、周波数保護継電装置と周波数安定化システムについて説明する。
(1)周波数保護継電装置
周波数保護継電装置は、周波数異常そのものを検出して、その度合いに応じて負荷遮断や電源制限を行う装置である。周波数保護継電装置を電力系統の各所に分散配置して、あらかじめ定めた整定値(動作周波数や遮断量)に基づいて協調はとりながらも独立して個別に制御するもので、個別分散方式とも呼ばれる。
周波数保護継電装置には周波数の低下を抑制する周波数低下保護継電装置(UFR;Under Frequency Relay)と周波数の上昇を抑制する周波数上昇保護継電装置(OFR;Over Frequency Relay)とがある。周波数の低下に対しては周波数低下保護継電装置により負荷遮断を行い、一方、周波数の上昇に対しては周波数上昇保護継電装置により電源制限を行い、周波数を規定範囲内に維持する。
(2)周波数安定化システム
周波数安定化システムは、電源の脱落や連系送電線のルート遮断が生じた場合を想定し、想定事故が発生した場合の周波数を規定範囲内に抑制する負荷遮断量や電源制限量を事前のオンライン情報に基づいて周期的に予測演算、記憶しておき、想定事故の発生と同時にこの制御を実施して周波数異常を抑制するシステムである。
この方式は、電源脱落や連系送電線のルート遮断などの事故を想定して、事前に制御の内容を求めておくことから周波数異常の未然防止方式とも呼ばれている。
周波数安定化システムは周波数の低下と上昇の両側面に対応できる。周波数の低下に対しては負荷遮断、上昇に対しては電源制限を行う。
前述の周波数保護継電装置が個別分散方式であるのに対して、周波数安定化システムは電力系統の需給バランスを想定して制御を行うことから中央集中形の制御方式といえる。
以下、従来の周波数保護継電装置と周波数安定化システムによる周波数の安定化制御の方法とその課題について説明する。
図15は従来における「周波数安定化システム」と「周波数保護継電装置」の設置形態を説明するためのシステム構成図である。
なお、周波数異常には低下と上昇の両側面があるが、周波数上昇に対しては制御手段が電源制限になることが異なるだけで周波数低下と同様の考え方が適用できるので、ここでは、説明を簡素化するために周波数低下を抑制する機能についてのみ説明することとし、周波数安定化システムの周波数上昇対策の機能や周波数上昇保護継電装置の説明は省略する。
図15において、P/S1、P/S2はそれぞれ発電機1Aおよび1Bが設置されている発電所であり、両発電所P/S1、P/S2間には多数の電気所が設置され、送電線によって互いに連系されている。
図中、2A、2B、…2Fは母線、3A、3B、…3Hは変圧器あるいは送電線、4A、4B、…4Eは遮断器である。5A、5B、…5Eは電流計測器(CT)、6A、6B、…6Eは電圧計測器(PT)、7C、7D、7Eは負荷、8A、8B、…8Eは通信設備である。そして、15は「周波数安定化システム」であり、事故検出端末9A、9B、制御端末10C、10D、10Eおよび中央演算装置11とから構成されている。12C、12D、12Eは「周波数保護継電装置」である。
はじめに、「周波数安定化システム」12の作用について説明する。
電源の脱落事故が発生する前の定常状態において、事故検出端末9は電流計測器5、電圧計測器6からそれぞれ電圧、電流を入力して発電機1の有効電力出力を演算する。制御端末10は電流計測器5、電圧計測器6からそれぞれ電圧、電流を入力して負荷7の有効消費電力を演算して算出する。
事故検出端末9で演算して求められた発電機1の有効電力出力、制御端末10で演算して求められた負荷7の有効消費電力は、それぞれ通信設備8A〜8Bを介して中央演算装置11へ伝送される。中央演算装置11では、求められた発電機1A〜1Bの有効電力出力および負荷7C〜7Eの有効消費電力と、予め設定された系統定数や周波数の規定範囲などの整定値とを用いて、想定事故が発生した場合に必要な負荷遮断量を予め算出しておき、そしてその負荷遮断量に見合う遮断すべき負荷を負荷7C〜7Eの中から選択して記憶しておく。
事故検出端末9A〜9Bが、遮断器4A〜4Bの開極情報や発電機1A〜1Bの保護継電装置の動作情報などを入力して電力系統に想定した電源の脱落事故が発生したことを検出すると、その検出結果は事故情報として通信設備8A〜8Bを介して中央演算装置11に伝送される。
そして、中央演算装置11から通信設備8C〜8Eを介して制御端末10C〜10Eへ負荷遮断指令が送信される。負荷遮断指令を受信した制御端末10C〜10Eでは、負荷7C〜7Eの遮断器4C〜4Eを開極して負荷遮断を行う。これによって電源脱落時の需給バランスが維持される。
次に「周波数保護継電装置」12の作用について説明する。
周波数保護継電装置12は電圧計測器6から電圧を入力してその瞬時値から周波数を演算し、周波数が整定値よりも低下した場合、一定時限後に遮断器4を開極して負荷遮断を行う。この一連の処理は周波数保護継電装置12が設置されたそれぞれの電気所において個別に実施される。
前述のように「周波数安定化システム」15と「周波数保護継電装置」12とは独立した保護制御装置である。しかしながら、同じ現象に対して両者が制御を行うと制御が過剰になる場合があるため、動作周波数や動作時限の整定により両者の協調がとられている。
図16は動作時限の整定により周波数安定化システムと周波数保護継電装置の制御の協調をとる方法の例を説明する図であるが、実際には動作時限だけでなく動作周波数の整定によっても協調が図られるようになっている。図中、fは基準周波数であり、fは下限周波数である。
