以下に本発明の実施形態における液晶表示パネルの構成を、図面を使用して説明する。
〔第1の実施形態:図1および図2〕はじめに本発明の第1の実施形態における液晶表示パネルの構成を、図1と図2とを使用して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
における液晶表示パネルを示す平面図である。図2は、図1の平面図のB−B線における断面を示す断面図である。以下、図1と図2とを交互に用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
第1の基板1には、タンタル(Ta)膜からなる第1の電極2と対向電極9を設ける。さらに、この第1の電極2上に第1の電極2の陽極酸化膜である酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる非線形抵抗層3を設ける。さらに、クロム(Cr)膜からなる第2の電極4を非線形抵抗層3上にオーバーラップするように設けて、非線形抵抗素子10を設ける。なお、この第2の電極4の一部領域は、アルミニウム(Al)膜からなる表示電極5に接続する。表示電極5は反射特性を有し、非透過性(光減衰性)である。表示電極5には、透過性を有する開口部15を有する。
さらに、第2の基板6の上には、表示電極5と対向する領域にカラーフィルター11、12を設ける。このカラーフィルター11、12は、青色と赤色と緑色(図示せず)との3色からなる。さらに、カラーフィルター11、12は、表示電極5の領域にて島状の複数個のカラーフィルターに分割している。この複数個のカラーフィルター間には、透過率の大きい開口部14を有している。表示電極5に設ける開口部15とカラーフィルター11、12に設ける開口部14とは異なる位置に設けてある。本実施形態においては、表示電極5の開口部15をカラーフィルター11,12と対向する部分に設けてある。
さらに、第2の基板6には、表示電極5と対向するように透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)からなる対向電極9を設ける。対向電極9と複数個のカラーフィルター11、12、13との間には絶縁性保護膜8を設ける。さらに、対向電極9に、外部回路の信号を印加するため、対向電極9はデーター電極(図示せず)を接続する。さらに、第1の基板1上に設ける第1の電極2は、非線形抵抗素子10を設けるために張り出している領域を設ける。そして、この張り出し領域が第2の電極4とオーバーラップして非線形抵抗素子10を構成している。
さらにまた図1の平面図に示すように、第1の電極2と表示電極5とは、所定寸法の間隙を有している。また、表示電極5は、液晶16を介して対向電極9と重なり合うように配置することにより、液晶表示パネルの表示画素部19となる。対向電極9とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、非線形抵抗素子10を介して、表示電極5と対向電極9との間の表示画素部19における液晶16の透過率変化により、液晶表示パネルは所定の画像表示を行う。
さらに第1の基板1と第2の基板6とは、液晶層16の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜21、21を設ける。さらにスペーサー17によって、第1の基板1と第2の基板6とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶16を封入する。さらに、液晶層16は、液晶とモノマーとの混合液晶層よりなり、液晶層16に紫外線を照射することのより、モノマーからポリマーへの架橋反応を起こし、液晶とポリマーとの屈折率の差が発生し、散乱性を発生する。
さらに、第2の基板6側より光を照射する場合には、液晶層16により光学変調と反射特性を有する表示電極5からの反射光により表示を行う。また、第2の基板6側より光の照射がない、いわゆる暗いところでの液晶表示パネルの利用の場合には、第1の基板1上に補助光源20を設けているため、表示電極5の開口部15を通過する補助光源20の光を利用し液晶の光学特性変化を利用して、表示を行う。
本発明の第1の実施形態に示す液晶表示パネルは、表示画素部19の領域のカラーフィルター11、12は、複数個の島状の構造をしている。そのために、表示電極5の開口部
15は、第1の基板1側から紫外線を照射する際には、大きな透過率を示し、カラーフィルター11,12に設ける開口部14は、第2の基板6側より紫外線を照射する場合に大きな透過率を示すため、ポリマーを有する液晶層16に大きな紫外線を照射することが可能となる。
さらに、島状のカラーフィルター間に設ける開口部14を表示画素部19上に設けているため、液晶層16に電圧を印加できる。そのため、光学変化が可能なため、開口部14を設けてもコントラスト比をほとんど低減することはない。さらに、第2の基板6側より外部光源(図示せず)からの光の照射がないか、または弱い場合に第1の基板1側の補助光源20により液晶層16を介して第2の基板6側の観察者へ情報を表示するため、表示電極5の開口部15を設けることにより、補助光源20の光を透過することができる。さらに、表示電極5の開口部15に対向する第2の基板6上にはカラーフィルター11、12を設けているため、カラー表示が可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態に示す構成からなる液晶表示パネルを用いることにより、明るい表示特性を有する液晶表示パネルを得ることが可能となると同時に、液晶層16への光照射(紫外線)照射を行う場合に、第1の基板1の液晶層16と面する逆の面より紫外線を照射する際には、表示電極5(反射板)に設ける開口部15を利用することにより、液晶層16へ効率良く紫外線を照射することができる。さらに、表示電極5と異なる位置にあるカラーフィルターに設ける開口部14を利用することにより、表示電極の開口部15では紫外線の照射が不完全な領域にも紫外線を照射することができるため、とくに液晶層16への紫外線照射が必要な液晶層16を有する液晶表示装置においては非常に有効である。
