JP4326470B2 - 糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体 - Google Patents

糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体 Download PDF

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Description

本発明は、糖鎖化されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に係り、より詳しくは、蛋白質の体内安定性を増加させるために、特定の部位にAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変位されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体(isoform)およびこの糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に関する。
コロニー刺激因子(Colony Stimulating Factor、CSF)は骨髄幹細胞と白血球の分裂と分化を指示するサイトカイン(cytokine)であり、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte Colony Stimulating Factor、G-CSF)は骨髄の外で細胞の分裂と分化を促進する。
精製されたG-CSFは、骨髄細胞から好中球性顆粒球(neutrophilic granulocyte)コロニーの生成を促進し、最終段階への分化を誘導し(Nicola et al., JBC, Vol. 258, No. 14:9017-23, 1983)、白血球細胞株が自ら複製増殖することを抑える(Metcalf and Nicola, Leukemia Research, Vol. 9, 1:35-50, 1985)糖蛋白質であって、単核細胞 (mononuclear cell)、繊維芽細胞(fibroblast)および内皮細胞(endothelial cell)で生成される。また、ヒトの腫瘍細胞株であるCHU-2細胞(Nomura et al., EMBO J., Vol. 5, No. 5:871-76, 1986)と、膀胱癌細胞5637(Welte et al., Proc. Narl. Acad. Sci. U.S.A., 82:1526-30, 1985; Strife et al., Blood, Vol. 69, No. 5:1508-1523, 1987)の培養で好中球性顆粒球コロニー刺激活性を有する物質が存在することを確認し、これから精製されたG-CSFは分子量18,000〜19,000ダルトンであり、等電点 6.1(糖鎖化の度合いによってpI値が5.5〜6.1)であることが明らかになっている(Nomura et al., EMBO J., Vol.5, No. 5:871-76, 1986)。
G-CSFによって生成される好中球性顆粒球は、10〜20μmの直径を有しかつ白血球の70%以上を占めており、細菌の感染から哺乳動物を保護するのに重要な役割をするが、大食細胞(macrophage)または単核細胞に比べて生存期間が短くて骨髄に存在する多能性幹細胞(pluripotent stem cell)から持続的に生成されなければならない。
初期の研究結果より、分離した物質は好中球だけでなく赤血球、巨核球、大食細胞を生成(Welte et al., Proc. Narl. Acad. Sci. U.S.A., 82:1526-30, 1985; Platzer et al., J. Exp Med, 162:1788-1801, 1985; Nicola et al., Nature, 314:625-28, 1985)させ、この物質がヒトの白血病細胞株HL-60とマウスの白血病細胞株WEHI-3B(D+) 細胞の増殖を誘導するなど多能性原始細胞に効果を及ぼすことにより、多能性コロニー刺激因子またはGM-CSFと呼ばれてきたが、骨髄細胞とリンパ細胞を排除した後には、好中球性顆粒球細胞の形成を強く刺激することにより、ヒトの膀胱癌細胞5637から分離した物質がG-CSFであることを確認した(Welte et al., Proc. Narl. Acad. Sci. U.S.A., 82:1526-30, 1985; Metcalf, Science, 229:16-22, 1985; Metcalf, Blood, Vol. 67, No. 2:257-67, 1986; Metcalf, Proc. R. Soc. Lond. B., 230:389-423, 1987; Sachs, Science, 238:1374-79, 1987)。この物質は接着性細胞とT-リンパ球細胞が除去されたヒトの骨髄細胞から分離した混合コロニー前駆体から7日後に好中球性コロニーを形成させる(Welte et al., Proc. Narl. Acad. Sci. U.S.A., 82:1526-30, 1985; Platzer et al., J., Exp. Med., 162:1788-1801, 1985)。その上、この物質はWEHI-3B(D+)細胞の分化を促進させる。
マウスのG-CSFは、ヒトのものと類似であり、CFU-GM分析で顆粒球コロニーを生成させ、WEHI-3B(D+)細胞の最終段階への分化を誘導する。また、ヒトのG-CSFはヒトの骨髄細胞だけでなくマウスにおいても作用をし、逆の場合も同一の効果を有する。
G-CSFの効果は、動物に投与されたG-CSFの量によって調節され、G-CSFの投与を中断すると、血液内の好中球数は正常的な数を維持する。ところが、受容体を持っていない赤血球または単球性細胞およびリンパ細胞には変化がない。
骨髄細胞または脾臓細胞において、この受容体は好中球性顆粒球細胞への進行に必須的である。成熟した好中球細胞もG-CSF 受容体を持っており、G-CSFが成熟した細胞を活性化させることを提示している。細胞当たり受容体の数は約50〜500個であり、1/2の最大増殖反応を起こすのに要求されるG-CSFの濃度が約10pMであるが、これに対し、G-CSFの受容体に対する解離定数(Kd)は約60〜 80pMである。これは、G-CSFによる増殖反応が低水準の受容体占有状態で行われることを意味する。
G-CSFは好中球の原始細胞だけでなく成熟細胞にも影響を及ぼす。すなわち、G-CSFは成熟好中球細胞の生存を増進させ(Begley et al., Blood, Vol. 68, No. 1:162-66, 1986)、大部分のヒトにおける急性骨髄性白血病細胞を成熟細胞に分化させないことにより、好中球を特異的に活性化させることができると報告されている(Lopez et al., J. Immunol. Vol 131 No6:2983-2988, 1983; Platzer et al., J. Exp. Med., 162:1788-1801, 1985)。
また、5-フルオロウラシル(5-Fluorouracil)とシクロフォスファミド(cyclophosphamide)を処理して好中球減少症を誘導した動物にG-CSFを投与する際にも、好中球細胞の生成は著しく増加した。このような現象を土台として、臨床実験において、化学療法を受けた悪性腫瘍患者(Bronchud et al., Br. J. Cancer, 56:809-13, 1987; Gabrilove et al., New England J. Med., Vol. 318, No. 22:1414-22, 1988; Morstyn et al., Lancet, March 26:667-71, 1988)および放射性同位元素またはシクロフォスファミドなどの薬剤処理を施した後骨髄細胞利殖を受けた患者(Kodo et al., Lancet, July 2:38-39, 1988) の場合、両者ともにおいてG-CSFの投与は若干の骨に痛みを感じさせるだけで、殆ど副作用を起こさずに好中球性顆粒球細胞の増加を誘導した。これは、化学療法または骨髄利殖後に好中球性顆粒球細胞の正常的な水準への回復が遅延すると発生するおそれのある細菌、またはカビ感染の危険性を防ぐのに役に立つことを意味し、最近G-CSFの臨床的適用は好中球減少症で苦しんでいるいろいろの患者の治療に効果があることを示す。
