JP4326855B2 - Thiol compound, production method thereof, and intermediate thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規チオール化合物、その製造方法およびその中間体に関する。さらに詳しくは、本発明は、屈折率とアッベ数が共に高く、かつ耐熱性、耐候性、透明性などに優れており、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基板、赤外吸収用フィルター、着色フィルターなどに好ましく用いられる光学製品を与えることができる新規チオール化合物、その製造方法およびその中間体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックはガラスに比較し軽量で割れにくく染色が容易であるため、近年、レンズ等の各種光学用途に使用されている。そして、光学用プラスチック材料としては、ポリ(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート) (CR−39)やポリ(メチルメタクリレート)が、一般的に用いられている。しかしながら、これらのプラスチックは1.50以下の屈折率を有するため、それらを例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなるほどレンズが厚くなり、軽量を長所とするプラスチックの優位性が損なわれてしまう。特に強度の凹レンズは、レンズ周辺が肉厚となり、複屈折や色収差が生じることから好ましくない。さらに眼鏡用途において肉厚のレンズは、審美性を悪くする傾向にある。肉薄のレンズを得るためには、材料の屈折率を高めることが効果的である。一般的にガラスやプラスチックは、屈折率の増加に伴いアッベ数が減少し、その結果、それらの色収差は増加する。従って、高い屈折率とアッベ数を兼ね備えたプラスチック材料が望まれている。
【0003】
このような性能を有するプラスチック材料としては、例えば(1) 分子内に臭素を有するポリオールとポリイソシアネートとの重付加により得られるポリウレタン(特許文献1)、(2) ポリチオールとポリイソシアネートとの重付加により得られるポリチオウレタン(特許文献2、特許文献3)が提案されている。そして、特に(2)のポリチオウレタンの原料となるポリチオールとして、イオウ原子の含有率を高めた分岐鎖(特許文献4、特許文献3)や、イオウ原子を高めるためジチアン構造を導入したポリチオール(特許文献5、特許文献6)が提案されている。さらに、(3) エピスルフィドを重合官能基としたアルキルスルフィドの重合体が提案されている(特許文献7、特許文献8)。
しかしながら、上記(1)のポリウレタンは、屈折率がわずかに改良されているものの、アッベ数が低く、かつ耐光性に劣る上、比重が高く、軽量性が損なわれるなどの欠点を有している。また(2)のポリチオウレタンのうち、原料のポリチオールして高イオウ含有率のポリチオールを用いて得られたポリチオウレタンは、例えば屈折率が1.60〜1.68程度に高められているが、同等の屈折率を有する光学用無機ガラスに比べてアッベ数が低く、さらにアッベ数を高めなければならないという課題を有している。さらに、(3)のアルキルスルフィド重合体は、一例としてアッベ数が36において、屈折率が1.70に高められており、この重合体を用いて得られたレンズは、著しく肉薄、軽量化されているが、屈折率とアッベ数を同時に、さらに高めたプラスチック材料が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−164615号公報
【特許文献2】
特公平4−58489号公報
【特許文献3】
特開平5−148340号公報
【特許文献4】
特開平2−270859号公報
【特許文献5】
特公平6−5323号公報
【特許文献6】
特開平7−118390号公報
【特許文献7】
特開平9−72580号公報
【特許文献8】
特開平9−110979号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の課題を解決するためなされたもので、屈折率とアッベ数が共に高く、かつ耐熱性、透明性なども優れる光学製品を提供し得る新規チオール化合物、その製造方法およびその中間体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、複数のイオウ原子を含む新規な環状チオールモノマーを必須成分として用いて得られた重合体が高屈折率、高アッベ数、耐熱性、透明性などの特性を有し、光学製品として好適に用いられることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるチオール化合物を提供するものである。
【化6】
(式中、Rは、炭素数1〜3のアルカン残基、炭素数4〜7のシクロアルカン残基、ヘテロ原子が酸素、窒素もしくはイオウ原子である炭素数3〜7のヘテロ環残基または炭素数6〜10の芳香族環残基を示し、各残基は置換基を有していてもよい。)
【0008】
また、本発明は、上記一般式(1)で表されるチオール化合物の製造に用いる下記一般式(2)で表わされる中間体を提供するものである。
【化7】
(式中、Rは、前記と同じ。)
さらに、本発明は、中間体として上記一般式(2)で表わされる中間体を経由して上記一般式(1)で表されるチオール化合物を製造する方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の新規なチオール化合物は、下記一般式(1)で表されるものであり、二つのイオウ原子を含む環状構造の隣り合う炭素原子に二つのメルカプト基が結合したものである。
【化8】
一般式(1)式中、Rは、炭素数1〜3のアルカン残基、炭素数4〜7のシクロアルカン残基、ヘテロ原子が酸素、窒素もしくはイオウ原子である炭素数3〜7のヘテロ環残基または炭素数6〜10の芳香族環残基を示し、各残基は置換基を有していてもよい。
【0010】
前記Rのアルカン残基としては、例えば、メタン残基、エタン残基、n−プロパン残基、i−プロパン残基等が挙げられ、メタン残基、エタン残基が好ましい。
前記Rのシクロアルカン残基としては、例えば、シクロブタン残基、シクロペンタン残基、シクロヘキサン残基等が挙げられ、シクロペンタン残基、シクロヘキサン残基が好ましい。
前記Rのヘテロ環残基としては、例えば、1,3−ジチオラン残基、1,3−ジチアン残基、1,4−ジチアン残基等が挙げられ、1,3−ジチオラン残基、1,4−ジチアン残基が好ましい。
前記Rの芳香族環残基としては、例えば、ベンゼン環残基、ナフタレン環残基等が挙げられ、ベンゼン環残基が好ましい。
また、これらの各残基の置換基としては、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基等が挙げられる。
【0011】
本発明の一般式(1)で表される新規チオール化合物は原子屈折の高いイオウ原子を高い割合で含有しており本発明の新規チオール化合物を用いて得られた重合体の屈折率を大きく高める。また、重合官能基である末端チオール基は重合体主鎖へのイオウ原子の導入に寄与するため、本発明の新規チオール化合物を用いて得られた重合体の屈折率をさらに高める。通常、アモルファス材料のアッベ数はその屈折率の増加とともに減少する傾向にある。イオウ原子を高い割合で含有するポリマーの場合、イオウ原子の電子共鳴が顕著となりアッベ数の大きな低下がよく観測されるが、本発明の新規チオール化合物ではそのようなことがない。屈折率増加の別の要因として分子容の減少が挙げられ、ポリマーの場合、高い架橋密度や強い分子間力によりそれが発現される。本発明の新規チオール化合物は複数の重合官能基を有しており、その重合体は特に前者の効果により屈折率が高められる。
【0012】
本発明の一般式(1)で表される新規チオール化合物としては、4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオラン、2,3−ジメルカプト−1,4−ジチアン、3,4−ジメルカプト−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナン、3,4−ジメルカプト−ビシクロ[4.4.0]−2,5,7,10−テトラチアデカン、2,3−ジメルカプト−1,4−ベンゾジチアン等が挙げられ、これらの化合物は、メルカプト基についてシス−,トランス−異性体を有する場合がある。
【0013】
本発明の一般式(1)で表されるチオール化合物は、グリオキサールと、メルカプト基を2つ以上有するチオール化合物が反応してなる、下記一般式(2)で表わされる本発明の中間体から誘導されたものが好ましい。
【化9】
一般式(2)中、Rの示す基および具体例は前記と同じである。
【0014】
また、本発明の一般式(1)で表されるチオール化合物の製造方法は、中間体として上記一般式(2)で表わされる中間体を経由して製造するものである。
前記メルカプト基を2つ以上有するチオール化合物は、一般的には同じ炭素に2つ以上のメルカプト基を持つ化合物、または隣接した炭素に2つ以上のメルカプト基を持つ化合物を示し、具体的には、メタンジチオール、エタンジチオール、エタントリチオール、トリメルカプトプロパン、1,3−ジチオラン−4,5−ジチオール、1,4−ジチアン−2,3−ジチオール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,2−ジメルカプトナフタレン、3,4−ジメルカプトナフタレン等が挙げられる。
【0015】
本発明の新規チオール化合物の代表的な製造法として、4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオランの合成を例として下記スキーム1に示す。
スキーム1
【化10】
※式中AcはCH3CO−、Etはエチル基である。
【0016】
スキーム1の製造工程を以下に説明する。グリオキサール水溶液にメタンジチオールを加え、水浴で冷しながら0.5〜5時間程度攪拌反応させる。反応が終わった後、水を除去して4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオランの白色結晶を得、得られた4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオランを氷浴で冷しながらピリジン中無水酢酸と反応させることにより、4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの白色粉末を得る。4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの粉末をチオ酢酸中に溶かし、(C2H5) 2O・BF3、p-トルエンスルフォン酸等を触媒とし、氷浴で冷しながら反応させることにより、4,5−ジチオアセトキシ−1,3−ジチオランの淡黄色のオイルを得、次にエタノールとクロロホルムの混合溶媒中で濃硫酸を用い、室温〜70℃で2 〜20時間反応させることにより、目的物の4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオランを得る。
【0017】
次に、本発明の新規チオール化合物を用いて得られる光学製品について説明する。この光学製品は一般式(1)で表される新規チオール化合物(a1)を含むA成分と、イソ(チオ)シアネート基を有する化合物(b1)、ビニル基を有する化合物(b2)、およびビニル基とイソ(チオ)シアネート基とを有する化合物(b3)のうちの少なくとも一種を含むB成分とを含有する重合性組成物を重合させることにより得られる重合体を使用する。なお、イソ(チオ)シアネートとはイソシアネートとイソチオシアネートの両者を意味する。
【0018】
前記A成分中には、重合体の物性等を適宜改良するために、一般式(1)で表されるチオール化合物(a1)以外に、一分子内にメルカプト基および/またはヒドロキシル基を有し、かつ一分子内のメルカプト基とヒドロキシル基の総数が2以上の化合物(a2)を一種もしくは二種以上含んでいてもよい。この化合物(a2)としては、具体的にはトリメチロールプロパン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、テトラキスメルカプトメチルメタン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、2−メルカプトエタノール、2,3−ジメルカプトプロパノール、1,2−ジヒドロキシ−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトフェノール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,2−ジメルカプトメチルベンゼン、1,3−ジメルカプトメチルベンゼン、1,4−ジメルカプトメチルベンゼン、1,3,5−トリメルカプトメチルベンゼン、トルエン−3,4−ジチオール、4,4'−ジヒドロキシフェニルスルフィド等が挙げられる。
なお一般式(1)で表されるチオール化合物(a1)の使用量は、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常はA成分の総量に対して、50〜100mol%であり、好ましくは80〜100mol%である。
【0019】