すなわち、従来技術の反射特性(非透過性)を有する表示電極5の場合に開口部15を設けていない場合には、まず補助光源20の光を液晶層16を介して第2の基板6側へ透過することができかかった。同様に、補助光源20の代わりに紫外線光源を用いて液晶層16へ紫外線を照射する際にも、液晶層16へは紫外線を照射することが難しかった。逆にカラーフィルター11においても、特に青色のカラーフィルターでは、紫外線を吸収するため、液晶層16への紫外線照射が難しかった。そのため、本第1の実施形態に示す構造を利用し、第1の基板1側に設ける開口部15と第2の基板6側に設ける開口部14を用いることにより、補助光源20の利用を可能にすることと、液晶層16への紫外線照射を可能にすることができる。
〔第2の実施形態:図3および図4〕つぎに、本発明の第2の実施形態における液晶表示パネルの構成を、図3と図4とを使用して説明する。図3は、本発明の第2の実施形態における液晶表示パネルを示す平面図である。図4は、図3の平面図のC−C線における断面を示す断面図である。以下、図3と図4とを交互に用いて本発明の第2の実施形態を説明する。
第1の基板1には、タンタル(Ta)膜からなる第1の電極2と信号電極35を設ける。さらに、この第1の電極2上に第1の電極2の陽極酸化膜である酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる非線形抵抗層3を設ける。さらにクロム(Cr)膜からなる第2の電極4を非線形抵抗層3上にオーバーラップするように設けて、非線形抵抗素子10を設ける。なお、この第2の電極4の一部領域は、透明導電性膜として酸化インジウムスズ(ITO)からなる表示電極5と接続している。
第2の基板6上には、第1の基板1に形成するそれぞれの表示電極5の隙間からの光の漏れを防止するために、酸化クロム膜(CrO)とクロム膜(Cr)の2層からなるブラックマトリクス7を設けてある。 さらに、第2の基板6上にはブラックマトリクス7の
一部と重なり、表示電極5と対向する領域にカラーフィルター11、12、13を設ける。このカラーフィルター11、12、13は、青色と赤色と緑色との3色からなる。さらに、カラーフィルター11、12、13は、表示電極5の領域にて、各14個の島状のカラーフィルターに分割している。この複数個のカラーフィルター間には、高透過率を示す開口部14を有している。
さらに、第2の基板6には、表示電極5と対向するように透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)からなる対向電極9を設ける。対向電極9と複数個のカラーフィルター11、12、13との間には絶縁性保護膜8を設ける。さらに、対向電極9に、外部回路の信号を印加するため、対向電極9はデーター電極(図示せず)を接続する。さらに、第1の基板1上に設ける第1の電極2は、非線形抵抗素子10を設けるために張り出している領域を設ける。そして、この張り出し領域が第2の電極4とオーバーラップして非線形抵抗素子10を構成している。
さらにまた図3の平面図に示すように、第1の電極2と表示電極5とは、所定寸法の間隙を有している。表示電極5は、液晶層16を介して対向電極9と重なり合うように配置することにより、液晶表示パネルの表示画素部19となる。
信号電極35とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、非線形抵抗素子10を介して、表示電極5と対向電極9との間における表示画素部19において、液晶層16の透過率変化により、液晶表示パネルは所定の画像表示を行う。さらに第1の基板1と第2の基板6とは、液晶層16の液晶分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜21を設ける。
さらにスペーサー17によって、第1の基板1と第2の基板6とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶を封入する。またさらに、第1の基板1上に偏光板18と補助光源部20とを設け、第2の基板6上に偏光板18を設ける。液晶表示パネルは自己発光しないため、光源が必要となる。この補助光源20を利用し液晶の光学特性変化を利用して、表示を行う。
本発明の第2の実施形態に示す液晶表示パネルは、表示画素部19の領域のカラーフィルター11、12、13は、複数個の島状の構造をしている。そのため、たとえば1個の表示画素部19の領域における赤のカラーフィルター11には、高透過率特性を有する開口部14を設けている。そのため、開口部14では、大きな光を透過できる。さらに、島状のカラーフィルター間に設ける開口部14を表示画素部19上に設けているため、液晶層16に電圧を印加できる。そのため、光学変化が可能なため、開口部14を設けてもコントラスト比をほとんど低減することはない。
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施形態に示す構成からなる液晶表示パネルを用いることにより、明るい表示特性を有する液晶表示パネルを得ることが可能となる。
〔第3の実施形態:図5および図6〕つぎに本発明の第3の実施形態における液晶表示パネルの構造を、図5と図6とを用いて説明する。図5は本発明の第3の実施形態における液晶表示パネルを示す平面図である。図6は図5の平面図のD−D線における断面を示す断面図である。以下、図5と図6とを交互に用いて本発明の第3の実施形態を説明する。
第1の基板1上には、タンタル(Ta)膜からなるゲート電極22を設ける。さらに、このゲート電極22上にゲート電極22の陽極酸化膜である酸化タンタル(Ta2 O5 )
からなるゲート絶縁膜設ける。さらにゲート絶縁膜上とその周囲にアモルファスシリコン(a−Si)からなる半導体層24を設ける。
さらに、半導体層24上には、アモルファスシリコンに不純物を添加したN型アモルファスシリコン(N型a−Si)25をゲート電極22と一部重なるように設ける。さらにN型アモルファスシリコン25上には、モリブデン(Mo)からなるソース電極26とドレイン電極27を設ける。ソース電極26は、外部信号を印加するために、データー電極(図示せず)と接続し、ドレイン電極27は、透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる表示電極5と接続する。さらに、半導体層24上のソース電極26とドレイン電極27の間には、半導体層24の特性劣化を防止するために、保護絶縁膜51を設ける。