組み換えDNA技術は、G-CSFの分子的、遺伝的性質を明かしており(Clark and Kamen, Science, 236:1229-37, 1987)、組み換えG-CSFを用いた生体外(in vitro)と生体内(in vivo)における機能が多く研究されてきた。CHU-2細胞とヒトの膀胱癌細胞5637からmRNAを分離して製造されたcDNAライブラリでヒトG-CSF遺伝子がクローニングされた(Nagata et al., Nature, 319:415-18, 1986: Nagata et al., EMBO J., Vol. 5, No. 3:575-81, 1986; Souza et al., Science, 232:61-65, 1986)。これらcDNAから塩基配列分析を調査した結果、アミノ酸数207個のmRNAとアミノ酸数204個のmRNAの2種が確認されており、これらのN-末端の30個のアミノ酸は分泌のための前配列であった。この両G-CSFの差異点は、N-末端から35番目のアミノ酸に3個のアミノ酸(Val-Ser-Glu)の有無に起因する。したがって、成熟したG-CSF蛋白質は174個のアミノ酸(MW 18671)を有し、あるいは177個のアミノ酸(MW 18987)を有する。
174個のアミノ酸を有するG-CSFは、177個のアミノ酸を有するG-CSFより20倍以上の活性を有する。ところが、ヒトの体内で2種のG-CSFが実際発現されるかについては未だ知られていない。ヒトG-CSFは、N-グリコシル化に対する(Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T))アミノ酸配列を持っていないが、133番目のアミノ酸ThrでO-グリコシル化部位を持っている。cDNAを用いて組み換えヒトG-CSFを大腸菌(Souza et al., Science, 232:61-65, 1986; Devlin et al., Gene, 65:13-22, 1988)と動物細胞 (Tsuchiya et al., EMBO J., Vol, 6, No, 3:611-16, 1987)で生産したとき、大腸菌で生産されたヒトG-CSFは、天然型または動物細胞から生産されたG-CSFと活性においては同等であった。したがって、G-CSFの活性にグリコシル化は関与していないことが明らかになった。ヒトG-CSFはGM-CSF、インターロイキン-3(interleukin-3)、M-CSFと1次構造で現れた相同性を示しておらず、ヒトG-CSFにある5個のシステイン残基のうち4個のシステインによる2個の二硫化(Cys36-Cys42とCys64-Cys74)結合を有する。
医薬品として用いられている多くの生理活性蛋白質は大部分体内安定性が低いため、これらの物質を使用する患者は、生理活性蛋白質が体内で作用を行うことが可能な一定水準の濃度を保つために、過量および頻繁な投与を受ける。これにより、患者の苦痛と不便さをもたらしており、これを軽減させることが可能な体内安定性を増大させた生理活性蛋白質を製作しようとする。
生理活性蛋白質の体内安定性を増大させるために、重合体として国際出願公開WO 9848840号でポリエチレングリコールと接合させたインターフェロンアルファを製造し、あるいは米国特許公報第6,339,103号でヒト成長ホルモンをマイクロカプセル化して医薬品として開発した例がある。ところが、これらの方法は1次に蛋白質を微生物から生産および精製した後、付加反応を行わなければならないという煩わしさを伴う。また、所望しない位置で交差連結(cross-linking)が起こる可能性があり、最終生産物の同質性(homogeneity)に問題点があるおそれがある。
他の接近方法として、糖鎖化を用いる方法がある。細胞表面蛋白質および真核細胞によって生産される分泌蛋白質は、糖鎖の修飾によって変形される。糖鎖修飾は、蛋白質の物理的性質だけでなく、蛋白質の生体内における安定性および機能にも影響を及ぼすものと知られている。
従って、本発明の目的は、遺伝子組み換え技術を用いて細胞株から生産されるとき、ヒト顆粒球コロニー刺激因子に糖鎖化が起こるようにして、目的蛋白質の生産を容易にし、体内安定性も増加させることが可能な蛋白質を製造することにある。
本発明のある観点によれば、下記アミノ酸残基位置でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を提供する。
-T1-P10(T1-P-L-G-P-A-S-S-L-P10)、
-Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
-L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
-G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
本発明の他の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を提供する。
本発明の別の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T) 配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を含む発現ベクターを提供する。
本発明の別の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T) 配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を含む発現ベクターで形質転換または形質感染した宿主細胞を提供する。
本発明の別の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T) 配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を含む発現ベクターで形質転換または形質感染した真核宿主細胞を培養し、その培養物から糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を分離する過程を含んで糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の製造方法を提供する。
本発明の別の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T) 配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を提供する。
本発明の別の観点によれば、前記特定の部位でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T) 配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体と薬剤学的に許容される担体とを含む薬剤学的組成物を提供する。
本発明の別の観点によれば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子の蛋白質に糖鎖化部位の生成のためにプライマーとして用いられた合成オリゴデオキシヌクレオチドを提供する。
本発明に係る糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体は、体内安定性が高いため、臨床における適用用量および投与回数を低めることができる。
本願明細書に使用された用語「ヒト顆粒球コロニー刺激因子の同種体(isoform)」は、天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の固有アミノ酸配列残基の一つまたはそれ以上で他のアミノ酸残基への変形がなされたが、その固有生物学的活性をそのまま保つ類似体または変異体を意味する。
本願明細書に使用されたアミノ酸の一文字は、生化学分野における標準略語規定によって次のアミノ酸を意味する。
A:アラニン、B:アスパラギンまたはアスパラギン酸、C:システイン、D:アスパラギン酸、E:グルタミン酸、F:フェニルアラニン、G:グリシン、H:ヒスチジン、I:イソロイシン、L:リジン、L:ロイシン、M:メチオニン、N:アスパラギン、P:プロリン、Q:グルタミン、R:アルギニン、S:セリン、T:トレオニン、V:バリン、W:トリプトファン、Y:チロシン 、Z:グルタミンまたはグルタミン酸。
本願明細書に表記される「(アミノ酸一文字)(アミノ酸位置)(アミノ酸位置)(アミノ酸一文字)」は、ヒト顆粒球コロニー刺激因子の該当アミノ酸位置で、先行表記されたアミノ酸が後行表記されたアミノ酸に置換されることを意味する。たとえば、G51Nは天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子のアミノ酸残基51番に該当するグリシンがアスパラギンに置換されることを示す。
本願明細書において、糖鎖化部位の生成のために、プライマーは、「(アミノ酸一文字)(アミノ酸位置)(アミノ酸一文字)1または2」で表記されているが、ここで、1は2本鎖鋳型の中でも5’→3’方向に進む1本鎖鋳型に相補的なプライマーであり、2は2本鎖鋳型の中でも3’→5’方向に進む1本鎖鋳型に相補的なプライマーである。