本発明のチオール化合物は重合相手のB成分として、好ましくはイソ(チオ)シアネート基を有する化合物(b1)、さらに好ましくは一分子内に二つ以上のイソ(チオ)シアネート基を有する化合物と重合させることで、高屈折率、高アッベ数、透明且つ耐熱性がよいレンズ材料を与える。
このようなイソ(チオ)シアネート基含有化合物としては、具体的にはキシリレンジイソ(チオ)シアネート、3,3'−ジクロロジフェニル−4,4'−ジイソ(チオ)シアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソ(チオ)シアネート、ヘキサメチレンジイソ(チオ)シアネート、2,2',5,5'−テトラクロロジフェニル−4,4'−ジイソ(チオ)シアネート、トリレンジイソ(チオ)シアネート等が挙げられる。さらに、一つ以上のシクロアルカン環を有するものとして、ビス(イソ(チオ)シアネートメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソ(チオ)シアネートシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソ(チオ)シアネートメチルシクロヘキシル)メタン、シクロヘキサンジイソ(チオ)シアネート、イソフォロンジイソ(チオ)シアネート、2,5−ビス(イソ(チオ)シアネートメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ビス(イソ(チオ)シアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−3−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−5−イソ(チオ)シアネートメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−3−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−6−イソ(チオ)シアネートメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−2−[3−イソ(チオ)シアネートプロピル]−5−イソ(チオ)シアネートメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−2−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−6−イソ(チオ)シアネートメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−3−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−5−(2−イソ(チオ)シアネートエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−3−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−6−(2−イソ(チオ)シアネートエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−2−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−5−(2−イソ(チオ)シアネートエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソ(チオ)シアネートメチル−2−(3−イソ(チオ)シアネートプロピル)−6−(2−イソ(チオ)シアネートエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンなどが挙げられる。また、2,5−ジイソシアネート−1,4−ジチアン、イソシアヌル酸トリスイソシアネートヘキシルエステル等も用いることができる。これらは単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
また、前記イソ(チオ)シアネートの成分中には、重合体の物性等を適宜改良するためにビニル基を有する化合物(b2)成分を共重合させることも出来る。具体的には、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、一分子内に少なくとも二つ以上の(メタ)アクリロキシ基を含むウレタン変性(メタ)アクリレート、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエステル変性(メタ)アクリレート等が挙げられこれらは単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの両者を意味し、(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基とメタクリロキシ基の両者を意味する。
【0021】
また、ビニル基とイソ(チオ)シアネート基とを有する化合物(b3)成分としては、具体的には、2−(メタ)アクリロキシエチルイソ(チオ)シアネート、(メタ)アクリロイルイソ(チオ)シアネート等が挙げられこれらは単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
さらに、これらの成分にC成分として、エピスルフィド化合物を添加して光学製品を作製することも可能である。そのエピスルフィド化合物としては、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−3−(β−エピチオプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン等の鎖状有機化合物等;テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の分岐状有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物等;1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン等の環状脂肪族や複素環式有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物;1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物等が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
さらに、本発明のチオール化合物を用いて得られる光学製品の耐候性改良のため、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍光染料などの添加剤を適宜加えてもよい。また、重合反応性向上のための触媒を適宜使用してもよく、例えばメルカプト基とビニル基との反応性向上のためには有機過酸化物、アゾ化合物や塩基性触媒が効果的であり、メルカプト基やヒドロキシル基と、イソ(チオ)シアネート基との反応性向上のためには有機スズ化合物、アミン化合物などが効果的である。
【0024】
本発明のチオール化合物を用いて得られる光学製品は、例えば以下に示す方法に従って製造することができる。
まず、上記重合性組成物および必要に応じて用いられる各種添加剤を含む均一な組成物を調製する。次いで、この組成物を公知の注型重合法を用いて、ガラス製または金属製のモールドと樹脂性のガスケットを組み合わせた型の中に注入し、加熱して硬化させる。この際、成形後の樹脂の取り出しを容易にするためにあらかじめモールドを離型処理したり、この組成物に離型剤を混合してもよい。重合温度は、使用する化合物により異なるが、一般には−20〜+150℃で、重合時間は0.5〜72時間程度である。重合後離型された重合体は通常の分散染料を用い、水もしくは有機溶媒中で容易に染色できる。この際さらに染色を容易にするために、染料分散液にキャリアーを加えてもよく、また加熱しても良い。このようにして得られた光学製品は、これに限定されるものではないが、プラスチックレンズ等の光学製品として特に好ましく用いられる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で得られたチオール化合物の物性、および応用例、応用比較例で得られた重合体の物性は以下に示す方法にしたがって測定した。
【0026】
<チオール化合物の物性>
屈折率 (nD)、アッベ数 (νD): アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M4を用いて25℃にて測定した。
<重合体の物性>
1)屈折率 (nD)、アッベ数 (νD): 上記と同様にして測定した。
2)外 観: 肉眼により観察した。
3)耐熱性: リガク社製TMA装置により0.5 mmφのピンを用いて98 mN (10gf)の荷重でTMA測定を行ない、10℃/minの昇温で得られたチャートのピーク温度により評価した。
4)透明性: 日立社製紫外分光器UV−330を用いて550 nmにおける光線透過率により評価した。
【0027】
実施例1
4,5 −ジメルカプト− 1,3 −ジチオランの合成
以下のスキームにより、4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオランを合成した。
【化11】
※式中AcはCH3CO−、Etはエチル基である。
【0028】
(1)4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオランの合成
グリオキサールの40重量%水溶液(18.1g、0.124mol)にメタンジチオール(9.98g、0.124mol)を加え、水浴で冷しながら1時間攪拌反応させた。反応が終わった後、水を除去すると4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオランが白色結晶で得られた(17.5g)。得られた4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオランを精製せずに後の工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):5.62[2H, d, J=8.4Hz,−CH(OH)S−]、4.02(2H,s, −SCH2S−)、2.36(2H,d,J=8.4Hz,−OH)
(2)4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの合成
(1)の工程で得られた4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジチオラン(17.5g)を含むピリジン(20ml)中に氷浴で冷しながら無水酢酸(27.9g、10%過剰)を1時間かけて滴下した。攪拌しながらさらに1時間反応させた。室温で減圧蒸留により大部分のピリジンと酢酸を除去したのち、氷とジクロロメタン(40ml)を加え、相分離させた。5重量%の硫酸水溶液で洗いピリジンを完全に除去した。その後、純水でジクロロメタン溶液を数回洗い、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。ジクロロメタンを蒸留で除去することにより、4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの白色粉末(28g)を得た。得られた4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの白色粉末を精製せずに後工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):6.48[2H,s,−CH(OAc)S−]、4.11(2H,s,−SCH2S−)、2.12(6H,s,CH3COO)
(3)4,5−ジチオアセトキシ−1,3−ジチオランの合成
(2)の工程で得られた4,5−ジアセトキシ−1,3−ジチオランの白色粉末(12.79g、57.5mmol)をチオ酢酸(11.8g、0.155mol、35%過剰)中に溶かし、氷浴で冷しながらBF3エーテル溶液(0.45ml)をゆっくり加えた。氷温で3時間反応した後室温でさらに8時間攪拌した。反応液に40mlのジクロロメタンを加え、20重量%の炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を除去することにより、4,5−ジチオアセトキシ−1,3−ジチオランの淡黄色のオイルを(13.2g、収率90.4%)得た。得られた4,5−ジチオアセトキシ−1,3−ジチオランを精製せずに次の工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):5.41[2H,s,−CH(SAc)S−]、4.09(2H,s,−SCH2S−)、2.35(6H,s,CH3COS)
(4)4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオランの合成
(3)の工程で得られた4,5−ジチオアセトキシ−1,3−ジチオラン(13.2g、51.9mmol)をエタノール(30ml)とクロロホルム(30ml)の混合溶媒中98%の濃硫酸(1.44g)を用い、60℃で25時間反応させた。得られた反応液を純水で洗い中性にした後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、蒸留することにより、目的物の4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオランのシス−とトランス−の異性体の混合物を(4.27g、収率48.3%)得た。沸点は、78〜80℃/0.67Paであった。以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):4.59−4.64[2H,m,−CH(SH)S−]、4.09(2H,s,−SCH2S−)、2.60−2.65(6H,m,SH)