第2の基板6上には、第1の基板1に形成するそれぞれの表示電極5の隙間からの光の漏れを防止することと、半導体層24への光の入射を防止するために、クロム膜(Cr)からなるブラックマトリクス7を設けてある。さらに、第2の基板6上にはブラックマトリクス7の一部と重なり、表示電極5と対向する領域にカラーフィルターを設ける。カラーフィルター11、12、13は青色と赤色と緑色との3色からなる。
さらに、カラーフィルター11、12、13は、表示電極5の領域にて各11個の島状のカラーフィルターに分割している。この複数個のカラーフィルター11、12、13の間には、ブラックマトリクス7の設けていない開口部14を有している。
表示画素部19上の開口部14は蛇行する配置を有している。本発明の第3の実施形態では、X軸の方向のみ蛇行している配置を有しているが、Y軸のみまたはX軸をY軸の両方の軸に関して蛇行しても当然有効である。この蛇行することにより、開口部14の透過率の高い領域の連続性を防止できるため、カラーフィルター11、12、13と開口部14との混色性の向上ができる。本実施形態においては、説明しやすくするために、カラーフィルター11を11個に分割する例を示したが、さらに多くの島状にすることにより、カラーフィルター11と開口部14との混合性が改善できる。
さらに、第2の基板6には、表示電極5と対向するように透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)からなる対向電極9を設ける。表示電極5は、液晶16を介して対向電極9と重なり合うように配置することにより、液晶表示パネルの表示画素部19となる。
ゲート電極22と、データー電極に接続するソース電極29とに外部回路より駆動波形を印加し、薄膜トランジスタ(TFT)素子を介して、表示電極5と対向電極9との間の表示画素部19における液晶層16の透過率変化により、液晶表示パネルは所定の画像表示を行う。
さらに第1の基板1と第2の基板6とは、液晶16の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜21、21を設ける。さらにスペーサー17によって、第1の基板1と第2の基板6とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶16を封入する。
さらに、液晶表示パネルは自己発光しないために、液晶表示パネルの第1の基板1を観察者側に配置し、第1の基板1側の補助光源20を利用する。さらに、第1の基板1の外側に図6の断面図に示すように、第1の基板1より偏光板18と接着層(図示せず)とを設ける。さらに、第2の基板6側には、偏光板18と反射部32と接着層(図示せず)とを設け、液晶16の光学変化を、2枚の偏光板18、18を利用して行う。
本発明の第3の実施形態に示す液晶表示パネルは、表示画素部19の領域のカラーフィルター11、12、13は、複数個の島状の構造をしている。そのため、たとえば1個の表示画素部19の領域における赤のカラーフィルター11には、ブラックマトリクス7を形成しない領域として開口部14を設けている。そのため、開口部14では、大きな光を透過できる。
さらに、島状のカラーフィルター間に設ける開口部14を表示画素部19上に設けている。このため、液晶層16に電圧を印加できるため、光学変化が可能であり、開口部14を設けてもコントラスト比をほとんど低減することはない。
さらに、反射型液晶表示パネルとして利用し、偏光板18の偏光軸をお互いに直交する方向に配置することにより、開口部14はその周辺に設けるカラーフィルターの色を反射することが可能となる。そのため、色の純度が向上できる。
さらに、表示画素部19上のカラーフィルターの配置を蛇行する配置とし、蛇行する開口部14とすることにより、開口部14と島状のカラーフィルターとの混色性が向上し、良好な表示が得られる。
以上の説明から明らかなように、島状のカラーフィルターの周囲に設ける開口部14を利用することにより、明るい表示特性を有する液晶表示パネルを得ることが可能となる。さらに、島状のカラーフィルターの周囲に設ける開口部14と反射部を利用し、開口部14の周囲のカラーフィルターの一部を反射することにより明るく、しかも色純度の良好な液晶表示パネルが可能となる。
〔第4の実施形態:図7および図8〕つぎに本発明の第4の実施形態における液晶表示パネルの構造を、図7と図8とを用いて説明する。図7は本発明の第4の実施形態における液晶表示パネルを示す平面図である。図8は図7の平面図のE−E線における断面を示す断面図である。以下、図7と図8とを交互に用いて本発明の第4の実施形態を説明する。
第1の基板1上には、タンタル(Ta)膜からなるゲート電極22と対向電極9を設け、このゲート電極22上にゲート電極22の陽極酸化膜である酸化タンタル(Ta2 O5 )からなるゲート絶縁膜23を設ける。さらにゲート絶縁膜23上とその周囲にアモルファスシリコン(a−Si)からなる半導体層24を設ける。さらに、半導体層24上には、アモルファスシリコンに不純物を添加したN型アモルファスシリコン(N型a−Si)25がゲート電極22と一部重なるように設ける。さらに、N型アモルファスシリコン25上には、モリブデン(Mo)からなるソース電極26とドレイン電極27を設ける。ソース電極26は、外部信号を印加するために、対向電極9と接続し、ドレイン電極27は、透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる表示電極5と接続する。
さらに、半導体層24上のソース電極26とドレイン電極27の間には、半導体層24の特性劣化を防止するために、保護絶縁膜51を設ける。第2の基板6上には、ブラックマトリクスは設けていない。さらに、第2の基板6上には、表示電極5と対向する領域にカラーフィルターを設ける。カラーフィルター11、12、13はシアンとマゼンダとイエローとの3色からなる。さらにカラーフィルター11、12、13は、表示電極5の領域にてカラーフィルターに光の透過する開口部14を有する。また、この開口部14には、ブラックマトリクスは設けない。