宿主細胞として真核細胞によって生成される分泌蛋白質は、1つ以上のオリゴ糖によって修飾されるが、糖鎖化と呼ばれるこのような修飾は、蛋白質の物理的性質に影響し、あるいは蛋白質の安定性、分泌および細胞内位置決定においても重要な役割をするものと知られている。適切な糖鎖化は生物学的活性に必須的であるといえる。実際、真核細胞に由来した遺伝子を、蛋白質を糖鎖化させる細胞内過程(process)が欠如したバクテリアで発現させたとき、糖鎖化の欠如により活性が低下した蛋白質を生産する。
糖鎖化は、ポリペプチドバックボーンに沿って特定の位置で起こるが、一般に二つの類型がある。その一つはセリンまたはトレオニン残基の−OH基にオリゴ糖が結合するO型糖鎖化であり、もう一つはアスパラギン残基の−NH基にオリゴ糖が結合するN型糖鎖化である。特に、N型糖鎖化は特定のアミノ酸配列を有するときに発生し、その配列はAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)であると知られている(ここで、Xはプロリン以外のいずれのアミノ酸も可能である)。N−連結されたオリゴ糖とO−連結されたオリゴ糖の構造はお互い異なり、一般に各タイプから発見される糖残基もお互い異なる。たとえば、O−連結された糖残基では、N−アセチルガラクトサミン(N-acetylgalactosamine)が常時セリンまたはトレオニンに連結されているが、これに対し、N−連結された糖残基では、アスパラギンにN−アセチルグルコサミン(N-acetylglucosamine)が連結されている。O−連結されたオリゴ糖は、一般に4つ以下の糖残基のみを含んでいるが、N−連結されたオリゴ糖は、N−アセチルグルコサミンとマンノースを常に含み、少なくとも5個以上の糖残基からなっている。
本発明は、蛋白質の体内安定性を増加させるために、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が少なくとも一つ形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に関するものである。本発明に至り、ヒト顆粒球コロニー刺激因子蛋白質のアミノ酸配列から螺旋状の部位を除いた残り部位のいずれでも、アミノ酸変形により糖鎖化を誘導することができると明らかになった。
一様態として、本発明は、下記アミノ酸残基位置でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を含む。
-T1-P10(T1-P-L-G-P-A-S-S-L-P10)、
-Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
-L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
-G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
より好ましい様態として、本発明は、下記アミノ酸残基位置でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を含む。
-Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
-L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
-G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
さらに好ましい様態として、本発明は、51番目のグリシンをアスパラギンに変形させ、94番目のグリシンをアスパラギンに変形させ、または133番目および135番目のトレオニンとグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに変形させ、またはこれらを全て変形させたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を含む。
本発明は、まず付加的な糖鎖化部位を持つようにヒト顆粒球コロニー刺激因子をコード するDNA配列上に、N型糖鎖化が起こるように1つ以上のヌクレオチドを変形させた後、そのDNAを、糖鎖化を行う真核細胞に導入して発現させることにより、自然に付加的な糖鎖化が起こるようにする。したがって、本発明に係る付加的な糖鎖化が起こったヒト顆粒球コロニー刺激因子は、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が増加するようにDNA配列を変形させることにより達成される。
一様態として、本発明は、下記アミノ酸残基位置でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を含む。
-T1-P10(T1-P-L-G-P-A-S-S-L-P10)、
-Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
-L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
-G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
より好ましい様態として、下記アミノ酸残基位置でAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が一つ以上形成され、この部位で糖鎖化が起こるようにアミノ酸変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を含む。
-Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
-L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
-G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
さらに好ましい様態として、本発明は、51番目のグリシンをアスパラギンに変形させ、94番目のグリシンをアスパラギンに変形させ、または133番目および135番目のトレオニンとグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに変形させ、またはこれらを全て変形させたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を含む。
本発明の様態において、ヒト顆粒球コロニー刺激因子をコードする遺伝子は、動物細胞発現用ヒト顆粒球コロニー刺激因子の生産菌株によって確保した。通常、遺伝子のクローニングと分離は当業界に公知になっている方法が利用できる。
前記過程によって確保されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子は、一つ以上選択されたコドンで変形できる。本発明の明細書において、変形とは、ヒト顆粒球コロニー刺激因子をコードする遺伝子上の一つまたはそれ以上のコドンを置換することにより、ヒト顆粒球コロニー刺激因子のアミノ酸配列上で変化を起こすものと定義することができる。より具体的には、ヒト顆粒球コロニー刺激因子のアミノ酸配列上に付加的なN型糖鎖化が起りうるAsn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が形成されるように、一つ以上のアミノ酸を他のアミノ酸に置換させることをいう。例えば、本発明の実施例3において、51番目のグリシンをアスパラギンに置換させると、53番目のアミノ酸がセリンなので、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が形成され、付加的なN型糖鎖化が起こる。また、94番目のグリシンをアスパラギンに置換させると、96番目のアミノ酸がセリンなので、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が形成され、付加的なN型糖鎖化が起こる。さらに、133番目のトレオニンおよび135番目のグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに置換させると、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が形成されて付加的なN型糖鎖化が起こる。
本発明の様態として、ヒト顆粒球コロニー刺激因子で目的としたアミノ酸変形をコード するコドン(codon)を含む合成オリゴヌクレオチドを製作した。一般に、長さの面において約25個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが使用される。さらに短いオリゴヌクレオチドが導入されることもできるが、最適のオリゴヌクレオチドは、変形をコードしたヌクレオチドの両側に鋳型に相補的な12個〜15個のヌクレオチドを持つものである。このようなオリゴヌクレオチドが鋳型DNAに十分に混成化できる。本発明において、付加的な糖鎖化部位の生成のために使用した合成オリゴヌクレオチドは表1に記載されている。このようなオリゴヌクレオチドは当業界に公知になっている技術によって合成できる。