ここでは説明の簡素化のため、両者の動作周波数は下限周波数fとし、周波数安定化システム15は電源脱落の発生時刻tからTSSC後に制御を行い、一方、周波数保護継電装置12は周波数fが下限周波数fになった時間tからTUFR後にそれぞれ制御を行うものとして説明する。
また、実際の周波数保護継電装置12は複数の配電線の遮断器を制御対象としており、配電線毎に動作周波数や動作時限を整定できるものもあるが、説明を簡素化するため周波数保護継電装置12が制御対象とする遮断器はそれぞれ1つであるものとして説明する。
図16(a)は周波数安定化システム15および周波数保護継電装置12を設置していない条件、あるいはこれらの装置が機能していない条件の下で、電源脱落事故が時刻tで発生した場合の周波数fの時系列的な変化の例を示す。
この例では、時刻tにおける電源脱落によって電力系統内の需給バランスが崩れた結果、負荷が過剰になって周波数fが低下し、その後発電機の調速機(ガバナ)の働きにより周波数がやや回復するものの、下限周波数fまで回復しない状況になっている。
図16(b)は電源脱落の発生時刻tからTSSC時間後の時刻tで周波数安定化システム15による負荷遮断が実施され、周波数fの低下を抑制した例を示す。周波数安定化システム15は想定する事故が発生した際に実施すべき制御の内容を事前に求めておき、実際に事故が発生した際には直ちにこれを実施して周波数の低下を抑制するため、周波数fが下限周波数f以下になる前に負荷遮断を実施できる点が特徴である。
この例では、周波数fが下限周波数f以下になっていないので、周波数保護継電装置12による負荷遮断は行われない。
図16(c)は時刻tで電源が脱落してから周波数fが低下し、時間tで下限周波数fになり、さらに時間tで計時を開始してTUFR時間後の時刻tで周波数保護継電装置による負荷遮断が実施され、周波数fの低下が抑制された例を示す。
この例の場合、周波数保護継電装置12は実際に周波数fが下限周波数f以下になったことを検出してから負荷遮断を実施するため、その制御は周波数安定化システム15による制御よりも遅くなる傾向にある。
以上のように、周波数安定化システム15と周波数保護継電装置12とは独立した保護制御装置ではあるが、動作周波数や動作時限の整定により両者の協調が図られる。
しかしながら、周波数安定化システム15が制御量(負荷遮断量)を算出する際に周波数保護継電装置12による負荷遮断を考慮しない場合、大規模な電源脱落事故の場合などに周波数安定化システム15と周波数保護継電装置12の協調がとれず、制御が過剰に実施される可能性がある。
以下、この現象について従来システムによる周波数制御の現象説明図を参照して説明する。
周波数安定化システム15および周波数保護継電装置12が設置された条件において、大規模な電源脱落事故が時刻tで発生し、周波数が下限周波数fになった時間tを過ぎてから、時刻tで周波数安定化システムによる負荷遮断が実施され、その後時刻tで周波数保護継電装置による負荷遮断が実施されている。
周波数安定化システム15は電源脱落事故を想定して必要な制御量を算出しているため、その制御だけで周波数維持に必要な制御は足りるが、周波数保護継電装置12による負荷遮断が続けて実施されたことにより、負荷遮断が過剰となり、周波数が基準周波数fよりも上昇する結果となっている。
このような場合は、周波数の上昇を抑制するために周波数保護継電装置(周波数上昇保護継電装置)12により電源制限が行われる可能性がある。図17に示したような現象となる主たる原因は、従来の周波数安定化システム15と周波数保護継電装置12がそれぞれ独立して制御を行うことにある。
図18は、従来の「電力系統の周波数異常に対する保護制御システム」を構成する要素のうち、特に、周波数安定化システム15の制御端末10と、周波数保護継電装置12との組み合わせ構成に注目して描いた概略ブロック図であって、電流計測器5から系統電流を、また、電圧計測器6から系統電圧を、そして通信設備8を介して中央演算装置11から負荷遮断指令をそれぞれ入力する周波数安定化システムの制御端末10と、電圧計測器6から系統電圧を入力する周波数保護継電装置12とを備え、これら周波数安定化システムの制御端末10および周波数保護継電装置12から出力された遮断指令が遮断器4に与えられるように構成されている。
図19は、図18で示した周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置の組み合わせ構成例のシーケンスを示す図である。
周波数安定化システム15の制御端末10において、10−1は電圧計測器6で抽出した系統電圧を入力して事故の検出を行う事故検出要素、10−2は事故検出要素の動作出力を所定時間遅延復帰させるオフディレータイマ、10−3はこのオフディレータイマ10−2の動作出力を一方のゲート端子に入力するアンド回路である。
10−4は系統電圧、電流を入力して有効電力を算出する有効電力算出手段、10−5はこの有効電力算出手段10−4で算出された有効電力値を伝送手段10−6を介して中央演算装置11に伝送するための送信信号に変換する送信信号生成部、10−7は中央演算装置11から伝送されてきた信号を伝送手段で受信し、ロジック値である「制御指令」に変換するための受信部である。この受信部10−7から出力された「制御指令」は前記アンド回路10−3の他方のゲート端子に入力されるように構成されている。