さらに、図8に示すように、第2の基板6上には、ブラックマトリクスは設けていない
ため、カラーフィルターには開口部14があるが、表示電極5の周辺部で相互に接続している。そのため、開口部14は閉曲線の形状を有する。さらにカラーフィルター11、12、13は、ソース電極26上まで張り出す構造を有する。この構造にすることにより表示画素部19の周囲の領域はカラーフィルターがあるため、透過率の制限が可能となる。このため、表示画素部19の表示内容に対して、非表示内容の混入を防止することが可能となる。
さらに、第2の基板6には表示電極5と対向するように透明導電性膜である酸化インジウムスズ(ITO)からなる対向電極9を設ける。表示電極5は、液晶層16を介して対向電極9と重なり合うように配置することにより、液晶表示パネルの表示画素部19となる。
信号電極とゲート電極22とに外部回路より駆動波形を印加し、薄膜トランジスタ(TFT)素子を介して、表示電極5と対向電極9との間の表示画素部19の液晶16の透過率変化により液晶表示パネルは所定の画像表示を行う。
さらに第1の基板1と第2の基板6とは、液晶16の分子を規則的に並べるための処理層として、カラーフィルター11、12、13上に配向膜21、21をそれぞれ設ける。そのうえさらに、カラーフィルターに設ける開口部14上には、配向膜21、21とは異なる配向膜30を設ける。
本発明の第4の実施形態においては、カラーフィルター上に設ける配向膜21は液晶分子の吸収軸が第1の基板1側では7時30分の方向を向いており、第2の基板6側では4時30分の方向を向くように処理してある。すなわち、液晶層16は90゜の角度にツイストしている。
さらに開口部14に設ける配向膜30は、配向膜21の配向処理方向とは逆に液晶分子の吸収軸が第1の基板1側では4時30分の方向を向いており、第2の基板6側では7時30分の方向を向くように処理してある。すなわち液晶層16は、90゜の角度にツイストしている。 このように配向膜21と配向膜30とを異なる方向に配向処理をおこない、異なる方向に液晶分子の吸収軸を配置することにより、観察者と液晶表示パネルの位置関係が異なっても、広視野の範囲で良好な表示が可能となる。つまり、配向膜21の液晶分子が過剰な黒側の表示を行うときに、配向膜30の液晶分子が過剰の黒表示を行わないため、過剰な黒表示の程度が弱まるためである。
さらにスペーサー17によって、第1の基板1と第2の基板6とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶層16を封入する。さらに液晶表示パネルは自己発光しないために、液晶表示パネルの第1の基板1を観察者側に配置し、第1の基板1側の外部光源28を光源として利用する。さらに、第1の基板1の外側に図7の断面図に示すように、第1の基板1より偏光板18と接着層(図示せず)とを設ける。さらに、第2の基板6側には、偏光板18と反射部29と接着層(図示せず)とを設け、液晶16の光学変化を、2枚の偏光板18、18を利用して行う。
本発明の第4の実施形態における液晶表示パネルは、表示画素部19の領域のカラーフィルター11、12、13は、光が透過し、ブラックマトリクスのない開口部14を有する構造である。そのため、開口部14ではカラーフィルター11、12、13に比べて大きな光を透過できる。
さらに、カラーフィルターは、表示電極5の周囲にて開口部14がない構成のため、液晶に電圧が印加できない領域では、できる限り透過率は低下する構成となる。さらに、カ
ラーフィルターに設ける開口部14を表示画素部19上に設けているため、液晶層16に電圧を印加でき、光学変化が可能となる。さらにそのうえ、カラーフィルター上の配向膜21と開口部14における領域の配向膜30の配向処理方向を異なる方向にすることにより、広範囲の視野において良好な表示を達成できる。
〔第5の実施形態:図9、図10および図11〕つぎに、本発明の第5の実施形態におけるカラーフィルター11と開口部14の配置の異なる実施形態を図9と図10と図11とを用いて説明する。図9は液晶表示パネルを示す平面図であり、図10と図11とは、図9の平面図のF−F線における断面図である。なお、図9の平面図には第4の実施形態と同様な符号を用いている。さらに図10と図11とは、カラーフィルター11を設ける第2の基板6とカラーフィルター11とカラーフィルターの開口部14と対向電極9の構成を示す断面図である。
図10に示すように、第2の基板6の上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域にカラーフィルター11を設ける。このカラーフィルター11には透過率が異なり、しかもこのカラーフィルター11より大きい光を透過する高透過性カラーフィルター31を設ける。この高透過性カラーフィルター31が、カラーフィルターの開口部14に対応する。この高透過性カラーフィルター31は、有機顔料の光脱色反応または部分染色の方法により形成することができる。このカラーフィルター11と高透過性カラーフィルター31との上面に対向電極9を設ける。
以上に示すように、図10の断面図に示す構成により、平坦性に優れたカラーフィルターの形成が可能となり、対向電極9の断線が減少できる。さらにカラーフィルター11内に設ける高透過性カラーフィルター31の1個当たりの占める面積を微少面積にし、しかも、多くの高透過性カラーフィルター31をカラーフィルター11に設けることにより、均一でかつ明るい液晶表示パネルを得ることが可能となる。
つぎに図11に示す液晶表示パネルの構成を説明する。図11に示すように、第2の基板6上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域にカラーフィルター11を設ける。このカラーフィルター11には膜厚32が異なり、しかもこのカラーフィルター11より大きい光を透過する開口部14を設ける。開口部14のカラーフィルター11は、膜厚33が薄くなっている。この開口部14のカラーフィルター11は、カラーフィルター11の部分エッチング加工方法、または部分多層カラーフィルターの形成手段により形成することができる。さらに、このカラーフィルター11と開口部14との上面に対向電極9を設ける。