本発明の様態として、一つのアミノ酸が変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体DNAを提供する。ヒト顆粒球コロニー刺激因子DNAを鋳型とし、変形をコードした合成オリゴヌクレオチドをプライマー(primer)として用いてPCRを行う。PCRの加熱(heating)段階で2本鎖鋳型が分離されると、それぞれの1本鋳型に相補的なプライマーが混成化(hybridization)される。DNA合成酵素(DNA polymerase)は、変形をコードしたプライマーの−OH基から鋳型に相補的なヌクレオチドを5’→3’方向に連結させていく。結果として、2番目の鎖は変形をコードしたプライマーを含むので、遺伝子上で目的とした変形をコードするのである。前記2番目の鎖はPCRの反復される複製段階で鋳型DNAとして作用するので、変形をコードした遺伝子は引き続き増幅される。例えば、本発明の実施例3では、51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させるために、天然型のG-CSF DNAを鋳型としてプライマーCSF5とG51N2、G51N1とCSF3をそれぞれ対としてPCRを行う。結果的に、51番目のアミノ酸位置がグリシンの代わりにアスパラギンに該当するコドンに変形された2つのDNA断片を得ることができる。こうして得た2種のDNA断片を挿入し、CSF5、CSF3をプライマー対として2回目のPCRを行うと、51番目のアミノ酸がアスパラギンに変形されて付加的な糖鎖化が可能なG-CSF-G51Nの変形遺伝子を得ることができる。
本発明の追加様態として、二つ以上のアミノ酸変形を含むヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体が提供される。二つ以上のアミノ酸が変形された突然変異は、いろいろの方法によって製作できる。変形させようとする二つ以上のアミノ酸がポリペプチド上でお互い近接して位置すれば、それらは目的としたアミノ酸変形を全てコードした一つのオリゴヌクレオチドを用いて同時に変形できる。したがって、上述した製作方法は、二つ以上のアミノ酸変形を含むオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる以外は、一つのヌクレオチドを変形させるヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子の製作方法と同様である。しかし、変形させようとする二つ以上のアミノ酸がポリペプチド上でお互い遠く離れて位置すれば(10個以上のアミノ酸によって離れている場合)、目的とした変形を全てコードした一つのオリゴヌクレオチドを製作することは不可能である。
その代わり、他の方法が導入されるべきである。その一つの方法は、それぞれのアミノ酸が変形を含む個別的なオリゴヌクレオチドを製作する方法である。そのオリゴヌクレオチドが1本鋳型DNAに同時にアニール(annealing)されると、その鋳型から合成された2番目の鎖のDNAは、目的としたアミノ酸変形を全てコードする。本発明で使用した別の方法は、そのような同種体を生産するために2回以上の突然変異誘発(mutagenesis)を含んでいる。1次突然変異誘発では、天然型のDNAが鋳型として使用され、一番目の目的としたアミノ酸変形を含むオリゴヌクレオチドがこの鋳型にアニールされると、異型DNA(heteroduplex)が製作される。2次突然変異誘発では、1次(前記)突然変異誘発で生成された、変形されたDNAを鋳型として用いる。したがって、この鋳型は既に少なくとも一つ以上の変形を含んでいるものである。付加的なアミノ酸変形を含むオリゴヌクレオチドがこの鋳型にアニールされると、結果的に生産されるDNAは1次と2次突然変異誘発の変形を全てコー ドする。この結果物のDNAは、3次突然変異誘発で鋳型として使用できる。要するに、前記二つ以上のヌクレオチドを変形させる方法は、1つのヌクレオチドを変形させる方法を多数回反復するのである。例えば、本発明の実施例3で天然型のヒト顆粒球コロニー刺激因子蛋白質の51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに、94番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに同時に変形させるために94番の位置を変形させた後、これを鋳型として51番目のアミノ酸の変形を行った。結果として、両部位が同時に変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子を得ることができた。
本発明に係るヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードするDNA配列は、本分野に公知になっている標準方法によって、例えば自動DNA合成機(例えば、バイオサーチ、アプライドバイオシステムTM)を用いて合成することもできる。
本発明に係る糖鎖化された同種体は、一般に(a)前記ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードしたDNA配列を、このDNA配列に作動可能に連結されて(operatively linked)その発現を調節する一つまたはそれ以上の発現調節配列(expression control sequence)を含むベクターに挿入させ、(b)これから形成された組み換え発現ベクターで宿主を形質転換または形質感染させ、(c)生成された形質転換または形質感染体をヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体DNA配列が発現されるように適切な培地および条件の下に培養して糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を分離することにより製造する。
連関した観点として、本発明は、ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードするDNA配列を含む組み換え発現ベクターおよびこのような発現ベクターで形質転換または形質感染された宿主細胞を提供する。
勿論、全てのベクターと発現調節配列が本発明のDNA配列の発現に全て同等に機能を発揮するのではないことを理解すべきである。同様に、全ての宿主が同一の発現システムに対して同一に機能を発揮するのではない。ところが、当業者であれば、過度な実験的負担なしに本発明の範囲から外れないままでいろいろのベクター、発現調節配列および宿主の中から適切な選択を行うことができる。例えば、ベクターを選択するに際しては宿主を考慮しなければならないが、これはベクターがその中で複製されなければならないためである。ベクターの複製数、複製数を調節することが可能な能力、および当該ベクターによってコードされた他の蛋白質、例えば抗生剤マーカーの発現も考慮されなければならない。発現調節配列を選定するに際しても、いろいろの因子を考慮しなければならない。例えば、配列の相対的強度、調節可能性および本発明のDNA配列との相溶性など、特に可能性のある二次構造と関連して考慮しなければならない。また、宿主を選定するに際しても、選択されたベクターとの相溶性、ヌクレオチド配列によってコードされた産物の毒性、これらの分泌特性、ポリペプチドを正しくフォールディング(folding)することが可能な能力、発酵または培養必要条件、そしてヌクレオチド配列によってコードされた産物の精製容易性などを考慮しなければならない。
本願明細書に使用された「ベクター」という用語は、外来遺伝子を宿主細胞内に安定して運搬することが可能な運搬体としてのDNA分子をいう。有用なベクターとなるためには複製可能でなければならず、宿主細胞内への導入が可能な方案を備えなければならず、自分の存在を検出することが可能な手段を備えなければならない。また、「組み換え発現ベクター」という用語は、一般に外来遺伝子が宿主細胞で発現できるように、ベクターに作動的に連結されて形成された環状のDNA分子をいう。組み換え発現ベクターは、数個のコピーおよびその挿入された異種のDNAが生成できる。当業界に周知されているように、宿主細胞で形質感染遺伝子の発現水準を高めるためには、該当遺伝子が、選択された発現宿主内で機能を発揮する転写および解読発現調節配列に作動的に連結されなければならない。好ましくは、発現調節配列および該当遺伝子を細菌選択マーカーおよび複製開始点(replication origin)を共に含んでいる一つの発現ベクター内に含まれる。発現宿主が真核細胞の場合には、発現ベクターは、真核発現宿主細胞内で有用な発現マーカーをさらに含まなければならない。