このように、周波数安定化システムの制御端末10は、中央演算装置11から通信設備8を介して「制御指令」を受信した場合に、事故検出要素とのAND条件の成立によって遮断器4を開極して負荷遮断を行う。
一方、周波数保護継電装置12において、12−1は電圧計測器6で抽出した系統電圧を入力して周波数fが所定値以下に低下すると動作する主検出要素であり、その動作出力はアンド回路12−2の一方のゲート端子に入力される。12−3は、系統事故を検出する事故検出要素(FD)、12−4はこの事故検出要素12−3の動作出力を所定時間復帰遅延させるオフディレータイマであり、その出力信号は前記アンド回路12−2の他方のゲート端子に入力される。このように、主検出要素12−1と事故検出要素12−3とのAND条件の成立によって遮断器4を開極して負荷遮断を行う。なお、主検出要素や事故検出要素としては周波数継電器などを用いる。
以上述べたように、従来の周波数安定化システム10と周波数保護継電装置12はそれぞれ独立に制御を行う構成となっている。
周波数安定化システムの制御端末10が負荷遮断を行う条件として中央演算装置11から制御指令を受信するが、制御指令は例えば図20に示すように制御の要否をビット情報「制御」として表して中央演算装置11から制御端末10へ伝送する。各制御端末10は中央演算装置11から受信したビット情報「制御」を見て当該端末装置11における制御の要否を判断する。
次に、図21を用いて、周波数安定化システムを構成する中央演算装置11の処理内容について説明する。図21において、11−1は伝送手段、11−2は伝送手段11−1から入力した制御端末10から伝送されてくる負荷の有効消費電力等の系統状態情報、事故検出端末9から伝送されてくる発電機の有効電力出力や事故情報を中央演算装置11で処理しやすいデータに変換して出力する受信手段、11−3は想定事故時の制御内容を演算するための演算手段、11−4は系統定数などの系統モデルを予め整定値として記憶しておく第1の記憶領域である。
11−5は想定事故毎の制御内容を記憶しておくための第2の記憶領域、11−6は事故発生時の制御内容を選択する選択手段、そして、11−7は選択手段11−6の制御指令が伝送手段を介して制御端末10へ伝送されるように変換する送信手段である。
前述したように、周波数安定化システムは想定する事故が発生した際に実施すべき制御の内容を事前に求めておき、実際に事故が発生した際には直ちにこれを実施するようになっている。このため、中央演算装置11では、事故検出端末9や制御端末10から通信設備8を介して入手した発電機1の有効電力出力や負荷7の有効消費電力と、予め整定値として設定された系統定数などの系統モデルとを用いて、想定する事故が発生した場合の周波数変動を規定範囲内に収めるために必要な負荷遮断量を演算し、遮断すべき負荷の選択結果を制御内容として保存しておく。そして、この処理は定周期で繰り返し実施されるようになっている。
中央演算装置11は、事故検出端末9から事故情報を入手した際、保存しておいた制御内容を参照し、発生した事故と合致する想定事故の制御内容を選択する。選択した制御内容で制御対象となっている負荷の遮断器4を制御する制御端末10に対してはビット情報「制御」を‘制御あり’(例えば‘1’)とし、その他の制御端末10に対しては‘制御なし’(例えば‘0’)として制御指令を送信する。
太田宏次著「電力系統の保護制御システム」、電気書院、1975年 大浦好文著「保護リレーシステム工学」、電気学会、2002年、P.107〜P.138 特開平7-184324号公報 特開平11-234904号公報
上述のように、従来の電力系統の周波数異常に対する保護制御システムは、周波数安定化システムにおいて制御量を算出する際に周波数保護継電装置による制御を考慮しない場合に周波数安定化システムと周波数保護継電装置の協調がとれず、制御が過剰に実施されてしまい周波数を目標値に維持できない可能性があった。
そこで本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、電源脱落時等に周波数安定化システムおよび周波数保護継電装置が制御を実施する際、周波数安定化システムと周波数保護継電装置との協調をとるようにして制御が過剰に実施されないようにした電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る電力系統の周波数異常に対する保護制御システムの発明は、電力系統に設けられた発電機の有効電力出力、負荷の有効消費電力および整定値を用いて、想定事故発生時の必要負荷遮断量を予め算出して遮断すべき負荷を負荷群の中から選択し記憶しておき、電力系統に前記想定事故が実際に発生した場合、前記予め記憶されている負荷を遮断するようにした周波数安定化システムと、電力系統の電気量を入力して周波数を演算し、周波数が整定値よりも低下した場合、遮断器を開極して負荷遮断を行う周波数保護継電装置と前記周波数安定化システムあるいは前記周波数保護継電装置の両者のいずれか一方に設けられ協調信号を生成し出力する協調信号出力手段と、前記周波数保護継電装置あるいは前記周波数安定化システムの他方に設けられ、前記協調信号を受け取って両者の制御の協調を図る制御協調手段とを備え、前記協調信号出力手段は協調信号としてのロック信号を出力するように構成され、前記制御協調手段は、当該ロック信号を受け取って動作出力を禁止するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、周波数安定化システムあるいは前記周波数保護継電装置のいずれか一方による制御が行われている場合、他方の前記周波数保護継電装置あるいは前記周波数安定化システムによる制御がロックされるので、両装置の協調をとった制御が可能であり、制御が過剰に実施されるのを防止することのできる電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、各図を通じて共通する部分には同一符号若しくは関連符号を付けて、重複する説明は適宜省略するものとする。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図5を参照して説明する。