図11の断面図に示す構成により、開口部14とカラーフィルター11の膜厚の比率により液晶表示パネルの使用環境に適する明るさの液晶表示パネルを容易に得ることが可能となる。
つぎに、図12に示す液晶表示パネルの構成を説明する。図12に示すように、第2の基板6の上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域に対向電極9を設ける。この対向電極9上にカラーフィルター11を設ける。このカラーフィルター11は開口部14を有する。
図12の断面図に示す構成により、多数の開口部14を有する多孔質カラーフィルター11や、または膜厚の厚いカラーフィルター11を用いる場合においても、対向電極9をカラーフィルター11の下層に設けることにより対向電極9の断線は発生しにくくなる。さらに、対向電極9の形成する工程によるカラーフィルター11の変色、または透過率の低下を防止するこができる。
つぎに、図13に示す液晶表示パネルの構成を説明する。図13に示すように、第2の基板6の上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域にカラーフィルター11を設ける。カラーフィルター11には光透過性を有する凸部36を有する。この凸部36は光を散乱するために第2の基板6と反対の面で表面が荒れている。この光透過性凸部36が高透過率を有する開口部14として作用する。
この開口部14は光感光性樹脂を回転塗布法により第2の基板6上に形成し、熱乾燥を行い硬化させ光感光性樹脂の表面を微粒子を吹き付け光感光性樹脂の表面を荒らした後、フォトリソグラフィー法により所定の形状に加工することにより形成することができる。さらに、このカラーフィルター11と開口部14との上面に対向電極9を設ける。
図13の断面図に示す構成により、開口部14からの光は周辺のカラーフィルター11に広がり、画素部の光量が上昇し、明るく、しかも均一性の良好な表示が得られる。
〔第6の実施形態:図14、図15および図16〕つぎに、本発明の第6の実施形態におけるカラーフィルター11と開口部14の配置の異なる他の実施形態を図14と図15と図16とを用いて説明する。図14は液晶表示パネルを示す平面図であり、図15と図16とは、図14の平面図のG−G線における断面図である。なお、図14の平面図には第4の実施形態と同様な符号を用いている。さらに、図15と図16は、カラーフィルター11を設ける第2の基板6とカラーフィルター11と開口部14と対向電極9の構成を示す断面図である。
図15は、第2の基板6上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域にカラーフィルター11を設ける。このカラーフィルター11内には光を透過し、絶縁性を有する光透過性絶縁粒子34を含む。この光透過性絶縁粒子34によりカラーフィルター11に光の透過率の大きな開口部14を設けたこととなる。この光透過性絶縁粒子34は、球状または円筒状または多面体とする。このため、この光透過性絶縁粒子34によって、光をカラーフィルター11内に拡散することが可能となる。さらに、このカラーフィルター11と光透過性絶縁粒子34との第2の基板6側には対向電極9を設ける。
図15の断面図に示す構成を作用することにより、光透過性絶縁粒子34からなる開口部14からの光は、周辺のカラーフィルター11に広がり画素部の光量が上昇し明るく、しかも均一性の良好な表示が得られる。
つぎに図16に示す構造の液晶表示パネルを説明する。図16に示すように、第2の基板6上には第1の基板上の表示電極(図示せず)と対向する領域にカラーフィルター11を設ける。このカラーフィルター11内には光を透過し絶縁性を有する光透過性絶縁微粒子34を含む。この光透過性絶縁微粒子34の分散度合いによって、カラーフィルター11に光の透過率の大きな光透過性絶縁微粒子34が数個凝集する部分がカラーフィルター11内において高透過率を示し、開口部14として機能する。
光透過性絶縁微粒子34は、球状または円筒状または多面体とする。このため光透過性絶縁微粒子34によって光をカラーフィルター11内に拡散することが可能となる。さらに、このカラーフィルター11と光透過性絶縁性微粒子34との上面に対向電極9を設ける。
図16の断面図に示す構成により、光透過性絶縁微粒子34の凝集によるカラーフィルター11に内で発生する高透過率部である開口部14が構成される。この光透過性絶縁微粒子34へ入射する光は、周辺のカラーフィルター11に広がり、さらにカラーフィルタ
ー11に分散する他の光透過性絶縁微粒子34がさらに光を拡散するため画素部を透過する光量が上昇し明るく、しかも均一性の良好な表示が得られる。
〔腕時計装置説明:図17、図18、図19および図20〕以下に本発明の液晶表示パネルと液晶表示パネルを利用する腕時計装置について図面を参照しながら説明する。図17は、本発明の反射膜(光透過減衰膜)に開口部を有する基板を有する液晶表示パネルの全体を示す平面図である。図18は、図17のH−H線における拡大断面図である。図19は、図17に示す液晶表示パネルを利用するデジタル表示型の腕時計装置の平面模式図である。図20は、図19のI−I線における断面模式図である。以下に図17と、図18と、図19と、図20とを交互に用いて第7の実施形態を説明する。
液晶表示パネルは、紙面下面に設ける第1の基板1と紙面上面に設ける第2の基板6を有する。第1の基板1上には、金属膜として金(Au)膜からなる遮光膜50と複数の開口部15とを有する。図18に示すように、また、第1の基板1上には、金属膜と信号電極5との電気的短絡を防止するために、保護用絶縁膜51としてポリイミド樹脂を印刷法にて設ける。第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9として7分割の電極52、53、54、55、56、57、58を設ける。7分割の電極52から58により数字等の表示が可能となる。