【0029】
実施例2
3,4 −ジメルカプト−ビシクロ [4.3.0] − 2,5,7,9 −テトラチアノナンの合成
以下のスキームにより、3,4−ジメルカプト−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンを合成した。
【化12】
【0030】
(1)3,4−ジヒドロキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの合成
グリオキサールの40重量%水溶液(18.1g、0.124mol)に4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオラン(21.08g、0.124mol)を加え、水浴で冷しながら1時間攪拌反応させた。反応が終わった後、水を除去すると3,4−ジヒドロキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンが白色結晶で得られた(28.03g、収率99%)。得られた3,4−ジヒドロキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの結晶を精製せずに後の工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(C5D5N):5.56[2H,s, −CH(OH)S−]、5.23[2H,s, −SCHS−] 、3.93(2H,s, −SCH2S−)
(2)3,4−ジアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの合成
(1)の工程で得られた3,4−ジヒドロキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナン(28.03g)を含むピリジン(20ml)中に氷浴で冷しながら無水酢酸(27.6g、10%過剰)を1時間かけて滴下した。攪拌しながらさらに1時間反応させた。室温で減圧蒸留により大部分のピリジンと酢酸を除去したのち、氷とジクロロメタン(40ml)を加え、相分離させた。5重量%の硫酸水溶液で洗いピリジンを完全に除去した。その後、純水でジクロロメタン溶液を数回洗い、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。ジクロロメタンを蒸留で除去することにより、3,4−ジアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの白色粉末(38.17g、収率99.5%)を得た。得られた3,4−ジアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの粉末を精製せずに後工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):5.82[2H,s, −CH(OAc)S−]、5.20[2H,s, −SCHS−] 、3.95(2H,s, −SCH2S−)、2.20(6H,s,CH3CO−)
(3)3,4−ジチオアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの合成
(2)の工程で得られた3,4−ジアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの粉末(38.17g、0.122mol)をチオ酢酸(23.25g、0.305mol、25%過剰)中に溶かし、氷浴で冷しながらBF3エーテル溶液(0.45ml)をゆっくり加えた。氷温で3時間反応した後室温でさらに8時間攪拌した。反応液に40mlのジクロロメタンを加え、20重量%の炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を除去することにより、3,4−ジチオアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの淡黄色のオイルを(16.82g、収率40.0%)得た。得られた3,4−ジチオアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンを精製せずに次の工程に用いた。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):5.01[2H,s, −CH(SAc)S−]、4.95[2H,s, −SCHS−] 、3.94(2H,s, −SCH2S−)、2.39(6H,s,CH3CO−)
(4)3,4−ジメルカプト−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンの合成
(3)の工程で得られた3,4−ジチオアセトキシ−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナン(16.82g、48.8mmol)をエタノール(30ml)とクロロホルム(30ml)の混合溶媒中98%の濃硫酸(1.44g)を用い、60℃で25時間反応させた。得られた反応液を純水で洗い中性にした後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、蒸留することにより、目的物の3,4−ジメルカプト−ビシクロ[4.3.0]−2,5,7,9−テトラチアノナンのシス−とトランス−の異性体の混合物を(10.79g、収率85.0%)得た。沸点は、105〜110℃/0.67Paであった。
以下にこの化合物の構造特定のための分析結果を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):4.1〜4.3[4H,m, −CH(SH)S−]、4.85[2H,s, −SCHS−] 、4.60[2H,s, −SCHS−] 、3.94(4H,s, −SCH2S−)、2.6〜2.8(4H,m,−SH)
【0031】
実施例3
2,3 −ジメルカプト− 1,4 −ベンゾジチアンの合成
以下のスキームにより、2,3−ジメルカプト−1,4−ベンゾジチアンを合成した。
【化13】
【0032】
(1)2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾジチアンの合成
グリオキサールの40重量%水溶液(18.1g、0.124mol)に1,2−ジメルカプトベンゼン(17.61g、0.124mol)を加え、水浴で冷しながら1時間攪拌反応させた。反応が終わった後、水を除去すると2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾジチアンが白色結晶で得られた(24.59g、収率99.0%)。得られた2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾジチアンの結晶を精製せずに後の工程に用いた。
(2)2,3−ジアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの合成
(1)の工程で得られた2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾジチアン(21.64g)を含むピリジン(20ml)中に氷浴で冷しながら無水酢酸(25.1g、10%過剰)を1時間かけて滴下した。攪拌しながらさらに1時間反応させた。室温で減圧蒸留により大部分のピリジンと酢酸を除去したのち、氷とジクロロメタン(40ml)を加え、相分離させた。5重量%の硫酸水溶液で洗いピリジンを完全に除去した。その後、純水でジクロロメタン溶液を数回洗い、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。ジクロロメタンを蒸留で除去することにより、2,3−ジアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの白色粉末(34.8g、収率99.0%)を得た。得られた2,3−ジアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの粉末を精製せずに後工程に用いた。
(3)2,3−ジチオアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの合成
(2)の工程で得られた2,3−ジアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの粉末(34.8g、0.122mol)をチオ酢酸(24.15g、0.317mol、30%過剰)中に溶かし、氷浴で冷しながらBF3エーテル溶液(0.45ml)をゆっくり加えた。氷温で3時間反応した後室温でさらに8時間攪拌した。反応液に40mlのジクロロメタンを加え、20重量%の炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を除去することにより、2,3−ジチオアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンの淡黄色のオイルを(17.49g、収率45%)得た。得られた2,3−ジチオアセトキシ−1,4−ベンゾジチアンを精製せずに次の工程に用いた。
(4)2,3−ジメルカプト−1,4−ベンゾジチアンの合成
(3)の工程で得られた2,3−ジチオアセトキシ−1,4−ベンゾジチアン(17.49g、54.9mmol)をエタノール(30ml)とクロロホルム(30ml)の混合溶媒中98%の濃硫酸(1.44g)を用い、60℃で25時間反応させた。得られた反応液を純水で洗い中性にした後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、蒸留することにより、目的物の2,3−ジメルカプト−1,4−ベンゾジチアンのシス−とトランス−の異性体の混合物を(10.5g、収率82.3%)得た。沸点は、97〜100℃/0.67Paであった。
【0033】
応用例1
重合体からなる光学製品の製造
実施例1で得られた4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオラン(T1) (0.2mol)、2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアン(BIMD) (0.2mol)およびジブチルチンジクロライド(DBTDCL) (1×10-5mol)の混合物を室温にて均一に攪拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、60℃で10時間、その後90℃で5時間、さらに120℃で3時間加熱重合させてレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の諸物性を表1に示す。表1から、本応用例1で得られた重合体は無色透明であり、屈折率(nD) は1.70と非常に高く、アッベ数 (νD)も32と高いものであり、耐熱性 (116℃)および透明性 (90%)に優れたものであった。従って、得られた重合体は光学製品として好適であった。
【0034】
応用例2〜9
重合体からなる光学製品の製造
一般式(1)で表されるチオール化合物と、イソ(チオ)シアネート基含有化合物および重合触媒を表1に示すように使用して、重合条件を適宜変更した以外は、応用例1と同様の操作を行い、レンズ形状の重合体を得た。これらの重合体の諸物性を表1に示す。表1から、本応用例2〜9で得られた重合体も無色透明であり、屈折率 (nD)は1.59〜1.70と非常に高く、アッベ数 (νD)も31〜47と高いものであり、耐熱性 (80〜116℃)、透明性(90〜94%)も優れたものであった。従って、得られた重合体は光学製品として好適であった。
【0035】
応用比較例1
重合体からなる光学製品の製造
表1に示すようにペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート (PETMA) 0.1mol、m−キシリレンジイソシアネート (XDI) 0.2molおよびジブチルチンジクロライド (DBTDCL) 1.0×10-4molの混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに120℃で3時間加熱重合させてレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の諸物性を表1に示す。表1から、本応用比較例1の重合体は無色で透明性(92%)は良かったが、nD/νDが1.59/36と屈折率が低く、耐熱性も86℃と劣っていた。
【0036】
応用比較例2
重合体からなる光学製品の製造