図1は本発明に係る電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを構成する要素のうち、特に、周波数安定化システムの制御端末と、周波数保護継電装置との組み合わせ構成に注目して描いた概略ブロック図であり、図2は図1の周波数安定化システムの制御端末と、周波数保護継電装置との組み合わせ構成例のシーケンス図、図3は本実施形態を説明するための系統周波数の時系列的な変化を示す図、図4は本実施形態の伝送手段で採用する伝送フォーマット例を示す図、そして、図5は本実施形態の周波数安定化システムの中央演算装置の処理内容を示すブロック図である。
(構成)
まず、図1を参照して本発明の基本的な考え方から説明する。
本実施形態に係る「電力系統の周波数異常に対する保護制御システム」が、事故検出端末9、制御端末10および中央演算装置11とから構成された周波数安定化システム15と周波数保護継電装置12とから構成される点については、従来システムと同じである。しかしながら、本実施形態は、制御端末10内に協調信号を生成し出力する「協調信号出力手段」を備え、かつ、周波数保護継電装置12内に当該協調信号を受け取って制御の協調を図る「制御協調手段」を備えるように構成した点において、従来システムとは異なるものである。
なお、周波数保護継電装置12に協調信号出力手段を、また、制御端末10に制御協調手段を備え、周波数保護継電装置12から制御御端末10へ協調信号を伝送し、制御御端末10側で協調を取る構成でも実現できるが、作用と効果は前者と同様なので説明を省略する。
また、周波数安定化システム15による制御と周波数保護継電装置12による制御との協調を取る方法としては、上述のように、どちらか片方の制御を優先する方法の他に、片方の制御内容によってもう片方の制御時間を変化させるなどの方法が考えられるが、ここでは、周波数安定化システム15による制御を周波数保護継電装置12による制御よりも優先して行うようにした協調方法を説明する。この協調方法は、周波数安定化システムによる制御が行われる場合には周波数保護継電装置による制御をロックすることにより実現できる。
次に、図2で示すシーケンスを参照して制御協調の具体的について説明する。
図2の周波数安定化システム15の制御端末10は、受信手段10−7の後段に当該受信手段10−7から出力された「起動信号」を入力して協調信号を生成し出力するための協調信号出力手段10−8を設けており、一方、周波数保護継電装置12は、主検出要素12−1の後段に協調信号を受け取って制御の協調を図る制御協調手段としての禁止回路12−5を設けている。その他の構成、機能は図19の場合と同じなので説明を割愛する。
(作用)
次に、本実施形態の作用について図2ないし図5を参照して説明する。
制御端末10では、通信手段8、伝送手段10−6を介して中央演算装置11から‘起動あり’との「起動信号」を受信したとき、受信手段10−7は当該「起動信号」を協調信号出力手段10−8であるオフディレータイマ10−8に入力して「協調信号」である「ロック信号」を当該オフディレータイマ10−8で定めた一定時間(これをロック時間(TLOCK)という)出力するようにし、一方、周波数保護継電装置12ではこのロック信号を禁止回路(inhibit回路)12−5の禁止入力端子に入力する。
オフディレータイマ10−8から出力された「ロック信号」が保持されるロック時間(TLOCK)は図3に示すように、周波数安定化システム15が制御対象としている想定事故について、周波数安定化システム15が起動あるいは制御を実施した時点tから計時して周波数fが下限周波数fに回復するまでの時間よりも長い値に設定する。
このように、「協調信号」である「ロック信号」の保持されるロック時間(TLOCK)を設定することにより、従来システムでは図17に示したような周波数安定化システム15の制御中に周波数保護継電装置12による過剰な負荷遮断が行なわれるような現象に対しても、本実施形態によれば、図3に示すように周波数保護継電装置12による制御すなわち遮断指令がロックされるため、遮断器4の制御が過剰に実施されるのを防止することができる。
周波数安定化システム15の制御端末10が中央演算装置11から受信する「起動信号」は、周波数安定化システム15が制御対象としている想定事故の発生を検出したことを示す情報であり、図4に示す伝送フォーマットのように、「起動」信号を「制御」信号と同様にビット情報として伝送することができる。
本実施形態の中央演算装置11は、図5に示すように、事故検出端末9から事故情報を入手した際、負荷を制御する制御端末10に対しては「制御内容選択手段」11−6Aからビット情報「制御」を‘制御あり’とし、負荷を制御しないその他の制御端末10に対してはビット情報「制御」を‘制御なし’として送信する。この際、制御対象とならない制御端末10も含めた全ての制御端末10に対し、制御内容選択手段11−6Aからビット情報「起動」を‘起動あり’(例えば‘1’)として送信する。