また、第2の基板6上には、第1の基板1上の信号電極5を第2の基板6上へ電気的に配置転換を行うための接続電極59を有する。第1の基板1上の信号電極5の形状は、第2の基板6上に設ける対向電極を覆う領域に設けてある。また、信号電極5は、接着材と導電粒60により、信号電極5に接続する接続部49において、第2の基板6上の接続電極59に接続する。
図18に示すように、金属膜からなる遮光膜50には、複数の開口部15を有し、開口部15は、対向電極52から58と信号電極5との重なり合う領域に設けてあり、表示画素部19となる。また、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶とモノマーの混合液晶層16を注入した後に紫外線を第2の基板6側より照射し、ポリマーとする。液晶層16は、第1の基板1と第2の基板6とシール部61と封口材(図示せず)とにより封入されている。さらに、図18に示すように、液晶表示パネルを第1の基板1側より補助光源20により光を照射し、表示を行う場合には、遮光膜50に設ける複数の開口部15からの光の透過により表示を行うことができる。
以上の構成を有する液晶表示パネルを腕時計装置に利用する実施形態を図19と図20とを用いて説明する。腕時計装置は、時計ケース62には、風防ガラス63と裏蓋部64を有する。 風防ガラス63側より、第2の基板6と液晶層16とシール材61と第1の基板1とを配置する。第1の基板1の下面には、液晶表示パネルを駆動する回路基板65上に補助光源20としてエレクトロルミネッセント(EL)ライトを実装し、さらに回路基板65と液晶表示パネルとの電気接続は、ストライプ上の導電性と非導電性を繰り返し積層するゼブラゴム67により行う。
回路基板65の一部には回路基板65へのエネルギー供給源として電池66が実装してある。また、図19に示すように、液晶表示パネルにより、午前と午後の表示75と時表示76と分表示77の表示ができる。また、時刻合わせ等を行うための設定端子用入力部78を有する。
以上の説明で明らかなように、腕時計装置の風防ガラス63の方向より外部光の照射がある場合には、外部光が腕時計装置の風防ガラス63→第2の基板6→液晶層16を経由して、第1の基板1上の金属遮光膜(反射膜)50に入射する。外部光は、金属遮光膜5
0により反射され、入射経路と逆の経路により、風防ガラス63側に出射する。この場合に、回路基板65からの情報が第2の基板6上の対向電極9に供給され、所定の表示を行い、非表示部と表示部(表示画素部19)との光学的差分により腕時計装置の観察者へ情報を提供することができる。
逆に、外部光の強度が弱い場合には、腕時計装置の補助光源20であるELライトからの光が、第1の基板1上の金属遮光膜50の複数の開口部15を透過し、液晶を経由し、観察者側へ出射される。また、ELライトの色彩を黄色にすることにより外部光を利用した場合と近い色彩をだすことが可能となる。
以上の説明から明らかなように、外部光の強度が強い場合には、金膜からなる金属遮光膜による金色の反射光を得ることができる。そのため、装飾性が重要である腕時計装置においては、非常の高級感のある表示が達成できる。また、液晶層16に液晶とポリマーからなる高分子散乱型液晶を利用することにより、非表示の際の散乱性と表示の際の高透過性を充分に利用し、非表示領域においては、液晶層16の散乱性のために、白味のある金色の反射光が得られ、表示部では、金属光沢を有する金色を表示することが可能となる。
さらに外部光が弱いときには、補助光源20を利用し、金属遮光膜50の複数の開口部15を利用し、表示を行うことができる。この実施形態においては、反射光の際の表示に重点を置き、複数の開口部15の個数を少なめにしているため、信号電極5と対向電極9の重なり合う領域以外には、開口部15を設けていない。そのため、開口部15の個数が少なくとも表示部の情報が認識できる。
〔第8の実施形態:図21〕以下に、色々は実施形態を図面に基づいて説明する。以下に示す断面図は、第7の実施形態におけるH−H線における断面図に相当する。まず、第8の実施形態について図21を用いて説明する。
液晶表示パネルの第1の基板1上には、銀(Ag)薄膜からなる遮光膜(光透過減衰膜)50と遮光膜50に設ける複数の開口部15と、金属膜の遮光膜50と信号電極5との電気的短絡と銀薄膜の劣化を防止するために、保護用絶縁膜51としてポリイミド樹脂を印刷法にて設ける。第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9を所定の形状に設ける。
本第8の実施形態の特徴は、第1の基板1上に第1の遮光膜50を設け、この第1の遮光膜50には複数の開口部15と、第1の基板1の第1の遮光膜50と反対の面(裏面)上に開口部15とほぼ一致する位置に第2の遮光膜80を形成する。さらに、補助光源20として有機エレクトロルミネッセント(EL)ランプとレンズフィルム79とを有する。レンズフィルム79は、ELランプの光を開口部15に対して垂直に出射する特性を有する。また、レンズフィルム79に色フィルターを設けることにより、補助光源20の色を変換して表示に利用することが可能である。
裏面に設ける第2の遮光膜80は、金属膜を3から30ナノメートル(nm)形成し、半透過膜からなる。そのため、第2の基板6上から外部光が入射する場合には、第1の遮光膜50は、反射率が大きく、明るい反射特性を有する。第2の遮光膜80は、第1の遮光膜50の開口部15からの光を一部反射する。さらに観察者と外部光との位置について実験した際に、表示領域が小さい場合には、第1の遮光膜50の開口部15の位置に対して、第2の遮光膜80の位置を周囲にずらして配置しても、第2の遮光膜80の効果が得られた。また、腕時計装置の位置と開口部15と第2の遮光膜80の位置により、外部光の入射は、腕時計装置の6時側からは入射光が少ないことがわかった。
そのため、第1の遮光膜50の開口部15に対して第2の遮光膜80は、6時側にずらす方法を採用した。また、補助光源20は、レンズフィルム79を使用しているため、第1の遮光膜50の開口部15と第2の遮光膜80のずれた部分より光を観察者側に出射することができる。そのため、第2の遮光膜80を設けない場合に比較し、外部光の強度の強い場合には、第1の遮光膜50と第2の遮光膜80により良好な表示品質を達成でき、さらに、補助光源20を利用する場合においても、明るい表示を達成できる。さらに、この実施形態においては、ELライトと色フィルムとの組み合わせで補助光源20の色を調節できる。