表1に示すように1,3,5−トリメルカプトベンゼン(TMB)0.2mol、m−キシリレンジイソシアネート (XDI) 0.3molおよびジブチルチンジクロライド (DBTDCL) 1.5×10-4molの混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、50℃で10時間、その後60℃で5時間、さらに120℃で3時間加熱重合させてレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の諸物性を表1に示す。表1から、本応用比較例2の重合体は耐熱性 (94%)は良かったが、nD/νDが1.67/28と屈折率は高いがアッベ数は低く、透明性は81%と劣っていた。
【0037】
【表1】
【0038】
(表1の略号)
T1: 4,5−ジメルカプト−1,3−ジチオラン
T2: 2,3−ジメルカプト−1,4−ジチアン
BIMD:2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアン
XDI: m−キシリレンジイソシアネート
NBDI:ノルボルネンジイソシアネート
HXDI: 1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン
HXR: イソシアヌル酸トリスイソシアナートヘキシルエステル
PETMA: ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート
TMB: 1,3,5−トリメルカプトベンゼン
DBTDCL: ジブチルチンジクロライド
【0039】
【発明の効果】
本発明の一般式(1)で表されるチオール化合物は新規化合物であって、イソ(チオ)シアネートなどと重合することにより、屈折率、アッベ数が高く、耐熱性、耐候性、透明性に優れた光学製品が得られる。このため、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、プリズム、光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用いられる記録媒体基板、着色フィルター、赤外線吸収フィルター等の光学製品の原料として好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel thiol compound, a production method thereof and an intermediate thereof. More specifically, the present invention has both a high refractive index and an Abbe number and is excellent in heat resistance, weather resistance, transparency, and the like, plastic lens, prism, optical fiber, information recording substrate, infrared absorption filter, The present invention relates to a novel thiol compound capable of giving an optical product that is preferably used for a colored filter, a production method thereof, and an intermediate thereof.
[0002]
[Prior art]
In recent years, plastics are used for various optical applications such as lenses because they are lighter, less broken, and easier to dye than glass. As optical plastic materials, poly (diethylene glycol bisallyl carbonate) (CR-39) and poly (methyl methacrylate) are generally used. However, since these plastics have a refractive index of 1.50 or less, when they are used, for example, as a lens material, the lens becomes thicker as the power increases, and the superiority of the plastic, which is advantageous in terms of light weight, is lost. In particular, a strong concave lens is not preferable because the periphery of the lens becomes thick and birefringence and chromatic aberration occur. In addition, thick lenses in eyeglass applications tend to degrade aesthetics. In order to obtain a thin lens, it is effective to increase the refractive index of the material. In general, in glass and plastic, the Abbe number decreases as the refractive index increases, and as a result, their chromatic aberration increases. Therefore, a plastic material having a high refractive index and Abbe number is desired.
[0003]
Examples of plastic materials having such performance include (1) polyurethane obtained by polyaddition of a polyol having bromine in the molecule and polyisocyanate (Patent Document 1), and (2) polyaddition of polythiol and polyisocyanate. Has been proposed (Patent Document 2, Patent Document 3). In particular, as polythiol used as a raw material for polythiourethane (2), a branched chain having an increased sulfur atom content (Patent Documents 4 and 3), or a polythiol having a dithian structure introduced to increase the sulfur atom ( Patent Documents 5 and 6) have been proposed. Furthermore, (3) polymers of alkyl sulfides having episulfide as a polymerization functional group have been proposed (Patent Documents 7 and 8).
However, although the polyurethane of the above (1) has a slightly improved refractive index, it has disadvantages such as a low Abbe number and inferior light resistance, a high specific gravity, and a loss of lightness. . In addition, among the polythiourethanes of (2), the polythiourethane obtained by using a polythiol having a high sulfur content as a polythiol of the raw material has a refractive index raised to, for example, about 1.60 to 1.68, The Abbe number is lower than that of optical inorganic glass having a refractive index, and the Abbe number has to be increased. Furthermore, the alkyl sulfide polymer (3) has an Abbe number of 36 as an example, and the refractive index is increased to 1.70, and the lens obtained using this polymer is extremely thin and light. However, a plastic material that further increases the refractive index and the Abbe number is desired.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 58-164615
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 4-58489
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-148340
[Patent Document 4]
JP-A-2-270859
[Patent Document 5]
Japanese Patent Publication No. 6-5323
[Patent Document 6]
JP 7-118390 A
[Patent Document 7]
JP-A-9-72580
[Patent Document 8]
JP-A-9-110979
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems. A novel thiol compound that can provide an optical product having both a high refractive index and an Abbe number, and excellent heat resistance, transparency, and the like, its production method, and its intermediate The purpose is to provide a body.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have found that a polymer obtained using a novel cyclic thiol monomer containing a plurality of sulfur atoms as an essential component has a high refractive index and a high Abbe number. The present invention was completed by finding out that it has characteristics such as heat resistance and transparency and can be suitably used as an optical product.
[0007]
That is, this invention provides the thiol compound represented by following General formula (1).
[Chemical 6]
(Wherein R is an alkane residue having 1 to 3 carbon atoms, a cycloalkane residue having 4 to 7 carbon atoms, a heterocyclic residue having 3 to 7 carbon atoms in which the hetero atom is an oxygen, nitrogen or sulfur atom, or An aromatic ring residue having 6 to 10 carbon atoms is shown, and each residue may have a substituent.)
[0008]
The present invention also provides:Used for the production of the thiol compound represented by the general formula (1)It is represented by the following general formula (2)InsideIt provides an intermediary.