各制御端末10では、図2に示すとおり、受信したビット情報「起動」が‘起動あり’の際には周波数保護継電装置12へロック信号をロック時間(TLOCK)分出力するとともに、ビット情報「制御」が‘制御あり’の際には遮断器4へ遮断指令を出力する。
(効果)
本実施形態によれば、周波数安定化システム15による制御が行われている場合にはロック信号によって周波数保護継電装置12による制御がロックされるので、両装置の協調をとった制御が可能であり、制御が過剰に実施されるのを防止することのできる電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムについて、図6および図7を参照して説明する。
図6は周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置の組み合わせ構成例のシーケンス図であり、図7は周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置を設置したシステム構成図である。
(構成)
本実施形態は、周波数安定化システムの制御端末10と周波数保護継電装置12とを統合して1つの統合型装置13として構成したことを特徴とするものである。
本実施形態では、制御端末10および周波数保護継電装置12を1つに統合したことにより、図2の第1の実施形態で制御端末10および周波数保護継電装置12が個々に設けていた事故検出要素12−3と10−1、オフディレータイマ12−4と10−2、遮断器4への遮断指令出力部12−2と10−3をそれぞれ共用部品とすることができる。
このため、図6の例では、制御端末10側に設けられている電圧計測器6から電圧情報を入力する部分、制御端末10側の事故検出要素10−1、オフディレータイマ10−2、アンド回路10−3をそれぞれ削減し、新たにオア回路12−6を設けるように構成した。
しかしながら、制御端末10側に設けられている電圧計測器6から電圧情報を入力する部分、制御端末10側の事故検出要素10−1、オフディレータイマ10−2、アンド回路10−3をそれぞれ両装置の共用部品とし、周波数保護継電装置12側に設けられている事故検出要素12−3、オフディレータイマ12−4、アンド回路12−2をそれぞれ削減してもよい。
したがって、図6の例では、事故検出要素12−3、オフディレータイマ12−4、アンド回路10−3を周波数保護継電装置12側に描いているが、制御端末10側に描いても差し支えない。
この部品削減の影響はシステム構成にも表れ、図7に示すシステム構成図では、制御端末10Cと周波数保護継電装置12Cとが統合され、また、制御端末10Dと周波数保護継電装置12Dとが統合され、さらに、制御端末10Eと周波数保護継電装置12Eとが統合されて、それぞれ1つの統合型装置13C、13Dおよび13Eとして構成される。
(作用)
本実施形態による統合型装置としての作用は基本的に第1の実施形態の図2のシーケンスの場合と同じなので、説明は省略する。
(効果)
本実施形態によれば第1の実施形態による効果に加えて、回路の一部を共通化してその部分を削減することができるので、経済性に優れ、かつ、設備の設置スペースを削減可能な電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムについて、図8を参照して説明する。
図8は、周波数安定化システムの制御端末10および周波数保護継電装置12を1つに統合した統合型装置13のシーケンス図である。
(構成)
本実施形態も第2の実施形態と同様に周波数安定化システムの制御端末10と周波数保護継電装置12とを1つに統合したものではあるが、第2の実施形態とは次の点で相違している。
すなわち、第1点は、前述した「起動」信号をロック時間(TLOCK)分遅延復帰させるオフディレータイマ10−8の出力端子と前記禁止回路12−5の禁止入力端子との間に新たな禁止回路10−9を設けるようにした点である。また、第2点は、電力系統に多重事故が発生したことによって中央演算装置11から統合型装置13に「ロック解除」信号が送信されてきた場合、受信手段10−7がその「ロック解除」信号を出力するようにした点である。さらに第3点は、当該「ロック解除」信号を入力して所定のロック解除時間(TUNLOCK)分だけ復帰遅延させた信号を前述した新設の禁止回路10−9の禁止入力端子に入力させるオフディレータイマ10−10を設けるようにした点である。
この結果、本実施形態による統合型装置13は、中央演算装置11から「ロック解除」信号を受信したとき、周波数保護継電装置12の機能による制御機能をロックしている「ロック信号」を復帰させるように機能する。
なお、「ロック解除」信号を保持する時間をロック解除時間(TUNLOCK)とすると、その時間の長さは周波数が大きく低下するような大規模な電源脱落事故などを想定して、事故が発生してから周波数保護継電装置12の制御により周波数fが下限周波数fに回復するまでの時間よりも長い値に設定するものとする。
(作用)
次に、本実施形態の作用について、図8、図9および図10を参照して説明する。
周波数安定化システム15の制御端末10と周波数保護継電装置12との統合型装置13は、中央演算装置11から‘ロック解除する’との「ロック解除」信号を受信したとき、オフディレータイマ10−10で定めたロック解除時間(TUNLOCK)分だけ周波数保護継電装置12へ「ロック信号」を出力しない。