〔第9の実施形態:図22〕つぎに、第9の実施形態について図22を用いて説明する。液晶表示パネルの第1の基板1上には、アルミニウム(Al)薄膜からなる遮光膜50と遮光膜50上に設ける複数の開口部15と、金属膜の遮光膜50と信号電極5との電気的短絡と銀薄膜の劣化を防止するために、保護用絶縁膜51としてポリイミド樹脂を印刷法にて設ける。第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9と色表示を行うためのカラーフィルター11とを所定の形状の設ける。カラーフィルター11は、青カラーフィルターとする。
また、第1の基板1の裏面には、補助光源20としてエレクトロルミネッセント(EL)ライトと散乱板90とを配置する。さらに、第1の基板1上に設ける遮光膜50に設ける複数の開口部15は、信号電極5と対向電極9との重なり合う表示画素部81の密度をその周辺の非表示部82の密度より少なくしている。さらに、液晶層16は、液晶とモノマーとの混合液晶で、第1の基板1と第2の基板6との間隙に封入後に紫外線によりポリマーにする。従来の遮光膜50に開口部15を設けない場合には、第1の基板1側では、遮光膜50により紫外線は遮蔽され、第2の基板6側は、カラーフィルター11により紫外線が非常に減衰してしまう。しかし、本第9の実施形態においては、遮光膜50に複数の開口部15を設け、さらに、表示部81と非表示部82の両方に開口部を設けることにより、モノマーからポリマーへの架橋反応を行うことができる。
さらに、液晶層16の液晶とポリマーの状態は、液晶層16へ印加する電圧が小さい場合に、透明で、電圧を大きくすると散乱するモードを利用する。そのため、非表示部82は外部光が強い場合に、各角度により多少異なるが、遮光膜50が鏡面のため、散乱部が明るく見える。外部光が弱い場合には補助光源20と散乱板90により、非表示部82が散乱され暗く、表示部81が透過光によりカラーフィルター11の色の表示となる。
〔第10の実施形態:図23〕つぎに、第10の実施形態について図23を用いて説明する。液晶表示パネルは、第1の基板1上には、アルミニウム(Al)薄膜と酸化アルミニウム(Al2O5 )膜と透明導電膜(酸化インジウム酸化スズ膜ITO)との多層膜からなる遮光膜50を設ける。多層膜の干渉効果により金色を得ることができる。さらに、遮光膜50には、複数の開口部15を有し、多層膜の遮光膜50と信号電極5との電気的短絡を防止するために、保護用絶縁膜51としてポリイミド樹脂を印刷法にて設ける。第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9を所定の形状に設ける。
本第10の実施形態の特徴は、第1の基板1上の第1の遮光膜50に、複数の開口部15を設け、第1の基板1における第1の遮光膜50と反対の面(裏面)に所定の間隙を介して設ける散乱板90と散乱板90上に設ける第2の遮光膜80とを有する。第1の遮光膜50に設ける開口部15とほぼ一致する位置に第2の遮蔽膜80を設ける。さらに補助光源20としてライトルミネッセントランプ(LED)20を液晶表示パネルの周囲に設け、さらにLEDを表示部に照射するために、散乱板90は、導光板としての効力を有し、さらに第1の基板1と散乱板90とは、LEDの光を液晶表示パネルの全体に照射する
ために所定の間隙を有して配置する。
散乱板90上に金属製の第2の遮光膜80を設けることにより、外部光による反射特性は充分であり、さらに、液晶表示パネルの周囲からのLEDからの光に対してはより効率良く、第2の基板6の方向に光りを出射することが可能となり、液晶表示パネルの周囲よりの補助光源20に対しては非常に有効となる。
〔第11の実施形態:図24〕つぎに、第11の実施形態について図24を用いて説明する。液晶表示パネルの第1の基板1上には、信号電極5として、透明導電膜である酸化インジウム酸化スズ(ITO)膜を設ける。第11の実施形態においては、第1の基板1上には、遮光膜は設けていない。また、第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9を所定の形状の設ける。第1の基板1と第2の基板6との間隙には、架橋構造のポリマーを含む液晶を封入してある。信号電極5と対向電極9上には液晶を配列するための配向膜は設けていない。
この第11の実施形態の特徴は、第1の基板1上に遮光膜(光透過減衰膜)は設けず、第1の基板1の裏面側に所定の間隙を設けて、遮光膜50を設ける。遮蔽膜50には、複数の開口部15を有し、補助光源20からの光を第2の基板6側に出射する構造とする。この場合に、補助光源20に対する開口部15の相対位置と、表示部と外部光と開口部15との相対位置とが異なり、開口部15が表示部に対して深いため、比較的開口部15の表示に対する影響は少なく、また補助光源20からの出射光は、充分に観察者に認識できた。
さらに、液晶層16と遮蔽膜50との距離があるため、微細な表示には2重像のために不向きであるが、液晶層16の前方散乱特性が利用できる点と、第1の基板1と遮蔽膜50との間隙の媒体の屈折率により非表示部の液晶層16の散乱特性が向上し、表示部とのコントラストの優れた表示が可能となる。
〔第12の実施形態:図25、図26、図27および図28〕
つぎに、本発明の第12の実施形態における液晶表示パネルと液晶表示パネルを利用する腕時計装置について図25を参照しながら説明する。第12の実施形態は、対向電極9をM本有し、信号電極5もN本有し、MxNのマトリクス型の液晶表示パネルにおける例である。マトリクス型の液晶表示パネルには、各対向電極9と信号電極5の交点が各表示画素部19となる。各表示画素部19にスイッチング素子を有するアクティブマトリクス型とスイッチング素子を設けないパッシブマトリクス型とがある。本実施形態はどちらにも有効であるが、パッシブマトリクス型を用いて説明する。