[Chemical 7]
(Wherein R is the same as above)
Furthermore, this invention provides the method of manufacturing the thiol compound represented by the said General formula (1) through the intermediate represented by the said General formula (2) as an intermediate.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The novel thiol compound of the present invention is represented by the following general formula (1), in which two mercapto groups are bonded to adjacent carbon atoms of a cyclic structure containing two sulfur atoms.
[Chemical 8]
In the general formula (1), R is an alkane residue having 1 to 3 carbon atoms, a cycloalkane residue having 4 to 7 carbon atoms, a hetero atom having 3 to 7 carbon atoms in which the hetero atom is an oxygen, nitrogen or sulfur atom. A ring residue or an aromatic ring residue having 6 to 10 carbon atoms is shown, and each residue may have a substituent.
[0010]
Examples of the alkane residue of R include a methane residue, an ethane residue, an n-propane residue, an i-propane residue, and the like, and a methane residue and an ethane residue are preferable.
Examples of the R cycloalkane residue include a cyclobutane residue, a cyclopentane residue, and a cyclohexane residue, and a cyclopentane residue and a cyclohexane residue are preferable.
Examples of the heterocyclic residue of R include 1,3-dithiolane residue, 1,3-dithiane residue, 1,4-dithiane residue, etc., and 1,3-dithiolane residue, 1, 4-dithiane residues are preferred.
Examples of the aromatic ring residue of R include a benzene ring residue and a naphthalene ring residue, and a benzene ring residue is preferable.
In addition, the substituents of these residues include halogen atoms such as bromine, chlorine and iodine, alkyl groups such as methyl group, ethyl group, n-propyl group and i-propyl group, phenyl group and naphthyl group. An aromatic group etc. are mentioned.
[0011]
The novel thiol compound represented by the general formula (1) of the present invention contains a high proportion of sulfur atoms with high atomic refraction, and greatly increases the refractive index of the polymer obtained using the novel thiol compound of the present invention. . Moreover, since the terminal thiol group which is a polymerization functional group contributes to the introduction of sulfur atoms into the polymer main chain, the refractive index of the polymer obtained using the novel thiol compound of the present invention is further increased. Usually, the Abbe number of an amorphous material tends to decrease as the refractive index increases. In the case of a polymer containing a high proportion of sulfur atoms, the electron resonance of sulfur atoms becomes remarkable and a large decrease in Abbe number is often observed, but this is not the case with the novel thiol compound of the present invention. Another factor for increasing the refractive index is a decrease in molecular volume. In the case of a polymer, it is expressed by a high crosslink density and a strong intermolecular force. The novel thiol compound of the present invention has a plurality of polymerized functional groups, and the refractive index of the polymer is particularly enhanced by the former effect.
[0012]
As the novel thiol compound represented by the general formula (1) of the present invention, 4,5-dimercapto-1,3-dithiolane, 2,3-dimercapto-1,4-dithiane, 3,4-dimercapto-bicyclo [ 4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane, 3,4-dimercapto-bicyclo [4.4.0] -2,5,7,10-tetrathiadecane, 2,3-dimercapto-1, 4-benzodithian and the like, and these compounds may have cis- and trans-isomers with respect to the mercapto group.
[0013]
The thiol compound represented by the general formula (1) of the present invention is derived from the intermediate of the present invention represented by the following general formula (2), which is obtained by reacting glyoxal with a thiol compound having two or more mercapto groups. The ones made are preferred.
[Chemical 9]
In general formula (2), the groups and specific examples represented by R are the same as described above.
[0014]
Moreover, the manufacturing method of the thiol compound represented by General formula (1) of this invention is manufactured via the intermediate body represented by the said General formula (2) as an intermediate body.
The thiol compound having two or more mercapto groups generally indicates a compound having two or more mercapto groups on the same carbon, or a compound having two or more mercapto groups on adjacent carbons. , Methanedithiol, ethanedithiol, ethanetrithiol, trimercaptopropane, 1,3-dithiolane-4,5-dithiol, 1,4-dithian-2,3-dithiol, 1,2-dimercaptobenzene, 1,2 -Dimercaptonaphthalene, 3,4-dimercaptonaphthalene, etc. are mentioned.
[0015]
As a typical production method of the novel thiol compound of the present invention, synthesis of 4,5-dimercapto-1,3-dithiolane is shown as an example in the following scheme 1.
Scheme 1
[Chemical Formula 10]
* Ac in the formula is CHThreeCO- and Et are ethyl groups.
[0016]
The production process of Scheme 1 will be described below. Methanedithiol is added to the aqueous glyoxal solution, and the reaction is stirred for about 0.5 to 5 hours while cooling in a water bath. After completion of the reaction, water was removed to obtain white crystals of 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane, and the resulting 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane was cooled in an ice bath while pyridine. A white powder of 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane is obtained by reaction with acetic anhydride. A powder of 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane is dissolved in thioacetic acid and (C2HFive)2O ・ BFThree, P-toluenesulfonic acid or the like as a catalyst and reaction while cooling in an ice bath to obtain a light yellow oil of 4,5-dithioacetoxy-1,3-dithiolane, and then a mixed solvent of ethanol and chloroform The reaction product is reacted at room temperature to 70 ° C. for 2 to 20 hours in concentrated sulfuric acid to obtain the desired 4,5-dimercapto-1,3-dithiolane.
[0017]
Next, optical products obtained using the novel thiol compound of the present invention will be described. This optical product comprises a component A containing a novel thiol compound (a1) represented by the general formula (1), a compound (b1) having an iso (thio) cyanate group, a compound (b2) having a vinyl group, and a vinyl group And a polymer obtained by polymerizing a polymerizable composition containing B and a component B containing at least one of compounds (b3) having an iso (thio) cyanate group. In addition, iso (thio) cyanate means both isocyanate and isothiocyanate.
[0018]
In addition to the thiol compound (a1) represented by the general formula (1), the component A has a mercapto group and / or a hydroxyl group in addition to the thiol compound (a1) represented by the general formula (1). In addition, one or two or more compounds (a2) in which the total number of mercapto groups and hydroxyl groups in one molecule is 2 or more may be included. As this compound (a2), specifically, trimethylolpropane, 1,2-ethanedithiol, 1,3-propanedithiol, tetrakismercaptomethylmethane, pentaerythritol tetrakismercaptopropionate, pentaerythritol tetrakismercaptoacetate, 2 -Mercaptoethanol, 2,3-dimercaptopropanol, 1,2-dihydroxy-3-mercaptopropane, 4-mercaptophenol, 1,2-benzenedithiol, 1,3-benzenedithiol, 1,4-benzenedithiol, 1 , 3,5-benzenetrithiol, 1,2-dimercaptomethylbenzene, 1,3-dimercaptomethylbenzene, 1,4-dimercaptomethylbenzene, 1,3,5-trimercaptomethylbenzene, toluene-3 , 4-dithiol, 4,4′-dihydroxyphenyl sulfide, etc. That.
The amount of the thiol compound (a1) represented by the general formula (1) may be appropriately selected according to the situation, but is usually 50 to 100 mol% with respect to the total amount of the component A, preferably 80 to 100 mol%.
[0019]
The thiol compound of the present invention is preferably polymerized with the compound (b1) having an iso (thio) cyanate group as the B component of the polymerization partner, more preferably a compound having two or more iso (thio) cyanate groups in one molecule. As a result, a lens material having a high refractive index, a high Abbe number, transparency and good heat resistance is provided.