前述したように、ロック解除時間(TUNLOCK)は事故が発生してから周波数保護継電装置12の制御により周波数fが下限周波数fに回復するまでの時間よりも長い値に設定してあるので、周波数安定化システム15では対応できない多重事故が発生した場合に、周波数保護継電装置12による制御機能を活用する。
統合型装置13が中央演算装置11から受信する「ロック解除」信号は、図9に示す伝送フォーマットのように、制御信号と同様にビット情報として伝送できる。
図10は中央演算装置11において、「ロック解除」信号を出力する処理内容を示す図である。中央演算装置11は、最初の事故により想定事故時の制御内容の演算を行うための演算手段11−3,想定事故時毎の制御内容を記憶しておく第2の記憶領域11−5、事故発生時の制御内容を選択する選択手段11−6Bの各出力に基づいて制御端末10に「起動」指令が出てからロック時間(TLOCK)が経過しない内に事故検出端末9から次の事故発生の情報を受信した場合、すなわち、下記の(1)式が成立した場合、多重事故が発生したものと判定し、設定回路11−8に選択手段11−6Bの選択結果、第1の記憶領域11−4からの「ロック時間(TLOCK)」、時計装置11−9からの「現在時刻t」を導入して、全ての制御端末10に対してビット情報「ロック解除」信号(例えば‘1’)を送信する。
現在時刻t − 制御実施時刻T < ロック時間(TLOCK) ---(1)
ここで、制御実施時刻Tは前回の事故時の起動時刻である。
(効果)
本実施形態によれば、第1の実施形態や、第2の実施形態による効果に加えて、周波数安定化システムで対応できないような多重事故が発生した場合でも、不足制御とならない電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムについて、図11を参照して説明する。
図11は、周波数安定化システムの制御端末10および周波数保護継電装置12を1つに統合した統合型装置13のシーケンス図である。
(構成)
本実施形態も第3の実施形態と同様に周波数安定化システムの制御端末10と周波数保護継電装置12とを1つに統合したものであるが、第3の実施形態とは次の点で相違している。
すなわち、本実施形態は、最初の事故により共用の事故検出要素12−3が起動してからロック時間(TLOCK)が経過しない内に次の事故が発生して再度事故検出要素が起動した場合に、ロック解除信号を‘1’に設定して、周波数保護継電装置12の制御機能のロックを復帰させるとともに、中央演算装置11から受信した「制御」信号に基づく制御指令をロックするようにしたものである。つまり、本実施形態は、共用の事故検出要素の起動様相に基づいてロック信号を復帰させるようにシーケンスを構成したものである。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、共用の事故検出要素12−3の動作出力と、時計装置10−11の現在時刻(t)とを設定回路10−12に導入し、この設定回路10−12で下記の(2)式が成立したときは多重事故の発生と判定して「ロック解除」を設定し、オフディレータイマ10−10に「ロック解除」信号を出力する。オフディレータイマ10−10は、禁止回路10−9および受信手段10−7の「制御」信号回路とオア回路12−6の入力端子間に設けた禁止回路10−13の禁止入力端子にそれぞれ出力信号を供給する。
現在時刻(t)− 起動時刻(T )< ロック時間(TLOCK ) --- (2)
ここで、起動時刻Tは前回の事故で事故検出要素が起動した時刻である。
なお、周波数保護継電装置12における事故検出要素は、一般的には周波数継電器が適用されるが、本実施形態では多重事故を検出する必要があるため、母線電圧の変化分を検出する継電器などを適用する。
(効果)
本実施形態によれば、第1の実施形態および第3の実施形態による効果に加えて、周波数安定化システムで想定していない事故が発生した場合でも不足制御とならない電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
なお、統合型ではなく、制御端末10と周波数保護継電装置12とを分離した構成であっても本実施形態の作用と効果は同じである。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムについて、既出の図3および図6と、新たな図12および図13とを参照して説明する。
(構成)
まず本実施形態の基本的な考え方を、図12を用いて説明する。
図12は本実施形態を適用した周波数安定化システム15の中央演算装置11の構成を説明する図である。
図6および図12に基づく本実施形態の「電力系統の周波数異常に対する保護制御システム」は、図12の中央演算装置11の処理が既出の図10における中央演算装置11の処理と類似しているが、異なる点は、演算手段11−3Aで想定事故時の制御内容を演算した際、ロック時間TLOCKを第1の記憶領域11−4Aに設定値として設定するようにした点である。
すなわち、ロック時間(TLOCK)を事前に整定した値に固定するのではなくロック時間TLOCKを算出する機能を、中央演算装置11の制御内容演算手段11−3Aに備えるようにした点で異なる。
(作用)
本実施形態の作用について、図12、図13および図3を用いて説明する。