図25は、本発明の第12の実施形態における液晶表示パネルの全体図を示す平面図である。図26は、図25のJ−J線における拡大断面図である。図27は、図25に示す液晶表示パネルを利用するデジタル表示と分針と時針とを有するアナログ型の両方を有するコンビネーション型の腕時計装置の平面模式図である。図28は、図27のK−K線における断面模式図である。以下に図25、図26、図27と図28とを交互に用いて第12の実施形態を説明する。
液晶表示パネルは、紙面下面に設ける第1の基板1と紙面上面に設ける第2の基板6を有する。第1の基板1上には、金属膜として金(Au)膜からなる遮光膜50と複数の開口部15とを有する。開口部15は、第1の基板1のほぼ全面に設ける。また、第1の基板1上には、金属膜と信号電極5との電気的短絡を防止するために、保護用絶縁膜51としてポリイミド樹脂を印刷法にて設ける。信号電極5は、図25に示すように、N本のストライプ電極であり、図26の断面図に示すように、第1の基板1の外周部まで設ける。
また、第1の基板1と所定の間隙を有して対向する第2の基板6上には、対向電極9をM本のストライプ電極として設ける。
また、第2の基板6上には、第1の基板1上に設ける遮蔽膜50の開口部15とほぼ対向する位置に設ける複数の島状のカラーフィルター11と遮蔽膜50の開口部15と異なる位置に設けるカラーフィルター11の開口部14とを有し、さらに絶縁性保護膜8と対向電極9とを有する。以上により明るいカラー表示と液晶層16への紫外線等の照射が可能な構造となる。
また、腕時計装置の場合には、回路基板65と液晶表示パネルの電気的接続を行う実装容積に非常に制限あるため、第1の基板1上のストライプ状の信号電極5をシール材61に導電粒60を混ぜ、信号電極5と導電粒60と第2の基板6上に設けるストライプ状の接続電極59により、第2の基板6上に電気的に配置転換を行う。この構造を採用することにより、回路基板65は、液晶表示パネルに対して単一面にのみ実装を行うのみでよいため、実装容積を非常に小さくすることができる。
また、第1の基板1と第2の基板6の間隙には、第1の基板1の外周部にシール部61を有し、以上の空間に液晶とモノマーを有する液晶層16を注入後、注入口を封口材68にて注入口を封止する。また、図26に示すように、第1の基板1に設ける遮光膜50の開口部15により、補助光源20からの光を液晶層16を介して風防ガラス側に出射する。そのため、各表示画素部19を構成する信号電極5と対向電極9の交差領域には、それぞれ複数の開口部15を有する。
〔腕時計装置説明:図27および図28〕以上の構成を有する液晶表示パネルを腕時計装置に利用する実施形態を図27と図28とを用いて説明する。腕時計装置は、時計ケース62には、風防ガラス63と裏蓋部64を有する。風防ガラス63側より、第2の基板6と液晶層16とシール材61と第1の基板1とを配置する。液晶表示パネル中央には、アナログ時計の分針69と時針70とを駆動する指針軸84が貫通し、さらに、第1の基板1の下面には、アナログ時計部を駆動する機械駆動部73を有する。また、機械駆動部73の下面には、液晶表示パネルを駆動するデジタル回路部65と電源回路と電池66がある。
また、液晶表示パネルの第2の基板6上には、腕時計装置として使用している場合に液晶層16への紫外線の入射と反射光の制限を行うと同時に、アナログ時計の時刻を示す数字71を有する時板72を設ける。時板72を液晶層16への紫外線遮蔽膜として兼用することにより、腕時計装置のように、非常の厚さの限定をするものに関しては、有効な方法である。さらに回路基板65と液晶表示パネルとの電気接続は、ストライプ上の導電性と非導電性を繰り返し積層するゼブラゴム67により行う。
また図27に示すように、液晶表示パネルにより、年表示85と、月表示86と日表示89のモード変更を行うモード切り替えボタン87と、時刻合わせ等を行うための設定端子用入力部78を有する。さらに、液晶表示パネルへの補助光源20は、白色LEDを利用し、LEDランプ点灯ボタン88のより点灯する。LEDは、LED接続線74により、電源回路基板へ接続している。
以上の説明より明らかなように、腕時計装置の風防ガラス63の方向より外部光の照射がある場合には、外部光が腕時計装置の風防ガラス63→時板72→第2の基板6→カラーフィルター11→液晶層16を経由して、第1の基板1上の金属遮光膜50に入射する。外部光は、金属遮光膜50により反射され、入射経路と逆の経路により、風防ガラス側63に出射する。この場合に、回路基板65からの情報が第2の基板6上の対向電極9と
信号電極5とに供給され、所定の表示を行い、光学的差分により腕時計装置の観察者へ情報を提供することができる。
逆に、外部光の強度が弱い場合には、腕時計装置の補助光源20であるLEDライトからの光が、第1の基板1上の金属遮光膜50の複数の開口部15を透過し、液晶層16を経由し、観察者側へ出射される。またLEDライトの色彩を白色にすることにより外部光を利用した場合と近い色彩をだすことが可能となる。
以上の説明から明らかなように、外部光の強度が強い場合には、金属膜からなる金属遮光膜(反射膜)による金色の反射光を得ることができる。そのため、装飾性が重要である腕時計装置においては、非常の高級感のある表示が達成できる。また、液晶層16に液晶とポリマーからなる高分子散乱型液晶を利用することにより、非表示の際の散乱性と表示の際の高透過性を充分に利用し、非表示領域においては、液晶層16の散乱性のために、白味のある金色の反射光が得られ、表示部では、金属光沢を有する金色を表示することが可能となる。さらに、外部光が弱いときには、補助光源20を利用し、金属遮光膜50の複数の開口部15を利用し、表示を行うことができる。
以上に説明した第1の実施形態から第5の実施形態に関しては、第1の基板上に非線形抵抗素子を有するときの例を示してあるが、非線形抵抗素子のない単純に第1の基板上に設ける対向電極と第2の基板上に設ける対向電極を備え、対向電極と対向電極との交点に複数の画素部(表示画素部)を有する単純マトリクス構成の液晶表示パネルにおいても、液晶の透過率変化を表示に使用する。このため以上説明した本発明の第1の実施形態から第3の実施形態における効果は得られる。