Specific examples of such an iso (thio) cyanate group-containing compound include xylylene diiso (thio) cyanate, 3,3′-dichlorodiphenyl-4,4′-diiso (thio) cyanate, 4,4′- Diphenylmethane diiso (thio) cyanate, hexamethylene diiso (thio) cyanate, 2,2 ', 5,5'-tetrachlorodiphenyl-4,4'-diiso (thio) cyanate, tolylene diiso (thio) cyanate It is done. Furthermore, as having one or more cycloalkane rings, bis (iso (thio) cyanatemethyl) cyclohexane, bis (4-iso (thio) cyanatecyclohexyl) methane, bis (4-iso (thio) cyanatemethylcyclohexyl) Methane, cyclohexanediiso (thio) cyanate, isophorone diiso (thio) cyanate, 2,5-bis (iso (thio) cyanatemethyl) bicyclo [2.2.2] octane, 2,5-bis (iso (thio) Cyanatemethyl) bicyclo [2.2.1] heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-3- (3-iso (thio) cyanatepropyl) -5-iso (thio) cyanatemethyl-bicyclo [2.2.1] -heptane 2-iso (thio) cyanate methyl-3- (3-iso (thio) cyanatepropyl) -6-iso (thio) cyanate Ru-bicyclo [2.2.1] heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-2- [3-iso (thio) cyanatepropyl] -5-iso (thio) cyanatemethyl-bicyclo [2.2.1] -heptane, 2-Iso (thio) cyanatemethyl-2- (3-iso (thio) cyanatepropyl) -6-iso (thio) cyanatemethyl-bicyclo [2.2.1] -heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-3 -(3-Iso (thio) cyanatepropyl) -5- (2-iso (thio) cyanateethyl) -bicyclo [2.2.1] -heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-3- (3-iso ( Thio) cyanatepropyl) -6- (2-iso (thio) cyanateethyl) -bicyclo [2.2.1] -heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-2- (3-iso (thio) cyanatepropyl)- 5- (2-iso Thio) cyanateethyl) -bicyclo [2.2.1] -heptane, 2-iso (thio) cyanatemethyl-2- (3-iso (thio) cyanatepropyl) -6- (2-iso (thio) cyanateethyl)- And bicyclo [2.2.1] -heptane. In addition, 2,5-diisocyanate-1,4-dithiane, isocyanuric acid trisisocyanate hexyl ester, and the like can also be used. You may use these individually or in combination of 2 or more types.
[0020]
In addition, in the iso (thio) cyanate component, a compound (b2) component having a vinyl group can be copolymerized in order to appropriately improve the physical properties of the polymer. Specifically, divinylbenzene, ethylene glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, urethane-modified (meth) acrylate containing at least two (meth) acryloxy groups in one molecule, epoxy-modified (Meth) acrylate, polyester-modified (meth) acrylate and the like may be mentioned, and these may be used alone or in combination of two or more. The (meth) acrylate means both acrylate and methacrylate, and the (meth) acryloxy group means both acryloxy group and methacryloxy group.
[0021]
Further, as the compound (b3) component having a vinyl group and an iso (thio) cyanate group, specifically, 2- (meth) acryloxyethyliso (thio) cyanate, (meth) acryloyliso (thio) cyanate These may be used alone or in combination of two or more.
[0022]
Further, an optical product can be produced by adding an episulfide compound as a C component to these components. Examples of the episulfide compound include bis (β-epithiopropylthio) methane, 1,2-bis (β-epithiopropylthio) ethane, 1,3-bis (β-epithiopropylthio) propane, 1,2 -Bis (β-epithiopropylthio) propane, 1- (β-epithiopropylthio) -2- (β-epithiopropylthiomethyl) propane, 1,4-bis (β-epithiopropylthio) butane 1,3-bis (β-epithiopropylthio) butane, 1- (β-epithiopropylthio) -3- (β-epithiopropylthiomethyl) butane, 1,5-bis (β-epithio) Propylthio) pentane, 1- (β-epithiopropylthio) -4- (β-epithiopropylthiomethyl) pentane, 1,6-bis (β-epithiopropylthio) hexane, 1- (β-epi Opropylthio) -5- (β-epithiopropylthiomethyl) hexane, 1- (β-epithiopropylthio) -2-[(2-β-epithiopropylthioethyl) thio] ethane, 1- (β- A chain organic compound such as epithiopropylthio) -2-[[2- (2-β-epithiopropylthioethyl) thioethyl] thio] ethane; tetrakis (β-epithiopropylthiomethyl) methane, 1,1-tris (β-epithiopropylthiomethyl) propane, 1,5-bis (β-epithiopropylthio) -2- (β-epithiopropylthiomethyl) -3-thiapentane, 1,5- Bis (β-epithiopropylthio) -2,4-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3-thiapentane, 1- (β-epithiopropylthio) -2,2-bis (β-epithiopro) Pyrthiomethyl) -4-thiahexane, 1,5,6-tris (β-epithiopropylthio) -4- (β-epithiopropylthiomethyl) -3-thiahexane, 1,8-bis (β-epithiopropyl) Thio) -4- (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6-dithiaoctane, 1,8-bis (β-epithiopropylthio) -4,5bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3 , 6-dithiaoctane, 1,8-bis (β-epithiopropylthio) -4,4-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6-dithiaoctane, 1,8-bis (β-epithio) Propylthio) -2,4,5-tris (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6-dithiaoctane, 1,8-bis (β-epithiopropylthio) -2,5-bis (β-epi Thiopropylthio Til) -3,6-dithiaoctane, 1,9-bis (β-epithiopropylthio) -5- (β-epithiopropylthiomethyl) -5-[(2-β-epithiopropylthioethyl) thiomethyl -3,7-dithianonane, 1,10-bis (β-epithiopropylthio) -5,6-bis [(2-β-epithiopropylthioethyl) thio] -3,6,9-trithiadecane, 1,11-bis (β-epithiopropylthio) -4,8-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6,9-trithiaundecane, 1,11-bis (β-epithiopropyl) Thio) -5,7-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6,9-trithiaundecane, 1,11-bis (β-epithiopropylthio) -5,7-[(2- β-epithiopropylthioethyl) thiome -3,6,9-trithiaundecane, 1,11-bis (β-epithiopropylthio) -4,7-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -3,6,9-trithia Branched organic compounds such as undecane and compounds in which at least one hydrogen of the episulfide group of these compounds is substituted with a methyl group, etc .; 1,3 and 1,4-bis (β-epithiopropylthio) cyclohexane, 1 , 3 and 1,4-bis (β-epithiopropylthiomethyl) cyclohexane, bis [4- (β-epithiopropylthio) cyclohexyl] methane, 2,2-bis [4- (β-epithiopropylthio) ) Cyclohexyl] propane, bis [4- (β-epithiopropylthio) cyclohexyl] sulfide, 2,5-bis (β-epithiopropylthiomethyl) -1,4- Cycloaliphatic and heterocyclic organic compounds such as thiane, 2,5-bis (β-epithiopropylthioethylthiomethyl) -1,4-dithiane, and at least one hydrogen of the episulfide group of these compounds is methyl 1,3 and 1,4-bis (β-epithiopropylthio) benzene, 1,3 and 1,4-bis (β-epithiopropylthiomethyl) benzene, bis [4- (Β-epithiopropylthio) phenyl] methane, 2,2-bis [4- (β-epithiopropylthio) phenyl] propane, bis [4- (β-epithiopropylthio) phenyl] sulfide, bis [ Aromatic organic compounds such as 4- (β-epithiopropylthio) phenyl] sulfone and 4,4′-bis (β-epithiopropylthio) biphenyl, and these compounds At least one hydrogen of the episulfide group include compounds which are substituted with a methyl group, and these may be used singly or in combination of two or more.
[0023]
Furthermore, in order to improve the weather resistance of the optical product obtained using the thiol compound of the present invention, additives such as an ultraviolet absorber, an antioxidant, a coloring inhibitor, and a fluorescent dye may be appropriately added. Further, a catalyst for improving the polymerization reactivity may be used as appropriate. For example, an organic peroxide, an azo compound or a basic catalyst is effective for improving the reactivity between a mercapto group and a vinyl group. Organotin compounds, amine compounds and the like are effective for improving the reactivity of mercapto groups or hydroxyl groups with iso (thio) cyanate groups.
[0024]
The optical product obtained by using the thiol compound of the present invention can be produced, for example, according to the following method.
First, a uniform composition containing the polymerizable composition and various additives used as necessary is prepared. Next, this composition is poured into a mold in which a glass or metal mold and a resinous gasket are combined using a known casting polymerization method, and is cured by heating. At this time, in order to make it easy to take out the resin after molding, the mold may be released in advance, or a release agent may be mixed with the composition. Although the polymerization temperature varies depending on the compound used, it is generally −20 to + 150 ° C. and the polymerization time is about 0.5 to 72 hours. The polymer released after the polymerization can be easily dyed in water or an organic solvent using an ordinary disperse dye. At this time, in order to further facilitate dyeing, a carrier may be added to the dye dispersion, or it may be heated. The optical product thus obtained is not particularly limited, but is particularly preferably used as an optical product such as a plastic lens.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. In addition, the physical property of the thiol compound obtained in the Example and the physical property of the polymer obtained by the application example and the application comparative example were measured in accordance with the method shown below.