本発明に係るヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードするDNA配列を発現させるために、様々な発現ベクターが利用できる。好ましくは、ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に糖鎖化が起こらなければならないので、真核宿主細胞に適した発現ベクターが使用されなければならない。真核宿主細胞に有用な発現ベクターは、例えばSV40、牛乳頭腫ウィルス、アデノウィルスおよびサイトメガロウィルスに由来した発現調節配列を含んでいる。具体的なベクターは、例えば、pCDNA3.1(+)\Hyg(Invitrogen, Carlsbad, Calif., USA)およびpCI-neo(Stratagen, La Jolla, Calif., USA)である。酵母細胞に有用な発現ベクターは、2μプラスミドとその同種体、POT1ベクター(U.S. Pat. No. 4,931,373)およびpPICZ A、B、又は C(Invitrogen)などを含む。昆虫細胞に有用なベクターは、pVL 941, pBluebac 4.5 およびpMelbac(Invitrogen)などを含む。
「調節配列(expression control sequence)」とは、本発明のポリペプチド発現に必須的な或いは有利な核酸配列のことをいう。それぞれの調節配列は、ポリペプチドをコード する核酸配列に天然的(native)または外来的(foreign)である。そのような調節配列は、これに制限されるものではないが、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド(propeptide)配列、プロモータ、エンハンサー(enhancer)またはアップストリーム(upstream)活性化配列、シグナルペプチド配列および転写終結因子などを含む。少なくとも調節配列はプロモータを含む。
本発明のDNA配列を発現させるために、非常に様々な発現調節配列のいずれもベクターに使用できる。哺乳動物の細胞で発現を指示するのに適した調節配列の例は、SV40およびアデノウィルスの初期および後期プロモータ、MT-1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、ヒトサイトメガロウィルス初期遺伝子(CMV)、ラウス肉腫ウィルス(RSV)プロモータおよびヒトのユビキチンC(UbC)プロモータなどを含む。付加的に哺乳動物の細胞で発現を向上させるために、合成イントロン(intron)がポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’の非転写領域に挿入できる。昆虫細胞で発現を指示するのに適した調節配列の例は、ポリヘドリン(polyhedrin)プロモータ、P10プロモータ、バキュロウィルス(baculovirus)39K遅延した−初期遺伝子プロモータおよびSV40ポリアデニル化(polyadenylation)配列などを含む。酵母で利用可能な調節配列の例は、酵母のα−交配システムのプロモータ、酵母トリオースリン酸異性質化酵素(TP1)プロモータおよびADH2-4cプロモータなどを含む。カビ細胞で発現を指示するのに適した調節配列の例は、ADH3プロモータおよび終結因子などを含む。
本発明の実施に使用される別の有用なベクターの構成成分がシグナルペプチドである。このような配列は、典型的に蛋白質をコードする遺伝子の5’側の上流に位置するので、蛋白質のアミノ末端に転写される。シグナルペプチドの存在または不在は、例えば発現されるポリペプチドの生産に使用された発現宿主細胞によって(発現されるポリペプチドが細胞内ポリペプチドなのか或いは細胞外ポリペプチドなのかによって)、そして分泌物の回収に望ましいかによって異なる。シグナルペプチドは、ポリペプチドが発現される細胞から分泌されるときに存在する。そのようなシグンルペプチドが存在すれば、ポリペプチドの発現のために選択した細胞によって認知されるものでなければならない。シグナルペプチドは、ポリペプチドに対して同型性(該当ポリペプチドと一般的に連関された)または異型性(該当ポリペプチド以外から由来した)であってもよく、宿主細胞に対して同型性または異型性であってもよい。
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係で配置されるとき、「作動可能に連結された(operably linked)」と定義する。これは、適切な分子(例えば、転写活性化蛋白質)が調節配列に結合するときに遺伝子発現を可能とする方式で連結された遺伝子および調節配列である。例えば、前配列(pre-sequence)または分泌リーダー(leader)が成熟した蛋白質の分泌に参加することにより機能を発揮したならば、その蛋白質に作動可能に連結されたのである。プロモータがコード配列の転写を調節したならば、その配列に作動可能に連結されたのである。リボソーム結合部位が、コード配列の解読が可能な位置に置かれているならば、その配列に作動可能に連結されたのである。一般に、「作動可能に連結された」とは、連結されたDNA配列が接触し、また分泌リーダーの場合には接触しかつリーディングフレーム内に存在することを意味する。ところが、エンハンサー(enhancer)は接触する必要がない。これら配列の連結は、便利な制限酵素部位でライゲーション(連結)によって行われる。そのような部位が存在しない場合、常法による合成オリゴヌクレオチドアダプター(oligonucleotide adaptor)またはリンカー(linker)を使用する。
ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードした遺伝子だけでなく、前記の構成成分(すなわち、調節配列)を含む適切なベクターの製作は、基本的な組み換えDNA技術を用いて製作することができる。目的としたベクターを形成するために、分離されたそれぞれのDNA断片が結合するには、まず制限酵素で切断され後、特定の順序(order)と方向(orientation)を考慮して連結されなければならない。
DNAは適切な緩衝液(buffer)内で特定の制限酵素を用いて切断できる。一般に、約O.2〜1μgのプラスミドまたはDNA断片は、略20μlの緩衝液に該当制限酵素約1〜2単位と共に使用される。適切な緩衝液、DNA濃度、培養時間および温度は、制限酵素の製造会社によって特定される。一般に、37℃で約1〜2時間程度培養することが適当であるが、一部酵素はさらに高い温度を必要とする。培養後、酵素と他の不純物は、フェノールとクロロホルムの混合物で前記消化溶液を抽出することにより除去され、DNAはエタノールで沈殿させて水溶液層から回収することができる。この際、DNA断片が機能性ベクターを形成し得るように連結されるためには、DNA断片の末端がお互い相溶性を持たなければならない。
切断されたDNA断片は、電気泳動(electrophoresis)を用いて大きさ別に分離され選択されなければならない。DNAはアガロースまたはポリアクリルアミドマトリックス(matrix)によって電気泳動できる。マトリックスの選択は、分離されるDNA断片の大きさによって決定される。電気泳動後、DNAは電気溶出(electroelution)によってマトリックスから抽出される。または、低溶融アガロースが使用された場合には、アガロースを溶融させ、それからDNAを抽出する。
連結されるDNA断片は、同一のモル量で溶液に添加されなければならない。その溶液は、ATP、連結酵素(ligase)緩衝液、DNA0.5μg当たり約10単位のT4連結酵素と同一の連結酵素を含んでいる。DNA断片がベクターに連結されるためには、まずベクターは適切な制限酵素によって切断されて線形化されなければならない。線形化されたベクターは、アルカリ性リン酸加水分解酵素または牛内臓の加水分解酵素で処理されるべきである。このようなリン酸加水分解酵素処理は、連結段階中にベクターの自己連結(self-ligation)を防止する。このような方法によって製作された組み換え発現ベクターで次に宿主細胞を形質転換または形質感染させる。
宿主細胞を選定するにおいて、普通DNAの導入効率が高くかつ導入されたDNAの発現効率が高い宿主が通常用いられる。特に、本発明では、ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に糖鎖化を行うことが可能な真核宿主細胞を使用しなければならない。適当な酵母宿主細胞の例は、サッカロミセス(Saccharomyces)およびハンセヌラ(Hansenula)の菌株などを含む。適切なカビ宿主細胞の例は、トリコデルマ(Tricoderma)、フザリウム(Fusarium)およびアスペルギルス(Aspergillus)菌株などを含む。適当な昆虫宿主細胞の例は、Sf9またはSf21のようなレピドプトラ(Lepidoptora)細胞株などを含む。適当な哺乳動物宿主細胞の例は、CHO細胞株、COS1、COS7のようなCOS細胞株、BHK細胞株およびマウス細胞のような動物細胞、組織培養された植物細胞およびヒト細胞などを含む。