本実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムでは、ロック時間(TLOCK)を第1乃至第4の実施形態のように事前に整定した値に固定するのではなく、中央演算装置11の演算手段11−3で想定事故時の制御内容を演算する都度求め、更新するようにしたものである。
想定事故時の制御内容演算手段11−3Aは、想定する事故が発生したことをシミュレーションし、負荷遮断などの制御を行うことにより周波数fが下限周波数fに回復するように求められる。このシミュレーションの結果は、既出の図3で時系列的に表現することができる。
本実施形態に基づく電力系統の周波数異常に対する保護制御システムでは、シミュレーションの結果から周波数fが下限周波数fに回復する時間を把握し、その時間に基づいてロック時間(TLOCK)を整定する。
具体的には、周波数fが下限周波数fに回復する時間、あるいは、それにシミュレーションの計算誤差を考慮したマージンを加えた時間をロック時間(TLOCK)とし、図12に示すように、その結果を第1記憶領域11−4Aに整定値として保存する。
ロック時間(TLOCK)を制御端末10や統合型装置13で使用する場合は、図13に示す伝送フォーマットようにロック時間(TLOCK)を複数ビットで表して中央演算装置11から制御端末10へ伝送し、制御端末10側で保存して使用する。
(効果)
本実施形態によれば、ロック時間(TLOCK)を想定事故時の系統現象に基づいて自動的に整定するため、必要以上の長時間に亘って周波数保護継電装置12の制御がロックされ周波数が不安定になることを防止でき、かつ、ロック時間(TLOCK)の整定作業の省力化によりシステムの運用コストの低減を図った電力系統の周波数異常に対する保護制御システムを提供することができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について説明する。
(構成)
本実施形態におけるシーケンス図は既に説明した図8または図11、中央演算装置は図10または図12、伝送フォーマットは図9を採用することができる。
(作用)
次に、図14を参照して本実施形態の作用について説明する。
本実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムでは、周波数保護継電装置12の制御機能をロックしている時間帯において、制御端末10や制御端末10と周波数保護継電装置12を1つに統合した統合型装置13で周波数fの変化を観測し、周波数fが基準周波数fから遠ざかる方向に変化している場合はロック信号を解除する。
なお、系統周波数が基準周波数fから遠ざかる方向に変化していることは、例えば次の(3)式により検出する。
Δf(t) < 0 かつ f(t) < f --- (3)
ここで、
Δf(t) = f(t) − f(t−ΔT)
f(t)は時刻tにおける周波数f、
f(t−ΔT)は時刻t−ΔTにおける周波数f、
ΔTは周波数変化を検出する時間幅である。
第1の実施形態から第5の実施形態の項で説明したように、電力系統の周波数異常に対する保護制御システムで負荷遮断を実施した時点tからロック時間(TLOCK)の間は周波数保護継電装置12による制御機能はロックされているが、本実施形態による電力系統の周波数異常に対する保護制御システムでは、周波数fが基準周波数fと反対の方向に変化した場合には、その時点tで直ちにロック信号を解除し、周波数保護継電装置12による制御機能を活かして負荷遮断を行う。
(効果)
本実施形態によれば第1の実施形態から第5の実施形態による効果に加えて、周波数安定化システムで想定していない事故が発生した場合でも不足制御とならない周波数安定化システムを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係わる電力系統の周波数異常に対する保護制御システムの概略ブロック図。 本発明の第1の実施形態の保護システムにおける周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置のシーケンス図。 本発明の第1の実施形態を適用した電力系統の周波数の時系列的な変化を示す図。 本発明の第1の実施形態で使用する伝送フォーマット例図。 本発明の第1の実施形態の中央演算装置の処理を示す図。 本発明の第2の実施形態の保護システムにおける周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置のシーケンス図。 本発明の第2の実施形態を説明するシステム構成図。 本発明の第3の実施形態の保護システムにおける周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置のシーケンス図。 本発明の第3の実施形態で使用する伝送フォーマット例図。 本発明の第3の実施形態の中央演算装置の処理を示す図。 本発明の第4の実施形態の保護システムにおける周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置のシーケンス図。 本発明の第5の実施形態の中央演算装置の処理を示す図。 本発明の第5の実施形態で使用する伝送フォーマット例図。 本発明の第6の実施形態を適用した電力系統の周波数の時系列的な変化を示す図。 従来システムの構成を説明する図。 従来システムの周波数安定化システムと周波数保護継電装置の協調を説明する図。 従来システムによる周波数制御の現象を説明する図。 従来システムの周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置の構成を説明する図。 従来システムの周波数安定化システムの制御端末および周波数保護継電装置のシーケンスを説明する図。 従来システムの伝送フォーマットの例図。 従来システムの中央演算装置の処理を説明する図。