[0026]
<Physical properties of thiol compounds>
Refractive index (nD), Abbe number (νD): Measured at 25 ° C. using an Abbe refractometer DR-M4 manufactured by Atago Co., Ltd.
<Physical properties of polymer>
1) Refractive index (nD), Abbe number (νD): Measured in the same manner as above.
2) Appearance: Observed with the naked eye.
3) Heat resistance: TMA measurement was performed with a load of 98 mN (10 gf) using a 0.5 mmφ pin by a TMA apparatus manufactured by Rigaku Corporation, and evaluation was performed based on the peak temperature of the chart obtained at a temperature increase of 10 ° C./min.
4) Transparency: The light transmittance at 550 nm was evaluated using a Hitachi UV spectrometer UV-330.
[0027]
Example 1
4,5 -Dimercapto- 1,3 -Synthesis of dithiolane
4,5-Dimercapto-1,3-dithiolane was synthesized according to the following scheme.
Embedded image
* Ac in the formula is CHThreeCO- and Et are ethyl groups.
[0028]
(1) Synthesis of 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane
Methanedithiol (9.98 g, 0.124 mol) was added to a 40% by weight aqueous solution of glyoxal (18.1 g, 0.124 mol), and the mixture was stirred for 1 hour while cooling in a water bath. After the reaction was completed, water was removed to obtain 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane as white crystals (17.5 g). The obtained 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane was used in the subsequent step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 5.62 [2H, d, J = 8.4Hz, -CH (OH) S-], 4.02 (2H, s, -SCH2S-), 2.36 (2H, d, J = 8.4Hz, -OH)
(2) Synthesis of 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane
Acetic anhydride (27.9 g, 10% excess) was added to pyridine (20 ml) containing 4,5-dihydroxy-1,3-dithiolane (17.5 g) obtained in step (1) while cooling in an ice bath. It was added dropwise over time. The reaction was further continued for 1 hour with stirring. After most of pyridine and acetic acid were removed by distillation under reduced pressure at room temperature, ice and dichloromethane (40 ml) were added and the phases were separated. The pyridine was completely removed by washing with 5% by weight sulfuric acid aqueous solution. Then, the dichloromethane solution was washed several times with pure water, and magnesium sulfate was added and dried. Dichloromethane was removed by distillation to obtain 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane white powder (28 g). The obtained white powder of 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane was used in the subsequent step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 6.48 [2H, s, -CH (OAc) S-], 4.11 (2H, s, -SCH2S-), 2.12 (6H, s, CHThreeCOO)
(3) Synthesis of 4,5-dithioacetoxy-1,3-dithiolane
The white powder (12.79 g, 57.5 mmol) of 4,5-diacetoxy-1,3-dithiolane obtained in the step (2) was dissolved in thioacetic acid (11.8 g, 0.155 mol, 35% excess) and ice bath BF while cooling inThreeEther solution (0.45 ml) was added slowly. After reacting at ice temperature for 3 hours, the mixture was further stirred at room temperature for 8 hours. 40 ml of dichloromethane was added to the reaction solution, washed with 20% by weight potassium carbonate solution, dried, and then the solvent was removed to obtain a light yellow oil of 4,5-dithioacetoxy-1,3-dithiolane. (13.2 g, yield 90.4%). The obtained 4,5-dithioacetoxy-1,3-dithiolane was used in the next step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 5.41 [2H, s, -CH (SAc) S-], 4.09 (2H, s, -SCH2S-), 2.35 (6H, s, CHThreeCOS)
(4) Synthesis of 4,5-dimercapto-1,3-dithiolane
4,5-Dithioacetoxy-1,3-dithiolane (13.2 g, 51.9 mmol) obtained in the step (3) was mixed with 98% concentrated sulfuric acid (1.44 g in a mixed solvent of ethanol (30 ml) and chloroform (30 ml)). ) And reacted at 60 ° C. for 25 hours. The obtained reaction solution was washed with pure water and neutralized, then dried with magnesium sulfate, the solvent was removed, and distillation was performed to obtain the cis-form of the desired 4,5-dimercapto-1,3-dithiolane. A mixture of trans isomers (4.27 g, 48.3% yield) was obtained. The boiling point was 78-80 ° C / 0.67Pa. The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 4.59-4.64 [2H, m, -CH (SH) S-], 4.09 (2H, s, -SCH2S-), 2.60-2.65 (6H, m, SH)
[0029]
Example 2
3,4 -Dimercapto-bicyclo [4.3.0] − 2,5,7,9 -Synthesis of tetrathianonane
3,4-Dimercapto-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane was synthesized according to the following scheme.
Embedded image
[0030]
(1) Synthesis of 3,4-dihydroxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane
4,5-Dimercapto-1,3-dithiolane (21.08 g, 0.124 mol) was added to a 40 wt% aqueous solution of glyoxal (18.1 g, 0.124 mol), and the mixture was allowed to react with stirring for 1 hour while cooling in a water bath. After the reaction was completed, water was removed to obtain 3,4-dihydroxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane as white crystals (28.03 g, yield 99%). . The obtained 3,4-dihydroxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane crystals were used in the subsequent step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CFiveDFiveN): 5.56 [2H, s, -CH (OH) S-], 5.23 [2H, s, -SCHS-], 3.93 (2H, s, -SCH2S-)
(2) Synthesis of 3,4-diacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane
Cool in an ice bath in pyridine (20 ml) containing 3,4-dihydroxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane (28.03 g) obtained in step (1). Acetic anhydride (27.6 g, 10% excess) was added dropwise over 1 hour. The reaction was further continued for 1 hour with stirring. After most of pyridine and acetic acid were removed by distillation under reduced pressure at room temperature, ice and dichloromethane (40 ml) were added and the phases were separated. The pyridine was completely removed by washing with a 5% by weight aqueous sulfuric acid solution. Then, the dichloromethane solution was washed several times with pure water, and magnesium sulfate was added and dried. Dichloromethane was removed by distillation to obtain 3,4-diacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane white powder (38.17 g, yield 99.5%). The obtained powder of 3,4-diacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane was used in the subsequent step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 5.82 [2H, s, -CH (OAc) S-], 5.20 [2H, s, -SCHS-], 3.95 (2H, s, -SCH2S-), 2.20 (6H, s, CHThreeCO-)
(3) Synthesis of 3,4-dithioacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane
3,4-diacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane powder (38.17 g, 0.122 mol) obtained in the step (2) was mixed with thioacetic acid (23.25 g, 0.305). mol, 25% excess) BF while cooling in an ice bathThreeEther solution (0.45 ml) was added slowly. After reacting at ice temperature for 3 hours, the mixture was further stirred at room temperature for 8 hours. 40 ml of dichloromethane was added to the reaction solution, washed with 20% by weight potassium carbonate solution, dried, and then the solvent was removed to remove 3,4-dithioacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5, A pale yellow oil (16.82 g, yield 40.0%) of 7,9-tetrathianonane was obtained. The obtained 3,4-dithioacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane was used in the next step without purification.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 5.01 [2H, s, -CH (SAc) S-], 4.95 [2H, s, -SCHS-], 3.94 (2H, s, -SCH2S-), 2.39 (6H, s, CHThreeCO-)
(4) Synthesis of 3,4-dimercapto-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane
3,4-Dithioacetoxy-bicyclo [4.3.0] -2,5,7,9-tetrathianonane (16.82 g, 48.8 mmol) obtained in the step (3) was mixed with ethanol (30 ml) and chloroform (30 ml). ) Was used for 25 hours at 60 ° C. The obtained reaction solution was washed with pure water and neutralized, and then dried over magnesium sulfate, the solvent was removed, and distillation was performed to obtain the desired 3,4-dimercapto-bicyclo [4.3.0] -2. A mixture of cis- and trans-isomers of 5,7,9-tetrathianonane (10.79 g, yield 85.0%) was obtained. The boiling point was 105-110 ° C / 0.67Pa.