ポリヌクレオチドは、文献『Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology(1986)』および文献『Sambrook et al.,(ibid)』などの基本的な実験指針書に記述された方法によって宿主細胞内に導入できる。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するのに望ましい方法は、例えばリン酸カルシウム形質転換(calcium phosphate transfection)、DEAE−デキストラン媒介形質転換(DAEA-dextran mediated transfection)、罹患(transvection)、微細注入(microinjection)、陽イオン脂質−媒介形質転換(cationic lipid-mediated transfection)、電気穿孔(electroporation)、形質導入(transduction)、スクレイプローディング(scrape loading)、バリスティック導入(ballistic introduction)または感染(infection)などを含む。
本発明の生産方法において、宿主細胞は、公知の技術を用いてポリペプチドの生産に適した栄養培地で培養される。例えば、細胞は適当な培地とポリペプチドが発現および/または分離されることを許容される条件下に実施された実験室または産業用発酵機で小規模または大規模発酵、シェイクフラスコ培養によって培養できる。培養は、公知の技術を用いて、炭素、窒素供給源および無機塩を含む適切な栄養培地で行う。培地は、当業者によく知られており且つ市販されているものを使用し、或いは直接製造して使用することができる。ポリペプチドが栄養培地に直接分泌される場合には、ポリペプチドは培地から直接分離できる。ポリペプチドが分泌されない場合には、ポリペプチドは細胞の濾液(lysate)から分離できる。
ポリペプチドは、当業界に公知になっている方法によって分離できる。例えば、これに制限されないが、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈殿を含む伝統的な方法によって栄養培地から分離できる。ひいては、ポリペプチドはクロマトグラフィ(例えば、イオン交換、親和性、疎水性および大きさ別の排除)、電気泳動、分別溶解度(例えば、硫安沈殿)、SDS-PAGEまたは抽出を含んで、一般に公知になっている様々な方法によって精製できる。
本発明は、前記のような過程によって収得された付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を提供する。本願の明細書において、付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体とは、Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)配列が増加するように変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子を真核宿主細胞に導入して発現させることにより、自発的に糖鎖化が起こった発現産物であると定義することができる。つまり、ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の付加的な糖鎖化部位Asn-X-Ser/Thr(N-X-S/T)の−NH基に糖残基の共有結合により形成された異型(heterogenous)分子をいう。
また、本発明は、付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体と薬剤学的に許容される担体とを含む薬剤学的組成物を提供する。治療のための投与用の糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の治療的製剤は、任意的な生理学的に許容される担体(carrier)、賦形剤(exipient)、安定剤(stabilizer)と、目的とした程度の純度を有する糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体とを混合し、凍結乾燥(lyophilized)した固形(cake)と水溶液の形に製造される(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Olso, A., ED.,(1980))。非経口投与製剤は、糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体と投与可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で薬剤学的に許容される担体とを混合することにより製造できる。
薬剤学的に許容される担体、賦形剤または安定剤は、導入された投与用量と濃度において投与者に対する毒性があってはならず、その製剤の他の構成成分との相溶性がなければならない。例えば、当該製剤は、ポリペプチドに有害なものと知られている酸化剤またはその他の物質を含んではならない。
適当な担体は、リン酸、クエン酸、およびその他の有機酸などのバッファ、アスコルビン酸(ascorbic acid)を含んだ抗酸化剤、低分子量ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、および免疫グロブリンなどの蛋白質、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)などの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含んだ単当類、二糖類、その他の炭水化物、EDTAなどのキレート因子、亜鉛、コバルト、または銅などの金属イオン、マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール、ナトリウムなどの塩形成カウンタイオン(counterion)、および/またはツイン(Tween)、プルロニック(Pluronic)、またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体が治療のための投与用として使用されるためには滅菌されなければならない。滅菌は滅菌濾過膜(sterile filtration membrane)を用いた濾過によって容易に達成できる。
治療用糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体組成物は、一般に滅菌接近ポート(sterile access port)を持っている容器、例えば皮下注射針によって貫通できる栓持ちの静脈注射液袋(bag)またはガラス瓶(vial)に保管されるべきである。ヒト顆粒球コロニー刺激因子は、水溶液または凍結乾燥製剤であって、1回分または多数回分容量の容器、例えば密封したガラス瓶またはアンプル(ampoule)に貯蔵される。凍結乾燥製剤の場合、10mlのガラス瓶を5mlの滅菌濾過された1%(w/v)ヒト顆粒球コロニー刺激因子水溶液で充填し、その結果混合物を凍結乾燥させる。注入液は、注射用静菌数(bacteriostatic Water-for-Injection)を用いて、凍結乾燥したヒト顆粒球コロニー刺激因子を溶解(reconsruction)させて製造することができる。
糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体は、非経口投与を含んだ適切な技術によって動物に直接投与され、局所的または全身に投与できる。特定的な投与経路は、例えばヒト顆粒球コロニー刺激因子を用いて認知あるいは予想される副作用を含んだ患者の病歴によって決定される。非経口投与の例は、皮下組織、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内投与を含む。最も好ましくは、投与は持続的な注入(例えば、浸透圧ポンプのようなミニポンプ)または注射、例えば静脈内または皮下組織内の経路を経て行う。糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の場合、好ましい投与方式は皮下組織内である。
本発明の糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体は、患者に対して治療に効果的な量で投与される。「治療に効果的な」とは、与えられた状態と投与方式で目的の治療効果を示すのに十分な量であると定義することができる。治療に使用されるヒト顆粒球コロニー刺激因子組成物は、治療される特定の状態、個々患者の臨床条件(特に、ヒト顆粒球コロニー刺激因子単独処理時の副作用)、糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体組成物の伝達場所、投与方法、投与スケジュール、当業者に熟知されている他の要件を考慮して好ましい治療業務(practice)と一貫するように製造されて服用されなければならない。糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の治療に効果的な量は、そのような事項の考慮によって決定される。本発明の糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の一日投与有効量は一般に約1μg〜100mgであり、好ましくは0.01mg〜1mgである。