符号の説明
P/S1,P/S2…発電所、1A〜1B…発電機、2A〜2F…母線、3A〜3H…変圧器あるいは送電線、4A〜4E…遮断器、5A〜5E…電流計測器(CT)、6A〜6E…電圧計測器(PT)、7C〜7E…負荷、8A〜8E…通信設備、9A〜9B…周波数安定化システムの事故検出端末、10C〜10E…周波数安定化システムの制御端末、10−1…事故検出要素、10−2…オフディレータイマ、10−3…アンド回路、10−4…有効電力算出手段、10−5…送信手段、10−6…伝送手段、10−7…受信手段、10−8…協調信号出力手段(オフディレータイマ)、10−9…禁止回路、10−10…オフディレータイマ、10−11…時計装置、10−12…設定回路、10−13…禁止回路、11…周波数安定化システムの中央演算装置、11−1…伝送手段、11−2…受信手段、11−3…想定事故制御内容演算手段、11−4…整定値格納手段、11−5…制御内容格納手段、11−6…制御内容選択手段、11−7…送信手段、11−8…設定手段、11−9…時計装置、12C〜12E…周波数保護継電装置、12−1…主検出要素、12−2…アンド回路、12−3…事故検出要素、12−4…オフディレータイマ、12−5…制御協調手段(禁止回路)、12−6…オア回路、13C〜13E…統合型装置、15…周波数安定化システム。

Claims (8)

  1. 電力系統に設けられた発電機の有効電力出力、負荷の有効消費電力および整定値を用いて、想定事故発生時の必要負荷遮断量を予め算出して遮断すべき負荷を負荷群の中から選択し記憶しておき、電力系統に前記想定事故が実際に発生した場合、前記予め記憶されている負荷を遮断するようにした周波数安定化システムと、
    電力系統の電気量を入力して周波数を演算し、周波数が整定値よりも低下した場合、遮断器を開極して負荷遮断を行う周波数保護継電装置と
    前記周波数安定化システムあるいは前記周波数保護継電装置の両者のいずれか一方に設けられ協調信号を生成し出力する協調信号出力手段と、
    記周波数保護継電装置あるいは前記周波数安定化システムの他方に設けられ、前記協調信号を受け取って両者の制御の協調を図る制御協調手段とを備え、
    前記協調信号出力手段は協調信号としてのロック信号を出力するように構成され、前記制御協調手段は、当該ロック信号を受け取って動作出力を禁止するように構成されていることを特徴とする電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  2. 前記周波数安定化システムは、電力系統の電圧・電流を入力して求められた発電機の有効電力出力を演算する事故検出端末と、電力系統の電圧・電流を入力して負荷の有効消費電力を演算する制御端末と、前記発電機の有効電力出力、負荷の有効消費電力および整定値を用いて、想定事故発生時の必要負荷遮断量を予め算出して遮断すべき負荷を負荷群の中から選択し、記憶しておき、電力系統に前記想定事故が実際に発生した場合、前記制御端末に遮断指令を出力する中央演算装置とから構成したことを特徴とする請求項1記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  3. 前記整定値は、前記中央演算装置の記憶領域に予め設定されていることを特徴とする請求項2記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  4. 前記整定値は、前記中央演算装置で想定事故時の制御内容を演算する際に算出されることを特徴とする請求項2に記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  5. 前記周波数安定化システムの制御端末と、前記周波数保護継電装置とを1つの装置に統合したことを特徴とする請求項2ないしのいずれかに記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  6. 電力系統に多重事故が発生した場合、周波数保護継電装置の制御機能をロックしている信号を解除することを特徴とする請求項2ないしのいずれかに記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  7. 電力系統に多重事故や想定外の事故が発生した場合、周波数保護継電装置の制御機能をロックしている信号を解除し、かつ、中央演算装置からの制御指令に基づく制御をロックすることを特徴とする請求項2ないしのいずれかに記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
  8. 電力系統の周波数安定化システムにおいて、周波数保護継電装置の制御機能をロックしている時間帯において、周波数が安定化方向に向かっていないことを検出したときには、周波数保護継電装置の制御機能のロックを解除することを特徴とする請求項3ないし請求項記載の電力系統の周波数異常に対する保護制御システム。
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