The analysis results for specifying the structure of this compound are shown below.
1H-NMR δ (CDClThree): 4.1 to 4.3 [4H, m, -CH (SH) S-], 4.85 [2H, s, -SCHS-], 4.60 [2H, s, -SCHS-], 3.94 (4H, s, -SCH2S-), 2.6-2.8 (4H, m, -SH)
[0031]
Example 3
2,3 -Dimercapto- 1,4 -Synthesis of benzodithiane
2,3-Dimercapto-1,4-benzodithiane was synthesized according to the following scheme.
Embedded image
[0032]
(1) Synthesis of 2,3-dihydroxy-1,4-benzodithiane
1,2-Dimercaptobenzene (17.61 g, 0.124 mol) was added to a 40 wt% aqueous solution of glyoxal (18.1 g, 0.124 mol), and the mixture was allowed to react with stirring for 1 hour while cooling in a water bath. After the reaction was completed, water was removed to obtain 2,3-dihydroxy-1,4-benzodithiane as white crystals (24.59 g, yield 99.0%). The obtained crystal of 2,3-dihydroxy-1,4-benzodithiane was used in the subsequent step without purification.
(2) Synthesis of 2,3-diacetoxy-1,4-benzodithiane
Acetic anhydride (25.1 g, 10% excess) was added to pyridine (20 ml) containing 2,3-dihydroxy-1,4-benzodithiane (21.64 g) obtained in step (1) while cooling in an ice bath. It was added dropwise over time. The reaction was further continued for 1 hour with stirring. After most of pyridine and acetic acid were removed by distillation under reduced pressure at room temperature, ice and dichloromethane (40 ml) were added and the phases were separated. The pyridine was completely removed by washing with 5% by weight sulfuric acid aqueous solution. Then, the dichloromethane solution was washed several times with pure water, and magnesium sulfate was added and dried. Dichloromethane was removed by distillation to obtain a white powder (34.8 g, yield 99.0%) of 2,3-diacetoxy-1,4-benzodithiane. The obtained 2,3-diacetoxy-1,4-benzodithian powder was used in the subsequent step without purification.
(3) Synthesis of 2,3-dithioacetoxy-1,4-benzodithiane
Dissolve the 2,3-diacetoxy-1,4-benzodithiane powder (34.8 g, 0.122 mol) obtained in step (2) in thioacetic acid (24.15 g, 0.317 mol, 30% excess). BF while coolingThreeEther solution (0.45 ml) was added slowly. After reacting at ice temperature for 3 hours, the mixture was further stirred at room temperature for 8 hours. 40 ml of dichloromethane was added to the reaction solution, washed with 20% by weight potassium carbonate solution, dried, and then the solvent was removed to obtain a light yellow oil of 2,3-dithioacetoxy-1,4-benzodithiane. (17.49 g, 45% yield). The obtained 2,3-dithioacetoxy-1,4-benzodithiane was used in the next step without purification.
(4) Synthesis of 2,3-dimercapto-1,4-benzodithiane
2,3-Dithioacetoxy-1,4-benzodithiane (17.49 g, 54.9 mmol) obtained in step (3) was mixed with 98% concentrated sulfuric acid (1.44 g) in a mixed solvent of ethanol (30 ml) and chloroform (30 ml). ) And reacted at 60 ° C. for 25 hours. The obtained reaction solution was washed with pure water and neutralized, and then dried over magnesium sulfate, the solvent was removed, and distillation was carried out to obtain the desired cis of 2,3-dimercapto-1,4-benzodithiane. A mixture of trans isomers (10.5 g, 82.3% yield) was obtained. The boiling point was 97-100 ° C / 0.67Pa.
[0033]
Application example 1
Production of optical products made of polymers
4,5-Dimercapto-1,3-dithiolane (T1) (0.2 mol), 2,5-diisocyanatomethyl-1,4-dithiane (BIMD) (0.2 mol) and dibutyltin dichloride obtained in Example 1 ( DBTDCL) (1 × 10-FiveThe mixture is uniformly stirred at room temperature, poured into two lens molding glass molds, and heated and polymerized at 60 ° C for 10 hours, then at 90 ° C for 5 hours, and further at 120 ° C for 3 hours to form a lens shape. The polymer was obtained. Table 1 shows properties of the obtained polymer. From Table 1, the polymer obtained in Application Example 1 is colorless and transparent, and has a refractive index (nD) Is very high at 1.70, and the Abbe number (νD) Was as high as 32, and was excellent in heat resistance (116 ° C.) and transparency (90%). Therefore, the obtained polymer was suitable as an optical product.
[0034]
Application examples 2-9
Production of optical products made of polymers
The same as Application Example 1 except that the thiol compound represented by the general formula (1), the iso (thio) cyanate group-containing compound and the polymerization catalyst were used as shown in Table 1 and the polymerization conditions were appropriately changed. Operation was performed to obtain a lens-shaped polymer. Table 1 shows the physical properties of these polymers. From Table 1, the polymers obtained in Application Examples 2 to 9 are also colorless and transparent, and have a refractive index (nD) Is very high at 1.59 to 1.70, and the Abbe number (νD) Was as high as 31 to 47, and heat resistance (80 to 116 ° C.) and transparency (90 to 94%) were also excellent. Therefore, the obtained polymer was suitable as an optical product.
[0035]
Application comparison example 1
Production of optical products made of polymers
As shown in Table 1, pentaerythritol tetrakismercaptopropionate (PETMA) 0.1 mol, m-xylylene diisocyanate (XDI) 0.2 mol and dibutyltin dichloride (DBTDCL) 1.0 × 10-FourThe mixture of mol is uniformly stirred, poured into two lens mold glass molds, and polymerized in the shape of a lens by heating and polymerizing at 50 ° C for 10 hours, then at 60 ° C for 5 hours, and further at 120 ° C for 3 hours. Obtained. Table 1 shows properties of the obtained polymer. From Table 1, the polymer of this application comparative example 1 was colorless and had good transparency (92%), but nD/ νDHowever, its refractive index was low at 1.59 / 36 and its heat resistance was inferior at 86 ° C.
[0036]
Application comparison example 2
Production of optical products made of polymers
As shown in Table 1, 1,3,5-trimercaptobenzene (TMB) 0.2 mol, m-xylylene diisocyanate (XDI) 0.3 mol and dibutyltin dichloride (DBTDCL) 1.5 × 10-FourThe mixture of mol is uniformly stirred, poured into two lens mold glass molds, and polymerized in the shape of a lens by heating and polymerizing at 50 ° C for 10 hours, then at 60 ° C for 5 hours, and further at 120 ° C for 3 hours. Obtained. Table 1 shows properties of the obtained polymer. From Table 1, the polymer of this application comparative example 2 was good in heat resistance (94%), but nD/ νDHowever, the refractive index was high at 1.67 / 28, but the Abbe number was low, and the transparency was 81%.
[0037]
[Table 1]
[0038]
(Abbreviations in Table 1)
T1: 4,5-Dimercapto-1,3-dithiolane
T2: 2,3-Dimercapto-1,4-dithiane
BIMD: 2,5-diisocyanate methyl-1,4-dithiane
XDI: m-xylylene diisocyanate
NBDI: Norbornene diisocyanate
HXDI: 1,3-bis (isocyanatomethyl) cyclohexane
HXR: Isocyanuric acid tris isocyanate hexyl ester
PETMA: Pentaerythritol tetrakismercaptopropionate
TMB: 1,3,5-trimercaptobenzene
DBTDCL: Dibutyltin dichloride
[0039]
【The invention's effect】
The thiol compound represented by the general formula (1) of the present invention is a novel compound, and is polymerized with iso (thio) cyanate, etc., so that the refractive index and Abbe number are high, and the heat resistance, weather resistance, and transparency are improved. Excellent optical products can be obtained. Therefore, it is suitable as a raw material for optical products such as a recording medium substrate, a colored filter, and an infrared absorption filter used for lenses such as eyeglass lenses and camera lenses, prisms, optical fibers, optical disks, and magnetic disks.
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