本発明は、下記実施例によってより具体的に例示される。ところが、これらの実施例は本発明の具現例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子の確保
ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子は、本出願人保有の動物細胞発現用ヒト顆粒球コロニー刺激因子生産菌株を使用した。ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列は図1に示している。
<実施例2>
ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子における変形部位の選定
ヒト顆粒球コロニー刺激因子の付加的な糖鎖化部位の選定のために、Boone(J. Biol. Chem., vol.5, 8770, (1992))の構造分析結果を活用した。選定部位の決定に際し、1次にヒト顆粒球コロニー刺激因子蛋白質のアミノ酸配列において螺旋状の部位は除いた(図1)。1次に螺旋状の部位が除かれた配列から、3次元構造で天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の133番位置のトレオニン残基にO型糖鎖化が存在することを考慮し、2次選定部位を決定した。2次に選定された部位からN型糖鎖化のモーティブへの変換が容易な部位を最終選定した。
<実施例3>
ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の製作
付加的な糖鎖化部位を有するように少なくとも一つのアミノ酸が変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子をコードする遺伝子は、合成オリゴデオキシヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行えば製作することができた。ここに使用された合成オリゴデオキシヌクレオチドは表1に示した。
図2に示すように、付加的な糖鎖結合部位の添加のために変形を試みた部位は、G51番とG94およびT133とG135であって、51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させ、94番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させ、133番目と135番目のアミノ酸であるトレオニンとグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに変形させ、この実験を行うために使用された合成オリゴデオキシヌクレオチドの種類を示した。矢印の方法はそれぞれのオリゴデオキシヌクレオチドの5’→3’方向を意味する。

ヒト顆粒球コロニー刺激因子蛋白質の精製のために前配列と成熟ヒト顆粒球コロニー刺激因子のアミノ酸配列との間に付加的なアミノ酸配列HisEKを挿入した。そのアミノ酸配列は、M-G-G-S-H-H-H-H-H-H-G-D-D-D-D-Kである。このアミノ酸配列を挿入することにより、金属親和性(Metal Affinity)カラムクロマトグラフィで、発現されたヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体蛋白質を分離することができ、分離された蛋白質にエンテロキナーゼ(Enterokinase)酵素を処理し、さらに金属親和性カラムクロマトグラフィに適用してヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体蛋白質のみを得ることができた。
HisEK配列の導入は、前配列部位のDNAにCSF5とCSF1プライマーを用いてPCR反応で増幅させ、制限酵素NcoIで切断することにより行われた。そして、成熟ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子部位は、HisEK2とCSF3で1次増幅させた後、これをさらにHisEK1とCSF3で増幅させてDNA断片を得た。このDNA断片をやはり制限酵素NcoIで切断して二つのDNA断片をT4 DNAリガーゼを用いて連結した。このように連結されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子をさらにCSF5とCSF3をプライマーとして用いてPCR反応を行って増幅させた。増幅したDNA断片をさらに制限酵素HiNdIIIと BamHIで切断し、同一の制限酵素で切断されたpcDNA3.1-Hygro+プラスミドベクターにT4 DNAリガーゼを用いて挿入させることにより、発現ベクターを完成した。
Figure 0004326470
(1)G51N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子同種体の製作(図3)
実施例1で確保されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子をCSF5とG51N2、G51N1とCSF3合成オリゴデオキシヌクレオチドを用いてそれぞれPCRで増幅させてDNA断片を製作した。製作されたそれぞれのDNA断片を精製した後、0.2M NaOH/2mM EDTAで変性(denaturation)させ、その後これらを鋳型としてCSF5、CSF3のプライマー対を用いてさらにPCRを行って51番目のアミノ酸がグリシンからアスパラギンに取り替えられた遺伝子を製作した。結果として、図3に示すように、51番目のアミノ酸位置がグリシンの代わりにアスパラギンに該当するコドンに変形された二つのDNA断片を得ることができた。こうして得た2種のDNA断片を挿入し、CSF5、CSF3をプライマー対として2回目のPCRを行うと、51番目のアミノ酸がアスパラギンに変形されて付加的な糖鎖化が可能なG-CSF-G51Nの変形遺伝子を得ることができた。
(2)G94N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の製作(図4)
実施例1で確保されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子をCSF5とG94N2、G94N1とCSF3合成オリゴデオキシヌクレオチドを用いてそれぞれPCRで増幅させてDNA断片を製作した。製作されたそれぞれのDNA断片を精製した後、0.2M NaOH/2mM EDTAで変性(denaturation)させ、その後これらを鋳型としてCSF5、CSF3のプライマー対を用いてさらにPCRを行って94番目のアミノ酸がグリシンからアスパラギンに取り替えられた遺伝子を製作した。結果として、図4に示すように、94番目のアミノ酸位置がグリシンの代わりにアスパラギンに該当するコドンに変形された二つのDNA断片を得ることができた。こうして得た2種のDNA断片を挿入し、CSF5、CSF3をプライマー対として2回目のPCRを行うと、94番目のアミノ酸がアスパラギンに変形されて付加的な糖鎖化が可能なG-CSF-G94Nの変形遺伝子を得ることができた。
(3)G51NおよびG94Nが両方とも変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体の製作(図5)
G94N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を用いてG51N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を製作する方法と同様に行った。図5ではまず図4のような方法で94番目の位置を変形させた後、これを鋳型として図3のような方法で51番目の位置を変形させた。結果として、2部位が同時に変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子を得ることができた。
(4)T133NとG135Sが両方とも変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の製作(図6)
G51N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の製作方法と同様の方法で、ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子をCSF5とT133NG135S:2、T133NG135S:1とCSF3合成オリゴデオキシヌクレオチドを用いてそれぞれ重合酵素連鎖反応で増幅させてDNA断片を製作した。
製作されたそれぞれのDNA断片を精製した後、0.2M NaOH/2mM EDTAで変性(denaturation)させ、その後これらを鋳型としてCSF5、CSF3のプライマー対を用いてさらに重合酵素連鎖反応を行って133番目と135番目のアミノ酸がそれぞれトレオニンとグリシンからアスパラギンとセリンに変形されてO型の糖鎖結合部位をN型の糖鎖が結合できるように変形された遺伝子を製作した。
(5)G51NとT133N及びG135Sが両方とも変形されたヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の製作(図7)
T133NG135S変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体を用いてG51N変形ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体を製作する方法と同様に行った。
<実施例4>
CHO細胞への形質転換および発現
60mm細胞培養皿でCHO細胞(DG44)を培養して40-80%のコンフルアント(confluent)がなるように、すなわち1-4 X 105細胞/60mm皿を準備した。BM社のスーパーフェクチン試薬(Superfectin reagent)3μlと細胞培養培地(α-MEM培地、無血清、無抗生剤)97μlをよく混合し、準備されたヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体発現ベクターDNA(0.1μg/μl以上、約2μg)とDHFR含有ベクターpLTRdhfr26(ATCC37295、約0.2μg)を添加して室温で5〜10分間反応させた後、準備された前記細胞に添加した。一日経過後、ハイグロマイシン200μg/mlを含んだ培地に交換(α-MEM without media, 10% FBS)して約7〜10日間培養した。ハイグロマイシンが200μg/mlとなるように添加された培地でヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の導入された細胞株を選別し、選別されたそれぞれの細胞株を培養してQuantikine human G-CSF免疫分析法(Catalog No. DCS50, R&D systems)でヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の発現を確認した。
<実施例5>
ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の精製
CHO細胞で発現されたヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の精製は、培養液をMilipore社のCentriprep(Mw Cut 10,000)を用いて濃縮した後、Invitrogene社のProBond Purification Systemを用いて金属親和性クロマトグラフィ(Metal Affinity Chromatography)で精製した。
<実施例6>
ラットにおける薬物動力学の実験
製造された候補物質の実際生体内における半減期が長くなったか否かを確認するために、薬物動力学的実験をSprague-Dawleyラットを対象として実施した。静脈を通じてヒト顆粒球コロニー刺激因子およびその誘導体を100μg/kg体重の投与量で投与し、各群は4匹ずつ実施した。経時的な血中濃度を確認するために、30分間隔で採血した後、Quantikine human G-CSF免疫分析キット(R&D system)を用いてヒト顆粒球コロニー刺激因子およびその誘導体の血中濃度を測定した。その結果が図9に示されている。薬物動力学的テストで幾つかの誘導体は変形されていないヒト顆粒球コロニー刺激因子より体内持続性が増加することを示した。
本発明に係る糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体は、体内安定性が高いため、臨床における適用用量および投与回数を低めることができる。
ヒト顆粒球コロニー刺激因子遺伝子および蛋白質の配列を示す。塩基配列上の矢印または直線はヒト顆粒球コロニー刺激因子蛋白質の3次元構造で螺旋(helix)構造形態を示す部位を表示し、矢印の方向はアミノ酸配列の順序による螺旋の方向を表示する。変形前成熟ヒト顆粒球コロニー刺激因子の133番トレオニンは、ヒトまたは真核細胞から生産されるときに糖鎖化(O型)が起こる部位である。 ヒト顆粒球コロニー刺激因子の蛋白質構造における本発明に係る糖鎖化アミノ酸変形位置を示したもので、前部分に前配列を含んでいる。 天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させるための方法を示す模式図である。 天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の94番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させるための方法を示す模式図である。 天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに、94番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに同時に変形させるための方法を示す模式図である。 天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の133番目のアミノ酸であるトレオニンをアスパラギンに、135番目のアミノ酸であるグリシンをセリンに変形させるための方法を示す模式図である。 天然型ヒト顆粒球コロニー刺激因子の51番目のアミノ酸であるグリシンをアスパラギンに変形させ、133番目と135番目のアミノ酸であるトレオニンとグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに同時に変形させるための方法を示す模式図である。 ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体に対するウェスタンブロット結果を示す。この際、レイン1は野生型ヒト顆粒球コロニー刺激因子、レイン2は誘導体G51N、レイン3は誘導体G51N/G94N、レイン4は誘導体G94N、5は誘導体G51N/T133NG135S、レイン6は誘導体T133NG135S、レイン7は分子量測定マーカーを示す。ウェスタンブロットでは、1次抗体としてヒト顆粒球コロニー刺激因子に対する塩素ポリクローナル抗体を使用し、2次抗体として塩素免疫グロブリンに対するマウス抗体にHRP酵素を結合させた抗体を使用した。 マウスにおけるヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体の時間別残留濃度を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 下記アミノ酸配列を含むアミノ酸配列において、51番目のグリシンをアスパラギンに変形させ、または133番目および135番目のトレオニンとグリシンをそれぞれアスパラギンとセリンに変形させ、またはこれらを全て変形させ、かつ顆粒球コロニー刺激因子活性を保持する、ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体:
    -T1-P10(T1-P-L-G-P-A-S-S-L-P10)、
    -Y39-L71(Y39-K-L-C-H-P-E-E-L-V-L-L-G-H-S-L-G-I-P-W-A-P-L-S-S-C-P-S-Q-A-L-Q-L71)、
    -L92-L99(L92-E-G-I-S-P-E-L99)、および
    -G125-S142(G125-M-A-P-A-L-Q-P-T-Q-G-A-M-P-A-F-A-S142)。
  2. 請求項1記載のヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子
  3. 請求項2記載のヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体をコードする遺伝子を含む発現ベクターで形質転換または形質感染された真核宿主細胞を培養し、その培養物または細胞溶解物(cell lysates)から糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を分離する過程を含んで糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体を製造する方法。
  4. 請求項1記載のヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体に付加的な糖鎖化が起こった糖鎖化ヒト顆粒球コロニー刺激因子同種体と薬剤学的に許容される担体とを含む薬剤学的組成物。
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